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私達は憲法によって言論の自由が守られているので、

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元々憲法改正賛成派だった人の解説です。

 

 

 

 

谷本議員と一緒に飛行機を降ろされたもう一人の人物・高橋清隆氏について

 

 

 

谷本議員らがノーマスクで強制降機! 釧路空港のエアドゥ機、「憲法違反を公然と行う航空各社への行政指導を国交省に求める」

 

 

一緒に飛行機を降ろされた反ジャーナリスト高橋清隆氏による、谷本誠一議員のインタビュー動画です。

 

 

 

 

 

身近な人が被害に合った時の為に

とりあえずブックマークをお願いします。

 

 

 

 

 

 

月別:2017年01月
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「根管治療」の質を下げると、再発を繰り返し、抜歯につながることもあります。健康に影響するので、いい加減にしてはいけない治療です。

 

 

しかし、根幹治療は、「保健診療の治療は、成功率が低い」と言われています。私もそう言われました。

 

すると患者は、「じゃあ、保険外にすればいいじゃん」と考えます。

 

でも、保険医の先生に「保険外診療で根幹治療をお願いします」というのはできないそうなのです。

 

 

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「保険外の治療」を受ける前に知っておきたいこと

 

 

保険は最低限の治療だから、質の高い保険外の治療を受けたい・・・と、思ったとします。

 

しかし、保険外診療を「保険外診療専門の歯科医院」ではなく、「保険診療の歯科医院」で受けようと思った方は注意が必要です。

 

何故なら、「保険診療の歯科医院」と、「保険外診療専門の歯科医院」は全くの別物だそうです。

 

どう別物なのかを説明する前に、まずは「保険外診療専門の歯科医院」がどういうものなのかについて触れておきます。

 

 

歯医者さんには、それぞれ得意分野があります。

 

 

『【保存版】これさえ見れば大丈夫!あなたにピッタリの歯医者を見分ける17のコツ  1-2.実は専門分野が細かく分かれている』より引用

 

 

歯医者であればどこにいっても同じだと思っていませんか?

 

内科の中でも呼吸器科、循環器科と専門に分かれるように歯科にも専門があります。実際に大学病院に行くとわかりますが大きく分けて5つです。

 

 

 

補綴科:入れ歯やブリッジ、被せものなどを作って咬みあわせを合わせる治療

 

保存科:虫歯や根っこの治療をして歯を残すための治療

 

歯周病科:細菌による感染症である歯周病の治療

 

口腔外科:親知らずなどの抜歯、インプラント、口腔ガン、口のケガなどの治療

 

矯正科:歯並びを改善して見た目や咬み合わせの機能回復をする治療

 

 

 

どれも非常に専門性が高く全ての治療を高いレベルで勉強し実際に診療するのはほぼ不可能です。

 

 

大学ではざっと一通りの知識を学びますがその後1つないし2つの科を選択し大学院の研究室や学会などでそれぞれ専門に分かれて知識を深めていきます。

 

 

つまり歯医者と言っても必ず先生はそれぞれ得意な治療、そうではない治療があるのです。

 

 

言われるまで「得意分野がある」なんて意識した事はなかったです。何故なら、ほとんどの人が通う「保険診療の歯科医院」の歯科医師は、色々やってくれますから。

 

 

そして、もっと専門的で高度な治療技術を持った歯科医師は、それを活かすことができない「保険診療」を行なわずに、「保険外診療専門の歯科医院」を開業するのだそうです。

 

 

『歯医者の99%は手抜きをする ダメな歯医者の見抜き方 いい歯医者の見分け方/著者・長尾周格』より引用

 

 

保険外診療専門の歯科医院は通常、専門治療に別れていることが多いのが特徴です。

 

例えば、矯正治療専門歯科医院、歯内療法(歯の根の治療)専門歯科委員、審美治療専門歯科委員、インプラント治療専門歯科医院というように、特化した治療だけを行なうのです。

 

こうした歯科医院では、院長の得意な専門治療分野に特化した先端医療を提供するような歯科医院となっていますので、揃えている機材もそれぞれの分野に必要な先端医療機器となります。

 

例えばインプラント治療専門歯科医院であれば歯科用CT、歯内療法専門歯科医院であれば歯科用マイクロスコープ、矯正治療専門歯科医院であれば頭部X線規格写真撮影装置というように、それぞれの専門治療に必要な機材を揃えています。

 

(51p)

 

 

歯医者さんにはそれぞれ得意分野があると言いましたが、「保険外診療専門の歯科医院」というのは、より専門分野がハッキリしています。まぁ、特殊な道具をそろえなければなりませんから、そうなりますよね。

 

 

これを踏まえたうえで、「保険診療の歯科医院」と具体的に何が違うのかをお話します。

 

 

もし、患者が「質の高い保険外の診療を受けたい」と思った場合、2つの道があります。

 

 

 

 

  • 「保険診療の歯科医院」で「保険外診療」を受ける

 

  • 「保険外診療専門の歯科医院」で「保険外診療」を受ける

 

 

 

ほとんどの人は前者を選択すると思います。「保険外診療専門の歯科医院」は数が少ないですから。

 

多くの人が、セラミックの差し歯や、矯正など保険外の治療を受ける場合は「保険診療の歯科医院」でお願いすることになります。

 

ここが重要なので、もう一度言いますが、

 

 

「保険診療の歯科医院」で受ける「保険外診療」と

 

「保険外診療専門の歯科医院」で受ける「保険外診療」は、

 

 

全くの別物だそうです。

 

「金額が高い」という点では共通していますが、「質」は同じではないようです。

 

 

保険外診療専門の歯科医院というのは、治療のやり方や診療機材、診療材料など、診療システム自体が保険診療とは根本低に異なります。

 

これに対して、一般的な保険診療歯科医院における保険外診療というのは、治療のやり方自体は保険診療と同じであり、詰め物や被せ物などに使う材料が保険外というだけに過ぎません。

 

治療の質で見れば、これらはまったくの別物と考えて良いでしょう。

 

これはインプラント治療や矯正治療といった専門的な治療においても同様です。

 

(中略)

 

それでも保険診療歯科医院で行なわれている保険外診療は、治療費が高額なわりに治療の質自体は保険診療の延長に過ぎません。高額の治療費がかかる治療だからといって、良質の治療が受けられるとは限らないということを、よく覚えておいてください。

 

(52p)

 

 

引用元にもあるように、保険外診療の治療を受けたい人は、この事はよく覚えておいた方が良いでしょう。

 

だから、「本当に質にこだわって保険外診療を受けたいのであれば、最初から保険外診療専門の歯科医院を選ぶ方がいい」等とネットや本に書かれています。(大抵,執筆者は保険外診療専門医ですが・・・、別に宣伝の為だけにそう言っているわけではないようです。)

 

 

 

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保険診療の歯科医院の限界

 

 

保険診療の歯科医院で受ける保険外診療は、保険診療の延長に過ぎない

 

の具体例を言います。

 

以前、「保険診療で認められている治療は、保険診療で行なわなければならない」というルールがあることについてお話しました。

 

保険診療と保険外診療の根管治療の違いは設備だけではない

 

このルールがある限り、保険診療の歯科医院で「根管治療」を行なう場合は、保険診療で行なわなければならないので、保険外で「根管治療」を受ける事は違法になります。

 

 

従って、ルール違反をしないようにする必要があります。

 

「保険診療の歯科医院」で保険外診療を行なう場合、以下のように残念な事になります。

 

 

保険外の被せ物を入れる時は、根管治療まで保険診療で行なって、支台築造から保険外で行なうこととされています。

 

たとえ保険外の高額な被せ物を歯にセットしたとしても、根管治療の不備によって歯ぐきが腫れたり、痛みが出たりしたら、再治療のために歯の被せ物を壊して除去しなくてはいけません。

 

実際、被せ物が入っている歯の再治療のほとんどが、根管治療の不備によるものとなっているのです。

 

 

 

 

建築物に置き換えると、基礎工事を疎かにして、上に質の高い家を建てるようなものです。どんなに立派な家を建てても基礎が悪ければダメなのは、子供でもわかる理屈です。

 

「そこだけ保険外にしてくれてもしょうがないじゃん」と言いたくなります。

 

言い方は悪いですが、「保険診療の歯科医院」では、結果的に中途半端な治療になってしまうのです。ルールがある以上、仕方のないことです。

 

保険診療は「最低限の治療」ということになっていますが、これでは「最低限」に届いていません。

 

なんでこんな事になったのか...。

 

 

 

それに、根管治療は保険医が真面目にやると赤字になるほど診療報酬が低いのです。

 

根幹治療は赤字になる!?診療報酬が安すぎる日本の歯科医療制度の問題

 

 

このルールといい、診療報酬の低さといい、根管治療が上手くいって欲しくないような制度が充実しています。

 

 

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歯科医師の問題ではなく制度が悪い

 

 

「最低限にも満たない治療」がなんとなくわかってきたと思います。

 

で、最低限にも満たない・・・等と言うと、それを行なう歯科医師が悪徳であるように考えてしまいがちです。

 

眼科の悪口はあまり目にしませんが、歯医者の悪口はよく見かけます。しかし、そこで思考を止めては何も見えてきません。

 

 

それよりも、質の低い治療をせざるを得ないようなルールが存在している事にもっと注目して欲しいと思います。

 

これまで、何回かにわたって、安すぎる診療報酬の為に、保険では治療を中途半端にせざるを得ないこと、それによって後で患者が損をすること等、保険制度の問題点について語ってきました。

 

保険医が手抜きをせざるを得ない環境を知ると、彼らばかりを責めるのは違うのではないかと思うようになります。

 

私は医師でもなければ、歯科医師でもないので、診療報酬が低い事で生活が困ることはありません。ですが、知ってしまった以上、「ああ、そうですか」と、楽観視するわけにはいきません。

 

それに、根管治療がどうこうという以前に、「医療に携る人間が善行を行なえないようなシステム」が存在していること自体、間違っていると言わざるをえません。

 

頭にきたので、くどいですが、もう少しこの話を続けます。

 

 

 

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最低限にも満たない治療が生み出される原因

 

 

ここからは、何故人の健康に関わる欠陥がいつまでも放置されているのか、この点について見ていきたいと思います。

 

 

 

  • 質の低い治療をする歯科医師が悪い

 

  • 保険制度があるだけありがたいのだからガタガタ言うな

 

  • 財政難だから診療報酬が低くても我慢するしかない

 

まず、このような言葉で片づけるのは止めにしましょう。それと、

 

 

 

 

  • 歯の疾患は大したことがないから過小評価は仕方がない

 

 

 

 

という考えがあるなら改めた方がいいです。

 

歯科の診療報酬は他の科よりも低い扱いを受けているようですし、医師よりも歯科医師を低くみるような表現もネット上には多くあります。

 

ですが、決してそんな事はないと思います。

 

私が歯の根が痛くて救急科に行った時に、救急科の医師の方に診察してもらいましたが(当直の歯科・口腔外科の先生にわざわざ聞いて下さるなど、良い先生だと思います)、やはり歯の分野に関してはわからないといった感じでした。処置ができないから症状は改善されませんでした。餅は餅屋です。

 

詳しくは以下の記事に書きました。

 

根管治療体験③痛みと痺れが治まらないので、骨髄炎を心配する

 

歯の健康はあなどれないし、歯の疾患で頼りになるのは、やはり歯医者さんです。

 

薬が効かないほど歯が痛いとまともな生活はおくれません。

 

私は一週間近く歯の痛みに悩まされましたが、食事ができなかったこと、睡眠が満足にとれなかったこと、薬漬けで、体調まで悪くなりました。歯の不健康は全身の疾患に繋がると身を持って体験しました。

 

だから、健康に関わる歯の治療は、診療報酬を上げるべきだと思います。それによって支払う金額が高くなったとしてもです。

 

 

「診療報酬が低い」というのは放置していい問題ではありません。

 

しかし、そうするとお約束、「医療費の問題」がでてきます。

 

多くの人は、「医療費を圧迫するから」等という大義名分をかざされると、すぐ思考停止に陥ります。ですが、ここで固まってはいけません。

 

ちょっと長いですが、以下をご覧下さい。

 

『医療ガバナンス学会 vol 23 厚労省の本当の姿・・・国民の皆さん、歯科医療は、イイカゲンでいいですか?』より引用

 

また、話をわかりやすくするために、内容を簡略化しますが、同じ前歯の抜歯でも医師がやれば 4578円、歯科医がやれば1500 円です。同じく親知らずの埋もれている歯を抜歯すれば、同じく 54830円と11500 円です。抜歯と言えども、外科手術です。神経も使いますし、事故の危険性もあります。こんな点数で勘弁して下さいというのが正直な気持ちです。

 

また、歯周病(歯槽膿漏)の手術では、先進医療(混合診療)の時は 58000円ほどだったのが、保険に導入されたら 9000円になり、材料代が15000 円~31500 円かかり、実際には施術できません。九州大学の水田副学長によると、歯科の 1カ月の売り上げは外科の1 日分だそうです。

 

日歯医学会編纂の『歯科診療行為(外来)のタイムスタデイ調査 2004 年版』で、各診療行為に要する時間が精査されています。各診療行為にかかる時間を複数のモニターを使って精査しています。

 

現在、歯科保険医療機関が一か月当たりに上げる平均保険点数は約 30万点(300 万円)ですが、これを1 時間あたりに換算すると、一日9 時間働くとしても1400点( 14000円)/ 時間です。各診療行為の点数を1 時間当たりに換算して、この14000 円と比較します。抜歯、サシ歯、義歯など高い診療行為で 700点/ 時間で平均の半分、義歯の調整、根の治療など低い診療行為で 70点/ 時間つまり平均の5%、歯科の診療行為中、『平均の1400点 /時間を上回るものがない』のです。

 

これは明らかに矛盾しており、日歯学会は日歯の内部組織ですから『日歯自身が多くの歯科医が手抜きで食っている』といっているのです。このタイムスタデイどおりに診療したら、月に 30万点どころか10 万点ほどしか上がらないと思います。これは私個人が言っているのではなく、日歯自身が言っているのですから、我々は十分なる証拠だと考えます。点数が低いぶん、パッパッと手早く、手抜きでやっているのです。日歯がそう言っているのです。

 

 

似たような話はこれまでもいくつか紹介しましたが、「採算がとれないんだ」という話がメインでした。

 

この記事が面白いのはここからです。

 

 

そのようなわけで手抜き(不正)しているから、厚労技官が怖い、保険の個別指導が怖い。歯科医の厚労技官への恐怖心は半端ではありません。引退し閉院し、子供が跡を継がない、保険指導が怖くない歯科医しかモノが言えないと言っても、決して言いすぎではありません。怖いから国民や厚労省や技官にモノが言えない、点数を上げてくれ と言えないのです。だから営々と低点数でやってきたのです。それを言えば自分にハネ返ってくると考える歯科医もいるし、同業者を敵に回し四面楚歌になりますから。

 

それから、厚生労働省について。歯科をこのような低点数でやらせて、医療費を抑制しようというのが厚労省の方針なのです。

 

それには歯科には一時、自費(中でも特に保険外との差額)を認め、その代り保険点数(歯科医療費)を低くする、費用(患者さんが払う金)が高いから国民から不満が起こる(昭和50年頃の歯の110番)のを見越して、そこで「通達(法ではない)」で差額の徴収を禁止する、残ったのは低点数だけ、という状態にする。

 

歯科医は手抜きしないと儲からない、生活できないから手抜きする、歯科医が点数を上げてくれといえば「不正、手抜きしてるじゃないか」と来る。

 

歯科医はやましいから、厚労省にも国民にもこれ以上、あるいは低点数を「明確に」国民や厚労省に主張できない・・・という筋書きです。

 

 

悪しきシステムの一部が垣間見えてきました。それにしても酷いです。

 

本当に医療費を抑制したいがために、このシステムが存在しているのか?・・・そういう視点で続きを読んでみて下さい。

 

 

人間は良きにつけ悪しきにつけ、こうするべき、あるいは、あるべきだが、毎日の生活を変えにくい、惰性に流れるという救い難い一面があります。

 

そのような状況で、手抜き、不正に徐々に染まっていく、そこを厚労省が突く、歯科医はビビる、サドに狂った技官が面白おかしく、そこを突く、医師、歯科医師に自殺者が出る、女性歯科医を誘う技官までいる、操を捧げる女性歯科医まで出る、怖くて尚更モノが言えない、手抜きを糊塗して生き抜く・・・という構図です。

 

かなり昔の話ですが、全国保険医団体連合会の機関誌に、兵庫県の歯科技官が個別指導の場で、「三木で暮らせんようにしたる」と被指導歯科医を恫喝したとの記事が載っていました。本当のことなのです。

 

私の五年ほど後輩が技官になりましたが、彼は物腰の低い大人しい男でしたが、技官になったら私に「アンタ」と言いましたね。善良な者でも、こういう世界にいると、染まってしまうのです。殺伐たる医療界です。厚労省は汚いです。

 

医科のことは詳しくは知りませんが、救急医療の心臓マッサージは時間当たり2900円の医療費だと聞きます。これでは医師や看護師などの人件費も何もでないでしょう。救急医療から撤退するはずです。

 

医科にも歯科と同じく、厚労省の低点数の影が忍び寄っているのだと思います。それと接骨と介護、これは不正しないと食えない、不正が蔓延している、全くひどいものだと聞いています。ただ複数の関係者から聞いただけで、見たわけではないので、これ以上は控えます。

 

 

面白がって不正を増やしているとしか思えません。わざとやっているようにしか見えませんね。「世の中を良くしたい」という思いが全く伝わってこないどころか、この腐敗が未来永劫続いて欲しいかのようなシステムとなっています。

 

「医療費を抑制」というのが詭弁であることがよくわかります。

 

 

マジメにやったら食えない低報酬で働かす、あるいはできもしないハードルを課して、不正の温床を作り、弱みを握って報酬アップなどを抑える、これは行政の定法ではないのかと思うようになりました。

 

これでは奴隷国家です。

 

マジメに真っ当にやって食えない、そしてその改善を正面から主張できない、これで社会が良くなるはずがないのです。

 

 

ポイントはここです。

 

>不正の温床を作り、弱みを握って報酬アップなどを抑える

 

わざと悪い事に加担させて弱みを握りコントロールする・・・どうせこんなことだろうと思っていました。

 

 

歯科の低点数を放置して、結局は国民の皆さんに迷惑をかけたことについて、私たち歯科医師に責任があります。

 

よくこの話を先輩と話しますと、戦時中の「闇米」の話をされます。闇米は違法だが、違法行為をしなければ生きていけない状況がまずある、多くの者がやっているという事実もある。それでは現実的に歯科医はどうやって生きていけばいいのだ、ということになる・・・という論法です。戦時中は生きるか死ぬかの問題でしたが、歯科医を辞めればいい、他にも生きていく道はあるから状況は違います。あくまでも言い訳だと思います。

 

 

表現が稚拙でドギツく、分かりにくいとは思いますが、歯科医として35年生きてきた、そしてこんなにも時間をかけて、やっとその仕組みが明確にわかった、それがつたない自分の人生、真実、事実です。我々歯科医、そして厚労省、日歯・・・三者の責任なのです。厚労省に歯科医療費を安く上げるという狙いがあるのは、明白です。

 

 

記事の冒頭で、「医療に携る人間が善行を行なえないようなシステム」が存在していること自体、間違っていると言いましたが、このシステムを変えずに悪事を働く歯科医師だけを叩いても何の解決にもなりません。

 

今のままでは、患者も歯科医師も不幸です。

 

 

それとも歯科医療は、ちゃんとやってもらわなくてもいい、そこそこでいいですか?国家財政難ですから。ただそれなら、低点数はそのままなんだから、保険医取り消しなどの処分は、架空請求、二重請求、振替請求、付け増し請求など故意の重大な不正のみにしてください。物理的にできないことをやらされて、監督、処分だけは異常に過酷、居直るわけではありませんが、そりゃないですよ。

 

(中略)

 

 

医療を含む社会保障に関しては、最終的には国民が被害を受けます。私たちの願いは、真っ当にやって生活できるようにして欲しいことと、診療だけに全神経を使って打ち込めるようにして欲しいこと、この二つに尽きます。

 

 

最後に重要な事を付け加えておきます。

 

「財政難」についてですが、

 

日本は外国にお金をバラまく程の金持ち国家です。

 

ここを勘違いしたままだと、「医療費は削減しなければならない」という前提が邪魔をして、「医療費は上げてはいけない」という考えの元話を展開してしまいます。

 

この前提を捨てて考える必要があります。

 

我が国には金がある。なので、重要な治療には診療報酬を上げられるはずです。

 

 

悪徳歯医者が生まれる原因は歯科の診療報酬が低すぎるのが原因だった。善良な保健診療歯科医を叩き潰すシステムとはへ続く

 

 

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今回は「保険制度のデメリット」と、それによって根管治療にどう影響するのか・・・についてお話します。

 

 

保険制度は良い面もありますが、歯科の場合は、デメリットが強いようです。

 

保険診療と保険外診療の根管治療の違いは設備だけではない

 

 

前回、「保険診療の歯科医院で利益を出すには、一日30人の患者を診なければならない」という話を紹介しました。

 

 

その場合、患者一人あたりにかけられる時間は15分でした。

 

 

 

で、なぜ30人でないとダメなのか・・・ですが、その根拠は以下になります。

 

 

 

『歯医者の99%は手抜きをする ダメな歯医者の見抜き方 いい歯医者の見分け方/著者・長尾周格』より引用

 

 

振り返って、なぜ15分しか治療時間をかけられないかと言うと、一日あたり30人の患者を治療しなければ、歯科医院が利益を出すことができないということが原因なのです。

 

 

では、なぜ一日あたり30人の患者を治療しなければならないかというと、それは日本の歯科の保険診療報酬が、きわめて低いということに行き着くのです。

 

 

日本の歯科治療費は、二〇〇五~二〇〇六年時点で既にOECD(経済協力開発機構)加盟先進国平均の 1/6 ~ 1/8 、アメリカの専門医の 1/12 ~ 1/20 という、非常に安い金額に抑えられており、現在ではOECD加盟先進国平均の 1/10 、アメリカの専門医の 1/20 ~ 1/30 ほどでしかありません。

 

 

(24p~25p)

 

 

「安く医療が受けられる」という点では、確かに日本の保険制度は優れています。ですが、より質の高い治療を望む場合は、どうなのでしょう・・・。

 

 

こんな事を言うと「保険外診療に行け」と言われそうですが、そこまでしなくとも、せめて眼科とか他の科並に診療報酬を上げてあげれば良いと思うのです。

 

 

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経営悪化の本当の理由

 

 

「ゼイタクの為の質」を保険でどうにかしろとは言いません。

 

 

ですが、「安全の質」にはこだわって欲しいです。

 

 

(根管治療のように)手を抜けば再治療のリスクが高くなる治療の場合、もう少し質の高い医療を受けられるようにしてもらいたいものです。

 

 

長尾周格氏によると、日本の歯科医院の経営悪化は、歯科医院の数が増えたからではないそうです。

 

 

ネットでも「日本の歯医者の数はコンビニより多い」と揶揄されていますので、多くの人が歯科医院の数は多すぎると思っているのではないでしょうか。

 

 

ですが実際は、人口10万人あたりの歯医者数を見ると、日本は先進諸外国と比較すると、少ない部類なのだそうです。

 

 

歯科医院の経営悪化は、歯医者の数が増えたのが問題なのではなく、低すぎる診療報酬に原因があります。

 

 

お会計をする時「これでどうやってやっていくんだろう」と心配になるレベルです。

 

 

「コンビニより多い」と言って問題の本質をズラしておけば、「診療報酬が低い」という問題点を改善しなくて済みます。

 

 

 

冷静に考えたら、歯の治療はとても細かい作業です。

 

 

単純な袋詰めの作業とは違いますから、むしろ他の科よりも、「一人に時間をかけなければならない科」だと思います。

 

 

ハッキリ言って、30人どころか、20人でも多いくらいです。

 

 

よく「患者が減った」と言いますが、昔の人数が異常なのです。

 

 

私は緑内障の為、検査で眼科にも行きますが、手術でもしない限り、医師の繊細な処置なんてありません。検査も看護士さんですし...。

 

 

眼科医にやってもらった処置で私が唯一記憶に残っているのは、「目の裏側に入った小さいホコリ」を取ってもらった事くらいです。

 

 

「医師に手を掛けてもらった感」は眼科等他の科よりも、歯科の方が上です。

 

 

それなのに受付で払うお金が、時に「遠足のおやつ代」並みに安い事に気付いて下さい。

 

 

そもそも保険の診療報酬がOECD加盟先進国の平均歯科治療費のほぼ1/10だという時点で、普通の経営努力だけで成り立たないのは当然です。

 

(28p)

 

 

私はこれまで、患者側の事しか考えていなかったので、「安ければよい」と思っていましたが、保険診療を行なっている歯科医院の立場を考えると気の毒でなりません。

 

 

再治療が必要になるような治療しかできないのなら、抜歯のリスクもあります。インプラントにでもなったら、安いのか高いのかわからなくなります。

 

 

良心的にやっている歯科医院には、患者の為になる質の高い治療をしても赤字になる事なく潤ってほしいものです。

 

 

少々高くても、その方が患者としてもメリットがあるからです。

 

 

健康の為、治療の質を向上させる為に、もうちょっとこの制度はなんとかならないものでしょうか。

 

 

何故歯科だけが異常に安いのか首を傾げたくなります。

 

 

 

収入が低すぎなければ、悪い経営努力に走る人も減るかもしれませんし。

 

 

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安さのツケ

 

 

ところで、医療関係者でない人にとって「他国に比べて診療報酬が安すぎる」といわれても、それがどれくらいなのかいまいちピンときませんよね。

 

 

なので、具体的な数字が紹介されている以下の記事をご覧下さい。

 

 

『歯科医師の暴露日記 歯科医師に嫌われる患者と、そうならないために・・・その1。』より引用

 

 

ご存知の通り、日本は国民皆保険であり、すべての人が治療を安価に受けることができる。素晴らしい制度となっている。

 

 

だが、この保険制度が作られたのは昭和初期・・・らしい。(詳しい時期などは知らない。知識不足で申し訳ない。)

 

 

その後、幾度も改定されてきているが、実際の保険点数は昭和初期のころからほとんど変わっていない。それを証明するような画像を見かけたので載せてみる。

 

 

 

 

この画像の各項目について説明していく。

 

 

「治療費」→その国での治療費を日本円に換算した時の金額だ。

 

「マクドナルド」→世界中にあるのでその国の貨幣価値を調べるときに便利らしい。

 

「何個分」→治療費に対してバーガー何個分かを記したものだ。

 

 

お分かりいただけただろうか。

 

 

日本の治療費は発展途上国以下の状態になっているのだ。

 

 

結局、その金額の中でスタッフの給与・器具の消毒代・消耗品の代金など、込々で考えると、黒字になる部分など非常に微々たるものだ。そうなってくると、患者自体を詰め込んで多く診ていかなければやっていけない。

 

 

患者にとって最高の治療をしよう!と経営無視で最善の治療をしていた先生がわずか1年半で医院が潰れ、それまで通っていた患者が途方に暮れた。という事案も実際に起こっている。

 

 

そして、多くの歯医者さんで予約制が導入されているのも、より効率的に診療を行うためだ。

 

 

こうしてみると、悲惨ですね。真面目な人がわりを食う・・・

 

 

 

『Yahoo!知恵袋 歯科医が、根管治療は保険では赤字だ!と言っていますが、逆に保険で儲かるのは何治療でしょうか?』より引用

 

 

保険制度では、国際的に普通に行われているスタンダードな治療を行うと、材料費にすらならないと言う事です。

 

 

保険で成り立つ、と言う事は、安い材料、短時間で出来る事しかしないと言う事です。黒字倒産などとは別問題。

 

 

制度的に、手抜きをする人間が良い思いをする制度になっているという事実が問題なのです。

 

 

一般の方には、分かりにくいと思いますが、保険で行われている治療は、勉強を続けている歯科医にとっては、手抜きにしか思えない物です。ほとんど、すべき事に報酬がありません。

 

 

ですから、安い前に、タダでしなければならないのですから、学問的に正しい治療を行えば、当然、この部分が赤字になります。(トータルでは、利益無しといったくらいでしょうかね。歯によっても違うので。)

 

 

だから、経営がギリギリの歯科医院や、悪徳?賢明?名歯科医は、何処かで、材料をケチったり、時間を短くして対処することになるのです。

 

 

また、 保険で、儲かる物など、歯科では、存在しないでしょうね。いうなら、手抜き治療でしょう。手抜きした分儲かります。あほらしいけど。(しいて言うなら、外科処置でしょう、材料費がかからないから)

 

 

学問的に正しい治療(国際的にスタンダード)とは、根管治療において、防湿、手術用顕微鏡、専用の洗浄システム、ニッケルチタンの使い捨てファイル、これくらいは最低限です。通常、保険では、これらは全て存在しません、無報酬です。これらを、保険で使用するのは、ただ歯科医の良心です。(赤字になる理由が良心とは、おかしいと思いませんか?仕方ないけれど。)

 

 

この現状が、患者さん達にも良いことばかりでは無いと考えます。

 

 

やや、過激な内容ではありますが、調べているとこれに近い話を、ネットでも本でもよく目にします。

 

 

私を検査をしてくれた大きい病院の口腔外科のO先生は、根管治療について色々と説明してくれましたが、根幹治療を保健治療で手をかけると赤字になると話してくれました

 

 

で、ご自身の根幹治療は、高くても保険外診療専門医でしたそうです。やはり、よくわかっているだけに質の良い治療を選ぶのだと思います。

 

 

 

 

 

 

くどいですが、以下にも手を抜かざるを得ない状況が書かれています。

 

 

『審美歯科・口臭外来・ムシ歯・銀歯・口臭の悩み相談室(新潟・長岡)感染根管治療は、不採算部門の代表格だから・・・』より引用

 

 

感染根管治療は、不採算部門の代表格だから・・・

 

 

根の治療=根管治療は、保険でマジメにやると赤字になる歯科治療の代表です。

 

ボランティアじゃないんだから・・・ (勤務医の頃は何も考えてませんでしたが)
しかも、マジメにやろうが手抜きしようが、保険の診療報酬は同じ!! ときたもんだ。

 

感染根管治療の診療報酬は、全部で約7,000円。(前歯なら約3,000円!!)

 

何時間かけても、何日かけてもほとんど変わりません。

 

薬の交換だけであれば、わずか140~300円ですから・・・(T.T)

 

ずっとドクターが拘束される治療ですから、他の治療と同時は無理です。

 

しかも、1回で終わることはまずありません。3~4回はかかります。

 

・・・ということは、1回につき1,750~2,300円程度ということです。

 

もちろん、この中に治療機材(消耗品)や薬剤費なども含まれています。

 

スタッフの人件費を考えたら・・・ さよ~なら~(T_T)/~~

 

ラバーダムなんて、お金も時間もかかるからやってられない(!?)のでしょう。

 

どれだけ治療時間を短縮して、材料にコストをかけないか・・・ が勝負になります。(なんの勝負なんだか・・・(^^;))

 

マレーシアで60,000円、アメリカでは180,000円する手間かかる治療なんですけどね。

 

感染歯質をできるだけ取って、その上で次亜塩素酸ナトリウムなどでしっかり消毒をする。

 

そして、できるだけ緊密に垂直加圧法などで充填した方が予後は良いハズです。

 

これはシールドレストレーションという考え方に基づいています。

 

 

根管治療している最中だけに、申し訳ない感が半端ないです。

 

 

でも、良心的な歯医者さんは、罪悪感にかられるでしょうね。保険医をやめて保険外(自由)診療専門医になる人がいるのもその表れだと思います。

 

 

また、長尾氏の著書によると、優れた技術を一生懸命勉強しても、保険診療では生かす場がないので虚しさだけが募るとも書かれています。

 

 

これでも「安ければ良いんだ」と考える人もいると思います。ですが、リスクがあるんだということ常にを頭に入れておいて欲しいと思います。

 

 

次は、保険診療の歯科医院での保険外診療についてお話します。

 

 

保険診療の歯科医院で行われる保険外診療について知っておきたいことへ続く

 

 

 

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私はこれまで歯医者さんで「保険外診療の治療」を受けた事はありません。矯正するほど歯並びは悪くないですし、差し歯はありますが「セラミックなど、ゼイタク品」だと思っていたので保険診療で十分でした。

 

このように、保険外診療はした事もないし、する予定もなかったので、興味がありませんでした。

 

「保険外診療」、「歯科治療の質」に拘らなかったのは、健康にあまり関係ないと思っていたからです。歯の健康を軽く考えていたのです。

 

 

そんな私が「保険外診療」に興味を持ったのは、顎の骨が痛くなった事で、根管治療を始めたことがキッカケです。治療をしても何度も痛みが発生したのです。このせいで、かなり健康を損ねました。

 

そこで調べて、「根管治療」が保険外診療だと成功率が90%に跳ね上がる事を知ったのです(保険診療だと50%です)。

 

 

根管治療は難しい治療です(理由は以下の記事で説明しました)。

 

根管治療を完璧に行なうのはほぼ不可能。神経を抜いた歯の再治療の成功率が落ちる理由とは

 

 

それで、これはお金をかける価値があるな・・・と、「保険外診療」に対する見る目が変わったのは言うまでもありません。

 

 

そして、調べていくと、そもそも、保険診療で「質の高い治療」を期待するのは難しいという事がわかりました。

 

 

というのも、実は保険診療というのは、最低限の治療なんだそうです。

 

 

もう一度言いますが、最低限です。普通じゃありません。

 

 

そこで、「保険診療」と「保険外診療」は具体的にどう違うのかについてお話します。

 

 

特に健康に直結する根管治療に的を絞って、「保険診療の歯科医院」と「保険外診療専門の歯科医院」の違いについても考えてみたいと思います。

 

 

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「保険診療」と「保険外診療」の違い

 

 

「保険診療の歯科医院」と「保険外診療専門の歯科医院」の違いを明確にする為に、まず、「保険診療」と「保険外診療」の違いを説明しておきます。

 

 

保険診療

 

「保険・診療」というのは、「病気」に対して行なわれる診療です。

 

ですから歯医者でいえば「予防」や「見た目」の為の治療には保険がききません。言うまでも無く、金銭的には楽です。

 

ですが、保険診療には治療の枠が決められているので、治療内容に制限が生じます。技術、薬、材料などに制限があるので、質は望めません。病気を治す為の最低限の治療、保証です。

 

 

病院に行くと、まず受付で保険証を出しますが、この行為自体が「保険診療で治療して下さい」という意思を表した事となります。

 

 

 

保険外診療

 

「保険外・診療」というのは、保険の適応が認められていない診療です。

 

 

一部の先進医療や審美的な処置などです。

 

 

「保険診療」のように治療の枠がないので、技術、薬、材料に高い質を求めることができます。ただし、治療費が全て自己負担なので高いです。

 

 

保険外診療の事を、「自費診療」「自由診療」と言ったりします。

 

 

 

 

簡単に言うと、「保険診療は安いけど、質は最低限。保険外診療は高いけど、質は良い」です。言うまでもありませんが...。

 

 

 

質の高い根管治療とは

 

 

根管治療において、どんな治療を「質が高い」と定義するのか・・・ですが、それを知るには、歯科医院のHPをいくつか見るのが手っ取り早いと思います。

 

 

根管治療に力を入れている事をアピールしている歯科医院のHPでは、細部を拡大して治療を行なうことの出来る「マイクロスコープ」や、根の状況を精密に把握できる「CT」・・・といった高価な機器や器具が備えてある事、また、高度な技術を習得した専門医のプロフィールが紹介されています。

 

 

あと、治療する歯の中に細菌が入り込まないようにする「ラバーダム」というシートを使うなどがあります。

 

 

これらを数件見れば、なんとなく「こういうのが質の高い根管治療なのかな...」と把握する事ができます。

 

 

反対に、これらの条件が揃ってないのが「最低限の治療」ということになるかと思います。

 

 

高価な機材や時間をかけた丁寧な治療をアピールしている医院は、大抵「保険外診療専門の歯科医院」だったりします。ですが探せば、保険診療でも「マイクロスコープ」や「CT」を使う歯科医院は存在します。

 

 

だから、「マイクロスコープ」や「CT」等は、「保険外診療専門の歯科医院」だけにしかないとは限りません。

 

 

ちなみに、私が調べて行ったA歯科も「マイクロスコープ」や「CT」を備えていて、プロフィールで根管治療をアピールしていましたが「保険診療の歯科医院」です。「保険外診療専門の歯科医院」ではありません。

 

 

ここで思うわけです。

 

 

「保険診療の歯科医院」と、「保険外診療専門の歯科医院」の違いはなんだろう・・・と。

 

 

だって、「保険診療の歯科医院」でも「マイクロスコープ」や「CT」を使ってくれるなら、わざわざ高い「保険外診療専門の歯科医院」に行かなくても済むではないかと思うからです。

 

 

 

そこで実際に、「マイクロスコープ」や「CT」をアピールする「保険診療の歯科医院」を受診して感じた事を列挙します。

 

 

 

 

  • 根管治療の為マイクロスコープは使ってくれたが、CTは撮らなかった。レントゲンで確認。

 

  • 成功率は2分の1だと告げられた(保険外診療の90%ではない)

 

 

  • 治療時間は15分程度、説明は少ない

 

 

 

 

このように、例え良い機材を備えていても「保険診療の歯科医院」は、「保険外診療専門の歯科医院」とは、何か違います。

 

 

 

だって、最新の機器があるのに成功率が50%なら、最新の機器のない普通の歯科の成功率50%と何が違うの?と思いませんか。

 

 

 

先進医療機器というのは一千万円以上するそうです。90%にならなくても、せめて少し % が上がってもよさそうなものですが・・・。

 

 

 

やっぱり、保険診療だと「マイクロスコープ」を使ってもダメなのかな・・・と、思っていました。処置の後も凄く痛かったですし・・・。

 

 

 

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「保険診療の医院」と「保険外診療専門の医院」の違い

 

 

「保険診療の歯科医院」と「保険外診療専門の歯科医院」の違いについてみていきます。

 

 

 

多くの方が通われている「保険診療の歯科医院」は、保険診療と保険外診療を行なっています。

 

 

それに対し、「保険外(自由)診療専門の医院」では、保険診療を扱わず保険外診療だけを行なっています。

 

 

 

前者は保険が使えるので安いです。

 

 

後者の歯科医院は数が少ないので、行った事がない人がほとんどではないでしょうか。高いですし。

 

 

 

保険診療の歯科医院の根管治療

 

 

高いし、数も少ないので、「保険診療の歯科医院」の中から根管治療を得意とする医院を探しました。

 

 

そうして、「保険診療の歯科医院」のHPに載っていた、「マイクロスコープ」や「CT」を見て、最初は「質の高い医療」だと期待しました。

 

 

しかし、最新医療機器を揃えている「保険診療の歯科医院」でしたが、実際に行って言われたのは、「成功率は2分の1」です。

 

 

何故か成功率が「保険外診療の根管治療」ように高くないのです・・・この事にしばらく疑問を感じていました。

 

 

その理由ですが、

 

 

「保険診療の歯科医院」の根管治療の成功率が上がらないのは、設備云々ではなく、結局、保険診療は、保険診療だからなのかもしれません。

 

 

先程、保険にはがあるとお話しましたが、このルールがややこしい。

 

 

『歯医者の99%は手抜きをする ダメな歯医者の見抜き方 いい歯医者の見分け方 / 著者・歯学博士 長尾周格』より引用

 

「保険で認められている治療は、保険診療で行なわなければならない」というルールが存在するからです。

 

 

例を挙げると、このルールの存在によって、保険診療歯科医院では根管治療(歯の神経を取る、いわゆる歯の根の治療)は、保険診療で行なわなければなりません。保険診療歯科医院が保険外で根管治療を行なうことは明確な違法行為です。

 

 

アメリカの場合、専門医が行なう根管治療の費用は、大臼歯で概ね2千ドル程度です。これに対し日本の保険診療では、点数の高い抜髄で計算すると、大臼歯で計二日かかったとして、9900円となります(初診料や再診料は別途)。

 

 

私は、日本の保険診療歯科医院で行われている根管治療の質は極めて低いと考えています。

 

 

その上、保険外診療でもいいから質の高い根管治療を受けたいと希望しても保険診療歯科医院では、保険外の根管治療を受けることはできないのです。これはさきほど言ったように保険診療のルールでは混合診療の禁止によって、根管治療を保険外診療で行なってはいけないからです。

 

 

(41p)

 

 

このルールが存在する限り、「保険診療の歯科医院」のHPに、一見「保険外診療の歯科医院」に匹敵すると錯覚するような設備や技術が紹介されていても、保険診療の技術止まりの事しかできないということです。

 

 

 

つまり枠以上の事は期待できないということです。そうだとしたら残念です。

 

 

 

それに、例えば行き着けの歯医者さんが「保険診療の歯科医院」だった場合、「この先生に高度な技術で治療してもらいたい」と思っても、(先生に技術があろうとなかろうと)法律的に出来ないということになります。つまり、質の高い治療を求めるには、慣れ親しんだ行き着けの歯医者さんを離れなければならないというわけです。

 

 

ややこしいルール・・・。

 

 

そして、多くの人が鬱陶しがる「保険診療で何回も通う(一回に時間を掛けられない)」理由も、このルールがあるからだそうです。

 

 

『どくらぼ 歯科医のジレンマ。日本の保険診療が抱える闇と治療費の裏側』より引用

 

 

何回も通院させられる。回数を稼いで金儲けしてるんでしょう?

 

 

「歯石取りや根の治療で何度も何度も通わされる。再診料を稼いで金儲けしてるのでは?」というのもよくある誤解です。「歯石取りは一度に全部やってよ」と思われるかもしれませんが、保険治療のルール上、また、歯茎の治りの問題上、一度にすべてを行うわけにはいかないのです。もしもこれを無理やり一度にやってしまうと保険が適用されなくなります。

 

 

また、回数のかかる治療に根の治療があります。これもお薬の交換で何度も通うことになるのは珍しくないのですが、これを「金儲け」と捉えてしまう患者さんもいます。しかし、根の薬の交換は歯科点数では微々たるもので、むしろ赤字部門なのです。むしろこまめに予約をとってくれて薬の交換をしてくれる歯医者さんは良心的だと言えるでしょう。

 

 

これまでは、こんな細かいルールがあるなんて知らなかったので、「なんで何回も通うんだろう?」とか思っていましたが、そうしなければならない理由があるというわけです。

 

 

以前、「保険診療の歯科医院」の場合は、患者さんにドタキャンされても「キャンセル料」が取れないので、万が一キャンセルがあった場合でもリスク(保険診療の歯科医院では、ドタキャンは死活問題)が少ないように、あえて一人に長時間かけない・・・的な話を読んだことがあります。一人にかけられる時間が少ない為、回数を増やすのかな等と考えたこともありました。

 

 

まさか、一回でやってはいけないルールがあるとは、調べるまで知りませんでした。色々な事情があるものです。

 

 

それにしても、歯科について色々と調べていると、いたるところで「金儲け」だの「悪徳」だのという心無い言葉を目にします。この類いの悪口が、他の科に対してよりも多いような気がするのは私だけでしょうか。

 

 

まぁ、「悪徳」と言われても仕方のないような歯医者の話も、確かにたくさん読みましたが、それを言うなら癌治療の方が酷いでしょう。

 

 

 

 

 

私は常日頃から、医療のインチキぶり悪徳ぶりに辟易しているので、歯科が特別酷いとは思いません。「悪徳」はどんな科であろうと滅ぶべきですが、真面目に頑張っている医師は、どんな科であろうと応援したくなります。

 

 

今、根管治療をしている最中なので、根管治療が赤字部門って・・・なんだか歯医者さんが気の毒になってきました。

 

 

 

保険診療だと質の高い治療を望めない理由

 

 

また、一回で全部終わらせられない、(つまり、一人に時間をかけて回数を少なくすることができない)理由は他にもあります。

 

 

一人に時間をかけすぎると、一日に診れる患者の数って限られてきますよね。

 

 

『歯医者の99%は手抜きをする ダメな歯医者の見抜き方 いい歯医者の見分け方/著者・長尾周格』より引用

 

 

また、歯科医院が保険診療で利益を出すためには、一日の来院患者数が平均30人以上必要とされています。

 

(中略)

 

例えば診療時間が、朝の10時から夜7時までだとします。昼休みを1時間半とっているとすると、実質的な診療時間は7時間半です。7時間半で30人治療するとなると、単純計算で、ひとりあたりにかける平均治療時間は15分ということになります。実際に歯科医院で患者ひとりの治療にかける平均的な治療時間は15分程度と言われています。

 

ここで考えてほしいのは、一回の治療につき15分しかかけられないのだとしたら、はたしてそれで質の高い治療を行なうことができるかということです。当然のことながら、質の高い治療を行なうためには、時間と手間がかかるものです。

 

(23p~24p)

 

 

一日30人診ないと生活できないとしたら、「時間を掛けて下さい」なんてとても言えません。

 

 

人数が減れば収入が減ります。収入が減れば経営が苦しくなります。そうなると、その穴埋めに、自費診療に力を入れたり、治療の材料のコストを落とすなど・・・想像がつきます。そうすると、また「悪徳」と呼ばれる。

 

 

ここでは一回の治療が15分とありますが、実際に15分だとしても前後の数分はその患者さんの準備、例えばモニターにレントゲン写真を写したり、コップの水を変えたりなども含まれるし、治療前の説明と、治療後の説明を考えると、実際の治療時間はもう少し少なくなると思います。

 

 

あの短時間で見えにくくて細かい作業をこなすのは凄いと思います。

 

 

私はわからない事があったら質問するタイプなのですが、これからは時間を搾取しないように、質問はなるべく簡潔にするようにしました。

 

根幹治療は赤字になる!?診療報酬が安すぎる日本の歯科医療制度の問題へ続く

 

 

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前回は、根管治療をしていて「医者選びって重要だな」と感じた事について書きました。

 

歯医者を変えたい、今の先生は信頼できない、と思っている人に言いたいこと

 

ですが、仮に「これだ!!」と思う医師を見つけても、それで万事OKではありません。

 

根管治療の成功率の問題です。

 

私は最初に行ったA歯科で「成功率は2分の1」と聞かされましたが、何故2分の1になるのかの説明はありませんでした。

 

歯の構造がわからなかったので、なんでそうなるのかピンと来ませんでした。

 

ですが、構造がわかったことで、その理由は実にシンプルで、誰がどう考えても難しい治療だと思うようになりました。私はどんな優秀な医者にかかっても、この根管治療を完璧にするのは不可能だと思っています。

 

 

そこで、今回は、「根管治療が難しい理由」についてお話しようと思います。

 

 

 

まず、「歯の根の治療をする」と聞くと、一般の人は以下のようなイメージをすると思います。

 

 

 

  • 歯に開いた穴に細い器具を入れる治療

 

  • 単純な作業だけど、何回も何回も通わなければならない

 

 

 

細長い器具を歯の深いところへ入れる繰り返しなので「何やってるんだろう?」と以前から私も思っていました。しかも、毎回毎回その作業で、何回も通わなきゃいけないので、めんどくさいイメージがありました。

 

何をやっているのか、その意味がわかっていないと、こんなもんです。

 

でも、「歯の根の構造」を理解したら、あの地味な作業の意味が理解できます。

 

私は「歯の神経」は一本だと思っていました。

 

で、「神経を取る治療」と聞くと、ちくわの中にあるキュウリを抜き取るように、引っ張ってスーッと取れる・・・くらいに思っていました。

 

超適当なイメージです。

 

こんなだから「簡単に取れるだろう」とか「何回も、何回も、何やってんだ」と思うんですよね。

 

 

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歯の根の構造

 

 

では、実際の歯の神経はどうなっているかというと、以下をご覧下さい。

 

『ドクター・天野の歯科診療室 歯の根と神経の管の構造(根管の構造)より』引用

 

 

歯の根と神経の管の断面図(根管断面図)

 

通常のレントゲンでは、右の写真のように、歯の根の神経が通っている管は、単純な1本の管に見えます。

 

 

しかし、上の写真のように、歯を輪切りにして電子顕微鏡で見てみると、歯の根にはレントゲンで見えていた大きな神経の管以外にも、細かい神経の管が無数に張り巡らされている事がわかります。

 

この細かい神経の管が存在するため、神経治療は一般的に難易度が高く、神経を抜いて消毒し、詰め物をする根管治療をしても、ばい菌が残って膿を作ってしまう事が多々あるのです。

 

 

私がイメージしたように、歯の根が一本だけなら、比較的取るのも簡単だと思うのですが、実際には断面図のように一本ではなく複雑に枝分かれしています。(※引用元では、レントゲン写真は右に位置していましたが、全く同じ配置にする事が出来なかったので、こちらでは写真を下に配置しました)

 

 

これだけではわかりにくいので、さらに別の角度から。

 

『歯科イーエムデンタルクリニック CT活用の精密な根管治療』より引用

 

 

一見簡単な処置のように思えますが、「根管を綺麗に清掃する作業」は非常に困難を極めます。なぜなら、根管は非常に複雑に入り組んでおり、完璧に清掃を行わなければ、「痛み」「腫れ」などの原因となり、「根尖病巣」という病気にもなるためです。下の黒い部分が神経の入っている管であり、このすべてを綺麗に清掃する必要があります。

 

 

従来までは、「肉眼」でこの治療をしていました。

 

少し考えればわかると思いますが、「肉眼」ではこの細かい部分をすべて確認しながら完璧に作業することは不可能です。つまり、従来法の根管治療とは「勘」や「経験」に頼った治療で、時には再治療そして「抜歯」の選択を迫られることも多々ありました。

 

 

 

私はこれを見た瞬間、「これを清掃するのは人間には不可能だな」と思いました。

 

 

上から下に向かっている穴ならともかく、縦の神経と縦の神経を繋ぐ横の神経をどうやって掃除するんですか?って話です。構造を確認する事すらも出来ません。蟻の巣を上から見ても、中の構造が掴めないのと一緒です。

 

 

そして、さらに詳しい説明が以下になります。

 

『根管治療(歯の神経治療)専門 吉本歯科医院 歯の神経を取ったのに痛みを感じる理由』より引用

 

 

そもそも歯の神経ってどんな形をしていると思われますか?

実は網目状になっています。

 

 

歯の神経を取ったのに痛い 歯の神経を抜いたのに痛い

根管治療歯の神経治療1本の糸がヒューっとあるのではなく、その先は網目状になっているのです。

 

イメージ的には蜘蛛の巣をイメージしてみてください。

張り巡らされているから、いろんな所が、それを痛いと感じます。

 

(中略)

 

つまり神経は、1本ではなく張り巡らされているのです。

 

では歯の中の神経はどうなっているのでしょうか。

 

いろんな画像や模式図では神経は1本、歯の中にドンとトンネルのように通っているかのごとく表わされていることが多いです。

しかし現実はそんなに単純ではないのです。

確かに大きい神経というのは何本かしかありませんが、小さい神経は何本もあるのです。

 

根っこの先を電子顕微鏡で調べた先生がいらっしゃいます。

1本の根っこに神経の入り口はなんと500箇所あったそうです。

 

(中略)

 

500箇所もの神経の処置を人間の手で出来ると思われますか?

はっきり申し上げて不可能です。

 

しかもそれは1mm四方の狭い場所に500本もの神経があるのです。

 

ですので針のようなもので「神経取りますよ」と言いますが、大雑把に大きい神経を取りますという意味合いであって、キチンとすべての神経を取るというのは不可能です。

 

最近ではマイクロスコープや顕微鏡で神経の治療をされている先生が増えてきました。

私もルーペを使って治療を行う場合があります。

 

しかしながらそれが見えるのは、あくまで神経の入り口なのです。

トンネルの入り口なのです。

歯の神経は1本ではなく小さい神経が何本もあるのです。歯の神経を取る治療(根管治療)を受けたのに歯が痛い理由です

トンネルの入り口を見たとして、トンネルの奥がどうなっているか分かりませんよね。

 

ただ、この「入り口を見つける」ということ。

 

 

実はここがすごく難しいのです。

 

 

その入り口すら見つけられないということが現実に多いためです。

 

 

ですから、ルーペやマイクロスコープを使うことによって、その入り口をより多く見つけることが出来るということです。

 

 

例えば上の奥歯の第一大臼歯という歯があります。

 

 

いわゆる6番目の歯ですね。

 

 

 

 

これは保険の算定では神経は3本しか算定はできません。

 

しかしながら現実的には4本目5本目の神経の入り口が確認されることが多々あるのです。

 

元々大きい神経が4本5本あるのに3本しか治療していない訳ですから当然痛みますよね。

 

 

わざと取らない訳ではないのです。

 

見つけられないのです、見つからないのです。

 

 

ですから神経を取ると言えばあたかもきれいに取れるようなイメージをされるかもしれませんが、大雑把に取っているということです。

 

 

しかも口の中からしか処置をする器具を入れることができません。

 

 

 

歯の神経治療(根管治療)歯の神経を取る治療

 

 

いわゆる針のようなものですね。

 

まっすぐな根っこであれば、まっすぐな針を使うことによって先端まで持って行くことができます。

 

(中略)

 

しかしながら曲がった根っこの場合には、曲がった器具でしか入れることができないのです。

 

しかし実際の器具はまっすぐなのです。

 

 

無理して頑張って開けようすると、実は根っこの途中に穴が開いてしまうということがあるのです。

 

 

根っこの途中に穴が開いてしまうとそこからバイ菌や薬が根の外へ流出したり血液やいろんな物が入ってきますから、結局歯を残すための根っこの治療であったはずなのに歯そのものを抜かなければならないという結果になってしまうことがあるのです。

 

 

ですから必ずしも神経がキチンと取れなくても一旦それで様子を見る。

 

これ以上取ると悪化してしまう可能性があるのでそれ以上はやらずにそこで止めておく、ということは日常診療において多々あることなのです。

 

ですからまず一点目としては、神経は完全には取り切れない。

 

しかもそれだけ多くの本数をしかも網目状になっている神経をキチンときれいに取る、これを短時間で1回で取れるというのはなかなか難しいことなのです。

 

通常根っこの治療(歯の神経の治療、根管治療ともいいます)というのは何回も何回も治療を受けることが多いのです。

 

しかも初めて1回目の治療というのはバイ菌があまり入っていないことが多いですから、比較的簡単に治療できることが多いです。

 

しかしながら2回目の治療、以前に治療したことがある歯をもう一度治療を行う場合には

 

その時にはバイ菌がいろんな所に潜んでおりますから何回も何回も治療が必要になることがあります。

 

 

私は、この話を永久歯が生える前に知りたかったです。

 

この話を読むと、完全に治療するのが困難だというのは頷けます。

 

 

 

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根の掃除について

 

 

複雑な根を治療する為に使われる器具がこれです。

 

『歯チャンネル88 歯科大辞典 リーマー、ファイル』より引用

 

 

 

 

リーマーとファイルは見た目はほとんど同じで、目的も細菌に感染した歯質を削り取るということで一緒ですが、先端部の刃の形状に少し違いがあり、リーマーは回転させながら、ファイルは掻き出すようにして使用します。

 

リーマーやファイルには様々なサイズがあり、持つ部分の色でサイズが分かるようになっています。

 

また、リーマーやファイルは通常指で持って使用しますが、形状記憶合金であるニッケルチタンで出来たファイルなど、歯科用エンジンに取り付けて使用するタイプのものもあります。

 

また、根管治療中にリーマー(ファイル)が破折して、歯の中に残ってしまうというトラブルがまれにあります。

 

 

口腔外科で、根を掃除する道具が高いと聞いたのですが、おそらくこれのことだと思います。

 

これだけではイメージが湧きませんので補足します。

 

 

以下の本は、「2013年10月25日 第一版発行」になっていますが、冒頭で、昭和58年、『歯は一日で治る』を一部追加改訂して発行したもので、時代背景が現代とは異なるという前置きがしてあります。時代は古いですが、読んでいて根管治療のことがよくイメージできたので紹介します。

 

 

『歯は一日で治る 自分の歯を守る驚異の根管治療法 / 著者・谷口清』より引用

 

 

根管治療の実態

 

リーマーだこが歯医者の誇り

 

歯の根の中を治療するには、その根をさぐり、拡大して薬を送り込んでやる小器具を用いる。その名をリーマーという。リーマー、リームするもの、リームとは掘削である。

 

針金の先にネジを切ったもの。歯の根の太さに応じ、リーマーの直径もいろんな種類がある。

 

歯の根は、通常ひらべったい穴、楕円形をしている。そのいちばん広い径まであげてやらないと、神経や血管の組織が腐敗して残り、そのガスが周囲の骨やシャーピー線維をおかしていく。痛くて夜も眠れなくなる。

 

リーマーは、その太さにより、何番と呼ばれるが、その番号の国際規格は、直径が百分の何ミリかで呼ぶことになっている。

 

リーマーの20番といえば、百分の二十ミリの直径をもっているリーマーということだ。いちばん細いもので8番、つまり百分の八ミリからはじまって、8番、10番、15番と、数字が60番まで5番きざみになっている。百分の五十ミリまでは、リーマーは、百分の五ミリずつ太くなる。60番からは10番ずつ太くなり、100番といえば、直径一ミリである。

 

リーマーは、この太さのほかに、歯の位置により長さも使用上で使い分ける。これが二十一ミリ、二十五ミリ、三十一ミリの三種。

 

リーマーを使ったあとの、根の中を平滑にするために、ヤスリ状のファイルという、リーマーに似た小器具も併用する。ファイルにも太さと長さの別があり、さらにその形態から二つに分かれている。

 

これでリーマーとファイルで三種、長さ三種で計九種、直径が8番から120番までとして、ざっと十七種、全部でなんと百五十以上のタイプの異なる小器具をそろえていなくては仕事にならないことになるのだ

 

(中略)

 

リーマーは力を入れて回してはいけないと教えられたが、それはせいぜい40番までで、根の径が太くなり、楕円のそれを正円に整形しようとすると、指先にかなりの力が入ってくる。力任せに治療をすればリーマーが折れこんでしまうし、力を入れないと削れない。これが根管治療のコツである。

 

リーマーを上手に使いこなしている歯科医は、その利き腕の人差し指の先に、リーマーだこがかならずできている。

 

(144p~146p)

 

 

 

続いて同じ著者ですが、2007年9月に発行された本です。巻末に以下のように記載されているので、昔のものだと思います。

 

 

本書は『私は「初診料10万円」の歯医者です』『歯科・インプラントは白衣の悪魔』『歯医者がバラした歯医者の本』『A歯科タニグチ会・不定期刊「ASHIKA」』(いずれも谷口清・著)から抜粋し、また著者の友人たちの寄稿と協力によって構成されています。

 

 

『「ダメな歯医者」の見分け方 「歯医者えらび」も寿命のうち / 著者・谷口清 監修・谷口悦子』より引用

 

 

その細いリーマーで、歯の根をさぐっていくのが根管治療の始まりである。

 

最初から私が治療をする歯であれば、リーマーはすんなりと根管に入ってくれる。だが、前医による綿やら何やらのオマジナイがつめこまれている歯では、この始まりが、かなり手間取るのだ。

 

ヘタはヘタなりに、何もせずにいておいてくれればいいのにと、下手くそ歯医者を怨み、憎み、呪うのがほとんどである。

 

長年にわたり、ヘタな歯医者がいじった歯の後始末は大変だ。自己防衛のために身体ががんばり、根管の中にはカルシウムなどが沈着している。これを開けていくことこそ根管治療の基本なのである。

 

根の先から、手前約一ミリのところまで、リーマーでさぐっていく。

 

この一ミリは、カンと手先と、患者さんの反応や、微弱な電流を手掛かりにして計る。この際、X線写真も重要な情報を与えてくれる。

 

(142p)

 

 

再治療が難しいのが分かる気がします。

 

 

前医による綿やら何やらのオマジナイってなんですか?って思いませんか。昔の話だと思いたい・・・。

 

 

「リーマー」を使えない歯医者が歯を抜きたがる

 

10番のリーマーから、一〇〇分の五ミリずつ、根管を広げていく。

 

リーマーについた歯粉やゴミを、滅菌済みのリーマーで拭き取る。歯粉やゴミのついたリーマーは、アシスタントの衛生士が、拭いたところで取れやしないので使い捨てる。

 

ここで少しでも、歯を構成している意外の“何か”が付着していたら、まだ拡大がすんでいないのだ。

 

リーマーは、私の目の前に番号の小さいものから大きい順に、時計の針が動く方向と同じに並べさせてある。歯の表面は、エナメル質と称する、人体を構成している物質の中で、いちばん硬いものでおおわれている。

 

だからといって、根管を囲んでいる象牙質が柔らかいということはない。

 

リーマーは、根管にそって曲がり、それをリーム(回転させる)するから、リーマーの切れ味が落ち、刃先が曲がり、そして生体には不必要なものが絡みついてくる。

 

リーマーとは消耗品である。

 

こいつを力まかせに回せば折れる。折れたリーマーは二度ととり出せない。だから、ここは力とワザとカンの見せどころである。曲がったり、刃先が少しでも変化していたりしたときには、すぐに同じ番号のリーマーにとり替える。

 

リーマーは、私の目の前に、時計の針の動く方向と同じに太くなるように、衛生士に並べさせておくと書いた。このいちばん手前、すぐに手の届く所には、現在使用中と同じ番号、同じ長さのリーマーが置いてある。

 

だから、同じ長さのリーマーで、根管の汚れ具合や、曲がり具合で何回も何十回も、リーミングを繰り返すことになる。

 

歯医者はバカだから、一本七〇〇円のリーマーを惜しんで、無理にひねり、その結果、根管とは別のところにミゾをつくるヤツがいる。根管治療が健保で安いからと、リーマーをケチって、歯の中で折ってしまう。そうしておいていうことがいい。

 

「あなたの歯は、抜くしかない」

 

自分の不注意、不始末で残してしまった、折れたリーマーの証拠を隠すためなのである。

 

リーマー一本、太いものでたかだか一千円。

 

(147p~149p)

 

 

リーマー一本、たかだか一千円とありますが、消耗品なら高いです。口腔外科の先生が保険治療で質の高い根管治療をすると赤字になると言っていたのも頷けます。

 

治療費が歯科医院に行く片道の交通費より安いので、手間と材料費考えたら・・・。

 

ここまで、根の治療、特に再治療の大変さについて紹介しましたので、続いて、「再治療はいつ行なうべきなのか」についてお話したいと思います。

 

 

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再治療のタイミング

 

 

過去に根管治療をした歯の根に潜んでいたばい菌が、やがて骨を溶かしてしまうのですから、レントゲンで黒い部分が見つかった場合は、すぐに「治療をしたい」と思ってしまいます。

 

すぐに治療した方がよいのかどうかというと・・・

 

答えはNOです。

 

残念ですが、止めておいた方が良いと思いました。

 

私の場合、レントゲンで確認すると、「現在治療している歯」の隣の歯の根の下も、実は同じくらい溶けています。ただし、痛みは出ていません。

 

地雷を抱えている気分です。ですが、地雷をわざわざ踏みに行ってはいけないのです。

 

私も最初は、早めに対処したいので、今の歯の治療が終わったら、次に隣の歯も治療したいと考えました。その事を検査をしてくれた口腔外科のO先生と、今治療に当たってくれているS先生に聞いてみました。

 

結論は、レントゲンで顎の骨が溶けている事が確認された場合でも、症状が出ていないうちから、開けて治療しない方が良いそうです。

 

これは、2人とも意見が一致していました。

 

その理由を、小学生にもわかるように簡単に説明してくれました。

 

症状がない状態で下手にいじると、菌が活性化してしまい、悪化する事があるそうなのです。

 

もしそういう事になってしまうと、なんで治療したの?ということになりかねないと。

 

だから、少しでも前兆(例えば噛んだ時に少し痛む等)があった時に治療を開始する方が良いそうです。

 

ちなみに、S先生も同じようになっているけど、このような理由からいじっていないそうです。医師本人がそうしているという事は、それが最善なのだと思います。

 

 

また、以前紹介したブログでも、症状が出ていない状態で、治療を開始して酷くなった有様が書かれている事からも、この説には信憑性があると言えます。

 

 

『実花ちんの顎骨骨髄縁の体験談☆手術&治療完了までのブログ 異変をレントゲンで発見』より引用

 

 

一番最初の始まりは、いつも通っている歯医者さんからでした。

 

今ではどこを治療していたか忘れてしまったのですが、たしか右の奥歯の治療が終わりかけた時に、先生から「この間撮影したレントゲン、この左側の奥歯の根の部分にバイキンがたまっているようですので、これから治療していきましょうか」と提案していただきました。

 

その歯は、私が6年以上前に大阪住んでいるときに治療したもので、いわゆる「神経を抜いて治療したあと、銀歯をかぶせて終了」という、皆さんが歯科で受ける、ごくありふれた虫歯の治療跡です。

 

私は、その歯に痛みもありませんでしたし、すっかり治療が終わった歯ということで存在を忘れており、先生の説明を受けても、いまいちピンと来ませんでしたが、バイキンがたまってるなら、それは取った方がいいですから、「お願いします」と言いました。

 

(中略)

 

まず、帰宅するころには、痛みのなかったその歯が痛み出し、(あ~痛むなら(治療のため銀歯を)開けんかったら良かった…)と、その時は少し後悔したのですが、まあ、朝には治っているだろうとその夜は眠ったのです。

 

歯科医の意見や、酷くなった方の体験記から判断すると、「医療費の高い海外へ何年も住むから先に治療を済ませたい」等、特殊な事情でもない限り、下手にいじらない方が安全かと思います。私も今治療している隣の歯は、すぐに治療せずに、症状が出るまで様子を見る事にします。

 

 

保険診療と保険外診療の根管治療の違いは設備だけではないへ続く

 

 

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これまで、根管治療体験を7回にわたって記録してきました。今回からは、根管治療中に学んだ事を中心にお話したいと思います。

 

本記事では、先生を変えるべきかどうか悩んでいる人に向けて、私の体験をお話します。

 

 

その前にまず、現在の症状がどうなのかを報告しておきます(以下の根管治療体験⑦のその後です)。

 

根管治療体験⑦口腔外科にて下唇の腫れや痺れの原因は歯槽骨炎と判明

 

 

S病院の歯科・口腔外科で診てもらった結果、現時点では骨髄炎の心配はないということでした。

 

その後、「年末の段階では骨髄炎の一歩手前だったかもしれない」と言う事も含めて、口腔外科での診断をS先生に報告しました。S先生の方にもFAXが届いたらしく、このまま治療を続けてくださいという事でした。

 

 

この日の治療から塞ぐ処置になりました。これまで、歯の蓋をせずオープンにしていたことで圧が高くなることもなくなり、痛みも炎症も治まっていたからです。

 

 

ただ、この日は万が一の為に少し穴を開けておいてくれました。「また痛くなるようでしたら、すぐに来て下さい」と言われましたが、嬉しい事に、炎症も腫れも痛みもなく過ごすことができました。

 

 

なので、その次の治療の時に、痛みなど何も問題がなかった事を報告しました。こうして完全に塞ぐ方法になりました。今は、腫れ、痛みはありません。

 

 

快適な治療を継続中です。前の事を思うと本当にありがたいです。

 

 

もし今不自由があるとすれば、年末に腫れた箇所が硬くなって、少し残っていることです。歯槽骨が広がった感じがします。ハッキリ言って邪魔です。外から見てわかりませんが、口の中に何か異物があるような感覚です。

 

 

膿に押されて骨が変形した可能性があるそうです。治るまでに時間がかかると言われたので、もう少しかかりそうです。もし炎症が治まらなかったら、この変形はもっと酷かったかもしれません。

 

 

一応、骨が変形するのは大変な症状だと思ったので、ネットで調べたところ、「骨隆起」という症状がありました。

 

 

先生に「これは骨隆起ですか?」と訪ねたところ、私の場合は「骨隆起」とはまた違うそうです。私の場合は単純に骨が押されただけなので、中が空洞化しているような状態だから元に戻るそうなのです。

 

 

これに対し「骨隆起」の場合は骨が増殖するので、元には戻らないのだそうです。「骨隆起」ではないとの事で安心です。

 

 

『ムシバラボ お口の中にできた固いコブ、骨隆起ってどんなもの?治療は必要?』より引用

 

 

骨隆起とは

 

骨隆起とは外骨症(がいこつしょう)とも呼ばれ、単に骨が過剰に発育したものです。腫瘍のような悪いものではなく、特に病的なものではないため、生活に支障がなければ治療の必要性はありません。

 

子供の時に見られることはほとんどなく、年を取るとともに出現し、男性よりも女性に多く見られる傾向があります。人口の半数ほどの人に見られるありふれたものです。

 

40歳くらいから膨らみが出てきてずっと同じ大きさでとどまることもあれば、だんだんと大きくなっていく場合もあります。小さくなることはありません。また、左右対称に出ることがほとんどです。

 

 

このように小さくなることはないと書いてあります。

 

 

私の場合は「増殖」ではなく、「変形」です。口の中の硬い違和感は完全には取れていませんが、回復に向かっているので、このまま残りの治療も問題なく進むと思います。

 

 

問題が一段落したので、ここで改めて今回の事を振り返って、事前に知っておきたかった事や、(もう体験したくないですが)次に活かしたい事をまとめます。

 

 

 

それでは、冒頭でお話した、先生を変えるかどうかについてお話しします(以下の体験を元にお話します)。

 

根管治療体験⑤悩んでいる時間はない!私が治療途中で歯医者を変えた理由

 

根管治療体験⑥同じ症状でも、先生によって診断も対処も違った

 

根管治療体験⑦口腔外科にて下唇の腫れや痺れの原因は歯槽骨炎と判明

 

 

 

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歯科医師の違い

 

 

今回、同じ症状でも、歯科医師によって「意見」や「治療法」が違うということを目の当たりにしました。

 

私は、同じ日に、同じ症状を2人の歯科医師に診てもらったわけですが、診立ては間逆でした。

 

腫れの症状を見て、

 

 

A先生は、「ちょっと腫れてますね」と言い、

S先生は、「すごい腫れですね」と言いました。

 

 

また、しびれや、顎に穴が開いている状態について、私が骨髄炎の可能性はないかと訪ねたところ

 

 

A先生は、「それはないと思います」と言い、

S先生は、「その可能性は0ではないです」と言いました。

 

 

ちなみにS先生は、私が歯科衛生士さんに説明している話を聞いて、私から質問する前に、「しびれ」があることを心配する説明をしてくれました。

 

 

そして、これらの判断の違いが、私が紹介状を書いて欲しいと言った時の対応にも表れていました。

 

 

A先生は、痛み、腫れ、しびれは、根の治療中にはよくあることだからと、軽く考えていた為、緊急性はないと判断し、すぐに紹介状を書く事なく、様子を見ようとしたんだと思います。

 

S先生は、私の症状や訴えを深刻に捕らえてくれていたからこそ、私のお願いに対し、迅速に対応してくれたんだと思います。

 

 

このように、診断の結果が対応に表れます。

 

 

私が救命救急を受診した時、当直でいた口腔外科の先生に診てもらう事なく伝言で済まされたのは、「緊急性がない」と判断されたからだと思います。

 

根管治療体験③痛みと痺れが治まらないので、骨髄炎を心配する

 

 

ちなみに、後日検査の日に、その病院の口腔外科のO先生に、A先生に根の治療中はよくあることなのでと言われた事を説明したら、「確かに」と頷いておられました。

 

 

ちなみに、O先生は私が救命救急に行った事を知らなかったので、救急科の先生に伝言をした先生ではありません。

 

 

なので、根管治療中の痛み、腫れ、しびれは、軽く見られるのが一般的なのかもしれません。

 

 

 

そして、治療も違いました。

 

A先生は私が、痛いと訴えようが、腫れると訴えようが、しびれると訴えようが、3回とも蓋をしたのに対し、

 

S先生はその方法で症状が悪化している事を聞いて、それまでと違う、蓋をせずオープンにする方法をとってくれました。

 

 

口腔外科のO先生によると、オープンは古いやり方で、蓋をして中に細菌が入らないようにするのが最近の治療法だそうですが、状況を把握せず、常に最新の方法を用いてくれたA先生より、状況を把握した上で、状況に合わせた対応をしてくれたS先生の方が私には合っていました。

 

 

このように、同じ症状でも、診立てや対処が医師によって違い、その結果も変わるという事を身を持って体験しました。

 

 

だから、もし治療中に思ったような対応をしてもらえなくて、痛みが取れないとか、腫れるとか、症状が酷くて生活に支障が出る場合でも、解決してくれる医師を探す等、自分が納得がいくまで追求する事が大切です。少なくとも、私は今回そのようにして正解だったと思います。

 

 

痛みの対応について、以下の本が参考になります。

 

 

『歯は一日で治る 自分の歯を守る驚異の根管治療法 /著者:谷口 清』より引用

 

腫れてきた、夜中に痛む 

 

痛んでいるときは手をつけられない、というバカな科白(セリフ)

 

骨膜炎とか、歯根幕炎というような病気の場合である。

 

歯が痛んでいるときは手をつけないほうがいい、なんて、こんなバカな科白を吐く歯医者がかなりいるらしい。いるらしいというのは、そういわれたという患者があらわれるからで、しかも、こんなバカバカしい説明をなんとなく信じている。

 

痛んでいるから歯医者に行ったのに、その痛みの止めかたを知らないからと、そのまま患者に何もせずお帰り願うとは、患者を帰す前に、歯科医師免許証を国に帰してほしいものだ。

 

腫れてズキズキ痛むようなときは、まず前の歯医者の処置不完全なのだから、そのインチキ治療をとりのぞくことからはじまる。

 

このタイプの痛みとは、歯の中、またはその周辺に、ガスやウミがたまっていて、その出口がないために内圧が高まり、それが神経を圧迫しているのだから、そのガスやウミを出してやれば、それだけでかなり楽になる。同時に、抗生物質と消炎剤で原因をたたき、腫れをひかせる。

 

軽度の場合、これだって一回で終了してしまう。

 

(109P~110P)

 

 

私は納得がいかなかったので、ネットや本で調べたり、違う医師に診てもらいたいと思いました。

 

 

ですが、調べるのはともかく、この「先生を替える」という行為をするべきか、しないべきか・・・これに悩みました。

 

 

 

私は基本的に、辻褄の合わないデタラメな健康情報に対しては、「ここがおかしいと思う」と、ハッキリ言うタイプです。

 

 

 

しかし、実際に治療にあたってくれる人の診断や、治療法に対して、面と向かって疑うような事や、途中で止めてしまう事には、さすがに抵抗がありました。

 

 

最終的には情や義理を捨てたわけですが、そこに至るまでは「先生に対して悪い」とか思っていたからです。

 

 

悪意のある人や行為であれば、バッサリ切ることが出来ます。しかし、悪意なく治療に当たってくれている人の意見や治療法が「合わない」と感じた場合、悩みます。特に先生が良い人そうだった場合、途中で止めるのは罪悪感があります。相談するにしたって、その時やってくれている治療を間接的に否定することになりますから。

 

 

「根管治療なのに、なんでCT撮らないんですか?」なんて聞き辛いです。CTを取って欲しいとはずっと思っていたのですが、すぐに言えませんでした。

 

 

やっとCTを撮ってもらえないかと言い出せた時に、一瞬間を置いて「ん、何の為に?」と不自然な笑顔で言われたので、そのリアクションから「言っちゃマズい事だったのかな」と思いました。

 

 

根管治療体験⑤悩んでいる時間はない!私が治療途中で歯医者を変えた理由

 

 

このような事で悩む人は(特に年配の人に)多いのではないかと思います。そこで、私がA歯科へ行く事を止め、予約をキャンセルした理由についてお話します。

 

 

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先生を替えたくなる心理

 

 

私は歯科医を替えたわけですが、別に冷たくバサッと見限ったわけではありません。「途中で止めては申し訳ない」という葛藤がありました。それでも止めたのは何故かというと、それは

 

 

「痛み」よりも「不信感」です。

 

 

私はA先生を信じる事が出来ませんでした。その理由は3つです。

 

 

理由1、「診立て・予測」と「実際に起こる事」が違った事

 

私はA歯科に3回通いましたが、治療後は毎回痛みがありました。私も根管治療中には痛みがでることはネットから情報を得ていた為、ある程度は仕方が無いと思っていましたが、毎回「痛くないと思いますよ」的な事を言われるのに痛くなることが不安でした。

 

 

 

 

理由2、言動が二転三転した事

 

私が「通いたくない」と思った決定的な理由は、紹介状を一度は書くと言ったのに、後で撤回したことでした。言う事が二転三転する人は不安です。あの状況で「明後日来てなんともなかったら紹介状を書く」的な事を言われたのですが、それは私にとって「それまで、その症状に黙って耐え続けろ」と言われているに等しかったのです。なにより悪化していく症状を放置する事はありえないと思いました。

 

 

最初は「紹介状を書いてもらうのはハードルが高い事なのかな」とも思いましたよ。

 

 

でも、S先生は私の状態を見て、検査をしたいという私の思いを汲んでくれてすぐに書いてくれました。それも、他所で治療している途中でいきなり飛び込んだのにです。急ぎたい時に、時間をかせがずに対応してくれるS先生は心強かったです。私はフライングでもいいので早期発見したいタイプなので、このような対応をしてくれる先生に診てもらいたいです。

 

 

 

理由3、自信が大きすぎて相談し辛いと感じた事

 

自信が大きすぎる医師には意見が言いにくいと感じました。A先生には、患者の想定外の意見に耳を傾けない雰囲気がありました。あからさまに嫌な顔はしませんが、微妙に感じ取れます。

 

悪い人ではないと思うのですが、話をしていて、質問に対して答えがなかったり(こちらが聞いてやっと答える)、答えても「煙にまくような回答」が返ってきます。それがたまになら良いのですが、何度かあると不信感が湧きますし、ちゃんと答えられない時点で「この人本当にわかっているのかな」と思ってしまいます。わからない事は、正直に「わからない」でいいんです。ただハッキリして欲しいというのが私の希望です。

 

また、つっこんだ質問をした時に満面の笑みなのですが、「発言」、「タイミング」と「笑み」が微妙に合っていないので、「カチンときたのを、すかさず笑顔で誤魔化したな」というのが伝わってきます。

 

 

まぁ、確かに私は、めんどくさい患者だと思います。納得いかない事にはつっこみますので。

 

 

でも、それにはちゃんと理由があります。

 

 

私はこれまで、歯科治療は歯医者さんに丸投げで、ただ椅子の上で口を開けているだけでした。どの歯を、どういう目的で、どんな治療をするのか、それをするとどんな状態になるのか、メリットとデメリットは・・・等、説明を受けた記憶がほとんどありません。記憶が残っていないということは、たいした説明もなく、また、自分も質問せず漠然と治療を行なっていたのだと思います。

 

 

その結果、現在、歯の状態をレントゲンで確認すると「なんでこんなに神経を抜いた歯があるんだろう」というくらい悲惨な状況です。

 

 

自分自身に「治療している」という自覚が足りなかったから、こういう状態になったのです。それを後悔しているから、どういう目的で、どんな治療をするのか、何故そうなるのかを、確認、相談しながら治療する事にしているのです。

 

 

しかし、自信がありすぎると、それを崩すような意見には気を使います。

 

 

相手の機嫌を損ねないように・・・を考え出すと、今度は正直に相談できなくなってしまいます。もう痛くないはずだと自信に満ちた表情で「どうですか?」と聞かれたのに、全く変化が無かった時に、まだ痛いですと訴えづらい。(それでも言いますけど)

 

 

なので「先生の考えとズレる事を言っちゃマズいのかな」という空気を感じさせる人は、私には合わないと思いました。私的には「違う意見」を言われた時に動じない人が良いです。

 

 

自信を持っている事は良いと思うのですが、それが強すぎると困った事になります。

 

 

治療をしても症状がどんどん悪くなっているので、私は骨髄炎を心配して、大きな病院で検査をしたいとA先生に言いました。

 

 

しかし、帰ってきた答えは「今日は紹介状は書きません。次回まだ痛むようでしたら紹介状を書きます。根の治療中にはよくある事なので。骨髄炎の心配はありません。明後日来て下さい。違う化膿止めを出しておきます」というものでした。

 

 

付け加えるなら「大丈夫です。治ります。」とも言われました。1回目の治療の時は「2分の1の確率」と言われたわけですが・・・。

 

 

ここで、「いや、それでも心配だから書いて下さい」と言う気は起きませんでした。この人には頼めないなと思ったので、「そぅ・・・ですか・・・。」と言ってしまいました。

 

 

「大丈夫です。治ります」とハッキリ言われても、私は治るか、治らないかを聞きたかったのではなく、「何かあってはいけないから検査をしたい」と求めたのです。「説明すればきっと力になってくれるだろう」と思っていただけに、見当違いの答えが返ってきたときは、我が耳を疑いました。

 

 

そして、CTの何を根拠に「骨髄炎の心配はありません。」と自信満々で言ったのかわかりません。それらしき説明はありませんでしたから。

 

 

例えば、CTを見て「こうこうこういう理由だから、骨髄炎の心配はありません。」と根拠を述べてくれれば、私も納得するのですが、根拠もなく「心配はありません。」と言われたら納得できませんし不安です。

 

 

少なくとも、後日検査してくれたS病院の歯科・口腔外科のO先生は、レントゲンを見て、その画像から骨髄炎ではない理由を明確に説明してくれました。このように本当に理由がわかっていれば、説明できないという事はないはずなのです。

 

 

一番の問題は、A先生はCTを見た後で「骨髄炎の心配はありません」と言いましたが、その同じ人物がCTを撮る数分前に、CTを見ても骨髄炎かどうかはわからないとキッパリ言った事です。

 

 

こんなだから、「ちゃんとわかる人に診てもらいたい」と思いました。

 

 

別に、「よ~し、これからこいつを疑ってやるぜ」と、わざと疑っているわけではありません。なんというか、自然に信じられない。

 

 

疑う時に限って、「疑っちゃダメだ、疑っちゃダメだ」と心の中で連呼するものです。この心理状態では、手に汗握る治療になってしまいます。これでは、患者にとっても、歯科医にとってもよくありません。

 

 

自然に信じられる先生に治療をお願いするのが大切です。当たり前ですが。

 

 

従って、信じられない時や、正直に相談できない医師なら変えた方が良いと思います。

 

 

根管治療を完璧に行なうのはほぼ不可能。神経を抜いた歯の再治療の成功率が落ちる理由とはへ続く

 

 

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年末、根管治療中に痛み、腫れ、しびれに悩まされましたが、S先生になんとか症状悪化を食い止めてもらい、正月を乗り切りました。

 

年が明けてから、改めて紹介状を持って、大きな病院の歯科・口腔外科に検査に行きました。ちなみに、年末に救命救急で診てもらった病院の歯科・口腔外科です。

 

 

S先生に診てもらってから症状が治まってきて、この病院で検査をするころには、ほとんど腫れも引いていたので、骨髄炎の心配はほぼ消えていました。ですが、油断は出来ません。

 

現地に到着し、レントゲンを取って、歯科衛生士の方に歯をチェックされ、その後、治療椅子の上で先生を待ちました。

 

 

担当してくれたのは、歯科・口腔外科のO先生です。

 

 

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私の症状は骨炎だった

 

 

まず、結論から言います。私の症状は「骨髄炎」ではなく、「骨炎」とのことでした。

 

 

家に帰って調べてみると、まず、細菌によって炎症が周囲の組織まで広がる疾患は色々あって、これらを総称して「歯性感染症 しせい・かんせんしょう」と呼ぶそうです。

 

 

以下は「歯性感染症」の症状です。

 

 

『慶応義塾大学病院 医療・健康情報サイト 歯性感染症』より引用

 

症状

 

炎症の波及程度や病期により症状は異なりますが、急性炎症は局所症状として発赤、熱感、腫脹、疼痛、さらに開口障害、咀嚼(そしゃく)障害、嚥下(えんげ)障害などの機能障害が強く発現します。

 

急性炎症の末期では膿瘍と呼ばれる膿の集まりを形成することが多くあります。慢性炎症ではこれらの症状が軽微なことが多いです。

 

 

この中で私に起こったものは、熱感、腫脹、疼痛、嚥下障害です。ちなみに、場所は下顎で、全身の発熱はありませんでした。

 

 

で、歯性感染症は、「炎症がどこまで広がっているか」によって、以下のように分類されています。

 

 

 

智歯周囲炎

 

局所症状として歯肉の発赤、腫脹、圧痛、疼痛がみられ周囲組織に波及すると開口障害、嚥下痛、顎下リンパ節の腫脹と圧痛がみられます。全身症状として発熱、倦怠感、食欲不振がみられることがあります。

 

 

歯槽骨炎

 

原因歯の疼痛、打診痛とよばれる歯をたたいた時の痛みや動揺があり、その症状は隣の歯に及ぶことがあります。また、周囲歯肉の発赤、腫脹、圧痛があり、顎下リンパ節の腫脹、圧痛、膿瘍形成を認めることがあります。また、全身症状として発熱を認めることがあります。

 

 

顎骨骨膜炎

 

上顎骨骨膜炎の初期は、顔面の腫脹、硬結と圧痛および拍動性の疼痛が認められます。炎症が進展すると耳下腺部の腫脹、硬結、眼窩周囲の腫脹が認められることがあります。前歯部が原因のものは唇の腫脹を伴うこともあります。下顎骨骨膜炎は智歯に起因するものが多く、下頬部から顎下部にかけて広範囲な腫脹と発赤がみられます。強い疼痛と熱感、圧痛を伴う硬結があり、顎下リンパ節の腫脹、圧痛も著明です。顎骨周囲の膿瘍や蜂窩織炎を併発することが多くあります。

 

 

顎骨骨髄炎

 

上顎骨骨髄炎の症状は炎症の初期から原因歯やその近くの歯の動揺、打診痛、拍動性の強い疼痛と38~39℃の発熱があり、全身倦怠感、食欲不振、不眠なども発現することがあります。歯肉や顔面の腫脹は一般的に軽度です。下顎骨は表面の固い皮質骨が厚く、内部は骨髄の部分が多いため定型的な骨髄炎症状が発現します。症状は上顎骨とほぼ同様ですが顎下リンパ節炎や下顎骨内には下歯槽神経という知覚神経が走行しているため、その支配領域である下唇やオトガイ部の知覚過敏やしびれが発現する場合があります。

 

 

蜂窩織炎(ほうかしきえん)

 

局所症状として好発部位である舌下部、顎下部、オトガイ下部、頬部の浮腫性腫脹、発赤、疼痛、開口障害、嚥下障害、所属リンパ節の腫脹や圧痛などがみられます。全身症状としては38℃以上の高い発熱、倦怠感、頭痛、食欲不振が発現します。重症例では呼吸困難や肺に膿がたまる膿胸、縦隔炎、敗血症などで死亡する可能性もあります。

 

 

歯性上顎洞炎

 

通常は片側性で急性上顎洞炎では一般の急性化膿性炎と同様に発熱、全身倦怠感、食欲不振などが発現し、局所的には歯痛、頬部痛、扁桃痛、前額痛、眼窩下部の腫脹や圧痛が発現します。鼻症状として鼻漏、鼻閉、臭覚異常が発現することがあります。原因歯には浮いた感覚があり、打診痛も見られます。慢性上顎洞炎では全身的にも局所的にも炎症症状は軽く、炎症がおこっている側の鼻閉感、頭重感、偏頭痛、前額痛、軽度の頬部圧痛、悪臭のある膿性の鼻漏を認めることがあります。

 

 

 

私が「骨髄炎」を心配したのは、下唇がしびれたからなのですが、上の「顎骨骨髄炎 がくこつ・こつずいえん」の項目にも「その支配領域である下唇やオトガイ部の知覚過敏やしびれが発現する場合があります。」と書いてあります。

 

 

ですが、私の症状は、O先生に「骨炎」と診断されたので、上の「歯槽骨炎 しそうこつえん」に該当することになります。

 

 

炎症については、以下の記事の最初と、最後に詳しく書きました。

 

炎症と自己免疫疾患について分かりやすく説明してみた

 

 

 

診断方法

 

 

診断方法は以下の4つでした。

 

 

 

 

  • レントゲン

 

  • 顔下半分~喉の触診

 

  • 歯を直接診たり、叩いたりする

 

  • 問診

 

 

 

触診では「ちょっと、リンパが腫れていますね。」と言われました。

 

 

ちなみに、この時は歯を叩かれても痛くなくなっていました。

 

 

 

特に時間をさいてもらったのが、最後の問診です。

 

 

年末に起こった事を、細かく時系列に聞かれたのですが、痛かった時の数日間は、記憶が飛んでいるところもあったので、説明するのに苦労しました。

 

 

「おちついて、ゆっくり話して下さい」と言われました。

 

 

 

5日間の出来事を全部話し、それをパソコンに打ち終えたO先生が、近くに来て話し始めました。

 

 

 

O先生:「大変でしたね」

 

 

私:「はい、相当焦りました。」

 

 

O先生:「現時点では骨髄炎ではないと思います。おそらく「骨髄炎」ではなく「骨炎」ですね。」

 

 

私:「「こつえん」ですか?」

 

 

O先生:「そうです。調べたら出てくると思いますよ。」

 

 

 

私が根管治療について調べ上げた事を話したので、O先生はそう言いました。

 

 

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骨炎と骨髄炎の違い

 

 

「骨炎」と「骨髄炎」の違いを簡単に説明されました。

 

 

記憶に残っているのは、「骨髄炎」になっているとレントゲンを撮ると白く写っていたり、骨が壊死して形成された腐骨というものがあったりするそうです。

 

 

私のレントゲンには、それらはないそうです。そして、このように言われました。

 

 

 

O先生:「さっき歯を叩いた時に「痛くない」ということだったのですが、これが骨髄炎だとものすごく痛いんです。おそらく、年末の一番酷い状態の時は叩くと痛かったとは思いますが、今は落ち着いているので大丈夫だと思います。」

 

 

私:「そうですか。ところで、骨炎を放置すると、骨髄炎になったりするんですか?」

 

 

O先生:「そうです。」

 

 

 

こう言われたので、帰って調べてみました。

 

 

骨炎 → 骨髄炎  の流れはこのように書いてありました。

 

 

『コトバンク 歯槽骨炎』より引用

 

歯槽骨炎の場合、細菌の菌力が強いときや局所の抵抗力が減弱しているときには、炎症は歯槽骨にとどまらず顎骨骨体部にまで拡大し、顎骨骨膜炎、顎骨骨髄炎、さらには周囲軟組織の口腔(こうくう)底炎、顎骨周囲炎、扁桃(へんとう)周囲炎、頬部蜂窩織炎(ほうかしきえん)などをおこすことがある。

 

 

 

ちなみに、骨髄炎を放置すると・・・

 

 

『札幌町の歯医者さん 歯ぐきが腫れる原因:顎骨骨髄炎』より引用

 

 

 

顎骨骨髄炎を放置するとどうなる?

 

顎骨骨髄炎という病気にかかると、その治療がとても大変なものになります。この病気自体がとても重い病気であるために、病名がわかった時点でその後の治療方法を早く決めて取りかからなければなりません。何故なら少しの迷いの間にも症状がかなり進んでしまうからです。

 

骨の病気ですから最悪の場合は骨が腐ってしまいます。そうなるとその患部近くの歯を抜歯して、腐った骨の部分を切除するような大きな手術をすることになるでしょう。

 

一般的な顎骨骨髄炎の治療方法

 

顎骨骨髄炎は、治すのがとても難しい病気です。しかしその始まりは虫歯の場合が多く誰でもかかりえる病気です。あごの腫瘍や骨折などから化膿、炎症が起こる場合もあります。

 

顎骨骨髄炎の治療方法は、顎の骨の腐ってしまった部分を取り除く手術療法、抗生剤を使って骨髄炎の範囲を小さくしていく薬物療法、抗菌薬を含んだ液で洗い流す局所洗浄療法、骨髄への血流循環を改善して回復をはかる高圧酸素療法があります。

このうちのいくつかを組み合わせて治療することが多く、痛みの強い急性期には安静にして抗生剤をつかい、痛みが落ち着いたところで細菌の感染源となっている虫歯の抜歯や腐骨の切除手術を行い、後療法として局所洗浄療法や高圧酸素療法を行うといった具合です。

 

 

・・・なんと、恐ろしい。

 

 

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治療の説明

 

 

次に、私がこれまでしてもらった治療の詳細を説明をしてくれました。

 

 

 

O先生:「根の下に膿が溜まって、上が蓋で下に骨があるので、圧が高くなった、というS先生の見立てで合っていると思います。フレアーアップというのですが。だから蓋をしない事で圧が上がらないように処置をされたんだと思います。オープンって言うんですけど。処置が良かったから、治まったんだと思います。」

 

 

O先生:「ただ、最近の根管治療のやり方では、蓋をして細菌が中に入らないようにするのが主流なんです。オープンは少し古いやり方になります。だから、A先生がした処置も間違いではない。」

 

 

 

続いて、頭蓋骨の模型と、顎の解剖図を持って来て、しびれのメカニズムを詳しく説明してくれました。

 

 

 

O先生:「顎の骨の内側に小さな穴があるんですけど、ここから、顎の前の穴(オトガイ孔)に向かって神経が通っています。腫れてこの神経が圧迫されるとしびれます。」

 

 

 

オトガイ神経が通っている穴です。

 

 

 

 

 

根幹治療はやっぱり難しかった

 

 

そして、根管治療の難しさについての話になりました。

 

 

 

私:「根管治療が成功する確率は、保険診療だと2分の1なんですよね。」

 

 

O先生:「そうなんです。神経を抜いた歯の再治療になると、成功する確率はグッと低くなります。歯の治療はここ10年ですごく進化したんですね。良い器具が開発されたことで良くなったんですけど、それが凄い高いんですよ。でも、もし、保険診療の歯科でそういう器具を使うと大赤字になっちゃうので、使えないんです。」

 

 

私:「やっぱり、そうなんですね。保険外診療だったら、確率が90%になるのはそういう理由もあるからなんですね。」

 

 

O先生:「そうなんです。根管治療を保険外でやってくれる先生は、県内では・・・僕が知っている限りでは・・・一人。僕も根管治療は保険外でやってもらっているんですが、お金もかかるので、10万円以上、そこまでお金がかけられないっていう方ももちろんいます。でも、歯を長持ちさせたいのであれば、保険外診療の方が質の良い治療が受けられます。まぁ、これは価値観の問題なので、将来の事を良く考えて決められたら良いと思いますよ。」

 

 

 

私:「最初は高いと思いましたが、何度か、この痛みを消してくれるなら、保険外診療には価値があると思いました。」

 

 

 

 

O先生:「今、オープンにされて、お正月休みがあって結構時間が開いていると思うのですが、なるべく日にちを明けないで早めに塞いでもらって下さい。口の中は細菌が多くて、歯糞は排水溝と同じくらい汚いって知っていますか?」

 

 

私:「はい、それは聞いた事があります。」

 

 

 

そして、今後、私はどうすればい良いかを相談しました。

 

 

私:「先生、私、知らなかったんですが、歯の神経を抜くと、血管を抜く事になるんですよね。ということは、血管がないから免疫細胞である白血球がこの神経がない部分に行けないんですよね。つまり、ここ(歯の中)は細菌の無法地帯だから、いくら体を鍛えようが、免疫力がアップしようが、この部分には通用しないって事ですよね?」

 

 

 

O先生:「よくご存知ですね。」

 

 

 

私:「神経を抜いた歯は、こうならないように、一生メンテナンスをし続けていった方がいいですか?特に今回、こんなに骨に穴が開いてるのに、気が付かなかったのがショックだったんです。知らせてくれる神経がないから・・・」

 

 

O先生:「そうですね。例えばレントゲンを定期的、1年とか、半年に一回撮って診てもらうとか。レントゲン見てもわかるように、結構神経を抜かれているようですから、そういう事もS先生と相談されたら良いと思いますよ。」

 

 

 

私:「そうですね。神経を抜いてしまったことを凄く後悔しています。」

 

 

 

 

で、最後に、あまりに情報量が多かったので、S先生にどう要約して伝えたらよいかを相談しました。すると、

 

 

 

O先生:「現時点では、骨髄炎の心配はありません。CT等の追加の検査は必要ありません。」

 

 

O先生:「ただし、年末の一番酷い状態の時は骨髄炎になりかけていたかもしれないです。その時検査してないから正確にはなんとも言えないですが、状況を聞いた限りではそういう状態だった可能性もあります。一歩手前ですね。」

 

 

O先生:「S先生にお手紙を書いておきますね。ちょっと外で待っていて下さい。」

 

 

私:「ありがとうございます。」

 

 

 

以上が、覚えている限りですが、O先生にされた説明です。

 

ここでCTは撮りませんでしたが、この時の状態が良かったので、撮らなくても心配はありませんでした。それに加えて、O先生の客観的で分かりやすい説明に納得がいったので、満足のいく検査でした。

 

これで、「骨髄炎」の心配は完全に無くなったわけですが、

 

 

>年末の一番酷い状態の時は骨髄炎になりかけていたかもしれないです。

 

 

こう言われた時、

 

 

 

 

危なかった~!!

 

 

と、思いました。あのまま圧が高くなり続けたら、ヤバかったということでしょう。

 

助けてくれたS先生には本当に感謝しています。例え、古いやり方だったとしても、それがなければ、あの状況は変わらなかったと思います。

 

 

歯医者を変えたい、今の先生は信頼できない、と思っている人に言いたいことへ続く

 

 

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本記事は以下の続編です。

 

根管治療体験⑤悩んでいる時間はない!私が治療途中で歯医者を変えた理由

 

 

A歯科で治療したものの、思うような改善が見られず、おまけに、その日に紹介状を書いてもらう事もできませんでした。

 

痛みと腫れ、しびれが酷い(と自分では思っている)のに、「根の治療中にはよくあることなので」と言われたのです。

 

でも、自分の感覚では、日に日に酷くなっていて、どう考えてもおかしいのです。素人である自分の感覚を信じるか、A先生の意見を真に受けるかで迷ったのですが、自分の感覚を信じました。

 

といっても、私は素人です。正確な診断は出来ません。

 

なので、以前親知らずを抜いてくれた、ちょっと遠い「S歯科の先生」に見てもらう事にしたのです。

 

A歯科に行ったその日の4時に、S歯科の予約を取ることができました。

 

我慢するつもりでしたが、痛みが酷く、予約時間の1時間前にロキソニンを飲みました。

 

 

まさか、一日に3件の歯科に行く事になるとは思いませんでした(※最初のT病院は診察すらしてもらえなかったので行ったうちにも入りませんが...)

 

 

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細かい説明と柔軟な対応

 

 

別のところで治療してもらって、同じ日の午後にS先生に見てもらうことになりました。治療途中の歯を丸投げする形で対処してもらうことになったので申し訳ないと思いました。

 

 

ですが、結論から言うとS歯科に来て良かったです。この状態にも関わらず、S先生はとても誠実に対応してくれました。

 

 

椅子に座ると、最初、歯科衛生士さんに事情を聞かれたので、経緯を説明しました。

 

 

 

別の歯科で治療してもらったけど、痛みが酷く、腫れやしびれがあること。治療してもらったのに、膿はほとんど取ってもらえなかったので腫れが改善されない事・・・等々、混乱していましたが、伝えられるだけ伝えました。

 

 

 

それを傍で聞いていたS先生がやってきました。

 

 

「ちょっと、誤解があったみたいなのですが・・・」

 

 

・・・と、いつものように詳しい説明をしてくれました。

 

 

その説明によると、なんでも、膿は一度には全部取れないそうなのです。その理由は記憶が飛んで覚えていないのですが、どちらにせよ、説明されたことで納得できました。

 

 

そういう説明を受けたのは始めてだったので安心しました。

 

 

さらに、昔取ったレントゲンで、現在の状況を想定しながら説明は続きます。

 

 

色々と話してくれた後、先生の方から「しびれがあるのが心配だ」と言ってくれました。はじめてこの部分を気にかけてもらえました。

 

 

私は思わず、

 

 

「ネットで調べたら、「唇に痺れがある場合、大きい病院の口腔外科に見てもらった方が良い」と書いてあったのですが、この痺れは骨髄炎の可能性はありますか?最近撮った画像ではこの数年前のレントゲン写真よりもかなり骨が溶けていたのですが・・・」

 

 

そう言うと、

 

 

「その可能性は0ではないです。」

 

 

と数年前に取ったレントゲンを見て言ってくれました。最近取ったレントゲンほどではないですが、よくみるとその画像でも根の部分がやや黒くなりかけています。

 

 

その過去の写真から、現在の状況を推察して、そういう危険性があると示唆してくれたので、私はダメもとで、

 

 

前にかかった歯科の先生に、骨髄炎だった場合、なるべく早く対処したいから、大きな病院で検査をしたいことを伝えたら、一度は承諾してくれたものの、後で書かないと言われて不審に思った事、何もなければないでいい、フライングでもいいから、早期発見がしたい事、それらを伝えて、

 

 

「紹介状を書いてもらえませんか」と、お願いしました。すると、

 

 

「いいですよ」

 

 

と、嫌な顔一つせず、快く引き受けてくれました。一瞬の間もなくすんなりとです。

 

 

「少し待っていただくようになりますが、お時間は大丈夫ですか?」

 

 

と言ってくれました。S先生に一番面倒を押し付けたのですが、誰よりも私の気持ちを汲んでくれ、誠実に対応してくれました。これがどれほど有難かったかは言うまでもありません。

 

 

他所で治療していた歯を丸投げしたわけですから、先生も最初は「どこまでいじっていいのかわからない」と言っていました。

 

 

S先生のここまでの対応を見て、ここに来ようと決意した私は、「もう行きたくない・・・。治療して下さい。」とお願いしました。

 

 

 

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違う意見

 

 

その後、口がどういう状況か、診察をしてもらいました。口の中を見て

 

 

S先生:「すごい腫れですね」

 

 

と言われました。やっと、そう言ってもらえたので、ちょっとホッとしました。

 

 

私:「これでも3分の1は取ってもらったからマシなのですが、これより腫れていたのに「ちょっと、腫れてますね」って言われました。」

 

 

S先生:「えっ、そうなんですか」

 

 

その後、

 

 

S先生:「一部分だけレントゲンを撮らせて下さいね。」

 

 

こうして、小さいレントゲンを撮りました。

 

 

その後、現在のレントゲン画像を見ながら、再び説明をしてくれました。

 

 

 

●蓋を外してみたら、血の混じった膿がでていたので、外しっぱなしにする。(開放)

 

●歯の一部だけレントゲンを撮ると歯の根が太くなっていた。それは細菌から守るために太くなった

 

●そこに膿がたまると上は蓋、下は骨で逃げ場がなくなって圧がどんどん高くなる、腫れて、それがオトガイ神経に障って唇がしびれたのだろうと。

 

●「ただし、骨が解けているので心配なのが・・・」と言われたので、「骨髄炎とかですか?」と聞くと、「そうですね」と。

 

●腫れたところは、硬くなっているので骨が変形している可能性がある。時間はかかるけど元に戻るとのこと。

 

 

・・・等々、他にも色々と教えてくれたのですが、知らない情報量が多すぎた為、良く覚えていないのです。ですが、考えられる症状のメカニズムと、その対処法等、素人でも分かるように説明してくれました。これによって、自分の置かれている状況が腑に落ちました。

 

 

これだったんですよ。私が聞きたかったのは。

 

 

この日は、圧が高くなるので、蓋をせずにお薬を詰めて開放し、開いたところに綿をつめてもらいました。替えの綿を出しておくので時々変えて下さいとのことでした。

 

そして、こんな説明もされました。

 

 

S先生:「このまま(膿の)腫れが消えなければ、横から切って膿を取り出す事もできますが、ただし、膿には麻酔が効かないので、相当な激痛が・・・自然と腫れが治まればいいのですが。」

 

 

・・・・・・

 

 

あぁ、そういうことか!!(心の声)・・・と、思いました。

 

 

A歯科で歯茎(頬に近いところ)を切ってもらった時に、麻酔をしてもらったにも関わらず激痛だった理由がようやくわかりました。

 

要するに麻酔が効いてなかったのです。確かにあれは痛かった。

 

 

せっかくですので、その後、腫れた部分に麻酔が効かない理由を調べてみました。

 

『よしなか歯科クリニック 炎症が強いと麻酔が効きにくいことが多いのはなぜ?』より引用

 

キーワードは

 

麻酔効果
酸塩基平衡
pH
です。高校の化学のお話が出てきますが、なるべくわかりやすく書いてみたいと思います。

 

 

リドカイン(よしなか歯科クリニックで使用している局所麻酔薬)を代表とする局所麻酔薬は
化学式では
RN・HClという塩酸塩で表されます。

それが組織内へ入ると
RNH+⇔RN+H+
という酸塩基平衡の状態になります。
ここで一つ目のキーワードです。

 

次にこの酸塩基平衡となっているうち、RNの方が神経内へ浸透し、麻酔効果を発現します。
つまり麻酔効果があるのはRNのみとなります。
つまり麻酔液の100%が効果があるわけではないのですね。
ここで二つ目のキーワードです。

 

 

次に炎症が起こっている場所でのpHが問題となります。
炎症部位では組織がpHが低くなっています。
酸性に、H+が多く存在しているということになります。

 

この酸性が多い環境では先ほどの酸塩基平衡がどうなるか?それは
H+の数を減らすように分かれていたRNとH+が結びつき、RNH+の数が多くなります。
つまり麻酔効果のあるRNが少なくなることになります。
そのため麻酔が全く効かないという状況になってしまいます。

 

これが炎症部分に麻酔が効きにくい理由です。

 

麻酔が効かないのはこういうことらしいです。

 

 

話を元に戻します。

 

症状が把握できて、麻酔の謎も解けました。治療後、

 

S先生:「前のところでお薬はもらいましたか?」

 

私:「はい、これをもらいました。(といってジスロマックを見せる)」

 

S先生:「じゃあ、お薬は出さなくて大丈夫ですね。」

 

診察室を出た後、紹介状をもらって帰りました。

 

 

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治療で開放してもらった後の状態

 

S先生の判断、処置が良かったので嬉しい事に、治療後、全く痛くありませんでした。治療後から今にいたるまで一度もロキソニンを飲んでいません。先生の見立て通り、蓋をしない事で中の圧が上がらず、腫れの勢いが無くなったようでした。

 

ところで、「ジスロマック」という化膿止めは、結構きつかったです。

 

 

お腹が緩くなると聞いたのですが、腹には異常なく、飲んで30分後にものすごい倦怠感に襲われました。殺菌効果が半端ないのでしょうが、免疫機能にもダメージを与えているのでは?というくらい強い副作用でした。

 

 

前にもらった「メイアクトMS錠100」という化膿止めはこんな事はなかったのですが...。

 

「抗がん剤は癌を攻撃するけど正常な細胞にもダメージを与える」とはよく聞きますが、「あれと似た様なもんかな」と思いました。

 

 

この薬は、一回で止め、前の「メイアクトMS錠100」がまだ残っていたので、そちらを飲む事にしました。

 

 

薬の副作用以外は何の問題も起きませんでした。歯の痛みから完全に解放され、この日は4日ぶりに熟睡できました。

 

 

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傷みが消え、腫れや痺れが小さくなっていった

 

朝起きたら、痛みがないだけでなく、腫れとしびれが少し小さくなっていました。

 

 

嬉しかったのは舌を動かしても痛くなかったことです。この日から水も普通に飲めました。

 

 

しびれの原因が「腫れ」だった為、歯の中に圧がかからないようにすることで、腫れが悪化することもなく、それによるオトガイ神経への圧迫も無くなる、ということだと思います。

 

 

しびれが一番怖かったので、これが縮小した時は本当に嬉しかったです。

 

 

いきなり完全に治ったりしませんが、S先生の処置を境に症状の悪化が止まり、回復の方向に向かいました。それは、この日だけではなく、これ以降も少しずつ、少しずつ回復していきました。S先生には本当に感謝しています。

 

 

しかし、この日は体に激痛が・・・。

 

 

ベットから起き上がった途端、前日にこけた時の痛みを感じました。

 

 

「あぁ、そういえば階段から落ちたわ」そう思いました。

 

 

左大腿骨の上、肋骨 膝、肩、右の上腕二頭骨の上・・・と、体のあちこちに打ち身の痛さがありました。前日、全く痛くなかったのが不思議です。頭蓋骨に響く歯の痛みから解放されたことで、体の痛みを強く感じる気がしました。

 

 

でも、歯の痛みに比べたら、全然平気でした。

 

 

歯の痛みは座っていても、寝ていても、何をやっていても痛かったですから。無理矢理体を動かして、痛みを紛らわせるくらいしかできませんでした。

 

 

ネットを開いても、心配で歯の事ばかり調べていました。「なんとか解決しないとヤバイ」という思いがあったので、他の事が全く手につきませんでした。

 

 

痛みと、この先どうなるんだろうという不安から開放されてホッとしました。

 

 

その後、S先生に年末までに2回見てもらいましたが、痛みは全く無く、腫れと、しびれの範囲はどんどん狭くなって行きました。炎症が縮小していく感じでした。

 

 

そして、年が明けて、紹介状を持って大きな病院の歯科・口腔外科に行ったのでした。年末に救急で診てもらった病院です。

 

 

根管治療体験⑦口腔外科にて下唇の腫れや痺れの原因は歯槽骨炎と判明へ続く

 

 

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前回の話の続きです。

 

 

根管治療体験④紹介状を持たず、大きい病院の歯科・口腔外科に行った

 

 

 

簡単に要約します。

 

 

 

痛みだけでなく、腫れや、しびれが酷くなっていったので、私はネットで解決策がないかを調べました。調べていくうちに、「骨髄炎」になった方の体験記を読んだことで、骨髄炎じゃないかと心配になりました。

 

 

 

しかし、そういう可能性が起こる事を、A歯科の先生は話してくれませんでしたので、このままA歯科に通うべきか迷いました。

 

 

 

症状はどんどん悪くなっていったのですが、A歯科の休診日と祝日が続き、2日間見てもらうことができませんでした。一応、祝日の日に大きい病院の救急科に行ったのですが、当直の歯科・口腔外科の先生には見てもらえず、薬をもらって帰りました。

 

 

 

帰る時に、救急科の先生から今かかっている先生に相談するようにアドバイスを受けました。

 

 

 

 

A歯科の先生に相談して、紹介状を書いてもらって大きい病院の口腔外科へ行く事も考えましたが、それは時間的に無理なので止めました。翌日の土曜日に見てもらわないとヤバイ状況だったのです。

 

 

 

基本的に大きい病院の歯科・口腔外科というのは土日は開いていません。

 

 

 

唯一見つけた、翌日の土曜日の12:30まで開いている、T病院の歯科・口腔外科に行くしかなく、間に合わせる為に、紹介状無しで直接行く事にしました。土曜、日曜と休みが続いていたので、急ぐ為には仕方なかったのです。

 

 

 

ところが、T病院の歯科・口腔外科には事情を話した上で予約を取って行ったのですが、行った後、待合室で門前払いをくらいました。

 

 

 

そこでも今かかっている先生に相談するように言われたので、その後すぐに、A歯科の予約を取ったのでした。

 

 

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かかっている先生に相談した

 

 

骨髄炎だったら早期発見したい。しびれの理由が知りたい。そう思いながらA歯科に到着しました。3回目の治療になります。

 

 

 

診察室に入ると、先生が私の顔を見て、「ちょっと・・・、腫れてますね」と言いました。

 

 

 

「これはちょっとなのか...」と思いましたが、症状を訴え、骨髄炎について聞いてみることにしました。

 

 

 

私:「痛みは波があるので、痛みが無くなる事もありますが、痛い時は耳の奥や頭まで痛いんです。それと、しびれがだんだん酷くなっています。唇は半分がしびれています。舌もしびれて飲み込むと痛いので、食事もできません。水を少し飲むのがやっとです。歯よりも、骨が痛いんです。私なりにネットで調べたのですが、骨髄炎という可能性はありませんか。」

 

 

A先生:「それはないと思います。」

 

 

私:「先生、CTを撮ってもらう事はできませんか」

 

 

 

A先生:「ん、何のために?」

 

 

 

と、笑顔で言われました。

 

 

 

 

私:「もし骨髄炎だった場合、早めに対処したいので調べたいのです。ネットでも「しびれが出た場合は大きい病院の口腔外科で見てもらった方がいい」と書いてありましたし。もし、骨髄炎だった場合、酷くなった場合、入院や手術になるとか・・・。それか、もし難しいようでしたら、大きな病院の紹介状を書いていただくことは出来ませんか」

 

 

A先生:「書きますよ。」

 

 

 

(沈黙)

 

 

 

A先生:「撮りましょう!!」

 

 

 

そう言って、準備をするから待つように言われました。「あぁよかった」と思って先生に聞きました。

 

 

 

私:「CTを撮ったら骨髄炎かどうかわかるんですよね」

 

 

 

A先生:「わかりません!!」

 

 

 

と笑顔で言われました。不自然な笑顔だったので、なんかマズい言い方をしたのかもしれないです。疑っているみたいだからな・・・。でも言わなきゃいけなかったし・・・。

 

 

 

 

でも、わからないと言われた時は「えっ、わかんないの?」と口には出しませんでしたが思いました。

 

 

 

正直この人がわからないんだったら、ここでCTって言わずに、「紹介状書いて下さい」だけ言えば良かったと後悔。ちゃんと見立ててくれるかな・・・。ずっと考えていました。

 

 

 

準備完了し、CTを撮って、再び待ちます。

 

 

 

 

すると、「もう一度撮らせてください」と言われ、もう一度撮ることになりました。ますます不安。

 

 

気を取り直して、待っていると、目の前のモニターで画像が見られるようになりました。見て驚いたのが、骨の溶け具合です。黒い影が大きいのです。レントゲンで写らなかったところまでCTではしっかり映っています。結構溶けていてショックでした。

 

 

 

その画像を見て、「骨髄炎ではありません」と言われました。

 

 

 

さっき「わかりません!!」って言ったのに・・・。ハッキリ骨髄炎じゃないって・・・どっちを信じたらいいんだろう。結構溶けているんですけど...。

 

 

 

自信を持って言い切られると、さすがの私も、これ以上はつっこめませんでした。

 

 

 

 

私:「そう・・・ですか。それならよかったです(超不安)」

 

 

 

まあ、紹介状を書いてもらえれば、また検査してもらえるかもしれないからいいかと思いました。

 

 

 

その後、治療をしてもらいました。また被せを取って、これまでと同じ治療です。終わった後に、膿を取ったから大丈夫と言われましたが、しびれ、頬の腫れが変わりません。

 

 

 

 

「どうですか?」

 

 

 

 

といわれたのですが、何も変わっていなかったのです。私の感覚がおかしいのかなというくらい。痛みはなかったのですが、治療中、かぶせを取っている時はいつも痛みがないので、膿をとったから痛くないのか、かぶせを取っているから痛くないのかわかりません。

 

 

 

「痛みは少し無くなった・・・ような気はしますが、腫れとしびれが全く変わりません」

 

 

 

もう一度根の下の膿を取ってもらいますが、やはり変わりません。顔が腫れているくらいですから、口の中も相当腫れています。

 

 

 

全く変わらないので私は、治療中思わず「腫れたところを切ってもらいたいくらい」と言ったのです。

 

 

 

 

A先生:「そうしましょう!!麻酔して」

 

 

 

 

そう言って、腫れた歯茎(どちらかというと頬の内側ですが、腫れていて歯茎と頬が一体化しているみたいです)を直接治療してくれました。

 

 

 

ですが、メチャクチャ痛いんです。麻酔ちゃんとしてくれたの?というくらい。

 

 

 

 

あまりの痛さにしまった、いらんこと言うんじゃなかった」と思いました。歯や顎の骨のうずく痛さとは違う、頬の内側が裂けるような痛さでした。

 

 

 

こうして歯茎を切って3分の1くらい膿を取ってもらったのですが、3分の2は残っています。なのでしびれも変わりません。そこで治療終了です。

 

 

まだ残ってるんですけど・・・何も変わらないんですけど。改善されずこれで終わり?と思っていたら、先生が一言、

 

 

 

A先生:「今日は紹介状は書きません。次回まだ痛むようでしたら紹介状を書きます。根の治療中にはよくある事なので。骨髄炎の心配はありません。明後日来て下さい。違う化膿止めを出しておきます」

 

 

 

私:「ぅ・・・ですか・・・。」

 

 

 

A先生:「大丈夫です。治ります。」

 

 

私:「治るんですか」

 

 

A先生:「治ります!!」

 

 

 

 

 

・・・「今日は紹介状は書きません」と言われた時のガッカリ感は半端なく、言葉では言い表せません。

 

 

前日の祝日に、救急科に行き、様子見扱いとなり、

 

 

 

土曜のこの日、なんとか大きな病院の歯科・口腔外科の予約を取って行くも、門前払いをくらい、

 

 

 

その後、A歯科でも一度は紹介状を書くと言われたのに、帰り際に書かないと言われ・・・

 

 

 

正直、ここに来る気は半分失せて、診察室を後にしました。

 

 

 

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決断

 

 

 

1回目、痛み止めは必要ないと思いますが、一応出しておきます。・・・そう言われた後で激痛が起こり、

 

 

2回目、もう痛くなることはないと思いますよ。・・・そう言われた後で激痛と腫れとしびれが発生、

 

 

3回目、骨髄炎の心配はないと思います。・・・1回目も2回目もその通りにならなかったので、この人の言う事の逆になるような気がしました。

 

 

 

会計を待っている時も歯茎が激痛。舌で触ると腫れが3分の2の大きさになったものの、腫れたところが硬く固まっているようでした。今までと違う、ヒリヒリとした痛みが頬の内側にずーっとあります。

 

 

 

まさか紹介状を断られるとは思ってもいなかったので、しばらく思考停止状態でした。

 

 

 

 

せっかくCTも撮ったし、どうするかすぐに思いつかなかったので、ほぼ来るつもりはありませんでしたが、とりあえず、言われたとおり2日後に予約を取りました。

 

 

 

「ジスロマック」という違う化膿止めを出され、「おなかがゆるくなる事があります」と説明を受けました。

 

 

 

これは改善に向かっているのだろうか?不安と疑問と痛みを抱えたまま歯科を後にしました。

 

 

 

麻酔をして、すぐに効果が無くなったのか、いつもする麻酔と様子が違います。

 

 

 

 

この時の口の中の激痛は過去最高に酷いもので、もはや、歯が痛いのか耳の奥が痛いのか、頭が痛いのかさえ分からないくらいでした。

 

 

 

歩いて駅に向かう間もずっと痛い。

 

 

 

次回の予約まであと2晩。耐える気にはなりませんでした。何より症状の進行が恐ろしかったのです。

 

 

 

駅に向かう途中、以前親知らずを抜いてくれた先生を思い出しました。

 

 

 

先生に抜いてもらうと、知人の間で痛いといわれていた親知らずの抜歯も全く問題なかったので、この痛みもなんとかしてくれるんじゃないか・・・

 

 

 

ですが、電車と徒歩、合わせて1時間です。電車も反対方向です。家に帰るか、反対方向に向かうか・・・迷いましたが、それでも見てもらおうと思いました。

 

 

 

駅に着いたら、すぐに公衆電話から電話をかけました。携帯の電池がほぼないので、また10円を積み上げて電話です。

 

 

 

別のところで治療途中であること、痛みが治まらない事、腫れとしびれがある事、食事もできない事、先生にどうしてもみてもらいたいという事を伝えました。

 

 

 

「時間を確認してみますね」と保留に。

 

 

 

説明に時間がかかったので、あっという間に積み上げた10円が無くなりました。携帯って便利だなと実感。切れたら困るので、財布から追加のお金を出そうと手を動かしたら、手が受話器を置くところに当たって電話を切ってしまいました。

 

 

 

何度も言いますが、やる事なす事どんくさかったです。

 

 

 

もう一度電話を掛けなおすと、4時の予約が取れました。その間、時間つぶしです。

 

 

 

痛みが続いたのでロキソニンを飲むと、なんとか効いてくれました。

 

 

 

根管治療体験⑥同じ症状でも、先生によって診断も対処も違ったに続く

 

 

 

(追記)この時の葛藤は、以下で述べています。先生を替えるかどうか悩んでいる人の参考になれば幸いです。

 

歯医者を変えたい、今の先生は信頼できない、と思っている人に言いたいこと

 

 

 

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歯の根の治療を始めてから数日が経ちました。

 

 

痛み、腫れ、しびれが酷くなってきましたが、祝日の為、歯科にて適切な検査や処置を行なってもらうことは出来ませんでした。仕方なく大きい病院の救命救急に行きましたが、薬をもらっただけで終わりました。

 

 

翌日は土曜日でしたが、幸いT病院の歯科・口腔外科が12:30まで診療していたので、ここに行ってみようと思っていました。そして、12:00にロキソニンを飲んで眠りにつきました。

 

 

これが前回までのお話です。

 

 

根管治療体験③痛みと痺れが治まらないので、骨髄炎を心配する

 

 

痛み止めを飲んで寝たので、予定だと6:00まで効くだろうと思っていましたが、4:00に痛みで目が覚めました。

 

 

さらに薬の効き目が弱くなっていました。

 

 

間隔を開けないで、またロキソニンを飲むのは良くないし、病院に行けばなんとかなるから、我慢できるところまで我慢しようと思いました。二度寝はできないので、気を紛らわす為に、起きてネットを見て時間をつぶす事にしました。

 

 

病院の受付開始が8:30です。それまで、待っていましたが、とても長く感じました。

 

 

でもラッキーな事にロキソニンを飲まずに我慢していたら、少し痛みが治まりました。波があるので治まったときは楽なのです。

 

 

ですがこの日、腫れとしびれは最も酷くなっていました。前日は腫れていてもマスクなしで外を歩きましたが、この日はマスクをしなければならないほど腫れていました。

 

 

受付開始時間が来てすぐに、T病院の歯科・口腔外科に電話をしました。別の歯科で見てもらっている事、痛みが治まらない事、しびれがでてきた事、骨髄炎の心配をしている事、受付の方に説明しました。

 

 

すると、「ちょっと待ってください」と言われ、保留に。

 

 

予約が一杯かなと思ったのですが、しばらくして受付の方に「診察できるようなので、来て下さい」と言われました。診察を待っていたので安堵しました。

 

 

9:30に予約が取れたので、タクシーで急いでT病院に行きました。

 

 

 

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口腔外科で門前払いされた

 

 

病院について待っていると、女性がやってきて歯科・口腔外科に案内されました。その方が歯科衛生士か、歯科助士なのかはわかりませんが、待合室で詳しい症状を聞かれたので、説明し、問診表にも記入していました。

 

 

すると突然、別の女性が急いでやって来て、こう言いました。

 

 

 

「すみません。〇〇さんの場合は、歯科の範囲になるので、うちでは見られないそうです。一度、今の先生のところに相談に行って、それで、その先生が「うちではダメだから口腔外科の方で」と言われた場合、紹介状を持って来て下さい」

 

 

その声としゃべり方から、電話で話した女性だと思いました。

 

 

ですが、何を言っているのかわかりませんでした。

 

 

その辺の事情は、電話を入れた1時間前に全く同じ人物に話したはずですが、その時と言っていることが違うのです。私は症状や状況を全て話した上で、「来てください」と言われたからT病院に行ったのです。その時そう言ってくれれば、最初から行きません。

 

 

一度来た以上は、私も引き下がるわけにはいきませんから、

 

 

 

「私がかかっていたA歯科は、いつも予約が取りずらいので、そんなことをしていたら、こちらの12:30までの診察には間に合いません。例えば、A歯科で11:00の予約をとって、診察し紹介状を書いてもらって、またこちらの予約を本日中にとるのは難しいです。この日を逃すと、明日は日曜日です。本当だったらA病院に相談してこちらに来たいですが、そんなに待てませんから、今日見てもらいたいから、直でこっちに来たのです。なんとか見てもらえないですか」

 

 

 

電話で話した内容を、またここで繰り返したわけです。それでも、

 

 

 

「歯科の範囲になるので、うちではちょっと・・・。」

 

 

 

と、今の先生に相談しろの一点張りです。そもそも、それなら何故その事を電話で伝えなかったのか。その説明が全くありません。

 

 

 

それに「歯科・口腔外科」と看板を上げて、HPにも虫歯の治療が堂々とアピールしてあるのに、「歯科の範囲は診察できない」とはどういう事なのか。

 

 

酷い対応に一言二言、文句を言ってやりたいところでしたが、とにかく時間がありませんでした。無駄な時間を過ごしているうちにどんどん症状は悪化していくわけです。おまけに舌がしびれているので、話すのがかなりしんどいのです。

 

 

 

「わかりました。A歯科に相談してみます」

 

 

そう言ってT病院を出ました。

 

 

 

怒りはありましたが、焦りとパニックが上回っていました。仕方なくA歯科に相談して、別の大きな病院の紹介状を書いてもらおうと思いました。それがダメなら、前日に行った救急科に、もう一度行こうと思いました。

 

 

急いでA歯科の予約を取らなければなりません。携帯を見ると、電池残量が風前の灯でした。いつ切れてもおかしくない状態です。

 

 

 

ヤバイ、これでは予約の電話ができない。こんな時に限って。

 

 

食事が出来ない、薬の為にわずかな水を飲む、ほとんど寝られない、痛い・・・この状態なので、フラフラです。頭も当然働きません。やる事なす事、全てがどんくさいわけです。

 

 

ふと周囲に目をやると、運よく電話BOXがありました。大きな道路を挟んで向かい側です。上には歩道橋があります。今の時代、電話BOXってなかなか見つかりませんからよかったです。

 

 

フラフラになりながら歩道橋を上がります。

 

 

焦っていたので、階段を降りながらA歯科の電話番号を見ようと、カバンの中の診察券を探っていたら、足を踏み外し、下から3~4段目くらいから派手に落ちました。年寄りなら間違いなく骨折です。

 

 

もう一度言いますが、やる事なす事、全てがどんくさいのです。一応言っておきますが、普段ならこんな事でこけたりしません。

 

 

顔が腫れていてマスクをしていたので、そんなに恥ずかしくありません。颯爽と立ち上がりました。

 

 

体裁に構っている余裕は無く「なんとかしなきゃ」という思いに突き動かされていました。

 

 

電話BOXに入り、A歯科に電話を掛けました。・・・話中です。

 

 

 

一旦切って、また掛けました。・・・話中です。

 

 

 

一旦切って、一分待ち、もう一度掛けました。繋がりました。

 

 

症状を訴えると、患者で一杯なのか午後の時間を言われたので、「もっと早くお願いできませんか」と言ったところ、昼前になんとか予約が取れました。

 

 

予約が取れた事でひとまず安心です。ですが、まだ時間があるので、街中で時間を潰すことにしました。

 

 

 

しばらく歩いてふと足に目をやると、墜ちながらこけた為、両膝、左すねを擦り剥いたらしく血がついていました。ズボンの右膝も破れていました。オシャレなズボンだったらみっともないですが、穿いていたのがジーンズだったので、破けていても様になります。

 

 

ここで、派手なこけ方をしたんだなと思いました。不思議な事に、傷に気が付かないほど、この時は全く痛みがありませんでした。

 

 

今思うと、この日の朝はロキソニンを飲まずに我慢していたので、波の様にやってくる顎と耳の奥、頭が痛すぎて、体の痛みを感じなかったのです。それに加えて、焦ったり、混乱していたことも、痛みを感じない理由でしょう。

 

 

実は小指の付け根も擦り剥いていたのですが、この時はそれには気が付きませんでした。後でたまたまジャケットに血がついていたのを発見して、手からも血が出ていたことに気が付いたのです。

 

 

A歯科の予約時間までは、本屋で時間を潰す事にしました。

 

 

こんな状態ですので、歯医者に関する本をいくつか立ち読みしました。県内の歯科のガイドブックみたいな本がありましたので、読んでみました。すると、先程のT病院の歯科・口腔外科の先生が載っています。やはり、ここでも「歯科」と堂々と書いてあります。「歯科の範囲は見れない」と断ったくせに、なんなんだここは。

 

 

読んでいてムカついてきたので、別の本を読むことにしました。

 

 

何冊か軽く立ち読みしていたら、突然、高齢の男性客が店員を叱りつけました。本屋は静かなので声が響き渡ります。

 

 

男性の怒りは収まらないらしく、女性店員が引っ込んで、上司とおぼしき男性がやってきました。抗議は続きます。うるさいので本の内容が頭に入ってきません。クソ迷惑だなと思っていると、

 

 

「あんたらにも自分のやるべき仕事があって忙しいのはわかる。そんな中で、客の相談に答えるのは大変かもしれない。でも、私も同じように忙しい。それでもここまで来た!!時間と金を使って。」

 

 

こんな感じの話が聞こえてきました。なんか、内容を聞いていると、自分がT病院の歯科・口腔外科でされたことと被ります。思わずガン見してしまいました。

 

 

「爺さん、わかるわ~。私もそのぐらい言ってやりたかった」

 

 

・・・そう思いながら聞いていました。

 

 

「わかります、大変でしたねー」と、一言、労いの言葉をかけてあげたいところでしたが、あいにくしゃべる事が困難だったので話しかけることはしませんでした。

 

 

それを見たお陰で、胸がスッとしました。

 

 

気が付いたら、予約時間30分前でした。本屋を出てA歯科に向かいました。「これで何とかしなきゃヤバイ」と思っていました。

 

 

でも、A歯科に行ったところで、これまで見つけてもらえなかったのに、果たして正確な判断をしてもらえるのか。実はそれが一番心配でした。

 

 

 

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「原因を見抜く能力がある人」かどうかを見抜く

 

 

ちなみに、なかなか骨髄炎が発見されなかったという話は、以下のブログでも、書かれていました。

 

 

『実花ちんの顎骨骨髄炎の体験談☆手術&治療完了までのブログ 聖マリア病院の歯科に早朝から行く』より引用

 

 

 

この時点で、いつも行く歯科を3~4回受診。(すべて緊急扱いで見てもらうが、原因は、バイキンと診断)

 

そして、夜間休日で診てもらえる歯科医師会を1回受診。(レントゲンにも異常なしと診断)

 

部屋に転がる、もうとっくの前に効き目のないロキソニンの錠剤。寝転がるも、そもそも痛みで眠る事すらできない。歯の痛みで気がおかしくなるのでは?と思うほど、この時の精神状態が一番キツかったです。

 

それでも、あきらめず(というか、そうするしか方法がない(笑))今度は、前日にWEBで見つけた「姫路聖マリア病院」の「歯科」に行くことを決意。

 

 

「口腔外科」ではないので、どうしようかと思いましたが、そんなこと言ってられません。もうこうなったら、片っぱしから近隣の歯科・口腔外科を受診してやろうと思いました。

 

自分の体は、自分が一番よくわかる。といいますが、私は、確信に近い感じで(これは普通の歯痛じゃない)という感覚がありました。

 

なのに、これだけ診察しても原因が分からない(ナゼだ。。。

 

 

これを読んでいたので、先生に気づいてもらえない可能性があることも想定できました。

 

 

この方は、しばらく正確な診断がしてもらえず、最終的に以下のような状況で原因をつきとめてもらえたようです。

 

 

で、その時、撮影したレントゲンが出来上がったらしく、その冷たい研修生(w)が取りに戻ってくると、なにやら真剣な顔で、その奥のデスクに座っていた30代後半~40代前半のイケメン男性の先生に相談?

 

その雰囲気が、診察台で横になっていた私でもわかるくらい、何か異常事態があったような感じでした。冷たい研修生が、静かに慌てる感じがしたというか…(笑)

 

すると、イケメン先生がこちらに来て説明してくれました。その内容を要約すると、

 

・歯と顎の骨が溶けている。←(思わず耳を疑った(笑))

 

・この病院では、これ以上見ることができないので、赤十字病院に行ってください。

 

・おそらく、緊急手術になると思います。

 

・ここから赤十字病院への移動は、救急車でも可能です。どうしますか?

 

・お若いので今、こうして普通にしてますが、立っているのが不思議なくらいの状態です。痛いと思います。←(ここらへんで、ようやく状況が呑み込めた)

 

これを読んでもわかるように、同じ症状でも、医師によって見立てられる人とそうじゃない人がいるので、診断内容がおかしいと思った時は、別の人に見てもらう事は大切だと思います。

 

 

根管治療体験⑤悩んでいる時間はない!私が治療途中で歯医者を変えた理由へ続く

 

 

 

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顎が痛くなったことで、その上にある「20代前半に、神経を取った歯の根」の再治療を始めたわけですが、治療後、度々痛みやしびれが発生しました。痛みだけならよかったのですが、しびれがでたことで怖くなりました。

 

 

治療しても治療しても改善しないので、不信感が芽生えていました。「成功する確率は2分の1」と言われていたのですが、「痛くなる事はない」とも言われていたので、混乱しました。

 

 

1回目の治療の後、痛みが出たため、2回目の治療は早めにしました。

 

 

ですが、2回目の治療が終わった後も、また痛くなったので、次回も早くA歯科でみてもらいたいと思いました。しかし、2日間も休診日の為、それはできませんでした。

 

 

なので、なにか解決策は無いか、自分で調べようと思い、ネットや本で情報を探しました。

 

 

調べて、最終的に「しびれがでた場合、大きな病院の口腔外科でみてもらった方が良い」という情報を掴んだので、別の病院に行く気になりました。それが前回のお話です。

 

根管治療体験②治療をしても痛くて、ロキソニンが効かなくなる

 

 

 

今回はその続きですが、その前に、私が「大きい病院の口腔外科」に拘った理由を述べておこうと思います。

 

 

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急性下顎骨骨髄炎の体験談

 

 

私はネットで根管治療中の痛みやしびれについて調べました。

 

 

同じように根管治療中に痛い思いをしている人は、世の中にたくさんいました。その方達の体験記を読むと、ロキソニンが効かないという話も少なくないようです。酷い人は、効かないから一度に何錠も飲むそうです。

 

 

それに比べれば私はまだマシでした。ですが、ちょうど私もロキソニンの効き目が日に日に弱くなっていたので、いずれ効かなくなると思いました。

 

 

同じ体験をされた方の話は、自分の症状と重なるので、怖い反面、とても参考になりました。事前に知識もついたし、後々先生に質問する時にも役に立ちました。とくに先生の診断や説明がハッキリしない時など、自分で動いて解決しなければならないので、知識を得ていたことは事はプラスになりました。

 

色々な情報を調べましたが、その中でも特に参考になったブログが以下になります。

 

実花ちんの顎骨骨髄縁の体験談☆手術&治療完了までのブログ

 

 

何故このブログが良かったのかというと、この体験談を読むことによって最悪のケースが想定できたからです。

 

 

このブログには、虫歯の治療をキッカケに下顎骨骨髄炎になり、緊急入院したエピソードが書かれています。痛みの真っ最中だった私にとって笑えない話でした。これを読んで、こうはなりたくないと思いました。

 

 

ちょっと引用させてもらいます。

 

 

異変をレントゲンで発見

 

一番最初の始まりは、いつも通っている歯医者さんからでした。

 

今ではどこを治療していたか忘れてしまったのですが、たしか右の奥歯の治療が終わりかけた時に、先生から「この間撮影したレントゲン、この左側の奥歯の根の部分にバイキンがたまっているようですので、これから治療していきましょうか」と提案していただきました。

 

その歯は、私が6年以上前に大阪住んでいるときに治療したもので、いわゆる「神経を抜いて治療したあと、銀歯をかぶせて終了」という、皆さんが歯科で受ける、ごくありふれた虫歯の治療跡です。

 

私は、その歯に痛みもありませんでしたし、すっかり治療が終わった歯ということで存在を忘れており、先生の説明を受けても、いまいちピンと来ませんでしたが、バイキンがたまってるなら、それは取った方がいいですから、「お願いします」と言いました。

 

そして、その歯の銀歯が6年ぶりに外され、感覚的には、細いギザギザしたような棒を出したり入れたりし、特に痛みもなく、治療後の会計を済ませて帰宅しました。

 

 

ところが、この何気ない歯の治療が、あとに生活を一変させる、「急性下顎骨骨髄炎」の始まりとなりました(´д`ι)

 

まず、帰宅するころには、痛みのなかったその歯が痛み出し、(あ~痛むなら(治療のため銀歯を)開けんかったら良かった…)と、その時は少し後悔したのですが、まあ、朝には治っているだろうとその夜は眠ったのです。

 

無知なんでよく分からないのですが、6年ぶりに銀歯をあけて、久しぶりに(歯の中が)空気に触れたから、痛むのかな???(´д`?)と…(そんなワケないんですが)

 

ところが、朝になっても痛い。

 

ロキソニンを飲んで会社に出勤するものの、やっぱり歯が痛い。

 

痛い。

痛い…。

 

次の予約日までまだ日にちはあったんですが、そんなことは言ってられないので会社を早退し、いつもの歯科へ。

 

ところが、先生も原因が分からないようで、「バイキンを取り除けば痛みはひいてくるはずです、頑張って続けていきましょう」的なことを言われたような気がします。

 

痛みを訴えると、心配そうな顔をしてくれ、そのバイキンを取り除く治療をもう1度丹念にしてくれ、診察は終了。痛み止め(と言っても、ロキソニン)を出されて、自宅に帰ります。

 

が、私は、この一連の行動を、このあと3回も4回も繰り返すことになります。

 

 

・・・いかがだったでしょうか。この方がやがて「急性下顎骨骨髄炎」になり手術するのです。

 

私はこれを読んで顔面蒼白になりました。他人事とは思えません。このブログを読んだことで、自分も骨髄炎ではないかと心配になりました。

 

ですが、これを知った事で、後で機転をきかせることができました。このような体験記を残してくれて非常に感謝しています。

 

しかしながら、骨髄炎についての話は、A歯科では一度も聞きませんでした。

 

なんで言ってくれないんだろう。わからなかったのだろうか。

 

そう思いました。

 

私の取り越し苦労の可能性もありますが、ネットで調べた限り、骨髄炎になった人の話と自分の症状が被ります。それなのに、何故A先生は骨髄炎の話をしなかったのか、見立ては大丈夫なのか・・・疑うようで悪いですが、信じられなくなっていきました。

 

ここで私はA歯科に通い続けるべきか悩みました。私としては、何か問題があるなら早期発見してほしいのです。それを見つけてくれる人に見てもらいたいというのが本音です。

 

その反面、止めるのは悪いし・・・という気持ちもありました。

 

でも、1回目の治療後、「痛み止めを飲む必要はない」と言われたのに、飲まないと耐えられない痛みが何度も襲ってきたり、2回目の治療後、「もう痛くなる事はないと思いますよ」と言われたのに、その後痛みがでて、腫れや痺れが酷くなったりしたわけです・・・ちゃんと見立ててもらえているのか不安でした。

 

 

別のところに行こうかどうか、散々悩みましたが、最終的に「大きな病院の口腔外科」で顎の骨を含めた全体を見てもらおうと決めました。

 

 

決め手となったのは、他のサイトやブログで目にした「しびれがある場合は大きい病院の口腔外科で見てもらった方がいい」という情報でした。

 

緊急性があると思ったので、義理は封印しました。

 

そう思ったのは夕方だったので、「明日病院に行こう」と思ったのでした。

 

 

 

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魔の祝日

 

 

大きい病院の口腔外科・・・に行くつもりでしたが、翌朝になって祝日であることを思い出したのです。

 

朝、さらに顔の腫れは酷く、麻酔のようなしびれは唇の半分まで広がっていました。舌のしびれも広がり、水を飲むのも困難になっていました。

 

しまった。昨日行っておけばよかった。

 

遅かったのです。

 

ですが、そうも言っていられないので、気を取り直して、祝日でも開いている病院を探す事にしました。正月でも休まない店が多い時代ですから、祝日でもどこか診療しているだろうと思いました。

 

しかし、これが甘かったのです。土日に診察している歯科・口腔外科は、まあまああります。

 

しかし、探しても探しても祝日に開いている歯科・口腔外科は絶望的にありません。

 

土日よりも、祝日が厳しいのです。

 

大きい病院はもちろんですが、個人医院も祝日はお休みです。

 

 

様子見などせず昨日どこかの病院に行っておけばよかったとマジで後悔。このまま、放置しなければならないのかと思うと怖くなってきました。

 

 

痛みよりもしびれの方が恐ろしかったです。時間が経てば経つほど酷くなるわけです。こうして、探している間にもどんどん悪くなっていると思うと焦ります。特に前日に読んだ「骨髄炎」が心配です。早く検査したいと思いました。

 

 

探してみると、日曜日、祝日に応急処置をおこなってくれている「歯科医師会」という機関がありました。各県にありそうなので、もし休日困ったら訪ねてみるとよいと思います。

 

 

しかし、電話で聞いてみると、そこで出来るのはあくまで応急処置で、検査などはできないとのことでした。

 

 

これでは行っても意味がないと思ったので、ここに行くのは止めました。

 

 

こう考えると、日曜・祝日にきちんとした歯科の治療は受けられないということです。歯だから軽くみられているのだと思いますが、やはり、休日でもキチンとみてくれる機関がどこかにないと困るなと思いました。

 

 

散々探しましたが、日曜・祝日に、症状を正確に分析して対応してくれそうな歯科・口腔外科はありませんでした。地方だからかもしれません。

 

 

探している間も、化膿止めはどうなっているんだというくらい炎症がおさまりません。昼ごろに、また痛みが出てきて耳の奥や頭まで痛くなってきました。ジワジワと酷くなっていっています。

 

 

これ、歯が原因なのか、骨じゃないのか、歯じゃなくて別の病気だったら怖い...。

 

 

心配はピークに達し、もう歯科や口腔外科にこだわらない、とにかく大きい病院の救命救急でもいいから見てもらおうと思いました。じっとしていられませんでした。

 

 

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救命救急での診断

 

 

急いで、大きい病院の救命救急に行きました。この病院にも歯科・口腔外科はありますが、休診日でした。ですが、なりふりかまっていられませんでした。

 

一応救急科の先生に診察はしていただいて、この痛みと痺れの原因は何か、骨髄炎ではないか、歯科医でもない先生に相談してみました。すると、先生は一旦黙って考え込み、「当直の口腔外科の先生がいるから、相談してみます」と言ってくれました。

 

待つこと10分、もう一度診察室に呼ばれて行きました。

 

「顔は腫れているけど、かろうじてまだ水も飲めるし、体の発熱はない。よくあることみたいなので、様子を見ましょう。CTで検査すると被爆するので、すぐに検査もしない方がいいですし、今かかっている歯医者さんで一度相談してみて下さい。」

 

・・・と、救急科の先生が「口腔外科の先生から聞いてきた事」を私に伝えてくれました。口腔外科の先生には直接見てもらうことができませんでした。

 

でも救急科の先生は良い先生で、「もし酷くなるようでしたら、我慢せずに来て下さい」と言ってくれました。

 

そして、歯医者さんで出された「メイアクトMS錠100」という化膿止めが切れたので、その薬と、しびれに効く「メチコバール錠500μg」という薬を出され、病院を後にしました。

 

原因を知りたくて、CTを取ってもらうことを期待していたのですが、残念ながらこの日は、到底効くとは思えない薬をもらっただけで終了でした。

 

この時、人が見てわかるくらい顔が腫れていましたが、深刻に受け取ってもらえませんでした。

 

この症状は本当に放置していていいのだろうか?そう思いながら家路に着きました。

 

 

素人なので、この症状が重いのか軽いのか判断がつきません。比較対象もありませんし、客観的な判断が出来ないのです。どんなに痛い思いをしても、医師にこのような対応をされると、「深刻じゃないのかな」とさえ思ってしまいます。

 

 

そして、「今かかっている先生に相談してみて下さい」と言われたことで、また悩みました。確かに、今治療してもらっている先生に相談するのが筋です。それはわかります。

 

しかし、「痛むことはない」という趣旨の事を言われたのに、それに反して日に日に痛くなったのと、「しびれが起こる可能性」や「骨髄炎の可能性」の説明が無かったことから、先生がこの状況をなんとか出来るのか・・・と。

 

また、レントゲンの画像でも結構骨が溶けていたのにも関わらず、「CTで検査しよう」とも言われなかったですし。

 

HPの経歴を見る限りではとても腕のいい先生のはずですが・・・ギャップがあります。「腕がよくて手先が器用な能力」と、「病気の原因を見抜く能力」は別だなと思いました。

 

この日は寝る間際まで、翌日、A歯科の先生に相談するか、それとも別の病院で見てもらうか、悩みました。

 

そこで、先ほど紹介したブログをもう一度読みました。そこに何件も歯医者を回っても原因がわからなかった話が書いてあったので、やはり、別の先生に見てもらった方がいいかもしれないと思いました。

 

でも、やっぱりA先生に紹介状を書いてもらって行く方が筋だなとも思うわけです。なかなか決まりません。

 

 

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紹介状無しで、大きい病院の口腔外科に行く事にした理由

 

 

 

翌日は土曜日だったのですが、たまたま、ある大きな病院の歯科・口腔外科が12:30まで開いている事を発見しました。これをT病院とします。先生は一人で、午後からは手術となっていました。

 

HPを見てみるとCT、MRI、マイクロスコープもあります。さらに私のような炎症等の症状もみると書いてあります。これなら検査してもらえるかなと思いました。

 

ですが、すでに夕方で、予約の受付も終了していたので、もし行くとしたら、翌日に電話をして予約を取らないといけません。

 

で、考えたのですが、この日に、A歯科に受診して、許可、あるいは紹介状を書いてもらって、それからT病院にいくのは間に合わないと思いました。

 

何故なら、A歯科もいつも予約が一杯なので、予約が取れるかどうかもわからないし、仮に予約が取れて紹介状を書いてもらったとしても、T病院の歯科・口腔外科は、土曜日は12:30までしか診療していません。こちらも都合のいい予約が取れるとは限りません。

 

しかもこの日を逃したら、次は日曜日です。もう待てません。

 

以上のような理由から、土曜日に「A歯科→T病院の歯科・口腔外科と回るコース」は間に合わないと判断し、直でT病院の歯科・口腔外科に行ってみようと思いました。

 

散々迷いましたが、何とか決まりました。

 

この日の夜は、さらに顔も腫れて、舌のしびれで、しゃべるのも嫌でした。でも、保冷剤で冷やすことしかできません。そして、再び襲って来た痛みを抑えるために、またロキソニンを飲みました。

 

この日も薬を飲むのがやっとで、食事はしませんでした。まさかこんな理由で断食をするとは夢にも思いませんでした。エネルギー不足と睡眠不足と、痛みによる疲労でフラフラです。

 

そして、寝る前12:00に、もう一度ロキソニンを飲みました。翌日、T病院の歯科・口腔外科の予約が取れて、検査してもらえたらいいなと考えていました。

 

 

根幹治療体験④紹介状を持たず、大きい病院の歯科・口腔外科に行ったへ続く

 

 

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