- 投稿 2017/08/30
- 健康食品・サプリメント - 食事
数回にわたって、私が健康食品やサプリメントについてどう思っているのかを書いてきました。
ネットワークビジネスを通じて学んだ健康食品の体験談の信憑性とお金の話
色々と問題もありますが、今改めて、栄養補助食品を使った方が良いかどうかを訪ねられたら「使った方が良い」と答えます。「適切に使うなら」という条件付きですが...。
本記事では、サプリメントや健康食品に一時的に距離を置いたものの、その後、「やはり飲んだ方が良い」という結論になった理由と、そのメリットについてお話したいと思います。
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食事だけ VS 食事と栄養補助食品
世の中には「食事だけで健康を保つべきだ」と考える人と、「食事を気をつけたうえで、栄養補助食品を組み合わせた方が良い」と考える人がいます。
時に両者は対立したりします。
私は糖質制限だけで、かなり体調がよくなったので、「サプリメントや健康食品に頼らなくてもいいかな」と思いました。
しかし、「鉄」等の足りていない栄養素があったので、サプリを飲んでよかったと思います。
私の場合、食事法を実践するのも、サプリメントを飲むのも「必要な栄養素を満たし、不要な栄養素を排除することで健康になる」為です。
つまり本質は同じなのです。
もっと言えば、「人間の構造の合った栄養素を十分に補給し、不必要な栄養素をカットする」という本筋が大事なので、それさえ外さなければ、どっちでもいいと思います。
これを外していたら、食事に気をつけても、サプリを摂ってもダメだと思います。
冷静に考えたら、サプリメントも食品も、見かけが違うだけで、「栄養を買っている」事には変わりありません。
どちらの姿で摂っても、結果的に必要な栄養素が摂取できるのであれば同じです。
ただ、食事では、ちょっとしたことで栄養失調になるので、サプリメントを利用した方がいい結果が出せると思います。
食品と違って効果がハッキリ表れる
品質の乏しいものを飲んだり、必要ない栄養素を摂ってみたり、高すぎて続かない・・・というのは論外ですが、サプリメントや健康食品は上手く使えば効率よく健康になることができるのは確かです。
健康食品やサプリメントは、必要な栄養素をピンポイントで補うことができるので効果がハッキリ表れます。これが魅力です。
例えば、私は6月2日から「ナイアシン(ビタミンV3)」というサプリメントを飲んでいます。もうすぐで3ヶ月になります。
これを飲むと「ナイアシンフラッシュ」という、赤くなったり痒くなったりする現象が一時的に起きます。厳密に言うと、飲む量、体質、その時の状況によって、起こったり起こらなかったりします。
何が言いたいかというと、これほどの効果を食事で出すのは難しいということです。サプリだからできるのです。
「ナイアシン」は食品では、明太子、かつお、いわし等に多く含まれています。
どれも私の好物で、特に「かつおのたたき」は、1人で300gくらいは、ペロッと食べます。しかし、ナイアシンが多いと言われている「かつお」をこれだけ食べても「ナイアシンフラッシュ」は起きたことがありません。
食品に含まれる栄養素は意外に少ないのです。
この「フラッシュ」を食事で起こそうと思ったら、大変な量を食べなくてはいけないでしょう。
「ナイアシン」のサプリメントは、一度にたくさん飲むとキツい「ナイアシンフラッシュ」がくるので、100mgから始め、少しずつ、年単位で量を増やしていくのが良いとされています。ちなみに、数日前から200mgに増やしました。
たくさん飲める人からすると100mgは少ないですが、それでも、食事から摂る量に比べると圧倒的に多いです。
「フラッシュ」という反応がハッキリ表れるので「飲んでいる」と自覚しやすい為、ここでは「ナイアシン」を例に出しましたが、他のサプリ(例えば、鉄)でもこの事は当てはまります。
食品とは比較にならないくらい効果が実感できるのです。
以前も記事にしましたが、レバーを毎日せっせと切って焼いて食べるよりも、鉄サプリを飲んだ方がハッキリとした体調の変化を感じました。
鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事
サプリメントは地球に元々あったものではなく、人間が加工したものです。だから無くても生きてはいけますし、食事を気をつけるだけでもかなり健康になれます。
しかし、より健康になりたい、長生きしたい、若くいたい、難病を改善させたい・・・など何か目的があるのなら、サプリは使った方が良いと思います。
ただし、言うまでもありませんが、「自分に足りない栄養素を見極めて、それを補う」という選択能力があっての話です。
世の中には、すでに足りている栄養のサプリメントを不用意にたくさん飲んで「体調を崩した」と文句を言う人もいるみたいですが、それはサプリメントが悪いのではなく、判断が悪いのです。
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簡単に栄養失調になる
サプリメントを摂った方がいい理由は、人間は何かしらの栄養失調になっているからです。
「摂取カロリーが少ない飢餓の状態」を栄養失調だと思っている人もいると思いますが、大切なのは栄養の質です。
例え摂取カロリーが十分でも、栄養の質が以下のような状態では「栄養失調」に該当します。
- 糖質過多
- タンパク質不足
- 脂質不足
- ビタミン不足
- ミネラル不足
これらは、栄養の質が悪いので「質的な栄養失調」と言います。
例えば、私は糖質は10g以下しか食べませんし、タンパク質、脂質はしっかり摂っています。
しかし、「鉄」が足りなかったので、「ミネラル不足」だったことになります。
そうなった原因は生理です。
私はスーパー糖質制限をしているので、「ヘム鉄」の多い、赤身の肉や卵を多く食べますが、それでも貯蔵鉄(フェリチン)を測ったら49でした。
女性のフェリチンの理想は100なので、かなり少ないことになります。
食事だけだとこういう事になります。サプリメントがあってよかったと思います。
そして、糖質制限をする前は、もっとひどい「質的な栄養失調」でした。
当時は血液検査はしていなかったので、データが残っていないのですが、とにかく若者とは思えないほど体が弱かったです。
内訳は、「野菜多めの食事」や「バランスの良い食事」を心がけていたので、「糖質過多」、「タンパク質不足」、「脂質不足」でした。
ミネラルやビタミンは、野菜からはもちろん健康食品から摂っていたので足りているつもりでしたが、過剰に摂っていた糖質の処理に使われていたと思います。
「野菜多めの食事」や「バランスの良い食事」や「和食」は、糖質が多い食事なので、このような状態になります。
厚生労働省が定めている、「食事バランスガイド」は「質的な栄養失調」を招く食事です。
次は、多くの日本人が食べている食事を元に、これらを食べるとどんな栄養状態になり、何が足らなくなるのか・・・をみていきます。
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日本人に足らない栄養素と、多すぎる栄養素とは
飽食の時代と言われていますが、実は「質的な栄養失調」に陥っている人がほとんどです。
そう言っても、「栄養失調」の実感はないと思います。
そこで、日本人は、どんな栄養が不足しやすいか知っておく必要があります。
『藤川徳美医師のfacebook 2017年5月9日』より引用
なぜなら、日本人と欧米人では食べているものが全く異なるからです。
1)日本人ではタンパク不足がある
欧米人は日本人の3倍の肉を食べるので、タンパク不足の記載は少ない。バランス良い日本食では全員タンパク不足。
2)日本人では鉄不足がある
欧米では小麦粉に鉄を入れているので、鉄不足の記載は少ない。日本ではそのような対策は全く取られていないため鉄不足がある。特に、15~50歳女性の99%は鉄不足。
3)日本人ではB1不足がある
米を主食にする日本人は、小麦を食べる欧米人よりB1不足になりやすい。欧米では小麦粉に、B1、B2、B3(ナイアシン)を付加している。米を食べている日本人は全員B1不足。
4)日本人ではω3不足は少ない
魚介類を食べるとω3が補給される。魚介類を食べない欧米人では。ω3不足になる。ω3/ω6=EPA/AAは、日本人では0.3前後、欧米人では0.01~0.1。すなわち、ω3サプリの効果は日本人より欧米人により顕著。
オーソモレキュラー治療前に、鉄タンパク不足の改善、B1不足の改善が必要。
世間では、「食の欧米化」と言われているため、「日本人は脂っこいものや肉を食べるようになった、タンパク質や脂質は足りている」と勘違いしている人も多いです。
しかしながら、日本人の食事内容は欧米とはまるで違います。
「欧米人は肉を日本人の3倍食べる」は、言いかえると「日本人は欧米人の3分の1しか肉を食べない」ということですが、これは誇張された話ではありません。
『日本人よコレステロールを恐れるな / 著者:長谷川元治』より引用
日本人は古くから米を主食にしてきました。いわば“米食民族”です。
長い歴史を見ても、欧米のように肉を食生活の中心にしたことはまったくありませんでした。
その理由はいろいろ考えられますが、山谷が多く、草原や平地が少ないために欧米や中国大陸のように牧畜が発達しなかったこと、また仏教の影響により、天武天皇の時代から動物(特に四足の動物)の肉を食べることがタブーとされてきたことなどがあげられるでしょう。
魚介類は縄文・弥生の時代から食べられてきましたが、とるのに技術がいるうえに保存がむずかしかったため、だれでもいつでもどこでも食べられるというものではありませんでした。
明治時代以降は日本人も牛や豚、鶏などの蓄肉を口にするようになりましたが、それでも戦前はもちろん、戦後のある時期までを含めて日本人の食生活の大半は糖質で占められており、昭和30年ごろでさえ総摂取エネルギー中、タンパク質と脂肪が占める割合は両方を合わせても20%ほどにすぎませんでした。
(中略)
そんな日本人の食生活も昭和30年代以降、高度経済成長によって世の中が豊かになるにしたがい、徐々に変わっていきました。洋風のメニューが食卓に並ぶようになり、肉や卵、乳製品などの摂取量もふえていきました。
当時から、医師や栄養士など専門家たちは「日本人の食生活はいずれ欧米並みになるだろう」と盛んに警告したものです。
はたして、この予言は当たったのでしょうか?
結論からいうと、もののみごとにハズレました。
これほど豊かになったにもかかわらず、日本人の食生活はついに欧米人と同じにはならなかったのです。
確かに昔にくらべれば見た目は洋風化して、カタカナのメニューも食卓に多く並ぶようにはなりました。しかし、欧米人の食生活とは、その内容が根本的に異なるのです。
先にも述べたように、元来、私たち日本人は米食民族です。米を中心にした食生活・食文化というのは非常に根強いもので、どんなに生活環境やライフ・スタイルが変わっても、その形がくずれにくいという特徴があります。
たとえば、広島大学医学部第二内科のグループが行なったハワイやロサンゼルスに住む日系一世の食生活に関する調査では、移民してから60年以上もたっているにもかかわらず、同じ地域に住む白人にくらべて依然として糖質の摂取量が多く、タンパク質や脂質の摂取量は少ないという結果が出ています。
同じ年代の日本人に比べればタンパク質や脂質の摂取量は多いのですが、アメリカの白人並みにはなっていません。
これは、アメリカに移住してもなお日系一世たちには米(ごはん)を中心にした食生活・食文化が残っていることが原因だと考えられます。
よく、栄養について議論するとき、「日本人と欧米人」では体質が違うことを強調する人がいますが、体質の違いよりも、食生活の違いによる体質の違いの可能性が大きいです。
ごはんはこってりした料理だけでなく、刺し身や焼き魚、煮物など、あっさりした魚料理や野菜料理とも味覚的にたいへんよく合います。
そのため、ごはんを中心にした食生活を送っているかぎり、メニューにバラエティーをつけやすく、アメリカの白人のように毎日、朝から晩まで肉や卵、乳製品などを使った料理ばかりを食べるということにはなりません。
しかも“米を主食にして、いっしょにおかずを食べる”という食事パターンなので、ごはんによってある程度おなかがふくれる分、肉や卵など動物性食品をおかずにしたときにもそれらの摂取量におのずとブレーキがかかります。
日本人の米にあたるような主食が存在せず(パンはいわゆる主食とは性格が違い、むしろつけ合わせに近いもの)、肉や卵、乳製品などをたくさん食べることでおなかをいっぱいにするアメリカの白人の食生活とは根本的に構造が違うのです。
同様のことは、現在の私たち日本人の食生活にも言えます。
私たちはこの10年間、延べ約50万人の日本人を対象に詳細な栄養調査を行なっています。
その間、米の消費量はかつてより減少してはいますが、それでも1日のうち2食以上、米を食べている人が60%以上います。今でも日本人はアメリカの白人はもちろん、日系人とくらべても圧倒的に糖質の摂取量が多く、タンパク質や脂肪の摂取量は少ないのです。
アメリカの白人の場合、総摂取エネルギー中、タンパク質と脂肪が占める割合は約70%にもなります。一方、日本人の場合、私たちの栄養調査では両方合わせて30数%、厚生省の調査データでも40%を少し超えているにすぎません。
アメリカの白人の場合、総摂取エネルギーのうちの50%以上を肉でとっているという人も珍しくないのですが、日本人でそんな人はまずいません。
日本人でいくら肉好きでも毎日ステーキを食べているという人はいないでしょう。
しかし、みなさんには想像しにくいかもしれませんが、実際にアメリカには毎日ステーキを食べているという人がたくさんいるのです。
日本人の食生活は戦後、確かに豊かになりました。しかし、あくまでも米を中心にしているために、その豊かになるなり方は欧米とはまったく異なっていました。
言いかえると、昔にくらべて日本人の食生活は質的に向上したが、けっして欧米化はしていないというのが、さまざまなデータから導き出される冷静な結論なのです。
(69~73p)
和食のイメージと実態が全く逆であることは、過去に何度か記事にしました。
日本人はとにかくご飯を中心にものを考えるので、外国の料理をとり入れても「米に合う味」に改良します。その為、味付けの濃いおかずになるのですが、そのおかげで、ますますご飯が止められなくなります。
和食は素材の味を生かした料理だという嘘と、日本人が不健康な白米を止められないワケ
つなぎ不要!食べ応えのある食感のハンバーグは低糖質でヘルシー
国民の摂取エネルギーに占めるタンパク質、脂質、糖質の構成比を算出し、その年次推移を見たものが図7です。
(中略)
昭和21年(1946年)から昭和40年(1965年)までの19年間を見ると脂質の比率は2倍以上になっていますし、昭和50年までの10年間には、さらにその約1・5倍になっています。
このような数値の上昇を示しているならば、確かに“増加”と言ってよいでしょう。
しかし、昭和50年(1975年)から平成7年(1995年)までは、20年間かかって脂質の比率はたった4・1%しか上昇しておらず、これをもって“増加”というのは、どう考えても適当ではありません。
しかし、厚生省は「平成7年国民栄養調査成績」の中で、これらの数字を根拠に「エネルギー摂取量に占める脂質エネルギー比率は、依然増加傾向」との見解を示しています。
確かに言葉のうえでは、ほんのわずかでもふえていれば“増加”と言ってもウソではないわけですが、長年の推移から見れば、昭和50年(1975年)以降は明らかに頭打ちで横ばいの状態を示しており、これを“増加”とみなして、そう表現するのは科学的に状況を正しくとらえているとは言えません。
私は厚生省にケンカを売るつもりはまったくありませんが、この調査データから「依然増加傾向」と結論するのは、グラフの読み取り方が間違っていると言わざるをえないでしょう。
期間は短いですが、私たちも同様の調査を行なっています。
図8は私たちが行なった栄養調査をもとに、摂取エネルギーに占めるタンパク質、脂質、糖質の構成比を算出したものです。
上が1993年、下が1996~97年の結果ですから、ごく最近の動向を知ることができます。
結果は見てのとおりで、この間、各年代とも脂質のエネルギー比率はまったくと言ってよいほど変化がなく、日本人の脂質摂取量が頭打ちで横ばいであるという事実をやはり裏づけています。
これら二つの調査データから、近年、日本人の脂質摂取量はけっして増加していないと結論することができるでしょう。
(74~77p)
この本は1998年に出版されたものです。
約20年が経過していますが、1998年と2017年の日本人の一般的な食事がそんなに変わっているとは思いません。
ここで、先程言った「質的な栄養失調」の条件を思い出して下さい。
- 糖質過多
- タンパク質不足
- 脂質不足
- ビタミン不足
- ミネラル不足
・・・でしたね。このグラフでは、ビタミンやミネラルについての情報はありませんが、「糖質過多」、「タンパク質不足」、「脂質不足」が見事に当てはまっています。
しかし、重要なのはこれをどう捕らえるかです。「前提」や「基準」が違えば、同じ対象をみても、全く判断は異なります。
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糖質過多、タンパク質不足、脂質不足に気がつかない
厚生労働省が推奨するエネルギー摂取の目安は、
- 炭水化物(糖質+食物繊維)・・・50~65%
- 脂質・・・・・・・・・・・・・・20~30%
- タンパク質・・・・・・・・・・・13~20%
・・・となっています。「先程のグラフか」と言いたくなりますね。
これを基準に、先程のグラフをみたら、「異常なし」という判断になります。
栄養失調ではない
↓
栄養療法は必要ない
という考えになります。状態が悪いのに、おかしな基準のせいで正しく分析できないのです。
いつも言っていますが、動物食性の人間にこの基準は間違っています。人間の食性を完全に無視しています。
動物食性動物である人間は、植物食性動物のように、特殊な消化器官を持っていません。従って、植物性の食品ばかりを食べると、必要な栄養素を十分得られないのです。
食性だけではありません。
今手元にある「生物の基本ノート 生化学・分子生物学編 /著者:山川喜輝」によると、人体を構成している物質は、
水・・・・・・・・・・・・・・59%
タンパク質・・・・・・・・・・18%
脂質・・・・・・・・・・・・・17%
無機塩類・・・・・・・・・・・5%
その他(炭水化物や核酸)・・・1%
・・・となっています。
これを見たら、体に何が必要かお分かりでしょう。
「人間の食性」、「構成成分」が分かっていれば、あのグラフの食事内容は、必要な栄養と不要な栄養が逆転しており、どこからどうみても「不健康」、「栄養失調」です。
このように、同じ状態をみても、分析、対処法は変わってきます。
ここまでは、糖質過多、タンパク質不足、脂質不足についてみてきましたが、次はビタミン不足、ミネラル不足についてお話します。
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ビタミン、ミネラル不足
ビタミンやミネラルが不足していて、サプリ以外でこれを補うとしたら、「野菜」や「果物」が候補に挙がるのではないでしょうか。
しかし、「野菜」や「果物」には、ビタミンやミネラルだけでなく、多くの糖質が含まれています。
糖質は代謝する時にビタミンやミネラルを消費するので、なるべく摂りたくないわけです。
私自身、昔は意識して大量の野菜をとっていましたが、多すぎる糖質量のため、野菜や果物の抗酸化作用も、健康食品のビタミンやミネラルの効果もあまり感じられませんでした。
本記事では、「野菜」や「果物」に含まれているビタミンやミネラルが当てにならない、もう一つの理由についてお話します。
ハッキリ言って、現在の野菜や果物に含まれるビタミンやミネラルは、どれほどあるのか怪しいです。
よく言われている事ですが、昔に比べて量が減っています。
だから普通に野菜や果物を食べても、ビタミンやミネラルは不足します。
例えば「鉄」。
必要な量を摂ろうと思ったら、ホウレン草だと「バケツ4杯」食べなければいけないそうです。サプリが楽です。
不自然な作物の栄養素
本来は、人工的に加工された栄養源(サプリメント)に頼るのは不自然です。自然が良いのは分かります。
しかし、人間の住む環境が悪い方に変わってしまったので、今私たちが普通に食べている「野菜」や「果物」、「人間に育てられた動物」も、本来の自然の状態とは違っているはずです。
地球規模の汚染によって、水、空気、土は昔に比べて確実に悪くなっているはずですから、そこで育てられる野菜や果物は不自然で、本来の食性を無視した餌で育てられた動物も不自然です。
不思議なのですが、人間の手が加わったほとんどの物は、メンテナンスが必要になってきますよね。「自然なものを自然に放っておく」よりも、「不自然なものを自然に放っておく」方が、ものすごい勢いで劣化していきます。
栄養も例外ではありません。
不自然な物を食べれば、本来そこに含まれていたであろう栄養素が足りなかったり、余計なものを無駄に多く摂ってしまうこともありえます。
このように、不自然な状態だからこそ、自然に放置することが果たしていいのか?・・・と考えられるわけです。
「足りない栄養素」や、「無駄なもの(人間の体に不要な栄養素、有害物質)」は「サプリメント」や「デトックス」で、メンテナンスする方がいいと思いませんか。
こう言うと、「いやいや、うちは土壌にも、水にも気を使って、自然に近い状態で作物を育てているんだ」と言う生産者もいると思います。
しかし、それでも不自然なのです。
品種改良された作物
不自然な環境は「土」や「水」に限った話ではありません。
気になるのは「品種改良」によって生み出された「野菜」や「果物」です。
いくら土や水や生産法に気を使って自然に近い状態にしても、それは一部を見て「自然だ」と思っているにすぎません。
その育てている「作物自体」が人間がこねくりまわしたものであれば、それは不自然な食べ物なのです。
ここで、「品種改良」によって作物がどれぐらい変化したのか一部を紹介します。
『カラパイア 不思議と謎の大冒険 こんなに変化した!かつての果物や野菜と今のものを比較したのビフォア・アフター』より引用
遺伝子組み換えに関しては様々な議論がなされているが、12000年前の農業誕生以来、人類はこうした食物を人為的に改良するための新しい方法を開発し、おいしくて見た目もいい品種を作ったり、他の有機物(例えばバクテリアなど)の遺伝子を、その食べ物の遺伝子をに組み込んで、例えば病気に強い種など、人間が望む性質をもつ品種を作り出してきた。
(中略)
野生のバナナ
最初のものは少なくとも7000年前に栽培されていたと思われる。パプアニューギニアのものは1万年前の可能性もある。東南アジアでも栽培されていた。現代のバナナは、写真のような固くて大きな種がある、Musa acuminataとMusa balbisianaの二種の野生種から品種改良されたもの。
(中略)
これは17世紀の画家、ジョバンニ・スタンキが描いたスイカの絵だが、現在のスイカとはまったく違う。1645年から1672年の間に描かれたスイカの切断面には、渦巻きのような模様が見えている。
硬くてスカスカしてそうなバナナですね。
スイカは種があるので、これで熟れた状態です。
どちらもマズそうですが、生まれた時からこれしか知らなければ、「美味しい」と感じるのかもしれません。
次に、とうもろこしを見てください。甘い野菜のイメージが強いですが、昔はそんなに甘くなかったようです。
野生のとうもろこし
選択的に育成された品種のいい例が、北米のスイートコーンで、ほとんど食べられないブタトウモロコシから改良された。紀元前7000年頃に初めて栽培が始まったが、自然のコーンはこの写真のようなもので、生のジャガイモのように乾燥していたらしい。
現代のとうもろこし
9000年前のものに比べて1000倍も大きくなり、栽培も楽になり、食べやすい。自然のものの糖分が1.9%だったのに比べて、6.6%と高い。このような改良の半分は、ヨーロッパからの定住者が栽培し始めた15世紀以降行われた。
野生のとうもろこしの画像がちょっと胡散臭い感じもしますが、気になるのは昔と現代の「糖度」の差です。
1.9% → 6.6%
凄い変化です。他の野菜も同じようになっているかもしれません。
これが、「見た目」とか「味の変化」だけで済むなら気にする必要はありません。問題は「健康面」です。
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品種改良の安全性
面白い話を紹介します。
野生の「ヒトツブコムギ」でできたパンと、品種改良されまくった「現代の小麦」でできたパンを食べ比べた人の話です。
ちなみに、「ヒトツブコムギ」とは、世界中で栽培されている小麦の祖先にあたる品種です。現在でもごく一部ですが存在しています。
『小麦は食べるな! / 著者:Dr.ウィリアム・デイビス / 訳:白澤卓二』より引用
わたしは小麦過敏症を持っています。そこで、科学的興味からちょっとした実験を行ないました。
1日目に100グラムのヒトツブコムギのパンを食べ、2日目に100グラムの現代の全粒小麦パンを食べるのです。
わたしは自分の体の反応を観察するだけでなく、それぞれのパンを食べた後に指先で血糖値検査を行いました。その違いは驚くばかりです。
1日目の食べる前の血糖値は84mg/㎗。
ヒトツブコムギパンを食べた後は110mg/㎗。
これは炭水化物を食べた後ならだいたい予想される範囲内です。
食後の体調は、何の変化もありませんでした。つまり、眠気や吐き気、傷みなどはなく、完全に調子が良かったのです。ほっとしました。
2日目は現代の有機栽培全粒粉で同じ手順を行いました。
食べる前の血糖値は84mg/㎗。
現代の全粒粉パンを食べた後は167mg/㎗でした。
それだけではありません。すぐに気分が悪くなって、昼食を全部吐きだしそうになりました。胃のむかつきは、36時間、腹痛は食後すぐ始まって何時間も続きました。
その夜は鮮明な夢をいくつも見て何度も目が覚めました。翌朝は頭が働かず、読もうとしていた研究論文が理解できませんでした。同じ段落を4~5回読んでも理解できず、ついにあきらめました。
1日半たってようやく正常な自分に戻りました。
この小さな実験をなんとか切り抜けたわたしは、古代の小麦と現代の小麦とでは体の反応に大きな違いがあることを身をもって体験しました。確かに何かが起こっていたのです。
わたしの体験は、当然ながら臨床試験とは言えません。でも、一万年にもわたる違いはいったい何なのでしょか。つまり、人類の遺伝子介入が始まる前の古代の小麦と現代の小麦の違いは何なのでしょう。
(40~41p)
小麦の過敏症だったためこのような事態になったのだと思います。
しかし、血糖値の差は捨て置けません。どちらも食前の血糖値は84mg/㎗でありながら、食後は、
- ヒトツブコムギパンを食べた後・・・110mg/㎗
- 現代の全粒粉パンを食べた後・・・・167mg/㎗
これは問題ありでしょう。
品種改良は、「経済効果」や「生産性」、「味の追求」ばかりが重要視され、「健康」はどうでもいいような印象を受けます。数十年単位の十分な安全テストがされていないからです。
「品種改良」が繰り返された野菜や果物は、不自然です。人間に飼育されている動物の餌にも言えます。不自然なものを摂れば、何かが過剰だったり、何かが不足したりするでしょう。
もう一度言いますが、人間の手が加えられた不自然なものはメンテナンスが必要なのです。
品種改良された作物も、それを食べる人間にもです。
現代のコムギ腫は、収穫量を増やし、病気や日照り、高温に耐えるように品種改良したものです。
実際、大幅に人工的に変えられた現代の品種は、野生環境では生き残れません。
つまり、人工的な硝酸塩肥料や有害生物防除なしでは育たないのです(奇妙な話ですよね。たとえば特殊な餌など人間の補助なしでは死んでしまう家畜やペットを想像してみてください)。
(35p)
そして、「品種改良した小麦」で血糖値が上がったということは、「無駄に甘さが増した」ということです。
つまり、より糖質過多の野菜や果物を食べていることになります。
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甘すぎる野菜や果物
私はテレビは見ないのですが、たまに人が見ている番組を側で見ることはあります。
「食べ物番組」が非常に多いと感じますが、とくに気になるのは、「品種改良」で新しい製品が生まれた話です。
野菜だろうが、果物だろうが、とにかく「甘~い!」と言って、糖度ばかり強調されます。
「ブドウのように甘いトマト」とか、「スイーツのように甘いイモ」とか・・・
やりすぎでしょう。
ハッキリと言いますが、糖質は毒性が強いです。それが強くなる、甘くなれば甘くなるほど体に悪いということです。
生き残りをかけて品種改良をするのだと思いますが、人体に有害である事を伏せた上で、華やかな面ばかり強調するのはどうなのでしょう。
(注意)糖度が高くて毒性が強い為、健康には気をつけましょう
と、「タバコ」や「アルコール」のように注意書きをして売って欲しいものです。
そうしないと、栄養素はろくでもないのに、野菜だと思っているから「安全だ」と認識してしまいます。
誰かが言わないと、この傾向はどんどんエスカレートしていきます。
従来の糖度の野菜を食べてきた大人は「甘い野菜=異常」と判断できますが、生まれた時から甘い野菜しか知らない子供は、その異常さに気が付けないわけです。
「甘くないと美味しくない」・・・みたいな価値観が少しずつ浸透していき、それが当たり前になると、今度は甘くない野菜や果物が市場から姿を消すかもしれません。
すると「甘くないものを選ぶ」という選択肢がなくなり、普通のものを食べたい人も、糖度の高いものを食べるはめになります。
私は糖質を食べないから大丈夫ですが、糖質の毒性を知っているので、他の人がそれで不健康になるのはいい気がしません。
サプリメントや健康食品のメリット
私たちがスーパーで見かける野菜や果物も、人間が「健康の為」ではなく、「味覚の為」に改造したものだと思った方がいいでしょう。
野菜や果物は、ビタミンやミネラルが豊富なイメージばかりが強調されますが、ビタミンやミネラルを目的にたくさん食べると、過剰な糖質を摂ってしまい不健康です。
私は過去に、過剰な糖質摂取による「糖化」で体がボロボロになりました。それも、ビタミンやミネラルを摂ろうとして野菜をたくさん摂っていてそうなったのです。
なので、ビタミンやミネラルを摂るために、野菜や果物に頼ろうとは思いません。
一応言っておくと、肉や魚にもビタミンやミネラルは含まれています。
しかし、日本には、ビタミンが多く含まれている「内臓」を調理する文化があまり発展していません。
加熱すると壊れてしまうビタミンを摂る為に、生食ばかりするわけにもいきません。寄生虫が怖いですから。
余計なものが入っていないし、調理に困らないし、必要な量をピンポイントで摂れるので、サプリメントや健康食品のメリットは大きいです。
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