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いきなりですが、糖化反応が起きた結果、体に起こる症状をいくつか挙げておきます。
どんな人でも、どれか一つぐらい当てはまるのではないでしょうか。
- 糖質は食べられるが肉や脂質が受け付けず、消化が悪い
- 骨や歯、爪が弱い
- 髪が痛んでいる
- 菌やウイルスへの抵抗力が弱い
- 怪我が治りにくい
- 関節が鳴りやすい
- 肌の劣化
- 痩せていても締りがない
- セルライトがある
- 痔
- アレルギー
- 歯槽膿漏
- 胃下垂
ここに書いたのは、糖化によって起こる症状のほんの一部です。
わかりにくいでしょうが、害を受けてなさそうに見えて、害を受けているのです。
今回ピックアップしたのは、どれも重篤な症状でないものばかりです。でも、あえてこれらを紹介したのは理由があります。
爪が弱くても、肌が劣化しても明日死ぬわけではありません。怪我が治りにくくても、アレルギーがあっても、ちょっとしんどいだけで、なんとか頑張れます。
むしろ、これらは病気のうちに入らないのではないでしょうか。
ですが、ハッキリ言ってこれらは「糖化」であり、「老化」です。
糖化すると、細胞が変性するので劣化します。
上に記したものは、症状も、起こる場所も全て違うものです。しかし、これら一つ一つを俯瞰で見ると、細胞レベルで体が弱っていることが感じ取れませんか。
細胞の劣化ですから、正常な時に比べて、水分が抜けてカスカスしたり、売れた果物のようにブヨブヨしたり、締りが無く垂れ下がったり・・・といった特徴があります。
私も、上に書いた症状のいくつかがありました。
自身の体験から、「体が弱いと、大病をしなくても、満遍なくあっちもこっちも弱い」という事を何度も書いてきました。
細胞レベルで弱るのですから当然です。どこにガタがきてもおかしくありません。
糖質制限をダイエットだと勘違いしている人達が知らない糖質の健康被害
今回はこの「糖化反応」のメカニズムについてお話します。
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糖化反応とは細胞の変化
人間の体を構成している成分で一番多いのは水ですね。その次に多いのがタンパク質です。
タンパク質は、細胞の主成分です。
筋肉、皮膚、髪の毛、内臓、骨の一部も、タンパク質でできています。
糖化とは、これら体のタンパク質と、「余った糖」が結びついて変性することです。
つまり、細胞の劣化です。
当然、余った糖が多ければ多い程、糖化は酷くなります。そして、一見自然な「老化」に見えるので、糖質が原因であることに気付く人は少ないです。
『老けたくなければファーストフードを食べるな 老化物質AGEの正体 著者:山岸昌一』より引用
人の体が老化するのには必ず原因があります。
年をとったら、皮膚がたるんだり、血管がボロボロになったり、視力が衰えたりするのですが、それは自然にそうなるのではなく、体の中で組織が何らかの変化を起こしたからです。
(16p)
一見老化にもみえる「糖化反応」ですが、食品化学の分野では、「メイラード反応」と呼ばれています。
発見はこちらの方が先です。
糖化反応 = メイラード反応
「メイラード反応」を知ることで、糖化した状態のイメージを具体的に掴むことができます。
メイラード反応とは
糖質とタンパク質の反応は、最初は「食品に起こる反応」として発見されました。
一九一二年、フランスの化学者ルイ・カミーユ・メイラードという人が、糖とタンパク質を加熱すると、褐色あるいは黄色い物質ができることを発見しました。
こうした「褐色反応」は発見者の名前をとって「メイラード反応」と呼ばれるようになりました。
(中略)
「メイラード反応」はこうして発見されてから七〇年間は、ずっと食べ物との関わりで研究され議論されてきたのです。
(17p~19p)
揚げ物とか、こんがり焼いたお肉とか、食欲をそそるあの色です。
食品を販売したり、調理をする人も、料理の演出の為にそのような色を加えようとします。
例えば、以下のようなものです。
メイラード反応が関与するものには次のような現象が挙げられる。
・肉を焼くと褐変
・玉ねぎを炒めると褐変
・デミグラスソース(ブラウンソース)の褐変
・コーヒー豆の焙煎
・黒ビールやチョコレートの色素形成
・味噌、醤油の色素形成
・熟成に伴う酒粕の色素形成
・パン(トースト)やご飯の「お焦げ」の形成
「美味しさの条件」と言っても過言ではないです。
このように「舌の為」には絶賛される「メイラード反応」ですが、体の中で起こるとなると話は別です。
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体内で起こるメイラード反応(糖化反応)
ここからは「糖化反応」をより具体的に分かってもらうため、血液の「ヘモグロビン」を例に、糖化の流れを説明していきます。
食品で起こる「メイラード反応」が発見されたのは、1912年です。
その後、血液を専門にしている医師によって、「人間の体の中でも同じ事が起こっているのでは」という推測がされました。それが、1969年のことです。
その医師の名は「サムエル・ラーバー」といって、「ヘモグロビン」の研究をしていました。
ここで、分からない方の為に、「ヘモグロビン」について説明します。
血液は、液体部分の「血しょう」と、血球である「白血球」「血小板」「赤血球」に分けられます。
「ヘモグロビン」は、酸素を運ぶ役割がある「赤血球」の中にあります。
「サムエル・ラーバー」は、ヘモグロビンの研究をしていて以下のような発見をしました。
ところが一九六九年になって、「メイラード反応」は食品だけでなく、人間の体の中でも起きているのではないか、という画期的な推測がされるようになりました。
そのきっかけになったのは、サムエル・ラーバーというイランからニューヨークにあるアルバート・アインシュタイン医科大学に留学してきたお医者さんの発見でした。
ラーバー先生は血液を専門としていて、ヘモグロビンの研究をされていました。
ヘモグロビンとは赤血球の中にあるタンパク質の一種です。
ご存じの方も多いと思いますが、ヘモグロビンは酸素とくっつきやすく、肺から体の各組織に酸素を運搬する働きをしています。ヘモグロビンが足りないと、脳に酸素が十分届かなくなって、貧血状態を起こします。
ラーバー先生はヘモグロビンの形や構造の違いによって、酸素の運搬機能に差が生まれるのではないかと考えました。
そして来る日も来る日もヘモグロビンの性質と機能を追いかけていたのですが、あるとき、糖尿病の患者さんのヘモグロビンを調べていたら、とても変な性質をもつヘモグロビンを発見したのです。
実はこの奇妙なヘモグロビンは、老化物質AGEに変化する一歩手前の「ヘモグロビンA1c」(HbA1c/ヘモグロビン・エーワンシーという表記もある)という中間物質でした。でも、当時のラーバー先生はそんなことは知るよしもありませんでした。
ただ、糖尿病の患者さんの血液には奇妙な性質のヘモグロビンがたくさんあって、ふつうの人の血液にもあることはあるが、糖尿病の患者さんではこれが二~三倍と多く存在することがわかった。
きっと、このへんてこりんな性質のヘモグロビンが糖尿病の患者さんに悪さをして、何か病気を起こしているに違いない、あるいは、このタイプのヘモグロビンが想起に糖尿病を診断する手がかりとなるかもしれない、という論文を一九六九年に発表したわけです。
(20p~21p)
ここで、「ヘモグロビンA1c」と、「AGE」という言葉がでてきたので整理します。
ヘモグロビンA1c
「ヘモグロビンA1c」は、通常の「ヘモグロビン」とは性質が違います。
どう違うかというと、「ヘモグロビン」にブドウ糖が結びついています。
ヘモグロビン + ブドウ糖 = ヘモグロビンA1c
AGE / AGEs
「AGE」は、老化物質です。
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ヘモグロビンA1cとは
糖尿病の人が検査の時に気にするのが「血糖値」と、「ヘモグロビンA1c」です。
まず、「血糖」と、「ヘモグロビンA1c」の意味を整理します。
- 「血糖 けっとう」とは、血液の中のブドウ糖の濃度のことです。
- 「ヘモグロビンA1c エーワンシー」とは、「血液中のヘモグロビンに、ブドウ糖が結びついた物質」です。糖化蛋白質で「糖化ヘモグロビン」と呼ばれたりもします。
ヘモグロビンはタンパク質ですから、血液の中に余分のブドウ糖があると、どんどん結合していきます。
当然、高血糖の状態が長く続くと、「ヘモグロビンA1c」は増えていきます。
血糖値とヘモグロビンA1cの値の違い
続いて、血液検査で分かる、「血糖値」と「ヘモグロビンA1c値」の違いについてお話します。
- 「血糖値」を計ると「血液検査をした時」の血液中のブドウ糖の値がわかります。
- 「ヘモグロビンA1c値」は、「ヘモグロビンのどれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値」です。この値で、過去1ヶ月~2ヶ月の血糖の状態がわかります。
要するに、「血糖値」よりも、正確な血糖状態を知ることができるのが「ヘモグロビンA1c値」なのです。
ふだん不摂生をしあげて、検査の前だけ血糖値が上がらないように食事制限をするという小賢しい真似をする人がいますが、無駄なあがきです。
一時的に血糖値を良くしても、「ヘモグロビンA1c」を見れば食の習慣は筒抜けです。
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ブドウ糖は必要だけど多すぎるとダメ
血糖値は上がりすぎてもダメですが、低すぎてもダメです。
生命を維持するには、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が一定以上必要です。
糖尿病の人はふつうの人より血液中にたくさんのブドウ糖(血糖)をもっています。そのためブドウ糖とヘモグロビンが結びついて変質した「ヘモグロビンA1c」が多く見られます。
しかし、ふつうの人の血液中にも「ヘモグロビンA1c」がゼロではありません。
なぜなら人間はだれでも血液中にブドウ糖(グルコース)をもち、一〇〇ミリグラム/デシリットル前後の血糖値が存在するからです。
血液中のブドウ糖は、グルコースとして、とりわけ脳と、各種臓器や筋肉に運ばれ、エネルギー源として使われます。
脳は臓器としては、全体重の約二%(一・二~一・五キロ)しかありませんが、安静時でのグルコース消費量は一八%、とおそろしく「食いしん坊」なのです。
頭の活動には、このエネルギー源が必須で、グルコースが不足すると脳は活動を停止してしまいます。だから人は何をさしおいても脳にグルコースを送ろうとします。
またグルコースは、心臓で11%、肝臓で20%、筋肉では安静時でも20%を消費します。
言ってみればグルコースはエネルギーのコインのようなものですから、「糖化は人間が生きていく上で避けることのできない現象」だと言えます。
ただし、「ヘモグロビンA1c」の割合は、ふつうの人では糖尿病の人に比べると少なく、四・五~五・五%程度です。
(26p~27p)
これを読んで、
「グルコース(ブドウ糖)が不足すると脳は活動を停止する? やっぱり糖質は食べた方がいいんじゃないか」
と思われた方もいると思うので、少し説明をします。
確かに一定のブドウ糖は必要ですが、わざわざ食事から摂る必要はありません。その理由はいくつかあります。
まず、世間一般で信じられているように、脳はグルコース(ブドウ糖)だけをエネルギーとしているわけではありません。
脳は、ブドウ糖が不足してくると、脂肪酸を分解してできたケトン体という物質をエネルギー源として使います。しかも、脳は「ケトン体」の方が好きなのです。
ちなみに、胎児や新生児は「ケトン体」を利用してエネルギーを生み出しています。
エネルギー源を「ブドウ糖」に依存しているのは「赤血球」と「グリア細胞」です。
だから人間の体には、グルコース(ブドウ糖)は必要なのですが、食事から摂る必要はありません。
人間は、自分の体の中でグルコース(ブドウ糖)を作り出すことができるからです。
これを「糖新生 とうしんせい」と呼びます。
必要な糖質量は「糖新生」の働きで十分まかなえます。
「必要だけど、食べる必要がない」とはそういう意味です。自分で作れば事足りるのに、それ以上の量を余分に食べようとしているのが現代人です。
それに気付かず「糖質は必要だから」と食べ続けたら、糖が有り余って、体内のタンパク質がどんどん糖と反応して、劣化していきます。
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ヘモグロビンA1cは何故増えるのか
「ヘモグロビンにブドウ糖が結びついたものがヘモグロビンA1c」なので、糖質の摂取が増えると、糖化したヘモグロビンが増えることになります。
そして、それには、熱も関係しています。
ラーバー先生自身も研究しているうちに、「ヘモグロビンA1c」は正常なヘモグロビンに糖がたんこぶのようにくっついて変質した「糖化物質」だということがわかってきました。
ここで疑問が生まれました。
なぜ「ヘモグロビンA1c」ができたのか?なぜヘモグロビンに糖がくっつき、へんてこりんなものに変化したのか?
ここからが医学と化学のブレークスルーでした。
長く食品化学の領域で糖とタンパク質の化学反応として研究されてきたあの「メイラード反応」と、人間の体の中で起こっている生化学反応とが初めて結びついたのです。
「メイラード反応」とは、食品を構成する糖とタンパク質が加熱によって変質する化学反応のことでした。
人間の体の中にも、ブドウ糖という糖と体内組織を主につくっているタンパク質が多数存在しています。
すなわち、それらが三七度の体温で常時、長い時間をかけて温められているわけです。糖とタンパク質が温められるとどうなるか?
あたかもフライパンの上でじっくり調理されているかのように、人間の体内の組織に焼き目や焦げ目のような反応があらわれてもおかしくないではありませんか。
(22p~23p)
体内の組織が糖漬けになれば「タンパク質+糖+熱」で糖化クッキングの完成です。
ここでは「ヘモグロビン」を例にしていますが、もちろん、「それ以外の組織」でも同じことが起きます。
最初にお話した通り、筋肉、皮膚、髪の毛、内臓、骨の一部も、タンパク質でできていることを忘れてはいけません。
タンパク質は、細胞の主成分ですから、「加熱で糖がタンパク質とくっついて性質が変わるメイラード反応」は、体のどこで起こってもおかしくはないと肝に銘じるべきです。
糖質を多く食べる人は、この反応で、皮膚が弱り、髪が弱り、内臓が弱り、劣化していきます。
ちなみに、「三七度の体温で常時、長い時間をかけて温められる」とありますが、この理屈だと「低体温の人」はメイラード反応が鈍いことになります。
低体温の人が肌が白いのはこの為かもしれません。
逆にヨーロッパ系の人が肌の劣化が早いのは、日焼けをするからとか色々言われていますが、彼らの体温が日本人に比べると1度くらい高いので、その分メイラード反応が活発になるのかもしれませんね。
まあ、これは私の勝手な憶測ですが。
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糖尿病が怖いわけ
実は「ヘモグロビンA1c」はさらに反応が進むと、「AGE」と言う老化物質に変身します。
ヘモグロビンA1c
↓
悪化
↓
AGE
つまり「ヘモグロビンA1c」は、老化物質の一歩手前です。
これがたくさんあったら体にいいわけない、というのはお分かりいただけるかと思います。
しかし、糖尿病の患者さんの血液の中には、この「ヘモグロビンA1c」が普通の人より多くあるわけですから、「AGE」になるリスク、つまり、病気のリスクが高くなります。
糖尿病の患者さんに共通する特徴的な症状とは何かというと、まさしく「老化」なのです。
糖尿病の患者さんはふつうの人より皮膚がもろく、しみやしわになりやすい。
骨がボロボロになったり、歯周病や白内障や認知症になるのも格段に早いし、血管ももろいので、心筋梗塞や脳梗塞になるリスクが三倍も高くなります。
(24p)
糖尿病について詳しく知らない人も、「糖尿病は合併症が恐い」という事は知っているのではないでしょうか。
誰でも一度ぐらい、糖尿病の人が足を切ったとか、目が見えなくなったとか、恐ろしい話を聞いた事があると思います。
何故、糖尿病が合併症を引き起こしやすいのか、昔、私はイメージが掴めなかったのですが、この糖化の概念を知ることで、よく理解することができました。
AGEとは
「ヘモグロビンA1c」は、「老化物質に変身する一歩手前の物質」でした。
それが酷くなると、「AGE」という老化物質に変化するわけですが、これは非常に毒性が強いのです。
次はこの「AGE」がどんなものかについてお話します。
AGE(終末糖化産物)について分かりやすく説明してみたへ続く
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はじめまして。
マルセルと申します。
糖は、ヒトだけでなく、あらゆる動物にとって毒なのではないでしょうか。
糖がタンパク質と結合してタンパク質を変性させてしまう以上、統べからく動物にとって毒なのではないでしょうか。
肉食動物は糖の摂取はほとんどありませんし、また草食動物も、草には糖質は大してないので、糖の摂取は少ないと思います。現に草食動物にはアミラーゼがないとのことです。
すると、実は糖を摂取する動物は少ないのではないでしょうか。
ヒト、ネズミ、あとは根やいも類を食べる猪くらいでしょうか。果物を食べる霊長類も含むのでしょうか。鳥はどうなのか。
こういう仮説はどうでしょう。
糖は毒であり、動物は基本的には糖を摂取しない。
糖を摂取する動物は滅びるか、そうならないためには特殊な戦略を要する。
ネズミなら、走りまくって、糖化する前に糖を消費してしまう。
ヒトの場合、医学の発達でしょうか。
糖が種や実や熟れた果実に多いのは、植物が糖という毒で動物から身を守っている為では?
或いは甘い誘惑で動物を弱体化させる?
でも、それなら、何故、根にも糖がたくさん含まれているのか。
猪やチンパンジーや鳥などは、どうやって糖の害を防いでいるのか。
あれこれ書きましたが、断糖生活をしながら、こんなことを疑問に思っています。
お考えをきかせて頂けると嬉しいです。
マルセルさん、コメントありがとうございます。
>糖を摂取する動物は滅びるか、そうならないためには特殊な戦略を要する。ネズミなら、走りまくって、糖化する前に糖を消費してしまう。
萩原敦氏が以前これに関係することを述べられていました。
そもそも、糖質は「動けない植物」が「動物」から身を守る為に持っている武器で、植物は決して動物をボランティアで生かすために存在しているのではないと...。
世の中を見わたすと、「植物性食品が動物の食料になる為に存在している」かのようなイメージ工作が行なわれています。
体にやさしいというキャッチコピーもそうです。
しかし、植物自身も生きるために必死なわけです。
興味深いのは、糖質、酒、タバコ、薬...等の依存性の高い物質は、全て植物が持つ毒性を利用したものであることです。
植物は動物の役には立つけど、味方ではありません。その前提で考えると、基本的に動物にとって糖質は毒と言っても過言ではないでしょう。
植物の戦略に対抗できる戦略を持った生き物だけが毒をあまり受けないということだと思います。
植物が本来の姿でもこうなので、現在の糖度を高く品種改良された植物性食品はそれ以上に毒性が強いです。
そして、草食動物も草に寄生している微生物を食べているので、厳密には肉食動物だと言う人もいます。そして、糖質を主食にするのは嫌気性の原子の下等生物だと。
>ヒト、ネズミ、あとは根やいも類を食べる猪くらいでしょうか。果物を食べる霊長類も含むのでしょうか。鳥はどうなのか。
ネズミは走り回っているので、高血糖を解消しやすいです。そして糞食をしてバクテリアを取り込み、それがエネルギーやアミノ酸を合成します。
果物を食べるゴリラは発酵タンクを持っていますが、死因の多くは腸炎だそうです。
鳥は分からないです。
>糖が種や実や熟れた果実に多いのは、植物が糖という毒で動物から身を守っている為では?
動物が食べて排泄する事で種を運ぶメリットもあるわけです。その為全く食べられないのも問題です。
動物が植物を利用するように、植物も動物を利用するけどダメージを受けないようにしているのでしょう。
>でも、それなら、何故、根にも糖がたくさん含まれているのか。
これは分かりません。
>猪やチンパンジーや鳥などは、どうやって糖の害を防いでいるのか。
イギリスのある動物園で、猿にバナナを与えるのを止めたそうです。チンパンジーではないですが、猿はバナナを食べると凶暴になるようなので、糖質の害を受けています。自然界の果実ならともかく、糖度の上がった果物だとその影響がハッキリ表れるのでしょう。
自然の状態の植物性食品であれば、その戦略に対抗する手段を持った動物は、被害を最小限に食い止められる。
しかし、人間が品種改良して攻撃力の上がった植物性食品は、戦略を持った動物が弱くなる...というのが私の考えです。
お返事どうもありがとうございます。
常々疑問に思っていることを伺わせてください。
それは、食性とは帰納的に決まるのか、演繹的に決まるのか、ということです。
というか、ヒト以外の動物は帰納的に食が決まるとしか考えられません。
ヒトだけが、先に理論(三石理論等)を考え、そこから食性を導くということをし得るわけです。
ぼくは、断糖・高タンパク・メガビタミン・ミネラルを実践しつつも、どっちかというと、最適な食は、帰納的に決まるような気がしていて、結局何だかよくわかりません。
それから、帰納的に決まると仮定したときに、では、ヒトはどんな食生活を送ってきたのでしょうか。
少なくとも、今僕たちがやっているような糖質制限食とはだいぶ違っていたと思います。
虫をまるごと食べたり、捕まえた動物の脳みそや血や骨髄なども食べていたでしょう。
この場合、ビタミンやミネラルも自然とメガになっていたのでしょうか。
三石先生の提唱する食事は実は帰納的にも正しいのでしょうか。
すみません、帰納的、演繹的...の意味が、調べてもよく分からないので理解できる範囲でお答えします。
>ヒトだけが、先に理論(三石理論等)を考え、そこから食性を導くということをし得るわけです。ぼくは、断糖・高タンパク・メガビタミン・ミネラルを実践しつつも、どっちかというと、最適な食は、帰納的に決まるような気がしていて、結局何だかよくわかりません。
私は糖質制限やメガビタミン等の理論を元に食事法を実践して結果がでているので、これらの情報を考えたり教えてくれた先人の意見をブログ内で取り上げています。そして、これから先も注目していきます。
しかし、だからといって、彼らの考えに100%頼っているわけではありません。一部ですが、「これは納得できない」と思っている部分があります。
それが、私が過去に何度も述べてきた「進化」の話です。
「進化がある」を前提として食性を考えるのと、「進化はない」を前提として食性を考えるとでは、答えは全く違ってきます。
私は他の方と違い、「進化はない」と考えています。昔は進化論を信じていましたが、調べていくにつれ、全く根拠がなく、進化があると考える方が無理があるという結論に至りました。種の壁は越えられないわけです。
自然な状態では、どんなに環境が変化しても生体の体の構造が変化することはなく、一時的に変な特徴をもった個体が現われたとしても、ただの「奇形」で終わる。ただし、人間が手を加えて品種改良したり、遺伝子組み換えをすれば話は別である
...という考えです。
人の食性を考える時、チンパンジーを参考にしてはいけない理由【前編】
従って、この世のあらゆる生物は、最初から今の姿(人間が手を加えていなければ)であると仮定しています。
体のシステム、食性も最初から今のまま。
人間の体のシステムは変わっていないけど、環境が変化したので、体の本来のシステムが何だったのか分からなくなっている。
・・・と。この状態から、経験と分析を繰り返し、限りなく答えに近づいているのが、「糖質制限」や「三石理論」だろうという見方をしています。
では、何故本来のシステムが分からなくなっているのか・・・というと、人間の歴史が一般的に考えられているより古く、その間に食性が分からなくなるほど食文化が発展した為です。
全くの自然の状態であれば、人間も他の動物同様、目の前にあるものの中から、自分の能力で捕獲できそうなものを捕まえて食べるしかないわけです。
品種改良された植物性食品もないわけですから、食性に合わない植物性食品を誤って食べたとしても、自然と低糖質に治まります。
ですが、文明が発達すると人口が増えるので、食料が減ります。
食料確保の為に植物性食品を食べる選択をすれば、本来、自然には存在しないであろう畑や植物が目の前に常に存在することになります。
「食料が足りないから、野菜や穀物も食べよう」と思って生活を変えた初期の人達なら、元々は肉食だった事を知っていますが、後の世代は生まれた時から両方手に入る環境なので、両方食べることが自然だと錯覚するようになります。
それが、人間の都合の為に変えられた環境かどうかは、調べなければ分からないわけです。
「昔からこうしていた」というだけで、事情を知らず意味のない行為をくり返すのは人間の悪い癖です。
こうなってくると、先祖が何を食べていたのかは分からなくなります。
確かめる方法は、科学的に考えたり、それが正しいかどうか色々試してみるしかありません。
実践して不健康になればそれはやり方が間違っているから、実践して健康になればやり方が正しい...この積み重ねと、それを客観的に分析して分かりやすく理論にするのが安全です。
進化がなく、システムが最初から変わっていないと仮定すると、人間の食性も最初から決まっているということになります。
そう考えている私は、普遍的な答えは必ずあると考えています。
>では、ヒトはどんな食生活を送ってきたのでしょうか。少なくとも、今僕たちがやっているような糖質制限食とはだいぶ違っていたと思います。虫をまるごと食べたり、捕まえた動物の脳みそや血や骨髄なども食べていたでしょう。
おっしゃる通りです。
現代人は、買うという方法で食材を手に入れているので、限られた食材の限られた部位ばかり食べていることになります。
日本人は、魚介類は種類が豊富なので季節ごとに様々な魚を食べますが、肉は豚、牛、鶏のローテーションで内臓はあまり食べません。
アジアのように昆虫も食べません。
動物性食品の丸ごと食はあまりしないですね。
>この場合、ビタミンやミネラルも自然とメガになっていたのでしょうか。
メガ...とまではいかなくても、素材を丸ごと食べる事で不足しにくくなるでしょう。
例えば現代人は肉は食べても、マグネシウムを多く含む骨は食べません。肉食だとマグネシウムが不足するので、骨を食べない糖質制限をするならマグネシウムを補った方が良いです。
現代はビタミンやミネラルが不足しやすく、消費しやすい社会です。
昔は社会毒が少なかったのです。糖質を始めとした有害物質を浴びていなければ、それらを代謝する為に、ムダにビタミンやミネラルを消費することも少ないでしょう。
>三石先生の提唱する食事は実は帰納的にも正しいのでしょうか。
結果が全てでしょうね。言われている事を真面目に実践して、100人中80~90人くらいに理論通りの結果が出れば、それは真実に近いでしょう。
お返事どうもありがとうございます。
分かりにくい書き方をしてすいませんでした。
アリヤさんの考え方はとてもラディカルだと思います。
進化論に留保をつける点など特にそう感じます。
糖質制限系の人たちのほとんどが、進化論に関しては何の留保もなく前提としてしまっていますからね。
また疑問に思うことがあったら質問させてください。
>糖質制限系の人たちのほとんどが、進化論に関しては何の留保もなく前提としてしまっていますからね。
専門的に何かを学んだ人は、その分野の視点だけで物事を考えるから柔軟な思考ができないのだと思います。
私は昔から、納得のいかない状態で話を展開させるのが嫌いなので保留だらけです。
はじめまして。アリアさん、貴重な情報を有難うございます。
私も健康体ですが体調や肌の状態を向上したいと思い十代からベジタリアンやゲルソン療法から糖質制限まで様々な食事法を試しておりますが、中々持続的な効果が得られず、アリアさんのブログにたどり着き、スーパー糖質制限とメガビタミンを始めた所です。
こちらは体内のメイラード反応に関する記事ですが、肉の調理に伴うメイラード反応についてはどのようにお考えでしょうか。調味料に糖質を使わない場合でも、肉自体の糖質との反応が考えられます。蒸せば一番よいのだとは思いますが、アリヤさんは肉だけのハンバーグなども作られているようで気になりました。
現在、調味料を最低限にして調理した肉があまりにも美味しくなくて、美味しく食べる方法を試行錯誤しております。100g1000円超の和牛であれば、塩のみで十分美味しいのですが、スーパーのお手頃なお肉では獣の味がして中々不味いです。また、調味料でメーラード反応を起こさないと旨味や柔らかさが中々出せません。ハムやベーコンなどの加工肉はそのままで美味しいですが亜硝酸塩が利用されていることも懸念しており、調理に伴うニトロソアミン形成が心配です。
そのため、現在は卵、バター、豆腐、納豆を主に食べております。豆腐や納豆は糖質的には十分に低いと考えますが、どのような問題があるとお考えですか。欧米ではイソフラボンがホルモンに影響してよくないという説が主流ですが、特に体感がありません。
どうぞ宜しくお願い致します。
アキさん、コメントありがとうございます。すみません、スパム処理されていたので気付くのが遅くなってしまいました。
食品に含まれているAGEについては、以下の記事のコメント欄で読者さんとやりとりをしています。
AGE(終末糖化産物)について分かりやすく説明してみた
>現在、調味料を最低限にして調理した肉があまりにも美味しくなくて、美味しく食べる方法を試行錯誤しております。100g1000円超の和牛であれば、塩のみで十分美味しいのですが、スーパーのお手頃なお肉では獣の味がして中々不味いです。
香辛料を使われてはいかがでしょう。ハーブ、スパイス、レモン、あと、ニンニク、しょうがなど。
獣の味が肉の本来のうまさです。あれを排除するのではなく、慣れるようにした方が良いと考えています。日本人は本来の味や香りを悪者にする傾向があります。下ごしらえでこれらを取り除いて、調味料を添加する調理法です。
慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、日本的な調理法を止めてみるのも1つの手です。
和食は素材の味を生かした料理だという嘘と、日本人が不健康な白米を止められないワケ
ビタミンやミネラルが不足した野菜や果物は味や調理にも影響していた
>そのため、現在は卵、バター、豆腐、納豆を主に食べております。豆腐や納豆は糖質的には十分に低いと考えますが、どのような問題があるとお考えですか。
タンパク質、脂質、共に動物性の方が優れています。大豆製品の糖質制限は効果が薄いです。大豆製品はおまけ程度に考えましょう。
卵、バターは良いですね。
>欧米ではイソフラボンがホルモンに影響してよくないという説が主流ですが、特に体感がありません。
こういった毒性というのは、遅効性のものが多いです。弱い固体ほど早くダメージが表れますが、丈夫な人は気が付きません。でも、気が付かないからといって毒が無害になるわけではありません。
イソフラボンは、大豆が身を守るための毒の一種ですから。
加工肉の件ですが、添加物は肉に限らずありとあらゆる食品に含まれていて、家庭料理を作っている人でも相当摂取しています。
草食系男子が増える原因は、価値観の変化でも女性の強さでもなく、生殖能力に影響を与える環境である
何故か肉だけが騒がれますが、他の食品を食べていても同じ事です。
それよりも、添加物を気にして、必要な栄養素が摂取できない事の方が問題だと考えています。
アリヤさん
お返事有難うございます。
肉食に伴う有害物質の考え方について理解できました。糖質が低い植物の毒と比較して、肉食の有害物質の方が影響が低いという考えですね。肉食の有害物質はミトコンドリア活性を低下させるものや発がん性の物も見受けられ、心配ではあります。
大豆製品よりも動物性の方が優れているという根拠は何でしょうか?
>糖質が低い植物の毒と比較して、肉食の有害物質の方が影響が低いという考えですね。
考え...というより、実際に試したらそうなるという現実ですね。
自分を含め、焼いた肉を食べまくっている糖質制限実践者を観察しても、食品のAGEでダメージを受けている様子がありません。
「食品に含まれているAGE」に限った話ではありませんが、成長や加工の過程で含まれる「外的な有害物質」は、植物だろうと動物だろうとどんぐりの背比べです。
現在、市場に出回っている食品に、有害物質が含まれていない物はほとんどないでしょう。
ただ、その生き物が元からもっている毒(糖質等)がない分、動物が安全です。動物食性動物には。
●植物(元からある毒+有害物質)
●動物(有害物質)
>肉食の有害物質はミトコンドリア活性を低下させるものや発がん性の物も見受けられ、心配ではあります。
ミトコンドリア活性を低下させるのは肉だけではありません。ちなみに、今ディスプレイを見ておられるでしょうが、ブルーライトもミトコンドリアの機能低下を引き起こします。殺虫効果があるくらいですから毒性は強いです。
肌の対策まで必要?ブルーライトの生体への影響は深刻だった
当然、植物性の食品に含まれている添加物などの有害物質も例外ではないでしょう。
肉の有害物質だけが極めて悪いように騒がれますが、情報として偏っています。「有害物質」は何であっても悪いです。
癌は生きているだけで発生します。従って「発癌」よりも、「増殖」に気をつける方が建設的です。
>大豆製品よりも動物性の方が優れているという根拠は何でしょうか?
●大豆製品そのものの欠点・・・プロテインスコアが動物性食品に比べて低い
●人間の体との相性の問題・・・人間は動物なので、動物のアミノ酸組成と脂肪酸組成に近く利用しやすい。
「動物性食品を食べられないよほどの理由」がない限り、体に合わない栄養価の低いものを優先的に摂取するのは、「健康」を考えるなら効率が悪いです。
目的が「楽しみ」なら別ですが。
アリヤさん、お返事有難うございます。
アミノ酸や脂肪酸の「組成」という観点を見逃しておりました。
また、「発癌」よりも「増殖」に気を付けるという観点も勉強になりました。
アキさんはじめまして。
コメント横から失礼します。
肉の調理法についてですが、
私も獣の味がするのは苦手です。
うちは牛肉や羊肉をよく食べるのですが、
薄切りにして、半日ほど水にさらしてから調理しています。
途中何度か水を変えて赤い汁が出なくなるまでさらしてから調理すると安い肉でも臭みはないです。
多分「肉の旨み」的なものも出てしまっているとは思いますが。。。
私はこちらの方がさっぱり食べられるので好きです。
良ければ試してみてください。
ナナさん、アドバイス有難うございます。
半日ほど冷蔵庫で水にさらす方法を試してみます。