「卵子には寿命があるので老化する」・・・と言われていますが、世の中には、同じ年齢でも、老化が早い人と、遅い人がいます。
老化のスピードを加速させている原因は色々と考えられますが、かなりのダメージを与えているものがあります。
それは、「糖質」です。
卵子の「老化」とは、「卵子の糖化」でもあるのです。
しかし、その事があまり伝えられていないように思います。
糖質で卵子が劣化する事を知らない若い女性は、糖質の過食を止めません。致命傷を避けないから、どんどん糖化(細胞の劣化)していきます。
というわけなので、糖質が卵子に与える影響についてお話していきたいと思います。もちろん不妊症とも関係あります。
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卵子の老化(糖化)とは
人間の体は常に代謝されているので、細胞も常に入れ替っています。
しかし、入れ替らない細胞もあります。
それは、「目」と「脳」の細胞、そして、「卵子」です。
「卵子」は、女性が胎児の時に創られます。そして、それ以降は新たに創られることはありません。つまり、生まれ持った数が全てというわけです。
なので、生まれてからは、どんどん減り続けます。また、肌にシミやシワが増えていくように老化していきます。
そして、それに「糖質」が追い討ちをかけます。
なぜ糖質が「卵子」にダメージを与えるのかというと、「卵子」はタンパク質だからです。
そのメカニズムはこうです。
糖質は甘い物だけでなく、穀物や野菜や果物にも含まれています。
どのくらいかと言うと、例えば、ご飯茶碗一杯(150g)で、糖質は55gです。
その為、普通に食事をすると、必要以上の糖を摂ってしまう為、使い切れなかった糖質が体に余ります。
すると、その余った糖は、体のタンパク質と化学反応を起こして、細胞を劣化させます。これを「糖化」と言います。
卵子もタンパク質だから「糖化」します。
そして、これが「老化」です。
『健康+生活卵子の老化から不妊の原因に?卵子の糖化を予防するには』より引用
卵子の老化をすすめる原因のひとつに「糖化」が関係あることが分かってきました。糖化した卵子は褐色に変色し、体外受精の際に採取した卵子が褐色だった場合には受精しにくいことも知られていました。
一応言っておくと、糖化は「卵子」だけに起こるのではありません。
人間の体はタンパク質でできているので、卵子以外、骨も、筋肉も、血液も、内臓も、当然「糖化」します。
どこに影響が表れるかは、その人の遺伝的な弱点によって変わります。ダメージを受けやすい弱いところから症状が表れると思って下さい。
これは化学反応なので、糖質を摂る限り避けられません。
卵子は見えないので、「自分は糖化していない」と思う方もいるかもしれませんが、糖質を日常的に食べている人は体のどこかが糖化しているはずです。
例えば、セルライトがあったり、痔になったり、関節の音が鳴りやすかったり、胃もたれがあったりする人は糖化しています。
さらに、以下の記事を読むと、女性が糖質を過剰摂取すると、「卵子」だけでなく、「胎児」にも影響を与えるようです。
『D!CULT 自然食品ヘルスケア事業部 AGEは、生まれる前から悪影響。』より引用
老化を促進する物質が、AGEs(エイジス)という総称で呼ばれます。実は、このAGEは、生まれる前から、たまっている場合が多くなっています。
妊娠しているお母さんのAGEもへその緒を通して、胎児にAGEが移行することがわかっております。つまり、お母さんの食生活などの乱れで、AGEを溜め込んでいると、その赤ちゃんにも影響が及びます。胎児の時から、健康に障害を与える可能性があります。
妊娠中は、高血糖になりやすいので、AGEが溜まりやすくなるのが原因です。AGEを母親から多く摂取した場合、生まれて1年ぐらい経過すると検査値に異常を示すことが多いことが知られていますが、赤ちゃんが離乳食を食べるようになると、さらにAGE化が進むようになります。
現代食の環境は、糖を多く摂取する機会がどうしても多くなっています。赤ちゃんの味覚は、妊娠中の母親が食べていたものに影響されることから、AGEを多く含む食事の場合、赤ちゃんも同じような食事を好むようになります。
「AGEs」というのは、タンパク質の糖化反応によって作られた物質のことで、毒性が強いです。
「女性の喫煙は子供に影響する」・・・と、昔から言われてきましたが、ハッキリ言って糖質はそれ以上です。
とくに細胞が入れ替らない卵子の「糖化」は深刻です。重要なところなので、念を押しておきます。
ただし、体の中で生まれ変わらない細胞があります。
心筋とか、脳、そして卵子です。
こういった細胞のタンパク質に糖がくっついてしまうとなかなか厄介です。
卵子の場合でも一旦糖化してしまうと、それを戻すのは難しいでしょう。
卵子の糖化がどの段階で起こるのかはまだ解っていません。
ただ、インスリン抵抗性が卵子の質を劣化させ、インスリン抵抗性を改善すると卵子の質も良くなる事から、比較的排卵が近づいて来てから起こる糖化もあると考えられます。日頃から血糖値に注意して、特に夜に澱粉、甘いものなどをとらないようにしていく事が大切と思います。
中医学では、糖のようなベタベタしたものを「痰湿」と呼んでいます。痰湿は体の至る所にたまり、色々な病気を引き起こすと言われています。
一度、「糖化」してしまうと、入れ替る細胞であっても、なかなか治ってくれません。
先ほど、セルライトも糖化だと言いましたが、あれなど、本当に落ちませんよね。普通の脂肪ではなく「糖化」した脂肪だから落ちにくいのです。
入れ替る細胞であっても苦労するのですから、入れ替らない細胞が「糖化」するのは、どれほどヤバイことか...
また、不妊とも関係しています。
『島田薬局 「甘いものの食べ過ぎで卵子の質が悪くなる」の根拠』より引用
肌だけでなく、このAGEsは、女性の卵巣からも発見されており、特に、不妊のなかでも最近多い要因となっているPCOSの方の原因がAGEsであるということを、ウィメンズクリニックの神野正雄先生が、2011年の抗加齢学会で、発表されています。
検索してみると、AGEsが進んだばあい、卵子の色が茶色になるとか、、(これほんと!?)
ちなみに、卵子や卵巣の老化の原因は、糖化を含め6つだそうです。
『老化がやってきた☆必死の抵抗日記 卵子・卵巣の老化を引き起こす原因』より引用
卵子・卵巣の老化を引き起こす原因は、
1.成長ホルモンの減少
2.エストロゲンの減少
3.細胞の酸化
4.メラトニンの減少
5.DHEAの減少
6.終末糖化産物(AGE)の増加
この中で気をつけられるのは、「3.細胞の酸化」と、「6.終末糖化産物(AGE)の増加」です。
つまり「酸化」と「糖化」ですね。
人間を老化させることで悪名高い「酸化」と「糖化」について触れておきます。
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「酸化」と「糖化」
「酸化」と「糖化」は、人間の体にダメージを与えます。
もちろん、両方防ぐにこしたことはありませんが、特にダメージが大きいのは、私の経験上「糖化」です。
私は糖質制限をする前は、抗酸化に力を入れていて(「糖化」を深刻に捕らえていなかった為)、抗酸化食品を積極的に摂るのはもちろんですが、水素水も飲んでいました。(2年以上)
以下の記事にも書きましたが、水素水(抗酸化)で、頭痛が治るキッカケになったりと、いい面もありましたが、糖化による体のダメージだけは消せませんでした。
目と脳は密接に関係している。慢性的な頭痛の原因と、それが改善した理由とは
まさか、不調の原因が「糖化」だなんて思っていなかったですから、「こんなに気をつけているのに、なんで体が弱いんだろう?」と、ずっと思っていたのです。
その当時は、「バランスの良い食事」や、ベジタリアンやローフードの食事を取り入れたりしていたので、野菜や穀物がメインです。タンパク質や脂質は0ではありませんが、量が少なく、ほぼ糖質ばかりでした。
糖化の症状があちこちにでていたのですが、リンゴによってダメージが大きくなりました。後で知ったのですが、果糖はブドウ糖の10倍糖化するそうです。
半年間、毎日抗酸化食品のリンゴを食べるようにした事で、ある時、糖化の症状、シワが一気にでたのです。お菓子を食べていてもならなかったのに、健康的な果物でなったのでショックでした。
リンゴは抗酸化物質ですが、そのリンゴの果糖で一気に老化したのです。
抗酸化が虚しくなるぐらいです。
ローフーディストやベジタリアンの真実。肉を避け野菜や果物を多く食べる人に見られる肌の特徴と、健康上の問題
その後、「1日10g以下のスーパー糖質制限」に転向した後は、植物性の食品はほぼ摂っていません。水素水も止めました。なので特に「抗酸化」には力を入れていません。
それにもかかわらず、「糖化」に気をつけただけで、「抗酸化」だけに気をつけていた時よりも体調が改善しました。
(※もちろん両方気をつけたら良いと思いますが、)「糖化」には特に気をつけた方がいいです。
それに、考えてみて下さい。
同じダメージを与える物質でも、「酸素」というのは、少なくとも人間の体に必要な物質です。なければ死ぬわけです。必要だけど、害もある・・・そんな物質です。必要なものである以上、ある程度、「酸素の害に対する抵抗力」も機能として備わっているはずです。
しかし、「糖質」はそうではありません。
「糖質」というのは、人間にとって必要ありません。
厳密に言うと必要なのですが、その量は、一説によると5gというレベルです。しかも、人間はその糖を「糖新生」という仕組みによって作り出す事ができるので、それ以上摂ってしまうと毒になります。
糖質は「人間の体に入ってくる予定のないもの」です。そんな物質に対しては無防備で、より害を受けると考えられます。
過去に何度も言っていますが、人間は、動物食性(肉食)動物だからです。
「人間が肉食か草食かは、歯を見れば分かる」という説は正しいのか
消化に良い食品の嘘。慢性的に胃がもたれる人は糖質の過食を疑え!
従って、本来必要のない糖質を、大量に摂ってしまったら、今はなんともなくても、将来ツケがきます。それに、一見糖質が原因じゃないと思われるような症状が、実は「糖化」だったりします。「糖化」の殺傷能力は高いのです。
糖質の毒性は遅効性。体に合わない物を食べると、表面的には問題がなくても水面下では体が劣化する
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不妊と食事
糖質の害は、ここまで話してきた通りです。
しかし、「子供を生む予定のある女性」が栄養面で気をつけるべき事はこれだけではありません。
食事は、低糖質を心がけるのはもちろんですが、高タンパク質である必要があります。
パートナーより肉を食べるか、それが無理なら、プロテインを摂るなどして、タンパク質が不足しないよう注意が必要です。
そして、女性だけでなく、夫婦そろって、高たんぱく質、低糖質食が基本です。
「お菓子を食べながら不妊治療」は論外です。音楽プレーヤーで音楽を聴きながら、授業を聞くようなものです。
妊娠・出産に特に必要な栄養素は「鉄」と「タンパク質」
そして、もう1つ忘れてはいけないのが「鉄」の存在です。生まれてくる子供の体に影響するからです。
人間の体にある鉄は、「機能鉄」と「貯蔵鉄」とにザックリ分けられます。
このうち注目して欲しいのが「貯蔵鉄 ちょぞうてつ」です。
「貯蔵鉄」とは読んで字のごとく、「機能鉄が足りなくなった時の為のストック」です。「貯蔵された鉄が足りているかどうか」が重要です。
この「貯蔵鉄」のことを「フェリチン」と言うのですが、通常の血液検査では測りません(※フェリチンを測って下さいと言う必要があります)。
これが足りていないと、普通の血液検査で貧血と診断されなくても立派な「鉄不足」です。
で、話を妊娠・出産に戻しますが、
女性は1回の妊娠出産で「フェリチン」を50失うので、「フェリチン」は、最低50は必要です。
理想は100です。
しかし、女性は生理があるので、鉄を失います。簡単には「フェリチン」は上がりません。
15歳~50歳の女性の80%は、「フェリチン」30以下だそうです。
ほとんどの女性は、深刻な鉄不足です(※閉経したら回復します)。
だから妊娠前に「フェリチン」を最低50にしておく必要があります。
30以下だと不妊になりますし、
もし、それで妊娠・出産できた場合でも、子供が「鉄不足」のまま生まれてしまいます。母親の鉄が足りないと、十分もらえないからです。
発達障害を遺伝として片づけない。母親の鉄不足が子供の脳に与える影響とは
子供の歯並びが悪くなる真の原因。骨格的な不正咬合の予防は母親にかかっている
骨格が原因の鼻詰まりは子供の時の成長で決まる。口呼吸が招く脳への悪影響
そして、出産によって、フェリチンをゴッソリもっていかれ、鉄が枯渇すると、母親も健康ではいられません。
産後うつは、鉄不足が原因です。
そうならない為にも、女性は、鉄をしっかり摂っておく必要があります。
そして、鉄の吸収には「タンパク質」がかかせないということも忘れてはいけません。
糖質の過食が招く、卵子や卵巣の老化リスクや、妊娠・出産には鉄タンパクが必要ということについてお話しましたが、これらは、子供を生む女性だけに限った話ではありません。
糖質を控える事、タンパク質や鉄を不足させない事は、全ての人の健康の基本だと言っても過言ではありません。
あらゆる健康法も、糖質を摂っている事で足を引っ張ってしまいますし、また、「鉄タンパク不足」だと、あらゆる健康法も効果が薄れます。
(追記)私が試したところ、鉄の補給は食事よりサプリメントの方が効果的でした。
鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事
(追記)子供の健康について考えている方は、以下の記事も参考にして下さい。
草食系男子が増える原因は、価値観の変化でも女性の強さでもなく、生殖能力に影響を与える環境である
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