お知らせ

 

 

私達は憲法によって言論の自由が守られているので、

食や健康等の問題を主張する事ができます。

 

 

 

 

元々憲法改正賛成派だった人の解説です。

 

 

 

 

谷本議員と一緒に飛行機を降ろされたもう一人の人物・高橋清隆氏について

 

 

 

谷本議員らがノーマスクで強制降機! 釧路空港のエアドゥ機、「憲法違反を公然と行う航空各社への行政指導を国交省に求める」

 

 

一緒に飛行機を降ろされた反ジャーナリスト高橋清隆氏による、谷本誠一議員のインタビュー動画です。

 

 

 

 

 

身近な人が被害に合った時の為に

とりあえずブックマークをお願いします。

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:食事

 

最近、スーパーで豆乳飲料が目立つようになりました。

 

 

 

 

抹茶、ココア、いちご、ココナッツ、チョコミント...と、色々な味付けがされているので、それまで豆乳が苦手だった人でも美味しく飲めそうです。

 

 

 

 

嗜好品としてなら良いと思います。

 

 

 

 

ですが、この豆乳飲料を『健康的』というイメージで紹介されているのを何度か目にしました。

 

 

 

 

ネットではよく見かけますし、少し前には情報番組でも放送されていました。

 

 

 

 

私は普段テレビを見ないのですが、その時はたまたま実家にいて、父がそれを見ていました。

 

 

 

私は食事を作っていて、後ろから聞こえてくるその音を聞きながら、「あぁ、あれか...」と思っていました。

 

 

 

番組の内容は、ヘルシーを強調していて、デメリットを一切言わなかったので悪質でしたが、このような報道はいつもの事なので、その時は気にもとめませんでした。

 

 

 

 

しかし、後で父が食事中に、その番組を見ていなかった母に対して、

 

 

 

 

 

「豆乳は体に良いから、今度買ってこい」

 

 

 

 

 

...と言ったのです。全く疑っていなかったので、完全に誘導されている様子でした。

 

 

 

 

さすがに聞き捨てなりません。

 

 

 

 

その時は一連の流れを私が見ていたので、すぐに「豆乳は体に悪いから買うな」と母に釘をさすことができました。

 

 

 

 

ですが、もしあの場に私がいなかったら、母も何も考えずに豆乳を健康目的で買う可能性は大いにありました。

 

 

 

 

既に分かりきったデメリットを一切言わず、メリットばかりを強調するのは許せません。

 

 

 

 

これでは、ほとんどの人が間違った選択をしてしまいます。

 

 

 

 

スーパー糖質制限をしている私が運営する当ブログでは、高タンパク質な食事を推奨しています。

 

 

 

 

一応、人間は動物食性動物なので、タンパク質も動物性の食品が良い事も何度も強調していますが、それでも植物性の豆製品を完全否定しているわけではありません。

 

 

 

ベジタリアンなど、動物性の食品が食べられない方もいらっしゃるからです。

 

 

 

また、肉や魚だけだとお金がかかるので、補助の範囲であれば、安価な豆製品を使用する事もありだと思っています。

 

 

 

例えば、私は1食あたり肉だと250~300gは食べるのですが、スーパーに行く時間が遅すぎて、g数が微妙な肉しか手に入らないことがあります。

 

 

 

1パック190gとかです。

 

 

 

こういう場合は足りないので、植物性のタンパク質である「豆腐」等の大豆製品や、「ひよこ豆」を足すこともあります。

 

 

 

ただしメインではありません。あくまで主役は動物性です。

 

 

 

そして、私はこれがあまり良くない事である事も分かったうえでやっています。

 

 

 

 

しかし、人によっては、「豆製品は高タンパク質だから健康的だ」...と考えて、豆製品を中心にタンパク質を摂取しようとする人がおられます。

 

 

 

 

糖質制限をしている方の中でも、豆製品に対して油断する人は少なくないのです。

 

 

 

 

高タンパク質をする事は良いのですが、この発想は思わぬ弊害を生む可能性があります。

 

 

 

 

そして、豆製品の中でも、特に問題なのが大豆からできた豆乳です。

 

 

 

 

栄養価を調べてみると、意外にタンパク質量が少なく、糖質もあるので、糖質制限をしている人はあまり飲まないだろうから心配いらない...と思っていましたが、

 

 

 

最近は飲みやすく販売されているので、高タンパク質食をする人が継続的に摂取してしまう可能性もあるので注意をしておきます。

 

 

本記事では、以下のような人に向けて、豆乳が健康的ではない理由についてお話します。

 

 

 

  • プロテインを豆乳で溶かして飲む人

 

 

 

  • 豆乳を健康の為に飲もうかどうか迷っている人

 

 

 

 

(補足として)

 

  • 肉と豆製品を一緒に食べる回数が多い人

 

 

 

もう一度言って起きますが、嗜好品として楽しむぶんには別にいいと思います。

 

 

 

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健康的なイメージの大豆製品は副作用が多い

 

 

 

「豆乳」について語るためには、先に元となる「大豆」の実態について語らなければいけません。

 

 

 

 

大豆等の豆科の植物には、反栄養素(アンチニュートリエント)が含まれています。

 

 

 

「反栄養素」とはあまり一般的ではない単語ですが、簡単に言うと「身体によくないもの」の総称の事で、ファイトケミカルの一種です。

 

 

 

ファイトケミカルについては以下の記事をご覧下さい。 

 

ファイトケミカルの効能について分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

そして、代表的な「反栄養素」が以下になります。

 

 

 

  • フィチン酸塩

 

 

 

  • 酵素阻害物質

 

 

 

  • ゴイトロゲン(甲状腺腫誘発物質)

 

 

 

 

「ゴイトロゲン」とは、ヨウ素の取り込みを阻害したり、甲状腺腫を引き起こすものの総称の事です。

 

 

薬剤や化学物質だけでなく、大豆に含まれている「イソフラボン」や、アブラナ属の野菜等に含まれている「チオシアネート」もゴイトロゲンの性質を持っています。

 

 

 

 

これら3つのうち、「フィチン酸塩」に関しては、「有害ではない」という説もあり、調べてみるとそれなりに信憑性がありました。これだけで情報が大量になってしまうので、本記事では「フィチン酸塩」が危険かどうかについての追求はしません。

 

 

 

 

 

従って、現時点で私的に「確実にこれは問題だろう」と考えているのは、「酵素阻害物質」と「ゴイトロゲン」の2つになります。

 

 

 

 

 

...で、豆乳の元となる大豆には、この「反栄養素」がたっぷりと含まれています。

 

 

 

 

次はこのうちの「酵素阻害物質 こうそ そがい ぶっしつ」について説明します。

 

 

 

 

酵素阻害物質とは

 

 

 

代謝をよくする為には、酵素反応がスムーズでなければいけません。

 

 

 

 

その為には、必要な栄養素が揃っている必要があります。

 

 

 

 

主酵素が「タンパク質」で、そのサポートをするのが補酵素「ビタミン」と補因子「ミネラル」です。

 

 

 

 

これらが足りていれば代謝はスムーズに、不足すれば反応が滞るので代謝が悪くなります。

 

 

 

そうなると不健康です。

 

 

 

 

従って、酵素の働きを阻害する行為は、意図的に反応を滞らせ、不健康になる事を意味します。

 

 

 

 

例えば、薬にはその作用があります。

 

 

 

 

『藤川徳美医師 facebook 2017年12月18日』より引用

 

 

一方、ほとんどの薬は代謝酵素阻害作用を持つ。

 

 

薬とは、代謝酵素を阻害して、体内の特定の物質を増やしたり減らしたりするもの。

 

 

代謝酵素阻害作用は、拮抗薬、阻害剤(インヒビター)、ブロッカー、アンタゴニストなどと表現される。

 

 

 

胃潰瘍治療薬:

 

PPIプロトンポンプインヒビター)、
H2ブロッカー、

 

 

降圧薬:

 

βブロッカー、
Ca拮抗剤、
ACE阻害薬、

 

 

抗精神病薬:

 

SDA(セロトニンドーパミン・アンタゴニスト)、

 

 

抗うつ薬:

 

SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)。

 

 

 

つまり、薬は症状を軽減する作用はあるが、寿命短縮作用があると言うことになる。

 

 

すべての薬を否定するわけではなく必要な人もおられるのは事実だが、できるだけ少量で済むことが望ましいことは間違いない

 

 

 

 

 

重要なところです。

 

 

 

 

酵素の阻害 = 寿命短縮

 

 

 

 

 

そして、自然界に存在する種子類にも、酵素を阻害する作用があります。

 

 

 

 

何故かと言うと、「発芽に適切な条件」が揃わない環境下では、「種子が芽を出す為の酵素」が働かないようにする為です。

 

 

 

 

種子にとっては、この作用は有益です。

 

 

 

 

しかし、この酵素阻害作用は、種子に対してだけでなく、それを食べる側にもバッチリと影響します。

 

 

 

 

そして、大豆の場合は、以下のような大きな問題があります。

 

 

 

 

  • 酵素阻害作用が強い

 

 

  • 「発酵」以外の方法では酵素阻害作用を取り除くことが困難

 

 

 

 

 

種子類とえば、大豆、ナッツ、玄米...と、色々ありますが、この中でも大豆は、特に酵素阻害作用が強い種子です。

 

 

 

 

 

 

基本的に、種子類に含まれている酵素阻害作用等のアンチニュートリエントは、水に浸けると、水に移ります。

 

 

 

そして、完全にはなくなりませんが、時間をかけて調理すれば、ある程度は破壊もできます。

 

 

 

 

...このように多くの種子は、水に浸したり、加熱によって、ある程度酵素阻害作用を取り除くことができるのですが、

 

 

 

 

他の種子に比べると、大豆はこれらの方法では酵素阻害作用を取り除くことができないと言われています。

 

 

 

 

それを解決するには、「発酵」させるしかありません。

 

 

 

 

 

...ということはつまり、発酵していない大豆製品は、「酵素阻害作用が強い食品」なのです。

 

 

 

 

もう一度言いますが、酵素の阻害 = 寿命短縮です。体にとって健康どころか、マイナスの方が大きいですね。

 

 

 

 

その食品とは...例えばこちらです。

 

 

 

 

  • 豆腐

 

 

  • おから

 

 

  • 豆乳

 

 

 

 

ちなみに、これらの製造方法は線上に繋がっているので、兄弟のようなもんです。

 

 

 

 

 

①粉砕した大豆をお湯に入れて加熱する

 

 

 

 

 

 

②ふきんで漉して絞る

 

 

 

 

 

 

③漉してできた液体は「豆乳」、ふきんにのこったのが「おから」

 

 

 

 

 

 

④豆乳ににがりを入れて固めて「豆腐」が完成

 

 

 

 

 

 

豆乳、おから、豆腐の酵素阻害3兄弟の中でも、特に危険なのが豆乳です。

 

 

 

 

先ほど、種子類に含まれているアンチニュートリエントは、水に浸けると水に移る...と説明しましたが、豆乳とはその水分にあたる部分です。

 

 

 

 

大豆は水に浸したくらいでは酵素阻害作用を取り除くことが困難な為、そんなに水に移っているとは思えませんが、それでも「おから」や「豆腐」に比べるとこれらの成分が豊富である可能性は十分高いです。

 

 

 

 

従って、豆乳はアンチニュートリエントドリンクと言っても過言ではありません。

 

 

 

もちろん、酵素もしっかり阻害してくれることでしょう。

 

 

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タンパク質の消化が悪くなる

 

 

ここで、「酵素の阻害」...の分かりやすい具体例を挙げておきます。

 

 

 

食事をすると、消化酵素が分泌され、食べた物が分解されます。これによって、身体に吸収できるようになります。

 

 

 

従って、この消化酵素の働きを阻害すると、食べた物は当然未消化になります。

 

 

 

肉を食べると未消化になって発癌性物質が発生する...という説があります。

 

 

 

肉が未消化になる原因は色々ありますが、「タンパク質や脂質を分解する酵素を阻害する物質」と一緒に摂取すれば、そうなる可能性は高いです。

 

 

 

 

『アスリートのための最新栄養学(上)~三大栄養素編 / 著者:山本義徳』より引用

 

 

 

他にも大豆には問題があります。それは「トリプシンインヒビター」です。

 

 

 

トリプシンはタンパク消化酵素、インヒビターというのは邪魔するという意味で、大豆にはタンパク消化酵素を邪魔する物質が含まれているのです。

 

 

 

余談ですが、植物にはこのように「動物に食べられてしまわないように」代謝を阻害する物質が含まれていて、ジャガイモの芽にあるソラニンやホウレン草に含まれるシュウ酸などが代表的なものです。

 

 

 

人参に含まれるアスコルビナーゼはビタミンCを壊し、ワラビやゼンマイなどの山菜類にはビタミンB1を壊すアイノリナーゼが含まれます。

 

 

 

大豆のトリプシンインヒビターもその1つで、多くの動物は生の大豆を食べると下痢してしまいます。

 

 

 

ただしこれは加熱で壊されます。

 

 

 

大豆プロテインを製造するときには加熱されますので大丈夫です。

 

 

 

なお大豆製品のトリプシンインヒビター残存率は、木綿豆腐で2.5%、絹ごし豆腐で4.3%、豆乳で13%、納豆で0.7%だそうです。(※45)

 

 

 

豆乳でプロテインを割る人もいますが、これは避けたほうが良いかもしれません。

 

 

 

また「きな粉」はタンパク含有量が多いということでプロテインの代わりにきな粉を、と考える人がたまにいますが、これも避けたほうがいいでしょう。

 

 

(116p)

 

 

 

加熱されるので大丈夫...とありますが、大豆はそう簡単にはいかないという説があるので過信はできません。

 

 

 

大豆製品のトリプシンインヒビター残存率をまとめます。

 

 

 

  • 木綿豆腐・・・・2.5%

 

 

  • 絹ごし豆腐・・・4.3%

 

 

  • 豆乳・・・・・・13%

 

 

  • 納豆・・・・・・0.7%

 

 

 

豆乳が1番多いです。

 

 

 

飲んでも消化吸収が悪くなるなら、高いプロテインを豆乳で割るのはもったいないです。

 

 

 

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大豆製品の歴史

 

 

豆乳が飲まれるようになってどれくらい経ったのか...も重要なポイントです。

 

 

 

実は日本の豆乳飲料の歴史は、他の大豆製品に比べると非常に浅くて、一般的に飲まれるようになったのは、昭和50年前後だそうです。

 

 

 

 

『日本豆乳協会 豆乳について』より引用

 

 

大豆豆乳液ににがりを入れて固めると豆腐になりますが、その豆腐は約2000年前に中国で誕生したと言われており、その頃から豆乳もあったと言えます。

 

 

日本に中国(唐)から豆腐が伝わったのは奈良時代と言われていますが、豆乳の原型と言われる豆腐羹が禅宗の僧侶たちの食膳に出たのは、鎌倉時代と言われています。

 

 

 

これが、日本における豆乳の誕生と見られます。

 

 

 

一般の人たちに飲料商品として豆乳が出回るようになったのは戦後昭和50年前後以降でした。

 

 

 

「豆乳」と製造工程が近い「豆腐」と「おから」は、豆乳よりも食べられてきた期間が長いです。

 

 

 

 

「豆腐」の歴史は、以下を読んでも最も諸説紛々としていて、どれが本当かは不明です。

 

 

 

『Wikipedia 豆腐』

 

 

 

 

一方「おから」は、長い間「廃棄物」として扱われていたようで、食品としての地位を得たのは「豆腐」や「味噌」や「納豆」に比べてかなり後ですが、それでも江戸時代には食べられていたようです。

 

 

 

 

そして、発酵させた大豆製品である「味噌」や「納豆」の歴史も、比較の為に紹介しておきます。

 

 

 

歴史が長いのは、平安時代に記録が残っている「味噌」です。

 

 

 

 

『Wikipedia 味噌』より引用

 

 

 

起源

 

 

味噌の起源には二つの説がある。

 

 

 

中国伝来説

 

古代中国の醤を根源とし、遣唐使により中国を経て伝来したとされる説。

 

 

 

日本独自説

 

 

日本の味噌の原型は歴史が古く、弥生時代からとする説。日本においては縄文時代から製塩が行われ、醤などの塩蔵食品が作られていたと見られる。縄文時代後期から弥生時代にかけて遺跡から穀物を塩蔵していた形跡が見つかっている。古墳時代からは麹発酵の技術を加えたものとなった。

 

 

 

 

お次は「納豆」です。こちらも11世紀半ばから記録があるので古いです。

 

 

 

『Wikipedia 納豆』より引用

 

 

自然発酵法で行われた。

 

 

 

「納豆」という語句が確認できる最古の書物は、11世紀半ば頃に藤原明衡によって書かれた『新猿楽記』である。

 

 

 

同作中に「腐水葱香疾大根舂塩辛納豆」という記述があり、平安時代には納豆という言葉が既に存在していたことが確認できる。

 

 

 

 

比較すると、大豆製品の中でも豆乳は一般的な人が摂取してきた歴史は浅いです。

 

 

 

 

そして、歴史が浅いということは、その結果どうなったか...という実例が少ないということです。

 

 

 

 

健康に気を使う人が1番知りたいのはこれだと思いますので、次は豆乳と健康被害についてみていきます。

 

 

 

 

豆乳の健康被害

 

 

 

まずは、健康被害の一例です。

 

 

 

 

『Yahoo!知恵袋 大豆の摂取と生理について』より引用

 

 

大豆の摂取と生理について。

 

 

今月に入ってから、毎日コップ1杯分の豆乳、毎日納豆か豆腐半丁どちらかを食べていました。

 

 

今まで生理不順などになったことないのですが、先日生理予定日前 に少し出血があり(いつも予定日前に来ることはない)、5日目の今も今までの生理の量とは比べものにならないくらい、少ししか出血してません。

 

 

着床出血かと思い検査薬もやったけれど、陰性だし‥

 

 

これって、いきなり大豆製品をとるようになったことと、関係ありますか?

 

 

 

 

大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)に似た働きをします。

 

 

エストロゲンは生理が終わってから、排卵が始まるまで多く分泌され、排卵後は子宮の内膜を厚くするために、プロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されます。

 

 

 

このプロゲステロンが多く分泌されるべき時期に、エストロゲンに似たイソフラボンを摂ると、さらにそれを上回るプロゲステロンを分泌してしまい、月経前緊張症(PMS)の症状が酷くなったり、それまで順調だった生理のサイクルが乱れてしまうことがあります。

 

 

http://lbr-japan.com/2013/02/18/5179/

 

 

わたしは牛乳と半々で調整豆乳を飲んでいた時期があったり、プロティンシェイク(大豆たんぱく)のダイエットをした経験がありますが、大豆製品をよく摂ると、頭痛や動悸、吐き気、めまい、発熱、不眠など、生理前の不調がとても酷くなってしまい、最初は食物アレルギーかと思い、病院でアレルギーテストをしましたが、大豆は陰性でした。

 

 

それでも症状は出るため、試しに大豆製品をなるべく摂らないようにして様子をみたら、とても楽になりました。

 

 

 

醤油やお味噌といった調味料は普通に摂りますが、豆乳やきな粉などは意識して摂らないようにしています。

 

 

 

お豆腐も本当は好きなのですが、生理前には1/6丁くらいしか食べません。

 

 

 

大豆製品には身体に良い成分がたくさん含まれていますが、生理周期に影響が出てしまうようでしたら、摂る量や時期を調整してみてください。

 

 

 

ここで、イソフラボンがでてきたので、これについて解説します。

 

 

 

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イソフラボンの問題点

 

 

大豆に多く含まれているイソフラボンは、ポリフェノールの一種です。

 

 

 

分子構造が女性ホルモンである「エストロゲン」にとてもよく似ていて、そのような働きをします。

 

 

 

その為、イソフラボンは、「植物性エストロゲン」と呼ばれています。

 

 

 

そして、先ほども説明したとおり、「ゴイトロゲン」の性質を持っています。

 

 

 

 

ちなみに、大豆に含まれているイソフラボンは、全体量の約0.2~0.4%です。

 

 

 

 

イソフラボンは大きくつに分類されていて、以下のような特徴があります。

 

 

 

 

  • グリコシド型イソフラボン・・・糖と結びついていて、分子が大きい

 

 

  • アグリコン型イソフラボン・・・グリコシド型イソフラボンから糖を取り除くことで生成されたもので、分子が小さい

 

 

 

 

前者は、大腸で腸内細菌の酵素で糖を分解して消化吸収されるので、取り込むのに時間がかかります。

 

 

 

 

一方、後者はその必要がないので、吸収スピードは「グリコシド型イソフラボン」より3倍速いです。

 

 

 

 

 

そして、後者の「アグリコン型イソフラボン」は、以下のつに分けられています。

 

 

 

 

  • ダイゼイン・・・・エストロゲン様作用が穏やか

 

  • ゲニステイン・・・エストロゲン様作用が強い

 

  • グリシテイン・・・エストロゲン作用がほとんどない

 

 

 

 

 

 

 

イソフラボンの効能について、分かりやすくまとめてある記事を紹介します。

 

 

 

『妊娠・出産するための予習・復習ノート 食べてはいけない イソフラボン サプリメント 大豆製品 女性にも男性にも悪影響』より引用

 

 

「食品中の植物エストロゲンに関する調査研究」厚生科学研究(1998年)によると、100gあたりの大豆イソフラボンアグリコン含有量は、次の通りです。

 

 

大豆 140mg
きな粉 266
豆腐 20
おから 11
油揚げ 39
納豆 74
味噌 50
醤油 1
豆乳 25

 

 

 

日本人の日常摂取量は、16~22mg/日になります。。

 

 

 

「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」厚生労働省食品安全委員会(2006年)では、大豆イソフラボンの生体への影響は、主に次の3つ。

 

 

1 エストロゲンレセプター (ER)を介する作用(低濃度で作用する)

 

 

ERα:子宮、膣、卵巣、乳腺、視床下部、血管内皮細胞、血管平滑筋

 

 

ERβ:前立腺、卵巣、肺、脳、血管、骨

 

 

 

2 トポイソメラーゼ阻害作用(高濃度で作用する):抗癌剤である、VP16、ドキソルビシンと類似の作用で、胎児期の暴露は小児白血病に関連する可能性も懸念されます。

 

 

 

3 甲状腺機能ペルオキシダーゼ阻害作用:甲状腺機能亢進症になります。この作用を抑えるため、海外ではヨウ素の添加が必要ですが、日本では海藻によるヨウ素摂取が通常は十分あるため、基本的に問題ないと考えられています。

 

 

 

 

 

ゴイトロゲンの性質があるイソフラボンは、甲状腺機能を阻害する作用がある...と言いましたが、ヨウ素を摂取している限りはとりあえず心配がない...という意見です。

 

 

ただし、甲状腺に問題がある人は注意が必要です。

 

 

 

 

 

大豆イソフラボン長期摂取による閉経後の女性への影響として、、、

 

 

1 子宮内膜増殖症(子宮体癌の前癌病変)の増加:これは、ERα作用によるものであり、大豆イソフラボン150mg/日でリスクが高くなります。閉経後でも生理様の不正出血が起こり、子宮癌との鑑別が必要になります。

 

 

 

大豆イソフラボン上乗せ摂取(通常の食事以外の摂取)による閉経前女性への影響として、、、

 

 

 

2 生理不順(月経周期の延長):これは、大豆イソフラボン57mg/日でリスクが高くなります。

 

 

 

つまり、女性ホルモン補充は、

 

 

1 女性ホルモン低下の場合(更年期以降)、適度な補充はよいが、過剰な補充は悪影響

 

 

 

2 女性ホルモン正常の場合、補充は不要(悪影響)となります。

 

 

 

厚生労働省、食品安全委員会では、大豆イソフラボンアグリコン換算として1日上限摂取目安量を70~75mg/日とし、通常の食事に上乗せする上限を30mg/日としています。

 

 

設定根拠は、健康被害(子宮内膜増殖症)が起きる150mg/日の半量と、健康被害(生理不順)が起きる57mg/日の半量です。

 

 

 

ちなみに骨のカルシウム維持に役立つ量は25mg/日です。

 

 

 

この記述では、妊婦と小児は対象外としています。

 

 

 

実際の食品に換算してみると、大豆イソフラボンアグリコンとして、

 

 

 

豆腐1/2丁 35mg
納豆1食 33mg
豆乳200mL 50mg

 

 

 

ですから、簡単に健康被害を起こす摂取量に達してしまうのがおわかりいただけると思います。

 

 

その他、大豆イソフラボン摂取による

 

 

 

1 男性への影響:女性化乳房になることがあります。

 

 

2 妊婦への影響:母体から胎児に移行するのは明らかですが、データが不十分のため、判断できません。ただし、トポイソメラーゼの作用は無視できないと考えられています。

 

 

3 小児への影響:乳児用大豆調整乳は適切に管理されていますので、心配ありません。エストロゲン製剤により、骨端の閉鎖(身長の伸びが停止)と性的な早熟(初経発来、乳房発育)が起こり得ます。これも、データ不足のため、安全量の判断ができません。

 

 

女性ホルモンにより増悪する可能性のある疾患(エストロゲン依存性疾患)として、

 

 

1 子宮筋腫
2 子宮内膜症
3 子宮体癌
4 卵巣癌
5 乳癌

 

 

があります。しかし、病気の発症に直接関連しているというデータはありません。

 

 

 

こうしてみると、イソフラボンは生殖機能にダメージを与える傾向がありますね。

 

 

 

 

 

ですが、探してみると、「イソフラボンには副作用がない」という意見もありました。

 

 

 

その理由が以下です。

 

 

 

  • イソフラボンの働きは、エストロゲンの1000分の1から10000分の1しかない

 

 

  • イソフラボンは「エストロゲン」が不足している時だけエストロゲン様の作用をする

 

 

 

 

 

大豆やイソフラボンについて調べていくと、メリットばかり強調した話か、デメリットばかり強調した話のどちらかに偏っていると感じます。

 

 

 

 

この時点で胡散臭いのですが、こういう時は、実際に摂取し続けてどうなったかを確認するのが1番手っ取り早いです。

 

 

 

 

以下のサイトに、豆乳の消費量が載っています。

 

 

参考:『主な国別「豆乳」消費量とその変化』

 

 

 

2012年の年間一人当たりの消費量(ℓ)が紹介されているのですが、日本は2.0です。

 

 

 

この中で注目して欲しいのが1位のタイ10.2です。

 

 

 

2位の韓国でも5.2ですから、かなり多いことが分かります。

 

 

 

 

調べてみると、タイでは豆乳が人気のようです。

 

 

『バンコクガォ 豆乳屋台はタイではメジャーなドリンクスタンド』より引用

 

 

みなさんは豆乳ってどれくらい飲みますか?

 

 

 

ちなみにボクは日本にいる時、ほぼ飲むことなかったんですけれど(飲むなら牛乳だった)タイに来てからはそれなりの頻度で飲むようになりました。

 

 

その要因がこちら。豆乳(ナームタウフー)の屋台です。

 

 

 

屋台で沸かしている、あったかーい豆乳に好きなトッピングをして飲みます。トッピングの数にもよりますが、大体1袋で5〜10バーツ程度ですね。この屋台は10Bです。

 

 

 

朝ごはん代わりに飲む(食べる)人も多いです。後はダイエット目的の人もいますねー。

 

 

 

コンビニやスーパーにも牛乳に比べてかなりの種類の豆乳が並んでいます。

 

 

 

恐らく牛乳の流通が拡大するよりも前に豆乳が存在していたからじゃないかと思っているのですが正確な所は分かりません。

 

 

 

便宜上、豆乳屋台と書いていますが、実際は本当の豆乳よりもさらっとしています。正にナームタウフー(豆腐水)。

 

 

 

対してコンビニなどで売ってる奴は、もう少し濃い目でドロッとしてます。こっちはノムタウフーと呼ばれていて、日本でいうところの豆乳です。

 

 

 

 

ここで思い出していただきたいのは、イソフラボンは生殖機能にダメージを与えるという事です。

 

 

 

 

タイは手術によって性別を変える人が多い国ですが、何故そういう人達が多いのか?という点についてはあまり触れられません。

 

 

 

 

他の国にはない理由があるはずです。

 

 

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大豆製品を選ぶ時の注意

 

 

 

大豆製品には多くのリスクがある事を説明してきました。

 

 

 

それを分かった上で、摂取する場合はどうすればいいのかについて考えてみます。

 

 

 

アンチニュートリエントを避けるには、以下の条件が必要です。

 

 

 

  • 水に浸ける

 

  • 時間をかける

 

  • 発酵させる

 

 

 

大豆の場合は、発酵した製品なら比較的安心です。

 

 

 

 

当てはまるのは「味噌」や「納豆」ですが、注意があります。

 

 

 

 

実は、最近の昔ながらの製法ではない多くの「味噌」や「納豆」は、化学薬品や過度の熱を加える事によって、発酵の時間を短縮しています。

 

 

 

 

従って、発酵している商品ではあるけれども、物によっては十分ではない可能性を考慮した方がよいでしょう。

 

 

 

 

値段が他のより高いものなら大丈夫かもしれませんが、スーパーで売られている3パック100円前後の納豆...

 

 

 

 

私も買いますが、健康の為に常食するのは控えた方がよさそうです。

 

 

 

 

そして、身近にある加工食品にも注意が必要です。何故なら、「大豆タンパク」や「大豆油」が多く含まれているからです。

 

 

 

 

当然、アンチニュートリエントが含まれています。

 

 

 

 

...ということは、一つ一つは少量だったとしても、加工食品A、加工食品B...と、複数の食品を摂れば、トータルでとんでもない量になるかもしれません。

 

 

 

 

で、豆乳ですが、基本的に飲まない方が良いと思います。

 

 

 

 

たまに豆乳鍋をするとか、ドリンクを嗜好品目的で飲むくらいにして、継続的に摂取するのは止めておいた方が良いです。

 

 

 

特に、牛乳が飲めない子供に豆乳を飲ませている人や、プロテインを豆乳で割っている人はよく考えて下さい。

 

 

 

発酵した豆乳ヨーグルトなら大丈夫かな...と考えましたが、まだ普及して年数も経っていないので食べた人が今後どうなるかは分かりません。

 

 

 

 

リスクを知った上で、それぞれの事情に合わせて摂取するのが賢いです。

 

 

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ファイトケミカルは、第の栄養素として注目を集めています。

 

 

 

 

抗酸化作用、癌予防...といった様々な効能が紹介されていたり、

 

 

 

 

ファイトケミカルを摂取する為のレシピや、サプリメントもよくみかけます。

 

 

 

 

このような環境だと、病気予防や体質改善に積極的に取り入れようとしてしまいます。

 

 

 

 

しかし、本当にファイトケミカルは、言われているように病気予防や体質改善に効果があるのでしょうか?

 

 

 

 

メリットばかり強調されることが多いので、鵜呑みにする人は多いと思います。

 

 

 

しかし、なんとなくイメージがよさそうだから、とりあえず摂っておこう...というのは要注意です。

 

 

 

 

ファイトケミカルが体にどれほどの変化を与えるのか、私なりの見解をお話します。

 

 

 

まずは、ファイトケミカルの定義について説明します。

 

 

 

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ファイトケミカル(フィトケミカル)とは

 

 

 

ファイトケミカル(phytochemical)とは、植物性の化学物質という意味です。

 

 

 

「phyto」は、ギリシャ語で「植物」、ファイト、あるいはフィトと呼ばれます。

 

 

 

「chemical」は、英語で「化学物質」です。

 

 

 

 

「植物性の化学物質」とは、例えば、

 

 

 

 

 

野菜、果物、豆類、イモ類、ハーブ...といった、植物の色素、香り、アク、辛味、粘々、苦味...等に関与する成分です。

 

 

 

そのためか、独特の風味があったり、色が鮮やかだったり、癖の強い植物に含まれている場合が多いです。

 

 

 

バラエティに富んでいるので、人間の目線から見ると「色んな用途に使える便利な成分」です。

 

 

 

しかし、これらの成分は、植物にとっては武器に相当します。

 

 

 

 

動けない植物が外的から身を守る為に作り出している物質である...ということを忘れてはいけません。

 

 

 

 

 

ファイトケミカルは、薬の成分になったり、毒物や幻覚剤として利用されてきた歴史があります。

 

 

 

なので、体に良いものばかりではないのです。

 

 

 

次は、このファイトケミカルの、栄養素としての位置づけについてお話します。

 

 

 

ファイトケミカルは第7の栄養素

 

 

第7の栄養素であるファイトケミカルにスポットを当てる前に、まずは、栄養の種類や特徴について説明します。

 

 

 

以下がお馴染み、大栄養素です

 

 

 

  • 炭水化物(糖質+食物繊維)

 

  • タンパク質

 

  • 脂質

 

  • ビタミン

 

  • ミネラル

 

 

 

この5大栄養素は、代謝に関わっているので、生命維持に必要な栄養素です。

 

 

 

 

ただし、以下の点は注意して下さい。

 

 

 

 

「タンパク質」「脂質」「ビタミン」「ミネラル」は、自ら合成することができないので、食事から摂取する必要があります。

 

 

 

 

これを「必須栄養素」と言います。

 

 

 

 

 

そして、「炭水化物」は、「糖質+食物繊維」のセットの事です。

 

 

 

 

「糖質」は、生命維持に必要ですが、その量はわずかで、過剰になると毒になります。また、「糖質」は「糖新生 とうしんせい」というシステムによって、合成することができるので「必須栄養素」ではありません。その為、食事から摂取する必要もありません。

 

 

人間の身体に必要な糖質量を血糖値の視点から分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

 

「食物繊維」は、動物食性動物である人間の体に必要な栄養素ではありません。植物食性の消化器官ではない為、負担がかかるのです。しかし、腸内環境を重視する人達の間では、第6の栄養素...等と言われています。

 

 

 

 

ちなみに、第6の栄養素...と言われているものはいくつかあります。核酸、食物繊維...と人によって意見がバラバラです。

 

 

 

 

これらに続いて第7が「ファイトケミカル」...というわけです。

 

 

 

第6の時点で胡散臭いので、第7も同じように感じますが、とりあえず話しを先へ進めます。

 

 

 

第7の栄養素は、他の栄養素とは何が違うの?...と疑問を持たれたかもしれません。

 

 

 

決定的な違いについてお話します。

 

 

 

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ファイトケミカルの特徴

 

 

糖質、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ファイトケミカル...

 

 

 

栄養素は数が多いのですが、大きく二つに分けて考えることをお勧めします。

 

 

 

  • 代謝に関係する栄養素

 

  • 代謝に関係しない栄養素

 

 

 

 

体にとって重要なのは前者です。これを上手く調節する事が、栄養療法の本質と言えます。

 

 

 

5第栄養素はこれに該当します。

 

 

 

しかし、「ファイトケミカル」は後者になります。

 

 

 

 

 

『Wikipedia ファイトケミカル』より引用

 

 

ファイトケミカルまたはフィトケミカル(英: phytochemical)は、植物中に存在する化合物であるとされる。

 

 

 

直訳すると植物性化学物質となり、化学的には毒物などすべてを含む植物中の化学物質全般を指すが。

 

 

 

一般的には「通常の身体機能維持には必要とされないが、健康によい影響を与えるかもしれない植物由来の化合物」を意味する用語として使用されている。

 

 

 

このため、植物栄養素(しょくぶつえいようそ、英: phytonutrient)とも呼ばれる。

 

 

 

「ファイトケミカル」は、必須栄養素ではありません。

 

 

 

通常の身体機能維持には必要とされない

 

 

 

 

...とあるように、通常の代謝には不要なので、摂取しなくても問題なく、当然欠乏症もありません。

 

 

 

 

 

 

 

あったらいいけど、なくてもいい...

 

 

 

「ファイトケミカル」は、名前の響きから、なんだか凄いパワーがありそうですが、代謝に関係ない時点で、栄養素としての重要度は低いです。

 

 

 

 

ここがポイントです。

 

 

 

 

5大栄養素が本質なら、

 

 

 

「ファイトケミカル」は、それ以外の枝葉の栄養素です。もちろん、第6の栄養素と言われる「食物繊維」も同等です。

 

 

 

 

ファイトケミカルが重要ではない理由

 

 

 

健康を語る上で重要なのは、枝葉ではなく、本質である「代謝に関係する5大栄養素」です。

 

 

 

そして、5大栄養素が以下のような状態だと体に問題が起きます。

 

 

 

  • 糖質 過多

 

  • タンパク質 不足

 

  • 脂質 不足

 

  • ビタミン 不足

 

  • ミネラル 不足

 

 

 

 

例えカロリーが足りていても、このように栄養の質が悪い状態の事を「質的な栄養失調」と言います。

 

 

 

その結果、体の材料不足、エネルギー不足、代謝の悪化に繋がるので、慢性疾患になったり、そこまではいかなくても虚弱体質になったりします。

 

 

 

ちなみに、「バランスの良い食事」は、人間の体の構造を無視した栄養モデルなので、これを食べていると「質的な栄養失調」になります。

 

 

 

もちろん、「バランスの良い食事」をしている限り改善しません。

 

 

 

 

「質的な栄養失調」は、以下のようにして改善させます。食事だけに頼るのではなく、プロテインやサプリメントを使うと効果が速いです。

 

 

 

 

糖質過多 → 糖質を制限する

 

 

タンパク質不足 → タンパク質を補う

 

 

脂質不足 → 脂質を補う

 

 

ビタミン不足 → ビタミンを補う

 

 

ミネラル不足 → ミネラルを補う

 

 

 

 

 

一方、「ファイトケミカル」は、必須栄養素ではないので重要ではありませんし、摂らなくても「質的な栄養失調」には該当しません。

 

 

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ビタミン様物質との違い

 

 

 

わざわざ摂取する必要はないけど、なんだか重要な働きをしてくれそうな栄養素が「ファイトケミカル」です。

 

 

 

 

同じように、わざわざ摂取する必要はないけど、重要な働きをしている栄養素があります。

 

 

 

 

「ファイトケミカル」とごっちゃになってはいけないので、その栄養素の事も説明しておきましょう。

 

 

 

以下の物質を見て下さい。

 

 

 

  • α-リポ酸

 

  • カルニチン

 

  • ユビキノン

 

  • イノシット

 

  • コリン

 

 

 

 

健康食品の中に配合されていたりするので聞いた事があると思いますが、これらは「ファイトケミカル」ではなく、「ビタミン様物質」です。

 

 

 

 

「ビタミン様物質(ビタミン関連化合物)」とは、代謝に重要な影響を与えるけど、体内で合成することができる有機化合物の事です。

 

 

 

 

わざわざ摂る必要がない栄養素...という部分では「ファイトケミカル」と同じですが、代謝に深く関わっている点が決定的に違います。

 

 

 

要約します。

 

 

 

 

  • ファイトケミカル・・・代謝に不要・摂取する必要はない

 

 

  • ビタミン様物質・・・・代謝に必要・摂取する必要はない

 

 

 

 

「ビタミン様物質」は、「ビタミン」に似た生理作用を持ちます。両者は代謝に必要で、違いは合成できるか、できないかです。

 

 

 

こちらも要約します。

 

 

 

 

  • ビタミン・・・・・・代謝に必要、合成できないので摂取する必要がある

 

  • ビタミン様物質・・・代謝に必要、合成できるので摂取する必要はない

 

 

 

 

 

ビタミン様物質は合成できる...とはいっても、仮に、「合成が行なわれる臓器」が壊れていたり、「合成に必要な材料」が不足したら、不足します。

 

 

 

また、年齢と共に合成能力が衰える事も考慮します。

 

 

 

 

その場合は、代謝に必要な物質が不足するとマズいので、サプリ等で必要量を補うと効果的です。

 

 

 

ただし、値段的には ビタミン < ビタミン様物質 な感じがします。

 

 

 

 

以上のような理由から、「ビタミン様物質」は、不足に注意した方がいいと考えています。

 

 

 

 

一方、「ファイトケミカル」は、代謝にも関係なく、摂取の必要もないので、「不足している」と思い込んでうろたえる必要はないと考えています。

 

 

 

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ファイトケミカルを摂る場合の注意点

 

 

私は健康管理の為にサプリの使用を推奨しています。

 

 

 

プロテイン、ビタミン、ミネラル、そして、先ほど紹介したビタミン様物質です。

 

 

 

 

その為か、時々、「〇〇のサプリは飲んだ方がいいでしょうか」

 

 

 

 

...と聞いた事がないような成分が入った国産サプリについて質問してくる方がおられます。

 

 

 

 

その成分のほとんどは、「ファイトケミカル」に該当するものです。

 

 

 

 

 

ここでちょっと考えて欲しいのですが、

 

 

 

 

栄養状態が問題で体の調子が悪くなる場合、原因は、「代謝に関係している栄養素」の欠乏か、

 

 

 

 

「代謝に悪影響を与える糖質」を過剰に摂りすぎているから...と言い切っても過言ではありません。

 

 

 

 

つまり、「質的な栄養失調」の状態です。

 

 

 

 

決して、代謝に関係ない「ファイトケミカル」が不足することで、体に不具合が起きているわけではありません。

 

 

 

 

「聞いた事がないような成分」に依存して生きているわけではないからです。

 

 

 

 

ここを間違えないようにして下さい。

 

 

 

 

当ブログで紹介している「メガビタミン」や「メガプロテイン」は、栄養が不足しているから、足りるまで増量していきます。

 

 

 

不足しているからこそ、補うと効果を発揮するのです。

 

 

 

 

「ファイトケミカル」は夢の成分のようなイメージで宣伝されていますが、

 

 

 

本来必要でもない、不足してもいない、欠乏症が存在しない栄養素を無理して補うことが、そんなに重要な事なのか...よく考えて下さい。

 

 

 

 

効果が全くない...とは言いませんが、優先順位はかなり下の方です。

 

 

 

 

それを取り入れるより先にやるべき事があるでしょう...と言いたいです。

 

 

 

 

「代謝に関係する基礎的な栄養素」を整えずに、いきなり「ファイトケミカル」を選択しようとするのは、賢い判断ではありません。

 

 

 

 

むしろ、「ファイトケミカル」を摂取することで安心して、必須栄養素の欠乏や、糖質の過剰摂取をそのまま放置する方が問題です。

 

 

 

 

それに、代謝に関係する栄養素の改善を無視して、先に「ファイトケミカル」を補ったところで、効果はしれているでしょう。

 

 

 

...というのも、栄養の摂り方には、効果が上がる優先順位があるからです。

 

 

 

 

例えば、タンパク質不足のまま、ビタミン、ミネラルをたくさん摂取しても効果が半減します。

 

 

 

『精神科医こてつ名誉院長のブログ「質的な栄養失調」を「鉄タンパク不足」と呼ぶ理由』より引用

 

 

「質的な栄養失調」を「鉄タンパク不足」と呼ぶ理由

 

 

「質的な栄養失調」=糖質過多+タンパク不足+脂肪酸不足+ビタミン不足+ミネラル不足

 

 

「質的な栄養失調」と言っても一般の人には意味不明だと思うので、「鉄タンパク不足」と呼んでいます

 

 

これなら一般の人でもイメージが出来やすいはずです

 

 

 

なぜ、鉄タンパク不足と言うのか?

 

 

その理由について解説します

 

 

 

1.鉄、タンパク質は生体の構造そのものである

 

 

 

生体はタンパク質を作っては壊しを繰り返しており、動的平衡状態にある

 

 

 

この事が生きていることと同義

 

 

 

タンパク不足=タンパク質代謝の低下=生命力の低下

 

 

 

タンパク不足では脂肪酸の吸収能力も低下し、燃料不足になります

 

 

 

鉄はミトコンドリア膜にあり、電子伝達系には必須です

 

 

 

鉄不足→電子伝達系機能低下→クエン酸回路機能低下→ATP不足、嫌気性解糖主導

 

 

つまり、鉄不足では脂肪酸を燃料として使用できなくなります

 

 

鉄不足=ATP不足=生命力の低下

 

 

 

2.生体膜成分、燃料としての脂肪酸

 

 

細胞膜、ミトコンドリア膜、核膜などの生体膜は、不飽和脂肪酸ーリン脂質ー飽和脂肪酸の二重膜構造

 

 

不飽和脂肪酸のω6を減らしてω3を増やすと体内の慢性炎症を軽減します

 

 

脂肪酸は好気性解糖(ミトコンドリアにおけるクエン酸回路+電子伝達系)の燃料となります

 

 

ちなみにグルコースは燃料として使用されるがグリコーゲン(燃料の貯蔵)以外は体の成分にはなりません

 

 

グルコースが不完全燃焼するとピルビン酸が乳酸に変わる嫌気性解糖主導となります

 

 

 

 

3.エネルギー代謝の補酵素としてのビタミン、ミネラル

 

 

 

B群、Mg、Znはエネルギー代謝の補酵素です

 

 

 

グルコースが好気性解糖に入るためにはピルビン酸をアセチルCoAに変換する必要があります

 

 

ピルビン酸→アセチルCoAの補酵素は、B1、B2、ナイアシン、B5、αリポ酸

 

 

 

クエン酸回路の補酵素は、B群、Mg、Zn

 

 

 

上記に加え、CoQ10、αリポ酸、Lアセチルカルニチンなども有用なはず

 

 

 

つまり、1→2→3の順番で栄養を改善させれば最も効率的に改善できるはず

 

 

 

手順前後があると効果が乏しくて非効率的なはず

 

 

すなわち、1、2を改善せずにCoQ10を飲んでも全く無意味

 

 

 

 

「ビタミン様物質」でさえ、優先順位は下の方なのです。

 

 

 

「ファイトケミカル」がそれより重要だと考えるのは、判断基準に問題があると言えます。

 

 

 

代謝に関係する栄養を十分摂取して、それでも思ったような効果が出ない場合、+アルファとして「ファイトケミカル」を取り入れる...順番としてはこれが1番無駄がなく、効果的です。

 

 

 

この事を頭に入れた上で、「ファイトケミカル」の効能をみていきます。

 

 

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有益なファイトケミカル一例

 

 

 

代謝に関係ないのに、何故こんなに「ファイトケミカル」がもてはやされているかというと、例えば、以下のようなメリットがあるからです。

 

 

 

  • 抗菌作用

 

  • がん予防

 

  • 免疫力強化

 

  • 肥満予防

 

 

 

このように、病気の予防や身体機能を整える働きが期待されているわけです。

 

 

 

その種類はとても多く、だいたい1500種類見つかっているそうです。10000種類以上ある...との見解もあります。

 

 

 

良い成分もありますが、毒に利用されるくらいなので、ダメージを与えるような成分もあります。

 

 

 

ここでは、良い成分を紹介します。

 

 

 

 

唐辛子に含まれているカプサイシン

 

 

  • 肥満予防

 

  • 血行を良くする

 

  • 殺菌作用

 

 

 

生姜に含まれているジンゲロール

 

 

  • 血行を促進

 

  • 殺菌作用

 

  • 抗酸化作用

 

 

 

トマトに含まれているリコピン

 

 

  • 抗酸化作用が強い(ビタミンEの100倍以上)

 

  • 血糖値を下げる

 

  • 動脈硬化の予防

 

 

 

 

お茶に含まれているポリフェノール

 

 

  • 抗酸化作用

 

  • 血圧を下げる

 

  • 癌予防

 

 

 

 

ニンニクや玉ねぎに含まれているアリシン

 

 

  • 疲労回復

 

  • 殺菌作用

 

  • コレステロール値を抑制

 

  • 血流を正常化

 

  • 血糖値を抑制

 

 

 

唐辛子、生姜、ニンニク、玉ねぎ、トマト、お茶...ここで紹介した食品は、私の大好きなものです。糖質制限をする前は、ほぼ毎日のように摂取していました。

 

 

しかし、言われているような効果を感じた事はありませんでした。

 

 

生姜を生でかじると異常発汗し、真冬に薄着で外に出ても暑くなりますが、それは一時的な反応です。

 

 

サケやイクラに含まれる赤い色素であるアスタキサンチンも、ファイトケミカルです。 

 

これは「藻」や「プランクトン」が作るアスタキサンチンを食べて体に取り込んでいるので、魚が合成しているわけではありません。アスタキサンチンは、ビタミンEの1000倍の抗酸化力があります。

 

 

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スパイス(香辛料)の効能

 

 

 

スパイスには、ビタミンミネラルの他に、ファイトケミカルも含まれています。

 

 

 

効能も多く、国によっては、家庭で香辛料を薬代わりに使用します。

 

 

 

 

すごく良さそうなので、20代前半から私も真似していました。

 

 

 

 

 

しかし、私は普通の日本人より、多くスパイスを食べていましたが、普通の人より体が弱かったです。

 

 

 

 

「質的な栄養失調」の状態では、第7の栄養素を摂ってもあまり意味がありません。

 

 

 

 

そして、ビタミン・ミネラルが豊富でも、糖質過多、タンパク質不足の状態では、効果が半減します。

 

 

 

 

なので、実際に使用し続けた感想としては、大したことはありません。

 

 

 

 

効能を感じたのは、歯が痛い時にクローブを噛んでいたら痛みがかなり楽になったり、包丁で指を切った時にターメリックで止血できたことでしょうか...。

 

 

 

 

あと、寒い日にグリーンチリをかじると、一時的に汗がでるほど暑くなるので、暖め効果があるのは間違いありません。

 

 

 

 

確かに効能はあるのですが、どちらかというとこれらの反応は薬的な要素が強く、対処療法のような気がします。

 

 

 

 

その為か、慢性的な症状であった、寒がりも、花粉症も、胃もたれも全く改善しませんでした。

 

 

 

 

スパイスには、「ファイトケミカル」だけでなく、ビタミンやミネラルも含まれていますが、サプリを使った栄養療法のような効果は期待できません。

 

 

 

 

だから今では、スパイスは、香りを楽しむ嗜好品として摂取しています。

 

 

 

 

以下は私がよく使っていたスパイスなのですが、効能の一部を紹介します。

 

 

 

 

 

クミン

 

 

  • 食欲増進

 

  • 消化促進

 

  • 癌予防

 

  • 貧血予防

 

 

 

コリアンダー(パクチー、香菜の種子)

 

 

  • 抗菌作用

 

  • デトックス効果

 

  • 美肌効果

 

  • 消化器官の不調の改善

 

 

 

 

マスタード

 

 

  • 抗炎症作用

 

  • 筋肉痛の緩和

 

  • 癌予防

 

  • 糖尿病予防

 

  • コレステロール値を下げる

 

 

ターメリック

 

 

  • 美肌効果

 

  • 止血効果

 

  • 防腐効果

 

  • 抗炎症作用

 

 

カルダモン

 

 

  • 抗炎症作用

 

  • 花粉症の改善

 

  • 疲労回復

 

  • 体を暖める

 

 

 

 

 

シナモン

 

  • 抗糖化作用

 

  • 抗酸化作用

 

  • 血糖値の安定

 

  • 殺菌作用

 

 

クローブ

 

  • 殺菌・防腐作用

 

  • 抗酸化作用

 

  • 消化促進

 

  • 歯痛がマシになる

 

 

 

ブラックペッパー

 

 

  • 血行促進

 

  • 消化機能を整える

 

  • 殺菌・防腐作用

 

  • 栄養の吸収率を上げる

 

  • 抗酸化作用

 

 

 

 

 

 

次は「ファイトケミカル」の悪い面についてお話します。

 

 

 

ファイトケミカルの危険性

 

 

実は「ファイトケミカル」の危険性についての情報は少ないです。

 

 

では、安全なのかというと、私はそうは思いません。

 

 

 

何故なら、ファイトケミカルは、成分によっては、毒になるわけですから。

 

 

 

それなのに、良いことばっかりが強調されているので胡散臭く感じます。

 

 

 

 

 

『THE ROUND TABLE 騙されるな。有機野菜が「美味しくて、健康的」とは限らない。』より引用

 

フィトケミカルが、人間の体に良いとは言えない(虫や動物に悪い成分=人間にも悪影響がある場合が当然ある。

 

 

むしろ、植物が作り出す天然化学成分の方が、残留化学農薬よりもはるかに危険である場合も指摘されている。)

 

 

 

 

 

『日刊ゲンダイ ヘルスケア 免疫力アップと注目だが 「ファイトケミカル」の落とし穴』より引用

 

 

女子栄養大学副学長で、分子栄養学の専門家である香川靖雄栄養学部教授に聞いた。

 

 

■遺伝子によっては健康被害も

 

 

 

生物に欠かせない糖質、脂質、タンパク質、ビタミンなどの栄養素は、それをつくったり、利用したり、分解する酵素や遺伝子はほぼ共通で数も限られている。

 

 

 

そのため個別に代謝酵素が用意されており、人種差や個体差は比較的小さい。

 

 

 

しかし、ファイトケミカルはそうではない、という。

 

 

 

「ファイトケミカルは薬、お酒、たばこと同じで生体にとってゼノバイオティクス(異物)です。

 

 

 

その種類が極度に多いので個別の代謝酵素でなく、第1相解毒、第2相解毒というゼノバイオティクス共通の2つの装置によって代謝されます。

 

 

 

そのため、人種や個体により吸収・分解の能力に大きな差があります。

 

 

 

その結果、期待したようなメリットが表れず、健康被害となる恐れもあるのです」

 

 

 

もし「ファイトケミカル」に抗酸化作用や抗癌作用があるなら、この世で1番癌になりにくいのは、ベジタリアンということになります。

 

 

 

 

しかし、ベジタリアンはシワが多いですし、普通に癌で亡くなられます。

 

 

 

 

癌と言えば、

 

 

 

「ファイトケミカル」を推奨する人達は、抗癌作用をやたらと強調するくせに、癌の本質である

 

 

 

 

 

 

糖質の過剰摂取(つまり質的な栄養失調)

 

 

 

 

 

乳酸の蓄積

 

 

 

 

 

...については、一切触れません。

 

 

 

 

解決すべき順番が間違っている事は先に述べた通りです。

 

 

 

もう少し詳しく説明します。

 

 

 

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ファイトケミカルのメリットに隠れるデメリット

 

 

ファイトケミカルについての情報を探すと、やたらと強調されている事があります。

 

 

 

 

要約するとこうです。

 

 

 

 

  • ファイトケミカルは抗酸化力があるので、たくさん野菜を摂取しましょう。

 

 

 

 

  • 特定のファイトケミカルだけを多量に摂取するのではなく、多くの種類を摂る方が良い。サプリメントもいいが、バランスの良い食事を摂りましょう。

 

 

 

 

 

 

...お気づきでしょうか。

 

 

 

 

慢性疾患の最も大きな原因である「糖質」を食べさせようとする手口が、ここでも使用されています。

 

 

 

 

「ファイトケミカル」を薦めているように見えますが、「糖質」を薦めているのです。

 

 

 

 

私はこれまでも、野菜や果物、食物繊維のメリットばかりを強調して、そこに含まれている「糖質」をたっぷり食べさせようとする論調に注意した方がいいと主張してきました。

 

 

 

野菜や果物は健康的というイメージの盲点。ビタミン・ミネラルに注目しすぎる事で気付かれない糖質の害

 

 

 

以下のような話の展開になったら注意が必要です。

 

 

 

  • 糖質を多く含む食べ物の抗酸化成分だけを強調する

 

 

  • 「バランスの良い食事」が良い物であるかのように見せかけて、糖質中心の食事を食べさせようとする

 

 

 

 

 

この結果、実践した人に待っているのは、糖化と、乳酸の蓄積です。

 

 

 

 

話の流れはこうです。

 

 

 

 

野菜や果物はビタミン・ミネラルが豊富に含まれているからしっかり食べましょう...と宣伝する(実は品種改良のやりすぎでビタミン・ミネラルはわずかで、糖質が高い状態なのを隠している)。

 

 

 

 

 

それを食べた人は糖質の害を受けるので健康被害に合う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腸内環境を整える為に食物繊維をとりましょう...と宣伝する(実は人間の腸の構造は食物繊維が負担である事を隠す)。

 

 

 

 

食物繊維は糖質とセットになっているので、結局、食物繊維を食べる為に糖質も過剰摂取してしまう。

 

 

 

 

それを食べた人は糖質の害を受けるので健康被害に。

 

 

 

 

 

腸内環境が悪化する原因と、糖質制限で便秘になる場合の対策

 

 

 

 

 

 

この構図が繰り返されているにすぎません。

 

 

 

 

動物食性動物である人間に、「ファイトケミカル」を口実にして、植物性の食品、つまり糖質を食べる理由づけを行なっているのです。

 

 

 

 

そんなことを意図的にするか?...と思われるかもしれませんが、根拠はあります。

 

 

 

「抗酸化」ばかりを強調しているからです。

 

 

 

植物性の食品を美化する人は、「糖化」や「乳酸の蓄積」に触れないか、触れたとしても弱小に扱います。

 

 

 

まず、この状況をおかしいと感じるべきです。

 

 

 

何故なら、「酸化」と「糖化」は、密接に関係しているからです。

 

 

 

 

『医療法人社団医献会 辻クリニック facebook 2012年11月19日』より引用

 

 

人の3大劣化は『酸化』『糖化』『炎症』であり、こがれらはすべてリンクする化学反応である。

 

 

*糖化→AGEs(糖化最終産物)→活性酸素発生、炎症発生

 

*活性酸素→酸化、炎症反応発動

 

 

(中略)

 

 

この『タンパク質劣化』が

 

 

*皮膚で起これば?

 

*血管で起これば?

 

*神経細胞で起これば?

 

*筋肉で起これば?

 

*骨/関節軟骨で起これば?

 

*肝臓で起これば?

 

*腎臓で起これば?

 

 

 

と考えれば、『老化と疾患』が理解できる。

 

カラダの中で細胞レベルで発生する『酸化・糖化・炎症』を止めない限り、いくら外から治療(内科的・外科的含め)を施したところで、最終的には「モグラ叩き」と同じように対処きしれないことは明らかである。

 

 

 

『予防医療/抗老化医療』というものは

 

 

1:酸化・糖化・炎症の素を減らす努力(生活改善)

 

2:抗酸化・抗糖化・抗炎症

 

 

 

が同時に行われることによってその効果を最大限にすることができる。

 

 

そして、医療が提供できるのは『2』であり、『1』は本人の自覚のもとに行われなくてはならない。このことをしっかりと伝えることも、医療の役割のひとつであろうと考えている。

 

 

 

「糖化」が活性酸素を発生させて、それが「酸化」の原因になるのですから、

 

 

 

「酸化」ばかり叩いて、「糖化」に触れない...というのは酷い矛盾です。

 

 

 

 

本当に不健康なものを避けて欲しいなら、「酸化」と「糖化」のリスクを両方扱うのがフェアです。

 

 

 

また、糖質の摂取は「糖化」だけでなく、「乳酸」が蓄積しやすいという問題もあります。

 

 

この乳酸もまた酸化の原因です。

 

 

 

『ガンの特効薬はミトコンドリア賦活剤 乳酸はpH5の酸化剤で電子を奪う物質』より引用

 

 

乳酸は、相手を酸化させる酸化剤です。

 

 

乳酸=酸化剤→相手を酸化させる物質→相手から電子(e-)を奪う物質だと連鎖的に分からないといけません。

 

 

 

糖質の摂取 → 糖化 → 酸化

 

 

糖質の摂取 → 不完全燃焼だと乳酸が発生 → 酸化

 

 

 

 

「酸化」を問題視するのであれば、野菜や果物等からの糖質の摂取を問題視するべきです。

 

 

 

また、酸化の原因になる「乳酸」ですが、これが癌の根本的な原因です。

 

 

 

大量に摂取した糖質の代謝のせいで、ビタミンB群が不足するので、代謝が不完全燃焼になります。

 

 

 

そうなると、「乳酸」が発生し、蓄積していきます。

 

 

 

行き着くのは「癌」をはじめとした慢性疾患です。

 

 

 

 

 

癌予防の為に抗酸化作用の重要性を訴えながら、糖質中心の「バランスの良い食事」を薦めてはいけないのはこういう理由です。

 

 

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ファイトケミカルのスープやジュースを癌予防に飲んではいけない

 

 

 

「ファイトケミカル」を目的に、野菜や果物をたくさん摂ったら糖質過多になり、確実に糖質の害を受けます。

 

 

 

 

例えば、「糖化」は細胞の劣化で、「老化」とイコールなので、アンチエイジングどころではありません。

 

 

 

ローフーディストやベジタリアンの真実。肉を避け野菜や果物を多く食べる人に見られる肌の特徴と、健康上の問題

 

 

 

ファイトケミカルの効能と同時に、糖質の害も受けている...と認識するべきです。

 

 

 

私の経験上、

 

 

 

ファイトケミカルの効能 < 糖質の害

 

 

 

...ですね。

 

 

 

ファイトケミカルのスープや、ファイトケミカルのジュースは、高糖質ドリンクです。

 

 

 

これを健康や美容の為に飲まれる方は多いですが、体にダメージを与えます。

 

 

 

最悪なのは、癌予防と称して野菜や果物のスープや、ジュースを飲む事です。

 

 

 

これらを飲む事で摂取してしまうブドウ糖は、癌細胞の大好物なので癌を育ててしまいます。

 

 

 

抗癌作用があるから...という理由で、野菜から「ファイトケミカル」を積極的に摂取するよう薦める傾向があります。

 

 

 

 

これはとんでもない話です。

 

 

 

 

例えば、「抗癌作用があるから、お茶をたくさん飲みましょう」...というなら分かります。

 

 

また、「抗癌作用があるから、サプリメントから摂取しましょう」...というのも分かります。

 

 

 

これらは、糖質がほぼないからです。

 

 

 

これなら、糖質の害を抑えて、「ファイトケミカル」の効能だけを上手く摂取できるでしょう。

 

 

 

しかし、「抗癌作用があるから、野菜や果物から摂取しましょう」...というのはおかしな理論です。

 

 

 

「野菜」や「果物」には、糖質がタップリ含まれているので、「ファイトケミカル」は摂れるかもしれませんが、それより多い糖質の害を受けてしまいます。

 

 

 

糖質の摂取を控えないと、癌は改善しませんし、予防にもなりません。

 

 

 

栄養療法で癌を改善させる方法は、以下の記事で紹介しています。

 

 

余命わずかの末期癌患者が退院できたのは病院での栄養療法のおかげだった!

 

 

 

また、免疫力がアップする...等というキャッチコピーも曲者です。

 

 

 

何故なら血糖値が120以上になると、免疫力は75%も低下するからです。

 

 

 

 

で、血糖値を120以上にする食べ物と言えば、野菜、果物、穀物...といった植物性の食品です。

 

 

 

 

糖化によって酸化し、癌細胞を増殖させ、免疫力を下げる...

 

 

 

 

これと引き換えに、植物性の食品からファイトケミカルの効能を手に入れたいでしょうか?

 

 

 

冷静に考えたら割に合いません。

 

 

 

 

ファイトケミカルを摂るという建前で、糖質をはじめ毒を多く含む植物を摂らせたり、

 

 

 

ファイトケミカルという枝葉に注目させることで、栄養の本質を疎かにさせたり...

 

 

 

 

ファイトケミカルに走れば走るほど健康からは遠ざかります。

 

 

 

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ファイトケミカルが注目されるもう1つの理由

 

 

 

ファイトケミカルは凄く種類が多いです。

 

 

 

その中には、限られた植物からしか得られない成分もあるでしょう。

 

 

 

それが、流行る理由の1つだと考えています。

 

 

 

消費者側の視点ではなく、それを売る側の視点で見て下さい。

 

 

 

例えば、ビタミンやミネラルのサプリだと、アメリカのiHerbで買えばかなり安いです。

 

 

 

ビタミンやミネラル等の代謝に関係する有名な栄養素の場合は、すでに安くて良い商品があるので、後発組がそれより高い商品を出せば、値段を吊り上げていると思われます。

 

 

 

なので、ライバル社と同じ種類の商品の値段を下げられない企業の場合、「うちの商品は質が良いから値段が高い、安いサプリは質が悪い」...等と言うしかありません。

 

 

 

国産サプリメーカーを扱う人が、海外製品をバカにする時によく言われます。

 

 

 

 

大企業と闘う力がない企業にとっては、代謝に関係するビタミンやミネラルのサプリは、高く売りづらいので、おいしくないわけです。

 

 

 

 

一方、メジャーではないファイトケミカルの場合、ライバルが商品化していない成分だと、高く売りやすくなります。

 

 

 

 

 

〇〇という山奥の、

 

 

 

〇〇という長寿民族が伝統的に使ってきた、

 

 

 

〇〇という植物から、わずか〇%しかとれない希少な成分

 

 

 

 

 

 

...等と言っておけば、高いサプリを作っても、買う側を納得させやすくなります。

 

 

 

 

すでに安いものが出回っているビタミンやミネラルでは、この方法は通用しません。

 

 

 

 

またファイトケミカルは、新しい成分がいくらでも見つかる可能性があります。

 

 

 

ということは、例え他社に真似されて飽和しても、また別の植物から新しい成分が見つかった事にして乗り換えれば、それでまた売ることができます。

 

 

 

 

...そういう事を考えると、ファイトケミカルが代謝に関係する栄養素を差し置いて注目されるのは、売り手都合のような気がします。

 

 

 

 

薬として利用できることもあるのでファイトケミカルが全くダメだとは言いません。

 

 

 

しかし、代謝に関係する栄養素以上に重要視する流れになったら要注意です。

 

 

 

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以前に比べると、「脂質」の重要性が説かれるようになってきましたが、それでもいまだに「脂質」の摂取に抵抗を感じている人は少なくありません。

 

 

 

 

しかし、「脂質」は体の構成成分であると共に、良質なエネルギー源でもあるので、むやみに制限すると体調を崩す原因になります。

 

 

 

 

糖質をたっぷり食べている人は、脂質を食べなくても、糖質からエネルギーを確保できるので、カロリー的には問題ありません。

 

 

 

まだ、マシです。

 

 

 

その代わり、少ないエネルギーを賄うために過食になったり、糖質の害も受ける事になりますが...。

 

 

 

 

問題は、糖質制限を実践しているのに脂質まで制限する人です。

 

 

 

 

特に、糖質を10g、5g...と、限りなく減らす「厳しい糖質制限」をしているのに脂質も制限する場合は、に関わるので危険です。

 

 

 

 

一方、「緩い糖質制限」なら、多少糖質からエネルギーが得られるので、脂質を制限しても命に関わる程エネルギーが減る事はありません。フラフラになる程度です。

 

 

 

 

 

 

「糖質と脂質の両方を減らす事」が問題なのです。

 

 

 

理由は、生体が生きていく為に必要な「ATP(エーティーピー)」というエネルギー物質の材料が無くなり、作れなくなるからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ATP」が減ると慢性疾患に、「ATP」が無くなると死にます。これはどの生物でも同じです。

 

 

 

 

 

 

 

私は2015年から1日10g以下の「スーパー糖質制限」を続けていますが、脂質をしっかり摂取しているので、ATP不足になることはありません。

 

 

 

 

しかしそれ以前、2008年に一度、「緩い糖質制限」を実践したことがありますが、この時は違いました。

 

 

 

 

当時は脂質の重要性が今ほど語られておらず、脂質は危険という情報ばかりでした。

 

 

 

 

その為、脂質まで制限してしまい、結果、エネルギー不足でフラフラになって糖質制限を止めました。

 

 

 

また、この時は胃の糖化が酷く、タンパク質消化酵素「ペプシン」不足もあり、タンパク質を食べると消化不良になっていたので、こちらもたくさん食べる事ができませんでした。

 

 

 

タンパク質が不足した事により、「糖新生(糖質以外の材料から糖質を合成するシステム)」も上手くいっていなかったと思います。

 

 

 

この状態ですね。

 

 

 

  • 糖質・・・制限

 

  • 脂質・・・避ける・たくさん食べられない

 

  • タンパク質・・・たくさん食べられない

 

 

 

当時の私がやっていたのは、脂質やタンパク質をほとんど食べず、糖質を制限する...

 

 

 

糖質制限を実践しているつもりでしたが、実際はカロリー制限になっていました。

 

 

 

今に比べて、多少は糖質を摂っていたのですが、それでもカロリーは足りていなかったようです。

 

 

 

疲れてフラフラになりましたから...

 

 

 

この状態なので「糖質制限は危険だ」と思いました。

 

 

 

今は原因も解決策も危険性も分かるので、このようなミスはしません。ですが、この情報を知らなくて、脂質の摂取が足りない事で糖質制限が上手くいかない方は今も多いです。

 

 

 

なので、脂質を制限する事の問題点、エネルギー不足の危険性、その対策についてお話します。

 

 

 

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糖質を制限して脂質も制限する

 

 

 

まずは何故、糖質制限を実践中に脂質も一緒に制限してはいけないのか、その理由をお話します。

 

 

 

それは、先ほども説明したように、「ATP」を作ることができなくなるからです。

 

 

 

「ATP」の材料は以下の3つです。

 

 

 

  • 糖質

 

  • 脂質

 

  • タンパク質

 

 

 

 

「タンパク質」は、主に体の材料になるので、実はエネルギー源としては、あまりあてになりません。後で説明しますが、燃料をこれだけに頼って生きていくのは不可能です。

 

 

燃料が無くなった時に、建物の木を崩して薪にするようなイメージに近いですね。

 

 

 

 

「脂質」は、細胞膜など身体の材料にもなりますが、それ以上に、エネルギー源として頼もしい存在です。

 

 

 

「糖質」は、体の材料にもなりますが、ほんとうに僅かなので、食事から摂取しなくても良いです。体の材料にはほぼならず、エネルギーとしての使い道しかありません。

 

 

 

 

一応、人間の構成成分を書いておきます。体の材料の割合です。

 

 

 

  • ・・・59%

 

  • タンパク質・・・18%

 

  • 脂質・・・17%

 

  • 無機塩類・・・5%

 

  • その他(核酸・糖質)・・・1%

 

 

 

で、エネルギーとしては、主に糖質か脂質を使うのですが、糖質は脂質に劣ります。

 

 

 

糖質 < 脂質

 

 

 

 

内訳はこうです。

 

 

 

(糖質の場合)

 

ブドウ糖1分子・・・(不完全燃焼 → ATP分子)

 

ブドウ糖1分子・・・(完全燃焼 → ATP38分子)

 

 

(脂質の場合)

 

パルミチン酸(飽和脂肪酸)1分子の場合・・ATP129分子

 

 

 

このように、同じ1分子を代謝した場合、「糖質」は得られるATPが少なく、「脂質」は得られる「ATP」が多いです。

 

 

 

ただし、「糖質」はエネルギーに変換するスピードが早いので、手っ取り早くエネルギーを得たい時には向いています。しかし、くどいですが、糖質の害は受ける事になります。

 

 

 

 

「食べても食べてもお腹がすく、満足しない」...そう言って、甘い物やご飯やパンを大量に食べる人がいます。

 

 

 

 

エネルギー源を「糖質」に依存しているとこうなります。これは、一度に得られるエネルギーが少ないので、回転数で「ATP」を稼ぐ作戦なのです。「ATP」を体が必要としているのです。

 

 

 

 

一方、糖質制限をして「脂質」をしっかり摂取すると、エネルギー的に充実していくるので、過食したくなくなります。

 

 

 

 

『藤川徳美医師 facebook 2016年2月7日』より引用

 

 

どうしてお腹が空くのか-糖質摂取した3時間後に強烈な空腹感に襲われる理由-

 

 

糖質を摂取すると3時間後に“もうお腹ペコペコ、腹減ったー”という感じの強烈な空腹感に襲われます

 

 

糖質制限を継続している人はそのような絶えられない空腹感がなくなり、お腹が空かなくなります

 

 

あるとしても程良い心地よい空腹感のみです

 

 

では何故糖質摂取すると強烈な空腹感に襲われるのでしょうか?

 

 

 

胃が空っぽになるため?

 

 

夏井先生のブログに何度も登場している、肉を食べた後の胃内視鏡所見Vs.穀物を食べた後の胃内視鏡所見

 

 

肉を食べた1時間後にはすっかり消化され胃の中は空っぽになります

 

 

穀物を食べると3時間後にも胃の中に穀物が停留しています

 

 

この結果を見ると、胃が空っぽになるから空腹になるのではないですね

 

 

 

 

低血糖になるため?

 

 

糖質過剰摂取3時間後には、機能性低血糖を生じ易くなります

 

 

糖質制限継続者は機能性低血糖になりません

 

 

じゃあ血糖が下がるから空腹になるのが一見、正解のように思えます

 

 

しかし、糖尿病患者に当てはまるとこれは誤りである事がわかります

 

 

空腹時血糖120、食後200とコントロール不良の糖尿病患者では低血糖を生じません

 

 

低血糖ではないにも関わらず、”腹減った”と言いながら甘いものを間食しますよね

 

 

 

 

正解は、ATP不足になるため

 

 

糖質制限継続者は脂肪酸(ケトン体)からの好気性解糖(クエン酸回路+電子伝達系)で持続的に十分な量のATPが産生されます

 

 

胃の中が空っぽになっても強烈な空腹感はありません

 

 

糖質摂取を繰り返している人は、嫌気性解糖主導となります

 

 

そうなると、産生されるATPが極めて少なく、かつ短時間で切れてしまう

 

 

ATP不足になると脳がSOS指令を出し、強烈な空腹感が出現します

 

 

胃の中に内容物がたっぷりあっても、低血糖ではなくても、ATP不足なら強烈な空腹感が出現する!

 

 

 

 

ATP不足になると脳がSOSを発する...とあるように不足すると危険なのです。

 

 

では、次はATPが無くなるとどうなるかという具体的な話をします。

 

 

 

ATP不足は命の危険がある

 

 

糖質を制限して、高タンパク質にして、脂質を制限するとATP不足でフラフラになります。

 

 

 

高タンパク食と言えば、ボディービルダーです。

 

 

 

彼らは食事からのタンパク質だけでなく、とんでもない量のプロテインを毎日飲むようですが、それでも「糖質」も「脂質」も無くなると餓死の危険があります。

 

 

 

『精神科医こてつ名誉院長のブログ 糖質制限 超基礎編』より引用

 

 

タンパク質について、一部は糖新生されて燃料として使用されるが、生体を維持するための十分な燃料とはなり得ない。

 

 

以前紹介した、マッスル北村氏は、高タンパク食+断糖食+無脂肪食で「餓死」した。

 

 

つまり、体脂肪ゼロで無脂肪食ではATP不足となり、生命を維持できない。

 

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%B9%E3%83%AB%E5%8C%97%E6%9D%91

 

 

 

 

普通の人は、体調を崩したら「危険だ」と判断して止めるので心配はないですが、一応、ATP不足を無視して制限を継続するとどうなるのかも知っておいた方がよいです。

 

 

 

次は糖質制限中にATP不足にならない為の解決策についてお話します。

 

 

 

 

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解決策

 

 

 

解決策は簡単ですね。まずは以下をご覧下さい。

 

 

『ドクター江部の糖尿病徒然日記 「Low T3 syndrome(低T3症候群)」と糖質制限、カロリー制限、飢餓』より引用

 

 

自己暗示研究家さんが書評の中で懸念されている「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ、生理不順、脱毛、生理が止まる、冷え、無気力、皮膚乾燥・・・」などの、甲状腺機能低下症のときに見られる症状が、糖質制限食実践中にもしあったとすれば、それは摂取エネルギー不足が原因と考えられます。

 

 

少なくとも高雄病院の糖尿病患者さんで、糖質制限食を実践中に「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ、生理不順、脱毛、生理が止まる、冷え、無気力、皮膚乾燥・・・」などの訴えがあった方々を、栄養指導したところ、全員が摂取エネルギー不足でした。

 

 

例えば、男性で1200kcal/日とか女性では1000kcal/日とかです。

 

 

当然のことですが、糖質制限食の範疇で摂取エネルギーを増やして、厚生労働省のいう標準必要エネルギーを満たして貰うと、皆さん「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ・・・」は速やかに改善しました。

 

 

単純な理屈です。

 

 

 

私もこれで1度失敗しているので、

 

 

 

 

糖質を制限したら脂質を摂取しましょう、くれぐれもただのカロリー制限にならないように

 

 

 

...と、何度も言っているのですが、脂質の量が足りていない人はたまにいます。

 

 

 

 

脂質の摂取量が少ない理由ですが、以下が多いです。

 

 

 

  • 脂質をたくさん食べる事に抵抗がある

 

 

 

  • 脂質を食べているつもりでも、必要量が足りていない

 

 

 

  • 脂質の消化や代謝が上手くいかない

 

 

 

 

ただ摂取しろと言っても、これらの問題を解決しなければ実践できないので、解決策を提案します。

 

 

 

脂質をたくさん食べる事に抵抗がある」に該当する方は、「脂質悪」の洗脳を解くのが先なので、以下の記事をお読み下さい。

 

科学や論文のインチキはコレステロールが教えてくれる

 

 

動脈硬化は悪玉コレステロールではなく、動脈壁の劣化が原因だった

 

 

 

  • 「脂質を食べているつもりでも、必要量が足りていない」
  • ...ですが、これは指摘されるまで気が付かないものです。

 

 

 

色んなパターンがありますが、一例を紹介します。

 

 

 

たまに、「肉は発癌性物質がある」という説が気になって、肉ではなく大豆製品中心の糖質制限をする人がいるのですが、この方法だと、脂質の摂取量が少なくなるので、やはりカロリー不足になる可能性が高いです。

 

 

 

「植物性の食品が安全だ」という考えが抜けきれないので、糖質制限+従来の常識 にアレンジしようとした結果です。

 

 

 

ですが、人間は動物です。

 

 

 

その為、アミノ酸組成脂肪酸組成が近い、動物性の食品の方が利用しやすいのです。

 

 

 

従って、糖質制限も植物性の大豆等を中心にするより、動物性を中心にした方が効果が圧倒的です。

 

 

 

また、植物には「動物に食べられないようにする為の毒」が含まれているので、動物性を中心にすれば、それの摂取も防げます。

 

 

 

 

脂質の補い方

 

 

タンパク質が不足している場合は、プロテインを飲むと良いです。

 

 

脂質が不足している場合は、何を選択するべきかについてお話します。

 

 

 

 

肉、魚、卵にも脂質は含まれています。これらから十分摂取できて、代謝に問題がないなら問題ありません。

 

 

 

しかし、量を食べられない人の場合は不足するので、少し工夫が必要です。

 

 

 

例えば、私の場合は、糖質制限を始めてから、3年以上、脂質不足にならないように、食事とは別に夜寝る前にバターを食べるようにしました。

 

 

 

一時、100g摂取していましたが、それ以外は基本的に50g摂取しています。

 

 

 

 

「何故50gなのですか?」とよく聞かれるのですが、何度も増やしたり減らしたりして実験した結果、私の体にはこの量が1番合っていると判断したからです。

 

 

 

 

生理の日にちの間隔が安定します。

 

 

 

食事とは別に、最低「プロテイン30g」と「バター50g」を摂取すれば、生理がほぼ同じ日にきます。どちらかが減ると日にちがズレます。

 

 

 

あと、バターは美味しいので、嗜好品としても楽しんでいます。

 

 

 

また、生クリームを飲む事もあります。これは高いのでたまにですが...。

 

 

 

一方、調理に使う油は、あまり細かい事は気にしていません。

 

 

 

動物性の牛脂やラードも使いますが、植物性の油も普通に使います。

 

 

 

理由は私は香りの良い料理が好きだからです。

 

 

 

オリーブオイル、ゴマ油、マスタードオイルを健康の為ではなく、嗜好品として使っています。

 

 

 

このように、調理の油に関しては、自己管理が甘くてあまり偉そうな事が言えないので、もし健康の為に油にも徹底的に拘りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。

 

 

藤川徳美医師 facebook 2015年11月3日 動物性脂肪、Vs、植物性脂肪

 

 

 

糖質制限をする場合、脂質の摂取は重要なのですが、たくさん摂取すると、問題が起きる事があります。

 

 

次はその点についてみていきます。

 

 

 

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脂質の摂取による消化不良

 

 

バターはオススメの脂質です。

 

 

ですが、糖質制限を始めたばかりで、胃が弱い人の場合、これを食べるのがキツイ人がいます。

 

 

具体的に言うと、バターを摂取すると、下痢をしたり調子が悪くなったりします。

 

 

 

脂質を摂取する事に抵抗がある理由に、「脂質の消化や代謝が上手くいかない」がありましたが、これはしんどいのでハードルが高いです。

 

 

 

でも解決できます。

 

 

このような人は長年のタンパク質不足により、脂質を分解する酵素「リパーゼ」が不足している可能性が高いので、脂質を上手く消化することができません。

 

 

 

 

タンパク質が不足する

 

 

タンパク質でできている酵素「リパーゼ」が減る

 

 

「脂質」が消化しずらくなる

 

 

 

 

 

また同じ理由で、タンパク質を消化する「ペプシン」という酵素が不足すれば、タンパク質を消化しずらくなります。

 

 

 

 

上の「リパーゼ」を「ペプシン」に、「脂質」を「タンパク質」に置き換えて読んでみて下さい。

 

 

 

 

「ペプシン」や「リパーゼ」が減ると、肉がムカついて食べられなくなります。

 

 

 

無理して食べると、未消化になり、「腸内環境の悪化」という別の問題も起きてきます。ただしこれは肉が悪いのではなく、消化する能力が劣るほど栄養不足であることが悪いのです。

 

腸内環境が悪化する原因と、糖質制限で便秘になる場合の対策

 

 

 

解決策は、酵素の元であるタンパク質を不足させないようにすることです。なので、タンパク質不足を解消することを最優先させます。

 

 

 

 

これができなければ、タンパク質も脂質も食べられないので、スタートラインにも立てません。

 

 

 

 

 

 

 

 

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脂質代謝が上手くいかない時

 

 

酵素「リパーゼ」が足りていて、脂質の消化は問題なかったとします。

 

 

 

ですが、まだ壁があります。

 

 

 

脂質は脂肪酸に分解されるのですが、これをミトコンドリアの中に運ぶのが「L-カルニチン」です。

 

 

 

ちなみに、「D-カルニチン」というのもありますが、こちらは活性がなく、脂質代謝には関係しません。

 

 

 

 

ミトコンドリアは、細胞の中にあり、この中で多くのATPを作ります。その為、「発電所」に例えられます。

 

 

 

 

 

 

 

従って、「L-カルニチン」が不足すると、燃料の「脂肪酸」がミトコンドリアに運ばれないので、代謝ができません。

 

 

 

 

「L-カルニチン」は食品からでも摂取できますし、体内で合成する事もできます。

 

 

 

 

 

食品では、肉類と乳製品に多く含まれており、穀物、果物、野菜にはほとんど含まれていません。

 

 

 

 

「L-カルニチン」は、不足しやすい栄養素の1つです。

 

 

『Fitness in Life 脂質代謝に欠かせないカルニチン』より引用

 

 

◆カルニチンは減る!?

 

 

ビタミンと違ってビタミン様物質のカルニチンは体内で生合成できます。

 

 

肝臓で、必須アミノ酸のリジンとメチオニンから合成され、血液を介して、筋肉に取り込まれます。

 

 

ただし、加齢とともにその合成力は低下します。20歳ごろからすでに減り始め、80歳では極めて低いレベルにまで落ち込むといわれています。

 

 

脂肪の燃焼に深く関わるカルニチン。中年太りの要因には、加齢によって体内のカルニチンが減っていくことも関係していると考えられています。

 

 

また、カルニチンが不足すると、慢性疲労症候群という、風邪などを契機に、激しい倦怠感や、脱力感を、半年以上、持続ないし繰り返す病気になると言われています。

 

 

 

不足すると困るので、次は対策をお話します。

 

 

 

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L-カルニチンが不足しやすい理由と対策

 

 

 

以下は糖質制限をしながら、不足しやすいカルニチンをサプリで摂取した効果です。

 

 

 

『前山美香氏 facebook 2018年3月4日』より引用

 

 

2年半前に糖質制限始めたと同時にアセチルLカルニチンを摂っている。

 

 

今は日に最低3gの摂取です。

 

 

数か月前までは1~2gでしたが、3g以上摂ってから全体的の体感と脳の機能が上っている感じです。

 

 

私はカロリー制限も菜食も長く来たので、何もかも不足、兎に角、動物性の栄養素が過不足で状況でしたので、こちらを読んで、アセチルLカルニチンが今も手放せないこと、Q10との関連性に納得しました。

 

 

脳も不全に気づいていなかった自分がオソロシイ。。いや、今も不足である。。

 

 

・食事性カルニチンの主な供給源は肉類と乳製品であり、穀類、果物、野菜にはほとんど含まれていません。

 

 

・長い脂質不足、栄養栄養不足の方は欠乏がある。

 

 

・アセチル-L-カルニチンは、血液脳関門を通過して脳内に到達しアセチルコリン量を増やします。

 

 

・アセチル-L-カルニチンはアルツハイマー病初期症状の改善に効果があることがことが報告されています。

 

 

 

 

不足する原因は、動物性食品の摂取が少ない...だけではありません。

 

 

 

「L-カルニチン」は体内で合成できると言いましたが、その材料が以下になります。1つでも不足すると「L-カルニチン」が不足します。

 

 

 

  • 必須アミノ酸(リジン、メチオニン)

 

 

 

  • ビタミン(ビタミンC、ナイアシン、ビタミンB6)

 

 

 

  • ミネラル(還元型鉄イオン)

 

 

 

糖質制限を実践していてタンパク質をしっかり摂取している人なら、「必須アミノ酸」の不足は心配しなくてもいいでしょう。

 

 

 

問題は「ビタミン」と「ミネラル」です。

 

 

 

 

このブログでは、サプリの使用が効果的である事を何度も述べているので、現在では、コメントやメールをくださる読者さんも、サプリを飲まれている方がほとんどになりました。

 

 

 

しかし、サプリを使わずに食事だけにこだわる糖質制限実践者もいらっしゃるので、そのような方は注意が必要です。

 

 

 

以下の栄養素は、糖質制限をしていても不足します。

 

 

 

まず、「ビタミンC」ですが、これは調理法や限られた材料の問題から、糖質制限で不足しやすい栄養素の1つです。また、身体の多くの化学反応に関わっているので消費しやすいです。特にストレス時に多く消費します。

 

 

 

 

「ビタミンB6」、これはタンパク質をアミノ酸に分解する時に必要な栄養素です。従って、糖質制限のような高タンパク質食では減りやすいビタミンと言えます。

 

 

 

 

「ナイアシン」は、乳酸をエネルギーに変える時に必要な栄養素です。糖質を制限すると乳酸が蓄積しずらいですが、それでも摂取した方が良いです。何故なら、身体にはブドウ糖しか利用できない細胞がある為、糖質制限をしていても、必要な量だけ「糖新生」によってブドウ糖が作られているからです。ブドウ糖の代謝は0にはなりません。

 

 

「解糖系」に依存している細胞があるので、乳酸が生じます。そして、それをエネルギーとして利用している細胞があるので、その時できた乳酸を適切に処理する為にもナイアシン(「乳酸脱水素酵素」の補酵素の合成に必要)は不足させないようにしたい栄養素です。どんな食事法をしていてもです。

 

 

また、ナイアシンはアルコールの代謝に必要です。お酒を飲まれる方は減りますので、注意が必要です。

 

 

 

 

「鉄」は、生理がある女性は不足しやすいです。糖質制限で食事から動物性の「ヘム鉄」を摂取していても不足していました。

 

 

鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事

 

 

 

鉄は非常に重要な栄養素です。私の経験上、1度フェリチン100を超えてしまえば、生理の前後失った量をサプリメントで補い、普段から動物性食品中心にしていれば、そんなにはフェリチンは減りません。生理のない人はよほどの事がない限り不足しません。

 

 

生理のある人で女性で、フェリチンが100以下の人は、油断すると減る可能性があるので注意した方がいいですが、それ以上であればそんなに心配する必要はないでしょう。

 

 

しかし、ビタミンC、ナイアシン、ビタミンB6は常に消費されているので、サプリを飲まずに糖質制限をされている方は不足しています。

 

 

私は1年半、サプリ無しの「スーパー糖質制限」を実践して、かなり体質が改善されました。

 

 

それだけでも十分効果があったので、その時はそれで満足していましたが、サプリを組み合わせた事で、それ以上の変化がいくつもありました。

 

 

 

私は基本的に3ヶ月ごとにサプリを1種類増やすのですが、

 

 

 

 

「糖質を食べていないからB郡はそんなに必要ではないだろう」と思っていたので、鉄 → ナイアシン → ビタミンC&ビタミンE → ビタミンB50コンプレックス...という順番にしました。

 

 

 

ビタミンB50コンプレックスをかなり後回しにしたのですが、これを飲み始めると以前よりさらに体調が良くなりました。

 

 

 

「必要ないだろう」と思っていても、足りていなかったという事は普通にあります。

 

 

 

サプリを飲む事で効果があるということは、それまで足りていなかったという事です。

 

 

 

糖質制限をしていても完璧ではありません。

 

 

 

なので、今ではサプリを止める気にはなれません。糖質制限をしている人もビタミンB50コンプレックスは摂取した方が良いと考えています。

 

 

 

 

どの栄養素でも、不足している場合はサプリで補うのが効率が良いと思います。もちろん「L-カルニチン」もです。

 

 

 

 

「L-カルニチン」を合成する為の補酵素の「確率的親和力」が低い人は、食品だけから栄養を摂取しようとすると厳しい...という一例も紹介しておきます。

 

 

 

『藤川徳美医師 facebook 2018年3月5日』より引用

 

 

高タンパク/低糖質食+プロテイン+メガビタミンでもケトン体が増えない30代男性。

 

 

ケトン体を何度測っても0.1。

 

 

カルニチン合成のための補酵素の確率的親和力が低くて、メガビタミンでもカルニチンが増えない様子。

 

 

そこで、アセチルLカルニチン500mg*2を追加したら、ケトン体0.5に上昇。

 

 

500mg*4に増量してみるよう伝えた。

 

 

 

ちにみに、「L-カルニチン」の合成は肝臓、腎臓、脳で行なわれます。カルニチンを合成できない心臓や骨格筋は、血液中のカルニチンを取り込んで利用しています。

 

 

 

ここまでは、ミトコンドリアの膜を通過する時に「L-カルニチン」が必要な「長鎖脂肪酸」の話です。

 

 

 

 

一方、「L-カルニチン」が必要ではないオイルもあります。それが「中鎖脂肪酸」です。

 

 

 

中鎖脂肪酸

 

 

バターは、長鎖、中鎖、短鎖のバランスが良いですが、主体は長鎖脂肪酸です。

 

 

 

なので、これを食べている人で、代謝に問題がある人は、「L-カルニチン」をサプリで摂取することで改善する可能性があります。

 

 

 

しかし、「L-カルニチン」のサプリって高いんですよね...。iHerbでも、1000mgが100錠入って、4500円くらいです。

 

 

 

 

一方、中鎖脂肪酸は、「L-カルニチン」と結合しなくてもミトコンドリアの膜を通過できます。

 

 

 

一部、「L-カルニチン」と結合してミトコンドリアの膜を通過する中鎖脂肪酸も存在するようです。

 

 

 

脂質代謝に慣れるまでの間、中鎖脂肪酸の摂取を増やせば、「L-カルニチン」をサプリで摂らなくてもいいかもしれません。

 

 

 

中鎖脂肪酸は、ケトン体を多く産生でき即効性があるというメリットがありますが、エネルギーの持続時間が短いというデメリットもあります。

 

 

 

次は、中鎖脂肪酸である「ココナッツオイル」や、それを精製した「MCTオイル」の違いについて説明します。

 

 

 

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ココナッツオイルとMCTオイルの違い

 

 

 

『アスリートのための最新栄養学(上)~三大栄養素編 / 著者:山本義徳』より引用

 

4.4 MCT(中鎖中性脂肪酸)

 

MCTとは中鎖中性脂肪酸のことです。

 

 

中鎖というのは炭素の数が中くらいということで、脂肪酸に含まれる炭素の数が8個のカプリル酸や10個のカプリン酸(オクタン酸)のことを、MCTと呼びます。

 

 

 

このように炭素数が少ないと消化吸収が早く、またミトコンドリアに運ばれるときにカルニチンを必要としないため、エネルギー化も早くなります。

 

 

なお炭素数が12個のラウリン酸はココナッツオイルに多く含まれ、このラウリン酸も中鎖脂肪に分類することがあります。

 

 

「カルニチン」を必要とするか否か」で言えば、ラウリン酸はカルニチンを必要としません。(※45)つまりこの意味ではココナッツオイルは中鎖脂肪に分類されるのです。

 

 

ココナッツオイルの約半分がラウリン酸で、10%程度がカプリル酸とカプリン酸、残りは長鎖脂肪酸です。

 

 

 

ココナッツオイルは味も良く、簡単に入手できますが、効果としては純粋なMCTのほうが高くなります。

 

 

MCTは長鎖脂肪酸(パルミチン酸)に比べて4倍速く酸化され、ケトン体生成量は10倍にもなります。(※46)

 

 

 

しかし、ココナッツオイルは摂取3時間後に血中ケトン体レベルが最大になるのに対し、MCTは摂取1.5時間後に最大レベルになります。(※47)

 

 

 

つまりココナッツオイルはMCTに比べ、それだけ吸収が遅いということになります。

 

 

(278~279p)

 

 

 

ココナッツオイルとMCTの違いです。

 

 

 

 

  • ココナッツオイル・・・ケトン体レベルは摂取時間後に最大になる(少し吸収が速い)

 

  • MCTオイル・・・ケトン体レベルは摂取1.5時間後に最大になる(吸収が速い)

 

 

 

 

 

また、MCTは安全性が高くて、医療や介護現場で40年以上利用されてきたオイルでもあります。例えば以下のような状態の人です。

 

 

  • 未熟児

 

  • 腎臓病患者

 

  • てんかん患者

 

  • 消化器系の手術をした患者

 

 

  • 低栄養状態の高齢者

 

 

このように、栄養失調で、エネルギー不足で、消化吸収能力が低い人に使われてきたので、普通の人も安心して利用できます。

 

 

 

ただ、吸収が速いのでお腹が緩くなることがあります。その場合は小分けにして摂取するとよいそうです。

 

 

 

 

中鎖脂肪酸は素早くエネルギーになるので、脂質代謝に慣れた後も、状況に応じて摂取するとよいです。

 

 

 

私は朝食を抜く場合は、空腹では出かけません。食事の変わりにプロテインと脂質を摂取します。

 

 

 

冷蔵庫に常にあるのはバターなので、たいていはこれをエネルギー源にしますが、ココナッツオイルがある時は、バターよりもココナッツオイルを食べます。

 

 

 

エネルギーに変わる速度が速いからです。ただ、急いでいる時に固まっているとイライラしますが...。

 

 

 

MCTは高くて量が少ないので買っていません。

 

 

 

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鉄は脂質代謝にも必要

 

 

脂質不足ではなくても、不足があると、脂質代謝が上手くいきません。

 

 

鉄はミトコンドリアの内膜で起こるエネルギー代謝「電子伝達系 でんしでんたつけい」で必要なミネラルです。

 

 

 

 

 

 

 

この「電子伝達系」の反応によって、たくさんのATPが作られます。

 

 

 

エネルギー代謝は、以下の記事で詳しく説明しています。

 

エネルギー代謝について分かりやすく説明してみた

 

 

エネルギー代謝の電子伝達系については、以下の記事で詳しく説明しています。

 

 

電子伝達系(呼吸鎖)について分かりやすく説明してみた①複合体Ⅰ~Ⅱ

 

 

 

鉄が足りないと脂肪をエネルギーにすることができなくなるので、生理によって鉄が不足しやすい女性は要注意です。

 

 

 

鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事

 

 

 

生理がない男性は、鉄不足になる事はあまりないのですが、「長期間、糖質ばかり食べて動物食品をほとんど食べてこなかった人」や、「何かの疾患が原因で継続的に出血がある人」はなる可能性があります。

 

 

男性のフェリチンの基準と、鉄不足の症状

 

 

 

 

 

 

脂質の量を減らす実験

 

 

ここまで、糖質制限をしている時に、脂質を減らして体調を崩してしまう原因や対策についてお話してきました。

 

 

 

私は脂質の重要性を十分分かっています。

 

 

 

しかし、今あえて減らしています。

 

 

 

私は糖質制限を始めてから基本的にバターを50g食べていたのですが、実は2018年8月終わりからバターを無し~10gで実験しています。

 

 

 

 

8月にイギリスの「マイプロテイン」というメーカーの安いプロテインを両親に買った事がキッカケです。量を買ったので消費する為に、私も少しもらって+30gを飲むことにしました。

 

 

 

マイプロテインをクレジットカードではなくVプリカを使って購入してみた

 

 

 

1日に30gを2回飲む事になりました。

 

 

 

 

そのちょっと前に、以下の記事を読んでいたので、プロテインを増やした事を機にバターの量を減らしてみる事にしました。

 

 

 

『精神科医こてつ名誉院長のブログ バターよりプロテインの方が良い』より引用

 

 

ココナッツオイルよりバターの方が断然良い…と3年前はバターを推奨していた。

 

 

光文社の本にも書いたけど、バターは良いエネルギー源となります。

 

 

しかし、長年のタンパク不足の人は、バターで胃がムカムカする、お腹が下り調子が悪くなる、と言います。

 

 

今は何と言ってもプロテインが一押しで、それでも足りなければバターを追加、と言うスタンス。

 

 

自分は昼はプロテイン60g(180cc)。

 

 

これで十分満腹なのだけど、その後バタースープを飲むと、ATPが急に合成されるのか体が急に熱くなり異常発汗。

 

 

自分の場合は、そこまでする必要なないと判断しています。

 

 

 

その根拠は、その後説明されました。

 

 

 

『藤川徳美医師 facebook 2018年9月30日』より引用

 

 

質的な栄養失調→ATP不足→精製糖質の過食(嫌気性解糖主導)。

 

 

以前、過食症には生クリーム、バターなどの動物性脂肪を推奨していた。

 

 

それも悪くないのだが、それより先にプロテインを投与した方が即効性があり効果も高い。

 

 

細胞内成分はタンパク質でできている。タンパク不足があるとミトコンドリア機能が低下している。

 

 

プロテインでミトコンドリア機能を回復させて、好気性代謝ができる状態にした後、脂肪酸燃料を投入した方が効率的。

 

 

つまり、エンジンをパワーアップ後に燃料を投入する。

 

 

当然、補酵素のB、C、電子伝達系のFeも必要。

 

 

 

 

必要な栄養は個人差がありますし、同じ人でも常に一定ではありません。

 

 

 

なので、今の私の体質で、タンパク質を増やして、バターを減らすとどうなるのか気になります。

 

 

 

 

脂質を摂取していてもフラフラになるケース

 

 

本記事で紹介したのは、糖質制限をしているつもりが、色んな理由でただのカロリー制限になってしまっていた...という単純な話でした。

 

 

 

なので解決策は、以下のように脂質の摂取の仕方を工夫する事に重点を置きました。

 

 

 

 

 

  • 脂質の消化が悪い → 消化酵素(タンパク質)不足を解消させる

 

  • 脂質の代謝が悪い → L-カルニチン、合成に必要な栄養素を摂取する

 

  • 長鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸を状況によって使い分ける

 

 

 

 

しかし、本記事で紹介した理由とは別に、糖質制限をして脂質もしっかり摂取しているのに、何故かエネルギー不足でフラフラになる事もあります。

 

 

 

これを「低T3症候群」というのですが、次回はこのお話になります。

 

 

 

糖質制限の副作用?抜け毛、冷え、だるい...低T3症候群になりやすい人の特徴とはへ続く

 

 

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野菜や果物に含まれている栄養の変化を「数値」で比較してみたところ、確実に減っていました。

 

 

 

栄養が激減した野菜や果物、昔と現代の数値を比較してみた

 

 

 

 

しかし、「数値」は意図的に改竄される事があるので、

 

 

 

 

一応、別の視点からも、今と昔の野菜は栄養にどれほど変化があったのか...を分析してみることにします。

 

 

 

 

それは「味」「調理に与える影響」です。

 

 

 

 

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日本のリンゴやメロンを美味しいと感じるのは勘違いだった

 

 

 

「味」や「調理に与える影響」は、食材を語る上で重要な要素です。

 

 

 

 

 

ただし、料理が得意ではない私がそんな事を言っても説得力がありません。

 

 

 

 

そこで、パティシエの弓田享氏が、食材の栄養と味の関係について詳しく説明されているので、一部を紹介します。

 

 

 

『失われし食と日本人の尊厳 荒廃した日本の食と闘う鬼才パティシエが追い求めた「真実のおいしさ」/ 著者:弓田享』より引用

 

 

◎りんご

 

 

とてつもない大きさ。そして噛めば薄ら甘いだけの、香りも味もない水がほとばしり出て粗い繊維が残ります。

 

 

 

霜降り牛肉とまったく同じです(61ページ参照)。

 

 

 

正常なりんごは固めのもの、柔らかめのものも、すべてサラサラとしたきめの細かい崩れ方をします。線維がしっかりとつまっているからです。

 

 

 

日本のリンゴでも、私が子供の頃は滑らかな崩れ方でした。

 

 

 

フランスのものは今もそうです。

 

 

 

そして、しっかりと繊維の詰ったりんごは、果汁の香りは豊かで深く、切れ目のない深い甘みが恵みの秋を口中に知らせます。なんともいえない自然の季節を感じます。

 

 

でも今の日本のリンゴは何なのでしょう。図体だけは大きくて、木の根っこのようなガリガリの歯触り、無味乾燥、それしか表現が見つかりません。

 

 

まさに異常さの極みの果実なのです。

 

 

(中略)

 

 

そして年間30種類以上、異常なほどの量の農薬が、りんごの木を直接傷めつけます。

 

 

同時に畑の土を汚染し、土地の微生物群は壊滅的な状態となります。

 

 

 

微生物の正常な食物連鎖が消滅したためにミネラルを吸収できず、木は内からも傷みます。

 

 

その結果、正常な細胞分裂ができず、すかすかの繊維と薄っぺらな甘さの、栄養素の極めて乏しい木の根っこのような歯触りのりんごができてしまいます。

 

 

(47~48p)

 

 

 

 

 

次はマスクメロンです。

 

 

 

◎マスクメロン

 

 

あまりにも高価で異常ともいえる味のマスクメロン。

 

 

 

1個の鉢植えに1本の弦を伸ばし、1個のマスクメロンを作り上げる。これほど非生産的な栽培法はありません。

 

 

 

自然の摂理を無視することによって作られた、日本が世界に誇るというおろかさの極みの超集約農業の成果です。

 

 

 

自然の摂理に逆らって作り上げられたものに、豊かな栄養素などあるはずがありません。

 

 

これらのものを食べるごとに、私達の細胞もこれらの異常な産物の細胞と同じ状態に近づいていきます。

 

 

 

ただ糖度を上げるためだけのきわめて幅の狭いミネラルの肥料しか与えられていません。

 

 

 

舌に触れればまさに果肉が水のように崩れる、そしてにがみの混ざった不自然な甘さ、これはおいしさではありません。

 

 

水分をギリギリためておくだけの密度が極めて低く粗い繊維、これは植物の生理に反した栽培によって、果肉そのものが今まさに自壊しようとしている状態なのです。

 

 

(49p)

 

 

 

 

果物が好きな人や、育てている人にとっては面白くない意見でしょう。

 

 

 

 

でも、怒らずに冷静に読んでほしいのです。

 

 

 

 

私は昔、ケーキ屋に半年ほど勤めていたことがあるのですが、その店のシェフも食材をあちこちから取り寄せ、「あれが上手い」、「これは大したことない」...と、スタッフとよく語り合っていました。

 

 

 

 

こだわっているケーキ屋として地元では有名だったのですが、弓田氏のように「細胞レベル、植物が育つ背景を含めて考察している」...と思える発言をシェフの口から聞いた事はありませんでした。

 

 

 

 

 

プロであっても、ここまで味の違いを感じ取れる人は少ないという事でしょう。

 

 

 

 

正直怖いと思います。ほとんどの人は、異常な状態を「おいしい」と勘違いしているわけですから。

 

 

 

 

そして、商品は、需要のある物が作られます。食品も例外ではありません。

 

 

 

 

「舌がおかしくなった人」が増えれば、その人達の需要に応える為におかしな商品が開発される...悪循環です。

 

 

 

 

以前テレビで、スイーツのように甘いトマトやさつまいもが新種として紹介されていました。

 

 

 

 

生産者がこのように異常に糖度を高くするのも、それを望む消費者がいるからだ...と考えると恐ろしいです。

 

 

 

 

だからこそ、「正常な感覚を持った人」は貴重な存在なのです。

 

 

 

このような人が増えなければ、みんなの健康が損なわれることになります。

 

 

 

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日本の産物の特徴

 

 

 

弓田氏によると、日本の産物には以下のような特徴があるそうです。

 

 

 

《日本のこれらの産物に共通する希薄な味わいと、ゴリゴリザラザラの歯触り》

 

 

自然の摂理に逆らって作り上げられたものには、共通の味と歯触りがあります。

 

 

とても幅の狭い偏ったミネラルしか与えられていないので、細胞の健全な成長と働きは失われ、いずれも本来のものとはかけ離れた組織がずたずたのものができます。

 

 

肉も果物もザラザラの繊維と水のような味です。

 

 

そしてキャベツやかぶなどの野菜にも木薄な匂い、味、そしてガリガリの歯触りがあります。

 

 

本当に望ましい条件で栽培された野菜には小気味よく嬉しい歯触りがあります。

 

 

おいしいキャベツはシャキッ、パリッです。

 

 

おいしい人参はかむと軽いパリンという歯触りがあります。

 

 

白菜の身の厚いところは一瞬歯がキュンとしめつけられ、そしてはずみのあるサクッサクッが続きます。

 

 

ミネラルを不十分にしか吸収できない繊維の粗い野菜はどれも固いゴリゴリかガリガリの歯切れの悪さが共通です。

 

 

ミネラルを十分に吸収して、よい条件で育ったおいしいメロンや桃などは果肉の繊維は細く、とても緻密に詰まり滑らかな舌触りがあります。

 

 

食べていて小さなざらつきを感じ、おまけに歯に太い繊維がつまるなんてことは決してありません。

 

 

でも今のメロンや桃は、繊維が粗くザラザラの舌触りで、嫌なことに果肉のすじが歯の間によく詰まります。

 

 

私の祖父が作った水蜜桃は本当に滑らかそのものでした。ザラついた繊維を感じるなんてことはありませんでした。

 

 

(50~51p)

 

 

 

残念ながら、私はこのように感じた事はありません。

 

 

 

 

親やお爺ちゃん、お婆ちゃんが「昔の野菜は美味しかった」...と言っているのを聞いた事は何度もあります。

 

 

 

 

しかし、その時は、「今ほど食のバリエーションが少なく、美味しいものが少なかったから、野菜が美味しく感じたんだろう」...程度に思っていました。

 

 

 

 

「正常な状態」を知らないとこうなります。

 

 

 

 

各地の有名な特産品も、知っている人と知らない人とでは評価が分かれます。

 

 

 

《誰もが食の宝庫と考える北海道の産物や各地の特産品も例外ではない》

 

 

多くの人は北海道の産物はどれもがおいしいという、何とはなしの常識に疑いを持っていません。

 

 

でも私は北海道産の農畜産物、野菜や果実でおいしいと思うものに出会った記憶はありません。

 

 

農薬浸けの傷んだ農地、これは北海道も例外ではありません。

 

 

料理の試作に北海道産のジャガイモを使えば、水のような味わい、そしてあっという間に煮崩れる組織の粗いじゃがいもがほとんどです。

 

 

「きたあかり」でも、「男爵」でも一緒です。

 

 

誰もが最高においしいと思っている北海道産のアスパラガスも、旬であっても歯切れが悪く、ごりっとしていて、そして変な苦味のあるようなものばかりです。

 

 

アスパラガスの暖かい味わいなど、ついぞ感じたことはありません。

 

 

 

2度ほど十勝産のものも含めて何種類かのあずきを同時に煮て、味わいを比較したことがあります。

 

 

 

結果として2度とも十勝産のものが1番まずかったのです。

 

 

 

広大な冷涼の地、北海道。

 

 

 

テレビや旅行会社などのイメージ宣伝によって、おいしいものが豊かに生産される地と多くの日本人がなんとはなしに信じています。

 

 

 

しかし本当は、すでに農地はミネラルの涸渇した息も絶え絶えの土地であることは間違いありません。

 

 

 

「お前はほんとに北海道の農業を知り尽くしているのか」と、私に言わないで下さい。

 

 

 

異常な味のする産物しか口にできなければ、私にはこんな結論しか導き出せないのです。

 

 

私は北海道の産物のみを非難するつもりはありません。しかし、北海道の産物は日本の産物の健全性の象徴ですから、まず初めに挙げなければならないのです。

 

 

 

日本のほぼすべての産物が今でも年々、さらに味わいを劣化させているのです。

 

 

 

前述の新潟の米だけでなく、仕事でどこへ行ってもおいしいご飯を食べることはできません。

 

 

 

岡山のマスカット、いくら立派な箱に入っていても、その異常な渋みの混じった生命の眠りこけた濁った味わいに、私の舌は思わず喉の奥にひいてしまいそうです。

 

 

そして岡山や山梨、福島の桃、やはり渋みの混じった少しの清新さもなく、表情のない味わいが舌を覆います。

 

 

 

鳥取の二十世紀梨、岐阜の富有柿、今も年々味わいは希薄になっています。

 

 

 

山形のさくらんぼ、まさにあるかないかの情けない味わいです。

 

 

 

味わいの中に清新な力強い季節の息吹を感じ取ることはありません。見るだけの季節感しか味わえない日本の旬の産物なのです。

 

 

 

(52~53p)

 

 

 

ここまでは、味がどのように劣化しているのかの説明でした。

 

 

 

次は、調理にどう影響するかの説明です。

 

 

 

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質の悪い食材では上手く作れない

 

 

 

「味」というのは、判断する者がプロであっても、所詮は「主観」です。

 

 

 

従って、どんなに詳細な分析でも「客観性に乏しい」と評価する方もいると思います。

 

 

 

それに対して、「調理」というのは、ある意味「理科の実験」です。

 

 

 

「調理した結果」というのは、化学反応であり、実際に起こっている事象ですから主観ではありません。

 

 

 

味の劣化の説明に納得がいかなかった方も、現実が理解できるのではないでしょうか。

 

 

 

4 日本の素材から本来のうまさは失われた

 

 

このように、あまりにも多量の農薬の使用により、土地は傷めつけられ、さらにミネラルの幅の極めて狭い化学肥料のために農地は傷つき、そしてメーカーの思惑による品種改良によって野菜などの味わいも失われ、同時に私達の口にもたらされる栄養素はさらに希薄になっていきました。

 

 

私の経験では1980年代の後半から1990年代の前半にかけて、堰を切ったように日本の野菜、果物のおいしさは失われていったように思えます。

 

 

恐らく戦後、少しずつ上昇してきた農薬がある程度の濃度に達した時に、土の荒廃は植物にとってどうしようもない状態になったように思えるのです。

 

 

白菜はまさに冬の寒さにかじかむ心を、しっくりと暖める優しすぎるほどの暖かさに満ちた味わいは失われ、寒々とした水のような歯触りが、味わいのすべてになりました。

 

 

キャベツは懐かしさをたたえた甘さは失われ、無表情なプスッとした味わいとなり、歯触りもシャキッとはいかず、バリッガリッとしたまったく異なるものに変わってきました。

 

 

そして何人かの人に毎年送ってもらっていた、私の本当に大好きな、贈ってくれた人すべてを善人に感じさせてしまう京都の「千枚漬」のかぶも例外ではありませんでした。

 

 

繊維は粗くなり、本来は滑らかで柔らかいはずの歯触りは、ゴリッとした不快で不自然な歯触りになり、心にしみ込む舌のすべての部分に感じる安心感に満ちた暖かい味わいは失われていきました。

 

 

私は1986年に初めて店を出した時から、テイクアウトできない、いちじくとりんごの白ワイン煮を喫茶室で出していました。

 

 

初めはうまく思う通りのものができていました。

 

 

しかし、3、4年過ぎた頃から、どんなに作り方を変えてもおいしくできなくなっていったのです。

 

 

果物の白ワインの砂糖煮は、丸のままのいちじくや芯を取って縦に4つに切ったりんごを鍋に入れ、ちょうどひたひたの白ワインを加えて、ごく弱火で本当に軽くフツフツと30分弱、竹串が何の抵抗もなくスッと入るほどに煮ます。

 

 

ここに白ワインの4分の1の重量のグラニュー糖とお茶用のパックに入れたアニスシードを加え、再び火にかけてグラニュー糖を溶かし、火を止めて24時間おきます。

 

 

翌日さらに前日と同じ量のグラニュー糖を加え、加熱して溶かします。

 

 

これにレモン汁を加えて、冷めたら冷蔵庫に1週間おきます。

 

 

冷たくしてたっぷりの煮汁を皿に盛り、いただくのです。

 

 

それぞれが本当に夢見るようなおいしさです。

 

 

 

いちじくの魅惑的なビロードのような舌触りに私の意識はふっと静けさに包まれます。いちじくのおいしさの芯の部分がアニスと解け合い、濃密に、そして静かに私の五感の中に流れるのです。

 

 

りんご、その歯触りが、白ワインとりんごの小さくつぶやくような酸味に重なるのです。

 

 

思わず日常がほんのわずかの間なのですが、ふっと途切れるのです。そう、日常にはない意識をまさぐるおいしさなのです。

 

 

砂糖は1度に全量を加えると、果肉の外の砂糖の濃度が高くなり過ぎ、果肉の組織から急激に水分が引き出され、果肉は縮んで固くなってしまいます。

 

 

水分の4分の1の重量を2回に分けて加えていきます。

 

 

穏やかに組織から水分が移動し、砂糖も組織の中に入っていきます。

 

 

しっかりと果肉の水分と砂糖の入れ替りが済んだところで次の砂糖を加えると、やはり穏やかに入れ替りが行なわれ、滑らかな舌触りが得られます。

 

 

ところがりんごはどんなに静かに似てもボロボロに煮崩れてしまいました。また煮崩れなくても2回目の砂糖を加えると、果肉が少し縮み、タクアンの歯触りに似た固さが出て、舌触りはザラザラなのです。

 

 

いちじくは元々がかなり柔らかいのに、1度砂糖を加えると、他のいちじくや器の底などに触れている部分が、足のかかとのような固さになってしまうのです。

 

 

やり方を変えてもどうしてもダメでした。

 

 

当時、私にはそれがどうしてなのかまったく理解することができませんでした。

 

 

今考えれば、この頃から急速に日本の農産物は劣化し始め、いちじくもりんごも繊維が粗くなり始め、煮崩れたり、水分と砂糖の入れ替りが緻密にいかなくなり、果肉から水分が取られ、固くなっていったのでしょう。

 

 

また私の大好きだった生のマスカットをたっぷり使ったタルトゥも、急に味わいが落ちていきました。

 

 

ぶどうに深い味わいがなくなり、渋みのある芯のないボケた甘さだけのマスカットに変わっていったのです。

 

 

(58~60p)

 

 

 

 

 

 

不都合な真実ですが、事実は事実として受け入れていくしかありません。

 

 

 

 

3 何でもある日本、でも何でも中途半端な日本

 

 

《ドゥ二・リュッフェルの講習会を通じて分かった日本の食材》

 

 

2008年、この年もドゥ二・リュッフェルは日本にやってきて、フランス料理とフランス菓子の技術講習をしました。

 

 

彼の本来のフランス料理の考え方、技術、そして本当の深いおいしさを、この日本で正しく再現するために、イル・プルー・シェル・ラ・セーヌでは、毎年彼をフランスから招いて料理講習会を開いています。

 

 

しかし日本でドゥ二・リュッフェルが料理を作るには素材の点で多くの困難があるのです。

 

 

特に12年前第1回のフランス料理講習会を始めたばかりの頃は絶望的でした。

 

 

彼と共に本来のフランス料理をこの日本でできるだけ再現しようともがく中で、いかに日本の素材が荒廃しているかを改めて認識することになったのです。

 

 

ここでは、その中の主なものを記してみようと思います。

 

 

すでに述べたように日本の農産物、畜産物、乳製品はどうしようもなく味が薄いか、まったくないものがほとんどです。

 

 

しかしほとんどの人達は、この異常な農産物しか口にする機会がないのですから、私の言う事に疑問を持ったとしても当たり前です。

 

 

フランス料理では、じゃがいもをよく使いますが、ある年はポタージュに使いました。

 

 

でもどれもじゃがいもらしい味のないものばかりでした。

 

 

地方の農家、あるいは質の高い食材を看板にしているところも含めて、10ヶ所近く取り寄せましたが、本当においしいものは1つもありませんでした。

 

 

人参は予想外にも3ヶ所ほどよいものがありましたが、例年は、ゴリゴリの歯触り、薄い味わい、香りのものばかりで何1つ使えそうなものがないのが普通なのです。

 

 

フランス料理のフォン(出汁)にはセロリを使いますが、薄い緑色の味も香りもしない歯触りと形だけのセロリしか、この日本にはないのです。

 

 

本当にあちこち探しましたが、長年見つけることができませんでした。

 

 

やっと一昨年、セロリらしい味わいのものを1つだけ見つけることができました。

しかしこれも今年はダメでした。

 

 

すべてが料理に加えても加えなくても味は同じようなものばかりなのです。

 

 

なすにしても、スカスカの味のしないものばかりです。

 

 

10ヶ所近くから取って、そこで1番ましなものを選びます。しょうがない、そんな気持ちでしか選べないのです。

 

 

日本のほうれん草では、渋いやら、味がまったくないやら、料理の味わいがまったく成り立ちません。

 

 

フランスからの冷凍ものの方がずっとましなのには悲しくなってしまいます。

 

 

 

キャベツも同様です。昔のような豊かな味わいはありません。ニュージーランドからのキャベツを使いました。

 

 

 

ニンニクも7、8箇所から取り寄せましたが、ドゥ二・リュッフェルは、香りも弱く苦いと言ってOKが出ませんでした。韓国産のものをなんとか取り寄せました。

 

 

 

講習会が始まる前には、教室には山のように様々な野菜が集められます。ほとんどが本来の味を失ったものばかりです。

 

 

 

材料代はとんでもない額になります。

 

 

しかし私には、真の味わいがほぼ消失したこの日本に、ドゥ二・リュッフェルの正しい最上のフランス料理を伝える義務があります。執念を持って少しでも良い素材を集めます。

 

 

(中略)

 

 

この国で本当のフランス料理の味わいを再現するためには、作り手の様々な面での強い意志が必要なのです。

 

 

また日本にはエチオピア、タイ、レバノン、ベトナムなど、様々な外国の方々が自ら料理を作るレストランが数多くあります。

 

 

いくらこうした人達が母国の料理を作ったとしても、日本で産出される素材だけで作れば、決してお世辞にもおいしいと言えない料理ができてしまいます。

 

 

(93~98p)

 

 

 

 

常識とは間逆ですね。

 

 

次に、このような食材を「美味しい」と感じる理由について説明します。

 

 

それは、「味覚」は狂うからです。

 

 

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ビールが不味いのは気のせいではなかった。栄養の乏しい食材と狂った味覚

 

 

 

先ほど、「不自然な物を美味しいと感じる人」が増える事で、その需要に応える商品が生まれるので、世の中を良くするには「正常な感覚を持っている人」が必要だ...というお話をしました。

 

 

 

 

しかし、「感覚」というのは、注意していないと洗脳によって簡単に狂ってしまいます。

 

 

 

特に「好み」というのは、意外に周囲の影響を受けます。

 

 

 

 

世界で似たようなファッションが流行ったり、モテる異性の外見の条件がだんだん似てきている事から考えても、ある程度は誘導できます。

 

 

 

 

「味覚」も狂わせる事が可能です。

 

 

 

 

美味しいものを「美味しくない」と感じさせたり、美味しくないものを「美味しい」と感じさせるわけです。

 

 

 

 

そして、「栄養の乏しい食材」と「狂った味覚」はセットだと考えています。前者を誤魔化し、維持する為には、後者が必要なのです。

 

 

 

 

 

ここでは、味覚をおかしくする方法を紹介します。

 

 

 

《強い思いとあせりから、解決策のない批判だけの本を出版する》

 

 

私は2001年に日本の食を批判した『破滅の淵の裸の王様』(文芸社刊)を出版しました。

 

 

ほぼすべての人が正しいと考える日本人の今の嗜好、おいしさは、かなりの部分がこの最近、昭和30~40年代に築かれてきたこと、世界の中で他には存在しない日本人のみが正しいと考える異常で間違った食習慣であることを指摘しました。

 

 

しかしこの本は、日本の食を乱暴にあげつらうだけで、それに対しての対処法はまったく語っていません。

 

 

ただこの異常な食の真実を、少しでも早くこの国の人に伝えたいというあせりからの、やはり人を動かすだけのエネルギーの不足した本でした。

 

 

しかしここに示された考え方は、今読み返してみても、それまで誰もが考えたことのない、極めて新しい視点からの分析であり、その真実性は今も一点の曇りもないと考えています。

 

 

たとえば「超ドライなビール」についてです。

 

 

この超ドライなビールのもてはやされ方は、日本の食の混乱を端的に表していると思います。この本から引用します。

 

 

水にも劣るビール

 

 

「私達が作ります。本当の味、洗練された味」。

 

 

テレビのコマーシャルで耳にタコができるほど聞かされた言葉です。これほどまでに思い上がった、しかも私達大衆を見下した傲慢な言葉もないでしょう。

 

 

「私達が新しい、今までにないおいしさのビールを作り出しました、あなた達一般大衆は本当の味なんか分からないでしょうから、私達が教えましょう」と言っているのですよ。

 

 

 

そもそも「本当の味」とは、生命の進化の中ですでに築き上げられているものであって、新しく作り出すものではないと思うのですが。

 

 

この「超ドライなビール」が発売された時は、新しいおいしさのビールが出たと大評判になりました。

 

 

私は何かうさん臭いものを感じていたので、あわてて飲むということもなかったのですが、ある時、小料理屋でとにかくうまいからと薦められ、それではと注文してみました。

 

 

口に含んだ瞬間、キョトンとしてしまいました。

 

 

 

 

すべてが消えてしまうのです。今、冷たすぎる液体が口にあるという実感しかないのです。瞬時に状況を理解できませんでした。

 

 

 

飲み物であれば、当然感じる口に含む前の香り、味わい、そして、飲み下した後の余韻、全てがこのビールにはないのです。ビールという個性が感覚に与える、豊かな情報がないのです。

 

 

 

これはビールではありません。ビールの仮面を被った愚かさの詰った、ただの冷たい液体です。

 

 

 

1杯飲み終えた時、私は何か空恐ろしいことが、これから始まるような予感がしました。

 

 

結果的にこのビールは今でも爆発的に売れています。

 

 

 

「おいしいから何杯も飲める」。

 

 

 

バカなことを言わないでください。これだけすべてを取り去った、ただの冷たい液体なら、人間の頭にも身体にも、何も働きかけることなく、いくら飲んでも何の情報も感覚に蓄積されません。

 

 

 

ビールを飲んだという実感が湧いてこないから、ビールの虚像を追い求めてあわてて何杯もむやみやたらにジョッキをあおります。

 

 

クァーッとグラスを傾け、一気に喉に流し込み、残るのは炭酸の刺激だけです。

 

 

ビールではないものを私達に与え、これこそがビールだと思い込ませる。実にうまい、こずるいやり方です。

 

 

確かにこのメーカーは、ありもしない虚像を生み出すことには長けた企業だといえるでしょう。大量販売をもくろみ多くの嘘を積み上げ、ギンギンに冷えたビールを、できるだけ瞬時に口を通過させ、ビールを飲んだ実感がわかないように飲ませることを実に執拗かつ巧妙に追い求め続け、大成功したのですから。

 

 

その周到な手口はこうです。

 

 

まず消費者にビールは冷たいほうがおいしいと思わせるため、味を少しずつ薄めていきます。

 

 

香りを、味わいを執拗に取り除きます。

 

 

考え方は今の日本酒と同じで、発酵を不活発に、単純にし、フィルターにかけて雑実を取り除くことなのです。

 

 

味のしなくなったビールは、本来のビールを飲むための望ましい温度、10~13度ではまずくて飲めなくなります。

 

 

同時に大々的に「ビールの虚像」を宣伝し、冷やしておいた方がおいしい、と思い込ませるようにしたのです。

 

 

とにかく、これは実に周到に行なわれ、いつの間にか私達は、ビールは5度くらいに冷やしたほうがおいしいと洗脳されてしまったのです。

 

冷たいという感覚は印象が強いため、まったく味わいのないものでも、この印象と重ね合わせることによって、おいしいと錯覚させることができるのです。

 

 

でも、冷たいという感覚は、実は人間にとっては苦痛なのです。

 

口に含む、苦痛が走る、あわてて瞬時に飲み込む。一陣の風がサッと吹いたようなものです。

 

喉ごしというのは、口の中で味わいを確かめたりしないで、速く喉を通過させろという、メーカーが勝手に作り上げたたわいのない嘘なのです。

 

 

 

グラスの中に残って、10度ほどに温まったビールを飲んだことはありませんか。

 

 

何の味もしません。グルタミン酸ソーダでも入れたような薄ら甘い、気持ちの悪い水としかいいようがありません。

 

 

良く冷えたビールがおいしいのではなく、冷やさなければまずくて飲めない、というのが正しいのです。

 

 

ところが私達は、まんまとメーカーの戦略にはまり、誤った情報を頭の中に植えつけられてしまいました。

 

 

 

日本人にとってのビールのおいしさは、カーッと流し込む、その爽快さだけになってしまったのです。

 

 

そもそもビールを一気に流し込まなければならない理由など、どこにもありはしないのです。

 

 

高温多湿の日本で、夏なんかとりあえず冷たいものを飲んで、厳しい暑さを忘れたい、という心理は分かります。

 

 

でもしっかりした味わいの、香りも、味もいっぱにに感じられるビールなら、一気にあおらなくても、幸せと涼しさを十分に感じることができます。

 

 

 

本当においしいビールは1、2杯で五感の全てが深く満たされ、それ以上飲もうという気はおこりません。それで十分なのです。

 

 

このメーカーは「切れのよさ」を味わいの大事な要素としていますが、これは味わいの要素となることはできません。「切れのよさ」とはビールの中においしさも栄養もなにもないことでしかありません。

 

 

私はこのメーカーだけを非難するつもりはありません。

 

 

確かに、このとんでもない日本的亜種のビールの出現で、他のメーカーのビールも地に落ちました。ムードだけの意味のない銘柄が乱発されましたが、底に流れる考えはどれも皆同じです。

 

 

 

名前だけ、イメージだけでどれもこれも似たりよったりです。

 

 

希薄な味わいと薄っぺらな水っぽい舌ざわり、ちょっと温度が上がれば、なんでしょう、あの気持ちの悪い化学調味料のような甘さは。

 

 

他のメーカーのビールです。「まじりっけなしのうまさ」って何なんでしょう。

 

 

 

何が「まじりっけ」だというのでしょうか。実はそのまじりっけとはビールのおいしさであり、栄養素なのです。

 

 

 

結局、このビールも超ドライなビールと同じく、ある意味では他メーカーはもっとこずるい。

 

 

 

味のないビールをギンギンに冷やして、何も感じさせずに流し込ませて消費者を増やす、という戦略はまったく同じなのに、さも我々は一味違うんだと、小利口なことを言っているだけなのです。

 

 

 

それにしてもどのメーカーも一斉に同じ方向に走り出した事実はあまりにも悲しい。

 

 

 

地域振興のためもあってか、あちこちに地ビールとやらが乱立しています。それらの多くは、個性的な味わいを目指していると言いますがそうではありません。

 

 

 

会津のものも越後のものも岡山のものもまったく変わりばえのしない大手メーカーと同質のビールばかりです。」

 

 

 

この本を出版した頃は、私もまだ肝っ玉がすわっていませんでした。結局怖くてこのビールメーカーの実名を避けた記述になってしまいました。

 

 

 

しかしこんな中途半端な気持ちでは、日本の食の実情は少しも変わることはないことを痛いほどに知ることになりました。

 

 

 

「水にも劣る」ビールはもちろんアサヒの『スーパードライ』です。

 

 

 

アサヒスーパードライの日本市場の席巻は、1企業の巧妙な情報操作によって、本来の味わいが国民的規模で完全にねじまげられた最も典型的な例なのです。

 

 

 

こんな何の味もしないビールがあれば、料理の作り手も楽なのです。よくない素材で下手に作っても、それ以上に味のない飲み物があるので、料理のまずさが隠されるからです。

 

 

そして飲んでも飲んだ気がしないので、結局お客はだまされて余計に飲んでくれます。

 

 

 

このビールとはいえない奇々怪々な代物の出現で、日本の食は「香り、味もない、そして単純極まりない食感だけ」の世界に一気に突っ込んで行ったのです。

 

 

 

他のメーカーのビールはもちろん、日本酒、そして和洋中すべての料理も先を争って「水の如き味わい」つまり単純化を目指してきたのです。

 

 

 

今考えればこのアサヒスーパードライは時代の要請であり、食の領域でのバブル経済の先駆けであったと思います。人々が愛してきたビール本来のおいしさと、それが存在してきた理由も歴史も強引にはぎ取ったのです。

 

 

 

ビールの嫌いな人にもビールとだまして、1本でも多く売るために、ビールの個性をすべてはぎ取り、まさに究極に単純化された味わいを目指してきたのです。

 

 

 

食の領域がこぞってこれに追随し、その結果として今、この日本に残るのは資本の論理が貫徹し、人間性を損失した心と身体を破壊する「食」でした。

 

 

この日本にもたった1つ、私がおいしいと思うビールがあります。

 

 

私の冷蔵庫にはいつもこのビールだけが冷やしてあります。トナカイと星の絵が描かれた「銀河高原ビール」の350ml缶です。

 

 

同じ会社の他の2種類はまずいです。

 

 

この会社は1度、一挙に拡販を目指し破綻しています。もしこのビールが人気を得ても、再び調子にのり味わいを損ねないように望みます。

 

 

(280~284p)

 

 

 

 

 

最近の若者は、昔の人に比べてビールを飲まなくなってきているようですが、本当においしいビールを飲んた経験がないから、好きになれないのかもしれません。

 

 

 

 

これはビールの話ですが、私はイメージ戦略による「正常な味覚の書き換え」は、「あらゆる食材」で行なわれていると考えています。

 

 

 

 

だからこそ、先に紹介した「不自然な栄養の特産物を“美味しい”と錯覚している人」が多いわけです。

 

 

 

 

また、糖度が高ければ「美味しい」と感じる舌も、言っちゃ悪いですが、バカになっています。これはかつての私もそうです。

 

 

 

『NEXT WISDOM FOUNDATION タネが危ない!わたしたちは「子孫を残せない野菜」を食べている。~野口のタネ店主 野口勲さん』より引用

 

 

「タネなし」を好む現代人

 

 

うちのお客さんは大きく二つのピークがあって、ひとつは70代から80代の方。

 

 

会社を定年退職して、いままではスーパーで買っていた野菜はどうも美味しくないから、自分で有機栽培して、昔に食べたおいしい野菜を食べたいと思って栽培を始めたけどどうも昔の味にならない。

 

 

 

理由を調べると、やっとタネが違うからだということに気が付いて、うちから買うようになった人たち。

 

 

もう一つは30代から40代の方で、子供が生まれて、健康に育てたいという人たち。その間のお金を稼ぎたい年代の人たちは一切興味がない。

 

 

 

いまの人の「美味しい」は、甘くて柔らかいもの、生で食べられるもの。

 

 

昔の大根なんて堅くて辛い。なぜかというと細胞のひとつ一つが緊密で均一だから。

 

 

F1だと固定種で3〜4ヶ月かかるところを2ヶ月で収穫してしまう。

 

 

2ヶ月で成育するということは、細胞が水ぶくれのようにフニャフニャで、その細胞を維持するために細胞壁が強くなって根が崩れるのを防ぐ。

 

 

だからいまの大根を大根おろしすると水分でペチャペチャものが出てきて、おろし金の方には繊維が残って付いている。昔の大根をおろすと均質なものになります。

 

 

いまの大根はすぐに煮えますが、昔の大根は時間をかけると辛みが甘味にかわる、味も全然違うんです。

 

 

いまの子供はトマトにタネがあるのも嫌がるという。

 

 

タネがないものがおいしい野菜なんです。

 

 

子供がよろこぶからという理由で、トマトまで雄性不稔になっています。

 

 

本来植物は人間に食べられるために生きてるんじゃない、タネをつくって子孫を残すために生きている。そのタネを邪魔だというような世の中になってしまったんですね。

 

 

 

ある程度年をとっている人は、「昔の野菜や果物はおいしかった」...と感じるようですから、詳細な分析はできなくても異変に気付けるだけまだマシです。

 

 

 

生まれた時から、「栄養の乏しい食材」ばかり食べている世代は、それすらも感じることができません。

 

 

 

現代人は、甘くて柔らかいものや、生で食べられるものが「美味しい」と感じるようになった事で、結果的に「不自然な食材」を選択するようになりました。

 

 

 

以下の記事で私は、「食材を感覚だけを頼りに、体に良いか悪いかを判断する事」を、信憑性が低くて危険だと述べました。

 

 

 

「美味しいと感じる食べ物は体に良い」と感覚だけで判断するのは危険です

 

 

 

その理由として以下の3つを挙げました。

 

 

 

 

1、美味しいと感じる食べ物が結果的に体に良いこともあるが、それはあくまで結果論なので、「美味しい物=体に良い」わけではない

 

 

 

2、人間の感覚は当てにならないし、狂う事もある

 

 

 

3、「気持ち良い、美味しい=体に良い」なら、これらを我慢することが悪い事になる。しかし、「気持ち良いや美味しいを我慢するストレス」がどれほど酷いストレスなのかハッキリしない

 

 

 

 

これに以下を加えたいと思います。

 

 

 

 

4、目的の為に、洗脳によって意図的に感覚を狂わせる事があるから

 

 

 

これと合わせて、肩書きのある者に「体に良いか悪いかは感覚を頼りに判断するのが良い」、「美味しく食べるのが体に良い」...等と言わせておけば、

 

 

 

多くの人は「体に悪い食べ物」でも好んで食べるようになります。

 

 

 

 

改めて、危険であると強調しておきます。

 

 

 

 

本記事で引用した本の帯には、「ぜひ本書を、健康に気遣う一般の方々だけでなく、医師の方にも読んでもらいたいと切に願います」...と、弓田氏の言葉が書かれています。

 

 

 

しかし、多くの医師は論文ばかり読んで、一般書籍はほとんど読まないそうですから、目に留まることはあまりないでしょう。

 

 

 

その医師や、栄養士が「スカスカの食材」から栄養を摂りましょう...と誘導するのですから、なんとかしないといけません。

 

 

 

「言いつけを守る真面目な人」程被害を受けるからです。

 

 

 

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食材の品質が劣化したのは、不自然な種にも原因がある

 

 

 

作物の質が変わってしまった理由は、土壌からミネラルが失われた、農薬の影響...等、色々と言われていますが、「種」自体の問題もあるので、一応紹介しておきます。

 

 

 

 

『NEXT WISDOM FOUNDATION タネが危ない!わたしたちは「子孫を残せない野菜」を食べている。~野口のタネ店主 野口勲さん』より引用

 

おいしさの8割はタネで決まる

 

 

現代の農業では、おなじ規格のものを大量に作ることが農家に求められています。

 

 

そして、規格通りの野菜を作るためには「F1」のタネを使わなければならない。

 

 

「F1(雑種第一世代)」のタネから育った野菜は、みんな同じ成育のしかたをし、型にはまったようなかたちになり、そして同じ時期に収穫できます。つまり、出荷しやすく、売りやすいということです。

 

 

 

一方で「在来種」や「固定種」と呼ばれる、昔から使われているタネは一粒一粒に特徴があり、多様性があり、早く育つものもあれば遅く育つものもある。

 

 

 

葉の形を見たり、成育の状況を見ながら、大きくなったものから収穫します。

 

 

 

一度タネをまけば長い間収穫できますが、需要に合わせてまとまった量を定期的に出荷することができないから、お金にするのは難しい。

 

 

 

でも味も昔の野菜そのままで美味しいので家庭菜園に向いています。

 

 

 

そして、いくら無農薬や有機肥料で育てても、味を決める8割はタネ、本当に昔ながらの美味しい野菜を食べたいなら在来種を自分で育てるしかありません。

 

 

 

 

昭和30年頃までは、「固定種、在来種」が多かったようですが、現在のスーパーで売られている野菜のほとんどは「F1」品種です。

 

 

 

F1(Filial 1 hybrid)」を直訳すると、“1世代交配”です。別名に「一代雑種」、「ハイブリッド種」があります。

 

 

 

 

「一世代」の意味は以下の通りです。

 

 

 

『マクロビオティック 健康相談 F1種について』より引用

 

 

循環しない品種

 

 

F1種は、一代限りです。

 

 

その一代目の個体が人間が意図したとおりの形姿や性質を備えていれば、それで使命を果たします。

 

 

 

その個体から二代目以降が生まれることは想定されていません。

 

 

 

常に一代目の個体として消費され続けるのが、F1個体の宿命です。一代限りとは、そういう意味です。

 

 

 

実際に、F1種の個体から二代目はできにくいといわれます。子孫ができにくいのです。

 

 

たとえできたとしても、二代目の個体は親とは全く違った形姿や性質をもっているなど、同一品種としての特性を保持しずらくなっています。

 

 

 

そうなると元々の品種改良した目的から外れてしまうので、F1はF1止まり、すなはち一代限りで終わるのです。

 

 

 

これに対して在来種は、品種としての特性が親から子、子から孫へと代々保たれています。

 

 

ゆえに、世代を越えて種として存続していくことができます。このことは逆に、在来種が長い年月をかけて環境に適応しながら生き延びてきた証でもあります。

 

 

 

一代限りのF1種は世代を越えて生命の受け渡しをすることができませんから、循環しない品種ともいえます。

 

 

 

厳密にいえば、品種とすら呼べないかもしれません。F1種は、人工交配によって生みだされたハイブリッドのあだ花なのでしょう。

 

 

 

 

「F1」は品種改良によってできた種です。“一世代”と呼ばれていますが、一応、蒔けば芽はでます。

 

余談ですが、「自殺する種子」と呼ばれている、遺伝子操作によって作られた種があります。こちらは、育った作物の種を植えても芽が出ない種子なので、「F1」とは違います。

 

 

 

 

動物性食品の品質と栄養について

 

 

 

本記事は、「サプリメントからビタミンやミネラルを摂取する事に躊躇している人」、「これらが豊富に含まれていると言われている野菜や果物を摂れば十分であると考えている人」に向けて書いているので、植物性の食品の栄養が減っている事について話しました。

 

 

 

しかし、これは植物性の食品だけに限った話ではありません。

 

 

 

 

動物性の食品も同じように不自然です。

 

 

 

 

餌が違えば栄養価も違います。また、薬漬けになっているので、質も悪いです。

 

 

 

 

ハッキリ言って、流通している物はどんな物も、探せば悪い面が見つかります。純粋で自然なものはないのではと思っています。

 

 

 

あったとしても、庶民が気軽に毎日食べられる価格ではなかったり、普通のスーパーに売っていなかったりします。健康を考える年金暮らしの人達にはとても勧められません。

 

 

 

 

しかし、食べないと生きていけませんから、よりマシな物や方法を選択するわけです。

 

 

 

 

このブログの目的は健康になる事、体質を改善させる事です。

 

 

 

その為にしなければならない事は、体の構造を把握した上で、「最も有害なもの」を避けて、「足りないもの」は徹底的に補う事だと考えています。

 

 

 

 

私の経験では、これが1番効果的です。

 

 

 

 

むやみやたらに有害物質を避けているだけでは結果はでません。金と時間と手間を浪費し、疲弊するだけです。

 

 

 

 

「足りないもの」を補うには、タンパク質だとプロテイン、脂質だとバターやMTCオイル等、ビタミンやミネラルはサプリメントを使います。

 

 

 

 

それぞれの必要量は個人差があります。

 

 

 

 

で、「最も有害なもの」とは、摂取する量が多い「糖質」です。

 

 

 

 

他にも有害物質はあります。しかし、少量ですが複数あるので、全部を避けていたら食べる物がなくなります。

 

 

 

そして、努力のわりに効果が薄いです。健康にならなかったので、私は今の「少ない努力でより効果のある方法」を選択しています。

 

 

 

 

ただし、「その他の有害物質」を積極的に避けないからといって、これらを浴びても平気だ...等とは思っていません。

 

 

 

 

良くないのは分かっているけど、個人で対策するには限界があります。なので、今はその作業に力を入れていないだけです。

 

 

 

安心・安全が大好きな日本!でも何故か「健康を損ねる物質」への規制だけは甘い

 

 

 

これらは個人レベルで避けるのは無理があるので、社会全体で変えていくべきだと思っています。

 

 

 

 

現代の食品は、私達が気付いていないだけで、蓋を開けてみると、低栄養でまんべんなく汚染されています。

 

 

 

 

そのような欠点があるので、戦略的に健康食品やサプリメントを利用した方が、食品だけに頼るよりも、早く結果が出るのです。

 

 

 

 

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