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「体が弱い人」が、「平均的な体力の人」と同じように活動すると、負担がかかるので、体を痛める確立が高くなります。
人より出来ない分、倍頑張れば良い・・・というセリフは聞こえは良いですが、体を壊して後遺症を患えば、困るのは本人です。
「体が弱い人」は、回復力も弱いので、体を壊した場合なかなか治りません。「平均的な体力の人」よりも多めに休まないと元に戻らないこともしばしばあります。
物理的に体が弱いので仕方がないことなのですが、人よりも多く休みをとると、世間では間違いなく「怠け者」扱いです。
特別な病気を持っていれば証明できるので考慮してもらえますが、ただ漠然と体が弱いというのは全く理解してもらえないのです。
そして、「怠け者」と言われない為に、必死に頑張って、どんどん壊れていきます。
「体の弱い人」が無理をして、体が使い物にならなくなるのを食い止める為には、本人の自覚と、周囲の理解が必要です。
だから「体が弱い」とは、どういう状態で、何故普通の人と同じように出来ないのかを、普通の人にも理解できるように説明しようと思いました。それが以下の話です。
元虚弱体質だった私が体が弱い人と強い人の体質の違いを車に例えてみた
この記事では、「体が弱い」というのがどういう状態なのか、車を例に説明してみたわけですが、冷静に考えてみたら、今は軽自動車でもかなり性能がよくなっているので、「軽自動車が乗用車に比べて全面的に劣っている」と一概に言えないところもあります。
車だけを例にすると「今時は軽自動車の方がいいんだ」とつっこまれそうなので、今回は「体の弱い人」を「パソコン」に例えて、違った視点で解説してみようと思います。「パソコン」を使わない人は、「スマホ」や「タブレット」に置き換えてイメージしてみて下さい。
(追記)最後に解決するヒントも紹介しておきました。
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故障はしていない、でも低スペック
前回では「体が弱い人」を「軽自動車」に例えました。この「軽自動車」の部分を「低スペックのパソコン」に入れ替えて考えてみてください。
パソコンの性能が悪いと、次から次へと問題が起きます。
- 作業がトロい、止まる、効率が悪い
- 新しいソフトをインストールしようとしても容量が足りない、古いバージョンには対応してない
・・・等、性能が悪い状態というのは、何をやっても上手くいきません。「この部分が特にダメ」というわけでなく、全般に影響してきますので、あらゆることが満遍なく不便になります。
どこも故障していなくてもです。
人間も同じなんです。特に故障していなくても、低スペック(体が弱い)だと、作業量もこなせないし、体が対応できないので、出来る事も限られてきます。無理してやっても停滞します。
また、あらゆる事を同時進行でこなすことが困難であったり、休みなしで仕事をこなす等もできません。
開いた時間で、新しいことにチャレンジしたくても、通常の作業で疲弊した体を休めて回復させないといけません。「休日も外に出かける」とか、「徹夜をして別の作業をする」という行為そのものが出来ません。「体に負担のかからないこと」であればなんとか出来ますが、体力が必要なものは厳しいです。
頑張ると逆効果です。無理矢理そういう事をすると、その翌日から数日間寝込んだりと、全く使い物にならなくなります。それでは本末転倒です。
体が弱い人間は、そうならない範囲で頑張らないといけません。寝込んだりしたら、余計迷惑がかかるからです。
「仕事をもう一個増やしてお金貯めたいな」、「習い事をしたいな」・・・等、何か新しい事を始めたいと思った時、普通の人は、時間やお金の心配をすると思いますが、体が弱い人がまず最初に考えるのは「体がそれに対応出来るか」の心配です。
常に体がもつかどうかという余計な心配があります。普通の人は歳をとってこうなりますが、体の弱い人は若い時からこうです。
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環境に慣れたら、それがどんなに悪くても当たり前になる
普段、普通のスペックのパソコンを使用している人が、低スペックのパソコンを使ったら、不便に感じます。
もし体が丈夫な人が、体の弱い人の体を使うことが出来たとしたら、きっと不便に感じると思います。
このように、性能の良いものから、性能の悪いものを体感すると、不便に感じるものです。
ですが、子供の時から弱い(性能が悪い)体で生きてきた人にとってはそれが普通です。従って、それを特別不便だと感じません。当たり前だと、「そういうもんだ」という感覚になるのです。「人の体の感覚」なんてわかりませんから、普通の人の体力(性能)の感覚がわからないのです。比較が出来ない為、「体が弱い」という自覚は薄いです。
これが、パソコンであれば「故障していなくても、低スペックなものは扱いにくい」という発想があります。しかし、人間の場合は、「性能」という概念がありません。
私も昔は、「自分はすぐくたばるな」とか、「なんでこれしきの事で...」と思ってはいましたが、人に指摘されるまで、「体が弱い」と自覚していませんでした。
そして、小さな不調はたくさんありましたが、病気はしていなかったので「何故体が弱いのか」も理解できなかったのです。
「低スペック」である自覚がなかったのです。
このように、「当たり前」という感覚と、「性能」という概念がない事で、「弱い(低スペック)」と気付かないまま、本人も、周りも過ごしていくことになります。
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体が弱いというのは、理解されにくい
私は体が弱かった時、丈夫な人が、一日にアレもコレもたくさんの作業をこなしているのを見て、その体力がどんなものなのか感覚的に掴めませんでした。自分に置き換えようと思っても、「自分の体力」の基準しかありません。だから、どうやってこなしているのか想像できないのです。
「体の弱い人」が、「体の丈夫な人」の感覚を想像、理解することはできません。
それと同じように、
「体の丈夫な人」が「体の弱い人」の感覚を想像、理解するのは難しいと思います。
だから、「体が弱い人」が、「平均的な体力の人がする作業と同じ作業」にてこずっていると、「サボっている」と思うかもしれません。
また、「体が弱い人」が、些細な事で体を壊して休んでいると、「それしきの事で、壊れるわけはない。怠けたいんだろ」と思うこともあるかもしれません。
でも、そうではないのです。「体が弱い人」の名誉を守るために「それは違う」と言っておきます。好きでくたばっているわけではないのです。
難しいかもしれませんが、こう想像してみて下さい。
「体が人より弱い」というのは、「周囲よりも性能の悪いパソコンで仕事をしている状態」なのです。でも、性能は悪いけど、作業量は周囲と同じです。(※ならさっさとバージョンアップしろ!とつっこまないで下さい。あくまで比喩表現です。人間の体は簡単にバージョンアップできません)
もし、あなたが今使っているパソコンが、スペックの低いものに変わって、何をするにも遅い、欲しいソフトも対応していない・・・そうなったら不便ですよね。その低スペックパソコンを使って、普通のスペックのパソコンを使っている人と一緒に、同じ作業をしなければなりません。
あなたにどんなに優れた能力があったとしても、そのパソコンがあなたの足を引っ張ります。根性でパソコンをいじくり回しても、パソコンの性能自体を変えない限り、大した解決にはなりません。
重すぎて作業自体が遅れたり、ウイルスにかかりやすくなったり・・・と、常に色んなトラブルと隣り合わせです。
で、もしその低スペックパソコンを、簡単には変えられないとしたらどうでしょうか?変えられないけど、それで作業をしなければならない、他の人より使えない・・・
「体の弱い人」はこういう感じです。
ここで質問ですが、
これは、サボりで、怠けでしょうか?
私は違うと思います。
代えることが難しく、その性能のまま作業をしなければならないとしたら、いくら頑張っても大した変化は見込めません。本人に怠けるつもりがなくても、「パソコン」が動いてくれないのです。
ここまで例えたら、「体が弱い人」のイメージが掴めたのではないかと思います。でも、「パソコン」だと理解できることが、「人間の体」だと理解できないのです。
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体が弱いとあらゆるクオリティが下がる
作業効率が落ちる原因が、低スペックにあるとわかれば、「パソコンの性能を上げたい」と考えるようになります。そのままで使用するのは、不便だからです。
体が弱い人も「体を丈夫にできるなら、丈夫にしたい」と常に考えていると思います。私はそうでした。
しかし、パソコンなら、買い換えることができますが、体はそうはいきません。
私は、体を丈夫にする為に、食事、運動、健康食品とあらゆる事を試してきました。しかし、何を試しても、どんなに頑張っても効果がないのです。
「健康、健康と気にしすぎ」と言われましたが、体が弱いと「なんとかしたい」と思うものです。
「みんなが出来ない事」が出来ないのは、特に差し障りがありません。ですが、「みんなが当たり前に出来る事」が出来ないのは損です。常に肩身の狭い思いをしなければなりません。自分が出来ない分、しわ寄せが周囲に行きます。
「人に迷惑をかけてはいけない」と言われて育つ事の多い日本人には、つらいところです。
世の中には大病と闘っている人がいます。それに比べると、「病気をしているわけでもない、たかがちょっと弱い」ぐらいで弱音を吐くわけにいかないので、弱かろうが、しんどかろうが「普通のフリ」もしなければなりません。
仕事にも影響を与えます。
残業が出来る人と出来ない人、掛け持ちが出来る人と出来ない人だったら、前者の方がより仕事が出来るわけです。給料にも違いが出てきます。
体を使わない作業でも、持久力や集中力などは必要ですから、どちらにせよ体力はあった方がいいです。
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性能は上げられるのか(体の弱さは改善できるのか)
体が弱く、何をやっても改善しなかったのですが、糖質制限を始めたことで、体質が変わっていきました。それもかなりのスピードで。
その体験から言えることですが、
本来の性能を失っていた原因が「不健康」にある場合は、正しい知識を元に、栄養状態を改善し、それを真面目に続ければ、かなり変わります。
体力、持久力、筋力・・・相当上がります。疲れなくなります。
ただし、「本人がもって生まれた骨格」、「成長期を過ぎて、安定した骨格」は、当たり前ですが変わらないと思います。日本人がいくら完璧な栄養を摂っても、ポリネシア人のような体にはなりません。
それでも、体力がついた事はありがたいですし、自信もつきました。
想像してみて下さい。「性能の悪いパソコン」から、「性能のいいパソコン」に変えたら、あらゆることが変わります。
「最初から性能のいいパソコンしか使っていない人」には、その快適さの有難みはわからないと思います。それが当たり前だからです。
「使い勝手の悪いパソコンを使っていた経験のある人」には、サクサク動くパソコンが、どれほど有難いことかわかります。
「ちゃんと動くかな」
「この作業にどのくらい時間がかかるかな」
「セキュリティが心配だ」
・・・等、常に予期せぬトラブルに怯える必要もありません。そういう心配をもって作業するストレスから開放されます。
このストレスの中にいる時は、それが当たり前ですから、それをストレスだとも思いません。ですが、開放された時、それがいかにストレスであったかがわかるようになります。
私の場合も、以前は外出する時、以下のような事を思っていました。
「今日一日、途中で頭が痛くならなければいいな」
「目まいがおきなければいいな」
「頭痛薬と酵素はカバンに入っているな」
このように、体に関する心配事が常に頭にありました。
今これを毎回考えろと言われたらストレスですが、その時はそれが日常ですから、なんとも思わないわけです。これを心配する必要がなくなって始めて、そういう事に一々神経を使っていた事が「異常な状態」であることに気付きました。
こんな事を考えながら人生を過ごすのは損です。あのような生活には戻りたくありません。
低スペックのパソコンは一週間でも使いたくないと思うでしょう。体質も同じで、一度改善したら「二度と前の弱い体質に戻りたくない」と思うものです。
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低スペックを体験できたことで得られたもの
私の性能を落としていた原因は、糖質過多、タンパク質不足、脂質不足でした。これを改善させたのは、糖質量1日10g以下の糖質制限です。
別人のように変わりましたが、それでも30代で、成長期を過ぎてからの改善なので、骨格など、体全体の貧弱さが気になります。
原因に気付かず、体が弱かった期間が多かったわけですが、考え方によっては良い経験だったかもしれません。
「糖質制限で体質を変えることが出来た」と言いましたが、この食事をしていると、人からは時々「その食事、飽きない?」「甘いものを我慢するのはしんどくない?」と聞かれることがあります。
もちろん、飽きますし、好きなお菓子や料理を止めた事で、人生の楽しみを大幅に失ったと思います。食品を買う楽しみや、料理を作る楽しみも、同時になくなりました。
そんなメリットを手離してでも、私がこの食事を続けることができるのは、体が弱かったからです。
糖質制限でダイエットに成功したり、体質が変わった人は多いです。しかし、結果が良くなると、また元の糖質過多の食事に戻る人も少なくないのです。
私は糖質が大好きだったので、体調が良くなったら、元の食生活に戻っていた可能性もありました。しかし、そうはなりませんでした。
前のあの体の弱さを体験しているので、あの不便さには戻りたくなかったのです。弱い体で生き続けるのは、糖質制限を続ける以上に苦痛なのです。
「体が弱いとどれだけ大変なのか」を体験しているからこそ、その原因である糖質を断つ事ができたのです。それがなければ、糖質狂いの私の事ですから、止めるのは難しかったと思います。
私が糖質の誘惑に負ける事はありません。私は糖質を我慢しても、「健康を手にしている」メリットを、確実に受けている実感があるのです。
ですが、元々丈夫な人は、このメリットを感じることが出来ないので、「糖質を我慢している苦痛」というデメリットばかり感じ取るのかもしれません。
パソコンも人間も、自身のスペックを把握した方が良い
体が弱いと、低スペックのパソコンを使うように不便です。でも、それが当たり前だと、本人も気が付きません。気が付かない場合、体の弱さを考慮せず、ただガムシャラに周囲の真似をします。
しかし、それでは体を壊す確立が高くなります。体が弱い人は、回復力も弱いので、将来が心配です。
もしかして、体か弱いかも・・・と心当たりのある方は、早めに自覚をし、体を壊さない工夫をした方が良いかもしれません。
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(追記)体が弱い、ではどうするか
ここまで読まれた方は、おそらく、体が弱くて真剣に悩んでいる本人か、近い人ではないかと思います。
私も体が弱かったので、そういう人には元気になってもらいたいと思います。
以下に、解決につながりそうなヒントをいくつか提示します。該当する状態に合わせて、記事を読んでみて下さい。
糖化の対策
「大病はしていないけど、体が物理的に弱い、脆い」と感じている方は、「糖化」かもしれません。糖質を摂ると、体のタンパク質と余った糖が結びついて細胞が変性します。
ATP不足の対策
とにかく元気がない。力がでない。鬱っぽい。
・・・という方は、エネルギー物質である「ATP」がしっかり作られていないのかもしれません。
日本人は糖質の多い食事をしていますが、糖質はある条件だと「ATP」がわずかしか作られません。その場合、食べているのに「エネルギー不足」になります。
ATP(アデノシン三リン酸)について分かりやすく説明してみた
鉄とタンパク質不足の対策
とにかく元気がない。力がでない。鬱っぽい
・・・が女性であれば、「鉄不足」の可能性もあります。閉経していない女性は、先にこちらを疑って下さい。
女性は毎月生理で鉄を失うので、鉄不足による疾患になりやすいです。女性の鬱やパニックは「鉄不足」を疑って下さい。
原因が「鉄不足」の場合、それが解消されると別人のように元気になります。体温も上がります。
鬱や睡眠障害や発達障害の原因を栄養の視点から考える。鉄不足が脳に与える影響は深刻だった
鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事
男性は鉄不足になりにくいですが、なった場合は、女性よりも深刻になります。
慢性疾患の対策
この記事のテーマには反しますが、もし、大病を患って体が弱っている方なら、以下の記事を一読する事をオススメします。
余命わずかの末期癌患者が退院できたのは病院での栄養療法のおかげだった!
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