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谷本議員と一緒に飛行機を降ろされたもう一人の人物・高橋清隆氏について

 

 

 

谷本議員らがノーマスクで強制降機! 釧路空港のエアドゥ機、「憲法違反を公然と行う航空各社への行政指導を国交省に求める」

 

 

一緒に飛行機を降ろされた反ジャーナリスト高橋清隆氏による、谷本誠一議員のインタビュー動画です。

 

 

 

 

 

身近な人が被害に合った時の為に

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カテゴリー:パーツ別

 

私はこれまで歯医者さんで「保険外診療の治療」を受けた事はありません。矯正するほど歯並びは悪くないですし、差し歯はありますが「セラミックなど、ゼイタク品」だと思っていたので保険診療で十分でした。

 

このように、保険外診療はした事もないし、する予定もなかったので、興味がありませんでした。

 

「保険外診療」、「歯科治療の質」に拘らなかったのは、健康にあまり関係ないと思っていたからです。歯の健康を軽く考えていたのです。

 

 

そんな私が「保険外診療」に興味を持ったのは、顎の骨が痛くなった事で、根管治療を始めたことがキッカケです。治療をしても何度も痛みが発生したのです。このせいで、かなり健康を損ねました。

 

そこで調べて、「根管治療」が保険外診療だと成功率が90%に跳ね上がる事を知ったのです(保険診療だと50%です)。

 

 

根管治療は難しい治療です(理由は以下の記事で説明しました)。

 

根管治療を完璧に行なうのはほぼ不可能。神経を抜いた歯の再治療の成功率が落ちる理由とは

 

 

それで、これはお金をかける価値があるな・・・と、「保険外診療」に対する見る目が変わったのは言うまでもありません。

 

 

そして、調べていくと、そもそも、保険診療で「質の高い治療」を期待するのは難しいという事がわかりました。

 

 

というのも、実は保険診療というのは、最低限の治療なんだそうです。

 

 

もう一度言いますが、最低限です。普通じゃありません。

 

 

そこで、「保険診療」と「保険外診療」は具体的にどう違うのかについてお話します。

 

 

特に健康に直結する根管治療に的を絞って、「保険診療の歯科医院」と「保険外診療専門の歯科医院」の違いについても考えてみたいと思います。

 

 

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「保険診療」と「保険外診療」の違い

 

 

「保険診療の歯科医院」と「保険外診療専門の歯科医院」の違いを明確にする為に、まず、「保険診療」と「保険外診療」の違いを説明しておきます。

 

 

保険診療

 

「保険・診療」というのは、「病気」に対して行なわれる診療です。

 

ですから歯医者でいえば「予防」や「見た目」の為の治療には保険がききません。言うまでも無く、金銭的には楽です。

 

ですが、保険診療には治療の枠が決められているので、治療内容に制限が生じます。技術、薬、材料などに制限があるので、質は望めません。病気を治す為の最低限の治療、保証です。

 

 

病院に行くと、まず受付で保険証を出しますが、この行為自体が「保険診療で治療して下さい」という意思を表した事となります。

 

 

 

保険外診療

 

「保険外・診療」というのは、保険の適応が認められていない診療です。

 

 

一部の先進医療や審美的な処置などです。

 

 

「保険診療」のように治療の枠がないので、技術、薬、材料に高い質を求めることができます。ただし、治療費が全て自己負担なので高いです。

 

 

保険外診療の事を、「自費診療」「自由診療」と言ったりします。

 

 

 

 

簡単に言うと、「保険診療は安いけど、質は最低限。保険外診療は高いけど、質は良い」です。言うまでもありませんが...。

 

 

 

質の高い根管治療とは

 

 

根管治療において、どんな治療を「質が高い」と定義するのか・・・ですが、それを知るには、歯科医院のHPをいくつか見るのが手っ取り早いと思います。

 

 

根管治療に力を入れている事をアピールしている歯科医院のHPでは、細部を拡大して治療を行なうことの出来る「マイクロスコープ」や、根の状況を精密に把握できる「CT」・・・といった高価な機器や器具が備えてある事、また、高度な技術を習得した専門医のプロフィールが紹介されています。

 

 

あと、治療する歯の中に細菌が入り込まないようにする「ラバーダム」というシートを使うなどがあります。

 

 

これらを数件見れば、なんとなく「こういうのが質の高い根管治療なのかな...」と把握する事ができます。

 

 

反対に、これらの条件が揃ってないのが「最低限の治療」ということになるかと思います。

 

 

高価な機材や時間をかけた丁寧な治療をアピールしている医院は、大抵「保険外診療専門の歯科医院」だったりします。ですが探せば、保険診療でも「マイクロスコープ」や「CT」を使う歯科医院は存在します。

 

 

だから、「マイクロスコープ」や「CT」等は、「保険外診療専門の歯科医院」だけにしかないとは限りません。

 

 

ちなみに、私が調べて行ったA歯科も「マイクロスコープ」や「CT」を備えていて、プロフィールで根管治療をアピールしていましたが「保険診療の歯科医院」です。「保険外診療専門の歯科医院」ではありません。

 

 

ここで思うわけです。

 

 

「保険診療の歯科医院」と、「保険外診療専門の歯科医院」の違いはなんだろう・・・と。

 

 

だって、「保険診療の歯科医院」でも「マイクロスコープ」や「CT」を使ってくれるなら、わざわざ高い「保険外診療専門の歯科医院」に行かなくても済むではないかと思うからです。

 

 

 

そこで実際に、「マイクロスコープ」や「CT」をアピールする「保険診療の歯科医院」を受診して感じた事を列挙します。

 

 

 

 

  • 根管治療の為マイクロスコープは使ってくれたが、CTは撮らなかった。レントゲンで確認。

 

  • 成功率は2分の1だと告げられた(保険外診療の90%ではない)

 

 

  • 治療時間は15分程度、説明は少ない

 

 

 

 

このように、例え良い機材を備えていても「保険診療の歯科医院」は、「保険外診療専門の歯科医院」とは、何か違います。

 

 

 

だって、最新の機器があるのに成功率が50%なら、最新の機器のない普通の歯科の成功率50%と何が違うの?と思いませんか。

 

 

 

先進医療機器というのは一千万円以上するそうです。90%にならなくても、せめて少し % が上がってもよさそうなものですが・・・。

 

 

 

やっぱり、保険診療だと「マイクロスコープ」を使ってもダメなのかな・・・と、思っていました。処置の後も凄く痛かったですし・・・。

 

 

 

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「保険診療の医院」と「保険外診療専門の医院」の違い

 

 

「保険診療の歯科医院」と「保険外診療専門の歯科医院」の違いについてみていきます。

 

 

 

多くの方が通われている「保険診療の歯科医院」は、保険診療と保険外診療を行なっています。

 

 

それに対し、「保険外(自由)診療専門の医院」では、保険診療を扱わず保険外診療だけを行なっています。

 

 

 

前者は保険が使えるので安いです。

 

 

後者の歯科医院は数が少ないので、行った事がない人がほとんどではないでしょうか。高いですし。

 

 

 

保険診療の歯科医院の根管治療

 

 

高いし、数も少ないので、「保険診療の歯科医院」の中から根管治療を得意とする医院を探しました。

 

 

そうして、「保険診療の歯科医院」のHPに載っていた、「マイクロスコープ」や「CT」を見て、最初は「質の高い医療」だと期待しました。

 

 

しかし、最新医療機器を揃えている「保険診療の歯科医院」でしたが、実際に行って言われたのは、「成功率は2分の1」です。

 

 

何故か成功率が「保険外診療の根管治療」ように高くないのです・・・この事にしばらく疑問を感じていました。

 

 

その理由ですが、

 

 

「保険診療の歯科医院」の根管治療の成功率が上がらないのは、設備云々ではなく、結局、保険診療は、保険診療だからなのかもしれません。

 

 

先程、保険にはがあるとお話しましたが、このルールがややこしい。

 

 

『歯医者の99%は手抜きをする ダメな歯医者の見抜き方 いい歯医者の見分け方 / 著者・歯学博士 長尾周格』より引用

 

「保険で認められている治療は、保険診療で行なわなければならない」というルールが存在するからです。

 

 

例を挙げると、このルールの存在によって、保険診療歯科医院では根管治療(歯の神経を取る、いわゆる歯の根の治療)は、保険診療で行なわなければなりません。保険診療歯科医院が保険外で根管治療を行なうことは明確な違法行為です。

 

 

アメリカの場合、専門医が行なう根管治療の費用は、大臼歯で概ね2千ドル程度です。これに対し日本の保険診療では、点数の高い抜髄で計算すると、大臼歯で計二日かかったとして、9900円となります(初診料や再診料は別途)。

 

 

私は、日本の保険診療歯科医院で行われている根管治療の質は極めて低いと考えています。

 

 

その上、保険外診療でもいいから質の高い根管治療を受けたいと希望しても保険診療歯科医院では、保険外の根管治療を受けることはできないのです。これはさきほど言ったように保険診療のルールでは混合診療の禁止によって、根管治療を保険外診療で行なってはいけないからです。

 

 

(41p)

 

 

このルールが存在する限り、「保険診療の歯科医院」のHPに、一見「保険外診療の歯科医院」に匹敵すると錯覚するような設備や技術が紹介されていても、保険診療の技術止まりの事しかできないということです。

 

 

 

つまり枠以上の事は期待できないということです。そうだとしたら残念です。

 

 

 

それに、例えば行き着けの歯医者さんが「保険診療の歯科医院」だった場合、「この先生に高度な技術で治療してもらいたい」と思っても、(先生に技術があろうとなかろうと)法律的に出来ないということになります。つまり、質の高い治療を求めるには、慣れ親しんだ行き着けの歯医者さんを離れなければならないというわけです。

 

 

ややこしいルール・・・。

 

 

そして、多くの人が鬱陶しがる「保険診療で何回も通う(一回に時間を掛けられない)」理由も、このルールがあるからだそうです。

 

 

『どくらぼ 歯科医のジレンマ。日本の保険診療が抱える闇と治療費の裏側』より引用

 

 

何回も通院させられる。回数を稼いで金儲けしてるんでしょう?

 

 

「歯石取りや根の治療で何度も何度も通わされる。再診料を稼いで金儲けしてるのでは?」というのもよくある誤解です。「歯石取りは一度に全部やってよ」と思われるかもしれませんが、保険治療のルール上、また、歯茎の治りの問題上、一度にすべてを行うわけにはいかないのです。もしもこれを無理やり一度にやってしまうと保険が適用されなくなります。

 

 

また、回数のかかる治療に根の治療があります。これもお薬の交換で何度も通うことになるのは珍しくないのですが、これを「金儲け」と捉えてしまう患者さんもいます。しかし、根の薬の交換は歯科点数では微々たるもので、むしろ赤字部門なのです。むしろこまめに予約をとってくれて薬の交換をしてくれる歯医者さんは良心的だと言えるでしょう。

 

 

これまでは、こんな細かいルールがあるなんて知らなかったので、「なんで何回も通うんだろう?」とか思っていましたが、そうしなければならない理由があるというわけです。

 

 

以前、「保険診療の歯科医院」の場合は、患者さんにドタキャンされても「キャンセル料」が取れないので、万が一キャンセルがあった場合でもリスク(保険診療の歯科医院では、ドタキャンは死活問題)が少ないように、あえて一人に長時間かけない・・・的な話を読んだことがあります。一人にかけられる時間が少ない為、回数を増やすのかな等と考えたこともありました。

 

 

まさか、一回でやってはいけないルールがあるとは、調べるまで知りませんでした。色々な事情があるものです。

 

 

それにしても、歯科について色々と調べていると、いたるところで「金儲け」だの「悪徳」だのという心無い言葉を目にします。この類いの悪口が、他の科に対してよりも多いような気がするのは私だけでしょうか。

 

 

まぁ、「悪徳」と言われても仕方のないような歯医者の話も、確かにたくさん読みましたが、それを言うなら癌治療の方が酷いでしょう。

 

 

 

 

 

私は常日頃から、医療のインチキぶり悪徳ぶりに辟易しているので、歯科が特別酷いとは思いません。「悪徳」はどんな科であろうと滅ぶべきですが、真面目に頑張っている医師は、どんな科であろうと応援したくなります。

 

 

今、根管治療をしている最中なので、根管治療が赤字部門って・・・なんだか歯医者さんが気の毒になってきました。

 

 

 

保険診療だと質の高い治療を望めない理由

 

 

また、一回で全部終わらせられない、(つまり、一人に時間をかけて回数を少なくすることができない)理由は他にもあります。

 

 

一人に時間をかけすぎると、一日に診れる患者の数って限られてきますよね。

 

 

『歯医者の99%は手抜きをする ダメな歯医者の見抜き方 いい歯医者の見分け方/著者・長尾周格』より引用

 

 

また、歯科医院が保険診療で利益を出すためには、一日の来院患者数が平均30人以上必要とされています。

 

(中略)

 

例えば診療時間が、朝の10時から夜7時までだとします。昼休みを1時間半とっているとすると、実質的な診療時間は7時間半です。7時間半で30人治療するとなると、単純計算で、ひとりあたりにかける平均治療時間は15分ということになります。実際に歯科医院で患者ひとりの治療にかける平均的な治療時間は15分程度と言われています。

 

ここで考えてほしいのは、一回の治療につき15分しかかけられないのだとしたら、はたしてそれで質の高い治療を行なうことができるかということです。当然のことながら、質の高い治療を行なうためには、時間と手間がかかるものです。

 

(23p~24p)

 

 

一日30人診ないと生活できないとしたら、「時間を掛けて下さい」なんてとても言えません。

 

 

人数が減れば収入が減ります。収入が減れば経営が苦しくなります。そうなると、その穴埋めに、自費診療に力を入れたり、治療の材料のコストを落とすなど・・・想像がつきます。そうすると、また「悪徳」と呼ばれる。

 

 

ここでは一回の治療が15分とありますが、実際に15分だとしても前後の数分はその患者さんの準備、例えばモニターにレントゲン写真を写したり、コップの水を変えたりなども含まれるし、治療前の説明と、治療後の説明を考えると、実際の治療時間はもう少し少なくなると思います。

 

 

あの短時間で見えにくくて細かい作業をこなすのは凄いと思います。

 

 

私はわからない事があったら質問するタイプなのですが、これからは時間を搾取しないように、質問はなるべく簡潔にするようにしました。

 

根幹治療は赤字になる!?診療報酬が安すぎる日本の歯科医療制度の問題へ続く

 

 

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前回は、根管治療をしていて「医者選びって重要だな」と感じた事について書きました。

 

歯医者を変えたい、今の先生は信頼できない、と思っている人に言いたいこと

 

ですが、仮に「これだ!!」と思う医師を見つけても、それで万事OKではありません。

 

根管治療の成功率の問題です。

 

私は最初に行ったA歯科で「成功率は2分の1」と聞かされましたが、何故2分の1になるのかの説明はありませんでした。

 

歯の構造がわからなかったので、なんでそうなるのかピンと来ませんでした。

 

ですが、構造がわかったことで、その理由は実にシンプルで、誰がどう考えても難しい治療だと思うようになりました。私はどんな優秀な医者にかかっても、この根管治療を完璧にするのは不可能だと思っています。

 

 

そこで、今回は、「根管治療が難しい理由」についてお話しようと思います。

 

 

 

まず、「歯の根の治療をする」と聞くと、一般の人は以下のようなイメージをすると思います。

 

 

 

  • 歯に開いた穴に細い器具を入れる治療

 

  • 単純な作業だけど、何回も何回も通わなければならない

 

 

 

細長い器具を歯の深いところへ入れる繰り返しなので「何やってるんだろう?」と以前から私も思っていました。しかも、毎回毎回その作業で、何回も通わなきゃいけないので、めんどくさいイメージがありました。

 

何をやっているのか、その意味がわかっていないと、こんなもんです。

 

でも、「歯の根の構造」を理解したら、あの地味な作業の意味が理解できます。

 

私は「歯の神経」は一本だと思っていました。

 

で、「神経を取る治療」と聞くと、ちくわの中にあるキュウリを抜き取るように、引っ張ってスーッと取れる・・・くらいに思っていました。

 

超適当なイメージです。

 

こんなだから「簡単に取れるだろう」とか「何回も、何回も、何やってんだ」と思うんですよね。

 

 

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歯の根の構造

 

 

では、実際の歯の神経はどうなっているかというと、以下をご覧下さい。

 

『ドクター・天野の歯科診療室 歯の根と神経の管の構造(根管の構造)より』引用

 

 

歯の根と神経の管の断面図(根管断面図)

 

通常のレントゲンでは、右の写真のように、歯の根の神経が通っている管は、単純な1本の管に見えます。

 

 

しかし、上の写真のように、歯を輪切りにして電子顕微鏡で見てみると、歯の根にはレントゲンで見えていた大きな神経の管以外にも、細かい神経の管が無数に張り巡らされている事がわかります。

 

この細かい神経の管が存在するため、神経治療は一般的に難易度が高く、神経を抜いて消毒し、詰め物をする根管治療をしても、ばい菌が残って膿を作ってしまう事が多々あるのです。

 

 

私がイメージしたように、歯の根が一本だけなら、比較的取るのも簡単だと思うのですが、実際には断面図のように一本ではなく複雑に枝分かれしています。(※引用元では、レントゲン写真は右に位置していましたが、全く同じ配置にする事が出来なかったので、こちらでは写真を下に配置しました)

 

 

これだけではわかりにくいので、さらに別の角度から。

 

『歯科イーエムデンタルクリニック CT活用の精密な根管治療』より引用

 

 

一見簡単な処置のように思えますが、「根管を綺麗に清掃する作業」は非常に困難を極めます。なぜなら、根管は非常に複雑に入り組んでおり、完璧に清掃を行わなければ、「痛み」「腫れ」などの原因となり、「根尖病巣」という病気にもなるためです。下の黒い部分が神経の入っている管であり、このすべてを綺麗に清掃する必要があります。

 

 

従来までは、「肉眼」でこの治療をしていました。

 

少し考えればわかると思いますが、「肉眼」ではこの細かい部分をすべて確認しながら完璧に作業することは不可能です。つまり、従来法の根管治療とは「勘」や「経験」に頼った治療で、時には再治療そして「抜歯」の選択を迫られることも多々ありました。

 

 

 

私はこれを見た瞬間、「これを清掃するのは人間には不可能だな」と思いました。

 

 

上から下に向かっている穴ならともかく、縦の神経と縦の神経を繋ぐ横の神経をどうやって掃除するんですか?って話です。構造を確認する事すらも出来ません。蟻の巣を上から見ても、中の構造が掴めないのと一緒です。

 

 

そして、さらに詳しい説明が以下になります。

 

『根管治療(歯の神経治療)専門 吉本歯科医院 歯の神経を取ったのに痛みを感じる理由』より引用

 

 

そもそも歯の神経ってどんな形をしていると思われますか?

実は網目状になっています。

 

 

歯の神経を取ったのに痛い 歯の神経を抜いたのに痛い

根管治療歯の神経治療1本の糸がヒューっとあるのではなく、その先は網目状になっているのです。

 

イメージ的には蜘蛛の巣をイメージしてみてください。

張り巡らされているから、いろんな所が、それを痛いと感じます。

 

(中略)

 

つまり神経は、1本ではなく張り巡らされているのです。

 

では歯の中の神経はどうなっているのでしょうか。

 

いろんな画像や模式図では神経は1本、歯の中にドンとトンネルのように通っているかのごとく表わされていることが多いです。

しかし現実はそんなに単純ではないのです。

確かに大きい神経というのは何本かしかありませんが、小さい神経は何本もあるのです。

 

根っこの先を電子顕微鏡で調べた先生がいらっしゃいます。

1本の根っこに神経の入り口はなんと500箇所あったそうです。

 

(中略)

 

500箇所もの神経の処置を人間の手で出来ると思われますか?

はっきり申し上げて不可能です。

 

しかもそれは1mm四方の狭い場所に500本もの神経があるのです。

 

ですので針のようなもので「神経取りますよ」と言いますが、大雑把に大きい神経を取りますという意味合いであって、キチンとすべての神経を取るというのは不可能です。

 

最近ではマイクロスコープや顕微鏡で神経の治療をされている先生が増えてきました。

私もルーペを使って治療を行う場合があります。

 

しかしながらそれが見えるのは、あくまで神経の入り口なのです。

トンネルの入り口なのです。

歯の神経は1本ではなく小さい神経が何本もあるのです。歯の神経を取る治療(根管治療)を受けたのに歯が痛い理由です

トンネルの入り口を見たとして、トンネルの奥がどうなっているか分かりませんよね。

 

ただ、この「入り口を見つける」ということ。

 

 

実はここがすごく難しいのです。

 

 

その入り口すら見つけられないということが現実に多いためです。

 

 

ですから、ルーペやマイクロスコープを使うことによって、その入り口をより多く見つけることが出来るということです。

 

 

例えば上の奥歯の第一大臼歯という歯があります。

 

 

いわゆる6番目の歯ですね。

 

 

 

 

これは保険の算定では神経は3本しか算定はできません。

 

しかしながら現実的には4本目5本目の神経の入り口が確認されることが多々あるのです。

 

元々大きい神経が4本5本あるのに3本しか治療していない訳ですから当然痛みますよね。

 

 

わざと取らない訳ではないのです。

 

見つけられないのです、見つからないのです。

 

 

ですから神経を取ると言えばあたかもきれいに取れるようなイメージをされるかもしれませんが、大雑把に取っているということです。

 

 

しかも口の中からしか処置をする器具を入れることができません。

 

 

 

歯の神経治療(根管治療)歯の神経を取る治療

 

 

いわゆる針のようなものですね。

 

まっすぐな根っこであれば、まっすぐな針を使うことによって先端まで持って行くことができます。

 

(中略)

 

しかしながら曲がった根っこの場合には、曲がった器具でしか入れることができないのです。

 

しかし実際の器具はまっすぐなのです。

 

 

無理して頑張って開けようすると、実は根っこの途中に穴が開いてしまうということがあるのです。

 

 

根っこの途中に穴が開いてしまうとそこからバイ菌や薬が根の外へ流出したり血液やいろんな物が入ってきますから、結局歯を残すための根っこの治療であったはずなのに歯そのものを抜かなければならないという結果になってしまうことがあるのです。

 

 

ですから必ずしも神経がキチンと取れなくても一旦それで様子を見る。

 

これ以上取ると悪化してしまう可能性があるのでそれ以上はやらずにそこで止めておく、ということは日常診療において多々あることなのです。

 

ですからまず一点目としては、神経は完全には取り切れない。

 

しかもそれだけ多くの本数をしかも網目状になっている神経をキチンときれいに取る、これを短時間で1回で取れるというのはなかなか難しいことなのです。

 

通常根っこの治療(歯の神経の治療、根管治療ともいいます)というのは何回も何回も治療を受けることが多いのです。

 

しかも初めて1回目の治療というのはバイ菌があまり入っていないことが多いですから、比較的簡単に治療できることが多いです。

 

しかしながら2回目の治療、以前に治療したことがある歯をもう一度治療を行う場合には

 

その時にはバイ菌がいろんな所に潜んでおりますから何回も何回も治療が必要になることがあります。

 

 

私は、この話を永久歯が生える前に知りたかったです。

 

この話を読むと、完全に治療するのが困難だというのは頷けます。

 

 

 

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根の掃除について

 

 

複雑な根を治療する為に使われる器具がこれです。

 

『歯チャンネル88 歯科大辞典 リーマー、ファイル』より引用

 

 

 

 

リーマーとファイルは見た目はほとんど同じで、目的も細菌に感染した歯質を削り取るということで一緒ですが、先端部の刃の形状に少し違いがあり、リーマーは回転させながら、ファイルは掻き出すようにして使用します。

 

リーマーやファイルには様々なサイズがあり、持つ部分の色でサイズが分かるようになっています。

 

また、リーマーやファイルは通常指で持って使用しますが、形状記憶合金であるニッケルチタンで出来たファイルなど、歯科用エンジンに取り付けて使用するタイプのものもあります。

 

また、根管治療中にリーマー(ファイル)が破折して、歯の中に残ってしまうというトラブルがまれにあります。

 

 

口腔外科で、根を掃除する道具が高いと聞いたのですが、おそらくこれのことだと思います。

 

これだけではイメージが湧きませんので補足します。

 

 

以下の本は、「2013年10月25日 第一版発行」になっていますが、冒頭で、昭和58年、『歯は一日で治る』を一部追加改訂して発行したもので、時代背景が現代とは異なるという前置きがしてあります。時代は古いですが、読んでいて根管治療のことがよくイメージできたので紹介します。

 

 

『歯は一日で治る 自分の歯を守る驚異の根管治療法 / 著者・谷口清』より引用

 

 

根管治療の実態

 

リーマーだこが歯医者の誇り

 

歯の根の中を治療するには、その根をさぐり、拡大して薬を送り込んでやる小器具を用いる。その名をリーマーという。リーマー、リームするもの、リームとは掘削である。

 

針金の先にネジを切ったもの。歯の根の太さに応じ、リーマーの直径もいろんな種類がある。

 

歯の根は、通常ひらべったい穴、楕円形をしている。そのいちばん広い径まであげてやらないと、神経や血管の組織が腐敗して残り、そのガスが周囲の骨やシャーピー線維をおかしていく。痛くて夜も眠れなくなる。

 

リーマーは、その太さにより、何番と呼ばれるが、その番号の国際規格は、直径が百分の何ミリかで呼ぶことになっている。

 

リーマーの20番といえば、百分の二十ミリの直径をもっているリーマーということだ。いちばん細いもので8番、つまり百分の八ミリからはじまって、8番、10番、15番と、数字が60番まで5番きざみになっている。百分の五十ミリまでは、リーマーは、百分の五ミリずつ太くなる。60番からは10番ずつ太くなり、100番といえば、直径一ミリである。

 

リーマーは、この太さのほかに、歯の位置により長さも使用上で使い分ける。これが二十一ミリ、二十五ミリ、三十一ミリの三種。

 

リーマーを使ったあとの、根の中を平滑にするために、ヤスリ状のファイルという、リーマーに似た小器具も併用する。ファイルにも太さと長さの別があり、さらにその形態から二つに分かれている。

 

これでリーマーとファイルで三種、長さ三種で計九種、直径が8番から120番までとして、ざっと十七種、全部でなんと百五十以上のタイプの異なる小器具をそろえていなくては仕事にならないことになるのだ

 

(中略)

 

リーマーは力を入れて回してはいけないと教えられたが、それはせいぜい40番までで、根の径が太くなり、楕円のそれを正円に整形しようとすると、指先にかなりの力が入ってくる。力任せに治療をすればリーマーが折れこんでしまうし、力を入れないと削れない。これが根管治療のコツである。

 

リーマーを上手に使いこなしている歯科医は、その利き腕の人差し指の先に、リーマーだこがかならずできている。

 

(144p~146p)

 

 

 

続いて同じ著者ですが、2007年9月に発行された本です。巻末に以下のように記載されているので、昔のものだと思います。

 

 

本書は『私は「初診料10万円」の歯医者です』『歯科・インプラントは白衣の悪魔』『歯医者がバラした歯医者の本』『A歯科タニグチ会・不定期刊「ASHIKA」』(いずれも谷口清・著)から抜粋し、また著者の友人たちの寄稿と協力によって構成されています。

 

 

『「ダメな歯医者」の見分け方 「歯医者えらび」も寿命のうち / 著者・谷口清 監修・谷口悦子』より引用

 

 

その細いリーマーで、歯の根をさぐっていくのが根管治療の始まりである。

 

最初から私が治療をする歯であれば、リーマーはすんなりと根管に入ってくれる。だが、前医による綿やら何やらのオマジナイがつめこまれている歯では、この始まりが、かなり手間取るのだ。

 

ヘタはヘタなりに、何もせずにいておいてくれればいいのにと、下手くそ歯医者を怨み、憎み、呪うのがほとんどである。

 

長年にわたり、ヘタな歯医者がいじった歯の後始末は大変だ。自己防衛のために身体ががんばり、根管の中にはカルシウムなどが沈着している。これを開けていくことこそ根管治療の基本なのである。

 

根の先から、手前約一ミリのところまで、リーマーでさぐっていく。

 

この一ミリは、カンと手先と、患者さんの反応や、微弱な電流を手掛かりにして計る。この際、X線写真も重要な情報を与えてくれる。

 

(142p)

 

 

再治療が難しいのが分かる気がします。

 

 

前医による綿やら何やらのオマジナイってなんですか?って思いませんか。昔の話だと思いたい・・・。

 

 

「リーマー」を使えない歯医者が歯を抜きたがる

 

10番のリーマーから、一〇〇分の五ミリずつ、根管を広げていく。

 

リーマーについた歯粉やゴミを、滅菌済みのリーマーで拭き取る。歯粉やゴミのついたリーマーは、アシスタントの衛生士が、拭いたところで取れやしないので使い捨てる。

 

ここで少しでも、歯を構成している意外の“何か”が付着していたら、まだ拡大がすんでいないのだ。

 

リーマーは、私の目の前に番号の小さいものから大きい順に、時計の針が動く方向と同じに並べさせてある。歯の表面は、エナメル質と称する、人体を構成している物質の中で、いちばん硬いものでおおわれている。

 

だからといって、根管を囲んでいる象牙質が柔らかいということはない。

 

リーマーは、根管にそって曲がり、それをリーム(回転させる)するから、リーマーの切れ味が落ち、刃先が曲がり、そして生体には不必要なものが絡みついてくる。

 

リーマーとは消耗品である。

 

こいつを力まかせに回せば折れる。折れたリーマーは二度ととり出せない。だから、ここは力とワザとカンの見せどころである。曲がったり、刃先が少しでも変化していたりしたときには、すぐに同じ番号のリーマーにとり替える。

 

リーマーは、私の目の前に、時計の針の動く方向と同じに太くなるように、衛生士に並べさせておくと書いた。このいちばん手前、すぐに手の届く所には、現在使用中と同じ番号、同じ長さのリーマーが置いてある。

 

だから、同じ長さのリーマーで、根管の汚れ具合や、曲がり具合で何回も何十回も、リーミングを繰り返すことになる。

 

歯医者はバカだから、一本七〇〇円のリーマーを惜しんで、無理にひねり、その結果、根管とは別のところにミゾをつくるヤツがいる。根管治療が健保で安いからと、リーマーをケチって、歯の中で折ってしまう。そうしておいていうことがいい。

 

「あなたの歯は、抜くしかない」

 

自分の不注意、不始末で残してしまった、折れたリーマーの証拠を隠すためなのである。

 

リーマー一本、太いものでたかだか一千円。

 

(147p~149p)

 

 

リーマー一本、たかだか一千円とありますが、消耗品なら高いです。口腔外科の先生が保険治療で質の高い根管治療をすると赤字になると言っていたのも頷けます。

 

治療費が歯科医院に行く片道の交通費より安いので、手間と材料費考えたら・・・。

 

ここまで、根の治療、特に再治療の大変さについて紹介しましたので、続いて、「再治療はいつ行なうべきなのか」についてお話したいと思います。

 

 

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再治療のタイミング

 

 

過去に根管治療をした歯の根に潜んでいたばい菌が、やがて骨を溶かしてしまうのですから、レントゲンで黒い部分が見つかった場合は、すぐに「治療をしたい」と思ってしまいます。

 

すぐに治療した方がよいのかどうかというと・・・

 

答えはNOです。

 

残念ですが、止めておいた方が良いと思いました。

 

私の場合、レントゲンで確認すると、「現在治療している歯」の隣の歯の根の下も、実は同じくらい溶けています。ただし、痛みは出ていません。

 

地雷を抱えている気分です。ですが、地雷をわざわざ踏みに行ってはいけないのです。

 

私も最初は、早めに対処したいので、今の歯の治療が終わったら、次に隣の歯も治療したいと考えました。その事を検査をしてくれた口腔外科のO先生と、今治療に当たってくれているS先生に聞いてみました。

 

結論は、レントゲンで顎の骨が溶けている事が確認された場合でも、症状が出ていないうちから、開けて治療しない方が良いそうです。

 

これは、2人とも意見が一致していました。

 

その理由を、小学生にもわかるように簡単に説明してくれました。

 

症状がない状態で下手にいじると、菌が活性化してしまい、悪化する事があるそうなのです。

 

もしそういう事になってしまうと、なんで治療したの?ということになりかねないと。

 

だから、少しでも前兆(例えば噛んだ時に少し痛む等)があった時に治療を開始する方が良いそうです。

 

ちなみに、S先生も同じようになっているけど、このような理由からいじっていないそうです。医師本人がそうしているという事は、それが最善なのだと思います。

 

 

また、以前紹介したブログでも、症状が出ていない状態で、治療を開始して酷くなった有様が書かれている事からも、この説には信憑性があると言えます。

 

 

『実花ちんの顎骨骨髄縁の体験談☆手術&治療完了までのブログ 異変をレントゲンで発見』より引用

 

 

一番最初の始まりは、いつも通っている歯医者さんからでした。

 

今ではどこを治療していたか忘れてしまったのですが、たしか右の奥歯の治療が終わりかけた時に、先生から「この間撮影したレントゲン、この左側の奥歯の根の部分にバイキンがたまっているようですので、これから治療していきましょうか」と提案していただきました。

 

その歯は、私が6年以上前に大阪住んでいるときに治療したもので、いわゆる「神経を抜いて治療したあと、銀歯をかぶせて終了」という、皆さんが歯科で受ける、ごくありふれた虫歯の治療跡です。

 

私は、その歯に痛みもありませんでしたし、すっかり治療が終わった歯ということで存在を忘れており、先生の説明を受けても、いまいちピンと来ませんでしたが、バイキンがたまってるなら、それは取った方がいいですから、「お願いします」と言いました。

 

(中略)

 

まず、帰宅するころには、痛みのなかったその歯が痛み出し、(あ~痛むなら(治療のため銀歯を)開けんかったら良かった…)と、その時は少し後悔したのですが、まあ、朝には治っているだろうとその夜は眠ったのです。

 

歯科医の意見や、酷くなった方の体験記から判断すると、「医療費の高い海外へ何年も住むから先に治療を済ませたい」等、特殊な事情でもない限り、下手にいじらない方が安全かと思います。私も今治療している隣の歯は、すぐに治療せずに、症状が出るまで様子を見る事にします。

 

 

保険診療と保険外診療の根管治療の違いは設備だけではないへ続く

 

 

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これまで、根管治療体験を7回にわたって記録してきました。今回からは、根管治療中に学んだ事を中心にお話したいと思います。

 

本記事では、先生を変えるべきかどうか悩んでいる人に向けて、私の体験をお話します。

 

 

その前にまず、現在の症状がどうなのかを報告しておきます(以下の根管治療体験⑦のその後です)。

 

根管治療体験⑦口腔外科にて下唇の腫れや痺れの原因は歯槽骨炎と判明

 

 

S病院の歯科・口腔外科で診てもらった結果、現時点では骨髄炎の心配はないということでした。

 

その後、「年末の段階では骨髄炎の一歩手前だったかもしれない」と言う事も含めて、口腔外科での診断をS先生に報告しました。S先生の方にもFAXが届いたらしく、このまま治療を続けてくださいという事でした。

 

 

この日の治療から塞ぐ処置になりました。これまで、歯の蓋をせずオープンにしていたことで圧が高くなることもなくなり、痛みも炎症も治まっていたからです。

 

 

ただ、この日は万が一の為に少し穴を開けておいてくれました。「また痛くなるようでしたら、すぐに来て下さい」と言われましたが、嬉しい事に、炎症も腫れも痛みもなく過ごすことができました。

 

 

なので、その次の治療の時に、痛みなど何も問題がなかった事を報告しました。こうして完全に塞ぐ方法になりました。今は、腫れ、痛みはありません。

 

 

快適な治療を継続中です。前の事を思うと本当にありがたいです。

 

 

もし今不自由があるとすれば、年末に腫れた箇所が硬くなって、少し残っていることです。歯槽骨が広がった感じがします。ハッキリ言って邪魔です。外から見てわかりませんが、口の中に何か異物があるような感覚です。

 

 

膿に押されて骨が変形した可能性があるそうです。治るまでに時間がかかると言われたので、もう少しかかりそうです。もし炎症が治まらなかったら、この変形はもっと酷かったかもしれません。

 

 

一応、骨が変形するのは大変な症状だと思ったので、ネットで調べたところ、「骨隆起」という症状がありました。

 

 

先生に「これは骨隆起ですか?」と訪ねたところ、私の場合は「骨隆起」とはまた違うそうです。私の場合は単純に骨が押されただけなので、中が空洞化しているような状態だから元に戻るそうなのです。

 

 

これに対し「骨隆起」の場合は骨が増殖するので、元には戻らないのだそうです。「骨隆起」ではないとの事で安心です。

 

 

『ムシバラボ お口の中にできた固いコブ、骨隆起ってどんなもの?治療は必要?』より引用

 

 

骨隆起とは

 

骨隆起とは外骨症(がいこつしょう)とも呼ばれ、単に骨が過剰に発育したものです。腫瘍のような悪いものではなく、特に病的なものではないため、生活に支障がなければ治療の必要性はありません。

 

子供の時に見られることはほとんどなく、年を取るとともに出現し、男性よりも女性に多く見られる傾向があります。人口の半数ほどの人に見られるありふれたものです。

 

40歳くらいから膨らみが出てきてずっと同じ大きさでとどまることもあれば、だんだんと大きくなっていく場合もあります。小さくなることはありません。また、左右対称に出ることがほとんどです。

 

 

このように小さくなることはないと書いてあります。

 

 

私の場合は「増殖」ではなく、「変形」です。口の中の硬い違和感は完全には取れていませんが、回復に向かっているので、このまま残りの治療も問題なく進むと思います。

 

 

問題が一段落したので、ここで改めて今回の事を振り返って、事前に知っておきたかった事や、(もう体験したくないですが)次に活かしたい事をまとめます。

 

 

 

それでは、冒頭でお話した、先生を変えるかどうかについてお話しします(以下の体験を元にお話します)。

 

根管治療体験⑤悩んでいる時間はない!私が治療途中で歯医者を変えた理由

 

根管治療体験⑥同じ症状でも、先生によって診断も対処も違った

 

根管治療体験⑦口腔外科にて下唇の腫れや痺れの原因は歯槽骨炎と判明

 

 

 

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歯科医師の違い

 

 

今回、同じ症状でも、歯科医師によって「意見」や「治療法」が違うということを目の当たりにしました。

 

私は、同じ日に、同じ症状を2人の歯科医師に診てもらったわけですが、診立ては間逆でした。

 

腫れの症状を見て、

 

 

A先生は、「ちょっと腫れてますね」と言い、

S先生は、「すごい腫れですね」と言いました。

 

 

また、しびれや、顎に穴が開いている状態について、私が骨髄炎の可能性はないかと訪ねたところ

 

 

A先生は、「それはないと思います」と言い、

S先生は、「その可能性は0ではないです」と言いました。

 

 

ちなみにS先生は、私が歯科衛生士さんに説明している話を聞いて、私から質問する前に、「しびれ」があることを心配する説明をしてくれました。

 

 

そして、これらの判断の違いが、私が紹介状を書いて欲しいと言った時の対応にも表れていました。

 

 

A先生は、痛み、腫れ、しびれは、根の治療中にはよくあることだからと、軽く考えていた為、緊急性はないと判断し、すぐに紹介状を書く事なく、様子を見ようとしたんだと思います。

 

S先生は、私の症状や訴えを深刻に捕らえてくれていたからこそ、私のお願いに対し、迅速に対応してくれたんだと思います。

 

 

このように、診断の結果が対応に表れます。

 

 

私が救命救急を受診した時、当直でいた口腔外科の先生に診てもらう事なく伝言で済まされたのは、「緊急性がない」と判断されたからだと思います。

 

根管治療体験③痛みと痺れが治まらないので、骨髄炎を心配する

 

 

ちなみに、後日検査の日に、その病院の口腔外科のO先生に、A先生に根の治療中はよくあることなのでと言われた事を説明したら、「確かに」と頷いておられました。

 

 

ちなみに、O先生は私が救命救急に行った事を知らなかったので、救急科の先生に伝言をした先生ではありません。

 

 

なので、根管治療中の痛み、腫れ、しびれは、軽く見られるのが一般的なのかもしれません。

 

 

 

そして、治療も違いました。

 

A先生は私が、痛いと訴えようが、腫れると訴えようが、しびれると訴えようが、3回とも蓋をしたのに対し、

 

S先生はその方法で症状が悪化している事を聞いて、それまでと違う、蓋をせずオープンにする方法をとってくれました。

 

 

口腔外科のO先生によると、オープンは古いやり方で、蓋をして中に細菌が入らないようにするのが最近の治療法だそうですが、状況を把握せず、常に最新の方法を用いてくれたA先生より、状況を把握した上で、状況に合わせた対応をしてくれたS先生の方が私には合っていました。

 

 

このように、同じ症状でも、診立てや対処が医師によって違い、その結果も変わるという事を身を持って体験しました。

 

 

だから、もし治療中に思ったような対応をしてもらえなくて、痛みが取れないとか、腫れるとか、症状が酷くて生活に支障が出る場合でも、解決してくれる医師を探す等、自分が納得がいくまで追求する事が大切です。少なくとも、私は今回そのようにして正解だったと思います。

 

 

痛みの対応について、以下の本が参考になります。

 

 

『歯は一日で治る 自分の歯を守る驚異の根管治療法 /著者:谷口 清』より引用

 

腫れてきた、夜中に痛む 

 

痛んでいるときは手をつけられない、というバカな科白(セリフ)

 

骨膜炎とか、歯根幕炎というような病気の場合である。

 

歯が痛んでいるときは手をつけないほうがいい、なんて、こんなバカな科白を吐く歯医者がかなりいるらしい。いるらしいというのは、そういわれたという患者があらわれるからで、しかも、こんなバカバカしい説明をなんとなく信じている。

 

痛んでいるから歯医者に行ったのに、その痛みの止めかたを知らないからと、そのまま患者に何もせずお帰り願うとは、患者を帰す前に、歯科医師免許証を国に帰してほしいものだ。

 

腫れてズキズキ痛むようなときは、まず前の歯医者の処置不完全なのだから、そのインチキ治療をとりのぞくことからはじまる。

 

このタイプの痛みとは、歯の中、またはその周辺に、ガスやウミがたまっていて、その出口がないために内圧が高まり、それが神経を圧迫しているのだから、そのガスやウミを出してやれば、それだけでかなり楽になる。同時に、抗生物質と消炎剤で原因をたたき、腫れをひかせる。

 

軽度の場合、これだって一回で終了してしまう。

 

(109P~110P)

 

 

私は納得がいかなかったので、ネットや本で調べたり、違う医師に診てもらいたいと思いました。

 

 

ですが、調べるのはともかく、この「先生を替える」という行為をするべきか、しないべきか・・・これに悩みました。

 

 

 

私は基本的に、辻褄の合わないデタラメな健康情報に対しては、「ここがおかしいと思う」と、ハッキリ言うタイプです。

 

 

 

しかし、実際に治療にあたってくれる人の診断や、治療法に対して、面と向かって疑うような事や、途中で止めてしまう事には、さすがに抵抗がありました。

 

 

最終的には情や義理を捨てたわけですが、そこに至るまでは「先生に対して悪い」とか思っていたからです。

 

 

悪意のある人や行為であれば、バッサリ切ることが出来ます。しかし、悪意なく治療に当たってくれている人の意見や治療法が「合わない」と感じた場合、悩みます。特に先生が良い人そうだった場合、途中で止めるのは罪悪感があります。相談するにしたって、その時やってくれている治療を間接的に否定することになりますから。

 

 

「根管治療なのに、なんでCT撮らないんですか?」なんて聞き辛いです。CTを取って欲しいとはずっと思っていたのですが、すぐに言えませんでした。

 

 

やっとCTを撮ってもらえないかと言い出せた時に、一瞬間を置いて「ん、何の為に?」と不自然な笑顔で言われたので、そのリアクションから「言っちゃマズい事だったのかな」と思いました。

 

 

根管治療体験⑤悩んでいる時間はない!私が治療途中で歯医者を変えた理由

 

 

このような事で悩む人は(特に年配の人に)多いのではないかと思います。そこで、私がA歯科へ行く事を止め、予約をキャンセルした理由についてお話します。

 

 

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先生を替えたくなる心理

 

 

私は歯科医を替えたわけですが、別に冷たくバサッと見限ったわけではありません。「途中で止めては申し訳ない」という葛藤がありました。それでも止めたのは何故かというと、それは

 

 

「痛み」よりも「不信感」です。

 

 

私はA先生を信じる事が出来ませんでした。その理由は3つです。

 

 

理由1、「診立て・予測」と「実際に起こる事」が違った事

 

私はA歯科に3回通いましたが、治療後は毎回痛みがありました。私も根管治療中には痛みがでることはネットから情報を得ていた為、ある程度は仕方が無いと思っていましたが、毎回「痛くないと思いますよ」的な事を言われるのに痛くなることが不安でした。

 

 

 

 

理由2、言動が二転三転した事

 

私が「通いたくない」と思った決定的な理由は、紹介状を一度は書くと言ったのに、後で撤回したことでした。言う事が二転三転する人は不安です。あの状況で「明後日来てなんともなかったら紹介状を書く」的な事を言われたのですが、それは私にとって「それまで、その症状に黙って耐え続けろ」と言われているに等しかったのです。なにより悪化していく症状を放置する事はありえないと思いました。

 

 

最初は「紹介状を書いてもらうのはハードルが高い事なのかな」とも思いましたよ。

 

 

でも、S先生は私の状態を見て、検査をしたいという私の思いを汲んでくれてすぐに書いてくれました。それも、他所で治療している途中でいきなり飛び込んだのにです。急ぎたい時に、時間をかせがずに対応してくれるS先生は心強かったです。私はフライングでもいいので早期発見したいタイプなので、このような対応をしてくれる先生に診てもらいたいです。

 

 

 

理由3、自信が大きすぎて相談し辛いと感じた事

 

自信が大きすぎる医師には意見が言いにくいと感じました。A先生には、患者の想定外の意見に耳を傾けない雰囲気がありました。あからさまに嫌な顔はしませんが、微妙に感じ取れます。

 

悪い人ではないと思うのですが、話をしていて、質問に対して答えがなかったり(こちらが聞いてやっと答える)、答えても「煙にまくような回答」が返ってきます。それがたまになら良いのですが、何度かあると不信感が湧きますし、ちゃんと答えられない時点で「この人本当にわかっているのかな」と思ってしまいます。わからない事は、正直に「わからない」でいいんです。ただハッキリして欲しいというのが私の希望です。

 

また、つっこんだ質問をした時に満面の笑みなのですが、「発言」、「タイミング」と「笑み」が微妙に合っていないので、「カチンときたのを、すかさず笑顔で誤魔化したな」というのが伝わってきます。

 

 

まぁ、確かに私は、めんどくさい患者だと思います。納得いかない事にはつっこみますので。

 

 

でも、それにはちゃんと理由があります。

 

 

私はこれまで、歯科治療は歯医者さんに丸投げで、ただ椅子の上で口を開けているだけでした。どの歯を、どういう目的で、どんな治療をするのか、それをするとどんな状態になるのか、メリットとデメリットは・・・等、説明を受けた記憶がほとんどありません。記憶が残っていないということは、たいした説明もなく、また、自分も質問せず漠然と治療を行なっていたのだと思います。

 

 

その結果、現在、歯の状態をレントゲンで確認すると「なんでこんなに神経を抜いた歯があるんだろう」というくらい悲惨な状況です。

 

 

自分自身に「治療している」という自覚が足りなかったから、こういう状態になったのです。それを後悔しているから、どういう目的で、どんな治療をするのか、何故そうなるのかを、確認、相談しながら治療する事にしているのです。

 

 

しかし、自信がありすぎると、それを崩すような意見には気を使います。

 

 

相手の機嫌を損ねないように・・・を考え出すと、今度は正直に相談できなくなってしまいます。もう痛くないはずだと自信に満ちた表情で「どうですか?」と聞かれたのに、全く変化が無かった時に、まだ痛いですと訴えづらい。(それでも言いますけど)

 

 

なので「先生の考えとズレる事を言っちゃマズいのかな」という空気を感じさせる人は、私には合わないと思いました。私的には「違う意見」を言われた時に動じない人が良いです。

 

 

自信を持っている事は良いと思うのですが、それが強すぎると困った事になります。

 

 

治療をしても症状がどんどん悪くなっているので、私は骨髄炎を心配して、大きな病院で検査をしたいとA先生に言いました。

 

 

しかし、帰ってきた答えは「今日は紹介状は書きません。次回まだ痛むようでしたら紹介状を書きます。根の治療中にはよくある事なので。骨髄炎の心配はありません。明後日来て下さい。違う化膿止めを出しておきます」というものでした。

 

 

付け加えるなら「大丈夫です。治ります。」とも言われました。1回目の治療の時は「2分の1の確率」と言われたわけですが・・・。

 

 

ここで、「いや、それでも心配だから書いて下さい」と言う気は起きませんでした。この人には頼めないなと思ったので、「そぅ・・・ですか・・・。」と言ってしまいました。

 

 

「大丈夫です。治ります」とハッキリ言われても、私は治るか、治らないかを聞きたかったのではなく、「何かあってはいけないから検査をしたい」と求めたのです。「説明すればきっと力になってくれるだろう」と思っていただけに、見当違いの答えが返ってきたときは、我が耳を疑いました。

 

 

そして、CTの何を根拠に「骨髄炎の心配はありません。」と自信満々で言ったのかわかりません。それらしき説明はありませんでしたから。

 

 

例えば、CTを見て「こうこうこういう理由だから、骨髄炎の心配はありません。」と根拠を述べてくれれば、私も納得するのですが、根拠もなく「心配はありません。」と言われたら納得できませんし不安です。

 

 

少なくとも、後日検査してくれたS病院の歯科・口腔外科のO先生は、レントゲンを見て、その画像から骨髄炎ではない理由を明確に説明してくれました。このように本当に理由がわかっていれば、説明できないという事はないはずなのです。

 

 

一番の問題は、A先生はCTを見た後で「骨髄炎の心配はありません」と言いましたが、その同じ人物がCTを撮る数分前に、CTを見ても骨髄炎かどうかはわからないとキッパリ言った事です。

 

 

こんなだから、「ちゃんとわかる人に診てもらいたい」と思いました。

 

 

別に、「よ~し、これからこいつを疑ってやるぜ」と、わざと疑っているわけではありません。なんというか、自然に信じられない。

 

 

疑う時に限って、「疑っちゃダメだ、疑っちゃダメだ」と心の中で連呼するものです。この心理状態では、手に汗握る治療になってしまいます。これでは、患者にとっても、歯科医にとってもよくありません。

 

 

自然に信じられる先生に治療をお願いするのが大切です。当たり前ですが。

 

 

従って、信じられない時や、正直に相談できない医師なら変えた方が良いと思います。

 

 

根管治療を完璧に行なうのはほぼ不可能。神経を抜いた歯の再治療の成功率が落ちる理由とはへ続く

 

 

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年末、根管治療中に痛み、腫れ、しびれに悩まされましたが、S先生になんとか症状悪化を食い止めてもらい、正月を乗り切りました。

 

年が明けてから、改めて紹介状を持って、大きな病院の歯科・口腔外科に検査に行きました。ちなみに、年末に救命救急で診てもらった病院の歯科・口腔外科です。

 

 

S先生に診てもらってから症状が治まってきて、この病院で検査をするころには、ほとんど腫れも引いていたので、骨髄炎の心配はほぼ消えていました。ですが、油断は出来ません。

 

現地に到着し、レントゲンを取って、歯科衛生士の方に歯をチェックされ、その後、治療椅子の上で先生を待ちました。

 

 

担当してくれたのは、歯科・口腔外科のO先生です。

 

 

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私の症状は骨炎だった

 

 

まず、結論から言います。私の症状は「骨髄炎」ではなく、「骨炎」とのことでした。

 

 

家に帰って調べてみると、まず、細菌によって炎症が周囲の組織まで広がる疾患は色々あって、これらを総称して「歯性感染症 しせい・かんせんしょう」と呼ぶそうです。

 

 

以下は「歯性感染症」の症状です。

 

 

『慶応義塾大学病院 医療・健康情報サイト 歯性感染症』より引用

 

症状

 

炎症の波及程度や病期により症状は異なりますが、急性炎症は局所症状として発赤、熱感、腫脹、疼痛、さらに開口障害、咀嚼(そしゃく)障害、嚥下(えんげ)障害などの機能障害が強く発現します。

 

急性炎症の末期では膿瘍と呼ばれる膿の集まりを形成することが多くあります。慢性炎症ではこれらの症状が軽微なことが多いです。

 

 

この中で私に起こったものは、熱感、腫脹、疼痛、嚥下障害です。ちなみに、場所は下顎で、全身の発熱はありませんでした。

 

 

で、歯性感染症は、「炎症がどこまで広がっているか」によって、以下のように分類されています。

 

 

 

智歯周囲炎

 

局所症状として歯肉の発赤、腫脹、圧痛、疼痛がみられ周囲組織に波及すると開口障害、嚥下痛、顎下リンパ節の腫脹と圧痛がみられます。全身症状として発熱、倦怠感、食欲不振がみられることがあります。

 

 

歯槽骨炎

 

原因歯の疼痛、打診痛とよばれる歯をたたいた時の痛みや動揺があり、その症状は隣の歯に及ぶことがあります。また、周囲歯肉の発赤、腫脹、圧痛があり、顎下リンパ節の腫脹、圧痛、膿瘍形成を認めることがあります。また、全身症状として発熱を認めることがあります。

 

 

顎骨骨膜炎

 

上顎骨骨膜炎の初期は、顔面の腫脹、硬結と圧痛および拍動性の疼痛が認められます。炎症が進展すると耳下腺部の腫脹、硬結、眼窩周囲の腫脹が認められることがあります。前歯部が原因のものは唇の腫脹を伴うこともあります。下顎骨骨膜炎は智歯に起因するものが多く、下頬部から顎下部にかけて広範囲な腫脹と発赤がみられます。強い疼痛と熱感、圧痛を伴う硬結があり、顎下リンパ節の腫脹、圧痛も著明です。顎骨周囲の膿瘍や蜂窩織炎を併発することが多くあります。

 

 

顎骨骨髄炎

 

上顎骨骨髄炎の症状は炎症の初期から原因歯やその近くの歯の動揺、打診痛、拍動性の強い疼痛と38~39℃の発熱があり、全身倦怠感、食欲不振、不眠なども発現することがあります。歯肉や顔面の腫脹は一般的に軽度です。下顎骨は表面の固い皮質骨が厚く、内部は骨髄の部分が多いため定型的な骨髄炎症状が発現します。症状は上顎骨とほぼ同様ですが顎下リンパ節炎や下顎骨内には下歯槽神経という知覚神経が走行しているため、その支配領域である下唇やオトガイ部の知覚過敏やしびれが発現する場合があります。

 

 

蜂窩織炎(ほうかしきえん)

 

局所症状として好発部位である舌下部、顎下部、オトガイ下部、頬部の浮腫性腫脹、発赤、疼痛、開口障害、嚥下障害、所属リンパ節の腫脹や圧痛などがみられます。全身症状としては38℃以上の高い発熱、倦怠感、頭痛、食欲不振が発現します。重症例では呼吸困難や肺に膿がたまる膿胸、縦隔炎、敗血症などで死亡する可能性もあります。

 

 

歯性上顎洞炎

 

通常は片側性で急性上顎洞炎では一般の急性化膿性炎と同様に発熱、全身倦怠感、食欲不振などが発現し、局所的には歯痛、頬部痛、扁桃痛、前額痛、眼窩下部の腫脹や圧痛が発現します。鼻症状として鼻漏、鼻閉、臭覚異常が発現することがあります。原因歯には浮いた感覚があり、打診痛も見られます。慢性上顎洞炎では全身的にも局所的にも炎症症状は軽く、炎症がおこっている側の鼻閉感、頭重感、偏頭痛、前額痛、軽度の頬部圧痛、悪臭のある膿性の鼻漏を認めることがあります。

 

 

 

私が「骨髄炎」を心配したのは、下唇がしびれたからなのですが、上の「顎骨骨髄炎 がくこつ・こつずいえん」の項目にも「その支配領域である下唇やオトガイ部の知覚過敏やしびれが発現する場合があります。」と書いてあります。

 

 

ですが、私の症状は、O先生に「骨炎」と診断されたので、上の「歯槽骨炎 しそうこつえん」に該当することになります。

 

 

炎症については、以下の記事の最初と、最後に詳しく書きました。

 

炎症と自己免疫疾患について分かりやすく説明してみた

 

 

 

診断方法

 

 

診断方法は以下の4つでした。

 

 

 

 

  • レントゲン

 

  • 顔下半分~喉の触診

 

  • 歯を直接診たり、叩いたりする

 

  • 問診

 

 

 

触診では「ちょっと、リンパが腫れていますね。」と言われました。

 

 

ちなみに、この時は歯を叩かれても痛くなくなっていました。

 

 

 

特に時間をさいてもらったのが、最後の問診です。

 

 

年末に起こった事を、細かく時系列に聞かれたのですが、痛かった時の数日間は、記憶が飛んでいるところもあったので、説明するのに苦労しました。

 

 

「おちついて、ゆっくり話して下さい」と言われました。

 

 

 

5日間の出来事を全部話し、それをパソコンに打ち終えたO先生が、近くに来て話し始めました。

 

 

 

O先生:「大変でしたね」

 

 

私:「はい、相当焦りました。」

 

 

O先生:「現時点では骨髄炎ではないと思います。おそらく「骨髄炎」ではなく「骨炎」ですね。」

 

 

私:「「こつえん」ですか?」

 

 

O先生:「そうです。調べたら出てくると思いますよ。」

 

 

 

私が根管治療について調べ上げた事を話したので、O先生はそう言いました。

 

 

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骨炎と骨髄炎の違い

 

 

「骨炎」と「骨髄炎」の違いを簡単に説明されました。

 

 

記憶に残っているのは、「骨髄炎」になっているとレントゲンを撮ると白く写っていたり、骨が壊死して形成された腐骨というものがあったりするそうです。

 

 

私のレントゲンには、それらはないそうです。そして、このように言われました。

 

 

 

O先生:「さっき歯を叩いた時に「痛くない」ということだったのですが、これが骨髄炎だとものすごく痛いんです。おそらく、年末の一番酷い状態の時は叩くと痛かったとは思いますが、今は落ち着いているので大丈夫だと思います。」

 

 

私:「そうですか。ところで、骨炎を放置すると、骨髄炎になったりするんですか?」

 

 

O先生:「そうです。」

 

 

 

こう言われたので、帰って調べてみました。

 

 

骨炎 → 骨髄炎  の流れはこのように書いてありました。

 

 

『コトバンク 歯槽骨炎』より引用

 

歯槽骨炎の場合、細菌の菌力が強いときや局所の抵抗力が減弱しているときには、炎症は歯槽骨にとどまらず顎骨骨体部にまで拡大し、顎骨骨膜炎、顎骨骨髄炎、さらには周囲軟組織の口腔(こうくう)底炎、顎骨周囲炎、扁桃(へんとう)周囲炎、頬部蜂窩織炎(ほうかしきえん)などをおこすことがある。

 

 

 

ちなみに、骨髄炎を放置すると・・・

 

 

『札幌町の歯医者さん 歯ぐきが腫れる原因:顎骨骨髄炎』より引用

 

 

 

顎骨骨髄炎を放置するとどうなる?

 

顎骨骨髄炎という病気にかかると、その治療がとても大変なものになります。この病気自体がとても重い病気であるために、病名がわかった時点でその後の治療方法を早く決めて取りかからなければなりません。何故なら少しの迷いの間にも症状がかなり進んでしまうからです。

 

骨の病気ですから最悪の場合は骨が腐ってしまいます。そうなるとその患部近くの歯を抜歯して、腐った骨の部分を切除するような大きな手術をすることになるでしょう。

 

一般的な顎骨骨髄炎の治療方法

 

顎骨骨髄炎は、治すのがとても難しい病気です。しかしその始まりは虫歯の場合が多く誰でもかかりえる病気です。あごの腫瘍や骨折などから化膿、炎症が起こる場合もあります。

 

顎骨骨髄炎の治療方法は、顎の骨の腐ってしまった部分を取り除く手術療法、抗生剤を使って骨髄炎の範囲を小さくしていく薬物療法、抗菌薬を含んだ液で洗い流す局所洗浄療法、骨髄への血流循環を改善して回復をはかる高圧酸素療法があります。

このうちのいくつかを組み合わせて治療することが多く、痛みの強い急性期には安静にして抗生剤をつかい、痛みが落ち着いたところで細菌の感染源となっている虫歯の抜歯や腐骨の切除手術を行い、後療法として局所洗浄療法や高圧酸素療法を行うといった具合です。

 

 

・・・なんと、恐ろしい。

 

 

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治療の説明

 

 

次に、私がこれまでしてもらった治療の詳細を説明をしてくれました。

 

 

 

O先生:「根の下に膿が溜まって、上が蓋で下に骨があるので、圧が高くなった、というS先生の見立てで合っていると思います。フレアーアップというのですが。だから蓋をしない事で圧が上がらないように処置をされたんだと思います。オープンって言うんですけど。処置が良かったから、治まったんだと思います。」

 

 

O先生:「ただ、最近の根管治療のやり方では、蓋をして細菌が中に入らないようにするのが主流なんです。オープンは少し古いやり方になります。だから、A先生がした処置も間違いではない。」

 

 

 

続いて、頭蓋骨の模型と、顎の解剖図を持って来て、しびれのメカニズムを詳しく説明してくれました。

 

 

 

O先生:「顎の骨の内側に小さな穴があるんですけど、ここから、顎の前の穴(オトガイ孔)に向かって神経が通っています。腫れてこの神経が圧迫されるとしびれます。」

 

 

 

オトガイ神経が通っている穴です。

 

 

 

 

 

根幹治療はやっぱり難しかった

 

 

そして、根管治療の難しさについての話になりました。

 

 

 

私:「根管治療が成功する確率は、保険診療だと2分の1なんですよね。」

 

 

O先生:「そうなんです。神経を抜いた歯の再治療になると、成功する確率はグッと低くなります。歯の治療はここ10年ですごく進化したんですね。良い器具が開発されたことで良くなったんですけど、それが凄い高いんですよ。でも、もし、保険診療の歯科でそういう器具を使うと大赤字になっちゃうので、使えないんです。」

 

 

私:「やっぱり、そうなんですね。保険外診療だったら、確率が90%になるのはそういう理由もあるからなんですね。」

 

 

O先生:「そうなんです。根管治療を保険外でやってくれる先生は、県内では・・・僕が知っている限りでは・・・一人。僕も根管治療は保険外でやってもらっているんですが、お金もかかるので、10万円以上、そこまでお金がかけられないっていう方ももちろんいます。でも、歯を長持ちさせたいのであれば、保険外診療の方が質の良い治療が受けられます。まぁ、これは価値観の問題なので、将来の事を良く考えて決められたら良いと思いますよ。」

 

 

 

私:「最初は高いと思いましたが、何度か、この痛みを消してくれるなら、保険外診療には価値があると思いました。」

 

 

 

 

O先生:「今、オープンにされて、お正月休みがあって結構時間が開いていると思うのですが、なるべく日にちを明けないで早めに塞いでもらって下さい。口の中は細菌が多くて、歯糞は排水溝と同じくらい汚いって知っていますか?」

 

 

私:「はい、それは聞いた事があります。」

 

 

 

そして、今後、私はどうすればい良いかを相談しました。

 

 

私:「先生、私、知らなかったんですが、歯の神経を抜くと、血管を抜く事になるんですよね。ということは、血管がないから免疫細胞である白血球がこの神経がない部分に行けないんですよね。つまり、ここ(歯の中)は細菌の無法地帯だから、いくら体を鍛えようが、免疫力がアップしようが、この部分には通用しないって事ですよね?」

 

 

 

O先生:「よくご存知ですね。」

 

 

 

私:「神経を抜いた歯は、こうならないように、一生メンテナンスをし続けていった方がいいですか?特に今回、こんなに骨に穴が開いてるのに、気が付かなかったのがショックだったんです。知らせてくれる神経がないから・・・」

 

 

O先生:「そうですね。例えばレントゲンを定期的、1年とか、半年に一回撮って診てもらうとか。レントゲン見てもわかるように、結構神経を抜かれているようですから、そういう事もS先生と相談されたら良いと思いますよ。」

 

 

 

私:「そうですね。神経を抜いてしまったことを凄く後悔しています。」

 

 

 

 

で、最後に、あまりに情報量が多かったので、S先生にどう要約して伝えたらよいかを相談しました。すると、

 

 

 

O先生:「現時点では、骨髄炎の心配はありません。CT等の追加の検査は必要ありません。」

 

 

O先生:「ただし、年末の一番酷い状態の時は骨髄炎になりかけていたかもしれないです。その時検査してないから正確にはなんとも言えないですが、状況を聞いた限りではそういう状態だった可能性もあります。一歩手前ですね。」

 

 

O先生:「S先生にお手紙を書いておきますね。ちょっと外で待っていて下さい。」

 

 

私:「ありがとうございます。」

 

 

 

以上が、覚えている限りですが、O先生にされた説明です。

 

ここでCTは撮りませんでしたが、この時の状態が良かったので、撮らなくても心配はありませんでした。それに加えて、O先生の客観的で分かりやすい説明に納得がいったので、満足のいく検査でした。

 

これで、「骨髄炎」の心配は完全に無くなったわけですが、

 

 

>年末の一番酷い状態の時は骨髄炎になりかけていたかもしれないです。

 

 

こう言われた時、

 

 

 

 

危なかった~!!

 

 

と、思いました。あのまま圧が高くなり続けたら、ヤバかったということでしょう。

 

助けてくれたS先生には本当に感謝しています。例え、古いやり方だったとしても、それがなければ、あの状況は変わらなかったと思います。

 

 

歯医者を変えたい、今の先生は信頼できない、と思っている人に言いたいことへ続く

 

 

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