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昔の人の「体力」と「健康状態」についてお話します。
前回は、食が欧米化するまでの子供達は、感染症にかかりやすく、実は「現代でイメージされているような健康体ではない」というお話をしました。
健康には昔ながらの和食が良い?実は栄養状態が悪かった昭和の子供達
食が「欧米化」する前までの日本は、子供達だけでなく、大人も短命でした。
そうなるのは、和食の栄養に問題があります。和食は動物性食品が少ないです。
人間の体は「動物食性(肉食)」なので、「タンパク質」や「脂質」が不足すれば、当然体は弱ります。和食に多い「糖質」も体にダメージを与えます。
何故、人間が「動物食性(肉)」なのかについては、以下の記事に書いています。
「人間が肉食か草食かは、歯を見れば分かる」という説は正しいのか
消化に良い食品の嘘。慢性的に胃がもたれる人は糖質の過食を疑え!
昔の日本人は、「脂質」や「タンパク質」が不足していたので不健康だったのです。
しかし、ここで一つ大きな疑問が生じます。
不健康だったのにも関わらず、昔の人の体力は、異常過ぎるのです。
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昔の人の体力
ではまず、不健康な食生活をおくっていた昔の日本人の「体力」が、どのくらいのものだったのか見ていきます。
『Yahoo!知恵袋 江戸時代以前の剣豪や忍者の身体能力 現代のトップアスリートと比べて優れているのか? 劣っているのか?』より引用
優れている部分もあれば、という感じでしょう。とりあえず、スタミナと筋力に関しては昔の人々は異常です。
当時の飛脚たちの中で、さらに走るのが達者な人たちを「早道」と言っていましたが、宮本武蔵が書いた五輪書の中で「早道は1日で40~50里(160~200km)ほども走る」と書かれています。
同じく、日本に来た小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が、その飛脚たちの体力に驚愕。「どんな食い物を食ってるんだ」と見せてもらったら、握り飯が2つと漬物が数枚程度だと知りさらに驚愕。
そこで「よし、力を出すには肉だろ」と思い、その飛脚に試しに肉を食わせて走らせたら、胃もたれして全く走れなかった。小泉八雲は「日本人の食事は完成されている」と悟った…。
といった記録がありますので、おそらく事実です。
大体、現代人とは比較することが馬鹿らしいほど昔の人々は身体をよく使いました。
メールや電話もないし、車もチャリンコもないし、普通に生活すること自体がトレーニングでした。
『Yahoo!知恵袋 現代人は昔の人に比べて体力がない?』より引用
昔の人は非常に力もスタミナもありました。
お年寄りの女性でも、米を5俵(300キロ!)背負って山道を歩くことなんて当たり前でした。しかも自分一人で背負って降ろすことをしていました。300キロですよ!
http://w1.avis.ne.jp/~take8n/k-toh-8-1.htm
私の曾祖母も、60歳ぐらいのときでも、200キロぐらいは平気で背負って急な山道を歩いたそうです。
ちなみに、現代人では、若い男性でも1俵が背負えない人が多く、まして1俵とはいえ山道を歩ける人はそうはいないそうです。
さらにちなみに、山では、今でもボッカ(歩苛)といわれる荷物を背負って山小屋に物品を運搬する職業の人がいますが、尾瀬ヶ原のような比較的、緩やか、かつ平坦、かつ歩きやすい木道の登山道でさえ、120キロぐらいを限界として背負うそうです。
本格的な山の場合(急な坂道がある登山道の山)、80キロぐらいを限界として設定しているそうです。数十年前は、200キロぐらいを背負うボッカさんはいたようですが、今では健康面を考慮しているのかもしれませんが、その程度だそうです。
以前、NHKテレビで昔の山形県の農家の女性の米担ぎをやっていましたが、重い荷物を背負うのはコツのようなものがあるそうです。
でもかといって、300キロは現代人では鍛え抜かれた男でも無理じゃあないですかね?
江戸後期、上州(現在の群馬県)高崎の飛脚で弥助という脚力で有名な男がいましたが、彼はなんと高崎・江戸間(往復二百余キロメートル)を一昼夜で往復でき、そのため藩の御用を勤めるなど繁盛していたそうです。
また、あるとき、高崎藩で大坂に急用ができ、弥助はたったの3日で東海道を走破して大坂に行き、帰路も3日で帰って来たそうです。
現代では、舗装された緩やかな道路もトンネルも夜間の照明もありますが、それでも高崎~東京の江戸城近辺を24時間で往復でき、東京の江戸城~大阪を6日間で往復できる人なんて絶対にいないでしょう。マラソンの世界記録保持者でも無理ですね。
昔は、忍者はもとより軍使などでも急を要す場合は、まる3日間飲まず食わずで走り続けた例も多々あるようです。これは虚偽ではなく、距離や所要時間を計算した結果でも証明できるようです。
日露戦争の日本陸軍のある師団か連隊かは、戦争中、補給がうまくいかず、まる3日間食べ物どころか一適の水も飲まずに全員がかなりの激戦を戦いました。2日間程度でしたら、こういった例はけっこうあったようです。
明治時代、外国人が日本に来て馬車を雇い、二十数日間夜明けから暗くなるまで各地を走り回りました。その間、休憩時間といったら食事とトイレだけだったそうです。
その外国人が驚愕したのは、常に日本人の馬丁が馬と同じ速度で並走し、トイレと粗末な食事を食べている以外の時間は馬の世話をしていたことでした。世界中を旅行してきたその外国人は、日本人の異常なまでの体力に驚愕したそうです。
これらは私が知っている知識の中のいくつかの例であって、昔の人のレベルでは取り立てて特別なことでもなかったようです。現代人よりもよほど質素な食事で、スポーツ学もなかった時代、毎日のようにそんなハードな体力を使っていたのですから、まったく昔の人は驚異的です。
うーん、ただ、戦国時代は「人生50年」でしたよね。だから、三十歳時点では戦国時代の三十歳のほうが持久力も筋力もあるかもしれないけど、50歳だと現代人のほうが上だったりしないのかなあ。
要するに、筋力も持久力も強いけどその分老化も早い、みたいな。
今も、スポーツ選手や肉体労働を中心とした仕事をしている人は、そうでない人に比べて寿命がやや短い気がします。「どちらがいいのか」と言われたら微妙ですわね。
昔は咀嚼回数により顎が非常に発達していて歯並びがよかったらしい
今の人は噛まないので噛み合わせが悪くて力が弱いだの聞いた事がある
現代のプロスポーツ選手の中には改善のためマウスピース使う選手も居るらしいし
そういう面から考えると肉体的な平均ポテンシャルは高いのかも知れませんね
『Yahoo!知恵袋 江戸時代の日本人は、現代の日本人よりも身体能力や体力が高かったのですか?』より引用
>江戸時代の人は、足で山を平気で越えていたのですよね。
あ、それと江戸時代までの日本人は西洋式スポーツとは違う身のこなし方をしていた。これを「なんば歩き」と言って、非常に体に負担をかけない動き方でした。
これを現代に再現して、体の故障を予防したり、リハビリに応用したりしています。これも「なんば歩き」でググってみて。
今はみんな西洋式になってしまって、スポーツにはケガのリスクが付き物になってるね。
以上、気になる話をいくつかピックアップしてみました。
冗談みたいな話ですが、おそらくこれは嘘ではないでしょう。本当に昔の人は、とんでもない体力を持っていたようです。ここで、紹介した内容を簡単に書き出してみます。
- トップクラスの飛脚は、一日で160~200kmほども走る。
- 飛脚の食べ物は、おむすび2つ、漬物数枚だった。ところが肉を食べさせたところ胃もたれして早く走れなかった。それを見た小泉八雲は「日本人の食事は完成されている」と悟った。
- お年寄りの女性でも、300キロの荷物を背負って山道を歩き、自分一人で荷物を背負って降ろすことができた。
- 江戸後期、弥助という有名な飛脚が、高崎・江戸間(往復二百余キロメートル)を一昼夜で往復できた。またある時、東京の江戸城~大阪を6日間で往復した。
- 忍者や軍使は、3日間飲まず食わずで走り続けることができた。
- 日露戦争の日本陸軍のある師団か連隊は、まる3日間、飲まず食わずで闘った。
- 明治時代の日本、馬車が二十数日間、夜明けから暗くなるまで各地を走った。休憩は食事とトイレだけ。日本人の馬丁は、馬と同じ速度で並走し、トイレと粗末な食事を食べている以外の時間は、馬の世話をしていた。
- 昔は咀嚼回数により顎が非常に発達していて歯並びがよく、その噛み合わせのおかげで力が出せた。
- 江戸時代までの日本人は、西洋式スポーツとは違う身のこなし方をしていた。「なんば歩き」という体に負担をかけない動き方をしていた。
改めて見てみると、凄い体力です。どうして彼らはこのような体力があったのでしょうか。
「外国人が驚いた」ということですから、特に昔の日本人の体力が凄かったという事ですね。(外国人の体力はわかりませんが)。
この力の源は何なのでしょう?
よく言われるのが「食べ物」です。
「おむすびと漬物の話」にもあるように、外国人がこれを見たら、「日本人のこの体力は、食べ物のおかげだ」と思いたくなるんだと思います。
いや、外国人だけでなく、現代人でも「昔の人の体力は、食べ物のおかげじゃないか」と思ってしまいます。
しかし、私は食べ物は関係ないと思いました。
老婆が300kgの荷物を背負う時点で、食べ物とか、もはや関係ありません。おそらく全く別のところに理由があるとしか考えられません。
なんでもかんでも食事や栄養に結び付けて考えようとすると、説明がつきませんし、ハッキリ言って、例えどんな食事をしていても、私は300kgの荷物を担いで山道を歩く自信がありません。ご飯だろうが、肉だろうがです。
ご飯と漬物でこの体力が出せるなら、現代の偏食の人でも、この体力が出せるはずです。
というわけで、食事以外で、昔の人の体力の秘密を考えてみました。思いついたのは2つです。「アドレナリン」と、「酸素濃度」です。
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仮説1:常にフルパワー
これらの異常な体力を読んで「火事場の馬鹿力」が重なりました。常にフルパワーを出せていたのでは?と思ったのです。
『医教コミュニティ つぼみクラブ 人体のフシギ | 第41回 火事場の馬鹿力は本当に出るのか?』より引用
★「火事場の馬鹿力」は本当に出るの?
私たちの身体には、たくさんの筋肉や骨が存在しますが、これらのパワーを100%発揮した状態で身体を動かし続けると、筋肉や骨にかなりの負担がかかったり、莫大なエネルギー量を消費したりするため、身体はボロボロになってしまいます(身体がいくらあっても足りない!)。
そのため、筋肉や骨の損傷を防ぐために、人間の脳にはあらかじめ安全装置(リミッターともいいます)がかけられており、意識的に発揮できるパワーに制限が設けられているんだとか。
つまり普段は、自分の意識の中で「これ以上はムリでしょ」と感じるところまでしかパワーが発揮できないようになっているのです(最大でも70~80%程度)。
ところが、緊急事態の場面に遭遇すると、脳の安全装置が解除され、アドレナリンがドドドーンと大放出!「これ以上はムリでしょ」と感じる限界を超えて、本来備えられている潜在的なパワーが発揮されるようになるんです。
ちなみに、アドレナリンとは、副腎髄質から分泌されるホルモン(神経伝達物質)。興奮した時に血液中に大放出され、身体のエネルギー代謝や運動能力を高めるんだよね。
★火事場の馬鹿力を出すと人体はどうなる?
100%全開でパワーを発揮すると、筋肉や骨にはかなりの負担がかかります。また、緊急事態の場面ではケガを負うことも十分ありえますよね。
火傷をしたり、骨折をしたり......、あぁ~想像するだけで痛そう(泣)。
ところが不思議なことに、火事場の馬鹿力が発揮されている間は、痛みを感じないことが多いらしいのです。
これなら、小柄な人でも力が発揮できるのではないでしょうか。
ただ、この「火事場の馬鹿力」ですが、一応定説では、緊急時に出せる事になっています。
しかし、これに近い事がもし、自分の意思でいつでも出せたらどうでしょうか。
出来ないという大前提にはなっていますが。
ドラゴンボールで例えるなら、キレてスーパーサイヤ人になるのではなく、「コントロールして常にスーパーサイヤ人でいる状態」です。
先程紹介した記事の中にも「昔の人は筋力も持久力も強いけど老化も早い。現代でも肉体労働をした人は寿命が短い」といった記述がありましたが、これも「火事場の馬鹿力」と共通しています。
さらに、「噛み合わせ、身のこなし等、体の使い方が違う」ともありました。その辺にも何か秘密があるのかもしれません。
それと、脳の安全装置の解除には、「アドレナリン」が大量に必要だそうです。
緊急事態に放出されるそうですが、昔の人って、緊張感の連続だったと思います。山道なんて獣が出るわけですから、常に緊急事態です。
平和ボケしている現代人と違って、「アドレナリン」の分泌量は半端なかったと考えられます。
仮説2:環境が違う
突拍子もない話ですみませんが、あくまで「仮説」として読んで下さい。
特別な訓練を受けていない普通の一般庶民が普通に凄かったわけです。
ということは、「全員、均等に力が湧く環境」が、当時の地球や、日本列島そのものにあったのかもしれません。
300kgの荷物を自分が背負う事を想像した時に、「どうやったらその荷物が楽に背負えるだろう」と考えました。最初は「重力が軽かったら楽だな」とか思っていたのですが、現実味が0です。
で、「酸素濃度が今と違っていたらどうだろう」と考えたのです。すると「酸素濃度」は本当に変わってきているようです。
『Slownet 第2期 第51回 人間を活かす源・酸素の濃度が下がってきた ~呼吸と酸素の健康法(1)~』より引用
江戸時代は酸素濃度が29%くらいあったと考えられています。
また、昭和30年代でも26%はあったと考えられています。
また私が理科で習った酸素濃度も22%でした。
いまは都内では20.6%位です(最近代謝の装置を使うので実測していますが、こんなものです)。江戸時代と比べると、いまの都会は低酸素状態と言えるほどです。
これは凄い違いです。「江戸時代にどうやって酸素濃度を測ったんだ」と突っ込みたくなりますが、仮にこれが本当だったら、人間はどう変わるのでしょうか。
酸素濃度が高い空間では、酸素を使ってのATPという細胞のエネルギー源が活発に作られますので、身体能力、とくに心肺機能を必要とする運動が向上することが考えられます。
通常大気に含まれる酸素は20%なので、1、2%上がると効果が見られるでしょうね。
しかし、25%程度の酸素濃度の空間に長い時間いると「酸素酔い」という現象が起こることがあります。これは血液に溶けた酸素濃度があまりに上がってしまうと身体がその変化についていけず、脳が混乱して恒常性を保てなることが原因です。
25%を越えるような酸素濃度ではその症状はより強くなり、100%濃度だと一呼吸で意識を失うくらいだそうです。
酸素は人間にとって欠かせない必要なものですが、同時に毒にもなりうるというわけですね。
エネルギー物質「ATP」については以下をお読み下さい。
高すぎても低すぎても良くないけど、酸素濃度によって人間の身体機能が変わるというのは、信憑性がありそうです。
また、酸素濃度が高い昔は、疲労が蓄積しにくい環境だったと言えます。
現代でも酸素カプセルを使えば、同じ環境を再現できます。
『抗酸化環境回復サロンAir 酸素カプセルの効果《詳細版》疲労回復・怪我の早期回復』より引用
疲労は筋肉に乳酸という疲労物質が蓄積されて感じるようになっています。
酸素カプセルに入ると血中乳酸値が76%軽減されるそうです!
カプセル内で取り込んだ溶解型酸素が、乳酸などの疲労物質を分解し体外へ除去してくれる働きを持っているのです。
「外国人が日本人の体力に驚いた」という話も、森林が多い日本列島が他の地域に比べて酸素濃度が高かったと考えれば説明がつきます。
ただし、これについては、調べが足りないので、まだなんとも言えません。あくまで仮説です。
ちなみに、最近では、乳酸は疲労物質ではないから悪い物質ではない...という意見をよく見かけるようになりました。しかし、そういう人は乳酸のデメリットを語らないので注意が必要です。詳しくは以下の記事をお読み下さい。
乳酸のエネルギー源としての働きと、疲労との関係について分かりやすく説明してみた
余命わずかの末期癌患者が退院できたのは病院での栄養療法のおかげだった!
そして最後に、おむすび(糖質)のエネルギーについてお話します。
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糖質のエネルギー
「おむすび(糖質)を食べたら超人になれるかどうか」は、ひとまず置いておいて、ここでは、糖質の性質について話しておきます。
糖質は、すぐにエネルギーとして利用できるという特徴があります。
- 飛脚の食べ物は、おむすび2つ、漬物数枚だった。ところが肉を食べさせたところ胃もたれして早く走れなかった。それを見た小泉八雲は「日本人の食事は完成されている」と悟った
何故、このような事が起きるのかは、以下が参考になります。
『低糖質ダイエットは危険なのか?中年おやじドクターの実践検証結果報告 どうして糖質の味を人は好むのか?』より引用
人間に限らず、我々動物にとって、三大栄養素というのは糖質、タンパク質と脂質です。
でも、この中で最も効率の良い、すぐにエネルギーとして利用できる栄養素は糖質なのです。後の二つの栄養素は糖質ほど効率よくすぐに栄養として活用できないのです。
ずっと以前に、第二次大戦前に日本人がマラソンで好成績を残した時に、日本人はレース前におにぎりを食べて、欧米人はステーキを食べて、スタミナは日本人の方が長く続いたという話がありました。
それ以来、欧米人も長距離走の前の栄養補給は炭水化物にするようになったという話、本当かどうかわかりませんが子供のころに母から聞かされたことがあります。
その時は、それほどお米というのは優れた食べ物なんだよ、残さないでしっかり食べなさいと言われたわけでしたが。
食べてすぐにエネルギーになる。
この即効性が糖質の特徴です。
飛脚のように、「さあ、食べて動くぞ!!」という人達には、すぐにエネルギーになる糖質が使えるのです。
だから、スポーツを生業とする人達が、「すぐにエネルギーになる糖質を排除する糖質制限」を批判するのです。
彼らはあくまで「スポーツに勝つこと」が第一目的であり、健康は二の次です。(もちろん健康も考えていると思いますが、スポーツに負けてまで、健康に執着していません。だから「糖化」を無視するのです。)
『AERA dot.「生理がなくて一人前」!? 女性アスリートへの誤解、産婦人科スポーツ医が警鐘』より引用
女子選手を支える産婦人科医の重要性が高まっている。
というのも、生理がこないのを無視したまま、トレーニングや競技生活を続けることによって、深刻な故障や体調不良を引き起こすケースが相次いでいるからだ。
特に注目されているのが、「利用可能エネルギー不足」「無月経」「骨粗鬆症」。
いわゆる「女性アスリートの三主徴」と称される健康上の問題だ。
これは女性アスリートの話ですが、健康を犠牲にして記録を取っていることがよく分かります。
生理がこないのを無視したまま・・・とありますが、「生理がなくて一人前」という考えをする指導者も少なくないそうなので、アスリートもそうなってしまうのです。
スポーツの指導者は、勝たせる事が仕事です。
勝つために必要なら、将来体を糖化(細胞を劣化)させる糖質も推奨します。
そこを分かっていない人が真に受けて、「やっぱり、健康の為に糖質も必要なんだ」と、流されるのですが、注意して下さい。
「体を損ねてまで勝ち負けに拘らない人」、「健康目的の人」が、参考にする必要はありません。
赤血球やグリア細胞など、ブドウ糖に依存している細胞があるので、糖質も少しは必要です。しかし、食事から摂らなくても「糖新生」という機能によって合成することができます。
人間の身体に必要な糖質量を血糖値の視点から分かりやすく説明してみた
また、彼らスポーツを生業にしている人は、常に激しい運動を前提としているので、糖質を食べても「いち早く、上がった血糖値を下げる環境」があります。
普通の人はそこまで運動しませんから、運動量が少ないぶん、彼らより高血糖が長く続くということです。普通の人が、スポーツ選手より、高血糖の害を受けやすいのは間違いありません。
運動量が半端ない飛脚もスポーツ選手と同じです。血糖値もすぐ下がるでしょうから、現代人のように大きな害を受ける事はないでしょう。
しかし、高血糖を押さえられても、「糖化」は避けられません。スポーツ選手も、飛脚もです。
いずれは「糖化」します。昔の人が、体力はあっても老化が早いのは、そういう理由もあります。
「すぐにエネルギーになる」というのは、燃料としての効能であって、健康的な効能ではありません。
しかし、目の前でバリバリ働かれたら、健康的に見えますから、とても優れた栄養素に見えます。
でも、実際は違います。
「肉を食べると胃もたれして調子を崩す」...というのは、糖質の食べすぎによる胃の糖化です。過去に私にも起こった症状です。でも、ほとんどの人は、これが糖質のせいでなる事を知りません。
だから、エネルギーのメリットばかりに注目するのですが、そのツケは大きいです。
「飛脚は、血糖値が上がっても、運動量が半端ないから、現代人よりは高血糖の害が少ない」と言いました。しかし、糖質を食べる事によって確実に体が糖化していたのです。
本記事では「昔の人の体力」についてお話しましたが、以下の続編では、「昔の人の健康状態」、「飛脚の胃の糖化」について詳しくお話しています。必ずしも「体力=健康」ではないことがお分かりいただけると思います。
昔の人vs現代人、健康で体力的に強いのはどっちか比較してみたへ続く
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この記事を読んだあと、火事場の馬鹿力?を実感する事例がありましたのでご紹介を。
母がガン手術後の後遺症で、血中アンモニア濃度の異常な上昇により、意識混濁・錯乱状態となって再入院したのですが、そのとき暴れる母を押さえようとして指をつかまれ、折れるんじゃないか?というほどの強さで握ってきて、引きはがすのにも一苦労でした。
(普段は老化と関節の痛みで、ペットボトルのフタを開けられないほどの握力なんですが)
火事場ではないですが、脳の機能が低下してパワーをセーブする部分の働きが弱っていたのでは?と考えた次第です。
病気+高齢で母でこのような握力が発揮できたのですから、健康とパワーは必ずしも正比例しない、とまさに身をもって体験しました。
ティモシーさん
このような状況に遭遇することがないので、「理論的にこうだろうな」と仮説を立てることしかできませんが、実体験を読むと間違いではなかったなと思いました。
>火事場ではないですが、脳の機能が低下してパワーをセーブする部分の働きが弱っていたのでは?と考えた次第です。
なるほど、その可能性は高いですね。
この力を発揮した後、反動で体が痛くなったりするのかも気になります。