記事一覧

鉄の過剰摂取について分かりやすく説明してみた

「鉄」は必須ミネラルの中でも、特に重要な役割を果たしています。

 

 

鉄不足にならないように、積極的に摂りたいところですが、過剰摂取は危険なので、そのことについて触れておきます。

 

 

 

(追記)こちらの記事の内容は、以下の記事で訂正しています。合わせてお読み下さい。

 

鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事

 

 

 

スポンサーリンク

 

鉄は再利用される

 

 

 

鉄は、生命の維持に欠かせない栄養素です。

 

 

体内の鉄は大切なのでリサイクル機能があります。

 

 

赤血球は寿命を迎えると、脾臓で壊されます。

 

 

 

この時、他の成分は分解されて排出されますが、「ヘモグロビン」に含まれていた鉄のほとんどは再利用されるのです。

 

 

このように、鉄は生命の維持に欠かせないからこそ、体の外に逃がさないシステムになっています。

 

 

 

ただし、女性の場合は生理がありますから、毎月大量の鉄(血液)を失う事になります。

 

 

 

 

鉄を摂りすぎてしまったら

 

 

 

「鉄の働き」は、大きく分けて3つです。

 

 

 

  • 機能鉄 ・・・体の機能をサポート

 

  • 貯蔵鉄 ・・・鉄を保存して、無くなった時に使う

 

  • 組織鉄 ・・・爪や髪や皮膚等の組織に含まれている

 

 

 

 

他に「血清鉄」、「運搬鉄」というのもあります。詳しくは以下で説明しています。

 

鉄の働きについて分かりやすく説明してみた

 

 

 

この中でも重要なのが、生命の維持にかかわる機能鉄です。

 

 

 

機能鉄の一つである「ヘモグロビン」は、酸素を運搬しなければなりません。従って、鉄のほとんどは優先的に赤血球(の中のヘモグロビン)を造る為に使われます。

 

 

 

 

 

 

その残りが「貯蔵鉄」や「組織鉄」に回されます。

 

 

なので、鉄が不足した時には、それ以外の優先順位の低いところから減っていきます。順番は、以下のようになります。

 

 

 

 

 

①貯蔵鉄

 

 

②血清鉄

 

 

③材料である血清鉄がない為ヘモグロビンが造れない(貧血)

 

 

 

 

 

みての通り「貯蔵鉄 ちょぞうてつ」はストックですので、真っ先に減っていきます。

 

 

 

財布のお金がなくなった時に、銀行の貯金を切り崩して、手元の財布のお金は0にしないようにするのと似ていますね。

 

 

 

この「貯蔵鉄」は、肝臓、脾臓、筋肉等にあります。これらが正規の貯蔵場所です。

 

 

 

もし鉄を過剰に取ると、貯蔵するところが一杯になります。

 

 

 

すると、「本来貯蔵すべきでない箇所」にも鉄が貯蔵されます。

 

 

 

こうなると、「鉄を外に逃がさないシステム」は逆効果です。過剰分の鉄の排出が難しくなります。

 

 

では、鉄はどれくらい摂ったらヤバイのでしょうか。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

鉄の許容量と、それを越えた場合の症状

 

 

 

鉄の許容量が以下になります。

 

 

 

『wikipedia 鉄』より引用

 

 

鉄分の許容量

 

 

米国科学アカデミーが公表している DRI 指数によれば、ヒトが1日のうちに許容できる鉄分は、大人で45 mg、14歳以下の子供は40 mgまでである。

 

 

摂取量が体重1 kgあたり20 mgを超えると鉄中毒の症状を呈する。鉄の致死量は体重1 kgあたり60 mgである。

 

 

6歳以下の子供が鉄中毒で死亡する主な原因として、硫酸鉄を含んだ大人向けの錠剤を飲み過ぎるケースがあげられる。

 

 

なお、遺伝的な要因により、鉄の吸収ができない人々もいる。

 

 

第六染色体のHLA-H遺伝子に缺陥を持つ人は、過剰に鉄を摂取するとヘモクロマトーシスなどの鉄分過剰症になり、肝臓あるいは心臓に異変を来す事がある。

 

 

ヘモクロマトーシスを患う人は、白人では全体の0.3 - 0.8 %と推定されているが、多くの人は自分が鉄過剰症であることに気づいていないため、一般に鉄分補給のための錠剤を摂取する場合は、特に鉄欠乏症でない限り、医師に相談することが望ましい。

 

 

 

大人で45 mg、14歳以下の子供は40 mgまでである・・・とあります。

 

 

 

この記事の下の「レバー100gに含まれているビタミン・ミネラルの表」によると、レバー100gあたりに、鉄は9mg含まれています。

 

 

 

ということは、45gの鉄をレバーから摂ろうとしたら、レバー500gを食べる必要があるということです。

 

 

 

普通はレバーを500gも食べません。

 

 

 

従って、普通に食事から鉄を摂る場合、過剰摂取の心配はないでしょう。特殊な病気の人を除いては...。

 

 

 

過剰摂取でなる病気

 

 

 

先程説明したように、鉄の過剰摂取で余分な鉄が蓄積していくと、以下のような病気に発展します。

 

 

 

 

  • 心筋症

 

 

  • 心不全

 

 

  • 肝硬変

 

 

  • 糖尿病

 

 

 

 

これらの病気になるまで、これといった症状がないのだそうです。

 

 

しかし、一度にたくさん摂りすぎた場合は、下痢・便秘・吐き気・嘔吐等の胃腸症状が急性の症状として出るそうです。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

鉄が余る

 

 

 

体の中の鉄は、以下に含まれています。

 

 

 

  • ヘモグロビン

 

 

  • ミオグロビン

 

 

  • トランスフェリン

 

 

  • フェリチン

 

 

  • ヘモシデリン

 

 

 

 

これらはすべて「たんぱく質」と「鉄」がくっついた形になっています。

 

 

 

タンパク質 + 鉄

 

 

 

例えば「ヘモグロビン」なら、「グロビンというタンパク質」と「ヘムという鉄を含む赤い色素」がくっついた形になっています。

 

 

 

グロビン(たんぱく質) + ヘム(鉄) = ヘモグロビン

 

 

 

で、それぞれ、どこに存在しているのかというと、

 

 

 

 

  • ヘモグロビン → 赤血球の中にある

 

  • ミオグロビン → 筋肉組織の中にある

 

  • トランスフェリン → 血液(血しょう)の中にある

 

  • フェリチン・へモジデリン → (肝細胞内や肝・脾の網内系細胞内)に貯蔵

 

 

 

しかし、「鉄を貯め込むことができるたんぱく質」には限りがあります。

 

 

従って、鉄の供給が多すぎた場合、鉄が余ってしまします。

 

 

この「タンパク質」のパートナーがいない鉄・・・

 

 

これがよろしくないわけです。

 

 

 

タンパク質と結合していない鉄は危険

 

 

「タンパク質というパートナーがいない鉄」は、身体の中で「過酸化水素」と化学反応を起こします。

 

 

この化学反応が問題で、ヒドロキシラジカルに変化します。

 

 

 

独身の鉄と過酸化水素で誕生した「ヒドロキシラジカル」とは、

 

 

 

『wikipedia ヒドロキシルラジカル』より引用

 

 

ヒドロキシルラジカル (hydroxyl radical) はヒドロキシ基(水酸基)に対応するラジカルである。

 

 

•OH と表される。いわゆる活性酸素と呼ばれる分子種のなかでは最も反応性が高く、最も酸化力が強い。

 

 

糖質やタンパク質や脂質などあらゆる物質と反応する。

 

 

しかし、その反応性の高さゆえ通常の環境下では長時間存在することはできず、生成後速やかに消滅する。

 

 

過酸化水素への紫外線の照射や、酸性条件で過酸化水素と二価の鉄化合物を触媒的に反応させる方法(フェントン反応)によって生成される。

 

 

酸化力が強力で、寿命は短くて、さらに体内の脂質を酸化させてしまう厄介な活性酸素です。

 

こういった性質をもつわけですから、発生すれば、当然細胞を傷つけます。

 

 

しかも、余った鉄は、

 

 

肝臓、心臓、膵臓、胃、脳等に蓄積しやすいそうなので、活性酸素の影響を受けやすいと言えます。

 

 

鉄は、不足もヤバイですが、たくさん摂りすぎて体内で余ると良くないのです。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

過剰症の原因

 

 

 

鉄過剰の原因は様々です。「病院で処方される鉄剤」や「注射」や「輸血」、そして「鉄を吸収できない人」といったケースです。

 

 

ですが、食事で量をオーバーすることは考えられません。

 

 

先程紹介した、「レバー100gに含まれる鉄の量」から考えても、常識的な量の食事をしていれば、鉄を摂りすぎることはないと思います。

 

 

 

なので、鉄が過剰になる原因は、サプリメントでしょう。

 

 

 

 

というわけなので、過剰摂取には注意して下さい。

 

 

 

健康体の人であればサプリメントに頼らなくても食事で十分ではないかと思っています。(※病的な欠乏をしていたら対処は変わってくると思いますが。)

 

 

それに食品の方が、鉄以外の栄養素も摂れるのでお得です。

 

 

例えばレバーですと、

 

 

『カロリーSlism 鶏レバー 』より引用

 

 

%e3%83%ac%e3%83%90%e3%83%bc%e6%a0%84%e9%a4%8a

 

 

 

このように、レバー(食品)からだと、ビタミンやミネラルが色々摂れてしまうわけです。

 

 

ちなみに、私は現在、4日連続でレバーを食べています(一日100gくらい)が、少々体が暖かくなったと感じています。最近気温が低いのですが、寒くても、体が暖かいです。

 

 

寒さ対策は、「毛細血管を破壊する糖質」を制限し、「脂質」、「タンパク質」を摂り、さらに「鉄」を加えると効果が高くなるのではないかと思います。

 

 

 

一応、これからも観察してみたいと思います。

 

 

(追記)この記事を訂正します

 

 

この記事は、定説に基づいて、2016年の11月に書いたものです。

 

 

この時は、鉄過剰の心配をしていて「サプリは飲まない方が良い」と判断しました。

 

 

 

しかし、その後調べると、口から摂取した鉄は吸収されない仕組みになっていることが分かりました。

 

 

そして、鉄のサプリを飲み始めて、食事から鉄を摂る場合と比較したところ、サプリメントの効果が圧倒的でした。

 

 

 

試した結果の話が以下になります。

 

 

鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事へ続く

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

鉄の働きについて分かりやすく説明してみた

 

「必須ミネラル」は、全部で16種類あります。今回はこの中のについてお話したいと思います。

 

 

%e5%bf%85%e9%a0%88%e3%83%9f%e3%83%8d%e3%83%a9%e3%83%ab

 

 

 

ミネラルの種類は、約100種類です。

 

 

その中の「生きていく上で欠かせないミネラル」のことを必須ミネラルと呼びます。

 

 

ミネラルがないと生きていくことはできませんし、ミネラルは体の中で造り出すことが出来ないので、食事から摂る必要があります。

 

 

「ミネラルの役割」を簡単に説明すると、体の調整役です。

 

車で例えるとエンジンオイルのようなものです。

 

 

 

そのミネラルの中でも、「鉄」はかなり重要な役割を果たしています。

 

 

 

ただし、「この中で鉄が一番大事」という意味ではありません。

 

 

ミネラルは、お互い協力し合って働くので、「どれか一つだけ摂れば良い」というわけではないのです。

 

 

鉄が機能する為には他のミネラルの力も必要です。

 

 

従って、ミネラルはバランスよく摂る必要があります。

 

 

 

ここで、「バランス」という表現について誤解のないように言っておきます。

 

 

私は常に「バランスの良い食事」を否定しています。「人間は動物食性だから、偏った食事でも動物性食品が人間には合っている」と言っています。

 

 

では、何故私が「ミネラルのバランス」は重要視するのに、「食事の栄養のバランス」はないがしろにするのかと言うと、

 

 

食事(タンパク質15~18%・脂質20~25%・炭水化物50~60%)のバランスは、人間の体の設計図を無視したバランスだから否定しているのです。理に適っていないからです。

 

 

それに対し「ミネラルがチームワークで働いている」のは事実なので、このバランスは理に適ったものであり、無視するべきではないと考えます。

 

 

「バランス」という言い方よりも、「必要なものを必要なだけ摂り、不要なものは摂らない」という言い方が適しているかもしれません。

 

 

 

というわけで、本題であるの話をします。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

鉄の使い道

 

 

人間の体内にある鉄の量は、約3g~5gほどだそうです。

 

 

鉄は、体の中で色々な事に利用されます。

 

その働きを表す言葉は、調べるとこれだけ見つかります。

 

 

 

  • 機能鉄

 

 

  • 貯蔵鉄

 

 

  • 組織鉄

 

 

  • 運搬鉄(運送鉄)

 

 

  • 血清鉄

 

 

 

5つか...と思ったのですが、実は人によって分類がバラバラです。

 

 

「鉄は、「機能鉄」と「貯蔵鉄」の2つに分けられる」と書いてあったり、

 

 

「鉄は、「機能鉄」と「貯蔵鉄」と「組織鉄」の3つに分けられる」と書いてあったり、

 

 

「運搬鉄」とか「血清鉄」という言葉もでてくる。

 

 

 

・・・これでは混乱します。

 

 

なので、誰のどんな説を読んでも対応できるように、それぞれの「言葉の概念」を整理してみました。

 

 

 

機能鉄について

 

「機能鉄 きのうてつ」とは、酸素を運ぶ、酸素を貯蔵する・・・等、機能的な使われ方をする鉄です。

 

 

体内の鉄の約70%が機能鉄になります。

 

 

そして機能鉄は、ほとんどが赤血球のヘモグロビンに含まれています。

 

 

 

 

 

 

そして、筋肉の中にある、ミオグロビンという色素タンパク質も鉄を含んでいるのですが、これも機能鉄に該当します。

 

 

赤血球の「ヘモグロビン」が酸素を運搬する係なら、筋肉の中にある「ミオグロビン」は、「ヘモグロビン」から酸素を受け取って、筋肉の中で酸素を貯蔵する係です。

 

 

 

 

  • ヘモグロビン・・・酸素を運搬する

 

  • ミオグロビン・・・酸素を貯蔵する

 

 

 

 

 

貯蔵鉄について

 

 

万が一機能鉄が不足した時に、補う役割があるのが「貯蔵鉄 ちょぞうてつ」です。

 

その名の通り、鉄のストックです。

 

 

貯蔵鉄には、フェリチンと、へモジデリンの2つのタイプがあります。

 

 

  • フェリチン

 

  • へモジデリン

 

 

そして、「鉄不足」かどうかの判断は、通常の血液検査で測る「赤血球」や「ヘモグロビン」の数値ではなく、「フェリチン」が足りているかどうかで判断します。

 

 

通常の血液検査では赤血球、「ヘモグロビン」は測っても、「フェリチン」は測りません。

 

 

その理由を説明します。

 

 

赤血球に含まれている「ヘモグロビン」の鉄は、「体に酸素を運ぶ」という重要な任務があるので、鉄が不足した時も、優先的に鉄が回されるようになっています。

 

 

そういうシステムなので、例え、体全体で鉄が不足していても、ヘモグロビンの数値が足りていれば、一見、鉄があるように見えてしまいます。

 

 

いつでもお金が入っている財布(ヘモグロビン)をみても、その背景にある資産(貯蔵鉄)がどれだけあるかわからないのと一緒です。

 

 

財布にお金が入っていても、貯金がないなら「貧乏」ですね。

 

 

それと同じように、赤血球、ヘモグロビンは問題なくても、フェリチンが低いなら、立派な「鉄不足」です。

 

 

フェリチンは最低50なければ「鉄不足」、理想は100です。

 

 

フェリチンと鉄不足について分かりやすく説明してみた

 

 

そして、この後紹介する「血清鉄」も「貯蔵鉄」と見なされているそうです。

 

 

 

組織鉄について

 

 

「組織鉄 そしきてつ」とは、髪の毛、爪、皮膚などの組織に含まれている鉄です。

 

割合は少なく、5~10%ほどだそうです。

 

 

「貯蔵鉄」が底をついたら、次はこの「組織鉄」が減ることになります。

 

 

 

 

運搬鉄(運送鉄)と、血清鉄について

 

最後に「運搬鉄 うんぱんてつ(運送鉄 うんそうてつ)」と、「血清鉄 けっせいてつ」について分かる範囲でお話します。

 

 

整理していて一番微妙だったのが、この「運搬鉄(運送鉄)」です。検索してもほとんどヒットしなかったので、もしかしたら、この表現は一般的じゃないのかもしれません。

 

 

というわけなので、間違っていたと分かった時点で書き直します。

 

 

 

「トランスフェリン」と言う鉄を運搬するタンパク質があります。

 

 

このトランスフェリン(タンパク質)は、血しょうの中に含まれています。

 

 

「血しょう」とは、血液の液体部分です。

 

 

%e8%a9%a6%e9%a8%93%e7%ae%a1

 

 

 

この液体の中には、「わずかな量のタンパク質」が色々と含まれています。

 

 

その中の一つが「トランスフェリン」です。

 

 

 

%e3%83%88%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%82%b9%e3%83%95%e3%82%a7%e3%83%aa%e3%83%b3

 

 

「トランスフェリン」の仕事は、鉄とくっついて、体内の各細胞に鉄を運搬することです。だから、これが「運搬鉄」のことかもしれません。

 

 

しかし、この「トランスフェリン」というタンパク質と、鉄がくっついたものを血清鉄と言います。

 

 

トランスフェリン + 鉄 =血清鉄

 

 

 

血清鉄は、「血清という液体に含まれている鉄」の事です。

 

 

「血清鉄」の方は、「貯蔵鉄」と見なされる・・・という説もあります。

 

 

で、この血清鉄が、赤血球に含まれている「ヘモグロビン」の原料になります(ヘモグロビンは機能鉄なので、ややこしいです)。

 

 

血清とは、血液を放置した時に上澄みとして残る黄色の液体の事です。「血清」と「血しょう」はそんなに違いません。

 

 

フィブリノゲン(凝固因子)が含まれているか、いないかの違いです。

 

 

「血しょう」からフィブリノゲンなどの凝固因子が除かれたものが「血清(凝固因子が入っていない清い血)」です。詳しくは以下をご覧下さい。

 

 

『健康になれる本 「血清」と「血漿」の違いは?』

 

 

  • 「血しょう」・・・凝固因子あり

 

 

  • 「血清」・・・凝固因子なし

 

 

スポンサーリンク

 

 

「トランスフェリン」と「ヘモグロビン」の違い

 

 

鉄は、単体だと人体に有害です。

 

 

なので、常に「なんらかの鉄結合タンパク質」とセットになって存在しています。セットだと安全なのです。

 

 

で、「鉄を運搬するトランスフェリン」も「酸素を運搬するヘモグロビン」も、中にを含んでいます

 

 

そして、「トランスフェリン」と「ヘモグロビン」は、「血液の中に存在して、何かを運搬する」という点で似ています。

 

 

 

  • トランスフェリンは、液体である「血しょう」の中に存在していて、を運びます。

 

  • ヘモグロビンは、血球である「赤血球」の中に存在していて、酸素二酸化炭素を運びます。

 

 

 

 

 

%e9%81%95%e3%81%84

 

 

 

各細胞に鉄を渡すのが仕事の「トランスフェリン」と違って、

 

「ヘモグロビン」は、「ヘモグロビンを包んでいる赤血球」が壊れるまで鉄を持ったままです。

 

 

 

 

鉄の役割・まとめ

 

 

以下の2つは、

 

 

  • 運搬鉄 → 血清鉄のことかもしれない

 

 

 

  • 血清鉄 → 血清鉄は貯蔵鉄の一つと見なされる

 

 

ということなので、曖昧です。

 

 

情報が確実な以下の3つを覚えておけば十分でしょう。

 

 

 

  • 機能鉄

 

  • 貯蔵鉄

 

  • 組織鉄

 

 

 

体内の鉄で重要なのは、機能鉄です(その中の「ヘモグロビン」)。

 

 

何故なら、「ヘモグロビン」には、体の細胞に酸素を届けるという重要な任務があるからです。従って、体の中の鉄は、「機能鉄」の大半を占める「ヘモグロビン」に最優先で回されます。

 

 

そういう事情があるので、例え鉄が不足しても、とりあえず「ヘモグロビン」の鉄は確保しないといけません。

 

 

従って、優先順位の低いその他のところの鉄から枯渇していきます。

 

 

鉄が不足していく過程は以下です。

 

 

 

①貯蔵鉄が減る

 

 

②血清鉄が減る

 

 

③ヘモグロビンの原料の血清鉄がないのでヘモグロビンが造れない

 

 

 

 

③でフラフラになった頃には、体内の鉄はほとんどないという事です。

 

 

鉄の過剰摂取について分かりやすく説明してみたへ続く

 

 

スポンサーリンク

 

血液と赤血球とヘモグロビンについて分かりやすく説明してみた②

血液の成分を大雑把に分けると、液体である「血しょう」と、

 

球体である「赤血球 せっけっきゅう」、「白血球 はっけっきゅう」、「血小板 けっしょうばん」の4つに分けられます。

 

 

 

前回は、血液の中の赤血球と、その「赤血球」の大部分を占めているヘモグロビンについてお話をしました。その続きになります。

 

 

血液と赤血球とヘモグロビンについて分かりやすく説明してみた①

 

 

 

%e3%83%98%e3%83%a0

(「赤血球」という柔らかい袋の中に「ヘモグロビン」が入っています。)

 

 

 

この「赤血球」は、酸素を体の隅々まで配達してくれる細胞です。

 

 

とても柔らかくできており、赤血球よりも細い毛細血管の中を通過することができます

 

 

 

スポンサーリンク

 

酸素が運ばれる流れ

 

 

酸素が各細胞へ届けられる流れは、以下の通りです。

 

 

 

①空気を吸って肺に酸素が入る

 

 

②肺に入った酸素は、血管の中を流れる赤血球にくっつく

 

 

③酸素は赤血球に乗って、全身の細胞へ届けられる

 

 

 

 

ふざけた言い方をすれば、

 

 

「赤血球という車」の中に収納されている「ヘモグロビンに含まれる鉄」に、「肺から取り込んだ酸素」を乗せて、体の組織に酸素を配達しているわけです。

 

 

酸素を運べるのは、「ヘモグロビン」に含まれるのお陰なのです。

 

 

もし鉄がなかったら、酸素を体の組織に運べないので、体が酸欠になります。

 

 

は大事です。

 

 

 

この「ヘモグロビン」は、酸素の多い所では積極的に酸素と結びつきますが、酸素の少ない所では、持っていた酸素を離す性質を持っています。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

ヘモグロビンの構造

 

 

血液 赤血球 → ヘモグロビン

 

 

と、話を展開してきたわけですが、赤血球にある「ヘモグロビン」の構造は以下のようになっています。

 

 

ヘム + グロビン = ヘモグロビン

 

 

「ヘム」は鉄を含んだ色素、「グロビン」はタンパク質です。

 

 

ちなみに、「ヘム」はこんな構造です。

 

 

鉄 + ポルフィリン = ヘム

 

 

 

このヘムが赤いので、「ヘモグロビン」が赤いのです。

 

 

そしてこれが「赤血球」の赤、「血液」の赤です。

 

 

 

 

変化する血液の色

 

 

実は、血液の色は変化します。

 

指先を切った時は、鮮やかな赤色です。それに対し、検査などで採血をした時、その色は深い赤だと思いませんか。

 

 

実は、この色の違いは、血液に含まれる酸素の量で変わってきます。

 

 

酸素が多いと、色は鮮やかに、

 

酸素が少ないと、色は暗く重たくなります。

 

 

 

心臓から出発した血液を脈血と言います。行きの血液は、ヘモグロビンに酸素がくっついています。従って、鮮やかな赤色に見えます。

 

 

反対に、心臓に帰ってくる血液を脈血と言います。帰りの血液は、酸素を供給し終え、なおかつ二酸化炭素を多く含んでいるので、暗く沈んだ赤色に見えます。

 

 

 

ちなみに、検査などで採血する時は、後者の静脈血を取ります。だから採血の時はドス黒い血なのです。

 

 

 

どうして静脈血をとるかというと、静脈は帰りの便なので、血の勢いも弱く、血管も皮膚のすぐ下にあるので刺しやすいからだそうです。

 

動脈は体の深いところにあり、勢いもあるので止血が大変なんだそうです。(※でも動脈注射もあるみたいです。)

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

生き物の血は赤だけではない

 

 

酸素によって色の濃さが変わるとはいえ、人間の血液は赤です。

 

 

でも、「全ての生き物の血」が赤いわけではありません。

 

 

人間の血液が赤いのは、「ヘム」という色素をもつ「ヘモグロビン」のお陰でした。この「ヘモグロビン」は、主に背骨のある動物(脊椎動物)の血液に含まれている成分です。

 

なので、それ以外の生き物の中には、「ヘモグロビン」ではない成分をもっていたりします。

 

 

 

イカやタコ等、「ヘモグロビン」の代わりにヘモシアニンという成分をもっている生き物がいます。

 

ヘモシアニンも「ヘモグロビン」同様に、酸素を運搬できます(十分の一のパワーだそうですが)。

 

 

「ヘモグロビン」にはが含まれていますが、「ヘモシアニン」にはが含まれています。

 

 

 

  • ヘモグロビン・・・鉄

 

  • ヘモシアニン・・・胴

 

 

 

この胴を含むタンパク質は、酸素と結合した時に青色に見えるそうです。

 

これについては、以下に詳しく解説してありました。

 

 

『富戸の波 第355回  血と骨 - 14 銅のまやかし』より引用

 

ヘモシアニンの名もフレデリックが名付けたもので、ギリシャ語の

 

Hemo = 血

 

Cyan = 青色

 

 

を組み合わせた語で、文字通り「青い血」を表しているのです。

 

 

ヘモシアニンの「ヘモ」はヘモグロビンと同じ「ヘモ」、「シアニン」は青酸カリのシアン化カリウムと同じ「シアン」です。

 

 

このヘモシアニンは酸素との強い親和性が発見時から知られており、脊椎動物のヘモグロビンと同じ働きをするものであると考えられていました。

 

 

ヘモシアニンによって酸素を運搬するのはイカ・タコ・貝類の軟体動物や、エビ・カニの節足動物などが知られています。

 

 

但し、同じ節足動物でも昆虫はヘモシアニンを持っていません。

 

 

興味のある方は、引用元をご覧下さい。上の続きのページが以下になります。

 

『富戸の波 第356回  血と骨 - 15 ヘモシアニンの円柱』

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

赤血球はどこで造られるのか

 

 

赤血球の寿命は約120日と言われています。

 

 

そして、古くなった赤血球は、肝臓秘蔵で壊されます。

 

 

 

一方、造られる場所ですが、一般的に赤血球は、骨髄で造られている・・・と言われています。

 

 

ですが、この意見に真っ向から対立する説があります。

 

 

私はこれまで、医療や栄養の一般論はいい加減だと書いてきましたが、この「赤血球」に関しても、同じように感じていました。その事をすっかり忘れていたのですが、この記事を書いていて思い出しました。

 

 

 

それが「腸造血説 ちょうぞうけつせつ」です。

 

 

『嘘八百のこの世界 「血は骨でなく腸で造られる?白血病は癌ではない?」』より引用

 

もっとも原始的な原生動物のアメーバやゾウリムシなどを除いて、すべての動物たちは血液の構成要素である血球を持っています。

 

 

骨がないイカやタコにも血球は存在しますし、イソギンチャクやヒドラなどの腔腸動物、ミミズやゴカイなどの環形動物でさえ、血球(または血球様遊走細胞)を持っています。

 

 

血液(血球)が骨髄で造られるとするならば、これら骨のない動物の血液はいったいどこで造られているのでしょうか?

 

 

こんなことを考えていた私は、ある日、新宿御苑の池で食用ガエルの大きなオタマジャクシを見つけ、研究室に持ち帰り、早速、その血液を調べてみました。後日、カエルについても同様のことを行いました。

 

 

すると、驚いたことに、オタマジャクシもカエルも、ほとんど違いは見られなかったのです。

 

 

ご存知のように、オタマジャクシには手足がなく、造血を行うはずの骨髄といえるものは、体全体でもごくわずかです。にもかかわらず、手足がしっかり形成されているカエルとほとんど血液の状態は変わりません。唯一、オタマジャクシの血液には、卵生時代の名残りである卵黄球という物質が見られるだけでした。

 

 

オタマジャクシとカエルの血液が同じなら、同じ組織で、同じシステムによって血液が生み出されているはずです。

 

 

オタマジャクシのときは別のところで造血され、カエルになったら骨髄で・・・というのは、生命において最も大切な「造血」という作業が、その動物の個体において、ある時期からまったく別の場所(臓器組織)に引っ越すという考え方で、どう考えても不自然ではありませんか。

 

 

こうした実験結果によって、ますます「骨髄造血説」に疑いをもった私は、今度は人間の血液を調べ始めました。

 

 

当時、私がインターンとして住み込み勤務していた病院は、旧陸軍の病院で、第二次世界大戦で負傷され、帰還された傷痍軍人の方々が多くいらっしゃいました。その中には、不幸にして、両手両足を切断された方もおられました。

 

 

両手両足がないということは、人体の全骨髄組織の90%以上を失っているということです。だとすれば、この方たちは造血が難しく、極度の貧血状態にあるはずです。

 

 

そこで私は、両手両足を失われた何人かの方にお願いしてご本人の許可をいただき、血液を調べさせていただきました。

 

 

その結果は、貧血どころかまったくの正常値の範囲であり、赤血球にいたっては、一般の方たちよりも10%も多かったのです。

 

 

私はこうした事実を確認できたことで、いよいよ「骨髄造血説」は間違いであるという確信を抱くに至ったのです。

 

 

現代医学の「赤血球は骨髄で造られる」という説では、以下の点が説明できないのです。

 

 

  • 骨が無い生き物 → 血液はどうやって造られるのか

 

  • 骨を失った人 → 血液が造られにくくなるはずだが、貧血ではない

 

 

 

そして、赤血球は骨髄ではなくで造られているという「腸造血説」は以下のようなものです。

 

 

『腸造血説とは』より引用

 

現代医学は、血液は骨髄で作られるという「骨髄造血説」が基盤となっており、 再生不良性貧血や白血病等、血液のガンと言われる病気に対しては、骨髄移植が唯一の手段と言われています。 でも、はたしてそうなのでしょうか?

 

 

昔、千島博士と森下博士と言われる方が、40年近い歳月を費やした調査・研究の成果として、「腸造血説」を学会に発表されました。

 

 

「腸造血説」とは、食べた食物は胃腸で消化され、最終的に小腸から吸収されますが、 吸収された栄養分はお臍付近のリンパ節の密集した「丹田」と言われる個所で赤血球に変換され、一部が白血球になり、 さらにその一部が細胞に変わる、という説で、細胞は細胞分裂でしか作られないとする骨髄造血説を否定しています。

 

 

「丹」とは赤(血液を指す)で「丹田」とは血液が作られる田んぼのこと。 昔の人はうまいことを言ったものです。

 

 

学会では、現代医学の基盤である「骨髄造血説」を否定するものであるため、直ちに抹殺されてしまったようですが、 いずれの学説でも、未だに血液の発生するメカニズムの確固たる証明は出来ていないと聞いています。

 

 

骨髄造血説は、「10日前後食物を与えなかった動物の骨髄を開くと血が存在する」という実験結果が根拠になっているそうですが、 「健康な動物の骨髄には脂肪細胞しか見つからない」、また、なぜ長期間食物を与えなかったのか、など私も信憑性が疑わしいと思っています。 (腸造血説では、骨髄で見つかる血液について、断食等で体内に血液が不足した場合、 蓄えられた脂肪等が再度血液に変換されたものと見ている。)

 

私たちも以下の理由により「腸造血説」を支持しています。

 

 

人間の祖先である鳥は、肛門付近のファブリキウス嚢というリンパの集中している場所で血液が作られているのが証明されていること。

 

 

骨のない動物や、まだ骨のできてない卵の中にも血液が存在すること。

 

 

再生不良性貧血や白血病と言われた人が、基本臓器を中心とした手当てと血液の元となる「胚芽」や「葉緑素」の摂取で、 快復した多くの事例があること。

 

 

骨髄造血説の根拠が生体から切り取った細胞を試験管等で調べた結果に基づくものであるのに対し、 腸造血説は生きたままの状態で長期間観察した結果に基づくものであること。

 

 

 

片方が「骨髄だ」と言い、片方が「腸だ」と言う。

 

 

またか・・・。

 

 

これほど医学が発達しているのだから、簡単に調べられそうなのに意見が割れています。

 

 

で、私がどちらを信じているかというと、現段階では、どちらも信じていません。

 

 

スポンサーリンク

 

 

骨髄造血説も腸造血説もどちらも信じられない理由

 

 

一見、現代医療を批判し、真実を突き止めているかのように見える「腸造血説」ですが、この説を支持している人たちの主張を見てみると、私が調べた限り、植物性の食品を良しとし、動物性の食品を悪者にしている傾向があります。また断食なども良しとしています。

 

 

この点がひっかかるのです。

 

 

「肉を食べるのは相応しくない」と考えるのは、動物食性動物である人間の食性に反しています。肉を食べないようにすると、タンパク質不足になります。

 

 

「人間が肉食か草食かは、歯を見れば分かる」という説は正しいのか

 

 

そして、人間は植物性の食品を食べると、食性に反するため、不具合が起きます。糖質の害がいい例です。

 

 

また、ガン細胞はブドウ糖を餌としているので、肉をさけて植物性の食品ばかり食べると、そこから摂取したブドウ糖により癌が増殖します。

 

 

余命わずかの末期癌患者が退院できたのは病院での栄養療法のおかげだった!

 

 

癌になるような現代医療を否定しながらも、癌を増やすような食事を推奨しているのです。

 

 

「腸造血説」の創始者が活躍した時代ならともかく、現代は、糖質制限の理論が普及し、糖質の害の情報が広まってきました。

 

 

普通の人ならともかく、健康に携る人がこの事実を知らないはずがありません。それにも関わらず。「糖化」を無視し、植物性の食品で健康になると言い張る時点で胡散臭く感じます。

 

 

私も、糖質制限をする前は、腸造血説や、それに関する食の話を読んで納得していました。いわゆる、肉が良くなくて、植物性の食品が良いとか、断食が良いとか、ですね。

 

 

しかし、糖質制限を始めて、動物性食品の重要性や、糖質の害について分かった今では、そのように思いません。

 

 

動物性の食品が悪くて、植物性の食品が良いというのは真っ赤な嘘です。

 

 

その証拠が消化具合です。

 

 

一般的には、人間にとって消化が良いのは植物性食品で、動物性食品は体に悪い となっていますが、実際は逆です。

 

 

以下の記事にも書きましたが、消化に良いのは植物性の食品ではなく、30分で消え動物性の食品でした。

 

 

消化に良い食品の嘘。慢性的に胃がもたれる人は糖質の過食を疑え!

 

 

 

そして、夏井睦氏の記事より、寿司(魚+ご飯)を食べた男性の胃の中の写真を紹介します。

 

『新しい創傷治療 消毒とガーゼの撲滅を目指して 2014/08/06』より引用

 

 

40代男性、昼に寿司を食べた後4時間後に急に立てなくなるほどの腹痛が出現し救急車にて搬送された患者さんです。当院外来医が胃アニサキス症を疑い、私が緊急内視鏡検査をしました。

 

 

食べてから5時間後の内視鏡画像ですが、寿司ネタは見事に消化され、魚の面影はまるでありませんが、シャリだけは見事に残っています。これを見てもご飯が如何に消化が悪いかが分かります

%e5%86%85%e8%a6%96%e9%8f%a1

 

 

 

 

ご飯(植物性)→ 消化に悪い

 

魚(動物性) → 消化に良い

 

 

 

こんな事は、すぐに調べられることですが、それでも、まだ、逆の事が信じられています。

 

 

何故、動物性の食品の消化は早いのか・・・その答えは、それが人間の体に合っているからでしょう。得意なものは早く、苦手なものは遅いのです。体に合っているものが悪いものだとは思えません。

 

 

 

にも関わらず、いまだに「肉は消化に悪い」とか、「癌の原因になる」とか言っている人を、私は信じることができません。

 

 

 

「腸造血説」を唱える人は、何故か、人間の体に合う消化に良い肉を悪者にしているのですが、胃の消化構造が見えていない人が、腸については正確に分かるものなのでしょうか。不思議でなりません。

 

 

従って、「骨髄造血説」も、「腸造血説」も信じられないのです。

 

 

鉄の働きについて分かりやすく説明してみたへ続く

 

 

スポンサーリンク

血液と赤血球とヘモグロビンについて分かりやすく説明してみた①

 

 

人体の血液の量は、成人男性だと体重の約8%、成人女性だと約7%と言われています。

 

 

4~5リットルぐらいです。

 

 

 

血管の中を流れている血液は、体中のあらゆる組織に、酸素、水分、栄養分等を供給します。

 

 

そして、組織から老廃物を回収します。

 

 

 

本記事は、血液の構成についてお話します。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

血液の構成

 

 

 

血液は、血しょう、赤血球、白血球、血小板からできています。

 

 

 

  • 血漿(けっしょう)

 

  • 赤血球(せっけっきゅう)

 

  • 白血球(はっけっきゅう)

 

  • 血小板(けっしょうばん)

 

 

 

それぞれを具体的に説明していきます。

 

 

 

 

試験管の中に血液を入れて、「血液が固まらない薬」を入れて放置すると、以下のような状態になります。

 

 

 

 

%e8%a9%a6%e9%a8%93%e7%ae%a1

 

 

 

血液は、「液体」と「有形の成分」に分けられます。

 

 

 

 

血漿と血球

 

 

試験管の中の、上の薄い黄色の液体「血しょう」と呼びます。

 

 

 

「血しょう」は、血液の55%を占めています。

 

 

 

一方、試験管の下に沈殿した有形の成分「血球 けっきゅう」と呼びます。

 

 

 

血球には、「赤血球」、「白血球」、「血小板」があり、血液の45%を占めています。

 

 

 

そして、血球のほとんどは「赤血球」です。

 

 

「白血球」と「血小板」はわずかです。

 

 

 

血球は、「血しょう」という液体の中に浮遊しています。

 

 

血漿と血球

 

 

 

 

次は「血しょう」と「血球」の働きについて説明します。

 

 

 

スポンサーリンク

 

血しょうの働き

 

 

 

血しょう(けっしょう)の働きは以下になります。

 

 

 

 

  • 血液細胞、養分、ホルモン、老廃物を運搬する

 

  • 体内恒常性を維持する

 

  • 血液を凝固させる

 

  • 免疫機能

 

  • 血管外に組織液としてしみだす事ができる。これによって細胞に栄養を供給することができる

 

 

 

 

ちなみに、「血しょう」の約90%が水分です。

 

 

水分の他に、有機物、無機塩類(電解質)が含まれています。

 

 

 

 

%e5%9b%b32

 

 

 

液体である「血しょう」は、薄い黄色です。

 

 

しかし、血液は赤です。

 

 

赤く見えるのは、血球の「赤血球」があるからです。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

血球の働き

 

 

血球(けっきゅう)の働きが以下になります。

 

 

 

 

 

 

  • 赤血球・・・酸素の運搬を行なう

 

  • 白血球・・・体内に入った細菌や異物と戦って体を守る

 

  • 血小板・・・血液の凝固や止血を行なう

 

 

 

図にするとこうです。

 

 

 

%e5%9b%b3%ef%bc%91

 

 

 

本記事はこのうちの「赤血球の話」をしていきます。

 

 

 

 

赤血球とは

 

 

「赤血球」の3分の2は、水分になります。

 

 

水分以外の成分のうち、大部分を占めるのが「ヘモグロビン」です。

 

 

割合は、ヘモグロビンが97%、蛋白質が約2%、脂質が約1%です。

 

 

 

先程、「血液が赤く見えるのは赤血球のせいだ」と言いました。なので赤血球の絵を描くと左下の絵のように赤い色になります。

 

 

でも、もっと細かいことを言えば、赤血球の色が赤いのは、赤血球の大部分を占めるヘモグロビンが赤だからです。

 

 

右下の絵の粒々が「ヘモグロビン」です。赤血球の中に「ヘモグロビン」がたくさんあるので赤く見えます。(左のように赤く見えるのは、右のような構造になっているからです)

 

 

%e8%b5%a4%e8%a1%80%e7%90%83

 

 

 

赤いヘモグロビンを皮で包んだものが赤血球のイメージです。

 

 

 

この赤い粒々の「ヘモグロビン」のおかげで、体の隅々まで酸素を運ぶことができるのです。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

ヘモグロビンとは

 

 

ここからは、赤血球の水分以外の大部分、「ヘモグロビン」についてお話します。

 

 

血液検査でよく耳にすると思います。

 

 

「ヘモグロビン」とは、鉄分を含んだタンパク質です。

 

 

 

鉄を含んだ赤色の色素「ヘム」と、タンパク質でできている「グロビン」からなる物質なので、名前が「ヘモグロビン」です。

 

 

 

血液は体中のあらゆる組織に「酸素」を供給すると言いましたが、厳密に言うと、

 

 

「ヘム」の中に含まれている鉄の部分に、酸素がくっつくことで、酸素を運ぶことができるのです。

 

 

 

%e3%83%98%e3%83%a2%e3%82%b0%e3%83%ad%e3%83%93%e3%83%b3%ef%bc%92

 

 

 

これが「鉄不足」がよくない理由です。

 

 

もし鉄がなければ、酸素がくっつかないので、体に酸素が運べないという事態になります。

 

 

すると、体の酸欠で、例えばこんな症状になったりします。

 

 

 

 

  • だるい

 

  • めまいがする

 

  • 眠い

 

  • 集中力の低下

 

  • 動機や息切れ

 

  • 頭痛

 

 

 

「眠い」というのは、脳が体を休ませようとする為眠くなるそうです。

 

 

鉄が足りないとフラフラするのは、「鉄が不足する事で、体が酸欠になるから」です。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

赤血球とヘモグロビンについてまとめ

 

 

赤血球の主な働きは、酸素の運搬です。

 

 

赤血球は、「肺で受け取った酸素」を体の隅々の細胞に供給したり、「二酸化炭素」を受け取って肺まで運びます。

 

 

運搬の鍵を握るのは、「赤血球」の「ヘモグロビン」です。

 

 

「ヘモグロビン」の中に含まれているに、酸素がくっつくので酸素が運べます。

 

 

赤血球が車なら、「ヘモグロビン」は座席です。座席がなかったら乗れません。

 

 

酸素を乗せた「ヘモグロビン」という座席ごと、赤血球が運搬しているイメージです。

 

 

 

そして、赤血球の中で「ヘモグロビン」が不足した状態を貧血と言います。

 

 

 

ヘモグロビンと、ヘモグロビンA1cの違い

 

 

血液検査でよく耳にする「ヘモグロビンA1c えーわんしー」についてお話します。

 

 

 

正常な「ヘモグロビン」に、糖がたんこぶのようにくっついて変質した糖化物質が「ヘモグロビンA1c」です。

 

 

この「ヘモグロビンA1c」は、老化物質AGEに変化する一歩手前の物質です。

 

 

 

老化物質なのでこの値は少ない方が良いです。

 

 

 

健康体の人にもありますが、糖尿病の患者さんは「ヘモグロビンA1c」が2~3倍多いのです。

 

 

ヘモグロビンA1cについて書いた記事が以下になります。

 

糖化反応(メイラード反応)について分かりやすく説明してみた

 

 

血液と赤血球とヘモグロビンについて分かりやすく説明してみた②へ続く

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

ヘム鉄と非ヘム鉄について分かりやすく説明してみた

 

 

貧血の解消には「レバー」や「ホウレン草」を食べると良い・・・という事は知っていると思います。

 

 

ですが、「レバーの鉄」と「ホウレン草の鉄」は厳密にはちょっと違うので、その違いと、どちらを摂った方が良いかについてお話します。

 

 

 

ここが分かっていないと、食べているつもりでも量が足りないということが起きます。

 

 

もし、鉄不足になると、色々と問題が出てきます。鉄は体にとって重要な役割を果たしているからです。

 

 

しかし、

 

 

鉄不足 = 貧血 = フラつく  →  大したことない

 

 

・・・と、軽く考えてしまう人は多いです。

 

 

もちろん、私もこういう発想だったので、人のことは言えません。

 

 

最近、私は「鉄分」を意識して摂っていなかったので、たぶん鉄不足だと思います。「レバーを食べないといけない」と思ってはいるのですが、あんまり好きではないので、たまにしか食べません。

 

 

しかし、これでは鉄不足になります。

 

 

「鉄不足の弊害」と聞いて思い浮かぶのは、貧血ですが、それだけではありません。

 

 

例えば、「子供を生む予定の女性」が鉄不足になると、生まれてくる子供に影響します。ADHDや、歯並びが悪い子供になるリスクがあります。

 

 

 

 

 

また、鉄が足りないと、熱を産生する力が弱くなるので、寒冷に対して体温を保持する能力が弱くなるそうなのです。

 

 

寒がりは何枚着ても寒い。低体温の原因と、冬でも暖かく過ごせる体質に改善する方法

 

 

寒さに強くなるには、脂質やタンパク質も大事ですが、鉄の存在も重要だったのです。

 

 

スポンサーリンク

 

食事から摂る鉄の種類

 

 

は、ミネラルの一種です。

 

そして、食事から摂れる「鉄」には種類あります。

 

 

 

  • 「ヘム鉄」・・・動物性食品に含まれている

 

  • 「非ヘム鉄」・・・植物性食品に含まれている

 

 

 

鉄は、小腸で吸収されます。

 

これら2つのうち、圧倒的に吸収率がいいのは、動物性食品から得られる「ヘム鉄」です。

 

 

その理由をお話します。

 

 

ヘム鉄の特徴

 

 

「ヘム鉄」は、鉄イオン」が「ポルフィリン環」に包まれています。

 

その為、吸収されやすく胃壁や腸管を荒らしません。

 

また、「他の飲食物」によって影響を受ける事は少ない性質があります。

 

ちなみに、ヘモグロビンは、「ヘム鉄」と「グロビン」と言うタンパク質が結合したものです。

 

 

非ヘム鉄の特徴

 

「非ヘム鉄」は、「ポルフィリン環」に包まれていないので、むき出しの鉄です。

 

その為、むき出しのまま吸収された鉄が、胃壁や腸管を荒らすことがあります。

 

また、「一緒に摂取した飲食物」の影響を受けてしまう性質があります。

 

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

吸収率の違い

 

 

吸収率が良いのは、「ヘム鉄」で、「非ヘム鉄」は吸収率が悪いとお話しました。

 

 

  • ヘム鉄・・・吸収率が良い

 

  • 非ヘム鉄・・・吸収率が悪い

 

 

例えば、「非ヘム鉄」を多く含むホウレン草と、緑茶を一緒に飲んでしまうと、せっかく摂った「ホウレン草の鉄分」は吸収されにくくなります。

 

 

「非ヘム鉄」の吸収率は、他の飲食物に影響されるからです。

 

 

 

鉄の吸収率が悪くなる成分

 

 

では、どんな成分に影響されるのかというと、緑茶の場合だと、「タンニン」という成分です。

 

 

「タンニン」とは、ポリフェノールの一種です。緑茶の他に、紅茶、コーヒー、赤ワイン、等に含まれています。

 

 

タンニンは鉄と結合して「タンニン鉄」とう成分になります。

 

「タンニン鉄」は水に溶けにくい性質があるので、腸で吸収されにくくなるので、せっかく鉄分を摂っても体に取り込まれません。

 

 

このような理由から、食事中は「タンニンを含む飲み物」は避けた方がよいでしょう。

 

 

また、食後にコーヒー等の「タンニンを含む飲み物」を飲む場合は、最低でも30分は開けた方がよいと言われています。

 

 

ただし、最近では、「体内の鉄が不足している場合、タンニンは鉄の吸収にほとんど影響しない」という報告もあるそうです。どちらが本当なのかわからないので、どちらの説も鵜呑みにしない方がよさそうです。

 

 

 

鉄分の吸収を阻害する成分は、「タンニン」の他にもあります。

 

「フィチン酸」、「シュウ酸」、「食物線維」、「リン酸塩」、等です。

 

 

 

鉄の吸収率が良くなる成分

 

 

反対に、鉄分の吸収をよくする成分もあります。

 

「ビタミンC」と、「タンパク質」です。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

人間には「ヘム鉄」の方が合う

 

 

こうして、「動物性の鉄分(ヘム鉄)」と「植物性の鉄分(非ヘム鉄)」を比較したわけですが、やはり、人間にとっては「植物性の食品」よりも、「動物性の食品」の方が合うということです。

 

 

そのことが以下にも書かれています。

 

 

『冷え症・むくみ・貧血を改善! 鉄分サプリde鉄分不足解消 鉄分過剰摂取による症状と対策とは?適正な鉄分量を理解すれば副作用も防げます。』より引用

 

 

人間も動物だからなのか分かりませんが、動物性ヘム鉄のほうが吸収率が高いにも関わらず鉄分過剰摂取の症状が出にくいとされています。なので動物性ヘム鉄が多く含まれる肉や魚を積極的に取り入れると安心できますよ。

 

また、鉄分サプリを選ぶ時もヘム鉄を含む商品を選べば安全性が高まります。

 

 

>また、鉄分サプリを選ぶ時もヘム鉄を含む商品を選べば安全性が高まります。

 

 

・・・という意見は、鵜呑みにするべきではありません。何故なら、食事としての「ヘム鉄」は効果がありますが、サプリメントの「ヘム鉄」は効果がないという話があるからです。

 

 

詳しくは以下をご覧下さい。

 

鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事

 

 

 

「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」について、もう少しわかりやすい解説が以下になります。

 

『わかりやすい貧血の知識 鉄分の吸収に数倍の差!ヘム鉄とは』より引用

 

 

ヘム鉄は鉄原子と有機化合物が結びついた有機鉄の1つです。構造は二価鉄という形をとっており、溶けやすくイオン化しやすいのが特徴です。

 

そのためそのまま小腸細胞から消化吸収されていきます。

 

非ヘム鉄は三価鉄という形をとっており、これはサビや無機鉄の鉄イオンの仲間で消化吸収されにくい構造になっています。

 

そのため、非ヘム鉄は消化管内で動物性タンパク質に含まれる消化酵素やビタミンC、胃酸などの還元物質によりヘム鉄(二価鉄)になることで初めて吸収されます。

 

 

一説によると、「非ヘム鉄」よりも、「ヘム鉄」の方が5~6倍吸収率が良いそうです。

 

 

「非ヘム鉄」の吸収率は1~6%、

 

「ヘム鉄」の吸収率は10~20%だそうです。

 

 

※この数字は人によって言う事がバラバラなので、話し半分で捕らえた方がよさそうです。しかし、「非ヘム鉄」より「ヘム鉄」の方が何倍も吸収率がよい事は確かです。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

肉料理の乏しい和食は鉄不足になりやすい

 

 

鉄を積極的に摂りたいなら、動物性の方が効率が良いです。

 

 

特に、レバー、それも鶏よりも豚がオススメです。

 

 

しかし、日本人の場合は、吸収の良い「ヘム鉄」よりも、「非ヘム鉄」の摂取が多いです。食事から摂る鉄の80%以上が「非ヘム鉄」だそうです。

 

 

しかも、食事中にお茶を飲む人は多いので、吸収率も悪いと考えられます。

 

 

ただ、動物性の「ヘム鉄」の摂取が少なくなるのは、分かる気がします。和食は肉料理が発展していないからです。

 

 

内臓料理が盛んでないことから、日本人は肉の食べ方が下手と言えます。

 

 

それは私も同じで、いまでこそ、肉をたくさん食べるようになりましたが、内臓系はどちらかというと今も苦手です。

 

 

味は苦手ではないのですが、調理に困ります。「肉の内臓」を食べる習慣がないので、イメージがわかないのです。

 

 

安いから買おうかなと思うのですが、つい内臓ではない部位を買ってしまいます。

 

 

母親の料理を振り返っても、「レバニラ」とか「レバーの塩焼き」ぐらいしか思い浮かびません。真似できるのは、食べた事があるこのメニューぐらいです...。

 

よく食べていたアン肝は魚ですし、季節限定です。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

内臓料理が豊富な文化

 

 

同じアジア圏でも、お隣韓国は、内臓料理が豊富です。つまり、ヘム鉄を豊富に摂れる環境と言えます。

 

日本と韓国の内臓料理に関して調べてみると、面白い記事がありました。それをまとめると

 

 

  • 日本人が動物の内臓を食べ始めたのは、太平洋戦争後

 

  • それまでは、内臓を食べる習慣がなく、肥料にしたり、捨てたりした

 

  • 一部の地域では馬の内臓を食べていたが、例外

 

  • 中国と関係が深い朝鮮半島は、肉や内臓の食べ方も熟知していた

 

 

 

ということだそうです。そして、興味深い話がここからです。

 

 

『ホルモンから焼肉へ』より引用

 

 なお、ホルモンとは、放るもの(捨てるもの)がなまって→ホルモンとの説はたぶん誤解です。ビタミンとかホルモンとか、医学用語からが正解かと。

 

このホルモン、つまり獣肉はヒトの免疫力を高めるとか。宮塚利雄氏の『日本焼き肉物語』に次のように紹介されてます。

 

 

<伝染病にかかれば、日頃、栄養が悪いので死ぬ率は高かったが、朝鮮の女工はあまり死ななかったねぇ。今考えると、食べ物が違っていたからだろう。日本の女工はよくてもタクアンや目刺しくらいだが、朝鮮人の女工はブタや牛のモツ(臓物)を買ってきて、煮て食べていたから栄養がよかった。

 

 

牛やブタのモツは今でこそ売り物になっているが、当時は捨てるか、畠(はたけ)の肥料にしていた。そんなものだから、貰いにいけばただでくれて、朝鮮人の女工は食べる事ができたのだろうが、それが結果的には、伝染病にかかっても日本の女工に比べて死亡率が低くなって現れたのだろうね。>

 

 

「金賛汀・方鮮「風の慟哭―在日朝鮮人女工の生活と歴史」田畑書店昭和55年」

 

 

<休みの日は月に二回でしたが、その日は2銭か3銭のお金で、天ぷらのような揚げ物を売る店で、野菜の揚げ物などを二つ三つ買って(中略)お金もないので、遊びに行くところもないから、同僚と一緒に浜辺に行ったのです。

 

 

そんな時、鶏肉屋さんで、鳥の足の部分や内臓の捨てる部分を貰ってきて、浜辺で火をたき、鍋にそれらの「モツ」をいれて煮て食べたりもしました。会社の食事では、肉類は絶対に出ませんでしたので、そんな物で栄養を補給したんです。>

 

 

金賛汀 『朝鮮人女工のうた』岩波書店 昭和57年 宮塚利雄『日本焼き肉物語』より転載。

 

 

マーヴィン・ハリスというアメリカの文化人類学者が、ヒトの免疫力を高めるには肉食が有効と説いていますが、この説を実証するようなお話です。食の知恵は大事なんですね。

 

 

「鉄分」とは話がそれましたが、この話からも肉や内臓は免疫力を高める効果があることがわかります。

 

 

動物性食品の摂取量が少なかった昔の日本人には感染症が多かったのです。

 

健康には昔ながらの和食が良い?実は栄養状態が悪かった昭和の子供達

 

 

他の肉食文化の国も、家畜は全部無駄なく使い切っていたりしますよね。このような食べ方であれば、「鉄」も、「タンパク質」もどちらも豊富に摂れます。

 

 

動物は内臓も含めて丸ごと食べる方が栄養的に良いので、日本人も内臓を食べる、調理する習慣を身につけたいものです。

 

 

ですが、

 

 

 

鉄が不足しやすい理由は、食文化だけではありません。

 

 

スポンサーリンク

 

 

鉄が不足する原因

 

 

鉄が不足する原因は色々あります。

 

 

 

  • 鉄を高濃度に含む食品が少ない

 

  • 小腸での吸収がわずか(「非ヘム鉄」の吸収率は1~6%、それに対し、「ヘム鉄」の吸収率は10~20%と言われている)

 

  • 吸収がわずかで残りの大部分は排泄される。

 

  • 月経、授乳、で鉄を失う

 

  • 汗をかくと水分とミネラルが出て行く、鉄もミネラルなので失う。

 

  • 筋肉が増加すると鉄の必要量が増える

 

  • 足を強く踏みつけるスポーツは足の毛細血管に衝撃が加わり赤血球が破壊される

 

  • 一度減ってしまった体内の鉄は、即席で補充しただけでは増えないので、継続して摂り続けないと安定しない。

 

 

 

このように、「鉄」は意識して摂らないと、摂取する量に比べて、失う量が多い栄養素なのです。特に毎月生理で鉄を失う女性の鉄不足は深刻です。

 

 

しかし、「鉄が不足するから」、「不足すると体に悪いから」といって、鉄だけのサプリメントに走るのは待ってください。鉄は不足も怖いですが、過剰摂取も怖いのです。

 

 

 

この記事は2016年11月20日に書いたものです。この時は「鉄のサプリメントで鉄過剰になる」という情報を真に受けていたので、「サプリは使用しない方が良い」と書きました。

 

 

しかしその後、口から鉄を摂取した場合、余分な鉄は吸収されないということが分かりました。危険なのは鉄の静脈注射です。

 

 

私はサプリで鉄不足を早く改善することができました。現在は鉄が足りない人はサプリを飲む方が効率が良いと考えています。

 

 

鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事

 

 

血液と赤血球とヘモグロビンについて分かりやすく説明してみた①へ続く

 

 

スポンサーリンク