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試してみたらこうなった

虚弱体質や慢性疾患を改善させる為に必要な情報や心得について、体験記を交えながらお話します。

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疲れてフラフラになる…糖質制限のつもりがカロリー制限に!危険なATP不足とは

 

以前に比べると、「脂質」の重要性が説かれるようになってきましたが、それでもいまだに「脂質」の摂取に抵抗を感じている人は少なくありません。

 

 

 

 

しかし、「脂質」は体の構成成分であると共に、良質なエネルギー源でもあるので、むやみに制限すると体調を崩す原因になります。

 

 

 

 

糖質をたっぷり食べている人は、脂質を食べなくても、糖質からエネルギーを確保できるので、カロリー的には問題ありません。

 

 

 

まだ、マシです。

 

 

 

その代わり、少ないエネルギーを賄うために過食になったり、糖質の害も受ける事になりますが…。

 

 

 

 

問題は、糖質制限を実践しているのに脂質まで制限する人です。

 

 

 

 

特に、糖質を10g、5g…と、限りなく減らす「厳しい糖質制限」をしているのに脂質も制限する場合は、に関わるので危険です。

 

 

 

 

一方、「緩い糖質制限」なら、多少糖質からエネルギーが得られるので、脂質を制限しても命に関わる程エネルギーが減る事はありません。フラフラになる程度です。

 

 

 

 

 

 

「糖質と脂質の両方を減らす事」が問題なのです。

 

 

 

理由は、生体が生きていく為に必要な「ATP(エーティーピー)」というエネルギー物質の材料が無くなり、作れなくなるからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ATP」が減ると慢性疾患に、「ATP」が無くなると死にます。これはどの生物でも同じです。

 

 

 

 

 

 

 

私は2015年から1日10g以下の「スーパー糖質制限」を続けていますが、脂質をしっかり摂取しているので、ATP不足になることはありません。

 

 

 

 

しかしそれ以前、2008年に一度、「緩い糖質制限」を実践したことがありますが、この時は違いました。

 

 

 

 

当時は脂質の重要性が今ほど語られておらず、脂質は危険という情報ばかりでした。

 

 

 

 

その為、脂質まで制限してしまい、結果、エネルギー不足でフラフラになって糖質制限を止めました。

 

 

 

また、この時は胃の糖化が酷く、タンパク質消化酵素「ペプシン」不足もあり、タンパク質を食べると消化不良になっていたので、こちらもたくさん食べる事ができませんでした。

 

 

 

タンパク質が不足した事により、「糖新生(糖質以外の材料から糖質を合成するシステム)」も上手くいっていなかったと思います。

 

 

 

この状態ですね。

 

 

 

  • 糖質・・・制限

 

  • 脂質・・・避ける・たくさん食べられない

 

  • タンパク質・・・たくさん食べられない

 

 

 

当時の私がやっていたのは、脂質やタンパク質をほとんど食べず、糖質を制限する…

 

 

 

糖質制限を実践しているつもりでしたが、実際はカロリー制限になっていました。

 

 

 

今に比べて、多少は糖質を摂っていたのですが、それでもカロリーは足りていなかったようです。

 

 

 

疲れてフラフラになりましたから…

 

 

 

この状態なので「糖質制限は危険だ」と思いました。

 

 

 

今は原因も解決策も危険性も分かるので、このようなミスはしません。ですが、この情報を知らなくて、脂質の摂取が足りない事で糖質制限が上手くいかない方は今も多いです。

 

 

 

なので、脂質を制限する事の問題点、エネルギー不足の危険性、その対策についてお話します。

 

 

 

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糖質を制限して脂質も制限する

 

 

 

まずは何故、糖質制限を実践中に脂質も一緒に制限してはいけないのか、その理由をお話します。

 

 

 

それは、先ほども説明したように、「ATP」を作ることができなくなるからです。

 

 

 

「ATP」の材料は以下の3つです。

 

 

 

  • 糖質

 

  • 脂質

 

  • タンパク質

 

 

 

 

「タンパク質」は、主に体の材料になるので、実はエネルギー源としては、あまりあてになりません。後で説明しますが、燃料をこれだけに頼って生きていくのは不可能です。

 

 

燃料が無くなった時に、建物の木を崩して薪にするようなイメージに近いですね。

 

 

 

 

「脂質」は、細胞膜など身体の材料にもなりますが、それ以上に、エネルギー源として頼もしい存在です。

 

 

 

「糖質」は、体の材料にもなりますが、ほんとうに僅かなので、食事から摂取しなくても良いです。体の材料にはほぼならず、エネルギーとしての使い道しかありません。

 

 

 

 

一応、人間の構成成分を書いておきます。体の材料の割合です。

 

 

 

  • ・・・59%

 

  • タンパク質・・・18%

 

  • 脂質・・・17%

 

  • 無機塩類・・・5%

 

  • その他(核酸・糖質)・・・1%

 

 

 

で、エネルギーとしては、主に糖質か脂質を使うのですが、糖質は脂質に劣ります。

 

 

 

糖質 < 脂質

 

 

 

 

内訳はこうです。

 

 

 

(糖質の場合)

 

ブドウ糖1分子・・・(不完全燃焼 → ATP分子)

 

ブドウ糖1分子・・・(完全燃焼 → ATP38分子)

 

 

(脂質の場合)

 

パルミチン酸(飽和脂肪酸)1分子の場合・・ATP129分子

 

 

 

このように、同じ1分子を代謝した場合、「糖質」は得られるATPが少なく、「脂質」は得られる「ATP」が多いです。

 

 

 

ただし、「糖質」はエネルギーに変換するスピードが早いので、手っ取り早くエネルギーを得たい時には向いています。しかし、くどいですが、糖質の害は受ける事になります。

 

 

 

 

「食べても食べてもお腹がすく、満足しない」…そう言って、甘い物やご飯やパンを大量に食べる人がいます。

 

 

 

 

エネルギー源を「糖質」に依存しているとこうなります。これは、一度に得られるエネルギーが少ないので、回転数で「ATP」を稼ぐ作戦なのです。「ATP」を体が必要としているのです。

 

 

 

 

一方、糖質制限をして「脂質」をしっかり摂取すると、エネルギー的に充実していくるので、過食したくなくなります。

 

 

 

 

『藤川徳美医師 facebook 2016年2月7日』より引用

 

 

どうしてお腹が空くのか-糖質摂取した3時間後に強烈な空腹感に襲われる理由-

 

 

糖質を摂取すると3時間後に“もうお腹ペコペコ、腹減ったー”という感じの強烈な空腹感に襲われます

 

 

糖質制限を継続している人はそのような絶えられない空腹感がなくなり、お腹が空かなくなります

 

 

あるとしても程良い心地よい空腹感のみです

 

 

では何故糖質摂取すると強烈な空腹感に襲われるのでしょうか?

 

 

 

胃が空っぽになるため?

 

 

夏井先生のブログに何度も登場している、肉を食べた後の胃内視鏡所見Vs.穀物を食べた後の胃内視鏡所見

 

 

肉を食べた1時間後にはすっかり消化され胃の中は空っぽになります

 

 

穀物を食べると3時間後にも胃の中に穀物が停留しています

 

 

この結果を見ると、胃が空っぽになるから空腹になるのではないですね

 

 

 

 

低血糖になるため?

 

 

糖質過剰摂取3時間後には、機能性低血糖を生じ易くなります

 

 

糖質制限継続者は機能性低血糖になりません

 

 

じゃあ血糖が下がるから空腹になるのが一見、正解のように思えます

 

 

しかし、糖尿病患者に当てはまるとこれは誤りである事がわかります

 

 

空腹時血糖120、食後200とコントロール不良の糖尿病患者では低血糖を生じません

 

 

低血糖ではないにも関わらず、”腹減った”と言いながら甘いものを間食しますよね

 

 

 

 

正解は、ATP不足になるため

 

 

糖質制限継続者は脂肪酸(ケトン体)からの好気性解糖(クエン酸回路+電子伝達系)で持続的に十分な量のATPが産生されます

 

 

胃の中が空っぽになっても強烈な空腹感はありません

 

 

糖質摂取を繰り返している人は、嫌気性解糖主導となります

 

 

そうなると、産生されるATPが極めて少なく、かつ短時間で切れてしまう

 

 

ATP不足になると脳がSOS指令を出し、強烈な空腹感が出現します

 

 

胃の中に内容物がたっぷりあっても、低血糖ではなくても、ATP不足なら強烈な空腹感が出現する!

 

 

 

 

ATP不足になると脳がSOSを発する…とあるように不足すると危険なのです。

 

 

では、次はATPが無くなるとどうなるかという具体的な話をします。

 

 

 

ATP不足は命の危険がある

 

 

糖質を制限して、高タンパク質にして、脂質を制限するとATP不足でフラフラになります。

 

 

 

高タンパク食と言えば、ボディービルダーです。

 

 

 

彼らは食事からのタンパク質だけでなく、とんでもない量のプロテインを毎日飲むようですが、それでも「糖質」も「脂質」も無くなると餓死の危険があります。

 

 

 

『精神科医こてつ名誉院長のブログ 糖質制限 超基礎編』より引用

 

 

タンパク質について、一部は糖新生されて燃料として使用されるが、生体を維持するための十分な燃料とはなり得ない。

 

 

以前紹介した、マッスル北村氏は、高タンパク食+断糖食+無脂肪食で「餓死」した。

 

 

つまり、体脂肪ゼロで無脂肪食ではATP不足となり、生命を維持できない。

 

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%B9%E3%83%AB%E5%8C%97%E6%9D%91

 

 

 

 

普通の人は、体調を崩したら「危険だ」と判断して止めるので心配はないですが、一応、ATP不足を無視して制限を継続するとどうなるのかも知っておいた方がよいです。

 

 

 

次は糖質制限中にATP不足にならない為の解決策についてお話します。

 

 

 

 

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解決策

 

 

 

解決策は簡単ですね。まずは以下をご覧下さい。

 

 

『ドクター江部の糖尿病徒然日記 「Low T3 syndrome(低T3症候群)」と糖質制限、カロリー制限、飢餓』より引用

 

 

自己暗示研究家さんが書評の中で懸念されている「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ、生理不順、脱毛、生理が止まる、冷え、無気力、皮膚乾燥・・・」などの、甲状腺機能低下症のときに見られる症状が、糖質制限食実践中にもしあったとすれば、それは摂取エネルギー不足が原因と考えられます。

 

 

少なくとも高雄病院の糖尿病患者さんで、糖質制限食を実践中に「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ、生理不順、脱毛、生理が止まる、冷え、無気力、皮膚乾燥・・・」などの訴えがあった方々を、栄養指導したところ、全員が摂取エネルギー不足でした。

 

 

例えば、男性で1200kcal/日とか女性では1000kcal/日とかです。

 

 

当然のことですが、糖質制限食の範疇で摂取エネルギーを増やして、厚生労働省のいう標準必要エネルギーを満たして貰うと、皆さん「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ・・・」は速やかに改善しました。

 

 

単純な理屈です。

 

 

 

私もこれで1度失敗しているので、

 

 

 

 

糖質を制限したら脂質を摂取しましょう、くれぐれもただのカロリー制限にならないように

 

 

 

…と、何度も言っているのですが、脂質の量が足りていない人はたまにいます。

 

 

 

 

脂質の摂取量が少ない理由ですが、以下が多いです。

 

 

 

  • 脂質をたくさん食べる事に抵抗がある

 

 

 

  • 脂質を食べているつもりでも、必要量が足りていない

 

 

 

  • 脂質の消化や代謝が上手くいかない

 

 

 

 

ただ摂取しろと言っても、これらの問題を解決しなければ実践できないので、解決策を提案します。

 

 

 

脂質をたくさん食べる事に抵抗がある」に該当する方は、「脂質悪」の洗脳を解くのが先なので、以下の記事をお読み下さい。

 

科学や論文のインチキはコレステロールが教えてくれる

 

 

動脈硬化は悪玉コレステロールではなく、動脈壁の劣化が原因だった

 

 

 

  • 「脂質を食べているつもりでも、必要量が足りていない」
  • …ですが、これは指摘されるまで気が付かないものです。

 

 

 

色んなパターンがありますが、一例を紹介します。

 

 

 

たまに、「肉は発癌性物質がある」という説が気になって、肉ではなく大豆製品中心の糖質制限をする人がいるのですが、この方法だと、脂質の摂取量が少なくなるので、やはりカロリー不足になる可能性が高いです。

 

 

 

「植物性の食品が安全だ」という考えが抜けきれないので、糖質制限+従来の常識 にアレンジしようとした結果です。

 

 

 

ですが、人間は動物です。

 

 

 

その為、アミノ酸組成脂肪酸組成が近い、動物性の食品の方が利用しやすいのです。

 

 

 

従って、糖質制限も植物性の大豆等を中心にするより、動物性を中心にした方が効果が圧倒的です。

 

 

 

また、植物には「動物に食べられないようにする為の毒」が含まれているので、動物性を中心にすれば、それの摂取も防げます。

 

 

 

 

脂質の補い方

 

 

タンパク質が不足している場合は、プロテインを飲むと良いです。

 

 

脂質が不足している場合は、何を選択するべきかについてお話します。

 

 

 

 

肉、魚、卵にも脂質は含まれています。これらから十分摂取できて、代謝に問題がないなら問題ありません。

 

 

 

しかし、量を食べられない人の場合は不足するので、少し工夫が必要です。

 

 

 

例えば、私の場合は、糖質制限を始めてから、3年以上、脂質不足にならないように、食事とは別に夜寝る前にバターを食べるようにしました。

 

 

 

一時、100g摂取していましたが、それ以外は基本的に50g摂取しています。

 

 

 

 

「何故50gなのですか?」とよく聞かれるのですが、何度も増やしたり減らしたりして実験した結果、私の体にはこの量が1番合っていると判断したからです。

 

 

 

 

生理の日にちの間隔が安定します。

 

 

 

食事とは別に、最低「プロテイン30g」と「バター50g」を摂取すれば、生理がほぼ同じ日にきます。どちらかが減ると日にちがズレます。

 

 

 

あと、バターは美味しいので、嗜好品としても楽しんでいます。

 

 

 

また、生クリームを飲む事もあります。これは高いのでたまにですが…。

 

 

 

一方、調理に使う油は、あまり細かい事は気にしていません。

 

 

 

動物性の牛脂やラードも使いますが、植物性の油も普通に使います。

 

 

 

理由は私は香りの良い料理が好きだからです。

 

 

 

オリーブオイル、ゴマ油、マスタードオイルを健康の為ではなく、嗜好品として使っています。

 

 

 

このように、調理の油に関しては、自己管理が甘くてあまり偉そうな事が言えないので、もし健康の為に油にも徹底的に拘りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。

 

 

藤川徳美医師 facebook 2015年11月3日 動物性脂肪、Vs、植物性脂肪

 

 

 

糖質制限をする場合、脂質の摂取は重要なのですが、たくさん摂取すると、問題が起きる事があります。

 

 

次はその点についてみていきます。

 

 

 

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脂質の摂取による消化不良

 

 

バターはオススメの脂質です。

 

 

ですが、糖質制限を始めたばかりで、胃が弱い人の場合、これを食べるのがキツイ人がいます。

 

 

具体的に言うと、バターを摂取すると、下痢をしたり調子が悪くなったりします。

 

 

 

脂質を摂取する事に抵抗がある理由に、「脂質の消化や代謝が上手くいかない」がありましたが、これはしんどいのでハードルが高いです。

 

 

 

でも解決できます。

 

 

このような人は長年のタンパク質不足により、脂質を分解する酵素「リパーゼ」が不足している可能性が高いので、脂質を上手く消化することができません。

 

 

 

 

タンパク質が不足する

 

 

タンパク質でできている酵素「リパーゼ」が減る

 

 

「脂質」が消化しずらくなる

 

 

 

 

 

また同じ理由で、タンパク質を消化する「ペプシン」という酵素が不足すれば、タンパク質を消化しずらくなります。

 

 

 

 

上の「リパーゼ」を「ペプシン」に、「脂質」を「タンパク質」に置き換えて読んでみて下さい。

 

 

 

 

「ペプシン」や「リパーゼ」が減ると、肉がムカついて食べられなくなります。

 

 

 

無理して食べると、未消化になり、「腸内環境の悪化」という別の問題も起きてきます。ただしこれは肉が悪いのではなく、消化する能力が劣るほど栄養不足であることが悪いのです。

 

腸内環境が悪化する原因と、糖質制限で便秘になる場合の対策

 

 

 

解決策は、酵素の元であるタンパク質を不足させないようにすることです。なので、タンパク質不足を解消することを最優先させます。

 

 

 

 

これができなければ、タンパク質も脂質も食べられないので、スタートラインにも立てません。

 

 

 

 

 

 

 

 

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脂質代謝が上手くいかない時

 

 

酵素「リパーゼ」が足りていて、脂質の消化は問題なかったとします。

 

 

 

ですが、まだ壁があります。

 

 

 

脂質は脂肪酸に分解されるのですが、これをミトコンドリアの中に運ぶのが「L-カルニチン」です。

 

 

 

ちなみに、「D-カルニチン」というのもありますが、こちらは活性がなく、脂質代謝には関係しません。

 

 

 

 

ミトコンドリアは、細胞の中にあり、この中で多くのATPを作ります。その為、「発電所」に例えられます。

 

 

 

 

 

 

 

従って、「L-カルニチン」が不足すると、燃料の「脂肪酸」がミトコンドリアに運ばれないので、代謝ができません。

 

 

 

 

「L-カルニチン」は食品からでも摂取できますし、体内で合成する事もできます。

 

 

 

 

 

食品では、肉類と乳製品に多く含まれており、穀物、果物、野菜にはほとんど含まれていません。

 

 

 

 

「L-カルニチン」は、不足しやすい栄養素の1つです。

 

 

『Fitness in Life 脂質代謝に欠かせないカルニチン』より引用

 

 

◆カルニチンは減る!?

 

 

ビタミンと違ってビタミン様物質のカルニチンは体内で生合成できます。

 

 

肝臓で、必須アミノ酸のリジンとメチオニンから合成され、血液を介して、筋肉に取り込まれます。

 

 

ただし、加齢とともにその合成力は低下します。20歳ごろからすでに減り始め、80歳では極めて低いレベルにまで落ち込むといわれています。

 

 

脂肪の燃焼に深く関わるカルニチン。中年太りの要因には、加齢によって体内のカルニチンが減っていくことも関係していると考えられています。

 

 

また、カルニチンが不足すると、慢性疲労症候群という、風邪などを契機に、激しい倦怠感や、脱力感を、半年以上、持続ないし繰り返す病気になると言われています。

 

 

 

不足すると困るので、次は対策をお話します。

 

 

 

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L-カルニチンが不足しやすい理由と対策

 

 

 

以下は糖質制限をしながら、不足しやすいカルニチンをサプリで摂取した効果です。

 

 

 

『前山美香氏 facebook 2018年3月4日』より引用

 

 

2年半前に糖質制限始めたと同時にアセチルLカルニチンを摂っている。

 

 

今は日に最低3gの摂取です。

 

 

数か月前までは1~2gでしたが、3g以上摂ってから全体的の体感と脳の機能が上っている感じです。

 

 

私はカロリー制限も菜食も長く来たので、何もかも不足、兎に角、動物性の栄養素が過不足で状況でしたので、こちらを読んで、アセチルLカルニチンが今も手放せないこと、Q10との関連性に納得しました。

 

 

脳も不全に気づいていなかった自分がオソロシイ。。いや、今も不足である。。

 

 

・食事性カルニチンの主な供給源は肉類と乳製品であり、穀類、果物、野菜にはほとんど含まれていません。

 

 

・長い脂質不足、栄養栄養不足の方は欠乏がある。

 

 

・アセチル-L-カルニチンは、血液脳関門を通過して脳内に到達しアセチルコリン量を増やします。

 

 

・アセチル-L-カルニチンはアルツハイマー病初期症状の改善に効果があることがことが報告されています。

 

 

 

 

不足する原因は、動物性食品の摂取が少ない…だけではありません。

 

 

 

「L-カルニチン」は体内で合成できると言いましたが、その材料が以下になります。1つでも不足すると「L-カルニチン」が不足します。

 

 

 

  • 必須アミノ酸(リジン、メチオニン)

 

 

 

  • ビタミン(ビタミンC、ナイアシン、ビタミンB6)

 

 

 

  • ミネラル(還元型鉄イオン)

 

 

 

糖質制限を実践していてタンパク質をしっかり摂取している人なら、「必須アミノ酸」の不足は心配しなくてもいいでしょう。

 

 

 

問題は「ビタミン」と「ミネラル」です。

 

 

 

 

このブログでは、サプリの使用が効果的である事を何度も述べているので、現在では、コメントやメールをくださる読者さんも、サプリを飲まれている方がほとんどになりました。

 

 

 

しかし、サプリを使わずに食事だけにこだわる糖質制限実践者もいらっしゃるので、そのような方は注意が必要です。

 

 

 

以下の栄養素は、糖質制限をしていても不足します。

 

 

 

まず、「ビタミンC」ですが、これは調理法や限られた材料の問題から、糖質制限で不足しやすい栄養素の1つです。また、身体の多くの化学反応に関わっているので消費しやすいです。特にストレス時に多く消費します。

 

 

 

 

「ビタミンB6」、これはタンパク質をアミノ酸に分解する時に必要な栄養素です。従って、糖質制限のような高タンパク質食では減りやすいビタミンと言えます。

 

 

 

 

「ナイアシン」は、乳酸をエネルギーに変える時に必要な栄養素です。糖質を制限すると乳酸が蓄積しずらいですが、それでも摂取した方が良いです。何故なら、身体にはブドウ糖しか利用できない細胞がある為、糖質制限をしていても、必要な量だけ「糖新生」によってブドウ糖が作られているからです。ブドウ糖の代謝は0にはなりません。

 

 

「解糖系」に依存している細胞があるので、乳酸が生じます。そして、それをエネルギーとして利用している細胞があるので、その時できた乳酸を適切に処理する為にもナイアシン(「乳酸脱水素酵素」の補酵素の合成に必要)は不足させないようにしたい栄養素です。どんな食事法をしていてもです。

 

 

また、ナイアシンはアルコールの代謝に必要です。お酒を飲まれる方は減りますので、注意が必要です。

 

 

 

 

「鉄」は、生理がある女性は不足しやすいです。糖質制限で食事から動物性の「ヘム鉄」を摂取していても不足していました。

 

 

鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事

 

 

 

鉄は非常に重要な栄養素です。私の経験上、1度フェリチン100を超えてしまえば、生理の前後失った量をサプリメントで補い、普段から動物性食品中心にしていれば、そんなにはフェリチンは減りません。生理のない人はよほどの事がない限り不足しません。

 

 

生理のある人で女性で、フェリチンが100以下の人は、油断すると減る可能性があるので注意した方がいいですが、それ以上であればそんなに心配する必要はないでしょう。

 

 

しかし、ビタミンC、ナイアシン、ビタミンB6は常に消費されているので、サプリを飲まずに糖質制限をされている方は不足しています。

 

 

私は1年半、サプリ無しの「スーパー糖質制限」を実践して、かなり体質が改善されました。

 

 

それだけでも十分効果があったので、その時はそれで満足していましたが、サプリを組み合わせた事で、それ以上の変化がいくつもありました。

 

 

 

私は基本的に3ヶ月ごとにサプリを1種類増やすのですが、

 

 

 

 

「糖質を食べていないからB郡はそんなに必要ではないだろう」と思っていたので、鉄 → ナイアシン → ビタミンC&ビタミンE → ビタミンB50コンプレックス…という順番にしました。

 

 

 

ビタミンB50コンプレックスをかなり後回しにしたのですが、これを飲み始めると以前よりさらに体調が良くなりました。

 

 

 

「必要ないだろう」と思っていても、足りていなかったという事は普通にあります。

 

 

 

サプリを飲む事で効果があるということは、それまで足りていなかったという事です。

 

 

 

糖質制限をしていても完璧ではありません。

 

 

 

なので、今ではサプリを止める気にはなれません。糖質制限をしている人もビタミンB50コンプレックスは摂取した方が良いと考えています。

 

 

 

 

どの栄養素でも、不足している場合はサプリで補うのが効率が良いと思います。もちろん「L-カルニチン」もです。

 

 

 

 

「L-カルニチン」を合成する為の補酵素の「確率的親和力」が低い人は、食品だけから栄養を摂取しようとすると厳しい…という一例も紹介しておきます。

 

 

 

『藤川徳美医師 facebook 2018年3月5日』より引用

 

 

高タンパク/低糖質食+プロテイン+メガビタミンでもケトン体が増えない30代男性。

 

 

ケトン体を何度測っても0.1。

 

 

カルニチン合成のための補酵素の確率的親和力が低くて、メガビタミンでもカルニチンが増えない様子。

 

 

そこで、アセチルLカルニチン500mg*2を追加したら、ケトン体0.5に上昇。

 

 

500mg*4に増量してみるよう伝えた。

 

 

 

ちにみに、「L-カルニチン」の合成は肝臓、腎臓、脳で行なわれます。カルニチンを合成できない心臓や骨格筋は、血液中のカルニチンを取り込んで利用しています。

 

 

 

ここまでは、ミトコンドリアの膜を通過する時に「L-カルニチン」が必要な「長鎖脂肪酸」の話です。

 

 

 

 

一方、「L-カルニチン」が必要ではないオイルもあります。それが「中鎖脂肪酸」です。

 

 

 

中鎖脂肪酸

 

 

バターは、長鎖、中鎖、短鎖のバランスが良いですが、主体は長鎖脂肪酸です。

 

 

 

なので、これを食べている人で、代謝に問題がある人は、「L-カルニチン」をサプリで摂取することで改善する可能性があります。

 

 

 

しかし、「L-カルニチン」のサプリって高いんですよね…。iHerbでも、1000mgが100錠入って、4500円くらいです。

 

 

 

 

一方、中鎖脂肪酸は、「L-カルニチン」と結合しなくてもミトコンドリアの膜を通過できます。

 

 

 

一部、「L-カルニチン」と結合してミトコンドリアの膜を通過する中鎖脂肪酸も存在するようです。

 

 

 

脂質代謝に慣れるまでの間、中鎖脂肪酸の摂取を増やせば、「L-カルニチン」をサプリで摂らなくてもいいかもしれません。

 

 

 

中鎖脂肪酸は、ケトン体を多く産生でき即効性があるというメリットがありますが、エネルギーの持続時間が短いというデメリットもあります。

 

 

 

次は、中鎖脂肪酸である「ココナッツオイル」や、それを精製した「MCTオイル」の違いについて説明します。

 

 

 

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ココナッツオイルとMCTオイルの違い

 

 

 

『アスリートのための最新栄養学(上)~三大栄養素編 / 著者:山本義徳』より引用

 

4.4 MCT(中鎖中性脂肪酸)

 

MCTとは中鎖中性脂肪酸のことです。

 

 

中鎖というのは炭素の数が中くらいということで、脂肪酸に含まれる炭素の数が8個のカプリル酸や10個のカプリン酸(オクタン酸)のことを、MCTと呼びます。

 

 

 

このように炭素数が少ないと消化吸収が早く、またミトコンドリアに運ばれるときにカルニチンを必要としないため、エネルギー化も早くなります。

 

 

なお炭素数が12個のラウリン酸はココナッツオイルに多く含まれ、このラウリン酸も中鎖脂肪に分類することがあります。

 

 

「カルニチン」を必要とするか否か」で言えば、ラウリン酸はカルニチンを必要としません。(※45)つまりこの意味ではココナッツオイルは中鎖脂肪に分類されるのです。

 

 

ココナッツオイルの約半分がラウリン酸で、10%程度がカプリル酸とカプリン酸、残りは長鎖脂肪酸です。

 

 

 

ココナッツオイルは味も良く、簡単に入手できますが、効果としては純粋なMCTのほうが高くなります。

 

 

MCTは長鎖脂肪酸(パルミチン酸)に比べて4倍速く酸化され、ケトン体生成量は10倍にもなります。(※46)

 

 

 

しかし、ココナッツオイルは摂取3時間後に血中ケトン体レベルが最大になるのに対し、MCTは摂取1.5時間後に最大レベルになります。(※47)

 

 

 

つまりココナッツオイルはMCTに比べ、それだけ吸収が遅いということになります。

 

 

(278~279p)

 

 

 

ココナッツオイルとMCTの違いです。

 

 

 

 

  • ココナッツオイル・・・ケトン体レベルは摂取時間後に最大になる(少し吸収が速い)

 

  • MCTオイル・・・ケトン体レベルは摂取1.5時間後に最大になる(吸収が速い)

 

 

 

 

 

また、MCTは安全性が高くて、医療や介護現場で40年以上利用されてきたオイルでもあります。例えば以下のような状態の人です。

 

 

  • 未熟児

 

  • 腎臓病患者

 

  • てんかん患者

 

  • 消化器系の手術をした患者

 

 

  • 低栄養状態の高齢者

 

 

このように、栄養失調で、エネルギー不足で、消化吸収能力が低い人に使われてきたので、普通の人も安心して利用できます。

 

 

 

ただ、吸収が速いのでお腹が緩くなることがあります。その場合は小分けにして摂取するとよいそうです。

 

 

 

 

中鎖脂肪酸は素早くエネルギーになるので、脂質代謝に慣れた後も、状況に応じて摂取するとよいです。

 

 

 

私は朝食を抜く場合は、空腹では出かけません。食事の変わりにプロテインと脂質を摂取します。

 

 

 

冷蔵庫に常にあるのはバターなので、たいていはこれをエネルギー源にしますが、ココナッツオイルがある時は、バターよりもココナッツオイルを食べます。

 

 

 

エネルギーに変わる速度が速いからです。ただ、急いでいる時に固まっているとイライラしますが…。

 

 

 

MCTは高くて量が少ないので買っていません。

 

 

 

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鉄は脂質代謝にも必要

 

 

脂質不足ではなくても、不足があると、脂質代謝が上手くいきません。

 

 

鉄はミトコンドリアの内膜で起こるエネルギー代謝「電子伝達系 でんしでんたつけい」で必要なミネラルです。

 

 

 

 

 

 

 

この「電子伝達系」の反応によって、たくさんのATPが作られます。

 

 

 

エネルギー代謝は、以下の記事で詳しく説明しています。

 

エネルギー代謝について分かりやすく説明してみた

 

 

エネルギー代謝の電子伝達系については、以下の記事で詳しく説明しています。

 

 

電子伝達系(呼吸鎖)について分かりやすく説明してみた①複合体Ⅰ~Ⅱ

 

 

 

鉄が足りないと脂肪をエネルギーにすることができなくなるので、生理によって鉄が不足しやすい女性は要注意です。

 

 

 

鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事

 

 

 

生理がない男性は、鉄不足になる事はあまりないのですが、「長期間、糖質ばかり食べて動物食品をほとんど食べてこなかった人」や、「何かの疾患が原因で継続的に出血がある人」はなる可能性があります。

 

 

男性のフェリチンの基準と、鉄不足の症状

 

 

 

 

 

 

脂質の量を減らす実験

 

 

ここまで、糖質制限をしている時に、脂質を減らして体調を崩してしまう原因や対策についてお話してきました。

 

 

 

私は脂質の重要性を十分分かっています。

 

 

 

しかし、今あえて減らしています。

 

 

 

私は糖質制限を始めてから基本的にバターを50g食べていたのですが、実は2018年8月終わりからバターを無し~10gで実験しています。

 

 

 

 

8月にイギリスの「マイプロテイン」というメーカーの安いプロテインを両親に買った事がキッカケです。量を買ったので消費する為に、私も少しもらって+30gを飲むことにしました。

 

 

 

マイプロテインをクレジットカードではなくVプリカを使って購入してみた

 

 

 

1日に30gを2回飲む事になりました。

 

 

 

 

そのちょっと前に、以下の記事を読んでいたので、プロテインを増やした事を機にバターの量を減らしてみる事にしました。

 

 

 

『精神科医こてつ名誉院長のブログ バターよりプロテインの方が良い』より引用

 

 

ココナッツオイルよりバターの方が断然良い…と3年前はバターを推奨していた。

 

 

光文社の本にも書いたけど、バターは良いエネルギー源となります。

 

 

しかし、長年のタンパク不足の人は、バターで胃がムカムカする、お腹が下り調子が悪くなる、と言います。

 

 

今は何と言ってもプロテインが一押しで、それでも足りなければバターを追加、と言うスタンス。

 

 

自分は昼はプロテイン60g(180cc)。

 

 

これで十分満腹なのだけど、その後バタースープを飲むと、ATPが急に合成されるのか体が急に熱くなり異常発汗。

 

 

自分の場合は、そこまでする必要なないと判断しています。

 

 

 

その根拠は、その後説明されました。

 

 

 

『藤川徳美医師 facebook 2018年9月30日』より引用

 

 

質的な栄養失調→ATP不足→精製糖質の過食(嫌気性解糖主導)。

 

 

以前、過食症には生クリーム、バターなどの動物性脂肪を推奨していた。

 

 

それも悪くないのだが、それより先にプロテインを投与した方が即効性があり効果も高い。

 

 

細胞内成分はタンパク質でできている。タンパク不足があるとミトコンドリア機能が低下している。

 

 

プロテインでミトコンドリア機能を回復させて、好気性代謝ができる状態にした後、脂肪酸燃料を投入した方が効率的。

 

 

つまり、エンジンをパワーアップ後に燃料を投入する。

 

 

当然、補酵素のB、C、電子伝達系のFeも必要。

 

 

 

 

必要な栄養は個人差がありますし、同じ人でも常に一定ではありません。

 

 

 

なので、今の私の体質で、タンパク質を増やして、バターを減らすとどうなるのか気になります。

 

 

 

 

脂質を摂取していてもフラフラになるケース

 

 

本記事で紹介したのは、糖質制限をしているつもりが、色んな理由でただのカロリー制限になってしまっていた…という単純な話でした。

 

 

 

なので解決策は、以下のように脂質の摂取の仕方を工夫する事に重点を置きました。

 

 

 

 

 

  • 脂質の消化が悪い → 消化酵素(タンパク質)不足を解消させる

 

  • 脂質の代謝が悪い → L-カルニチン、合成に必要な栄養素を摂取する

 

  • 長鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸を状況によって使い分ける

 

 

 

 

しかし、本記事で紹介した理由とは別に、糖質制限をして脂質もしっかり摂取しているのに、何故かエネルギー不足でフラフラになる事もあります。

 

 

 

これを「低T3症候群」というのですが、次回はこのお話になります。

 

 

 

糖質制限の副作用?抜け毛、冷え、だるい…低T3症候群になりやすい人の特徴とはへ続く

 

 

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エネルギー代謝について分かりやすく説明してみた

「代謝(メタボリズム)」とは、体内で起こる化学反応の事です。

 

 

 

そして、生体内の代謝には、大きく分けてつあります。

 

 

 

 

  • エネルギー源である「ATP」を作る代謝

 

  • 「ATP」を使って、「ATP」以外のものを作る代謝

 

 

 

 

細胞には、後者「ATP以外のもの」を作る任務があります。しかし、その活動に必要なエネルギーも自分で作らなければならないのです。

 

 

 

本記事では、前者の、エネルギー源であるATPを作る「エネルギー代謝」についてお話します。

 

 

 

 

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エネルギー物質ATP

 

 

まずは、「ATP」が何なのかについてご説明します。

 

 

日本名は、「アデノシン3リン酸」です。

 

 

 

 

「ATP(エーティーピー)」は、簡単に言うと、エネルギーを溜め込んで充電がMaxの電池のような状態です。

 

 

また、エネルギーを放出して空っぽの状態を「ADP(エーディーピー)」と言います。

 

 

 

ATPとADP

 

 

 

 

そして、充電するには、何段階もの化学反応が起きます。

 

 

 

この「ATP」のエネルギーが無ければ、生体は生きていくことができません。

 

 

 

当然、後者の「ATP以外のものを作る」代謝も行なわれません。

 

 

 

不足すると、慢性疾患の原因になり、無くなれば死にます。どの生物でもです。

 

 

 

その為、「ATP」を作ることが重要なのです。

 

 

 

そして、「ATP」の材料は、糖質、脂質、タンパク質です。

 

 

 

このうち、燃料としてあてになるのは糖質と、脂質です。タンパク質は体の主成分になりますが、燃料としてはイマイチで、あまりあてになりません。

 

 

 

「ATP」については以下の記事で説明しています。

 

 

ATP(アデノシン三リン酸)について分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

ATPとミトコンドリア

 

 

 

自らの活動資金(エネルギー物質ATP)を捻出するのも、細胞の仕事です。

 

 

 

そのエネルギー物質ATPは、細胞の中の「ミトコンドリア」で作っています。

 

 

 

 

ミトコンドリア

 

(細胞の図)

 

 

 

「ミトコンドリア」とは、一言で言うとエネルギーを作る発電所です。

 

 

 

なので、エネルギーをたくさん必要とする細胞は「ミトコンドリア」をたくさん持っています。

 

 

 

ただし、「ミトコンドリア」は酸素を使って「ATP」を作り出しているので、酸素があることが発電の条件です。

 

 

 

 

酸素がない = ミトコンドリアでATPが作れない

 

 

 

 

 

「ATP」は酸素がないと作れないのか・・・

 

 

 

というと、そんなこともありません。酸素がなくても、「ATP」をつくることは可能です。

 

 

ただし、ミトコンドリア発電所に頼ることはできません。その場合、別の方法で「ATP」を作ります。

 

 

 

 

 

 

ミトコンドリアを使わずにATPを作る

 

 

ミトコンドリアというのは、酸素がないと発電できませんから、酸素が滞る場合は、こちらの発電所は利用できません。

 

 

そんな時でも、細胞の液体部分「細胞質基質(さいぼうしつ・きしつ)」で起こる発電なら、酸素がなくてもエネルギーを作り出すことができます。

 

 

 

細胞質基質の解糖系

 

 

 

この発電方法には、酸素がいらないので、嫌気的解糖(けんきてき・かいとう)という名前がつけられています。(別名:解糖系)

 

 

 

「嫌気的解糖」は、酸素を要求する「ミトコンドリア」に頼らなくてもいいというメリットもありますが、少しの「ATP」しか作り出せないデメリットがあります。

 

 

そして、「酸素が足りない時」というのは、以下のようなケースです。

 

 

 

  • 激しい運動をして酸素供給が間に合わない

 

 

  • 細胞内にミトコンドリアを持っていない細胞(例:赤血球)は、そもそもミトコンドリアに頼った発電自体ができない

 

 

 

・・・このような場合、酸素が必要ない嫌気的解糖によって「ATP」を作り出すことができます。ですが、この方法では作り出せる「ATP」が少ないので、エネルギー不足になります。

 

 

「ATP不足 = 不健康」なので、やはり酸素を使った「ミトコンドリア」でのATP発電の方が、たくさんの「ATP」を作りだすことができるので健康的です。

 

 

 

 

嫌気的解糖 = ATP少ない = 不健康

 

 

ミトコンドリアでの反応 = ATP多い = 健康

 

 

 

 

このように「材料である、糖質、脂質、たんぱく質を分解してATPを作る」反応を「呼吸」と言います。

 

 

 

 

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呼吸とは

 

 

ここで、「呼吸」の定義についてお話します。

 

 

 

一般的に使う「呼吸」という言葉は、「酸素を吸って、二酸化炭素を吐くこと」を意味します。

 

 

ですが、生物学で使う「呼吸」という言葉は、「細胞が有機物を分解して、その過程で生じるエネルギーを「ATP」に蓄えること」を意味します。

 

 

 

 

 

前者が肺で行なっている「外呼吸(ガス交換)」で、後者は「内呼吸(細胞呼吸)」です。「外呼吸」で吸収した酸素を使って、「内呼吸」で「ATP」を作ります。

 

 

本記事では、「内呼吸」について説明しています。

 

 

 

「ATP」にエネルギーをつめる = 内呼吸

 

 

 

 

好気呼吸と嫌気呼吸の違い

 

 

 

エネルギーを「ATP」に蓄える「内呼吸」には、パターンあります。

 

 

先程もチラっとでてきましたが、「呼吸に酸素がいるか、いらないか」です。

 

 

 

  • 酸素が必要な呼吸・・・好気呼吸(こうき・こきゅう)

 

  • 酸素が必要じゃない呼吸・・・嫌気呼吸(けんき・こきゅう)

 

 

 

 

前者の酸素が必要な「好気呼吸」は、動物や植物が行なっています。

 

 

後者の酸素が必要じゃない「嫌気呼吸」は、先程紹介した「嫌気的解糖」、酵母菌や植物等が行なう「アルコール発酵」や、乳酸菌が行なう「乳酸発酵」です。

 

 

 

先程の復習ですが、効率よく「ATP」が作れるのは、酸素を利用した“好気”の方です。

 

 

 

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糖質からATPを作る

 

 

「ATP」の材料になるのは「糖質」「脂質」「タンパク質」でした。

 

 

最初に、「糖質」の代謝について説明します。

 

 

「糖質からATPを作る」というのは、言い換えると、「ブドウ糖からATPを作る」です。

 

 

 

「糖質」というのは、単糖が集まって出来ています。ブドウ糖(英語:グルコース)は単糖の代表です。これが「ATP」の材料になるわけです。

 

 

 

ブドウ糖を分解して「ATP」を取り出すには、まず、「解糖系 かいとうけい」という名前の反応が起きます。

 

 

 

 

解糖系とは

 

 

「糖質」を食べると、消化器官でグルコース(ブドウ糖)に分解されます。

 

 

グルコースは小腸で吸収され、血液によって全身の細胞に届けられます。

 

 

すると、グルコースは、最初に細胞内の液体部分「細胞質基質 さいぼうしつきしつ」に到着します。

 

 

 

細胞質基質の解糖系

 

細胞(簡略化)

 

 

 

ここで行なわれる「解糖系」とは、先程説明した「嫌気的解糖系(けんきてきかいとう)」の事です。「嫌気的解糖」は、名前の通り酸素が必要ありません。

 

 

 

また、「解」「糖」という名前の通り、グルコース(糖質)が分解されます。

 

 

 

何段階か代謝があるのですが、最終的に「ピルビン酸」に変身します。

 

 

 

 

グルコース

 

 

(何段階か代謝)

 

 

ピルビン酸

 

 

 

 

で、その分解の過程で発生したエネルギーによって、「ATP」が2個と、「水素」が生じます。

 

 

 

解糖系について詳しく説明した記事が以下になります。

 

解糖系について分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

で、グルコースは「ピルビン酸」になったわけですが、ここが分かれ道です。

 

 

 

ここから先、もし酸素がなければ、ミトコンドリア発電所で発電することはできません。「ピルビン酸」は「乳酸」になります。

 

 

ここまでだと「ATP」は2個です。つまり、

 

 

 

解糖系 = ATP2個

 

 

 

 

しかし、もし酸素があれば、ミトコンドリアで発電することができます。

 

 

 

 

嫌気的解糖か好気的解糖か

 

 

 

 

(追記)ちなみに、右が健康的なルート、左が不健康なルートです。左のルートに偏ると、乳酸の蓄積を招くので、癌が発生しやすくなります。癌が発生する過程は以下に書きましたので参考にして下さい。

 

癌細胞と癌家系について分かりやすく説明してみた

 

 

 

ここからは、解糖系でできた「ピルビン酸」が、ミトコンドリアのマトリックスの中に進んだ後のお話をします。

 

 

 

 

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ミトコンドリアのマトリックス(クエン酸回路)

 

 

「ピルビン酸」は、酸素がない状態だと、ミトコンドリアで発電する資格がないので「乳酸」になりますが、酸素があればミトコンドリアでもっと多くの「ATP」を作ることができます。

 

 

ミトコンドリアのマトリックスでは、「クエン酸回路 くえんさん・かいろ」という名前の反応が行なわれます。

 

 

 

ミトコンドリアのマトリックスに移動した「ピルビン酸」は、そのままでは「クエン酸回路」に参加することができません。

 

 

 

なので、まず、酵素の働きによって代謝されて「アセチルCoA(あせちるこ・えー)」という物質になります。

 

 

 

 

ピルビン酸

 

 

アセチルCoA

 

 

 

 

さらに、「アセチルCoA」は、マトリックスの中の「オキサロ酢酸」という物質と反応して、「クエン酸」になります。

 

 

 

ピルビン酸からアセチルCoA

 

 

 

そこから、さらに何回も姿を変えるのですが、ぐるっーと一周回って、最後は再び「オキサロ酢酸」になり、また「ピルビン酸から作られるアセチルCoA」と反応する…

 

 

 

と、何度もクルクルと繰り返し反応できるというわけです。

 

 

 

クエン酸回路(TCA回路)

 

 

 

だから「回路」、そして、一番最初に変わるのが「クエン酸」だから「クエン酸回路」です。別名は「TCA回路」です。

 

 

 

この過程で、2分子の「ATP」が生じますが、「水素」も生じます。

 

 

 

この「水素」が、次に続く反応経路で、「ATP」を作るために必要なのです。

 

 

 

 

「クエン酸回路」について詳しく知りたい方は以下の記事をお読み下さい。

 

 

クエン酸回路(TCA回路)について分かりやすく説明してみた

 

 

 

ここまで、「解糖系」→「(酸素あり)クエン酸回路」、と来ました。

 

 

次に続く反応経路の名前は「電子伝達系 でんしでんたつけい」です。

 

 

この反応が行なわれる場所は、ミトコンドリアの内膜です。

 

 

 

 

電子伝達系

 

 

「電子伝達系」は、好気呼吸の最終段階です。反応が起こる場所は、ミトコンドリアの内膜です。

 

 

「解糖系」と「クエン酸回路」で生じた水素は、ミトコンドリアの内膜に集まってきて、酸素と結びつきます。

 

 

 

そして、「ATP」34個と、水を合成します。

 

 

 

「ATP」34個・・・「電子伝達系」の「ATP」の合成は、「解糖系(ATP2個)」、「クエン酸回路(ATP2個)」と比べて圧倒的に多いのが分かると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここまで、糖質の代謝を簡単にみてきました。次は「脂質」の代謝について説明します。

 

 

 

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脂質からATPを作る

 

 

脂質の代表が「中性脂肪」です。

 

 

中性脂肪は、「グリセロール」と、「脂肪酸が3個」が結合した構造をしています。

 

 

「グリセロール」と「脂肪酸」・・・この2つは、代謝経路が少し違います。前者は、解糖系の途中へ合流しますが、後者は少しずつ分解されて「アセチルCoA」になります。

 

 

 

 

  • グリセロール(グリセリンともいう)・・・解糖系の途中へ

 

 

  • 脂肪酸・・・分解されて(炭素鎖が2個ずつ切れて酸化されて)アセチルCoAに変身する

 

 

 

 

脂肪酸が分解されて「アセチルCoA」になることを「β酸化」と言います。

 

 

中性脂肪から「ATP」を作る場合は、グリセロールの代謝経路と、脂肪酸の代謝経路とを合わせたものになります。

 

 

 

 

脂質のエネルギー代謝の経路

 

 

 

脂質は、糖質やタンパク質に比べると、多くのATPを作ることができます。

 

 

「脂肪酸」は高エネルギーです。

 

 

『ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか 著者:宗田哲男』より引用

 

 

通常は、細胞が必要なエネルギー(ATP)は、グルコースが解糖系からピルビン酸とアセチルCoAを経て、TCA回路(クエン酸回路)へと代謝され、さらに酸化的リン酸化によって産生されます。

 

 

このときに、グルコースからATPへと変換されるのは、1分子から2分子です。

 

 

一方、脂肪酸からエネルギーを産生する場合は、脂肪酸が分解(β酸化)されてアセチルCoAになり、このアセチルCoAがミトコンドリアのTCA回路で代謝されてATPを作り出します。

 

 

このときの脂肪酸酸化は、たとえば活性化されたパルミチン酸のβ酸化は、7サイクルくり返されるので、パルミチン酸からは8分子のアセチルCoAができて、それぞれ12分子のATPが生じますから、最終的には129分子という多くのATPが得られます。

 

 

これは、ブドウ糖の場合に比べてかなり大きなエネルギーになります(『ハーパー・生化学』原書27版訳本P157、丸善)。

 

 

(127p)

 

 

 

そして、「グリセロール」は、糖質以外の材料から糖質をつくる「糖新生 とうしんせい」というシステムによって「グルコース」に変換されます。

 

 

 

糖新生については以下の記事をご覧下さい。

 

糖新生の仕組みについて分かりやすく説明してみた

 

 

 

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タンパク質からATPを作る

 

 

「タンパク質」は、糖質や脂質にくらべて、エネルギーとしてあてになりませんが、「ATP」は作れます。

 

 

タンパク質は、アミノ酸が鎖になったものです。なので、まず、タンパク質はアミノ酸に分解されます。

 

 

 

タンパク質

 

 

アミノ酸

 

 

 

ところで、

 

 

糖質と脂質は「炭素」、「水素」、「酸素」からできています。

 

 

タンパク質は「炭素」、「水素」、「酸素」と「窒素」が含まれています。

 

 

ATPを作る時、この「窒素」である「アミノ基」は邪魔なので外されます。

 

 

 

で、「炭素」、「水素」、「酸素」から構成される分子に変換して、クエン酸回路に入るというわけです。

 

 

そして、クエン酸回路の入り方にはいくつかあります。

 

 

 

アセチルCoAになってから、クエン酸回路に入る方法や、

 

アセチルCoAにならずにクエン酸回路に入る方法です。

 

 

 

どのルートを辿るかは、アミノ酸の種類によって決まっています。

 

 

 

ちなみに、外された「アミノ基」は、そのままでは毒性のある「アンモニア」になります。これは体に悪いので、「尿素」に作り変えられ、最終的に尿中に排泄されます。

 

 

 

説明について

 

 

 

本記事では、全体の流れが掴めるように、細かい部分はかなり省略して説明してみました。

 

 

ここで書ききれなかった細かい部分は、今後、必要であれば、それぞれの記事のテーマに合わせて、深堀して説明していくつもりです。

 

 

 

(追記)エネルギー代謝の視点から見た健康

 

 

「糖質」、「脂質」、「タンパク質」のうち、「タンパク質」は体の主成分でエネルギー源としてはあてにならないので、「ATP」の主な材料は「糖質」と「脂質」になります。

 

 

脂質はエネルギーです。

 

 

一方、糖質は「解糖系→クエン酸回路→電子伝達系」と進めばエネルギーですが、「解糖系」だけだとエネルギーで「乳酸」を発生させます。

 

 

当然、健康に良いのは「脂質」です。

 

 

糖質の場合は、代謝が「解糖系に傾いて乳酸を発生させる」か、「ミトコンドリアまで進んで代謝し切る」かによって、健康状態が変わってきます。

 

 

乳酸はpH5程度の酸性です。その為、蓄積すると血液が酸性に傾き慢性疾患の原因になります。

 

 

糖質を摂られている方が健康の為に気をつけた方がいい事は、代謝を「解糖系」に傾けない事です。以下はその為の具体的な方法になります。

 

 

ベジタリアンや糖質を止められない人が、健康の為に摂っておきたい栄養素とは

 

 

 

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ATP(アデノシン三リン酸)について分かりやすく説明してみた
ATP(アデノシン三リン酸)について分かりやすく説明してみた

 

厚生労働省と農林水産省が推奨している「食事バランスガイド」を健康的だと思っている人は多いです。

 

 

 

しかし、これを真面目に守っていれば、確実に「質的な栄養失調」になります。

 

 

 

質的な栄養失調とは、「糖質過多 タンパク質不足 脂質不足 ビタミン不足 ミネラル不足」の状態です。

 

 

 

 

これの何がいけないのかというと、

 

 

 

生物が活動する為に必要なATP(えーてぃーぴー)というエネルギー物質が足りなくなるからです。

 

 

 

 

「ATP」は小さな分子です。

 

 

 

 

「ATP」が十分にあることで、心臓も動き、呼吸し、体を動かすことができます。

 

 

 

 

もし「ATP」が不足すると、多くの慢性疾患を引き起こします。そして、どの生物も「ATP」が無くなると死にます。

 

 

 

 

「質的な栄養失調」が原因で、生命活動に必要な「ATP」が不足する…

 

 

 

 

そうなってはいけないので、「ATP」について理解し、不足させないように栄養に気を配る事が大事なのです。

 

 

 

 

食事には、「自分の体を作り出す為の何か」と、「生きていく為に必要なエネルギー」が含まれています。

 

 

 

しかし、「体の材料」と違って、「エネルギー」は目に見えません。その為、ピンとこない人もいると思います。

 

 

 

 

なので、本記事では「ATP」について分かりやすく説明します。

 

 

 

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食事をするということ

 

 

 

生体が生きていく為(生命維持や、細胞活動)には、エネルギーが必要です。

 

 

 

熱、運動、化学反応・・・働きは「細胞の種類」によって様々ですが、これらの仕事を遂行する為に、エネルギー物質である「ATP」を使います。

 

 

 

  • 筋肉を動かす

 

  • 細胞が分裂する

 

  • 体を構成する物質の合成をする

 

  • 体温を維持する

 

 

 

私達が食事をする一番の目的は、「ATP」を作り出すこと・・・と言っても過言ではありません。

 

 

 

細胞は、食事から摂れる「糖質」、「脂質」、「タンパク質」を処理することで「ATP」を作りだしています。

 

 

 

つまり、「三大栄養素」と言われるものが、「ATP」の材料になるわけです。

 

 

 

ちなみに、「ATP」を作る時に「ビタミンC」が必要なので、これが足りないと、「ATP」を上手く作ることができません。

 

『優しく生きたい 教育問題と医療問題について 藤川先生講演会(2016.12.4)』より引用

 

・ATP→ADP→AMPとなるときにエネルギーを放出

 

・AMP→ADP→ATPとATPを合成するときにビタミンCが必要

 

・厚労省推奨の1日ビタミンC100mgでは足りない
→人によって500mg~10gは必要

 

 

次は「ATP」の構造について説明します。

 

 

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ATPとは何か?

 

 

「ATP」とは略語です。

 

 

正式名称は、「アデノシン3リン酸」です。

 

 

英語でadenosine triphosphate(アデノシン・トリ・ホスフェート)。

 

 

「T」は「トリ」と読みます。意味はです。

 

 

なんで「3」なのかというと、「アデノシン」という物質に、「リン酸」が3つくっついた構造をしているからです。

 

 

 

記事の一番上のイラストを簡略化したのが以下になります(向きが逆ですが)。

 

 

 

 

ATP(アデノシン三リン酸)の構造

 

(アデノシン・3・リン酸(ATP)の構造)

 

 

 

「エネルギー」というと、形の無い物を思い浮かべてしまいますが、そうではなく、「ATP」は「エネルギーを貯蔵できる物質」です。

 

 

 

この物質を介してエネルギーのやりとりを行なう・・・というわけです。

 

 

 

だから、「ATP」は、別名「生体内のエネルギー通貨」と呼ばれています。

 

 

 

また、エネルギーが蓄えられる(エネルギーがつまった)物質なので、「充電式の電池」ともいえます。

 

 

 

ネットや本を調べると、「ATP」は「小さな分子」であるとか、「物質」であるとか、「化合物」であるとか、「化学物質」であるとか、様々な言い方がされています。

 

これだとピンとこないので「エネルギー通過」や、「充電式の電池」のイメージの方がわかりやすいと思います。

 

 

 

 

ATPはどうやってエネルギーを蓄えるか

 

 

糖質、脂質、タンパク質・・・といった、違う物質から「ATP」を作って、様々な事に利用する…

 

 

 

使用方法は「通貨」にそっくりです。

 

 

 

しかし、エネルギーの産生方法は、「充電式の電池」に似ています。充電したり、使用したりするからです。

 

 

 

エネルギーがつまった状態を「ATP」、エネルギーが空の状態を「ADP」と言います。

 

 

 

材料を分解する時に出てきたエネルギーを「ADP」の空の電池につめて、「ATP」にします。

 

 

 

 

 

ADP → ATP(充電)

 

 

 

 

  • 「ATP」はアデノシン・トリ・ホスフェートです。トリ(Tori)は、です。つまり、アデノシンにリン酸が3つくっついています。この3つ目のリン酸をくっつけるのに大きなエネルギーが必要です。

 

 

 

 

 

  • 「ADP」はアデノシン・ジ・ホスフェートです。ジ(Di)は、です。こちらはリン酸が2つくっついています。3つ目のリン酸が外れて2つになる時に、エネルギーが放出されます。

 

 

 

 

 

わかりやすく「電池」と表現しましたが、図で表すと、全然電池風ではありません。

 

 

 

以下のように、3個目のリン酸をくっつけたり、外したりして、エネルギーの貯蔵と放出をしているわけです。

 

 

 

ATPとADP

 

 

 

 

 

ちなみに、「 ATP ⇔ ADP 」の変換は、何度でも行なうことができます。

 

 

 

充電が完了した「ATP」が多い程元気なのですが、

 

 

 

次はこれが不足するとどうなるのかについてお話します。

 

 

 

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ATPが不足すると起きる問題

 

 

生体はまず、「ATP」を作ります。

 

 

 

そして、この「ATP」を「ADP」に変換する時に放出されるエネルギーを使って熱、運動、化学反応といったさまざまな活動をしています。

 

 

 

従って、活動資金である「ATP」が十分足りていれば「健康」ですが、不足すると、体に様々な問題が起きます。

 

 

『ガンの特効薬はミトコンドリア賦活剤 生体のどこかでATPが不足すると人間は病気になる』より引用

 

 

私たち人間はATPという生体エネルギー通貨によって、すべてを動かして生きています。ATPが不足すれば、あらゆる臓器や筋肉・神経などに不具合が生じ、衰弱して死にます。

 

 

ATPの95%を作っているのが、ミトコンドリアです。体の痛みやコリは、ミトコンドリアが衰弱してATPが不足していることを教えてくれています。

 

 

それを放置していれば、やがてガン・糖尿病・心臓病・リウマチなどが悪化し、大変なことになります。

 

 

アルツハイマーやうつ病なども、ミトコンドリア機能障害によるATP不足からきています。

 

 

 

活動の元が断たれるので、どこに問題が起きても不思議ではありません。

 

 

 

 

ですが、必ず「みんなが同じ病気」になるわけではありません。どんな病気になるかは、その人の遺伝的な弱点によって違います。

 

 

 

 

また、病気とまではいかなくても、以下のような小さな不調も「ATP」不足が原因だったりします。

 

 

 

  • 熱が生産されなくなることで体温が低くなる

 

  • 糖質制限が上手くいかない

 

 

 

次はATPの材料について説明します。

 

 

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ATPの材料

 

 

食事から糖質、脂質、タンパク質を摂っても、そのままではエネルギーとして使用できません。

 

 

 

これらは、少しずつ分解されて、その際に発生したエネルギーを「ATP」という形で蓄えて、利用できるようにするわけですが、そうなるまでには化学反応が何段階も起こります

 

 

 

 

材料になる「糖質」、「脂質」、「タンパク質」は、違う物質で、以下のような特徴があります。

 

 

 

 

  • 糖質・・・・・・身体の成分にはならない。燃料のみになる。※「必須糖質」というのはない。

 

 

  • 脂質・・・・・・身体の成分であり、燃料となる。※「必須脂肪酸」というのがある。

 

 

  • タンパク質・・・身体の主成分となる。一部が燃料となるが、生体を維持するための十分な燃料ではない。※「必須アミノ酸」というのがある。

 

 

 

 

「ATP」を作る材料は、主に糖質脂質ということになります。

 

 

 

一方、飢餓時など、糖質や脂質の供給が追いつかない時は、タンパク質を材料にして「ATP」を作ります。これを「糖新生 とうしんせい」といいます。

 

 

 

 

より多くATPが作れる材料は

 

 

エネルギー源としてあてになるのは、「糖質」と「脂質」です。

 

 

 

この2つのうち、どちらが燃料として優れているかについてお話します。

 

 

 

まずはブドウ糖(糖質)の場合です。

 

 

 

 

「ATP」を作る時は、通常、「酸素」を使うのですが、糖質の場合は、酸素が無くても「ATP」を作ることが可能です。

 

 

 

 

「糖質」は、酸素を使用せず「ATP」を作る場合と、酸素を使って「ATP」を作る場合と、2つの方法があります。

 

 

 

  • ブドウ糖から酸素でATPを作る

 

  • ブドウ糖から酸素でATPを作る

 

 

 

この2つは、作られる「ATP」の数が違います。

 

 

 

無酸素での作り方だと、1分子のブドウ糖から、「ATP」は2分子作られます。少ないです。

 

 

 

でも、酸素を使えば、1分子のブドウ糖から、「ATP」は38分子作られます。なかなかです。

 

 

 

 

次に脂質です。

 

 

 

1分子のパルミチン酸(飽和脂肪酸)だと、「ATP」は129分子作られます。高エネルギーです。

 

 

 

 

脂質に比べると、糖質は得られるエネルギーが少ないです。

 

 

 

ご飯やお菓子を、食べても食べても満足できない…という人がいますが、これが原因の1つです。

 

 

 

「ATP」がたくさんあると元気になりますが、「ATP」が少ないとエネルギー不足になります。

 

 

 

糖質は、食べても作られる「ATP」が少ないので、「エネルギー不足」を解消する為に過食してしまう…というわけです。

 

 

 

 

 

ATPの合成経路

 

 

 

「ATP」を合成する反応ルートは複数あります。以下がその名称です。

 

 

 

  • 解糖系(かいとうけい)

 

  • クエン酸回路(くえんさんかいろ)

 

  • 電子伝達系(でんしでんたつけい)

 

 

 

これらの反応が起きる場所は以下になります。

 

 

 

  • 解糖系・・・・・・細胞質基質(さいぼうしつきしつ)

 

  • クエン酸回路・・・ミトコンドリアのマトリックス

 

  • 電子伝達系・・・・ミトコンドリアの内膜(ないまく)

 

 

 

解糖系とクエン酸回路と電子伝達系

 

(ATPを作っている場所)

 

 

 

反応については、以下の記事でお話します。

 

 

 

エネルギー代謝について分かりやすく説明してみたへ続く

 

 

 

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