お知らせ

 

 

私達は憲法によって言論の自由が守られているので、

食や健康等の問題を主張する事ができます。

 

 

 

 

元々憲法改正賛成派だった人の解説です。

 

 

 

 

谷本議員と一緒に飛行機を降ろされたもう一人の人物・高橋清隆氏について

 

 

 

谷本議員らがノーマスクで強制降機! 釧路空港のエアドゥ機、「憲法違反を公然と行う航空各社への行政指導を国交省に求める」

 

 

一緒に飛行機を降ろされた反ジャーナリスト高橋清隆氏による、谷本誠一議員のインタビュー動画です。

 

 

 

 

 

身近な人が被害に合った時の為に

とりあえずブックマークをお願いします。

 

 

 

 

 

 

タグ:糖質制限
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この春で糖質制限を始めてからまる3年になりました。

 

 

 

糖質制限によって体質が改善して、様々な不調が改善しましたが、花粉症もその一つです。

 

 

 

これは、最初の年に治りました。

 

 

 

ちなみに、私の花粉症はスギではなく、9~10月頃のブタクサでした。これが半年も経たないうちに治ったのです。

 

 

 

その年だけではなく、翌年も、その翌年も全く花粉症にはなりませんでした。

 

 

 

完治です。

 

 

 

それまでも健康に気をつけていましたが、何をやっても改善しなかったので嬉しかったです。

 

 

 

でも「糖質制限で花粉症が治った」という話はわりとよく聞く話です。

 

 

 

完治する場合もあれば、症状が軽くなる場合もあります。それは、糖質をどれだけ制限したか・・・にもよるでしょう。

 

 

 

私は、1日の糖質量が10g以下なので、制限としては厳しい方です。これで完治しましたが、もし制限が緩かったらどうなっていたか分かりません。

 

 

 

 

 

 

こちらの記事では、「ブタクサの花粉症が治った」という話はしましたが、「何故、糖質制限をすると花粉症が改善するのか」・・・というメカニズムについては追求していませんでした。

 

 

 

なので今回は、花粉症を始めとしたアレルギーが何故糖質制限で治るのか、そして、花粉症を改善する為に必要な栄養の話をします。

 

 

 

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アレルギーは根本的な原因を取り除いて完治させることを目指すべきである

 

 

花粉を避けたり、症状を抑えたりする対策が人気です。

 

 

 

しかし、将来的な事を考えると、原因を枝葉の物質に求めてそれを叩くのではなく、本質を理解し改善するという発想が大事です。

 

 

 

 

「花粉症」等、なんらかのアレルギー症状がある人は、別のアレルギーにもなりやすいです。

 

 

 

それは、アレルギー物質は異なっても「アレルギー反応のメカニズム」は同じだからです。

 

 

 

「今は花粉症だけ」・・・という人も、アレルギーになる土壌が体の中に整っているわけですから、別のアレルギー予備軍と言えます。

 

 

 

つまり、不健康です。

 

 

 

その為、アレルギーが起こる本質的な問題を解決していくことが重要なのです。

 

 

 

 

目に見えない小さい異物を避けようとしたり、クスリで一つ一つを叩くより、効率もいいですし、無駄な時間やお金を使わなくて済みます。

 

 

 

それに、一生懸命異物を避けたところで、それは本当の原因ではありません。

 

 

 

花粉症の本当の原因は花粉ではない

 

 

花粉は「原因」ではなく「キッカケ」です。

 

 

花粉が原因だと過程した場合、辻褄の合わない事がでてきます。

 

 

まず、その事を表した話を紹介します。

 

 

 

『アレルギーの9割は腸で治る クスリに頼らない免疫力のつくり方 / 著者:藤田紘一郎』より引用

 

―スギ花粉は昔のほうが多かった!

 

 

スギをはじめヒノキ、ブタクサ等さまざまな植物の花粉がアレルゲンとなって、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどを起こす花粉症は、どんどん低年齢化が進んでいます。

 

 

その背景には、大気汚染による免疫増強因子の増加や、都市化および住環境の変化、スギの植生・花粉飛散量の増加など、さまざまな因子が関与していると言われてきました。

 

 

でも本当にそうでしょうか。

 

 

大気汚染はフィルターなどの技術のない昔のほうがひどく、スギ花粉だって昔から飛んでいます。

 

 

その頃に花粉症になる人はほとんどいなかったのですから、これらの理由は少し説得力に欠けます。

 

 

私は回虫をはじめとする「寄生虫感染率が急減したこと」が大きな要因だと考えています。

 

 

私が子どものときは、みんなスギ花粉まみれでした。

 

 

スギ鉄砲といって、竹筒でスギの実をパチンと撃つ遊びのために、花粉でまっ黄色になりながらスギの実をたくさん拾い集めたものです。

 

 

女の子に「金髪にしてあげるよ」と言って、花粉を髪の毛いっぱい塗ってあげたこともあります。

 

 

女の子にモテたい一心で編み出した遊びですが、女の子にも非常に喜ばれました。

 

 

私たちの時代は、誰も彼もそんなふうにスギ花粉まみれでしたが、子供たちは誰も花粉症にはなりませんでした。

 

 

 

(49p~51p)

 

 

 

 

 

もし原因が花粉なら、昔の子供達の方が花粉症が多いはずですが、花粉症の歴史は浅く、日本で報告されたのは1961年だそうです。

 

 

 

 

ちなみに、ティッシュペーパーが開発されたのは第一次大戦中です。アメリカで一般向けに販売されたのは1924年、日本では1953年に発売が開始されています。

 

ティシュペーパーがない時代に花粉症があったら大変だったでしょうね...。

 

 

花粉が原因ではないとしたら、本当の原因は何なのか...

 

 

次はその事についてお話します。

 

 

 

 

花粉症の原因は栄養失調

 

 

 

糖質制限で花粉症が治ったという話をしましたが、治るには理由があります。

 

 

 

アレルギーを引き起こす物質である「抗原(花粉)」はキッカケ、花粉症を始めとしたアレルギーの本当の原因は「質的な栄養失調」です。

 

 

 

「質的な栄養失調」とは、以下のような状態を指します。

 

 

 

糖質過多・タンパク質不足・脂質不足・ビタミン不足・ミネラル不足

 

 

 

 

「栄養はバランスが大事」・・・と言って、「食事バランスガイド」をお手本に食べると必ずこうなります。

 

 

 

ほとんどの人が質的な栄養失調ですが、

 

 

中でも特にいけないのが糖質過多です。

 

 

 

「バランスの良い食事」では、穀物や野菜の摂取量が多めになります。

 

 

 

意識していない人も多いと思いますが、普通にご飯と和食のおかずを3食食べている人は、1日の糖質量が200g近くになります。

 

 

 

ちなみに糖質制限をする前の私は、230~260gの糖質を摂っていました(お菓子ばっかり、菓子パンばっかり...という暴飲暴食をしていたわけではありません。ご飯に野菜を中心としたバランスの良いメニューを食べていてこうなりました)。

 

 

 

しかし、1日に必要な糖質量はごくわずかです。200gはとんでもないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

このような食生活は、動物食性動物である人間の体には負担が大きすぎます。

 

 

 

これだけ沢山の糖質を摂ったら、体の中で色々と問題が生じます。

 

 

 

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血糖値の仕組み

 

 

 

糖質はどのようにしてアレルギーの原因になるか説明していきます。

 

 

その為には「血糖値を調節する仕組み」を知らなくてはなりません。

 

 

 

血糖値は「血液中のブドウ糖の濃度」のことで、これを調節しているのが「上がった血糖値を下げるホルモン」と、「下がった血糖値を上げるホルモン」です。

 

 

 

  • 血糖値を下げるホルモン

 

  • 血糖値を上げるホルモン

 

 

 

 

血糖値を下げるホルモンは「インスリン」です。

 

 

「膵臓」の「ランゲルハンス島」の「β細胞」から分泌されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インスリンは、少量が常に分泌されています。これを「基礎分泌」と言います。

 

 

 

「基礎分泌」は、生命の維持に必要です。

 

 

 

そして、食事等で血糖値が上がった場合は、さらに追加で分泌されます。これを「追加分泌」と言います。

 

 

 

「追加分泌」は、多い程有害です。病気の原因になるので、「追加分泌」を出さないのが健康的です。

 

 

 

 

 

 

 

血糖値を下げるホルモンは、「インスリン」だけです。

 

 

 

一方、血糖値を上げるホルモンは数種類あります。以下が血糖値を上げるホルモンとそれが作られる場所です。

 

 

 

  • グルカゴン(膵臓のランゲルハンス島・a細胞)

 

  • 甲状腺ホルモン(甲状腺)

 

  • 成長ホルモン(脳下垂体)

 

  • アドレナリン(副腎髄質)

 

  • コルチゾール(副腎皮質)

 

 

 

人間以外の生物もこのように「血糖値を下げるホルモン:1」に対して「上げるホルモン:複数」です。

 

 

 

生物は血糖値を下げることは得意ではないということです。

 

 

 

 

『炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】 植物vs.ヒトの全人類史 / 著者:夏井睦』より引用

 

 

 

生物の体は、多数のホルモンが生体機能を調節することで恒常性を維持しているが、特徴的なのは、拮抗ホルモンが必ず存在することだ。

 

 

タンパク質でいえば分解ホルモンと合成ホルモンの両方があり、またそれぞれに、1種類ではなく複数のホルモン群が機能している。

 

 

拮抗ホルモンが存在する理由は、一つの機能が暴走しないためのセーフティーネットであり、また、同じ機能のホルモンが複数存在する理由は、一つのホルモンに異常が起きても機能がストップしないためのバックアップシステムだ。

 

 

ところが、血糖調節(降下)に関連するホルモンだけが、この原則から外れていて、バックアップシステムが存在しないのだ。

 

 

血糖を上昇させるホルモンにはグルカゴン、コルチゾール、アドレナリン、甲状腺ホルモン、成長ホルモンの5種類が存在し、脳が血糖値低下を感知すると、副腎、膵臓、下垂体、甲状腺に働きかけ、副腎はアドレナリンとコルチゾールを、膵臓はグルカゴンを、下垂体は成長ホルモンを、そして甲状腺は甲状腺ホルモンを分泌し、血糖値をすばやく正常値に戻す。

 

 

つまり、5種類のホルモン分泌が全てストップでもしない限り、低血糖状態が続くことはない。

 

 

低血糖に対してはまさに鉄壁の備えである。

 

 

だが、高血糖に対する対策は超手薄だ。

 

 

何しろ、ホルモンは「インスリン」たった1つしかないのだ(これはヒトだけでなく他の生物でも同様)。

 

 

つまり、血糖降下機能に関してはバックアップシステムがなく、もしインスリン分泌に異常が起きたら、血糖値を下げる手段はないのである。

 

 

あなたが天地創造の神なら、こんな間抜けで脆弱な生物を創るだろうか。

 

 

これは前著でも書いたが、この血糖調節ホルモン数のアンバランスぶりをたとえていえば、アクセルが5つあるのにブレーキは1つしかない車みたいなものである。

 

 

このような車を運転する時、あなたはブレーキを踏みまくるだろうか?

 

 

しないはずだ。

 

 

1つしかないブレーキが壊れたら、車を止める手段がなくなるからだ。

 

 

ヒトやペットが容易に糖尿病になるのは、1つしかないブレーキを踏みまくっているからに他ならない。

 

 

それでは、血糖を下げるホルモンは1つしかなく、高血糖という危機的状況に対する備えがお粗末なのはなぜか。考えられうる理由は1つしかない。

 

自然界では血糖値が低下することはあっても、血糖が上昇することはありえない状況だからだ。

 

 

だから生命体は、起こりうる低血糖を予測して、鉄壁の「血糖上昇システム」を予め組み込んでおいたが、一方、血糖の上昇は絶対に起こらない現象なので、「血糖降下システム」は準備しなかったのだ。

 

 

沖縄の住宅に暖房設備がなく、アラスカの住宅にクーラーがないのと同じだ。

 

 

(65~67p)

 

 

 

1つのブレーキ(インスリン)に、

 

 

5つのアクセル(グルカゴン、甲状腺ホルモン、成長ホルモン、アドレナリン、コルチゾール)。

 

 

 

アレルギーは、このうちの「コルチゾール」が出なくなることが影響しています。

 

 

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血糖値を上げるコルチゾールとは

 

 

「コルチゾール」の別名は、「ヒドロコルチゾン」です。

 

 

 

このコルチゾールは、「副腎皮質 ふくじんひしつ」から分泌されます。

 

 

 

その場所ですが、まず腎臓があります。

 

 

 

 

 

で、その上にある小さいのが「副腎」です。

 

 

 

 

「副腎」は、ホルモンを分泌する器官の1つです。

 

 

 

 

 

 

「被膜」の中の構造は、外側の「副腎皮質 ふくじんひしつ」と、内側の「副腎髄質 ふくじんずいしつ」の2層になっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、外側の「副腎皮質」の構造は層です。

 

 

外側から「球状層 きゅうじょうそう」「束状層 そくじょうそう」「網状層 もうじょうそう」と言います。

 

 

 

 

 

コルチゾールは、「束状層」から分泌されます。

 

 

ちなみに、血糖値を上げるホルモンである「アドレナリン」は「髄質」から分泌されます。

 

 

 

 

 

そして、コルチゾールの働きを一部紹介します。

 

 

 

  • 糖新生(糖質以外の物質からブドウ糖を合成する)

 

  • タンパク質代謝

 

  • 脂質代謝

 

  • 抗炎症作用

 

  • 神経系に作用する

 

 

 

 

このうちの「抗炎症作用」に注目して下さい。

 

 

 

糖質が原因でアレルギーになる

 

 

 

糖質を摂取すると血糖値が上がります。

 

 

まず上がりすぎた血糖値を下げるために「インスリン」が分泌されます。

 

 

 

インスリンが出て血糖値が下がるのはいいですが、下がりすぎた血糖値を上げなければいけないので(下がりすぎの方が危険)、その為のホルモンが分泌されます。

 

 

 

当然、「コルチゾール」も分泌されます。

 

 

 

 

上がった血糖値を下げるために、過剰にインスリンが分泌されると「膵臓」が疲弊することはよく知られています。

 

 

同じように、下がった血糖値を上げる為に、過剰にコルチゾールが分泌されると「副腎」も疲弊します。

 

 

 

日常的に糖質を摂取する人はこれの繰り返しです。主食を食べる人は1日3回です。

 

 

 

その結果、「コルチゾール」が出なくなります。

 

 

 

 

「コルチゾール」には抗炎症作用があるので、これが出なくなるとアレルギー物質に対応できなくなります。

 

 

 

対策は、糖質を制限して副腎を疲れさせない事です。

 

 

 

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副腎の疲労と免疫システムの関係

 

 

 

副腎が疲労するのは、糖質だけではなくストレスも関係しています。

 

 

副腎が疲労した場合、免疫システムに与える影響が以下の記事に分かりやすく書かれています。

 

 

 

『病気の治療所 副腎疲労症候群とアレルギー疾患の関係』より引用

 

 

 

アレルギー症状がある人は副腎が弱い

 

 

上記のことをもう少し詳しく述べていきます。

 

 

アレルギー症状がおこるメカニズムは、脳が大きく関与しています。体に異物が侵入してきたと判断した際に、脳は、「ヒスタミンなど異物に攻撃を仕掛ける物質」を放出するように命令します。

 

 

特に、過去に病気になったり、過度のストレスを受けたりした人は、副腎が弱り体内が臆病になっているため、体を異物から守るためにヒスタミンなどの物質が過剰に放出されます。

 

 

ヒスタミンなどが放出されると、異物を処理する際に炎症反応がでます。このことを一般的にアレルギー症状といいます。

 

 

ここでヒスタミンについて簡単に説明します。

 

 

①動物の細胞内に広く存在する化学物質である

 

 

②普段は細胞内でおとなしくしているが、アレルゲンや長期にわたる薬の服用により活性化する

 

 

③血管を拡張させ、アレルゲンに対応する白血球などを患部に集めやすくする

 

 

④ヒスタミンの作用により、白血球はアレルゲンを攻撃することで炎症症状がでる

 

 

このように、異物が体内に入ってきた際に、脳の命令により放出される物質がヒスタミンです。

 

 

ただヒスタミンが過剰に活性化されるとアレルギー症状の原因となります。

 

 

 

副腎疲労がさらに副腎を疲弊さす

 

 

アレルギー症状がでる原因の1つに、ヒスタミンが関係することはお伝えしました。

 

 

そのヒスタミンの放出量は、副腎の疲弊の度合いと関係します。

 

 

副腎が疲弊していると体は臆病になるため、必要以上のヒスタミンを放出し、アレルゲンから体を守ろうとします。

 

 

しかし、ヒスタミンが多く放出されると炎症反応が強くでます。

 

 

そこで、ヒスタミンの放出量を調整しているのが、副腎が造るコルチゾールです。

 

 

皮肉にも副腎が弱るとヒスタミンが多く放出され、またそのヒスタミンの量を調節するために副腎がコルチゾールを造らねばならず、副腎は更に疲弊してしまいます。

 

 

そして、このような状態が続くと副腎が造るコルチゾールの濃度・質が低下してしまい、ヒスタミンの分泌量をコントロールできなくなります。

 

 

そして、ヒスタミンが過剰に放出されてしまい、アレルギー症状を抑えられなくなります。

 

 

 

 

以下は、副腎と「自己免疫疾患」の関係についてですが、「アレルギー」と同じように免疫システムの異常で起こる疾患なので、アレルギーと共通する部分もあります。

 

 

 

『病気の治療所 副腎疲労症候群と自己免疫疾患の関係』より引用

 

 

副腎が造るコルチゾールの濃度・質が低下すると、白血球に属するリンパ球やナチュラルキラー(NK)、またはマクロファージなどの異物と戦う物質の働きをコントロールできなくなります。

 

 

その結果、免疫が過剰になったり低下したりします。

 

 

免疫のコントロールができなくなることから、慢性の炎症症状が続いたり自己免疫疾になったりすることがあります。

 

 

ここでは、副腎疲労症候群と自己免疫疾患について述べていきますが、その前に副腎疲労症候群と「慢性の炎症体質」の関係を先にお読みください。

 

 

悪さをしない細菌・ウイルスも攻撃してしまう

 

 

副腎が健康であれば、白血球は体に宿っている細菌・ウイルスに対し一定の許容量を設定しています。

 

 

例えば「ある細菌が5000匹に増えたら攻撃しよう」とか「あるウイルスが30000匹に増えたら攻撃しよう」など、設定以上に細菌・ウイルスが増えないか監視をして、数を安定化させる働きをしています。

 

 

しかし、副腎疲労症候群になると、白血球の働きをコントロールすることが難しくなります。その結果、体を守ろうという働きが強まり、細菌・ウイルスに対して過剰な攻撃を仕掛けてしまいます。

 

 

上記したように、「ある細菌が5000匹になったら攻撃しよう」という設定が狂いだし、例えば細菌が2500匹という少ない数にもかかわらず攻撃を開始します。

 

 

また、腸内細菌など体内のいたる場所に常在している細菌・ウイルスは、通常は体に対して炎症を引き起こすような悪さをしません。

 

 

しかし、副腎が弱って白血球のコントロールが乱れると、その常在菌に対しても攻撃を仕掛けてしまいます。

 

 

 

その証拠に、最近特に増えている自己免疫疾患に潰瘍性大腸炎があります。

 

 

この症状は過剰になった白血球が腸内に宿っている細菌・ウイルスを攻撃してしまうことで発症します。

 

 

(中略)

 

 

最近、自己免疫疾患が急増しています

 

 

私は長い間、副腎疲労症候群を診てきましたが、最近特に多い症状が潰瘍性大腸炎です。その他にも、原因不明の関節炎や線維筋痛症(せんいきんつうしょう)があります。

 

 

潰瘍性大腸炎では、大腸に常在する腸内細菌を白血球が敵と勘違いして、攻撃を仕掛けてしまいます。

 

 

そのことにより、正常な腸壁の細胞に傷がつき、出血を伴います。人の体の免疫を担う白血球の約70%は、腸に存在しているといわれています。

 

 

「腸管免疫説」を唱えている方々は、「免疫の中心は腸である。腸をきれいに! 腸内細菌がすべてである!」など、腸の大切さを訴えています。

 

 

しかし、免疫(白血球)70%が存在している腸になぜ、クローン病や潰瘍性大腸炎の病気が発症するのでしょうか?

 

 

免疫が強いなら、そのような病気には罹らないはずです。

 

 

しかし、上記したように、クローン病や潰瘍性大腸炎は増加の一途です。

 

 

なぜ、そうなるのかというと、免疫が強すぎ、過剰になっているからです。

 

 

 

しかし、そのことが分からず、世間では「免疫力を上げるサプリメント」や「免疫力を上がる食事法」など、免疫を上げましょう! の大合唱です。

 

 

免疫は下がり過ぎても上がり過ぎても健康は維持できません。

 

 

ちなみに、「腸管免疫説」を唱える人達は、「腸に悪いから動物性食品を控えろ」と言ったり、反対に、食物繊維が多いから野菜を食べるようにすすめてきます。

 

 

しかし、現在の野菜は品種改良されて糖度が高くなっています。

 

 

食物繊維を目的に野菜をバクバク食べると、確実に高血糖になってインスリン、コルチゾール等が大量に分泌されます。

 

 

元、野菜をたくさん食べていて糖質過多の症状があちこちに出ていたので断言します。

 

 

野菜には糖質が含まれているので、油断して食べると糖質の悪影響を受けます。

 

 

私はスーパー糖質制限で花粉症が治りましたが、それまではバランスの良い食事でした。内容は野菜多めに、肉よりも魚介類や甲殻類が多かったです。

 

 

食品添加物や遺伝子組み換え食品を避けたりしていたのですが、それでも花粉症が楽になったことはありませんでした。

 

 

 

野菜を食べていてもこれです。

 

 

糖質過多による副腎の疲弊から免疫システムはおかしくなります。

 

 

 

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花粉症対策はサプリメント

 

 

私は糖質制限だけで花粉症が完治したので問題はないのですが、世の中には糖質を制限できない人もいます。

 

 

 

ここからは、そんな人達がどうやったら花粉症の症状が楽になるかについて話をします。

 

 

方法は不足している栄養素をサプリで補う事です。

 

 

ただ、これは私が試していないので理論中心です。

 

 

花粉症の改善に有効的だと思われる栄養素がこちらです。

 

 

 

 

  • タンパク質

 

  • ビタミンD

 

  • ビタミンA

 

  • 亜鉛

 

 

 

理由を順番に説明していきます。

 

 

 

タンパク質

 

 

タンパク質は体の材料なので、これが少ないと、どんな健康法も効果が落ちます。

 

臓器だけでなく、「免疫細胞」もタンパク質でできています。

 

そして、化学反応を進める「酵素」もタンパク質です。

 

 

ビタミンやミネラルを摂取する前に、タンパク質をしっかり摂っている事が前提です。

 

 

 

ビタミンD

 

 

免疫システムに不可欠でアレルギーが劇的に改善する...と言われているのがこのビタミンDです。

 

 

ビタミンDには、免疫の過剰反応を抑える働きがあります。

 

 

最近、「ビタミンDのサプリメントで花粉症が治った」という話をネットや本等で見聞きする事が増えました。

 

 

私も花粉症があったら試してみたいですが、既に完治してしまったので試せません。

 

 

ビタミンDは、日光を浴びて自分の体で合成することができますし、食事からも摂取することができます。

 

 

しかし、疾患に効果がある程の量を毎日補うとなると大変です。なので、サプリメントからの摂取が圧倒的に効率が良いです。

 

 

 

成人男性は、1日に3000IU~5000IUのビタミンDを消費するそうです。

 

 

 

「IU アイユー」とは脂溶性のビタミンに用いられる単位です。現在は「μg マイクログラム」が使われています。

 

1μg = 40IU

 

 

 

 

以下のような注意点もあります。

 

 

『サーファーに花粉症はいない / 著者:斉藤糧三』より引用

 

 

ただし、次の3つの病態については、ビタミンD補充を注意すべきです。

 

 

・サルコイドーシスなどの肉芽腫性疾患(石灰化を助長するおそれあり慎重投与)

 

 

・リンパ腫、ライム病、腎臓病など高カルシウム血症をきたす疾病(血中カルシウム濃度の増大のおそれあり)

 

 

・ヒドロクロロチアジド(利尿剤)服用時(血中カルシウム濃度の増大のおそれあり)

 

 

(122~123p)

 

 

 

 

ビタミンA

 

 

「ビタミンD」を摂取する場合は、「ビタミンA」を意識して摂取すると良いです。

 

 

同時に使う事で効果が高まるからです。

 

 

 

『花粉症は1週間で治る! / 著者:溝口徹』より引用

 

 

ビタミンAはビタミンDの受容体に結合することが知られ、以前はビタミンDの作用を減弱させるのではないかと考えられていましたが、実際にはビタミンDとビタミンAを同時に使う事によって互いの効果を高め合うことがわかりました。

 

 

 

 

ビタミンAはビタミンDの受容体に結合...については以下に詳しく書いてあります。

 

 

 

 

『サーファーに花粉症はいない / 著者:斉藤糧三』より引用

 

ビタミンDは通常、脂肪や肝臓に備蓄され、血液中に放出されるのですが、充足していない場合、ビタミンD摂取後6時間くらいで血中濃度が下がってしまいます。

 

 

そのため、飲み始めは1回に4000IU摂取しても、数時間で鼻づまりが戻ってくるのでした。

 

 

「1日1万IU以下の摂取で異常があった報告はない」とあったので、1日2回4000IUずつ摂取しました。

 

 

1週間、2週間するうちにだんだん、“切れてきた”(血中濃度が低下した)時の症状が軽くなっていったのでした。

 

 

3週間くらいで、波がなくなったので、1日1回4000IUに減量しました。

 

 

ちょうどそのくらいの時期に、夜間、雨の自動車運転時に、車線などがとても見えにくくなることを自覚しました。

 

 

また、とても目が乾くという症状が現われました。

 

 

私は栄養療法を専門にしていたので、ビタミンA欠乏症による夜盲症と眼球乾燥症状とわかりました。

 

 

しかし、私はビタミンAはサプリメントから1日5000IU日常的に摂取していたので、欠乏ではなくて、ビタミンAとビタミンDの細胞が核の受容体を共有していることによる、相対的な欠乏と理解しました(これに関しては、充分に解明されておらず、現時点ではあくまで仮説です/124ページ「コラム7」参照)。

 

 

(19~21p)

 

 

ちなみに、そのコラムがこちら。

 

 

ビタミンD摂取時の相対的ビタミンA欠乏にご注意!

 

 

プロローグで私自信の経験としても述べましたが、ビタミンDのサプリメントを摂取すると、相対的なビタミンA欠乏症、具体的には夜に目が見えにくくなる夜盲症や、眼球結膜の乾燥(ドライアイ)の症状が出ることがあります。

 

 

ビタミンA欠乏の症状として、夜盲症は有名ですが、ドライアイはあまり知られていません。

 

 

ビタミンAは、皮膚や目の角膜などのターンオーバー(新陳代謝)に必須のビタミンで、欠乏すると上皮の機能低下が起こります。

 

 

目の場合は、眼球の乾燥感として自覚されます。

 

 

その他、ビタミンA欠乏で起こる身近な病気といえば、ニキビです。ニキビの中でも、いわゆる「白ニキビ」。ちゃんとした皮脂腺が形成されない。角質のターンオーバーが適切でない。これらが重なって皮脂腺がつまることで起こるニキビ。

 

 

その原因もビタミンA欠乏です。

 

 

また、目の中の遇角で房水の通りが悪くなることで、眼圧が上がるのが緑内障ですが、ビタミンA欠乏による遇角機能の異常を指摘する医師もいます。

 

 

 

ところで、ビタミンAはニンジンなどに含まれるβカロテンから体内で合成できることになっているので、一般的には欠乏は起きないことになっています。

 

 

しかし実際は、βカロテンからビタミンAの合成がうまくできない体質の方がいることがわかっています。

 

 

またビタミンAを豊富に含有している食品は、レバーやウナギなど、あまり日常的に摂取されない食材なので、実はふだんの生活で気付かないうちにビタミンA欠乏になっていることは少なくありません。

 

 

しかし、この認識は一般的ではないので、市販のサプリメントにもβカロテンは入っているけれど、ビタミンAは入っていないことが、ほとんどです。

 

 

 

当時、私は自分の設計したサプリメントを摂っていて、1日5000IUのビタミンAを摂取していました。

 

 

ビタミンA欠乏になるはずはないので「なんで目が乾くのだろう?」と不思議に思いました。

 

 

ビタミンDの副作用を調べても、夜盲症やドライアイについては触れられていません。

 

 

実は脂溶性ビタミンであるビタミンAとビタミンDは、核内受容体といって、どちらも細胞の核の部分に直接届いて仕事をするスーパーファミリーと呼ばれていて、そのメッセージを受け取るところが共通です。

 

 

つまり、受容体(レセプター)が共通なのです。

 

 

その結果、ビタミンDが受容された分、ビタミンAがレセプターに受容してもらう機会が減って、相対的なビタミンA欠乏が起きてしまったのです。

 

 

受容体をコンビニのレジにたとえると、レジが1つのコンビニにビタミンDさんが列を作ってしまい、ビタミンAさんの会計が先送りされてしまったわけです。

 

 

ビタミンDサプリメントを摂取した場合、経験的にこの相対的ビタミンA欠乏症は1ヶ月ほどで緩和され、落ち着いていきます。

 

 

(124~125p)

 

 

 

 

亜鉛

 

 

亜鉛は免疫の働きを高めます。

 

 

 

  • 免疫システムの主役である「白血球」を増殖する

 

  • ビタミンAの利用効率を高め粘膜を丈夫にする

 

  • 体内の炎症を抑制する働きがある

 

 

 

 

免疫システムにとって必要な亜鉛ですが、精子の生成に消費されるので、男性は不足しやすい栄養素です。

 

 

 

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一般的な花粉症対策のリスク

 

 

最後に薬で症状を抑える事のリスクについて触れておきます。

 

 

 

私は「ビタミンやミネラルはサプリメントで摂った方が良い」という話をよくするのですが、こう言うと、栄養は食事から摂るのが良いとか、副作用が心配...といった声がかえってきます。

 

 

 

でも多くの人が使っている薬の方がリスクがあります。

 

 

 

 

 

『病気の治療所 副腎疲労症候群と自己免疫疾患の関係』より引用

 

 

一般的に病院で処方される薬は、過剰になっている免疫(白血球)にアプローチするものです。

 

 

その薬の1つに、白血球の働きを抑え込むように作られたものがあります。いわゆるステロイド系のものです。ステロイド系の薬の特徴をまとめます

 

 

①感覚器官を麻痺させ、臓器・器官にはびこった異物の存在を脳に知らせない

 

②白血球の働きを抑制することにより、異物への攻撃を妨げる

 

③血管を異常収縮させ、ヒスタミンの放出を抑える

 

 

 

上記の作用で、ステロイド系の薬を使うと見事に炎症がおさまります。しかし、臓器・器官にはびこった細菌・ウイルス、または体外から侵入してきた化学物質などに作用しているものではありません。

 

 

 

攻撃側に停戦命令をだしているだけです。

 

 

 

しかし、ステロイド系の薬には副作用があるため、長期服用することに抵抗があります。

 

 

そこで、ある程度炎症症状が治まると薬の服用を中止します。

 

 

ここで、ステロイド系の薬の服用を中止した場合に、体内ではどのような現象が起こるのかをまとめてみます。

 

 

①薬を服用中は白血球の働きが抑制されていたが、服用を中止すると白血球の働きが過剰になる

 

②過剰なった白血球は、体内に増殖した細菌・ウイルスを以前にまして攻撃することにより、炎症症状がおこる

 

 

 

ステロイド系の薬は一種の麻薬です。

 

 

安易に使うと、その薬を止めるのにとても苦労をします。

 

 

しかし、現代医学では、軽い咳や花粉症、または軽い皮膚炎であっても簡単にステロイド系の薬を処方します。

 

 

その背景には「炎症を止めてほしい患者」と「炎症を止めないと悪評を言われるのを嫌がる医師」と双方の思惑があります。

 

 

 

「急性のネフローゼ」や「ヘルペスが眼内にはびこって失明の恐れがある」などの場合に、ステロイド系の薬を使うことには異論はありません。しかし、そのような病気になる背景の説明がないことに私は疑問を感じます。

 

 

 

花粉症の対策は、糖質を制限したり、サプリを使った方が効率よく安全だと思います。

 

 

 

もう1つ言っておくと、糖質によって血糖値が上がり「インスリン」が分泌された後、下がりすぎた血糖値を上げる為に「コルチゾール」などが分泌されます。

 

 

これらのホルモンに必要な主な材料は「アミノ酸」、補酵素の「ビタミンB群」、「亜鉛」、「マグネシウム」等です。

 

 

 

糖質を過剰に摂取すると、これらが減るので、たくさん合成しなければなりません。

 

 

 

そのたびに材料のタンパク質、ビタミン、ミネラルが消費される、不足するというわけです。

 

 

 

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疾患は「その人の遺伝的に弱い部分」に表れます。

 

 

私の場合は同じ消化器官でも、胃は弱かったのに、何故か腸は弱くありません。

 

 

これまでの人生を振り返っても、食生活がどうであろうが、腸の問題は抱えたことがないのです。

 

 

他のところは弱いのですが、丈夫なところもあるようです。

 

 

 

困った事がないので、これまで、腸に関する記事は書いた事がなかったのですが、腸内環境についてや、糖質制限で便秘をする・・・といったご相談はよくいただきます。

 

 

なので、本記事では、このようなケースの原因と解決法についてお話します。

 

 

 

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脂質不足が原因で便秘になる

 

 

世間には、腸の健康には〇〇菌・・・というセリフが五万と転がっています。

 

 

ですが、話を「菌」という小さくて複雑な部分にフォーカスし過ぎることで、本質が見えなくなっているように思えます。

 

 

 

 

まず、一般的な便秘の対策について考えさせられる記事をご紹介します。

 

 

『スロトレ実践報告ブログ 糖質制限開始から7ヶ月で便秘とサヨナラできました』より引用

 

 

定番の便秘の予防法や解消法はあまり役に立たない

 

 

一般的な便秘の予防法や解消法は、食物繊維や乳酸菌をたくさん摂取するとか、体操などでお腹周りを刺激して、腸の働きを活発にすることとされています。

 

 

でも、私の経験からは、これらは便秘の解消にはほとんど役に立っていなかったと言えます。

 

 

まず食物繊維ですが、私は、糖質制限を開始する前よりも開始後の方が、摂取量が多くなっていたのに便が固くなりました。

 

 

米やパンを食べない代わりに納豆や豆腐をよく食べるようになったので、間違いなく食物繊維の摂取量は増えています。

 

 

食物繊維が豊富なブロッコリーも毎日のように食べていますが、これらが、便通に変化を与えたということはありませんね。

 

 

乳酸菌についても食物繊維と同様です。

 

 

糖質制限前は、ヨーグルトを半年ほど食べていなかったのですが、糖質制限開始から毎日のように食べています。しかし、便通に変化なし。

 

 

このような自分の体験から、定番とされている便秘の解消法なんていい加減だということがわかりましたね。

 

 

 

私は常々、定説はあてにならないと述べていますが、腸も例外ではないようです。

 

 

ちなみに、私は1日の糖質量が10g以下になるようにしています。野菜ほぼの糖質制限なので、食物繊維の量が増えて便秘になることはありません。

 

 

 

この方の解決策は、「脂質の摂取量を増やす」でした。続きをご覧下さい。

 

 

乾燥した便なら脂質不足を疑ってみる

 

 

このブログでは、以前にも紹介していますが、便秘は、脂質不足が原因ということも考えられます。むしろ、便秘の大部分が脂質不足だと思います。

 

 

私は、便秘気味ではあったものの、毎日排便があったことから、とにかく自分の便を観察することにしました。

 

 

小さく丸く固い便は明らかに水気がありません。汚い話ですが、おそらく便を触っても手につくことはなかったと思いますね。お尻を拭いたトイレットペーパーを見ても、まったく便が付いていませんでした。はっきり言って、排便後にお尻を拭く必要なんてない状態でしたね。

 

 

こういう便の状態から、水分と脂が不足しているのではないかと思い、さっそく水をたくさん飲むようにしました。でも、体にとって余分な水はすぐに尿として出てしまうんですよね。だから、どんなにたくさんの水を飲んでも腸内に潤いを与えることができません。

 

 

そこで、次は、脂質を多く摂取することにしました。

 

 

これがどうやら功を奏したようで、スーパーで肉を買った時にもらった消しゴムほどの大きさの牛脂を食べた翌日には、柔らかい便が出ました。その効果は3日ほど続きました。便の色も黒かったのが、自分の肌の色くらいまで白くなりました。

 

 

それからは、サラダを食べる時には必ずマヨネーズをかけるようにしました。ハムや豆腐にもかけて食べたりしましたね。

 

 

このようにマヨネーズの摂取量を増やしたところ、糖質制限開始から5ヶ月ほど、マヨネーズをよく食べるようになってから2ヶ月ほど経ったときには、以前のように柔らかい便に戻っていました。

 

 

小さく丸く硬い便が出ることはほとんどありません。さらに糖質制限開始から6ヶ月以上経ったときには、マヨネーズを食べなくても、翌日の便が固いということは無くなっていました。

 

 

 

紹介した話では、便秘になる原因として、「脂質不足」と「食物繊維の量が増えた」事を上げられていました。

 

 

このうち問題が大きいのは後者です。

 

 

 

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腸内環境が悪化する原因

 

 

糖質制限に限らず、食物繊維を多く摂られている方で便秘ぎみの方は、まず食物繊維に対する認識を改めるべきだと思います。

 

 

というのも、人間の胃や腸には、食物繊維を消化する酵素はないからです。

 

 

 

体の構造から考えると、「食物繊維を食べる」という選択自体が、そもそも間違いなのです。食べて便秘にならなかったらラッキー・・・ぐらいの感覚でちょうどいいです。

 

 

 

そんな人間は、悪玉細菌によって腐敗・発酵させる事で野菜等を便にします。

 

 

 

腐敗・発酵なので、体にとっては有害です。

 

 

 

毒素が腸を傷つけ血管内部に侵入し、それによって以下のような疾患の原因になります。

 

 

 

  • 過敏性大腸炎

 

  • リウマチ

 

  • 喘息

 

  • クローン病

 

 

 

すると体は、腸内の水分を減らす事で、腐敗・発酵を防ごうとします。

 

 

これが便が硬くなる原因です。

 

 

 

植物食性(草食)動物と食物繊維

 

 

食物繊維を食べても大丈夫な植物食性動物は、体内に特殊な発酵タンクを持っていたりします。

 

 

 

例えば、ゴリラの場合は、食物繊維を発酵させて生じる「短鎖脂肪酸 たんさしぼうさん」を栄養源にしています。

 

 

 

「短鎖脂肪酸」は、大腸で腸内フローラ(腸内細菌叢)によって作られ、腸内環境をよくする・・・として、最近よく紹介されています。

 

 

 

「短鎖脂肪酸」が健康に良いかのように言われていますが、鵜呑みにせず、以下のような事実も知っておいた方がよいでしょう。

 

 

 

 

  • 短鎖脂肪酸をエネルギー源としている馬や日本猿の寿命は25年~30年。ゴリラは35年~40年。

 

 

  • 人間よりも何十倍もの短鎖脂肪酸を摂り入れているゴリラの死因の多くは「腸炎」。他に多いのが「ウイルス感染」、「肺炎」。

 

 

 

寿命は種類によってある程度決まっているので、短くても仕方がないとも思いますが、

 

 

炎症や感染症などの疾患が多い・・・というのは問題ですね。これはどう考えても不具合です。

 

 

以前も紹介したことがありますが、重要なのでもう一度載せておきます。

 

 

『宇野コラム Uno column (追記あり)あなたはゴリラ?発酵食と高繊維食はゴリラでOK』より引用

 

 

つまり、人間の大腸は草食動物と肉食動物の中間であり、人間の大腸は解剖学的に、草食動物のような過発酵には適さないのです。

 

 

食物繊維を沢山摂取して、なおかつ、高フォドマップのような発酵食品を沢山食べると、人間の大腸は、それに耐えられず、過敏性腸症候群や大腸憩室を来すことになります。

 

 

しかし、大丈夫だという人もいます。

 

 

そういう人は、ゴリラや猿に似た丈夫な大腸の持ち主かもしれません。

 

 

しかし、生まれつきゴリラではないので、慢性的な高圧力によって、だんだんと腸管が拡張してきて、腸管が薄くなり、腸が横に伸びて、収縮力が低下し、巨大結腸症の方向へ向かってゆきます。

 

 

 

 

人間の大腸はわずかな発酵にしか耐えられない構造だそうです。

 

 

なので、植物食性動物の真似は慎重になった方がいいでしょう。

 

 

 

 

 

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肉を食べると腸で腐って発癌性物質が発生するという説について

 

 

食物繊維は腸内で腐敗・発酵して便にします。

 

 

ここまでの流れから、野菜や食物繊維との付き合いを考えた方がいい・・・というのは理解できたと思います。

 

 

じゃあ、肉はどうなんだ?と思う方がいるので、これについて考えていきます。

 

 

「肉を食べると腸で腐って発癌性物質が発生する」という説があります。

 

 

私も断食や1日1食をしていた時に、この手の説をみました。

 

 

その当時は「野菜=ヘルシー」だと思っていたので、なんとなく、そんな気がしていたのですが、何事もイメージで物事を判断してはいけません。

 

 

肉だけが腸内で腐る・・・という現象が本当に起こるのかどうか考えてみます。

 

 

肉が腸内で腐る為には、肉のまま腸内に移動しなければなりません。

 

 

まず、以下の記事をお読み下さい。

 

 

 

『新しい創傷治療 消毒とガーゼの撲滅を目指して 2014/08/06』より引用

 

 

40代男性、昼に寿司を食べた後4時間後に急に立てなくなるほどの腹痛が出現し救急車にて搬送された患者さんです。当院外来医が胃アニサキス症を疑い、私が緊急内視鏡検査をしました。

 

 

食べてから5時間後の内視鏡画像ですが、寿司ネタは見事に消化され、魚の面影はまるでありませんが、シャリだけは見事に残っています。これを見てもご飯が如何に消化が悪いかが分かります

 

 

 

これは胃の中の話ですが、消化器官なので、腸と全く無関係ではありません。胃の中での消化は以下ようになります。

 

 

 

  • ごはん・・・5時間後原形あり

 

  • ・・・・5時間後消える

 

 

 

魚は動物性食品ですので、肉と同じカテゴリーに属します。

 

 

 

ちなみに、肉だけ食べた場合も食後30分で胃から消えます。

 

消化に良い食品の嘘。慢性的に胃がもたれる人は糖質の過食を疑え!

 

 

あたりまえですが、動物性食品は、胃から腸にそのままの形でワープするわけではありません。

 

 

ある程度分解されて腸に到達します。

 

 

つまり、この時点で元肉であって、肉ではありません。

 

 

で、最終的に小腸で「ぺプチターゼ」によってアミノ酸にまで分解されます。

 

 

 

一方、炭水化物は、胃カメラの画像もそうですが、唾液でちょっと分解した状態で何時間も胃に留まって、十二指腸を通って小腸に行きます。

 

 

留まるのは「糖反射 とうはんしゃ」が考えられますが、とにかく消化が悪いです。

 

 

 

糖反射については、以下の記事で説明しています。

 

どこも異常がないのに消化が遅くて胃が重いのは「糖反射」が原因かもしれません

 

 

 

消化の悪い「炭水化物」が小腸に未消化で届いて腐る・・・というなら分かりますが、胃の中からさっさと消えるような消化の良い「肉」が腐るという事はありえません。

 

 

 

一応、食べ物を消化する酵素は「タンパク質」でできていますから、

 

 

例えば「タンパク質」不足の人は、消化酵素が不足して、「タンパク質」が消化しにくくなる・・・ということはあります。

 

 

なので、それによって肉が未消化のまま小腸にいって腐る・・・ということならあるかもしれません。

 

 

でもそれは、肉が悪いのではなく、「タンパク質」不足で肉を消化できない体に問題があると言えます。

 

 

人間は動物食性動物ですから、健康体であれば肉はさっさと消化します。

 

 

 

その本来の機能がおかしくなる程「タンパク質」が不足するような食生活をおくってきた事が問題なのです。

 

 

 

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肉と発ガン性物質の関係

 

 

また、仮に肉が未消化で、それが腐って有害物質になったとしましょう。

 

 

でもだからといって癌の心配をするのは筋が違います。

 

 

というのも、癌は何もしなくても生きているだけで毎日発生しているからです。

 

 

『朝日新聞 DIGITAL がん細胞は一日にいくつ発生している?』より引用

 

 

原典を引用しているサイトがないか、インターネットで検索してみたところ、興味深いことが明らかになりました。

 

 

1日に発生するがん細胞の数がサイトによって異なるのです。

 

 

冒頭で紹介した「1日に5000個」が一番ポピュラーでしたが、その他に、「数百から数千個」「毎日1000~2000個」「毎日1000~5000個」「毎日2000~4000個」「毎日3000個」「毎日3000~5000個」「毎日3000~6000個」「毎日4000~6000個」「毎日5000~6000個」「毎日1万個以上」「数万個から数十万個ほど」などという記述が見つかります。

 

 

見つけた中で一番数字が大きいのは「毎日100万個」というのがありました。小さい方は「毎日数個」。幅が広すぎでしょう。

 

 

引用元を明示しているサイトはほとんどなく、明示していても論文ではなく一般書でした。

 

 

おそらく、それぞれのサイトで伝言ゲームのように引用し合ううちに、数字を盛ったり、書き間違えたりしたのではないかと考えられます。

 

 

英語圏まで広げて検索してみましたが、一次文献までさかのぼることはできませんでした。

 

いろんな情報を総合すると、フランク・マクファーレン・バーネットというオーストラリアの医学者が、突然変異の起こる確率、がん細胞の発生に必要な突然変異の数、一日に分裂する細胞の数などから推測したようです。

 

 

このような話は医学や栄養学にはたくさんあるので、とくに珍しい話ではありません。

 

 

で、癌の1番の問題は、発生することではなく、増殖、転移することです。例え発生しても、増殖しなければ怖くありません。

 

 

この世に五万とある癌が発生する原因にビクビクするより、例え癌が発生しても増殖させない体作りをすれば良いのです。

 

 

1番大切なのは、癌の餌である糖質を与えない事。突き詰めて言えば、糖質を多く含む植物性食品を控える事です。

 

 

 

というわけで、癌を防ぎたいなら、植物性食品を減らし、動物性食品を選ぶべきです。

 

 

・・・といっても、糖質制限で便秘になる人もいるので、次はその問題を解決したいと思います。

 

 

 

 

糖質制限で便秘になる原因

 

 

糖質制限を始めると、こむら返りが起きたり、便秘になって続かないという人がいます。

 

 

私はならなかったのですが、かなりおられるようです。

 

 

その原因は「マグネシウム不足」です。

 

 

 

糖質制限で「マグネシウム」が不足しやすい原因をまとめます。

 

 

 

  • 肉や消費量が増えると、「マグネシウム」の消費量が増える。

 

 

  • 脂質中心の食事だと「マグネシウム」が排泄される量が多い。

 

 

  • チーズは、マグネシウムよりカルシウムが多いので、たくさん食べると、マグネシウムが少なくなる。「マグネシウム」と「カルシウム」は拮抗関係にあるので、1:1で摂るように心がける。

 

 

何故このような事が起きるのかというと、「丸ごと」食べないからです。

 

 

人間は動物食性動物ですが、現在の私たちがその生活をしようとすると、色々と制約があります。

 

 

 

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骨に多く含まれているマグネシウム

 

 

実は「マグネシウム」は骨に多く含まれています。

 

 

人間の歯は「すりつぶつす」に適した歯の形をしていて、人類は大昔、骨やその骨髄を食べていたようですが、現代人はそれを食べません。

 

 

ミネラル不足を補う為に骨を食べる習慣の地域もあるそうです。

 

 

 

『吉冨信長氏 facebook 2016年7月27日』より引用

 

 

土壌や土地そのものにミネラル分が少なかった地域は、昔からあらゆる手段で摂取を試みました。

 

 

例えば北極圏に近いトナカイ遊牧民は住んでいる土地が岩塩の露出が少ないため、一般に捨てるはずのトナカイの蹄(ひづめ)は食べるし、骨も砕いて食べます(骨からは同時に脂も取ります)。

 

 

現代人は飽食の慣れにより麻痺しているのか、慢性的なミネラル不足となり、キレる、イライラする、うつになる、精神障害をおこすなどが後を絶ちません。

 

 

糖質制限をしている私でも、さすがに骨は食べられません。

 

 

 

また、肉食以外でもマグネシウムが減る事があるので注意が必要です。

 

 

 

『吉冨信長氏 facebook 2016年8月7日』より引用

 

 

マグネシウムは多くの植物性食品から摂取できますが、農薬や化学肥料の使い過ぎで土壌のマグネシウムは作物まであまり届かず、現在の野菜の栄養価低下をもたらしています。

 

 

さらに、海藻離れ、小魚離れ、大豆離れ、加工食品の増加などが決定的となっています。

 

 

また、食品添加物の多くがマグネシウムを損失させます。

 

 

外食の多い人や加工度の高い食品に依存している人は、慢性的なマグネシウム欠乏に陥り、体内のすべてにおいて影響があるため、マグネシウム摂取を開始しても改善するのに時間がかかります。

 

 

有名なのは加工肉で使用されるリン酸塩です。これはマグネシウムと結合力が非常に高いものです。

 

 

過剰な糖分からも多くのマグネシウムが取られてしまいます。

 

 

ある説では、グルコースの1分子を代謝するためには、少なくともマグネシウムの8~20分子を必要とするそうです。

 

 

過剰な精製糖質の摂取は避けるべきです。他にも多くの医薬品はマグネシウムと結合します。

 

 

重金属曝露によるマグネシウム欠乏もあります。

 

 

水銀、銀、カドミウム、銅、鉛などが体内に多く蓄積されていると、マグネシウムの吸収が低下します。

 

 

まずはこれらをデトックスすることも大事です。

 

 

特に日本人には水銀やカドミウムの曝露が多いのが現状です。

 

 

逆にマグネシウムをしっかり保持している人はこれら重金属を解毒する酵素がきちんと働きます。

 

 

よってまずは重金属をデトックスし、その後マグネシウム保持が安定するようになれば、重金属曝露からも比較的逃れられるかもしれません。

 

 

 

「マグネシウム」が不足している事で起こる場合の便秘は、マグネシウムを補う事で改善します。

 

 

 

私は便秘にならないので試していないですが、糖質制限で便秘になった方がこの方法で改善するケースが多いとのことです。

 

 

 

1番いいのはサプリメントで補うことです。理由は、毎日続ける場合、価格が安いのと、糖質などの余分なものが含まれていないからです。

 

 

でも、中にはサプリは嫌だという方もいます。

 

 

その場合、私なら、めかぶ、ココア、くるみ等、糖質量を考えながら摂取します。あと、大豆やゴマにも多く含まれています。マグネシウムが多く含まれている「ぬちまーす」という塩を使うのもいいでしょう。

 

 

余談ですが、めかぶは昔から好きで、糖質がほぼ0なので、スーパーで「味付けがしていないメカブ」と、「マグロのブロック」が安く手に入った時は、きざんでご飯なしの丼にして食べます。

 

 

ただ、以前から述べているように、食品に含まれている栄養の量はしれているので、不調の改善をすることが目的なら、量がしっかり摂れるサプリメントが効率がいいです。

 

 

 

マグネシウムのサプリは、種類によって吸収率が違います。

 

 

 

『藤川徳美医師 facebook 2017年12月14日』より引用

 

 

マグネシウムは多くの形で購入することができます。最も広く入手可能な形態は酸化マグネシウムであり、それは約5%しか吸収されないのでそれほど効果的ではない[11]。

 

 

マグネシウム酸化物サプリメントは、丸薬がより小さくて - 一般的にはマグネシウムを多く含みますが、ほとんどの人には役立たないのですが人気があります。

 

 

より良い形態のマグネシウムは、クエン酸マグネシウム、リンゴ酸マグネシウムであり、最もよく吸収されるものは塩化マグネシウムである。

 

(中略)

 

11. Dean, C. (2007) The Magnesium Miracle. Ballantine Books, ISBN-13: 9780345494580

 

 

ここまで、「マグネシウム不足」の便秘についてお話してきましたが、便秘になる原因には、「ビタミンC不足」もあります。

 

 

 

ビタミンCは糖質制限で不足しやすい栄養素なので注意が必要です。

 

 

 

ビタミンC不足による便秘

 

 

ビタミンCにはお腹を緩める効果があります。

 

 

私は現在、ビタミンC1000mgを、朝昼晩3回飲んでいますが、この飲み方だと下剤としては効果はありません。

 

 

便秘解消に使う場合、どのぐらいの量で効果があるのかというと、状態によって変わるようです。

 

 

『藤川徳美医師 facebook 2017年7月6日』より引用

 

 

ビタミンCは、健常時には10~20g程度しか吸収できないが、 重篤な病気では体内のC濃度が低下するため、腸耐性用量(bowel tolerance doses)が増える。

 

 

つまり、健康なときは1日10~20g程度で軟便になるが、重篤な病気の時は100gでも軟便にならない。

 

 

(中略)

 

 

Cは便秘に悩んでいる人には特効薬だと思う。

 

 

これほど安全で安価なものは他にはないはず。

 

 

毎時間2gを3~4回で多くの人で解決するのではないかと思う。

 

 

三石先生風に言うと、「便秘がCで治るからと言っても、Cが便秘の特効薬だと考えてはいけません。C不足があったので便秘をしたと考えるべきです。」

 

 

 

(追記)ビタミンCについて、読者のUさんから以下の記事のコメット欄で、体験を頂きました。こちらも参考にして下さい。

 

 

重度の花粉症の人も糖質制限や栄養療法で改善できる

 

 

>あと私も糖質制限を始めて便秘になりましたが、nowのビタミンC1000の錠剤は一気に10錠飲んでもダメでしたが、粉状のCにしてからは1時間おきにティースプーン半分2回でほぼ解消できました。錠剤の方はタイムリリース?徐々に吸収されるらしくて便秘には効果が薄いようです。

 

 

 

 

鉄サプリを飲んでいる人で便秘になる方も、ビタミンCが効果的です。

 

 

 

ただし、ビタミンCを摂りすぎると酸化するので、その還元の為にビタミンEが必要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上、「腸内環境が悪化する原因」と、原因別に「便秘の改善」についてまとめました。

 

 

同じ症状でも、原因によって対処法は代わってくるので、よく観察して、原因を見極める事が大切です。

 

 

 

 

腸内環境は、歯の金属の材質によっても悪化します。

 

【小中学生でも実験できる】測定器を使わずに電磁波の影響を調べる方法(スマホ)

 

 

 

 

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糖質は依存性が強いだけでなく、過剰に摂取すると害になります。

 

 

しかし、そうはいっても「ブドウ糖」は人体にとって必要な栄養素です。その必要な血中のブドウ糖濃度は、全血液約5ℓに対して5gです。

 

 

 

わずかな量ですが、体には「ブドウ糖に依存している細胞」があるので、この一定のブドウ糖がないと生きていけません。

 

 

 

しかし、食事から糖質(ブドウ糖)が全く入ってこないとどうでしょうか。例えば、睡眠等の絶食時、糖質を制限する食事を実践している時等です。

 

 

 

糖が体に入ってこないので血糖値が低下しそうな気がします。

 

 

 

しかし、問題ありません。

 

 

生命維持に必要な最低限の血糖値が維持できないのは非常に危険なので、体には血糖を維持するためのシステムが備わっています。それが「グリコーゲン分解」と「糖新生」です。

 

 

 

  • グリコーゲン分解

 

  • 糖新生

 

 

 

「グリコーゲン」は、ブドウ糖が複雑に繋がった構造をしており、肝臓や筋肉に貯蔵しています。これを分解してブドウ糖にできるのですが、容量が少ないので早く枯渇してしまいます。

 

 

しかし、そうなっても、肝臓や腎臓で、「糖質以外の材料」から糖質(ブドウ糖)を新たに作りだすシステム、「糖新生」があるので安心です。

 

 

肝臓と腎臓

 

 

糖質の摂取が途絶え、さらにグリコーゲンが枯渇しても、「糖新生」によって合成できるので、生きていく為に必要な血液中のブドウ糖の濃度は維持できます。

 

 

ただし、良い面ばかりではありません。

 

 

優れた「糖新生」の機能ですが、場合によっては高血糖になってしまう事があります。

 

 

糖質制限をしていても起こりうる現象なので注意が必要です。

 

 

本記事では、糖新生の働きと、それはどのような場合に起こるのかについてお話します。

 

 

ちなみに、体内でどのような材料から、どうやってブドウ糖を作るのか・・・という代謝経路の話は、以下の記事で説明しましたので参考にして下さい。

 

 

糖新生の仕組みについて分かりやすく説明してみた

 

 

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糖新生を必要としている細胞

 

 

生体は生きていくために、エネルギー物質「ATP」を作り出し、これを使って生命活動を行なっています。

 

ATP(アデノシン三リン酸)について分かりやすく説明してみた

 

 

「ATP」がないと何もできませんし、無くなるとどの生物も死にます。

 

 

その「ATP」の元となる材料は、糖質(ブドウ糖)、脂質(脂肪酸)、ケトン体(脂肪酸を分解してできた物質)、タンパク質(アミノ酸)です。

 

 

多くの細胞は、これらの材料を燃料にできるのですが、そうではない細胞も存在します。

 

 

冒頭で「体にはブドウ糖に依存している細胞がある」と言いましたが、それが以下です。

 

 

ブドウ糖しか利用できない癌細胞と赤血球とグリア細胞

 

 

 

これらの細胞は、どれもエネルギー代謝が「解糖系」なので、ブドウ糖が必要です。言いかえると、「糖新生」のシステムが必要ということになります。

 

 

 

 

ではここで、それぞれの細胞について、簡単に解説しておきます。

 

 

赤血球

 

赤血球は、全身の細胞に酸素を届ける仕事をしています。赤血球の細胞内には、発電所である「ミトコンドリア」が存在しません。

 

従って、「ミトコンドリア」でのエネルギー代謝ではなく、細胞質基質での「解糖系」という発電方法でエネルギーを得ています。「解糖系」のエネルギー源は「ブドウ糖」です。

 

では、何故赤血球には「ミトコンドリア」がないのか・・・ですが、「ミトコンドリア」は酸素を要求するので、もし赤血球に「ミトコンドリア」があれば、配達用の酸素を運ぶ途中で消費してしまうかもしれません。ない方が都合がいいと考えられます。

 

 

 

 

 

グリア細胞

 

グリア細胞は、神経を構成する「ニューロン」以外の細胞です。

 

脳の細胞は大きく分けて、思考をする「ニューロン」と、思考をしない「グリア細胞」の2つのタイプがあります。両者は特徴やエネルギー代謝が異なります。

 

「グリア細胞」の方は、エネルギー産生の99%を「解糖系」に依存しています。つまり、エネルギー源をブドウ糖に依存しているということです。

 

一方、「ニューロン」は、「ミトコンドリア」の多い細胞で、「ブドウ糖」を材料とする「解糖系」はほぼないそうです。脂肪酸から生成された「ケトン体」や「グリア細胞で発生した乳酸」をエネルギー源にしています。

 

 

 

  • 「ニューロン」・・・ケトン体、乳酸(ミトコンドリア)

 

  • 「グリア細胞」・・・ブドウ糖(解糖系)

 

 

 

「グリア細胞」について、詳しくは以下の記事で話しています。

 

「脳のエネルギー源はブドウ糖なので糖質をしっかり摂りましょう」と言う人が語らない話

 

 

 

癌細胞

 

 

癌細胞は、正常細胞の何倍もブドウ糖を取り込む細胞です。一見悪者に見えますが、実は、糖質の過剰摂取によって発生した「乳酸」によって酸性化した体を助ける為に役立っています。

 

 

癌細胞は「ミトコンドリア」が機能不全になっているので、解糖系によるエネルギー産生に依存(つまり、ブドウ糖に依存)しています。これは過剰になったブドウ糖(乳酸)を処理する為の機能だと考えると辻褄が合います。

 

 

 

 

 

 

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糖新生の仕組み

 

 

「グリコーゲン」に蓄えられたブドウ糖の量はたいしたことないので、絶食状態が続くと「糖新生」のシステムに切り替わります。

 

 

①食事からのブドウ糖の供給が途絶える

 

 

②血糖値が下がってくる

 

 

③グリコーゲンをブドウ糖に分解して供給

 

 

④グリコーゲンが枯渇

 

 

⑤糖新生でブドウ糖を合成

 

 

 

食事からの糖が途絶える状況・・・というのは、「絶食時」そして、「糖質制限」などです。

 

 

絶食が続いて糖が足りなくなった時に、「糖新生」の材料に使われるのは、自らの筋肉を分解した「糖原性アミノ酸」です(※絶食ですから食事からのアミノ酸供給はありません)

 

 

糖質制限をしている人の場合は、食事からタンパク質を多く摂取するので、これを分解してできた「糖原性アミノ酸」を材料に「糖新生」が行なわれます。しかし、睡眠時等これらが入ってこない時は、自らの筋肉を分解した「糖原性アミノ酸」を「糖新生」の材料にします。

 

私のように糖質量1日10g以下の厳しい糖質制限をしても大丈夫なのは、「糖新生」があるおかげです。注意することは、タンパク質の摂取量が減ると筋肉の減る量が増えるので、タンパク質を不足させないようにすることです。

 

 

この「糖新生」は腎臓でも行なわれているのですが、主に肝臓が行なっています。その為「肝硬変」の方は、「糖新生」の機能が落ちているので糖質制限はしてはダメなのです。

 

 

ちなみに、糖新生の材料は「糖原性アミノ酸」の他、「グリセロール」、「乳酸」等があります。

 

 

 

糖新生によって合成される糖質量

 

 

「糖新生」は、誰の体内でも日常的に起こっている現象です。糖質を控えている人や、飢餓の時の専売特許ではありません。普通に糖質が多い食事をしている人でも空腹時には起こっています。

 

 

『Cafe すてきに活ききる 旬(ときめき)亭  糖新生、低血糖 萩原敦』より引用

 

「糖新生」という言葉の説明を権威の医学書等で閲覧すると、まず、「飢餓時・・」という言葉が冒頭に登場する。

 

これで、まず騙される。これは権威の騙しの常套手段である。一発目で、読み手を嘘の屁理屈に誘導する。頼みは権威だけである。飢餓時だけに「糖新生」が、特別に起きるわけではない。

 

わかりやすく言えば、糖質を食って血糖値が上昇している時は、糖新生は抑制されるが、それ以外の空腹時や睡眠時は、肝臓と腎臓でグルコースを毎時6~10g程度、血液中に24時間供給している。

 

もし、あなたがしっかりとした糖質制限をしているなら、食事中も食後も糖新生は継続しているのである。

 

脳のグリア細胞の解糖系では、過酷な頭脳労働時は毎時4gぼーっとしている時は、2~3g、睡眠中は2g程度のグルコースの消費がある。

 

赤血球は、安静時(事務仕事程度)では、毎時2g程度消費されている。

 

血糖値の標準値を100とすると、体重50キロのヒトで、血中に4gのグルコース量で飽和していることになる。

 

この初期血糖値の4gと糖新生による追加グルコース6~10g(中間値8をとる)を加算すると、4+8=12 12-(4+2)=6gということで、単純計算でも、血糖値が相当、上昇することになる。

 

 

これを抑制するのが、持続的に分泌されている「インスリン基礎分泌」である。

 

はっきり言って、「糖新生」のグルコース合成の量と「インスリン基礎分泌」の量の均衡が、空腹時血糖値や睡眠時の血糖値を、定めているのである。

 

したがって、生涯に渡って、糖質ゼロで、食生活を営んでも、糖新生とインスリン基礎分泌の均衡が保たれれば、低血糖にも高血糖にもならないのであり、血糖値の恒常性を完全に維持できるのである。

 

血糖値の恒常性を破壊し、乱すのが、糖質の摂取による、血糖値の乱高下に他ならない。これが高血糖、高インスリンを呼び、糖尿病、がん、動脈硬化等、万病の温床になるのである。

 

たとえば、糖尿病になると、インスリン基礎分泌も衰える。

 

糖新生は、ほとんどの場合衰えないから、空腹時の血糖値が、400とか、500とかになる。

 

ようするに「糖新生」は、マイペースで、グルコースを忠実にコツコツ合成し続けるのである。

 

何度も書いているが、インスリンを分泌する膵臓のランゲルハンス島β細胞は、肝臓の10分の1の抗酸化能力しかない、稼働させればさせる程、インスリンは枯渇する。

 

ヒトにとって、本当の恐怖は、インスリン基礎分泌が衰え、空腹時に、血糖値が400とか500とか、になることである。

 

くどいが、ヒトは、低血糖等になるような状態にならなように万全の態勢を整えているのである。

 

まさに、健康であれば、低血糖になんかならないのである。低血糖対策は、ヒトの人体においては完全無欠の体制なのである。
例外的に低血糖になるのは、

 

①糖質を摂取し過ぎて、インスリンがタイムリーに分泌されなくなり、機能性低血糖のような血糖値がある程度下がってから、インスリン追加分泌が始まったりするようなとき。

 

②糖尿病の治療を、 糖質制限で行わず、糖質をわざわざ摂取して、血糖値を上昇させ、インスリン等を用いて、過度に血糖値を下げ過ぎてしまった時。

 

健康なヒトが、普通の生活をしている中で、低血糖が起きることはない。糖質制限をしたり、昼食にありつけなかったくらいで、低血糖になるようなことは絶対にないのである。

 

ここが重要である。

 

ここを知らないと、「糖質制限は低血糖になる!」「糖質制限は危険である!」という単純な嘘に簡単に騙されるのである。

 

 

ポイントとなる数値をまとめます。

 

 

 

  • 人間の血液は4~5ℓ、それ含まれるグルコースは4~5

 

  • 空腹時、糖質制限中、「糖新生」で供給されるグルコースは、毎時6~10

 

  • 中枢神経(脳)の「グリア細胞」は、毎時3~4gのグルコースを消費

 

  • 赤血球は毎時gのグルコースを消費

 

 

 

消費する量に対して、「糖新生」によって作られる量の方が多いことがわかります。糖質を食べなくてもこの状態です。もし「インスリン」が無かったり、機能していなかったら簡単に血糖値は上がってしまいます。

 

 

 

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血糖値の調節

 

「インスリン」とは、上がった血糖値を下げる作用のあるホルモンです。

 

 

常に分泌され、一定の量が保たれているのを「基礎分泌」

 

血糖値が上がった時に、下げるために追加で分泌されるのが「追加分泌」です。

 

分泌のボリュームを図で表すとこんな感じです。

 

 

 

 

「基礎分泌」は生命維持に必要ですが、「追加分泌」は高いほど有害で病気のリスクが増えます。健康維持の為には「追加分泌」を出さない生活が良いのです。

 

 

一方、血糖値が下がってきた時に、「グリコーゲン分解」と「糖新生」を促進させるホルモンが「グルカゴン」です。

 

 

「インスリン」は上がった血糖値を下げる作用がありますが、「グルカゴン」は下がった血糖値を上げる作用があります。

 

血糖値を下げるインスリンと血糖値を上げるグルカゴン

 

 

 

ちなみに、血糖値を上げるホルモンは「グルカゴン」を含めて全部で5種類ありますが、血糖値を下げるホルモンは「インスリン」だけです。

 

 

 

血糖を上げるホルモン

 

  • グルカゴン(膵臓のランゲルハンス島・a細胞)

 

  • 甲状腺ホルモン(甲状腺)

 

  • 成長ホルモン(脳下垂体)

 

  • アドレナリン(副腎髄質)

 

  • コルチゾール(副腎皮質)

 

 

血糖値を下げるホルモン

 

  • インスリン(膵臓のランゲルハンス島・β細胞)

 

 

 

 

血糖値を上げる仕組みがに対して、血糖値を下げる仕組みがです。

 

体は、血糖値を上げるのは得意だけど、血糖値を下げるのは得意ではないということです。

 

夏井睦医師が、アクセルが5つあるのに、ブレーキが1つしかない車だと表現されていますが、正にその通りで、誰がどうみてもアンバランスです。

 

 

5つあれば、どれか1つ壊れてもなんとかなりますが、1つしかない場合、壊れた時困るわけです。

 

体がこのようなシステムになっているということは、ブレーキは酷使する前提で作られていないと考えられます。

 

 

 

 

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グルカゴンとインスリンとは

 

 

「グリコーゲン分解」と「糖新生」を促進させる「グルカゴン」は、血糖値を下げる「インスリン」と同じ膵臓のランゲルハンス島で作られています。

 

 

膵臓のランゲルハンス島

 

 

こちらが「ランゲルハンス島」の拡大図です。インスリンは「β細胞」で作られますが、グルカゴンは「α細胞」から作られます。

 

 

ランゲルハンス島のβ細胞とα細胞

 

 

 

「糖新生」を促進させ血糖値を上げる「グルカゴン」の効力と、血糖値を下げる「インスリン」の効力

 

 

この2つのバランスが崩れなければいいわけです。分かりやすくする為に、単純に考えてみます。

 

「グルカゴン」の分泌と、「インスリン」の分泌が同量なら血糖値は安定しますが、

 

 

 

 

「グルカゴン」の分泌が「インスリン」の分泌より上回れば血糖値は上昇します。

 

 

 

 

反対に、「グルカゴン」の分泌より「インスリン」の分泌の方が上回れば血糖値は下がります。

 

 

 

というわけで、ここで話を「糖新生」に戻します。

 

 

 

 

タンパク質の摂取で高血糖になる原因

 

 

糖質制限をしているのに血糖値を測ったら数値が高くてがっかりした・・・という話を時々目にするので、糖質制限をしているのに血糖値が上がる理由についてお話します。

 

 

考えられるのが、タンパク質摂取によって起こった「糖新生」です。

 

 

栄養素には直接血糖値を上昇させるものと、糖新生によって間接的に血糖値が上昇するものがあります。前者は「糖質」で、後者は「タンパク質」です。

 

 

「タンパク質」は直接的には血糖値を上げませんが、「糖新生」の材料になります。「糖新生」で、ブドウ糖が合成されてしまうと、場合によっては高血糖になるので注意が必要です。

 

 

残念ですが、「糖新生」によって血糖値が上がりすぎると、食事から糖質を摂っているのと変わらないことになります。

 

 

では、どんな時に「糖新生」が過剰になってしまうのかですが、「糖新生」によって血糖値が上がるケースは様々なので、「糖尿病のケース」か、「糖尿病じゃないケース」に分けて説明します。

 

 

まずは糖尿病の人のケースから説明します。こちらは「インスリン」と「グルカゴン」が関係しています。

 

 

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糖尿病が原因で、「糖新生」で血糖値が高くなるケース

 

 

「インスリン」は、「糖新生」を抑制する働きがあります。

 

糖尿病には「β細胞が壊れてインスリンが分泌されなくなってしまった1型」と、

 

「インスリンの分泌が少なくなったり、体がインスリンにあまり反応しなくなってしまった2型」があります。

 

 

・・・このように、糖尿病は「インスリン」が正常に分泌されない状態です。それが原因で以下のようになります。

 

 

1型糖尿病

 

内因性(自分の体で作られた)インスリンが0の人は、当然ながらインスリンは分泌できません。従って、このタイプの人が「タンパク質」を摂取すると、グルカゴンだけが分泌されます。

 

抑える作用がないので、血糖値は上昇します。

 

 

 

2型糖尿病

 

内因性(自分の体で作られた)インスリンが不足したり効きが悪い場合も、やはり抑える作用が弱いので、グルカゴンの分泌量が勝ってしまい、血糖値が上昇します。

 

 

また、糖尿病予備軍の人もタンパク質摂取による「糖新生」で血糖値が上昇します。

 

 

 

血糖値を下げるインスリンと、血糖値を上げるグルカゴンのバランスがとれている健康な人は、タンパク質を摂取しても血糖値の変化はほとんどありません。

 

 

 

 

 

糖質制限中に起こる暁現象

 

 

糖尿病の場合、厳しい糖質制限をしても血糖値が下がらない事があります。

 

 

『ドクター江部の糖尿病徒然日記 糖毒、糖新生、暁現象、糖質制限食、薬物療法。』より引用

 

1ヶ月間のスーパー糖質制限食実践でも血糖値が下がらないなら、糖毒状態に陥っている可能性があります。

 

① 高血糖の持続→膵臓のランゲルハンス島のβ細胞にダメージ→インスリン分泌低下
② 高血糖の持続→筋肉細胞レベルでのインスリン抵抗性増大

 

高血糖があると①と②が体内で生じます。

インスリン分泌低下と抵抗性増大が生じれば、ますます高血糖となります。

 

≪高血糖の持続→インスリン分泌低下とインスリン抵抗性増大→高血糖の持続→≫

 

この悪循環パターンを、臨床的には「糖毒」 と呼びます。

 

一日の血糖値の日内変動が、常に180~200mg/dlを超えていると糖毒状態となります。

 

なぜ、高血糖自体がインスリン分泌を低下させるのか、インスリン抵抗性を増大させるのか、最先端の研究で調べられてはいるのですが、はっきり言ってまだよくわからないのが現状です。

 

糖尿病の罹病歴が4~5年くらいなら、「スーパー糖質制限食」で食後高血糖がリアルタイムに改善し、さらに早朝空腹時血糖値も改善し糖毒状態が解除されることがほとんどです。

 

しかし、10年近い糖尿病歴があると、「スーパー糖質制限食」で食後高血糖はリアルタイムに改善したとしても、一日を通して、180~200mg/dlを切ってこない状況になります。

 

こうなるとなかなか糖毒も解除されないし、早朝空腹時血糖値も、180~200mg/dlを切れない状態が持続します。

 

1回の食事の糖質量が、10~20g以下の糖質制限食でも、早朝空腹時血糖値が198~200mg以上あるのは、夜中の糖新生が過剰になっていると考えられます。

 

糖尿病がない人は、夜中に肝臓が糖新生を開始してもインスリンがリアルタイムに反応して、糖新生を制御します。

 

しかし糖尿人においては、インスリン作用が不足しているため糖新生を制御できません。

 

2型糖尿人において、眠前11時頃の血糖値が100mg/dlくらいでも朝起きて測定すると、夜中に何にも食べていないのに、120~130mg/dlになることがあり、これを暁現象と呼びます。

 

 

「糖新生」自体は悪いことではありません。必要な機能です。

 

しかし、糖尿病等、なんらかの原因で過剰になってしまう事が問題なのです。

 

 

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その他が原因で「糖新生」で血糖値が高くなるケース

 

 

糖尿病じゃなくても、「糖新生」が過剰に起こってしまうケースがあります。例えば以下のようなケースです。

 

 

  • カテコールアミンのですぎ

 

  • 交感神経の優位(良くない感情)

 

 

「カテコールアミン」とは、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンの総称のことです。

 

 

これは私のようにスーパー糖質制限を行なっていて、糖尿病ではない人も注意が必要です。

 

 

『藤川徳美医師 Facebook 2015年7月20日』より引用

 

食事で糖質を摂らなくても、糖新生によってグルコースが作られます

 

低血糖になるとグルカゴンが分泌され、糖新生が行われます

 

興奮ホルモンであるアドレナリン分泌、ストレスホルモンであるコルチゾール(ステロイド)分泌も糖新生を促します

 

アドレナリン、コルチゾールは元々、ライオンや熊に襲われそうになった時などに分泌されるようになっているのだと思う
怒り、恨み、不安、恐怖、などのネガティブな感情は糖新生を促すということになる

 

糖新生はかなり個体差が大きいと考えられる

 

子供の頃の母子分離、虐待を受けるとネガティブ感情を惹起しやすくするため、糖新生反応を生じやすくなり、後々の精神病やガンの原因となり得る

 

逆に、笑いはがんを防ぐと言われている
常に穏やかでゆったりとした気持ちで過ごすことは過剰な糖新生を抑えるはず

 

 

また、睡眠不足も「糖新生」に影響を与えるようです。

 

 

『藤川徳美医師 Facebook 2015年11月12日』より引用

 

睡眠不足では交感神経が持続的に刺激された状態となります

 

交感神経が刺激されるとアドレナリン、コルチゾールが持続的に分泌されます

 

そうなると、血管が収縮して血圧が上がります

 

糖新生が亢進し血糖値を上昇させます

 

つまり、睡眠不足が改善すれば降圧薬は止めることもできるし、糖尿病薬も減らせるという理屈になります

 

 

このように、何をしたら血糖値が上がるのかを知っておくのも、糖質制限を上手く行なう為に必要です。

 

 

 

 

 

糖質制限中、糖新生で高血糖にならないように気をつけたいこと

 

 

タンパク質は体の材料です。従って、体の悪い部分を修復させる為には、タンパク質の摂取が不可欠になります。

 

 

しかし、修復の為にと思って摂取したタンパク質が「糖新生」にばかり使われてしまうこともあるわけです。・・・それは嫌ですよね。

 

 

糖質制限をしているのに、何故か血糖値が上がったり、太ったり、だるくなったり、眠たくなったり・・・と、糖質を取っている時と変わらない症状になったら、タンパク質による「糖新生」が起こっている可能性があります。

 

 

これが糖質制限に挫折する原因にもなるのですが、このような知識を知っているか知っていないかで全く違います。

 

 

回復の為に摂取した大量のタンパク質を、目的どおり修復に使う為に、私は以下の事に気をつけています。

 

 

 

  • 脂質の摂取

 

  • 一度に沢山食べるのではなく小分けにして数回で食べる

 

  • プロテインであれば1度に30g以上を摂らない

 

 

 

 

1度にたくさん食べない・・・というのは、なんとなく理解できると思います。

 

では、脂質の摂取が「糖新生」とどう関係があるのかというと、

 

 

『新井 圭輔医師 facebook 2016年4月4日』より引用

 

 

『暁現象を抑える』---世紀の大発見かもしれない。

暁現象が観測される糖尿病患者さんたちの最近の早朝空腹時血糖が抑えられている

How? 『寝る前にバターを食べるそうである』

 

 

バター効果? 理論的には説明できそうです。糖新生は、本質的には、余剰タンパク摂取分をエネルギー源である脂肪に変換するためのものと私は信じています。

 

 

糖新生を促進する因子は、アミノ酸余剰量 生体には基本的にフィードバックシステムが働きます。最終産物である脂肪濃度の上昇率が糖新生に対して抑制的に働くことは十分に想定可能です。バターを摂取すると、血中中性脂肪濃度の増加率が上昇して、濃度も高くなれば、糖新生に対して負のフィードバックが働くことが考えられます。これは、世紀の大発見かもしれません。

 

糖新生の最終産物が糖ではなく、脂質であることが、脂質でフィードバックがかかると言う事実をもたらすのです。これはすごく興味深い知見です。

 

糖新生の本質が、余剰のタンパク摂取分をエネルギー源である脂質として蓄えるための仕組みというのは、現状では定説ではなく、私が唱える仮説です。しかしその仮説が真実である可能性を高めたのが、『脂質による糖新生の抑制』と言う観測事実なのです。とても意義深いものです。

 

 

私はスーパー糖質制限を始めた時から夜食にバターを摂っているので、「脂質による糖新生の抑制」には、なるほどと思ってしまいます。

 

 

そして、他の対策に、薬もあるのでちょっと紹介しておきます。

 

 

 

糖新生を抑える薬、メトホルミン

 

 

癌治療に糖質制限を取り入れる場合は、「メトホルミン」という糖尿病治療薬が使用されます。これは「糖新生」を抑える薬なので、タンパク質がブドウ糖に変換されません。

 

 

ブドウ糖は癌を育てるので、治療には、徹底した糖質制限に、点滴はブドウ糖がない「イントラリポス」、そして「メトホルミン」を使う・・・というわけです。

 

 

癌細胞と癌家系について分かりやすく説明してみた

 

 

 

最後に

 

 

「糖新生」は必要な機能ですが、過剰になって高血糖になれば、当然体に悪影響が出ます。

 

 

なので、そうなる原因と解決策は一通り頭に入れておいた方がいいと思います。

 

 

 

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糖質制限中の外食と頂き物。食生活が違う人との付き合い方。

 

 

糖質制限に限らず、なんらかの食事にこだわっている人は、必ず直面する問題があります。

 

 

 

人との付き合いはどうするのか

 

 

 

・・・です。これは結構悩むと思います。

 

 

 

 

普段「スーパー糖質制限」をしている私ですが、付き合いに関しては結構柔軟です。

 

 

 

今回は「外食」と「お土産」をいただく場合、私がどう対応しているのかをお話しようと思います。

 

 

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人と外食をする場合

 

 

 

私は普段、糖質を一日10g以下に設定しています。

 

 

 

制限は厳しい方です。

 

 

 

しかし、基本的に外食は、普通に食べます。

 

 

 

ラーメン、カレー、寿司、パスタ、なんでもです。

 

 

 

 

もしや、膠原病神経変性疾患などの病気であれば、絶対にどんな事があっても口にしません。これらは糖質が原因なので、本気で治したいなら糖質を一口も食わないぐらいの覚悟が必要だからです。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、私の場合、幸いそこまでではないので、外食、特に人と食事をする時は、普通に食事をします。

 

 

 

ただしこれは、ちょっとぐらいなら糖質の害はないから大丈夫・・・ということではありません。

 

 

 

糖質の害は確かにあります。体に悪いものを摂ったら悪いことには変わりありません。

 

 

 

 

それを分かった上で、たまの付き合いは人との楽しい時間を優先します。

 

 

 

 

そして、それが終わると、また厳格な糖質制限を続けます。

 

 

 

もし外食の回数が頻繁だったら、ダメージが半端ないので考えますが、外食する機会自体が少ないので今のところはこのようにしています。

 

 

 

 

手土産の場合

 

 

 

私が糖質制限している事を知っている人は、私に食べ物を持ってくることはありません。

 

 

 

ですが、たまに事情を知らない人から、お土産を頂く事があります。

 

 

 

ほとんどお菓子ですが、その場合、基本的に一種類につき1個だけ食べて、残りを周囲の人に分けます。

 

 

 

わざわざ買ってきてくれたというのが嬉しいので、頂いた物は必ず食べます。

 

 

 

ですが、申し訳ないので、後日きちんと食事制限をしている事を伝えます。

 

 

 

 

付き合いを優先させる理由

 

 

 

私は長年虚弱体質だったので、健康のありがたみはよく分かっています。

 

 

以前のような体になりたくないので、厳しい食事制限をしています。

 

 

 

健康を大事に思っている私が付き合いで糖質を食べる理由は、周囲の人に気を使わせるのが申し訳ないからです。

 

 

 

私の周りの人は、私が糖質制限をしているのを知っているので、「私が食べられそうなメニューを扱っているお店」にしようとしてくれます。

 

 

 

向こうの方から気を使ってくれるので、さすがに悪いです。

 

 

 

このような気遣いは本当にありがたいので、多少自分の健康を犠牲にしても構わないと思っています。

 

 

 

 

ただし、このような考えは、健康に余裕があるからできるものです。なんらかの病気を治したいなら、迷わず付き合いを犠牲にするべきでしょう。

 

 

命の方が大事だからです。

 

 

 

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チートデイのリスクを知る

 

 

 

私は健康を著しく損ねない範囲で、たまに人との付き合いを優先させることがあります。

 

 

しかしそれは、「たまにはいいよね」と言って頻繁に食べる人とは全く違います。

 

 

 

私は、例え一時的に食べても、その後から確実に制限できるという自信と覚悟があるから、食べています。

 

 

 

また、どのくらいの量を摂ったらヤバイのか引き際も知っていますし、どうやったら糖質の依存を断ち切れるかの方法も知っています。

 

 

 

このようなコントロールができない人は、付き合いで食べるのは失敗の原因になるかもしれません。

 

 

 

お酒やタバコを止めていた人が、1度何かのキッカケで飲んだり吸ったりしたばっかりに、再び止められなくなる・・・という話は珍しくありません。

 

 

 

糖質はこれらと同じ嗜好品なので、同じようになる可能性があります。

 

 

 

世間では、「チートデイ」と言って、食事制限中たまに気休めで好きな物を食べる日を設けることを賞賛していたりしますが、依存性の強い物質は危険です。

 

 

 

他のダイエットならともかく、糖質は「チートデイ」という発想は止めた方がいいです。

 

 

 

禁酒をしている人や、禁煙をしている人が「チートデイ」を設けるでしょうか?

 

 

 

馬鹿げていますよね。

 

 

 

こう言うと、

 

 

 

酒やタバコと、糖質は違うだろ・・・と思われるかもしれません。

 

 

 

 

しかし、残念ですが糖質の別名は「マイルドドラッグ」です。依存性が高いだけでなく、体をゆっくりと破壊します。

 

 

 

 

糖質には禁糖という言葉はありませんが、位置づけとしてはお酒やタバコと同じです。

 

 

 

 

なので、糖質は体に悪い事、再び依存してしまう可能性を分かった上で、気をつけながら摂るべきです。

 

 

 

「チートデイ」という言葉は、「この日だけはチャラ」という、免罪符的な雰囲気を感じます。

 

 

 

しかし、食べた物が体の中で起こる反応は化学反応ですので、「チートデイ」でも同じように起こるものは起きます。

 

 

 

具体的に言うと、糖質を食べる限り、血糖値も上がるし、糖化のリスクも上がります。場合によっては乳酸も発生します。

 

 

 

 

これは厳然たる事実です。

 

 

 

 

そのことをわかった上で摂る方がいいです。タバコやお酒を有害だと分かった上で嗜むのと同じです。

 

 

 

一回糖質を食べた事で「もっと食べたい」となってしまうなら気を抜けません。

 

 

 

しかし、必ずそうならない自信があり、注意して食べるならリスクを最小限に食い止めることができます。

 

 

 

 

次は糖質を摂ると具体的に体にどんな異変が起きるのか私の体験をお話します。

 

 

 

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糖質で体調不良になる

 

 

私の場合、糖質を摂ると、その量に比例してその翌日から目が異常に痒くなります。

 

 

 

私は糖質を摂っても太らない体質なのですが、これが良くないのです。糖質を脂肪に変換できず、血糖値がなかなか下がらないという状態になります。

 

 

 

その為、体が涙という形で糖を出していると考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

従って、なんとしても血糖値を下げなければなりません。

 

 

 

これまで観察したところ、2週間に1回主食を食べるくらいだと(運動必須)、翌日目が痒くなりません。

 

 

 

ですが、それより回数が増えると影響がでます。

 

 

 

正月や盆など、付き合いが頻繁に続くと、私の場合、目が痒くなるだけではなく、関節も鳴りやすくなります。

 

 

 

 

 

 

このように、今は栄養療法で体が丈夫になりましたが、虚弱体質を引きずっているのか、悪いものを食べるとすぐ反応がでます。

 

 

 

だから、止められるのです。

 

 

 

 

では、このダメージを少しでも軽くする為にどうすればいいか。

 

 

次は糖質を摂った時の対策についてお話します。

 

 

 

糖質を摂った時の対処法

 

 

 

糖質を食べた時の対策はこの2つです。

 

 

 

  • 糖質を食べた日はタンパク質や脂質をたくさん食べない

 

  • 糖質を食べたら運動する

 

 

 

その理由を説明します。

 

 

 

普段糖質制限をしている時は、タンパク質や脂質をしっかり摂取しています。

 

 

タンパク質は体の主成分で、脂質はエネルギー源だからです。

 

 

具体的には、食事の他にプロテインとバターを摂っています。

 

 

しかし、何らかの理由で糖質を普通に摂った時は、用心の為に、その日はプロテインもバターも絶対に摂りません。

 

 

 

その理由は、タンパク質、脂質と、糖質を組み合わせてはいけないからです。

 

 

 

タンパク質や脂質だけなら健康的なのですが、これに糖質を組み合わせると、慢性疾患や死亡率が上がります。

 

 

【脂質+タンパク質】は良くて【糖質+脂質+タンパク質】が良くない理由

 

 

 

このような理由があるので、とにかく糖質を食べた日は、あえてタンパク質と脂質は大量に摂りません。

 

 

 

 

炭水化物は消化に悪く、長い間胃の中に留まります、いつ完全に消化されるかわかりません。

 

 

 

消化されないうちに、バターやプロテインを摂取して、胃の中で混ざったら嫌なのでその日は食べないようにしています。

 

 

そして、もう一つの対策が運動です。

 

 

 

目的は血糖値を下げる事です。

 

 

 

むやみに歩き回ったり、筋トレしたり、とにかく少しでも血糖値を下げる為に何でもいいから運動します。

 

 

 

 

(追記)糖質を食べる人が摂っておいた方が良い栄養素

 

 

 

付き合いで糖質を食べる場合、最も効果的な方法を紹介します。

 

 

簡単に言うと、サプリメントを使って摂取した糖質を代謝し切るようにするのです。チャラにはなりませんが、ダメージを最小限に食い止める事ができる方法です。

 

 

ベジタリアンや糖質を止められない人が、健康の為に摂っておきたい栄養素とは

 

 

 

ちなみに、糖の吸収を抑える薬はリスクがあります。

 

 

糖質の吸収を抑える薬やサプリメントを信用することで生じるリスク

 

 

 

 

 

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