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血圧が高いと良くない
血圧が高い人は塩分を控えなければならない
・・・いろんなところで言われているので、「理由はよく分からないけど、なんとなくそうなんだ」と思っている人は多いです。
しかし、真実は全く違います。
塩分が血圧を上げる原因ではないですし、血圧が上がること自体も悪いことではありません。
塩分だけに気を取られたり、むやみに血圧を下げようとする方が体に悪いのです。
その根拠をお話します。
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塩分は高血圧の原因なのか
一般的に、「塩分の摂りすぎが高血圧の原因だ」みたいに言われていますが、一方で、「塩分と血圧は関係ない」という説もあります。
前者はすでに知られている事なので、ここでは、後者の意見を見てみましょう。
『田中佳先生のブログ ◆ 減塩と高血圧は基本的には無関係』より引用
また、塩類と高血圧の関係を説明する時に、下記の様な理屈が示されます。
1 塩化ナトリウムを多く摂る
2 体内の細胞内ナトリウム濃度が上昇
3 水分を取り込んでナトリウム濃度を調整
4 血液中に水分が多くなる = 血液量が増加
5 血管にかかる圧力が上昇
6 血圧の上昇を招く
ということです。
そもそも過剰な塩分は腎臓から尿へ排出される機能を健常人(と、心臓・腎臓障害なしの病人)は備えているので、ここでは「排出」という理屈が抜けています。
たとえ圧が上がっても、血管の弾力があればその程度の上昇圧は吸収されます。
本物の動脈硬化で、この弾力を失って、パリパリのお煎餅のようになった人であれば多少の影響は受けるかも知れません。
そもそも身体の機能は、そんな “へなちょこ”ではないはずなのです。
考えてみて下さい。
食事の度に出入りの激しい塩分濃度でですね、血管の伸縮がいちいち影響を受ける訳にはいきません。自律神経も合わせて血圧の調節を行い、生命維持に深く関わる機能の恒常性は厳しく管理されているからです。
ついでに言いますと、血管を広げたり縮めたりする血管平滑筋はカルシウム(Ca)イオンの影響を受け、ナトリウム(Na)ではありません。
つまり、一般的に言われている「塩分を摂りすぎると高血圧になる」という説は、「過剰に摂取した塩分を排出しない」という前提の元に語られているのです。
当然、前提が違えば、それを元に成り立っている説は崩れます。
基本的に健常者の場合は、「過剰な塩分」は排泄されるので問題はないそうです。
それに、例え血圧が上がっても、血管に問題さえなければ大丈夫なのだそうです。
ということは、「高血圧」というのは、「血圧が上がる事」自体が問題なのではなく、「血管が脆い事」が問題だという事です。
「ボロボロのホース」に圧力をかけたらホースは破れますが、「綺麗で弾力のあるホース」に圧力をかけても破れないのと同じ理屈です。
血管の場合、何故か「破れるのはホースがボロいからではなく、ホースに圧力をかけたから悪い」に原因がすり替わっています。
「例え塩分を過剰摂取しても、体が上手いこと調節してくれるので、血圧上昇に直結しない」のだとしたら、血圧が上がる本当の原因はなんでしょうか。
次はその事について考えてみたいと思います。
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健康だからこそ血圧が上がる
一般的に「血圧が上がる事は悪い事である」という前提になっています。
しかし、その概念自体が本当なのか考える必要があります。
そもそも「血圧」は、普通に生きているだけで、何もしなくても歳と共に上がっていくものだそうです。
それは自然な事であり、不健康ではなく健康的なのです。
『100歳まで長生きできるコレステロール革命 著書・大櫛陽一』より引用
人間は、年をとれば、誰でも血圧が上がるのが普通なのです。
血圧の大きな役目のひとつは脳や末梢の細胞に新鮮な血液を送り届けることですが、年をとると、血管に柔軟性がなくなってだんだんその力が弱まってきます。
だから、加齢に伴い血圧を少しずつ上げて、脳や体に必要な新鮮な血液を送り続けているのです。
すなわち、高齢になるにしたがって少しずつ血圧が上昇してくるのは元気な証拠でもあるわけです。
(178P)
このように、「歳を取って血圧が上がる事は正常」という見方をすれば、同じ血圧の数値でも印象が全く違ってきます。
そして、この説を裏づける話が以下になります。
『薬屋おやじのボヤキ(旧版)高血圧は健康で長生きできます。血圧の薬は飲んじゃダメ。中高年は180でも大丈夫。』より引用
次に、ヨーロッパ高齢者高血圧研究会の調査、これは既に記事にしたところですが、高齢者にとっては、むしろ血圧が高いほど死亡率が低い、血圧が180ぐらいまでは脳卒中になる可能性が高くなるという明確な根拠はない、という結果が出ています。
(2013.5.6補記:フィンランドで、75歳から85歳までの降圧剤を飲まない521人の経過を見た調査では、80歳以上のグループでは血圧が180以上の人たちの生存率が最も高く 、140を切った人たちの生存率はガクンと下がっています。)
こうしたことから、冒頭で書きましたイタリア人のお医者さんは「血圧150、健康」と診断されたのです。なお、テレビに登場したご婦人は80歳ぐらいでしたから、もっと血圧が高くてもいいくらいです。
もう一つ既報ですが、岡本裕さんというお医者さんは、長く脳外科専門医をなさっておられた経験から、「血圧が常時200を超えるほどでなければ、血圧と脳出血の相関はない」という印象をお持ちです。
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改めて一般的な血圧の話を読む
ここまで話した内容は一般的ではない説です。
ここで、これまでの話と、「一般的な高血圧の話」を比較してみます。
以下と似た様な話はたくさんあったので、これが一般的な説なのでしょう。
『ナースが教える仕事術 動脈硬化になると大変!知らないと怖い高血圧の症状と血圧を下げる方法』より引用
では、高血圧は何が原因で発生するのでしょうか?
高血圧の原因は「塩分」!?
実は高血圧の90%は原因がよくわかっていません。
高血圧は大きく分けて「本態性高血圧(一次性高血圧)」と「二次性高血圧」に分類されます。
「本態性高血圧」は、身体に特に異常がないのに血圧が高くなる症状です。実は本態性高血圧で高血圧になる方は、全体の90%だといわれています。
そして、残りの10%は「二次性高血圧」と呼ばれ、腎臓病やホルモン異常などの病気が原因で高血圧になる方です。ただ、「二次性高血圧」の場合は、原因となる病気が治ると、血圧も正常になります。
というわけで、厄介なのは原因が不明な「本態性高血圧」です。何しろ、原因が不明なんです。
高血圧の90%の原因がわかっていないというのは酷いですね。
それはつまり、「原因が塩分かどうかすらもわからない」という事です。
それなのに「減塩しろ」と指導する根拠はなんなのでしょうか。
その90%は、身体に特に異常がないのに、血圧が高くなる症状として認識されています。
先程の引用記事を読んでいただければわかると思いますが、「身体に特に異常がないからこそ、自然の成り行きで血圧が高くなっている」だけの話です。
「現実に起こっている事」は、医学書に書かれてある事よりも何倍もシンプルです。
それを無視して「血圧が上がるのは悪い」と決め付けているから、「正常だから、血圧が高くなる」、「血圧が高い事も、場合によっては正常かもしれない」という考えがわかないのです。
前提を変えない事に固執すると、「おかしい、おかしい」「治らない、治らない」と頭を抱えることになります。
こうして、「一般的ではない説」と「従来の説」を読み比べてみると、理に適っている説は前者だと言えます。
分かっていないくせに、血圧を下げる為の薬を出したり、塩分を控えろと言ったりします。
私はその指導法はどうかと思います。
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血圧が上がると危険な状態とは
「血圧が上がる事」自体は悪いことではありません。
ただし、例外もあります。
ここからは、「血圧が上がった時に悪い影響がでるケース」を紹介します。
『薬屋おやじのボヤキ 高血圧は健康で長生きできます。血圧の薬は飲んじゃダメ。中高年は180でも大丈夫。(改訂版)』より引用
「血圧が低い」ということは、心筋の収縮力が弱くて血流を生み出す力が弱いということになりますし、逆に「血圧が高い」ということは、心筋の収縮力が強くて血流を生み出す力が強い、と言えましょう。
どちらがいいでしょうか。
「血圧が高い」ほうがいいに決まっていますよね。
なんせ、これによって血流がスムーズになり、全身くまなく血液が巡り、体中の細胞に十分な酸素供給をすることができるからです。
(中略)
血管に弾力があり、詰まりもないのであれば、血液はスムーズに流れますから、心筋の収縮力は小さなもので済みます。若い人や毎日スポーツを欠かさない中高年の方は、概ねこの傾向にあります。
逆に、血管の弾力がなくなり、所々で折れ曲がっりたり、詰まりかけたり、といった状態になると、血流にブレーキがかかりますから、全身に十分な血液を流すには、心筋の収縮力を高めるしかありません。
これは典型的な老化現象で、中高年は避けて通れないところです。
(中略)
従って、特別な場合、例えば超肥満で冠状動脈の血管壁がベトベトになっていて心筋梗塞の危険が高いとか、中高年になって冠状動脈が切れそうな状態にあるとか、そういった血流ストップや血管破裂の恐れが非常に高い場合に、あくまで補助的に血圧を下げる必要が出てくるだけのことでしょう。
まず、以下のような老化現象があるから、血圧が上がるのだそうです。
- 血管の弾力がなくなる
- 所々で折れ曲がっりたり、詰まりかける
ただし、以下のような状態は危険だそうです。これが血圧を下げた方がいい状態です。
- 超肥満
- 血管壁がベトベト
- 心筋梗塞の危険が高い
- 血管破裂の恐れが非常に高い
ほぼ血管の疾患ですね。
血圧が歳と共に上がることが正常で、
血圧が上がった時に危険なのは、血管が痛んでいるからなら、
専門家が指導しなければいけないは、「血管が傷つかないようにする事」ではないでしょうか。それこそが根本的な治療になります。
しかし、「血管をボロボロにするのはコレステロールだ」とか、「血液をサラサラにする為に野菜を食べましょう」・・・みたいな事を言うわけです。
「血圧の原因」も分からなければ、「血管が痛む原因」も、「血液がドロドロになる原因」も分からないようです。
これらの症状を見てもらったら、人によっては察しがつくと思います。
これらの原因は糖質です。
血管そのものがボロボロになるのは「糖化」による症状です。
血液がドロドロ、ベタベタになるのは「血糖値」が高いのです。
動脈硬化はコレステロールではなく糖質が大きな原因です。
動脈硬化は悪玉コレステロールではなく、動脈壁の劣化が原因だった
血液をサラサラにすると思っている野菜は糖質が多く、血液をベタベタにします。
人間の血液は4~5ℓです。その中に必要な糖質はたったの5gです。血糖値が120以上になると、免疫力が75%低下します。
これらの下地があって、とどめの一撃に高血圧がくるからヤバイのです。
糖質を食べなければ、血管が著しくボロボロになる事もないし、血液がドロドロになる心配もありません。
血管が丈夫なら、高い血圧を下げる必要もありません。
糖質が高血圧の原因になる
糖質が血管を傷つけたり、血液をドロドロにすることはお話しました。
しかし、
- 血管の弾力がなくなる
- 所々で折れ曲がっりたり、詰まりかける
・・・といった老化現象自体もまた、糖質が影響しています。
人間の体の構成成分で最も多いのが「水」で、その次に多いのが「タンパク質」です。
つまり、体の大部分は「タンパク質」でできています。
糖質は摂りすぎると、余って、体のタンパク質とくっついて「糖化」させます。
糖化すると細胞が劣化します。
糖化と「老化」はイコールです。
「酸化」もダメージが大きいですが、「糖化」の方が体を傷つけます。摂る量が半端ないからです。
「自然に血圧が上がる」理由が老化現象なら、元を辿れば、それも 糖化→糖質 が関係していると言えます。
世の中には本当にたくさんの高血圧の治療方法法があります。
でも薬も使わないで、血圧を下げたければ「糖質」を摂取しない食事をすることです。血圧が上がる要因はいくつかありますが、その大きな要因とは
・血管が硬くなる「動脈硬化」によるもの
・血管が細くなる「血管狭窄」によるもの
・自律神経のバランスを崩す「インスリン抵抗性」によるもの
これらは「糖質」の過剰摂取が原因です。「糖質」を摂取しないことが、高血圧を治す法になるわけなのです。そして、その食事法こそが、“糖質制限食”です。
従来の「塩分が高血圧を引き起こす説」を信じている人は信じられないかもしれませんがこれが現実です。
気を付けるものを間違えています。
塩分だけ気をつけて、糖質を控えないなら、それは高血圧の対策になっていないのです。
次回は、どうして糖質が血圧を上げるのか、詳しいメカニズムについてお話します。
血圧と、本態性高血圧の原因について分かりやすく説明してみたへ続く
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