お知らせ

 

 

私達は憲法によって言論の自由が守られているので、

食や健康等の問題を主張する事ができます。

 

 

 

 

元々憲法改正賛成派だった人の解説です。

 

 

 

 

谷本議員と一緒に飛行機を降ろされたもう一人の人物・高橋清隆氏について

 

 

 

谷本議員らがノーマスクで強制降機! 釧路空港のエアドゥ機、「憲法違反を公然と行う航空各社への行政指導を国交省に求める」

 

 

一緒に飛行機を降ろされた反ジャーナリスト高橋清隆氏による、谷本誠一議員のインタビュー動画です。

 

 

 

 

 

身近な人が被害に合った時の為に

とりあえずブックマークをお願いします。

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:鼻
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この春で糖質制限を始めてからまる3年になりました。

 

 

 

糖質制限によって体質が改善して、様々な不調が改善しましたが、花粉症もその一つです。

 

 

 

これは、最初の年に治りました。

 

 

 

ちなみに、私の花粉症はスギではなく、9~10月頃のブタクサでした。これが半年も経たないうちに治ったのです。

 

 

 

その年だけではなく、翌年も、その翌年も全く花粉症にはなりませんでした。

 

 

 

完治です。

 

 

 

それまでも健康に気をつけていましたが、何をやっても改善しなかったので嬉しかったです。

 

 

 

でも「糖質制限で花粉症が治った」という話はわりとよく聞く話です。

 

 

 

完治する場合もあれば、症状が軽くなる場合もあります。それは、糖質をどれだけ制限したか・・・にもよるでしょう。

 

 

 

私は、1日の糖質量が10g以下なので、制限としては厳しい方です。これで完治しましたが、もし制限が緩かったらどうなっていたか分かりません。

 

 

 

 

 

 

こちらの記事では、「ブタクサの花粉症が治った」という話はしましたが、「何故、糖質制限をすると花粉症が改善するのか」・・・というメカニズムについては追求していませんでした。

 

 

 

なので今回は、花粉症を始めとしたアレルギーが何故糖質制限で治るのか、そして、花粉症を改善する為に必要な栄養の話をします。

 

 

 

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アレルギーは根本的な原因を取り除いて完治させることを目指すべきである

 

 

花粉を避けたり、症状を抑えたりする対策が人気です。

 

 

 

しかし、将来的な事を考えると、原因を枝葉の物質に求めてそれを叩くのではなく、本質を理解し改善するという発想が大事です。

 

 

 

 

「花粉症」等、なんらかのアレルギー症状がある人は、別のアレルギーにもなりやすいです。

 

 

 

それは、アレルギー物質は異なっても「アレルギー反応のメカニズム」は同じだからです。

 

 

 

「今は花粉症だけ」・・・という人も、アレルギーになる土壌が体の中に整っているわけですから、別のアレルギー予備軍と言えます。

 

 

 

つまり、不健康です。

 

 

 

その為、アレルギーが起こる本質的な問題を解決していくことが重要なのです。

 

 

 

 

目に見えない小さい異物を避けようとしたり、クスリで一つ一つを叩くより、効率もいいですし、無駄な時間やお金を使わなくて済みます。

 

 

 

それに、一生懸命異物を避けたところで、それは本当の原因ではありません。

 

 

 

花粉症の本当の原因は花粉ではない

 

 

花粉は「原因」ではなく「キッカケ」です。

 

 

花粉が原因だと過程した場合、辻褄の合わない事がでてきます。

 

 

まず、その事を表した話を紹介します。

 

 

 

『アレルギーの9割は腸で治る クスリに頼らない免疫力のつくり方 / 著者:藤田紘一郎』より引用

 

―スギ花粉は昔のほうが多かった!

 

 

スギをはじめヒノキ、ブタクサ等さまざまな植物の花粉がアレルゲンとなって、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどを起こす花粉症は、どんどん低年齢化が進んでいます。

 

 

その背景には、大気汚染による免疫増強因子の増加や、都市化および住環境の変化、スギの植生・花粉飛散量の増加など、さまざまな因子が関与していると言われてきました。

 

 

でも本当にそうでしょうか。

 

 

大気汚染はフィルターなどの技術のない昔のほうがひどく、スギ花粉だって昔から飛んでいます。

 

 

その頃に花粉症になる人はほとんどいなかったのですから、これらの理由は少し説得力に欠けます。

 

 

私は回虫をはじめとする「寄生虫感染率が急減したこと」が大きな要因だと考えています。

 

 

私が子どものときは、みんなスギ花粉まみれでした。

 

 

スギ鉄砲といって、竹筒でスギの実をパチンと撃つ遊びのために、花粉でまっ黄色になりながらスギの実をたくさん拾い集めたものです。

 

 

女の子に「金髪にしてあげるよ」と言って、花粉を髪の毛いっぱい塗ってあげたこともあります。

 

 

女の子にモテたい一心で編み出した遊びですが、女の子にも非常に喜ばれました。

 

 

私たちの時代は、誰も彼もそんなふうにスギ花粉まみれでしたが、子供たちは誰も花粉症にはなりませんでした。

 

 

 

(49p~51p)

 

 

 

 

 

もし原因が花粉なら、昔の子供達の方が花粉症が多いはずですが、花粉症の歴史は浅く、日本で報告されたのは1961年だそうです。

 

 

 

 

ちなみに、ティッシュペーパーが開発されたのは第一次大戦中です。アメリカで一般向けに販売されたのは1924年、日本では1953年に発売が開始されています。

 

ティシュペーパーがない時代に花粉症があったら大変だったでしょうね...。

 

 

花粉が原因ではないとしたら、本当の原因は何なのか...

 

 

次はその事についてお話します。

 

 

 

 

花粉症の原因は栄養失調

 

 

 

糖質制限で花粉症が治ったという話をしましたが、治るには理由があります。

 

 

 

アレルギーを引き起こす物質である「抗原(花粉)」はキッカケ、花粉症を始めとしたアレルギーの本当の原因は「質的な栄養失調」です。

 

 

 

「質的な栄養失調」とは、以下のような状態を指します。

 

 

 

糖質過多・タンパク質不足・脂質不足・ビタミン不足・ミネラル不足

 

 

 

 

「栄養はバランスが大事」・・・と言って、「食事バランスガイド」をお手本に食べると必ずこうなります。

 

 

 

ほとんどの人が質的な栄養失調ですが、

 

 

中でも特にいけないのが糖質過多です。

 

 

 

「バランスの良い食事」では、穀物や野菜の摂取量が多めになります。

 

 

 

意識していない人も多いと思いますが、普通にご飯と和食のおかずを3食食べている人は、1日の糖質量が200g近くになります。

 

 

 

ちなみに糖質制限をする前の私は、230~260gの糖質を摂っていました(お菓子ばっかり、菓子パンばっかり...という暴飲暴食をしていたわけではありません。ご飯に野菜を中心としたバランスの良いメニューを食べていてこうなりました)。

 

 

 

しかし、1日に必要な糖質量はごくわずかです。200gはとんでもないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

このような食生活は、動物食性動物である人間の体には負担が大きすぎます。

 

 

 

これだけ沢山の糖質を摂ったら、体の中で色々と問題が生じます。

 

 

 

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血糖値の仕組み

 

 

 

糖質はどのようにしてアレルギーの原因になるか説明していきます。

 

 

その為には「血糖値を調節する仕組み」を知らなくてはなりません。

 

 

 

血糖値は「血液中のブドウ糖の濃度」のことで、これを調節しているのが「上がった血糖値を下げるホルモン」と、「下がった血糖値を上げるホルモン」です。

 

 

 

  • 血糖値を下げるホルモン

 

  • 血糖値を上げるホルモン

 

 

 

 

血糖値を下げるホルモンは「インスリン」です。

 

 

「膵臓」の「ランゲルハンス島」の「β細胞」から分泌されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インスリンは、少量が常に分泌されています。これを「基礎分泌」と言います。

 

 

 

「基礎分泌」は、生命の維持に必要です。

 

 

 

そして、食事等で血糖値が上がった場合は、さらに追加で分泌されます。これを「追加分泌」と言います。

 

 

 

「追加分泌」は、多い程有害です。病気の原因になるので、「追加分泌」を出さないのが健康的です。

 

 

 

 

 

 

 

血糖値を下げるホルモンは、「インスリン」だけです。

 

 

 

一方、血糖値を上げるホルモンは数種類あります。以下が血糖値を上げるホルモンとそれが作られる場所です。

 

 

 

  • グルカゴン(膵臓のランゲルハンス島・a細胞)

 

  • 甲状腺ホルモン(甲状腺)

 

  • 成長ホルモン(脳下垂体)

 

  • アドレナリン(副腎髄質)

 

  • コルチゾール(副腎皮質)

 

 

 

人間以外の生物もこのように「血糖値を下げるホルモン:1」に対して「上げるホルモン:複数」です。

 

 

 

生物は血糖値を下げることは得意ではないということです。

 

 

 

 

『炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】 植物vs.ヒトの全人類史 / 著者:夏井睦』より引用

 

 

 

生物の体は、多数のホルモンが生体機能を調節することで恒常性を維持しているが、特徴的なのは、拮抗ホルモンが必ず存在することだ。

 

 

タンパク質でいえば分解ホルモンと合成ホルモンの両方があり、またそれぞれに、1種類ではなく複数のホルモン群が機能している。

 

 

拮抗ホルモンが存在する理由は、一つの機能が暴走しないためのセーフティーネットであり、また、同じ機能のホルモンが複数存在する理由は、一つのホルモンに異常が起きても機能がストップしないためのバックアップシステムだ。

 

 

ところが、血糖調節(降下)に関連するホルモンだけが、この原則から外れていて、バックアップシステムが存在しないのだ。

 

 

血糖を上昇させるホルモンにはグルカゴン、コルチゾール、アドレナリン、甲状腺ホルモン、成長ホルモンの5種類が存在し、脳が血糖値低下を感知すると、副腎、膵臓、下垂体、甲状腺に働きかけ、副腎はアドレナリンとコルチゾールを、膵臓はグルカゴンを、下垂体は成長ホルモンを、そして甲状腺は甲状腺ホルモンを分泌し、血糖値をすばやく正常値に戻す。

 

 

つまり、5種類のホルモン分泌が全てストップでもしない限り、低血糖状態が続くことはない。

 

 

低血糖に対してはまさに鉄壁の備えである。

 

 

だが、高血糖に対する対策は超手薄だ。

 

 

何しろ、ホルモンは「インスリン」たった1つしかないのだ(これはヒトだけでなく他の生物でも同様)。

 

 

つまり、血糖降下機能に関してはバックアップシステムがなく、もしインスリン分泌に異常が起きたら、血糖値を下げる手段はないのである。

 

 

あなたが天地創造の神なら、こんな間抜けで脆弱な生物を創るだろうか。

 

 

これは前著でも書いたが、この血糖調節ホルモン数のアンバランスぶりをたとえていえば、アクセルが5つあるのにブレーキは1つしかない車みたいなものである。

 

 

このような車を運転する時、あなたはブレーキを踏みまくるだろうか?

 

 

しないはずだ。

 

 

1つしかないブレーキが壊れたら、車を止める手段がなくなるからだ。

 

 

ヒトやペットが容易に糖尿病になるのは、1つしかないブレーキを踏みまくっているからに他ならない。

 

 

それでは、血糖を下げるホルモンは1つしかなく、高血糖という危機的状況に対する備えがお粗末なのはなぜか。考えられうる理由は1つしかない。

 

自然界では血糖値が低下することはあっても、血糖が上昇することはありえない状況だからだ。

 

 

だから生命体は、起こりうる低血糖を予測して、鉄壁の「血糖上昇システム」を予め組み込んでおいたが、一方、血糖の上昇は絶対に起こらない現象なので、「血糖降下システム」は準備しなかったのだ。

 

 

沖縄の住宅に暖房設備がなく、アラスカの住宅にクーラーがないのと同じだ。

 

 

(65~67p)

 

 

 

1つのブレーキ(インスリン)に、

 

 

5つのアクセル(グルカゴン、甲状腺ホルモン、成長ホルモン、アドレナリン、コルチゾール)。

 

 

 

アレルギーは、このうちの「コルチゾール」が出なくなることが影響しています。

 

 

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血糖値を上げるコルチゾールとは

 

 

「コルチゾール」の別名は、「ヒドロコルチゾン」です。

 

 

 

このコルチゾールは、「副腎皮質 ふくじんひしつ」から分泌されます。

 

 

 

その場所ですが、まず腎臓があります。

 

 

 

 

 

で、その上にある小さいのが「副腎」です。

 

 

 

 

「副腎」は、ホルモンを分泌する器官の1つです。

 

 

 

 

 

 

「被膜」の中の構造は、外側の「副腎皮質 ふくじんひしつ」と、内側の「副腎髄質 ふくじんずいしつ」の2層になっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、外側の「副腎皮質」の構造は層です。

 

 

外側から「球状層 きゅうじょうそう」「束状層 そくじょうそう」「網状層 もうじょうそう」と言います。

 

 

 

 

 

コルチゾールは、「束状層」から分泌されます。

 

 

ちなみに、血糖値を上げるホルモンである「アドレナリン」は「髄質」から分泌されます。

 

 

 

 

 

そして、コルチゾールの働きを一部紹介します。

 

 

 

  • 糖新生(糖質以外の物質からブドウ糖を合成する)

 

  • タンパク質代謝

 

  • 脂質代謝

 

  • 抗炎症作用

 

  • 神経系に作用する

 

 

 

 

このうちの「抗炎症作用」に注目して下さい。

 

 

 

糖質が原因でアレルギーになる

 

 

 

糖質を摂取すると血糖値が上がります。

 

 

まず上がりすぎた血糖値を下げるために「インスリン」が分泌されます。

 

 

 

インスリンが出て血糖値が下がるのはいいですが、下がりすぎた血糖値を上げなければいけないので(下がりすぎの方が危険)、その為のホルモンが分泌されます。

 

 

 

当然、「コルチゾール」も分泌されます。

 

 

 

 

上がった血糖値を下げるために、過剰にインスリンが分泌されると「膵臓」が疲弊することはよく知られています。

 

 

同じように、下がった血糖値を上げる為に、過剰にコルチゾールが分泌されると「副腎」も疲弊します。

 

 

 

日常的に糖質を摂取する人はこれの繰り返しです。主食を食べる人は1日3回です。

 

 

 

その結果、「コルチゾール」が出なくなります。

 

 

 

 

「コルチゾール」には抗炎症作用があるので、これが出なくなるとアレルギー物質に対応できなくなります。

 

 

 

対策は、糖質を制限して副腎を疲れさせない事です。

 

 

 

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副腎の疲労と免疫システムの関係

 

 

 

副腎が疲労するのは、糖質だけではなくストレスも関係しています。

 

 

副腎が疲労した場合、免疫システムに与える影響が以下の記事に分かりやすく書かれています。

 

 

 

『病気の治療所 副腎疲労症候群とアレルギー疾患の関係』より引用

 

 

 

アレルギー症状がある人は副腎が弱い

 

 

上記のことをもう少し詳しく述べていきます。

 

 

アレルギー症状がおこるメカニズムは、脳が大きく関与しています。体に異物が侵入してきたと判断した際に、脳は、「ヒスタミンなど異物に攻撃を仕掛ける物質」を放出するように命令します。

 

 

特に、過去に病気になったり、過度のストレスを受けたりした人は、副腎が弱り体内が臆病になっているため、体を異物から守るためにヒスタミンなどの物質が過剰に放出されます。

 

 

ヒスタミンなどが放出されると、異物を処理する際に炎症反応がでます。このことを一般的にアレルギー症状といいます。

 

 

ここでヒスタミンについて簡単に説明します。

 

 

①動物の細胞内に広く存在する化学物質である

 

 

②普段は細胞内でおとなしくしているが、アレルゲンや長期にわたる薬の服用により活性化する

 

 

③血管を拡張させ、アレルゲンに対応する白血球などを患部に集めやすくする

 

 

④ヒスタミンの作用により、白血球はアレルゲンを攻撃することで炎症症状がでる

 

 

このように、異物が体内に入ってきた際に、脳の命令により放出される物質がヒスタミンです。

 

 

ただヒスタミンが過剰に活性化されるとアレルギー症状の原因となります。

 

 

 

副腎疲労がさらに副腎を疲弊さす

 

 

アレルギー症状がでる原因の1つに、ヒスタミンが関係することはお伝えしました。

 

 

そのヒスタミンの放出量は、副腎の疲弊の度合いと関係します。

 

 

副腎が疲弊していると体は臆病になるため、必要以上のヒスタミンを放出し、アレルゲンから体を守ろうとします。

 

 

しかし、ヒスタミンが多く放出されると炎症反応が強くでます。

 

 

そこで、ヒスタミンの放出量を調整しているのが、副腎が造るコルチゾールです。

 

 

皮肉にも副腎が弱るとヒスタミンが多く放出され、またそのヒスタミンの量を調節するために副腎がコルチゾールを造らねばならず、副腎は更に疲弊してしまいます。

 

 

そして、このような状態が続くと副腎が造るコルチゾールの濃度・質が低下してしまい、ヒスタミンの分泌量をコントロールできなくなります。

 

 

そして、ヒスタミンが過剰に放出されてしまい、アレルギー症状を抑えられなくなります。

 

 

 

 

以下は、副腎と「自己免疫疾患」の関係についてですが、「アレルギー」と同じように免疫システムの異常で起こる疾患なので、アレルギーと共通する部分もあります。

 

 

 

『病気の治療所 副腎疲労症候群と自己免疫疾患の関係』より引用

 

 

副腎が造るコルチゾールの濃度・質が低下すると、白血球に属するリンパ球やナチュラルキラー(NK)、またはマクロファージなどの異物と戦う物質の働きをコントロールできなくなります。

 

 

その結果、免疫が過剰になったり低下したりします。

 

 

免疫のコントロールができなくなることから、慢性の炎症症状が続いたり自己免疫疾になったりすることがあります。

 

 

ここでは、副腎疲労症候群と自己免疫疾患について述べていきますが、その前に副腎疲労症候群と「慢性の炎症体質」の関係を先にお読みください。

 

 

悪さをしない細菌・ウイルスも攻撃してしまう

 

 

副腎が健康であれば、白血球は体に宿っている細菌・ウイルスに対し一定の許容量を設定しています。

 

 

例えば「ある細菌が5000匹に増えたら攻撃しよう」とか「あるウイルスが30000匹に増えたら攻撃しよう」など、設定以上に細菌・ウイルスが増えないか監視をして、数を安定化させる働きをしています。

 

 

しかし、副腎疲労症候群になると、白血球の働きをコントロールすることが難しくなります。その結果、体を守ろうという働きが強まり、細菌・ウイルスに対して過剰な攻撃を仕掛けてしまいます。

 

 

上記したように、「ある細菌が5000匹になったら攻撃しよう」という設定が狂いだし、例えば細菌が2500匹という少ない数にもかかわらず攻撃を開始します。

 

 

また、腸内細菌など体内のいたる場所に常在している細菌・ウイルスは、通常は体に対して炎症を引き起こすような悪さをしません。

 

 

しかし、副腎が弱って白血球のコントロールが乱れると、その常在菌に対しても攻撃を仕掛けてしまいます。

 

 

 

その証拠に、最近特に増えている自己免疫疾患に潰瘍性大腸炎があります。

 

 

この症状は過剰になった白血球が腸内に宿っている細菌・ウイルスを攻撃してしまうことで発症します。

 

 

(中略)

 

 

最近、自己免疫疾患が急増しています

 

 

私は長い間、副腎疲労症候群を診てきましたが、最近特に多い症状が潰瘍性大腸炎です。その他にも、原因不明の関節炎や線維筋痛症(せんいきんつうしょう)があります。

 

 

潰瘍性大腸炎では、大腸に常在する腸内細菌を白血球が敵と勘違いして、攻撃を仕掛けてしまいます。

 

 

そのことにより、正常な腸壁の細胞に傷がつき、出血を伴います。人の体の免疫を担う白血球の約70%は、腸に存在しているといわれています。

 

 

「腸管免疫説」を唱えている方々は、「免疫の中心は腸である。腸をきれいに! 腸内細菌がすべてである!」など、腸の大切さを訴えています。

 

 

しかし、免疫(白血球)70%が存在している腸になぜ、クローン病や潰瘍性大腸炎の病気が発症するのでしょうか?

 

 

免疫が強いなら、そのような病気には罹らないはずです。

 

 

しかし、上記したように、クローン病や潰瘍性大腸炎は増加の一途です。

 

 

なぜ、そうなるのかというと、免疫が強すぎ、過剰になっているからです。

 

 

 

しかし、そのことが分からず、世間では「免疫力を上げるサプリメント」や「免疫力を上がる食事法」など、免疫を上げましょう! の大合唱です。

 

 

免疫は下がり過ぎても上がり過ぎても健康は維持できません。

 

 

ちなみに、「腸管免疫説」を唱える人達は、「腸に悪いから動物性食品を控えろ」と言ったり、反対に、食物繊維が多いから野菜を食べるようにすすめてきます。

 

 

しかし、現在の野菜は品種改良されて糖度が高くなっています。

 

 

食物繊維を目的に野菜をバクバク食べると、確実に高血糖になってインスリン、コルチゾール等が大量に分泌されます。

 

 

元、野菜をたくさん食べていて糖質過多の症状があちこちに出ていたので断言します。

 

 

野菜には糖質が含まれているので、油断して食べると糖質の悪影響を受けます。

 

 

私はスーパー糖質制限で花粉症が治りましたが、それまではバランスの良い食事でした。内容は野菜多めに、肉よりも魚介類や甲殻類が多かったです。

 

 

食品添加物や遺伝子組み換え食品を避けたりしていたのですが、それでも花粉症が楽になったことはありませんでした。

 

 

 

野菜を食べていてもこれです。

 

 

糖質過多による副腎の疲弊から免疫システムはおかしくなります。

 

 

 

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花粉症対策はサプリメント

 

 

私は糖質制限だけで花粉症が完治したので問題はないのですが、世の中には糖質を制限できない人もいます。

 

 

 

ここからは、そんな人達がどうやったら花粉症の症状が楽になるかについて話をします。

 

 

方法は不足している栄養素をサプリで補う事です。

 

 

ただ、これは私が試していないので理論中心です。

 

 

花粉症の改善に有効的だと思われる栄養素がこちらです。

 

 

 

 

  • タンパク質

 

  • ビタミンD

 

  • ビタミンA

 

  • 亜鉛

 

 

 

理由を順番に説明していきます。

 

 

 

タンパク質

 

 

タンパク質は体の材料なので、これが少ないと、どんな健康法も効果が落ちます。

 

臓器だけでなく、「免疫細胞」もタンパク質でできています。

 

そして、化学反応を進める「酵素」もタンパク質です。

 

 

ビタミンやミネラルを摂取する前に、タンパク質をしっかり摂っている事が前提です。

 

 

 

ビタミンD

 

 

免疫システムに不可欠でアレルギーが劇的に改善する...と言われているのがこのビタミンDです。

 

 

ビタミンDには、免疫の過剰反応を抑える働きがあります。

 

 

最近、「ビタミンDのサプリメントで花粉症が治った」という話をネットや本等で見聞きする事が増えました。

 

 

私も花粉症があったら試してみたいですが、既に完治してしまったので試せません。

 

 

ビタミンDは、日光を浴びて自分の体で合成することができますし、食事からも摂取することができます。

 

 

しかし、疾患に効果がある程の量を毎日補うとなると大変です。なので、サプリメントからの摂取が圧倒的に効率が良いです。

 

 

 

成人男性は、1日に3000IU~5000IUのビタミンDを消費するそうです。

 

 

 

「IU アイユー」とは脂溶性のビタミンに用いられる単位です。現在は「μg マイクログラム」が使われています。

 

1μg = 40IU

 

 

 

 

以下のような注意点もあります。

 

 

『サーファーに花粉症はいない / 著者:斉藤糧三』より引用

 

 

ただし、次の3つの病態については、ビタミンD補充を注意すべきです。

 

 

・サルコイドーシスなどの肉芽腫性疾患(石灰化を助長するおそれあり慎重投与)

 

 

・リンパ腫、ライム病、腎臓病など高カルシウム血症をきたす疾病(血中カルシウム濃度の増大のおそれあり)

 

 

・ヒドロクロロチアジド(利尿剤)服用時(血中カルシウム濃度の増大のおそれあり)

 

 

(122~123p)

 

 

 

 

ビタミンA

 

 

「ビタミンD」を摂取する場合は、「ビタミンA」を意識して摂取すると良いです。

 

 

同時に使う事で効果が高まるからです。

 

 

 

『花粉症は1週間で治る! / 著者:溝口徹』より引用

 

 

ビタミンAはビタミンDの受容体に結合することが知られ、以前はビタミンDの作用を減弱させるのではないかと考えられていましたが、実際にはビタミンDとビタミンAを同時に使う事によって互いの効果を高め合うことがわかりました。

 

 

 

 

ビタミンAはビタミンDの受容体に結合...については以下に詳しく書いてあります。

 

 

 

 

『サーファーに花粉症はいない / 著者:斉藤糧三』より引用

 

ビタミンDは通常、脂肪や肝臓に備蓄され、血液中に放出されるのですが、充足していない場合、ビタミンD摂取後6時間くらいで血中濃度が下がってしまいます。

 

 

そのため、飲み始めは1回に4000IU摂取しても、数時間で鼻づまりが戻ってくるのでした。

 

 

「1日1万IU以下の摂取で異常があった報告はない」とあったので、1日2回4000IUずつ摂取しました。

 

 

1週間、2週間するうちにだんだん、“切れてきた”(血中濃度が低下した)時の症状が軽くなっていったのでした。

 

 

3週間くらいで、波がなくなったので、1日1回4000IUに減量しました。

 

 

ちょうどそのくらいの時期に、夜間、雨の自動車運転時に、車線などがとても見えにくくなることを自覚しました。

 

 

また、とても目が乾くという症状が現われました。

 

 

私は栄養療法を専門にしていたので、ビタミンA欠乏症による夜盲症と眼球乾燥症状とわかりました。

 

 

しかし、私はビタミンAはサプリメントから1日5000IU日常的に摂取していたので、欠乏ではなくて、ビタミンAとビタミンDの細胞が核の受容体を共有していることによる、相対的な欠乏と理解しました(これに関しては、充分に解明されておらず、現時点ではあくまで仮説です/124ページ「コラム7」参照)。

 

 

(19~21p)

 

 

ちなみに、そのコラムがこちら。

 

 

ビタミンD摂取時の相対的ビタミンA欠乏にご注意!

 

 

プロローグで私自信の経験としても述べましたが、ビタミンDのサプリメントを摂取すると、相対的なビタミンA欠乏症、具体的には夜に目が見えにくくなる夜盲症や、眼球結膜の乾燥(ドライアイ)の症状が出ることがあります。

 

 

ビタミンA欠乏の症状として、夜盲症は有名ですが、ドライアイはあまり知られていません。

 

 

ビタミンAは、皮膚や目の角膜などのターンオーバー(新陳代謝)に必須のビタミンで、欠乏すると上皮の機能低下が起こります。

 

 

目の場合は、眼球の乾燥感として自覚されます。

 

 

その他、ビタミンA欠乏で起こる身近な病気といえば、ニキビです。ニキビの中でも、いわゆる「白ニキビ」。ちゃんとした皮脂腺が形成されない。角質のターンオーバーが適切でない。これらが重なって皮脂腺がつまることで起こるニキビ。

 

 

その原因もビタミンA欠乏です。

 

 

また、目の中の遇角で房水の通りが悪くなることで、眼圧が上がるのが緑内障ですが、ビタミンA欠乏による遇角機能の異常を指摘する医師もいます。

 

 

 

ところで、ビタミンAはニンジンなどに含まれるβカロテンから体内で合成できることになっているので、一般的には欠乏は起きないことになっています。

 

 

しかし実際は、βカロテンからビタミンAの合成がうまくできない体質の方がいることがわかっています。

 

 

またビタミンAを豊富に含有している食品は、レバーやウナギなど、あまり日常的に摂取されない食材なので、実はふだんの生活で気付かないうちにビタミンA欠乏になっていることは少なくありません。

 

 

しかし、この認識は一般的ではないので、市販のサプリメントにもβカロテンは入っているけれど、ビタミンAは入っていないことが、ほとんどです。

 

 

 

当時、私は自分の設計したサプリメントを摂っていて、1日5000IUのビタミンAを摂取していました。

 

 

ビタミンA欠乏になるはずはないので「なんで目が乾くのだろう?」と不思議に思いました。

 

 

ビタミンDの副作用を調べても、夜盲症やドライアイについては触れられていません。

 

 

実は脂溶性ビタミンであるビタミンAとビタミンDは、核内受容体といって、どちらも細胞の核の部分に直接届いて仕事をするスーパーファミリーと呼ばれていて、そのメッセージを受け取るところが共通です。

 

 

つまり、受容体(レセプター)が共通なのです。

 

 

その結果、ビタミンDが受容された分、ビタミンAがレセプターに受容してもらう機会が減って、相対的なビタミンA欠乏が起きてしまったのです。

 

 

受容体をコンビニのレジにたとえると、レジが1つのコンビニにビタミンDさんが列を作ってしまい、ビタミンAさんの会計が先送りされてしまったわけです。

 

 

ビタミンDサプリメントを摂取した場合、経験的にこの相対的ビタミンA欠乏症は1ヶ月ほどで緩和され、落ち着いていきます。

 

 

(124~125p)

 

 

 

 

亜鉛

 

 

亜鉛は免疫の働きを高めます。

 

 

 

  • 免疫システムの主役である「白血球」を増殖する

 

  • ビタミンAの利用効率を高め粘膜を丈夫にする

 

  • 体内の炎症を抑制する働きがある

 

 

 

 

免疫システムにとって必要な亜鉛ですが、精子の生成に消費されるので、男性は不足しやすい栄養素です。

 

 

 

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一般的な花粉症対策のリスク

 

 

最後に薬で症状を抑える事のリスクについて触れておきます。

 

 

 

私は「ビタミンやミネラルはサプリメントで摂った方が良い」という話をよくするのですが、こう言うと、栄養は食事から摂るのが良いとか、副作用が心配...といった声がかえってきます。

 

 

 

でも多くの人が使っている薬の方がリスクがあります。

 

 

 

 

 

『病気の治療所 副腎疲労症候群と自己免疫疾患の関係』より引用

 

 

一般的に病院で処方される薬は、過剰になっている免疫(白血球)にアプローチするものです。

 

 

その薬の1つに、白血球の働きを抑え込むように作られたものがあります。いわゆるステロイド系のものです。ステロイド系の薬の特徴をまとめます

 

 

①感覚器官を麻痺させ、臓器・器官にはびこった異物の存在を脳に知らせない

 

②白血球の働きを抑制することにより、異物への攻撃を妨げる

 

③血管を異常収縮させ、ヒスタミンの放出を抑える

 

 

 

上記の作用で、ステロイド系の薬を使うと見事に炎症がおさまります。しかし、臓器・器官にはびこった細菌・ウイルス、または体外から侵入してきた化学物質などに作用しているものではありません。

 

 

 

攻撃側に停戦命令をだしているだけです。

 

 

 

しかし、ステロイド系の薬には副作用があるため、長期服用することに抵抗があります。

 

 

そこで、ある程度炎症症状が治まると薬の服用を中止します。

 

 

ここで、ステロイド系の薬の服用を中止した場合に、体内ではどのような現象が起こるのかをまとめてみます。

 

 

①薬を服用中は白血球の働きが抑制されていたが、服用を中止すると白血球の働きが過剰になる

 

②過剰なった白血球は、体内に増殖した細菌・ウイルスを以前にまして攻撃することにより、炎症症状がおこる

 

 

 

ステロイド系の薬は一種の麻薬です。

 

 

安易に使うと、その薬を止めるのにとても苦労をします。

 

 

しかし、現代医学では、軽い咳や花粉症、または軽い皮膚炎であっても簡単にステロイド系の薬を処方します。

 

 

その背景には「炎症を止めてほしい患者」と「炎症を止めないと悪評を言われるのを嫌がる医師」と双方の思惑があります。

 

 

 

「急性のネフローゼ」や「ヘルペスが眼内にはびこって失明の恐れがある」などの場合に、ステロイド系の薬を使うことには異論はありません。しかし、そのような病気になる背景の説明がないことに私は疑問を感じます。

 

 

 

花粉症の対策は、糖質を制限したり、サプリを使った方が効率よく安全だと思います。

 

 

 

もう1つ言っておくと、糖質によって血糖値が上がり「インスリン」が分泌された後、下がりすぎた血糖値を上げる為に「コルチゾール」などが分泌されます。

 

 

これらのホルモンに必要な主な材料は「アミノ酸」、補酵素の「ビタミンB群」、「亜鉛」、「マグネシウム」等です。

 

 

 

糖質を過剰に摂取すると、これらが減るので、たくさん合成しなければなりません。

 

 

 

そのたびに材料のタンパク質、ビタミン、ミネラルが消費される、不足するというわけです。

 

 

 

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上顎骨の成長不良が、不正咬合や、鼻詰まりの原因になる...というお話のつづきです。

 

 

子供の歯並びが悪くなる真の原因。骨格的な不正咬合の予防は母親にかかっている

 

骨格が原因の鼻詰まりは子供の時の成長で決まる。口呼吸が招く脳への悪影響。

 

 

これらの記事では「上顎骨が成長不良になることで起きる問題」について述べてきたので、ここでは、そうならない為に、「子供の上顎がまともに成長する為にはどんな栄養が必要なのか」についてお話しします。

 

 

 

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顔の幅が細い現代人

 

昔と現代の人では、明らかに顔が変わっています。以下は有名な写真です。

 

 

『未来の日本人の顔』より引用

 

戦後の高校生からの予測

 

大阪のある高校の50年前と最近の卒業アルバムを使い、CGで50年前の平均顔と最近の平均顔を作って比較すると、高校生の顔は50年間で細長く変化していることがわかる。その変化傾向を延長すると、100年後の未来顔2号ができる(図3)。ただし、50年前と最近の高校生では髪型が違うので、未来顔では極端に髪の毛が多くなっていることに注意。

 

 

 

図3 変わる高校生の平均顔(画像提供・東京大学工学部原島研究室)

 

 

50年前の高校生と最近の高校生の平均顔の違いから、未来の高校生の顔を予測した(未来顔2号)。

 

 

未来顔の教訓

 

 

いずれにせよ、顔かたちの変化では、未来顔1号と未来顔2号はたいへんよく似ている。そのことは、縄文時代や弥生時代から2,000年以上かかった変化と戦後50年間の変化がほとんど同じであることを意味している。変化が加速してきているのだ。

 

 

このまま進めば、未来人は、アイスクリームコーン(これが顔)に、丸いアイスクリーム(これが頭)をたっぷり載せたようになってしまう。

 

 

未来顔は、若者にとっては、ある意味では格好いいのかもしれない。しかし、顎が細くなりすぎると、歯の生えるスペースが確保できなくなる。その結果、第3大臼歯(親不知)が生えられなくなったり、乱杭歯になったりして、歯の健康のためには危険である。また、顎の関節が未発達だと、少しのストレスで顎関節症を起こすことになる。

 

 

この図は、昔から存在しています。

 

 

「50年後の高校生」や、「100年後の高校生」の顔は想像図ですが、「50年前の高校生」と「最近の高校生」の顔は、その時の平均の顔です。

 

 

確かに細くなってます。

 

 

私がこのCG写真を始めて見たのは随分前ですが、その時すでに、「最近の若者の顎は、昔の若者の顎に比べて細い」と言われていました。そんな実感はありませんでしたが、この画像を見た時、やっぱりそうなんだと思ったものです。

 

 

でも、気になるのが、何故顎が細くなっているのかですよね。

 

 

一般的によく言われている理由は、だいたい「最近は柔らかい食べ物が増えたので、硬いものを噛む習慣がない。だから顎が発達しない」というものです。というか、他の理由は聞いた事がありません。

 

 

簡単に言うと、鍛えてねーから、弱いんだ・・・という理屈です。

 

 

柔らかい食べ物ばかり食べているのは、その通りなので、その説は説得力がありました。

従って、その時は、言われるがまま、信じていましたし、顎の細さばかりに目がいっていました。

 

 

しかしですね、

 

 

写真をよく見ると、「最近の高校生」は、下顎だけでなく、上顎から細くなっているのが分かります。

 

全体的に頭蓋骨の下半分に、横の広がりがありません。

 

 

ということは下顎以前の問題で、「何を噛んでいるか」はあまり関係がないように思えます。

 

 

鍛えるかどうかは関係ないと思うのですが、「硬いものを噛まないから顎が細いんだ」と大合唱されれば、なんとなく「そうかな」と思ってしまいます。

 

ですが、それでは上顎骨の幅がない事への説明にはなっていません。

 

 

 

 

上顎骨の幅が広がらないのは、妊娠中の母親の栄養不足(鉄不足)が影響しています。

 

ということは、

 

 

 

  • 「50年前の高校生」→母親に妊娠出産に必要な栄養が足りていた

 

  • 「現代の高校生」→母親に妊娠出産に必要な栄養が足りていなかった

 

 

・・・と考えられるわけです。

 

 

 

 

引用元の記事では、一応、昔の高校生は「50年前」ということになっています。ということは、彼らが生まれたのは、彼らの年齢15~18歳を引けば、65~68年前ということになります。

 

今は2017年ですから、1949年~1952年あたりに生まれた人達の平均になります。

 

 

 

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母親と鉄

 

 

前回、「鼻中隔軟骨(びちゅうかく・なんこつ)」という軟骨についてお話しました。真ん中に位置し、鼻の土台の役割を果たす重要な軟骨です。

 

 

『VERITE CLINIC 鼻中隔延長術~第2章 : 鼻の構造を理解しましょう』より引用

 

 

 

この軟骨が正常に成長すれば良いのですが、そうではない事の方が多いのです。曲がっている人は多いそうです。

 

子どもの「鼻中隔軟骨」の成長が上手くいかないのは、妊娠前、妊娠中の母親の栄養不足に原因があります。

 

とくに大事なのはです。

 

 

『歯医者の99%は手抜きをする ダメな歯医者の見抜き方 いい歯医者の見分け方 / 著者:歯学博士 長尾周格』より引用

 

軟骨は主にコラーゲン(Ⅱ型コラーゲン)とプロテオグリカンという糖タンパク質からできていて、特にコラーゲンの合成においては20種類のアミノ酸のほかに、ビタミンCや鉄を必要とします。

 

鼻中隔軟骨が形成される時期に必要な栄養素が不足すると、軟骨の形成不全が起こり、正常な鼻中隔軟骨の大きさに成長できなくなります。

 

このように栄養欠乏と鼻中隔軟骨の成長不良とは密接な関係があるのです。

 

 

妊娠中の鉄分欠乏と軟骨の成長

 

鼻中隔軟骨の成長において鉄分は特に重要な栄養素です。しかし鉄分は人間にとって吸収が難しく、消化器官が完成している大人でも、食べ物に含まれている鉄分のうち体内に取り込むことができるのは30%未満といわれています。そのため、消化管が未発達である6歳までの子どもが、食事から十分な量の鉄分を取り込むことは困難です。

 

しかし一方で、6歳までに脳は大きさにおいて成長をほぼ完了し、上顎の骨の横幅の成長も9割がた終了します。

 

鼻中隔軟骨は、主に妊娠中に母体からもらってきた鉄分によって作られます。ところがこの時期に十分な鉄分が無いと、鼻中隔軟骨の成長不良が起こり、上あごの横幅が成長不良を起こしてしまいます。

 

そのため胎児は母親のおなかの中にいる間に、母体からありったけの鉄分をもらって生まれてきます。しかし妊娠時の母体に十分な鉄分が無かった場合には、子どもが鉄分欠乏の状態で生まれてきてしまいます。

 

(159p~160p)

 

 

上顎骨の横幅の成長具合は、鼻中隔軟骨の成長にかかっていて、その鼻中隔軟骨はを始めとした様々な栄養素が必要です。

 

 

 

以前、母親の鉄不足が、子どもの脳に与える影響についてを記事にしましたが、脳だけでなく、骨や軟骨にも影響するというわけです。

 

鬱や睡眠障害や発達障害の原因を栄養の視点から考える。鉄不足が脳に与える影響は深刻だった

 

 

発達障害を遺伝として片づけない。母親の鉄不足が子供の脳に与える影響とは

 

 

 

母親の責任は大きいと言えます。彼女達に正しい知識を教えなければいけないのですが、その環境が整っていない。

 

 

ハッキリ言って、これは、中学校の保健体育の授業で教えるべき事です

 

 

子どもの鉄は、妊娠中に母体から貰ってきた鉄に委ねられるので、妊娠前に栄養(特に鉄)をしっかり蓄えておく必要があります。

 

 

女性は、一回の妊娠出産で「フェリチン(貯蔵鉄)」を50失います。

 

 

失うというのは、子どもに持っていかれるということです。当然、母親の「フェリチン」が50以下であれば、子どもが十分な鉄を貰えないだけでなく、母親も自身のフェリチンが枯渇するので健康ではいられません。

 

「産後のうつ」は、妊娠出産による「鉄欠乏」が原因です。

 

 

 

フェリチン(貯蔵鉄)が何なのかよくわからない方は、以下の記事をご覧下さい。

 

フェリチンと鉄不足について分かりやすく説明してみた

 

 

フェリチンは普通、測りません。

 

しかし、妊娠予定のある人は妊娠前に自身の体に鉄がどれだけあるのか、フェリチンを測っておくことをお勧めします。何故なら、女性は生理で鉄不足になるので、鉄を体に蓄えるのは、食事だろうが、サプリだろうが、時間がかかるからです。

 

 

『ロバスト・ヘルス 飽食先進国で若い女性の貧血が深刻』より引用

 

「じゃあ、妊娠したら鉄剤を飲まないと」と思われたかもしれません。しかしそれでは遅いのです。ヘモグロビンの値が正常化するには6-8週かかります'。

 

英国国民保険サービスによれば、鉄剤は通常、2-4週間ごとに担当医が反応を確認しながら内服を続け、ヘモグロビンが正常値になった後さらに3カ月の継続が推奨されます。

 

貯蔵鉄を満たすためです。妊娠に気づいてからの対応では、胎児の臓器・器官が急速に発達する妊娠初期〜中期に、胎児に「薄い血」を供給することになる可能性があります。

 

 

日本人の生理がある女性の多くは30以下です。

 

 

ちなみに、海外では妊娠するにあたって鉄がこのくらいないといけないという基準があり、中には、フェリチン40以下では妊娠は許可されない国もあるそうです。

 

 

 

妊娠前に「フェリチン」を測る事、鉄を摂取する事の重要性を分かっていただけたのではないかと思います。鉄が足りていないと、子供の成長に影響がでますから。

 

 

 

そして、忘れてはいけないのが、鉄の吸収には「タンパク質」が必要であるということです。

 

この2つがセットで足りている事が基本となります。

 

 

 

鉄製品の効果について

 

「50年前の高校生」は、上顎骨の幅があるので、彼らを産んだ母親は、妊娠時に鉄もタンパク質も足りていたということになります。

 

 

その時代の「鉄」や「タンパク質」事情について考えてみます。

 

 

まずは「鉄」からです。

 

 

「50年前の高校生」が生まれたのは65~68年前ですので、母親は1949年~1952年あたりに出産したと考えられます。

 

 

昭和20年代です(昭和24年~27年)。

 

 

彼女達と、それ以降の世代の母親では、「鉄」の摂取量が違います。

 

 

1949年~1952年に子どもを生んだ女性が食べていた料理は、ほぼ鉄製の調理器具で調理されていたと思います。鉄の羽釜、鉄の包丁、鉄瓶、鉄鍋を使っていたはずです。それに比べると、現代の調理器具は鉄製の物は少ないですよね。

 

 

昭和20年代の女性は、鉄製の調理器具のお陰で、現代女性よりも多く鉄分を摂取できていたと考えられます。

 

 

鉄の調理器具で料理をすると、食材の鉄分が豊富になります。あの「ひじき」の鉄分でさえ、鉄鍋の効果によるものだそうです。

 

 

『医療法人 弘鳳会 専門医のコラム ひじきの鉄分が9分の1 ! 「ひじきは鉄分の王様」 は過去の話…。』より引用

 

 

ひじきは鉄釜で茹でていたから、鉄分が豊富だったのか !!

 

干しひじきは、原料の海藻を鉄製の釜で煮て渋みを取り、乾燥して作られます。以前はひじきを煮るとき、鉄製の釜が使われていました。しかし近年、使われる釜が鉄製からステンレス製に代わりました。それで、ひじきに含まれる鉄分が減ったというのです。

 

 

鉄釜で茹でていたから、ひじきの鉄分が多かった…。つまり、ひじき自体には鉄分は多くなかったということでしょう。

 

 

今回改訂された成分表を見ると、ステンレス釜で加工されたひじきには、100gあたりの鉄は6.2mgしか含まれていません。一方、鉄釜での加工だと58.2mgです。

 

 

鉄分という観点でひじきを利用したい場合は、原材料の表記で、ステンレス製の釜で加工したのか、鉄製の釜で加工したのかをチェックしたほうがいいでしょう。

 

 

ひじきのほかに、切り干し大根について見てみると、100gあたりの鉄分は3.1mgで、以前の9.7mgのおよそ3分の1となっています。これも、以前は鉄製の包丁で加工していましたが、ステンレス製の包丁にとってかわったため、鉄分が減ったと考えられています。

 

 

1949年~1952年に子どもを生んだ女性達は、子供の成長に必要な鉄を日常的に摂っていたのです。

 

 

それとこの世代は、戦後から少しずつ豊かになっていって、動物性食品も容易に手に入るようになった為、鉄だけでなく「タンパク質」の摂取量も増えています。

 

 

『公益財団法人 日本食肉消費総合センター 食生活の変化と寿命の延びの関係は?』より引用

 

 

今から約80年前、大正7年の家庭では、漬け物やみそ汁をおかずに米を4人で毎食5合食べたという記録があります。

 

 

油脂はほぼゼロ、動物性食品は20gの塩蔵魚を週5回ほど食べていますが、平均的総摂取熱量は2,100kcalと現在(平成10年1,979kcal)より多く、タンパク質も平均53g摂取(平成10年は約80g)。

 

 

こうした穀類中心の粗食が、結核などの感染症や脳卒中を招いたといわれています。

 

 

戦後、動物性食品が食卓に上りだすと日本人の寿命も次第に延び始めます。

 

 

まず感染症の代表・結核が昭和20年代から30年代に激減、死亡率のトップは脳卒中に変わります。

 

昭和40年代以降は脳卒中も減り、昭和50年代に死亡率第一位はガンに変わりました。

 

 

(中略)

 

 

昭和25年(1950年)頃のタンパク質摂取量は1日68gで、

 

昭和35年(1960年)69.7g、

 

昭和55年(1980年)78.7g、

 

平成10年(1998年)79.7gとなっています。

 

 

脂肪摂取量は昭和25年には1日18gが昭和55年に55.6g、平成10年には57.9gと50年前の3倍近くに増えました。

 

 

タンパク質と脂肪の摂取増は寿命の延びと比例し、それは動物性食品の増加とも比例します。

 

 

昭和35年の肉類摂取量は1日18.5gですが平成10年は77.5gと約4倍に、同じく卵類は2倍強、牛乳・乳製品は約4倍に増えました。

 

 

魚介類は約1.3倍の伸びにとどまっています。

 

戦後はまだ肉が高価だったので、今程たくさんの肉を食べる事はありませんでした。しかし、それ以前の日本の食事と比較すると、明らかにタンパク質の摂取量が増えました。だからこそ、

 

>感染症の代表・結核が昭和20年代から30年代に激減

 

ということに繋がったのです。

 

この世代は「タンパク質」単体で見れば、現代人より少ないです。しかし 鉄+タンパク質 の両方が摂れる環境だったと言えます。

 

これで、「現代の高校生」の上顎が貧弱で、「50年前の高校生」の上顎がガッチリしているのか、腑に落ちます。

 

 

今の世代は、タンパク質・脂質は足りても、調理器具がステンレスやテフロンとか鉄以外の製品になったため鉄が不足しています。

 

 

作物はビタミン・ミネラルが少なく、おまけに糖質超過多なので、それらを代謝するのに、ビタミン・ミネラルを消費してしまいます。

 

 

従って、上顎が丈夫に成長しないわけです。

 

50年よりもっと前の世代は、鉄製品から鉄の摂取はできても、欧米化していない純粋な日本食だったので、脂質・タンパク質不足だった為、鉄を摂っても吸収が悪かったと考えられます。出っ歯が多かったのは、鉄を摂れてもタンパク質が不十分だったからではないでしょうか。

 

 

 

何故、「栄養の乏しい昔の和食」を食べていた人が、現代人より頑丈な子を生むのか謎でしたが、

 

冷静に考えたら、50年前の高校生が生まれる前は、今ほどではないにしろ動物性食品も多少は豊かですし、鉄も摂れる・・・この世代が一番、栄養の良いとこ取りをしていたのです。

 

 

大事なのでもう一度言いますが、鉄の吸収にはタンパク質が必要なのです

 

 

現代人のように鉄が足りなくてもダメ、戦前の人のようにタンパク質が足りなくてもダメなのですタンパク質不足を治さないと、鉄は増えません。

 

戦後1949年~1952年あたりに出産した女性は、偶然が重なって「鉄タンパク」が両方摂れていたため、子供の上顎が十分成長したのでしょう。

 

 

まとめるとこんな感じですね。

 

 

  • 現代の高校生を産んだ母親 → タンパク質は足りても、鉄が足りない

 

  • 50年前の高校生を産んだ母親 →タンパク質を食べるようになり、鉄も足りている

 

  • 昔の母親 →タンパク質が足りないが、鉄は足りている

 

 

一応付け加えておきますが、昔の人の場合、タンパク質を食べれる環境にあるかどうかは人によって違います。肉は高価でしたので、家庭の経済状態によって食べられない人もいたと思います。

 

そして、「その人の生まれ育った地域の食文化」に左右される可能性も高いです。

 

場所によっては、ほとんど動物性のタンパク質を摂らない地域もあれば、魚や昆虫などからタンパク質・脂質を積極的に摂取していた地域もあります。後者の場合は、タンパク質・脂質+鉄が摂れていたと考えられます。

 

 

従って、戦前生まれの日本人には出っ歯の人もいますが、「50年前の高校生」の写真のように、顎がガッチリしていて、魚の背骨を平気で噛み砕くようなツワモノも多いのです。実際に、私の周りにそういう年配者がいます。

 

 

 

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最近の母親の栄養状態

 

 

「50年前の高校生」の栄養状態 > 「最近の高校生」の栄養状態

 

 

は、言い換えると、

 

 

「50年前の高校生を生んだ母親」の栄養状態 > 「最近の高校生を生んだ母親」の栄養状態

 

 

ということです。

 

 

ここまでの説明から、現代人に鉄が不足している事は理解していただけたかと思います。

 

 

 

しかし、調べてみると、若い女性に不足しているのは「鉄」だけじゃないようです。ダイエット等で、摂取カロリーが終戦直後より低いのだそうです。

 

 

 

ダイエットといえば、動物性食品を減らすのが王道ですから、タンパク質や脂質も不足している可能性大です。

 

『NAVER まとめ 若い女性の摂取カロリーは終戦直後より低い・・。“痩せすぎ”な人が多すぎる日本』

 

 

 

ダイエットもこのレベルになると危険です。

 

 

 

戦時中や、終戦直後の食料が無かった話は散々聞かされて育ってきましたので、それ以下って凄いと思います。

 

 

といっても、糖質制限をする前までの私は、1日1食とか、断食をしていましたので、人のことは言えません。当時は、体温は低いし、何もしなくても疲れるし、代謝は落ちるし、体重は増えないし、不健康でした。

 

 

おまけに女性は甘いものが大好きです。これらの代謝によって、ビタミン・ミネラルも浪費されます。

 

 

ほとんどが、糖質過多・タンパク質不足・脂質不足・ビタミン不足・ミネラル不足です。

 

 

この状態で、健康な子供が生まれるだろうと思うのが間違いです。

 

 

また、糖質過多だと「卵子」や「卵巣」が糖化してしまいます。「卵子」は数が決まっていて、入れ替らないので注意が必要です。

 

卵子が老化する原因と防ぎ方。卵子の質を悪化させない食習慣は、不妊症の改善にも期待できる

 

 

 

 

子供の上顎がどうしてまともに成長しないのか、についてお話してきました。

 

 

「近代食」を食べなかった先住民のような「しっかりした骨格」に成長するには、女性の努力はもちろんですが、正しい知識を得られる環境が必要です。

 

 

 

子供の成長にはどんな栄養素が必要なのかをもっと伝えていかなければなりません。

 

 

 

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骨格に問題があって鼻詰まりになっている人は少なくないようです。ネットで調べると、手術の体験記が多いですから...。

 

 

その原因、実は子供の時の栄養不足が関係しています。

 

 

 

脳や頭蓋骨は、だいたい6歳までに、成長を完了するのですが、頭蓋骨の上の部分(写真左)が先に成長を終えます。

 

 

そして、下顎(写真右)は、10歳くらいから、さらに成長します。

 

 

 

(矢印が「上顎骨 じょうがくこつ」)

 

 

 

頭蓋骨の真ん中に位置する「上顎の骨(上顎骨)」も、6歳でほぼ成長を終えます。

 

 

 

 

 

 

こちらの記事では、上顎の骨の成長と「不正咬合」についてとりあげたのですが、今回は上顎の骨の成長と「鼻の機能」の関係についてお話します。

 

 

何故なら、「上顎の骨」というのは、口の骨であると同時に、空気の通り道である「鼻腔」を形作っている骨でもあるからです。

 

 

ということは、

 

 

「上顎の骨(特に横幅)の成長が上手くいかない」ということは、「不正咬合」はもちろん、

 

「鼻腔の成長」にも影響するということなのです。

 

 

 

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鼻の骨の構造

 

 

模型で説明します。「上顎骨」を取ってみました。

 

 

 

 

茶色い骨は鼻骨(びこつ)です。

 

割ってみました。

 

 

 

 

空洞の部分が分かりにくいので、今度は他の骨を取り除きました。

 

 

 

 

割ってみました。

 

 

 

 

空洞になっているのがわかりますね。

 

ちなみに、上から見たのが左で、後ろから見たのが右です。

 

 

 

 

これが「上顎骨」です。

 

この「上額骨」が上手く成長しないと、「下に位置する口」だけでなく、「上に位置する鼻」に問題が生じます。

 

 

『山本歯科医院 前歯部叢生と舌の関係』より引用

 

 

上顎の骨のすぐ上は

 

 

(中略)

 

あまり見慣れないと思いますが、よく見てみると、上顎の骨のすぐ上は鼻です。上顎骨が左右に広がりますと当然鼻の部分も広がります。余談ですが鼻の形は鼻骨ですから、鼻は大きくなりません。広がるのは鼻の通りです。

 

「鼻の通りが良い」を説明するより、「鼻の通りが悪い」を説明するほうが分かりやすいと思います。

 

鼻の通りが悪いと、まず1番目に挙げられるのは、口で息をする習慣が出来てしまう事です。このことを口呼吸(こうこきゅう)と呼びます。

 

口呼吸をすると、口の中が乾いてしまい色々と弊害が出てきます。乾くと唾液が口の中で循環しなくなります。そうなると、虫歯が出来やすく、歯石が付きやすく、歯に汚も付きやすくなります。

 

それと鼻は人体の空気清浄機です。鼻を通る間に、ホコリ等のゴミを取り除きますし、細菌等を体内に入れない防護もになっています。また空気を暖める作用や完走した空気に適度な湿度を与える作用もあります。口呼吸だと鼻を通しませんので、ホコリ等のゴミを直接喉(のど)に送り込みます。細菌も無条件で喉まで達してしまいます。すぐ喉が腫れたり、風邪をひくなら喉が荒れる人は口呼吸も原因の1つかもしれません。

 

空気を暖める作用が鼻にはあります。冷たい空気を直接吸うのは実はかなり体には負担が大きいようです。お医者さんのホームページなどに書いてあるのですが、冷たい空気を吸うと気管支喘息や狭心症の発作の引き金になると書いてあります。

 

ちょっと話を大きくしてしまったようですが、体にかかる負担が結構大きいことがお分かりいただけますか。

 

鼻の通りが悪い事と口呼吸は必ずしもイコールでは無いのですが、叢生の人は口呼吸が多いのも事実です。特に夜寝る時に口呼吸をしている人は、自覚もあまりありません。

 

上顎の成長が鼻にまで影響を与える事は、すぐ隣であるのに担当が歯科と耳鼻科に分かれるからか、あまり考えられていません。鼻で息を吸うのを鼻呼吸(びこきゅう)といいますが、鼻呼吸の大切さがお分かり頂けたと思います。

 

 

さらに、口呼吸は「脳が冷却されない」という問題もあります。パソコンと一緒です。

 

 

 

『医者は口を診ない、歯医者は口しか診ない 医科しか連携で医療は大きく変わる 著者/相田能輝』より引用

 

 

口呼吸を行なっている患者の頭蓋部の断面を観察すると、鼻からの呼吸による冷却ができず脳が「オーバーヒート」を起こしており、いわゆる頭に血が上った状態が常に続いていることが明らかになっています。

 

そのような状態だと、小児においては、集中力や学力が伸びないなど、さまざまな弊害が起こるようになります。

 

普通、人は鼻で加湿した空気を送り込むことで、脳を冷却しています。しかし、口呼吸だとそれができません。それどころか、口呼吸は鼻のフィルターを通さず直接器官に空気を送り込むため、扁桃を刺激して、免疫の異常を引き起こすなど、健康にも悪影響を及ぼすことになります。

 

(136p~137p)

 

 

 

流れを整理します。

 

 

 

上顎骨が左右に広がらない

 

 

鼻も広がらない(鼻の通りが悪い)

 

 

口呼吸 

 

 

脳に影響

 

 

 

 

「鼻の通りが悪い」というと、軽く聞こえますが、体には相当負担がかかっていることが分かります。

 

 

そして、骨(上顎骨)だけではなく、「鼻中隔軟骨という軟骨」の成長不全についても考える必要があるのです。

 

 

 

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鼻中隔軟骨の構造

 

 

「鼻中隔軟骨」は軟骨です。

 

 

どんな軟骨なのかというと「鼻の支え」です。

 

 

鼻腔は、右と左に分かれていて、喉の奥で左右に繋がって1つになっています。この鼻腔を左右に分けているが、鼻中隔軟骨(びちゅうかく・なんこつ)です。

 

 

この軟骨は、鼻の形態には 鼻骨とともに 重要な役割を担っています。

 

 

以下の図が分かりやすいかと思います。

 

 

 

『VERITE CLINIC 鼻中隔延長術~第2章 : 鼻の構造を理解しましょう』より引用

 

 

 

 

 

 

この「鼻中隔軟骨の成長」と、「上顎骨の横幅の成長」には密接な関係があるそうなのです。

 

それを裏付けるかのような話を紹介します。

 

 

『肉食鍼灸師の食養ブログ 『食生活と身体の退化』 栄養と発育の驚くべき相関関係』より引用

 

 

受け口と鼻づまり

 

僕はもともと歯並びが悪くて上下のかみ合わせが逆になった「受け口」です。もう、初めからそうなので、これは遺伝だと思っていました。(家族や親戚に受け口はいないのですが)

 

さらに、僕の鼻柱は曲がっています。

 

骨格がはっきりしてくる中学生のころに気が付いたのですが、鼻の軟骨がはっきりと曲がっていて、まっすぐじゃない。

 

顔のことなので、若い頃はとても気にしていました。

 

鼻は曲がっているだけじゃなく、通りも悪かった。子供のころから慢性的な鼻炎で、いつも口呼吸をしていました。

 

ある時、鼻から息を吸えることに気がついて、あれ??鼻って息吸えるんだ!!と「発見」した記憶があります。それは、たしか小学校の3年生ごろでした。とうことはその頃、日常的に口呼吸していたということ。そもそもいつも詰まっていたので、鼻から息を吸えませんでした。

 

なぜこのようなことを書くかと言うと、これは、顔の真ん中部分のの発育の悪さと関係があるからです。

 

 

鼻中隔軟骨の発育

 

その関連性は『食生活と身体の退化』を読んで初めて知りました。

 

そもそも歯並びや噛み合わせが悪くなるのは、上あごや、顔の中段ゾーンの発育不良が原因のようです。

 

「鼻中隔軟骨」という、顔面の真ん中辺りにある軟骨がありますが、これが十分に発達することで、シッカリとした鼻腔が形成されます。

 

鼻腔とは、鼻の穴とその奥につながる空洞です。ここは結構重要な場所で、外から入ってきた空気を温め、湿らせ、鼻毛などで異物を取り除きます。もちろん細菌やウイルスから身を守る「免疫機能」にも重要なところ。

 

そして、嗅覚。

 

生物としては臭いをかぎわけることはとても重要ですよね。嗅覚を司る神経は脳にダイレクトにつながっていて、嗅覚は脳機能や精神状態、自律神経にも大きな影響を与えると言われます。

 

鼻の通りが良ければこれらの機能が正常に働き、脳に適切な刺激が伝わるでしょう。逆に、いつも鼻が詰まっていれば、それが妨げられてしまいます。

 

 

「鼻柱が曲がっている症状」を、「鼻中隔彎曲症 びちゅうかく・わんきょくしょう」と言うそうです。

 

曲がるメカニズムが以下に書かれていました。

 

 

『一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会【はなの病気Q&A】鼻中隔彎曲症』より引用

 

Q 1)鼻中隔彎曲症〈びちゅうかくわんきょくしょう〉とはどんな病気ですか。

 

A 鼻中隔が強く曲がっているために、いつも鼻がつまって口呼吸やいびき、においがわからないなどの症状がある場合を鼻中隔彎曲症といいます。鼻血(鼻出血)が出ることもよくあります。アレルギ-性鼻炎や慢性副鼻腔炎(蓄膿症)があると、その症状はひどくなります。

 

 

Q 2)鼻中隔はなぜ曲がるのですか。

 

A 鼻中隔は軟骨〈なんこつ〉の板と、骨の板とでできています。顔の発育とともに鼻も発育しますが、骨の板より軟骨の板のほうが発育が盛んなので、その違いのために彎曲がおこります。この発育は思春期までが盛んです。軽い鼻中隔彎曲は赤ちゃんにも見られ、年齢とともにその率が上がります。児童では70%、成人では90%と言われるように、ほとんどの人がある程度曲がっています。したがって、鼻中隔が少し曲がっているだけで、鼻の症状がほとんどない場合は病気とはいえません。

 

 

冒頭でも言いましたが、「鼻中隔彎曲症」についてネットで検索したら、体験談が多いです。

 

 

普通、病気について、病名だけで検索した場合、多いのは医院のHPや、医療情報なのですが、この「鼻中隔彎曲症」は、医院や医療情報よりも体験談が目立ちます。

 

つまり、それだけ多い疾患だということです。

 

 

 

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鼻詰まりと口呼吸による身体への悪影響

 

 

で、子どもの鼻がずっと詰った状態だと、どう成長に影響するのかは、以下が参考になります。

 

 

『共働き、両親頼れない!けど2人目産んじゃった(・ω・)ノ 「鼻のせいかもしれません」鼻づまりによる悪影響と手術について。』より引用

 

 

わたしも、上の子もアレルギー性鼻炎。副鼻腔炎になりがち、扁桃腺が腫れやすい。

 

点鼻薬や飲み薬を処方されますが、授乳中はのみたくないし、面倒になって飲まなくなりひどくなって受診、のループになってしまいます。鼻水の薬はぼーっとしますし…。

 

上の子にはこのような思いをさせたくありません。

 

最近若い社会人と接すると、集中力がなかったり、ぼーっとしている人が多くなった気がして気になっていました。口に締まりがなくて覇気がなくて。

 

聞いてみると、だいたい蓄膿や鼻づまり。鼻が詰まっているから口が開く、ぼーっとするのかな?と常々思っておりました。

 

上の子も口が開くことが増えて気になっていました。

 

 

ボーっとするのは、脳がオーバーヒートを起こしているからかもしれません。

 

 

『パパの育児宣言!子育て情報受信中 子どもの口呼吸は放っておくと発育に悪影響!?鼻炎歴37年のわたしが本気で治そうと思ったワケ』より引用

 

 

鼻づまりの子は、ある意味「重い甲ら」を背負わされてるいるようなものなんですよ。だから本当はもっと集中力があってイライラすることもないのに、そんなもん背負っているから本当の力が発揮できないかもしれないのです。

 

 

(中略)

 

 

本書では鼻づまりが睡眠障害をもたらすということを細かく説明されていますが、ここではその睡眠障害がもたらす子どもの弊害を簡単に紹介します。

 

 

・昼間に眠くなる

 

・集中力の低下

 

・学習能力の低下

 

・キレやすいなど攻撃的行動

 

・情緒不安定

 

・意味もなく動き回る

 

・知能の発達障害など

 

 

 

鼻詰まりにはいろんな原因があると思いますが、私が今回テーマにした、「骨格に起因する鼻詰まり」はやっかいです。物理的に問題があるのですから、薬の治療も難しいでしょう。

 

だから、そうならないように気をつけるのがベストなのです。

 

 

その「気をつけなければならない人」は誰かと言うと、子どもではなく、その子を生む母親です。

 

 

次回は、子どもの「軟骨」や、「上顎骨」がまともに成長する為には、どんな栄養が必要なのかについてお話します。

 

 

何故、現代人の顔は細いのか?子供の骨格が正常に成長する為に必要な条件とは

 

 

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