若い人、それも女性に「ロコモティブ・シンドローム」が増えている、というニュースを読みました。
急増と言われているので、何故そうなったのか理由を知りたくて調べました。
ですが、増えている、増えている・・・と騒ぐわりに、納得のいく説明がされていないのです。
以下はよく言われている理由を要約したものになります。
(1)、「ロコモ」の大きな原因は慢性的な運動不足。車、エスカレーター、エレベーターの使用などで、体を動かす機会が減っているから。
(2)、男性に比べて女性は筋肉量が少ないので「ロコモ」になりやすい。
(3)、偏った食生活が原因で、筋肉や軟骨が適正に作られない、神経細胞の機能が落ちる。→ タンパク質とカルシウムをしっかり含んだバランスの良い食事を気をつけた方が良い。
よく見ると、(1)と(2)は、「ロコモ」が増えている事の説明になっていないですし、(3)はこの問題の解決になっていません。
そこで、前回は(1)について、
現在若い人に「ロコモ」が増えている原因は、「ただの運動不足」では説明がつかない。20年前から変わってきた社会環境が原因かもしれない、とお話しました。
若者や子供がロコモティブシンドロームになる原因は、ただの運動不足ではない
しかし、前回は「現在の若者」にロコモが増えている理由について話したので、若者のうち「女性」に増えている理由については説明ができていませんでした。
なので、本記事では、「ロコモティブ・シンドローム」が、若い女性に増えている原因について考えてみたいと思います。
その過程で、先に挙げた(2)と(3)のおかしな点も指摘します。
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筋肉量が少ないという理由で「運動器機能不全」になるのか?
まず、
・・・のおかしな点についてお話します。
男性と比べて筋肉量が少ないだけで、機能不全になるものでしょうか。
筋肉があるにも関わらず、使用せず、筋肉の量が減った、だから機能不全になった・・・というならわかります。
ですが、普通にしていて、別の人間と比べた時に、その人より劣っているからといって、それだけで機能不全のリスクが高くなるというのはおかしな話です。
他人(男)の体は関係ないと思いませんか。
筋肉量が劣っているように見えたとしても、その人その人の骨格に見合った筋肉がついているのです(筋肉や骨格に先天的に問題がある場合は除く)。
つまり、女性の骨格には女性の筋肉でちょうど良いのです。
女性の骨格を維持する為に必要な筋肉量があるなら、男性と比べて少なかろうが、それはそれで正常だと思います。
その自然な状態を、「男性と比べて少ないから運動器機能不全になる」といっているのです。
もし、女性の劣った筋肉量で男性と同じ力仕事をしたら、確かに、負荷が大きい分、女性の方が早く壊れるでしょう。
しかし普通は、女性は男性と同じ力仕事はしません、というか出来ません。物理的に。
女性に合った力仕事にレベルを落として行なわれるのが普通です。
女性は男性に比べて筋肉量が少ないから、運動機能不全(ロコモティブ・シンドローム)になりやすい
・・・というのは、
日本人はポリネシア人に比べて筋肉量が少ないから、運動器機能不全になりやすい
子供は大人に比べて筋肉量が少ないから、運動器機能不全になりやすい
・・・と言っているようなものです。
「闘った場合、どっちが負けるか、どっちが怪我をするか」の比較ではないのです。
「本人の健康状態」を維持するのに、「他人の体」は関係ありません。
ポリネシア人にはポリネシア人の、日本人には日本人の、男性には男性の、女性には女性の、大人には大人の、子供には子供の・・・それぞれの骨格に見合った筋肉量がついているのです。
「女性は男性に比べて筋肉量が少ないから、男性と闘ったり、男性と同じ力仕事をしたら壊れやすい」というのであれば、確かにその通りです。
しかし、「女性は男性に比べて筋肉量が少ないから、運動器機能不全になる」という理屈は信憑性に欠けると言えます。
そして、もう1つ。
「男性に比べて筋肉量が少ない」のは、一昔前の女性も条件は同じです。
「一昔前の若い女性(40代~50代)」も、男性より筋肉量が少なかったのに、どうして「運動器機能不全」にはならなかったのでしょうか?
それとも、「現代の若い女性」と「一昔前の女性」の筋肉量が変わってしまったのでしょうか?
同じように車に乗り、同じように家電を使っているのに、これでは全く説明がつきません。
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不十分な栄養の話
ここからは栄養の話になります。
以下は、「ロコモ」の原因を栄養的な視点で分析し、その解決策について述べられています。
一見、よくありそうな回答で、どこが問題なのか分からないかもしれません。
なので、問題を書き出してみます。
- 「バランスの良い食生活」が動物食性である人間の食性に反している事実を知らない
- 「偏った食生活」に問題があるとし、ドサクサに紛れて「バランスの良い食生活」に誘導しようとしている
- 骨や関節の糖化について一切触れない
- 「タンパク質を摂れ」と言うわりに、具体的にどのくらいタンパク質が必要なのか説明がない
- タンパク質の重要性を訴えていながら、鉄不足について触れていない
ここで述べた特徴は、「ロコモ」に関するほとんどの記事に見られます。
もし「ロコモ」の原因が栄養状態にあるなら、「バランスの良い食事」では元気になりません。
「バランスの良い食生活」をしているから、体が適正に作られないのです。
関節を糖化させる「バランスの良い食生活」
(3)の「栄養の分析と対策」の何が問題なのか、順に説明していきます。
一般的に良いと言われている「バランスの良い食生活」は、穀物や野菜を多めに摂ることになるので、糖質過多になります。
おまけに、タンパク質不足、脂質不足になります。
問題は「運動器機能不全」ですから、改善するには、それに関係するパーツである「骨」、「関節」、「筋肉」、「神経」、「靭帯」、等を強化し、これらの負担になるものを摂らない方が良いわけです。
強化する栄養は、体の材料となる「タンパク質」です。
そして、負担をかけるものは、細胞を変性させる「糖質」です。
従って、「タンパク質」が多いと回復に繋がり、「糖質」が少ないと負担が少なくなります。
「バランスの良い食事」は、必要なタンパク質が少なく、有害な糖質が多いので、不健康になります。
まず、「糖質」が体に与えるダメージからお話します。
「糖質」を摂ると、体に糖が余ります。すると、体のタンパク質と化学反応を起こして細胞が劣化します。これを「糖化」と言います。
「糖化」は様々なところに表れます。例えば、
- 胃下垂
- 歯槽膿漏
- 痔
- セルライト
・・・等です。勿論、骨も関節もタンパク質なので「糖化」します。
例えば、関節が「糖化」すると音が鳴りやすくなります。
しかし、穀物や野菜を多く取る「食事バランスガイド」を守ると、糖質まみれになりますから、体は劣化する一方です。
「控えた方が良い栄養」と、「摂取した方が良い栄養」が逆転してしまっているからです。
この情報は、体の健康の為に極めて重要です。
しかし、「ロコモティブ・シンドローム」を宣伝している人の多くは、何故か「糖化」には触れません。
それどころか、「偏った食生活」を叩き、「バランスの良い食事」を薦めて、より「糖化」するようにしているのです。
「偏った」とは、ほとんどの場合「動物性食品が多め」の事を指しているのだと思います。
しかし、人間の本来の食性は「動物食性(肉食)」です。食性に逆らってバランスを意識する方が不自然なのです。
人間の体は「植物食性(草食)」向けには出来ていません。バランスを意識して体に合わないものを入れれば故障の原因になります。
ダメージになるようなものを避け、回復させるものを食べるのが健康的だと思います。
次は、回復させる栄養、体の材料となる「タンパク質」についてお話します。
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タンパク質が不足した状態で鍛えても意味がない
「ロコモ」の7つのチェック項目に、以下のようなものがあります。
- 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(1リットルの牛乳パック2個程度)
- 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)
2年前までの私は、まさにこの状態でした。運動していてこれです。
では、私は「運動器機能不全(ロコモティブ・シンドローム)」だったのでしょうか?
違います。
ただのタンパク質、脂質不足でした。
何故そう言えるのかと言うと、栄養状態を改善したら解消されたからです。
糖質制限をする前の私は、「バランスの良い食事」をしていました。穀物、野菜が中心だったので、見事に糖質過多、タンパク質・脂質不足でした。
すると、どうなるかというと、
とにかく、メチャクチャしんどい。
具体的にどんな状態だったかというと、
- 若者であれば軽く持ち上げられるものが異常に重い
- すぐギックリ腰になる(年に最低3回)
- 材料が入った状態でフライパンを持ち上げると、手首が震える
・・・挙げたらキリがないですが、日常の何でもない動作がしんどいのです。体がもってくれない。
言っておきますが「ロコモ」じゃありません。
必要な栄養が足りていないとこうなります。
それでも、私は1人でする運動は好きなので、習慣で筋トレ、ストレッチは続けています。
しかし、タンパク質不足で筋トレをやっても、やっても、やっても、腹が立つくらい筋肉がつきませんでした。運動した分、痩せていきます。
しんどいだけ。時間を浪費するだけです。
人間には植物性食品より、動物性食品のタンパク質の方が合う
一応、植物性の食品からでもタンパク質は摂れます。
私も、昔は植物性タンパク質の豊富な大豆、ひよこ豆、レンズ豆等を食べていました。豆腐や納豆、きなこ・・・といった加工品も好んで食べていました。
普通の人よりかは、豆類の摂取が多かったので、植物性食品からタンパク質を摂っていたつもりでした。
そして、当時はプロテインを飲んでいませんでした。
肉も卵も乳製品もあまり食べない、動物性食品と言えば魚、植物性食品のタンパク質をあてにして、プロテインなし
・・・このような食生活は、イメージは健康的ですが、実際にやると、体がガラクタのように弱くなります。
よく、スポーツを生業にしている人や、ムキムキのボディービルダーが「僕は菜食でこんな風になりました」と言って、筋肉を見せつけていたりしますが、
あんた、間違いなく食事とは別に「プロテイン」を摂っているでしょうと言いたくなります。
プロテインなし、普通に菜食だけで、ああはなりません。
私は野菜多めでしたが、肉や魚を全くとらなかったわけではありません。
肉は少なかったですが、魚は健康によいと思って普通の人より多めに摂っていたくらいです。つまり、ベジタリアンよりはタンパク質の摂取は多かったのです。
それでも、「プロテイン」なしで、穀物・野菜多めの食生活は、運動しても筋肉がつきませんでしたし、私より運動不足の人間から「風が吹いたら飛びそうだ」といわれる体格でした。
また植物性食品に頼る食生活は、筋肉がつかないだけでなく、体も弱っていきます。
プロテインなしで、純粋な菜食だけで、ムキムキになれるのだとしたら、「必要なタンパク質量」を確保するために、大量の植物性食品を食べているということになります。
ということは、当然糖質量も増えます。タンパク質は確保できるかもしれませんが、糖化のリスクが上がります。
今だけムキムキになるには、それでもいいかもしれませんが、同時に将来の健康を考えた場合、「糖化」というツケがきますから、やはり不健康です。
本人だけに留まればいいですが、「糖化」は、次世代に影響することもあります。
そのような理由から、「菜食で良い体を手に入れた人」が存在したとしても、真似する事を私はオススメしません。
筋肉をつけるなら、動物性食品からタンパク質を摂った方が、動物食性である人間には合っています。糖化の心配もありません。
私は、ほとんど筋肉がつかなかったのですが、糖質制限に切り替えてタンパク質をたくさん摂るようになって、あっさり筋肉がつくようになりました。それだけじゃなく、体が疲れません。
おまけに糖質を減らしたことで、関節の音も少なくなりました。
運動する前に大事なことがあるのです。
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タンパク質の目安
運動をしていく上で栄養状態は重要ですが、何を摂ったら良くて、何を摂ったらダメなのかがハッキリしていないと、気をつけようがありません。
「ロコモ」の対策でも、一応タンパク質を薦めています。
それは良いのですが、説明に具体性がありません。どのくらい摂っていいのか、どのくらいだと足りないのか、わかりません。
肉、魚、卵、大豆を含んだバランスの良い・・・
とか、アバウトすぎます。気をつけてもらいたい気持ちはあるのでしょうか。
人体を構成する成分のうち、タンパク質は水の次に多いです。従って、健康な体を維持する為には、常に補う必要があります。
健康を維持する為に必要なタンパク質量は、「プロテインスコア100の食品」で、体重50kgあたり50g~60g必要です。
体重×1gですね。これが最低です。
病気の改善が目的なら、さらに増量します。
そして、「タンパク質が足りているかどうか」の1つの目安ですが、血液検査で分かる尿素窒素(BUN)の値が10以下の場合は、タンパク質不足になります。
10以下の人は足りていないので、動物性食品をもっと増やすか、プロテインで補う方法もあります。
ちなみに理想は15以上です。
ほとんどの人が不足していると思います。
日本食はタンパク質不足になりやすい
日本人、特に女性は欧米人のように、肉をたくさん食べません。
お隣の韓国は肉食が盛んで、内臓の食べ方も豊富ですが、和食は肉料理のボリュームが少ないですし、内臓料理も少ないです。
魚は豊富ですが、骨や内臓は捨てるので、一匹から取れる身の量はしれています。子イワシや、鮎ならともかく、一度の食事で、魚を2匹も、3匹も食べる女性は少ないでしょう。
それに、和食の献立上、魚を2匹にするくらいなら、2品目、3品目の別のおかずを並べます。
日本は魚料理が多い国ですが、それ以上に、ご飯や根菜類等、ほかの品目も幅をきかせている為、食べる全体からすると、魚の摂取量は少ないです。
以上のような理由から、ボリュームのある肉を食べる文化圏の人たちに比べると、日本はタンパク質が不足しやすい食文化だと言えます。
そして、肉を食べる量が少ない事で不足するのは「タンパク質」だけではありません。
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鉄とタンパク質の組み合わせが大事
タンパク質が大事な事は説明してきましたが、それに加えて、忘れてはいけないのが、鉄の存在です。
厳密に言うと、鉄だけでもダメ、タンパク質だけでもダメ、この2つがセットで満ち足りていることが基本となります。
しかし、鉄はレバーや赤身の肉や卵に多く含まれているので、動物性食品の摂取量が少ないと鉄も不足します。
「タンパク質」の重要性を訴えるなら、当然、鉄の重要性にも触れるはずなのですが、「ロコモティブ・シンドローム」の予防に、このことに触れられているものはありませんでした。
運動器機能不全が若い女性に増えているという記事を読んだ時、若い女性のタンパク質不足、鉄不足が頭に浮かびました。
若い女性、特に日本の女性はこの2つが不足しやすいからです。
この2つをしっかり摂ると、明らかに疲れにくくなりますし、運動機能も向上します。
私はここ最近、タンパク質と鉄の組み合わせが大事だなと実感しています。
細かいところは省いていますが、以下がこれまでの私の栄養状態です。
①バランスの良い食事、ベジタリアンやローフードに影響を受けた、穀物・野菜多め、動物性食品が少なめの食事を長年おくる
↓
②2年前から、1日10g以下の糖質制限開始。毎日肉、卵、たまに魚。毎日プロテイン、バターを食べる
↓
③今年1月から、今までの糖質制限に、鉄サプリを加える
さらに、シンプルに言うとこういう事です。
①「高糖質、低タンパク質・低脂質」 (長年)
②「低糖質、高タンパク質・高脂質」 (2年前~)
③「低糖質、高タンパク質・高脂質 + 鉄」(今年1月~)
私は②の糖質制限を始めた時、この食事だけでどこまで効果がでるのか、正確に知りたかったので、それまで飲んでいた健康食品は止めました。どれがどこに効いたのか分からなくなるのを防ぐ為です。
ただし、タンパク質と脂質を補う為に、バターとプロテインを習慣に加えました。
他の事をしなかったお陰で、糖質制限だけで体がどう変化したのか、よく分かりました。
①の時代は、健康食品にお金をかけていましたが、健康ではありませんでした。
だから②に変えて、体の不調が改善し、体力がついた時は本当に驚きました。
しかし、そう思っていたのですが、今思うと不完全でした。
何故なら、低糖質、高タンパク質・高脂質(従来の糖質制限)を土台に、鉄サプリを飲むようになって、さらにパワーアップしたからです。言葉足らずで申し訳ないのですが、本当に「パワーアップ」という言葉しか思いつきません。
まず、びっくりするぐらい冬が寒くなかったのです。
そして、疲れないのはもちろんですが、同じ筋トレをしても、以前より楽々こなせるのです。
日常生活も楽です。
階段も、ちょっと蹴っただけで軽々と上がることが出来ます。一歩が、飛び跳ねるほど軽いです。ここまで調子が良いと、止まっているのが勿体無い、とにかく運動したくなります。
こういうことを言うと、周りから
「気のせい」と言われるのですが...
そう思われるのは嫌なので、試す時はしつこく確認するようにしています。
1月から鉄サプリを飲みはじめて4ヶ月経ちます。
鉄とタンパク質は同時に摂った方が良いという知識は前からあったので、それが本当かどうか実験してみましました。
ベースは「スーパー糖質制限」です。その上で
- プロテインは飲むが、鉄サプリを飲まない
- 鉄サプリは飲むが、プロテインは飲まない
を試してみました。
私は基本、肉食・卵食なので普通の人よりは「タンパク質」を多く摂っていますが、長年のタンパク質不足があるので、それだけでは足りません。その不足分をいつもは「プロテイン」に頼っているので、それを抜いたら、タンパク質が足りなくなるのは目に見えていました。
結果ですが...
- プロテインを飲んでいるけど、鉄サプリを飲まない場合は、(※「これまでのスーパー糖質制限」と同じ条件です)これだけでも疲れにくいです。ですが、筋トレをすると、疲労なのか、鍛えている最中、その部分が疲れて痛くなりやすいです。
- 鉄サプリを摂って、プロテインを飲まなかった場合は、筋トレの最中、筋肉が痛くなる感じはないのですが、体が重たく感じます。少し、体全体に力が湧かない感じがします。それに加えて、肌のハリがイマイチになります。(※この場合、タンパク質は食事からの摂取だけとなりますが、私にはこの量では足りないようです)
試してみて改めて思いましたが、何度確認しても、どちらのパターンも、2つ組み合わせた時の効果には及びません。
やはり、糖質制限単独よりも、鉄を組み合わせた時の方が、体の動き、健康状態が良いです。
鉄とタンパク質を同時に摂った方が良いというのは、その通りだと思います。
栄養状態で、健康はもちろん運動能力も変わります。栄養状態が悪いと、体がまともに作られないし、まともに働きません。
そんな状態で何をやっても効果は薄いでしょう。
運動機能がどうこうと言う前に、まず、栄養状態を確かめて、その上で対策をとった方が効率が良いです。
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若い日本人女性に多い、鉄とタンパク質の不足
ただの運動不足で「運動器機能不全」になるなら、一昔前の若者も、現代の男性もなるはずです。
しかし、現代女性に異変が起きているということは、男性にはない女性特有の原因があると見て間違いないでしょう。
男性にはなくて、女性にある原因で、最も考えられるのは「鉄」と「タンパク質」の不足です。
以下が不足しやすい理由になります。
「タンパク質」が不足する理由です。
- そもそも日本の食文化は、肉がメインではない
- 女性は食べる量が少ないので、主食でお腹いっぱいになり、肉が入らない
「鉄」が不足する理由です。
- 調理器具が鉄製でなくなった
- 食べ物から鉄分を摂取する事が少ない
- 対策が摂られていない
- 生理で毎月鉄を失う
女性は生理があるので、毎月鉄を失います。
なので、鉄不足になるかどうかは、「口から鉄分を摂れているか」にかかっていると言えます。
まず、調理器具については、近代化している国はどこも似たような状況だと思います。
食事ですが、鉄が多い食材は、レバー、赤身の肉・魚、卵等、動物性の食品です。
これらをたくさん食べていない人は要注意です。
鉄といえば思い浮かぶのは「ほうれん草」や「プルーン」ですが、植物性の「非ヘム鉄」なので吸収が悪いのです。必要な量を「ほうれん草」で摂ろうと思ったら、毎日バケツ4杯食べないといけません。
だから、効率が良いのは動物性の食品なのです。
レバー、赤身の肉・魚、卵をたくさん食べない人は、「タンパク質不足」だけでなく、「鉄不足」になっている可能性大です。
摂取量が乏しいのに加え、生理の度に鉄を失う若い女性は、深刻な鉄不足です。
ちなみに、欧米では小麦に鉄を混ぜるそうです。肉も日本人の3倍食べます。従って、女性であっても普通に食事をしていれば、鉄とタンパク質が不足することはありません。
ですが、日本はそのような対策が取られていませんし、肉を食べる量も少ないので、日本人の女性は慢性的に「鉄タンパク不足」になります。
ところで、先ほど、「タンパク質」が足りているかどうかは、血液検査の尿素窒素(BUN)をチェックするというお話をしました。
「鉄」が足りているかどうかを調べるには、「フェリチン」を測る必要があります。
「フェリチン」は最低50必要ですが、生理のある日本人女性のほとんどはフェリチン50以下です。その為、50以上になると別人のように元気になります。
「フェリチン」や「BUN」が低い場合、つまり「鉄」や「タンパク質」が不足している場合、いろんな意味で要注意です。これが足りないと、不健康ですし、それだけでなく、どんな健康法も効果は薄れます。
「フェリチン」は、血液検査の項目にありません。別に測ってもらう必要があります。「フェリチン」については、以下に詳しく書いています。
一方、生理がない男性は、鉄不足になることは稀だそうです。
糖質制限を始める前の私は、栄養不足が原因でロコモのチェック項目に該当していました。
もし「ロコモティブ・シンドローム」の疑いがある場合は、運動機能だけの問題で考えるのではなく、栄養状態にも注目してみて下さい。
栄養を添え物として考えるのではなく、栄養状態を改善して体を作った上で運動機能に問題がないかどうか調べた方が良いと思います。
もしかしたらただの栄養不足かもしれません。
それに栄養状態が悪いと、せっかくの運動が無駄な努力になります。
あれは、しんどいだけで時間の無駄です。
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一般的な栄養知識は適当である
「ロコモ」対策の一般的な栄養のアドバイスは、何の解決にもなりません。
タンパク質を推奨していながら、鉄について語られていなかったり(鉄とタンパク質はセット)、糖化の害に触れなかったりと、穴だらけなのです。
それどころか、「バランスの良い食事」を薦めることによって、逆に病気になる環境を作っています。
「バランスの良い食事」は、糖質過多、タンパク質不足、脂質不足です。
この栄養指導では、不要な栄養を多めに摂り、必要な栄養が足りないので、真面目に実践すると体にガタがきます。
男性はメタボ、女性はロコモに気を付けるべきなのか
そして、男性は「メタボ」、女性は「ロコモ」に気をつけようと言われています。
しかし、「メタボ」が、基準を厳しくして、「本来健康だった人」を病人予備軍に仕立て上げてしまった話を忘れてはいけません。
ロコモティブシンドロームの原因と対策は、不安を煽ったメタボの教訓に学べ
ほとんどの人は「メタボ」の基準に引っ掛かってしまいますが、中にはそれを免れる人もでてくるでしょう。そういう人を取りこぼさない為に「ロコモ」があるかもしれません。
高齢者も、60代も、50代も、40代も、30代も、若い女性も、子供もなるそうですから、
そして、「ロコモ」の基準に引っ掛かった人に対し「バランスの良い食生活」をオススメするのですから、今度は「メタボ」になってしまいます。
メタボに該当しなかった人
↓
ロコモと認定
↓
運動や「バランスの良い食生活」を進める
↓
糖質過多になる
↓
関節等の糖化促進
↓
整形外科、内科ともに病人が増える
これは悪循環です。
一般的な栄養の理論では間違いなくこうなります。
糖化の危険性を無視しているからです。
女性は「鉄タンパク不足」だけでなく、甘い物が大好きです。それは体の糖化を招きます。
また、美容に良いと、果物を食べたり、スムージーを作ったりしますが、果物に多く含まれる「果糖」は「ブドウ糖」の10倍糖化しますから、逆効果です。肌にも悪いですが、関節にも悪いです。
ローフーディストやベジタリアンの真実。肉を避け野菜や果物を多く食べる人に見られる肌の特徴と、健康上の問題
「運動器機能障害(ロコモティブ・シンドローム)」の疑いがある若い女性に注意を促すのであれば、真っ先に言わなければならないのは「糖化の危険性」と、「鉄タンパク不足」です。
「ロコモ」の対策では、こういう問題点を一切言わずに、「タンパク質とカルシウムを摂ったら良い」、「バランスの良い食事が良い」と語られていますが、適当に言っているとしか思えません。
「ロコモ」の予防を指導をする整形外科の先生に、もっと栄養理論について学ぶ機会を与えてあげてほしいです。
まとめ
3回にわたって、「ロコモティブ・シンドローム」についてお話しました。
- ロコモティブ・シンドロームの流れが、メタボリック・シンドロームと似ている事
- 近年増えてきた有害物質が、運動機能に影響を与えている可能性
- 栄養状態の悪さが運動機能に影響を与えている可能性
急増、異変と言われていますから、色々と可能性を考えてみました。
「症候群(シンドローム)」とは、原因が分からない症状につける名前ですから、原因を特定する事が難しいのは分かっています。ここで私が述べたことが間違っているかもしれないし、他にも原因があるかもしれません。
しかし、仮説を立てることは大切です。
何事も「原因は分かりません」で終わるのではなく、根本的な原因を模索する事が重要だと思います。
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