お知らせ

 

 

私達は憲法によって言論の自由が守られているので、

食や健康等の問題を主張する事ができます。

 

 

 

 

元々憲法改正賛成派だった人の解説です。

 

 

 

 

谷本議員と一緒に飛行機を降ろされたもう一人の人物・高橋清隆氏について

 

 

 

谷本議員らがノーマスクで強制降機! 釧路空港のエアドゥ機、「憲法違反を公然と行う航空各社への行政指導を国交省に求める」

 

 

一緒に飛行機を降ろされた反ジャーナリスト高橋清隆氏による、谷本誠一議員のインタビュー動画です。

 

 

 

 

 

身近な人が被害に合った時の為に

とりあえずブックマークをお願いします。

 

 

 

 

 

 

タグ:分かりやすく
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「植物性の食品」に対して健康的なイメージを持たれている方は多いです。

 

 

 

しかし、穀物や野菜や果物には、体にダメージを与える糖質が多く含まれています。

 

 

 

その上、人体を構成しているタンパク質の質や量も、動物性食品に比べて劣ります。

 

 

 

従って、このブログでは「植物性の食品を控えて、動物性の食品を摂取する方が健康的だ」...と、主張してきました。

 

 

 

 

これは常識に反する意見なので、「動物性食品は血液を酸性化させる」とか、「肉は血液をドロドロにするのではないか」といった心配をされる方がでてきます。

 

 

 

よく、肉食は血液を酸性化させるとか、血液がドロドロになるとネットでは書かれています。これに関してはどうお考えでしょうか。

 

 

血液が酸性化するのは、乳酸が蓄積するからで、でもそれは糖を取るほうが乳酸が蓄積して酸性化しやすいと思うし、血液がドロドロになるのは血中コレステロールが多くなるからで、でも摂取したコレステロールは血中コレステロール値とは関係ないって聞きますし・・・

 

 

 

こう考えると肉食は問題ないと感じるのですが、肉は酸性食品とも言われますよね。

 

 

ここら辺はどう解釈しておられるのでしょうか。よろしくお願いします。

 

 

 

コレステロールに関しては、以下の記事を参考にして下さい。

 

科学や論文のインチキはコレステロールが教えてくれる

 

 

 

 

このての質問はかなり多いです。

 

 

 

 

私も糖質制限をするまでは「バランスの良い食事」をしていましたし、食べる割合としては野菜の量が非常に多かったです。「肉を食べたら、野菜は倍食べた方が良い」...と大真面目に思っていました。

 

 

 

 

それは、「肉は酸性食品で、野菜のほとんどはアルカリ性食品だ」という考えが影響していたからでもあります。

 

 

 

なので、同じ心配をする人の気持ちはよく分かります。

 

 

 

本記事では、「食品」と「体のpH」の関係について細かくみていきます。

 

 

 

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食品と体のpHは定義が違う

 

 

 

「食品の性質」が、そのまま「体の性質」に影響を与えるのかどうか

 

 

 

 

...という話をする前に、先に理解しておくべき事があります。

 

 

 

健康や栄養の話題では、「酸性」、「アルカリ性」...といった単語が頻繁に登場します。

 

 

 

しかし、「の酸性、アルカリ性」という定義と、「食品の酸性・アルカリ性」という定義は違います。

 

 

 

 

この2つは、以下の様に判断基準が違うので間違えないようにして下さい。

 

 

 

 

体・・・・酸性・アルカリ性(pHで判断する)

 

食品・・・酸性・アルカリ性(pHで判断しない)

 

 

 

 

前者は「pH」で判断しますが、後者は「食品そのもののpH」で判断しているわけではありません(これについては後で説明します)。

 

 

 

で、このうちよく聞くのが「体が酸性化する」という言葉です。

 

 

 

まずは、分かりやすいこちらの説明からします。

 

 

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体のpHは均一ではない

 

 

 

体が酸性かアルカリ性か...の判断は、単純に「pH」で判断します。

 

 

 

この点に関してはシンプルなのですが、注意も必要です。

 

 

 

「〇〇によって体が酸性化する~」...という話はいたるところでされています。しかし、この主張は2通りあります。

 

 

 

 

  • 酸性食品を食べると血液が酸性化する

 

 

 

  • 酸性食品を食べると尿が酸性化する

 

 

 

 

「血液」か「尿」かの違いです。この2つは違いますし、同じように扱うと混乱するので気をつけて下さい。

 

 

 

 

体のpHは全て同じではありません。以下の図を見て下さい。数字が低いと「酸性」、高いと「アルカリ性」です。

 

 

 

『水素と電子の生命 / 著者:生体物理医学者 山野井昇(138p)』より引用

 

 

 

 

 

 

体液の働きによって、「正常なpH」が違います。

 

 

 

 

過去に癌についての記事中で、「乳酸」によって酸性化するとヤバイ...と書いたのですが、それは血液のpHの事です。

 

 

 

 

【注意】癌の本質を理解していないと症状が悪化する治療法を選択します

 

 

 

 

そして、以下が「血液のpH」と「健康状態」です。ちなみに、本の図に記載されている「血液のpH」は、7.36~7.44になっていました。

 

 

 

 

  • pH 7.35 ~ pH 7.45 ・・・正常

 

  • pH 7.3 以下 ・・・ミトコンドリアの機能低下

 

  • pH 7.1 以下 ・・・死の危険

 

 

 

『ナースプレス アシドーシス・アルカローシス』より引用

 

 

 

 

このように、人間が生きていく為には「血液のpH」を、狭い範囲の中で維持する必要があります。

 

 

 

ですが、血液と、尿のpHは別です。

 

 

 

今後、「酸性に傾く」というセリフが出た時は、どこの体液について話しているのかに注目するようにして下さい。

 

 

 

よく「体を酸性に傾ける」と表現されていますが、部位によってpHが違うのに「体のどの部分か」がハッキリ書かれていない文章は多いからです。

 

 

 

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「血液が酸性化する」と「尿が酸性化する」の違い

 

 

 

では次に、よくある「酸性食品によって血液が酸性化する」という意見と、「酸性食品によって尿が酸性化する」という意見の特徴を書いておきます。

 

 

 

 

肉(酸性食品)を食べると血液が酸性化すると主張しているケース

 

 

 

 

  • 断食、ヨガ、玄米菜食、陰陽論を支持している

 

  • 玄米菜食で生じるであろう大量の乳酸による血液の酸性化には触れない

 

 

 

 

ちなみに、彼らは「肉食によって血液がドロドロになる」と語る事が多いです。これは質問をされた読者さんも気にされていたので、ちょっとここで回答しておきます。

 

 

 

「血液ドロドロ」の主な原因は高血糖です。

 

 

 

糖質の多い穀物、野菜、果物の摂取によって起こります。肉は直接は血糖値を上げません。

 

 

 

『横ちゃんのきまま日記 血糖値の上昇が免疫力の低下を招く』より引用

 

萩原 敦さんのFBより転載

 

~血糖値の上昇が免疫力の低下を招く~
(血糖値の数値から客観的な免疫力評価の数値を探る)

 

 

英語圏の文献で、我々の免疫力の客観的な評価をする場合に、lymphocytic index(リンパ球指数)とかphagocytic index(食細胞指数)なる指標を用い、血糖値の上昇値と関連付けて、記述されていることをよく見かける。

 

 

この「食細胞指数」や「リンパ球指数」という言葉自体、我が国ではあまり一般的ではないようです。

 

 

(中略)

 

 

たとえば、

 

 

「血糖値が120を超えると食細胞指数的な免疫力の評価をすると、約75%の免疫力がダウンする。」

 

 

この説は、ライナス・ポーリング博士が、はじめて世に知らしめた説だそうです。

 

 

ポーリング博士も研究に値する人物です。後日、改めて、彼についての言及もします。

 

 

つい先ごろ、比嘉さんという方のFBで、高血糖の赤血球を映像にして投稿されていましたが、その内容は、ひじょうに素晴らしいもので、血糖値が上昇すると、赤血球同士がくっついて、「連携を組み」、血管の中で、あろうことか、「血流をせき止め」、「血流を立ち往生」させることを示していました。

 

 

 

となると、免疫力の要である「白血球(食細胞やリンパ球他)」も「赤血球の通せん坊」にあい、免疫力を発揮できなくなる云々と述べていました。

 

 

 

この血糖値120と言う数値が、血流を悪化させる「赤血球通せん坊」作戦が、効果を発揮し、顕著になる数値(ボーダーライン)なんだろうと思います。

 

 

 

 

そして、「血液がドロドロになる」という定義がこちらに分かりやすく書かれています。

 

 

 

 

『テラヘルツ健康有効波が見つかった!! / 共著:久保田享、荒木賢治』より引用

 

 

 

まず、「サラサラ」や「ドロドロ」とは血液の状態を表している言葉であり、血液をイメージしやすいように作られた表現です。

 

 

テレビや雑誌などのメディアによって、分かりやすい印象を与える言葉として使われたのが始まりです。

 

 

血液が「サラサラ」とは、赤血球の変形能力が高い状態、すなわち正常な赤血球の状態のときのことを指します。

 

 

血液が毛細血管の中に、状態を変形させながら血管の中をスルスルと流れることを意味しています。

 

 

また、血液が「ドロドロ」とは、赤血球の変形能力の低下やその他の原因などにより、毛細血管に血液がスムーズに流れない状態(ルロー状態)を意味します。

 

 

血液がドロドロになると血流が悪くなり、細胞内に酸素不足や栄養不足などが生じて、次のようなさまざまな症状が起きてきます。

 

 

 

・疲れやすい、疲れがとれない

 

・足のむくみがとれない

 

・肩こり、腰痛がひどい

 

・手足の冷えが酷い

 

・寝付きが悪く、よく眠れない

 

・生理痛がひどい

 

・肌あれが続いている

 

・抜け毛が多い

 

・目の充血、クマができやすい

 

 

 

(89~91p)

 

 

 

ここで、「肉食が血液をドロドロにする」可能性についてもお話しておきます。

 

 

 

赤血球の変形機能が正常だと「サラサラ」、機能が低下すると「ドロドロ」です。

 

 

 

この赤血球の変形機能が低下する原因に「マグネシウム不足」があります。

 

 

 

肉を食べると、その代謝にマグネシウムが必要です。

 

 

 

その為、肉を過剰摂取するとマグネシウムが不足します。糖質制限をしている人で、こむらがえりが起きたり、便秘になる事があるのはこの為です。

 

 

 

 

マグネシウムが不足する事によって、赤血球の変形能が低下して、血液がドロドロになる事ならあると思います。

 

 

 

また、赤血球には集まる傾向があります。

 

 

 

マグネシウムが不足すると、この傾向が高まって、より集まりやすくなるのです。こうなると血小板が血栓を作りやすくなります。

 

 

 

 

  • 赤血球の変形能の低下

 

  • 赤血球の凝集能の亢進

 

 

 

 

で、マグネシウムは骨に多く含まれています。

 

 

 

骨を食べずに肉だけを食べれば、マグネシウム不足で血液がドロドロになる...というなら間違いではありません。

 

 

 

しかし、本来であれば動物性食品だけでも摂取できるので、「肉が悪い、動物性食品が悪い」というのは適切ではありません。骨を食べる習慣がない事が問題なので、「動物性食品の全体を食べない事によるマグネシウム不足が悪い」と言うべきです。

 

 

 

 

一応言っておくと、マグネシウムは、「過剰な糖分の摂取」、「食品添加物の摂取」、「重金属曝露」によっても不足します。

 

 

 

つまり、肉を制限していなくても誰がなってもおかしくありません。

 

 

 

 

酸性食品で酸性化するのは尿のpHと主張しているケース

 

 

  • 高尿酸血症、痛風等の対策

 

 

 

 

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酸性食品とアルカリ性食品の定義と歴史

 

 

 

ここまでは、「のpH」についてと、「pHは同じではないので、どこの場所の性質について述べているのか把握するべき」だと説明してきました。

 

 

 

ここからは「食品の酸性・アルカリ性」の定義について説明します。

 

 

 

冒頭でも言いましたが、「体の酸性・アルカリ性」と「食品の酸性・アルカリ性」は判断基準が違うので気をつけて下さい。

 

 

 

食品の性質が、酸性かアルカリ性かは、「食品そのもののpH」ではなくて「含まれているミネラル」で判断しています。

 

 

 

『痛風治療ガイド アルカリ性食品って一体何?積極的に摂るべき理由とは?』より引用

 

 

 

アルカリ性や酸性と聞くと、学校で習ったpH(ペーハー)を連想します。

 

 

 

しかし、アルカリ性食品か酸性食品かの判定は食品そのもののpHではなく、食品に含まれる「ミネラル」が酸性かアルカリ性かで判断します。

 

 

 

つまり、リンや硫黄を含む食品は「酸性」、ナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウムを含む食品は「アルカリ性」となります。

 

 

 

よく「酸性食品の摂り過ぎで血液が酸性になるからよくない」などと聞きますが、それは間違った情報です。

 

 

 

酸性食品やアルカリ性食品を食べたからといって血液のpHがどちらかに傾く事はありません。

 

 

 

しかし、尿は食べる食事内容によってpHが変化します。

 

 

 

尿が酸性に傾くほど尿酸が排泄しにくくなりますので、高尿酸血症の人はアルカリ性食品を積極的に摂る必要があります。

 

 

 

 

「酸性食品」がpHを酸性に傾けるのは、血液ではなく尿だと書かれています。

 

 

 

× 酸性食品は血液のpHを酸性に傾ける

 

〇 酸性食品は尿のpHを酸性に傾ける

 

 

 

 

その「酸性食品」の判断はこうです。

 

 

例えば、梅干を「リトマス試験紙」で調べると赤くなるので、科学的には「酸性」です。

 

 

 

しかし、梅干を燃焼させると、残ったミネラルはアルカリ性を示すので、栄養的には「アルカリ性」になってしまいます。

 

 

 

 

判断基準が違うのなら呼び方をなんとかしろと言いたくなります。実に紛らわしいです。

 

 

 

あえて混乱するような名称や定義のままにしたり、曖昧にしてイメージで語られる事が多いので、インチキ臭いです。

 

 

 

そして、以下が「体内に入ると酸性を示すミネラル」と「体内に入るとアルカリ性を示すミネラル」です。

 

 

 

 

酸性・・・塩素・リン・硫黄

 

 

 

アルカリ性・・・カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム

 

 

 

 

ちなみに、測定方法はこうです。

 

 

 

 

『Wikipedia 酸性食品とアルカリ性食品』より引用

 

測定は、食品を燃やした灰を水中に入れて溶出成分を含む水溶液を調製し、その水溶液のpHを計測する。

 

 

 

「食品そのもののpH」ではなく、「燃やした灰を溶かした水溶液のpH」を測るのです。

 

 

 

この方法で食品を測定するとこうなります。

 

 

 

アルカリ性食品

 

 

野菜(ほうれん草、ゴボウ、サツマイモ、ニンジン、里芋、キュウリなど)、果物(メロンなど)、海藻(ひじき、ワカメ、昆布等)、キノコ、大豆製品、梅干し、牛乳などナトリウム・カルシウム・カリウム・マグネシウムを含む食品

 

 

 

酸性食品

 

 

肉類(豚肉、牛肉、鶏肉など)、魚類、卵、砂糖、穀類(米、酢、小麦等)など
硫黄やリンを多く含む食品

 

 

 

さらに以下のように記述されています。

 

 

 

2010年時の管理栄養士の国家試験を目標とした教科書である『新しい臨床栄養学』の5版では、主に動物性食品を酸性食品に、主に植物性食品をアルカリ性食品に分類している。

 

 

 

肉を悪者にしたい人達が大喜びしそうな分類ですね。

 

 

 

ですが、矛盾もあります。

 

 

 

「砂糖」は乳酸を発生させるから酸性食品の扱いになっています。

 

 

 

女子栄養大学出版部の『酸とアルカリ』では、砂糖は体内で酸性の乳酸を作るという根拠によって酸性食品に分類している。

 

 

 

「乳酸が血液を酸性に傾ける」ということを知っているからこそ、「砂糖」を酸性食品のカテゴリーに入れているのです。

 

 

 

しかし、だとしたら全体的におかしな話になります。

 

 

 

 

ブドウ糖(糖質)を分解する時に、代謝しきれずに生じた燃えカスが「乳酸」です。

 

 

 

「アルカリ性食品」に属しているサツマイモ、ニンジン、里芋も高糖質なので、代謝し切れなければ、乳酸を発生させる食品です。

 

 

 

ちなみに、それぞれの糖質量です。

 

 

 

 

  • サツマイモの糖質・・・100gあたり29.7g

 

  • ニンジンの糖質・・・100gあたり6.5g

 

  • 里芋の糖質・・・100gあたり11g

 

  • ご飯の糖質・・・茶碗一杯(約150g)あたり55g

 

 

 

ご飯ほどではないですが、根菜類は糖質が多いです。

 

 

 

 

それなのに何故、「乳酸=砂糖だけ」みたいな扱いなのでしょうか。

 

 

 

 

乳酸が発生するのは砂糖だけではありません。穀物も、野菜も、高糖質なので、同じ理由で血液を酸性化させる食品です。

 

 

 

この半端な判断基準も胡散臭いです。

 

 

 

そして、「食品の酸性・アルカリ性」の定義の出処がこちらです。

 

 

 

スイスの生理学者、グスタフ・フォン・ブンゲ(ドイツ語版)による、肉を食べると含硫アミノ酸が硫酸に変化し、体組織を酸性にするのでアルカリ性のミネラルを摂取する必要があると主張し、日本でも酸性・アルカリ性の議論が行われるようになった。

 

 

日本では、1990年代には主張を裏付ける実験を引用しないまま、分類は無意味だという主張が重んじられた。

 

 

 

高橋久仁子、左巻健男は、無意味だという説を一般書にて大衆に示してきた。

 

 

 

一方2007年に世界保健機関(WHO)は、タンパク質中の含硫アミノ酸、メチオニン、システインの酸が骨のカルシウムを流出させるため骨の健康に影響を与えるため、カリウムを含む野菜や果物のアルカリ化の効果が少ないときカルシウムを損失させるため骨密度を低下させると報告したし、2010年の日本の管理栄養士の国家試験のテキストはこの分類を掲載している。

 

 

 

医学的な研究は、骨や、高齢者の筋肉量の保存に関わり、尿路結石、痛風との関係を示してきた。

 

 

 

肉に多く含まれている「メチオニン」、「システイン」の酸について書かれています。これがあるから、肉は食品としては「酸性食品」に属することになります。

 

 

 

 

ここで語られている「酸」とは、アミノ酸を分解したの性質、つまり、「食品の栄養的」には酸性ということだと思います。

 

 

 

 

ちなみに、「持っている電荷」によってアミノ酸を分類する時は、以下の3つに分けられます。

 

 

  • 中性アミノ酸

 

  • 酸性アミノ酸

 

  • 塩基性アミノ酸

 

 

 

この分類の方法では、分解する前だからなのか、「メチオニン」や「システイン」は「中性アミノ酸」になっています。

 

 

 

ここで、肉を食べたら酸性食品になるとする根拠の部分を要約しておきます。

 

 

 

 

 

肉に多く含まれている含硫アミノ酸を摂取する

 

 

硫酸に代謝される

 

 

体組織を酸性化させる

 

 

 

次は、問題になっている「含硫アミノ酸」に焦点を当てます。

 

 

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肉に多く含まれている含硫アミノ酸とは

 

 

 

「タンパク質」はアミノ酸が繋がってできています。そのアミノ酸は20種類です。

 

 

 

 

で、「含硫(がんりゅう)アミノ酸」とは、「構造の中に硫黄原子があるアミノ酸」の事です。

 

 

 

 

だから、む・黄・アミノ酸と書きます。

 

 

 

 

例えば、メチオニン、システイン、ホモシステイン等があります。

 

 

 

 

このうち、「メチオニン、システインなどの酸」が骨のカルシウムを流出させる...という事だそうです。

 

 

 

 

『医療法人 弘鳳会 専門医のコラム 牛乳と骨粗鬆症③』より引用

 

 

牛乳は骨粗鬆症をかえって助長!

 

 

タンパク質を構成するアミノ酸の中に、メチオニン・システインなどの含硫アミノ酸があり、動物性タンパク質は植物性タンパク質に比べてこれらの含硫アミノ酸を多く含みます。

 

 

含硫アミノ酸は分解されて最終的に硫酸イオンとなり、体液の酸・塩基平衡を酸性側に傾けるのです。

 

 

 

酸性になった体液をアルカリで中和して酸・塩基平衡を保たなければならず、中和に用いられるアルカリ源はカルシウムです。

 

 

 

体内のカルシウムの99%は骨に存在します。中和にはもっぱら骨のカルシウムが使われることになります。

 

 

 

実際、動物性であれ植物性であれ、タンパク質の摂取量が増えると尿中に排泄されるカルシウムが増えることは、1970年代に行われた代謝実験で報告されています。

 

 

 

こちらは「体液」が酸性化すると書いてあります。どの体液でしょうか。

 

 

 

一方、以下では「尿」が酸性化すると書いてあります。

 

 

 

『コンディショニングのスポーツ栄養学 著者: 樋口満』より引用

 

 

動物性たんぱく質(肉、魚など)には含硫アミノ酸(メチオニンやシステイン)が多く含まれている。

 

 

動物性たんぱく質を大量に摂取すると、アミノ酸の分解により、尿中のリン酸塩、硫酸塩が増加し、尿が酸性化する。

 

 

そのため、カルシウム再吸収が抑制され、尿中カルシウムが増加し、尿路結石や骨粗鬆症などのリスクも高まる。

 

 

 

骨のカルシウムを溶かすのは、体を血液の酸性化から守る為で、体の防衛システムの一種です。

 

 

 

最後は血液が酸性化する事について書かれています。ということは、「尿」と「血液」の両方を酸性化するのでしょうか...。

 

 

 

ハッキリしませんね。

 

 

 

 

血液が酸性化する事によるカルシウムの変化

 

 

 

酸性化するのがどちらなのか曖昧なのですが、

 

 

 

とりあえず、血液が酸性化して、それを中和する流れを説明します。

 

 

 

 

血液が酸性化する

 

 

骨からカルシウム(アルカリ性)を溶かして(脱灰)血液に送り込む

 

 

血液を中和する

 

 

カルシウムは再び骨に戻る(再石灰化)

 

 

 

 

 

「脱灰 = 再石灰化」であれば問題ありません。

 

 

 

しかし、度が過ぎると不具合が起きます。

 

 

 

ずっと酸性だと、「脱灰 > 再石灰化」状態になります。

 

 

 

すると、大量のカルシウムが血液に留まり慢性化します。そうなると、骨のカルシウムは減りますし、さらには溶けたカルシウムが血管に付着して「動脈硬化」の原因になります。

 

 

 

 

そして、それ以外にも様々な慢性疾患の原因になります。酸性化するのは良くありません。

 

 

 

 

ただし、この理屈は、あくまでpHを7.35 ~  7.45に保たなければならない「血液」が酸性化した場合の話です。

 

 

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どこを酸性化するのかが曖昧

 

 

 

「含硫アミノ酸」を分解してできた「硫酸」は、血液によって運ばれる物質の一つなのですが、それで血液が酸性化する...という部分の具体的な説明はみつかりません。

 

 

 

「硫酸」について書かれている事は、例えば以下です。

 

 

 

『よくわかる生理学の基本としくみ / 著者:札幌医科大学 医学部教授 當瀬規嗣』より引用

 

 

 

ゴミは水に溶かして

 

 

 

細胞が出す代表的な代謝産物には、酸素の消費の結果出てくる二酸化炭素のほか、タンパク質やアミノ酸を分解することで生じる尿素や硫酸など、それに、DNAやATPなどに使われる核酸を分解して生じる尿酸などがあります。

 

 

これらの物質は、細胞から血液に出されてきます。

 

 

したがって、ゴミは、血液によって体中から回収されているわけです。

 

 

血液は、なんと、ゴミ収集車の役わりをしているのです。

 

 

血液は、あくまで収集をしているだけなので、どこかに捨てなければなりません。

 

 

一つのゴミ処理場は、肺です。ここで二酸化炭素がだされることを、第3章でお話しました。しかし、他の物質は、気体にならないので、肺からは出ません。

 

 

気体にならないゴミを除去するのが、腎臓の役わりです。つまり腎臓は、血液専用の浄化装置だということです。

 

 

 

(101~102p)

 

 

 

「細胞の代謝産物」がゴミ扱いである事と、その行方が説明されています。

 

 

 

「硫酸」が血液によって回収されることは確かですが、それによって血液が酸性化する...といった記述は見当たりません。

 

 

 

 

結果的に尿として排泄するから、血液のpHが影響を受けないのかもしれません。

 

 

 

『Wikipedia 尿』より引用

 

 

尿は血液中の不要物や有害物、新陳代謝の老廃物などを体外へ捨てるために腎臓で濾過されて生産される。

 

 

 

このため、身体状態を反映して水素イオン指数 (pH) や成分が変化することが知られており、内科の診断では主要な検査対象となる。

 

 

 

血液やリンパ液、組織液、細胞液などのpHは、ホメオスタシス(恒常性維持機能)によって通常pH7.4±0.05に維持されている。

 

 

 

一方、尿は体液ではないため、pHはある程度の範囲で変動する。

 

 

 

体内からミネラルを補充したり、尿に余分なミネラルを排出することで血液や体内のpHが保たれているので、骨や尿は摂取する食品の影響を受ける。

 

 

 

尿はpH4.4~8.0の範囲で変化する。

 

 

 

尿は体液ではない...ということは、酸性化するのが「体液」と記述されている場合は、「血液」の事だと受け取るべきなのでしょうか?

 

 

 

以下は、食べ物のpHは、血液には影響しないと書かれています。

 

 

『緑の中の小さな家 (Pure Food Pure Body) 『肉を食べたら、体が酸性になる』 のうそ』より引用

 

 

食べ物のPHは尿のPHには影響するが、血液のPHには影響しないのです。

 

 

血液のPHを一定に保っているということは、人間の体にとって非常に大切なことなのです。

 

 

もし、血中PH バランスが、正常値から外れてしまったら、あなたの細胞は動きを止めてしまい、すぐに死に向かってしまうのです。それゆえ、体はいくつものメカニズムを駆使して、体のPHバランスを制御しているのです。このことは、酸塩基恒常性と呼ばれています。

 

 

 

こういうわけで、幸運にも、私たちが食べる食べ物で、血液のPHバランスを変えるなんてことができるわけないのです。つまりは、食べ物は、血液のPHを変えることができない、以上!って感じですね。

 

 

 

でも、食べものは尿のPHを変えることができます。

 

 

 

それは、逆に、血液のPHを一定に保つために、体の制御システムが働き、尿から、余計な酸性物質を出しているからなのですね。

 

 

 

大きなステーキを食べて、数時間後には、体は、酸性物質を体のシステムないから排除するために、いつもより多くの酸性物質を尿から出しているであろうと考えられます。

 

 

 

言われていることとしては、尿のPHというものは、体全体的なPHバランスや、健康度を図るのには、ほとんど、指標にならないということです。

 

 

 

尿のPHというのは、食べ物だけではなくて、非常にたくさんの要因で変化するものなのです。

 

 

 

 

 

ここまでをまとめます。

 

 

 

  • 「食品の性質」によって酸性化するのは、「血液」ではなく「尿」

 

 

  • 「血液のpH」は、「食品の性質」によって左右されず、恒常性維持機能でコントロールされている

 

 

  • 「含硫アミノ酸」を代謝した時に発生する「硫酸」は体液を酸性化させるが、それがどこか曖昧

 

 

 

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含硫アミノ酸に関する情報は少ない

 

 

 

「肉を食べると酸性化する」...という話は、

 

 

 

「どこが酸性化するのか」という事と、「含硫アミノ酸」がポイントだと思います。

 

 

 

 

しかしながら、もっと具体的に書かれている情報が今のところ見つかりません。

 

 

 

 

ネットで検索すると、同じような事を書いている記事がいくつか見つかったのですが、「情報量」や「曖昧さ」や「話の流れ」が似ているので、元ネタが同じ可能性があります。

 

 

 

 

「どこが酸性化するのか」の説明は、紹介したように、情報源によってバラバラです。

 

 

 

また「含硫アミノ酸」と、分解して生じた酸についての情報はもっと少ないです。

 

 

 

 

Wikipediaにも、「含硫アミノ酸」についての記述はほとんどありません。なので、それを分解した成分の性質について探すのはもっと難しいです。

 

 

 

Wikipedia 含硫アミノ酸

 

 

 

 

今のところ、私が持っている生化学の本、図書館で借りた本を探してみても、「含硫アミノ酸の分解」について詳しく書かれていませんでした。

 

 

 

もっと難しい本や英語の情報なら書いてあるのかもしれませんが...。

 

 

 

 

私としては、もう少し具体的な事が知りたいです。

 

 

 

 

ただし、無駄に複雑な文章はインチキを誤魔化している可能性が高いので、「新聞が読める人であれば誰でも理解できる文章」で書いてある事が条件です。

 

 

 

 

 

「含硫アミノ酸は良くない」と主張している人達は、この状況で、一体どうやって元の情報を得たのか謎です。

 

 

 

多くの人が、軽々しく「肉は酸性食品だから食べ過ぎないようにしよう」と言っているので、もっと簡単に手に入る情報だと思っていました。

 

 

 

また、疑問もあります。

 

 

 

何故、20種類あるアミノ酸のうち、「含硫アミノ酸」を分解して生じた酸だけが強調されているのでしょうか?

 

 

 

アミノ酸は「含硫アミノ酸」だけではありません。

 

 

 

当然、肉を食べたら「含硫アミノ酸」以外のアミノ酸も食べる事になります。

 

 

 

 

「他のアミノ酸」が分解された後の性質はどうなるのかが気になります。

 

 

 

 

仮に「他のアミノ酸」が分解された時に、酸性ではなくアルカリ性だったら、「含硫アミノ酸」で生じる酸を中和できる事になります。

 

 

 

 

憶測ですが、「含硫アミノ酸」を分解して生じた酸だけが強調されるという事は、それ以外のアミノ酸を分解しても、そのような性質がないのかもしれません。

 

 

 

 

私はよく分からないものは無理に結論を出さない事にしています。

 

 

 

詳しい情報がなかなか手に入らないので、結論は先延ばしになりそうです。

 

 

 

「含硫アミノ酸」のデメリットについては、分かり次第書き加えていきます。

 

 

 

 

ただし、これで終わりではありません。

 

 

 

 

「動物性食品」の大量摂取に不安があったり、「高タンパク質」に抵抗がある人は多いので、現時点で分かる範囲で、この食生活が安全なのかどうかを、別の視点から考えてみます。

 

 

 

酸性食品の動物性タンパク質によって骨粗鬆症になる説の真相と、含硫アミノ酸のメリットへ続く

 

 

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虚弱体質とか、大病をしたことがない人でもなる身近な疾患があります。

 

 

 

「花粉症」や「アトピー性皮膚炎」等のアレルギーです。

 

 

 

なんと、日本人の3人に1人が何らかのアレルギーだそうです。

 

 

 

たかがアレルギー...と軽く考える方もおられるかもしれませんが、これは免疫システムの異常なので立派な病気です。

 

 

 

何故、近年こんなにアレルギーの人が増えてきたのかその理由を知るためには、アレルギーがどんなものなのか知っておく必要があります。

 

 

 

 

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アレルギーは免疫システムの異常

 

 

 

体には「免疫 めんえき」と言う仕組みが備わっています。「免疫」とはシステムの事で、イメージは防衛軍です。

 

 

 

「免疫」は、体に外敵(異物)が入って来たときに、それを「自分ではない異物だ」と認識してから攻撃をして体を守ります。

 

 

 

  • 外敵と自分の組織を正しく区別する

 

  • 外敵を攻撃して守る

 

 

 

免疫の仕組みについては、以下の記事で述べました。

 

白血球と免疫の仕組みについて分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

そして、外敵を攻撃すると「炎症」と言われる反応が起きます。

 

 

 

「免疫」と「炎症」の違いは、「防衛軍」と「国を守る本土決戦による戦火」です。

 

 

 

 

免疫・・・防衛軍(守るシステム、能力)

 

炎症・・・戦火、戦闘(状態、反応)

 

 

 

 

炎症のパターンはこちらです。

 

 

 

  • 赤くなる

 

  • 腫れる

 

  • 熱くなる

 

  • 痛い

 

  • 動かせない等

 

 

 

 

このシステムが正常に働いていれば、体にとって頼もしい存在です。

 

 

 

しかし、この防衛軍が何らかの理由でおかしくなってしまうことがあります。そうなったら頼もしい防衛軍が自国にダメージを与えてしまうのです。

 

 

 

 

そして、免疫システムがおかしくなるパターンには「自己免疫疾患 じこめんえきしっかん」と、「アレルギー」があります。

 

 

 

この2つは違います。

 

 

 

「自己免疫疾患」は、「自己」と「非自己」の認識がうまくできなくなって、自己を構成する物質を「外敵(抗原)」と勘違いして攻撃をしてしまう疾患です。

 

 

免疫が「これは異物だな(自分じゃないな)」と判断して、敵として攻撃するので、体はダメージを受けます。

 

 

 

「慢性関節リウマチ」や、「膠原病」等です。

 

 

 

 

「膠原病 こうげんびょう」の話をすると、「高い所でなるやつ?」と聞かれることが多いです。それは、「高山病 こうざんびょう」です。

 

「膠原」とはコラーゲンのことです。そして、膠原病とは全身に炎症が起こる病気で、世間では、難病ということになっています。本当は糖質の過剰摂取が主な原因なのですが、それを無視しているので、原因は分かっていない...とされています。

 

 

以下の記事に膠原病について書いています。

 

 

炎症と自己免疫疾患について分かりやすく説明してみた

 

 

 

以上が「自己免疫疾患」です。

 

 

 

「アレルギー」は、「自己」と「非自己」の認識には問題がありません。攻撃対象は「自己」ではなく、外敵です。

 

 

 

ただし、外敵に対して過剰に反応します。それによって、体に不都合が起こるのです。

 

 

 

 

「気管支ぜんそく」、「アトピー性皮膚炎」、「花粉症」等です。

 

 

 

 

以下が「アレルギー」と「自己免疫疾患」の違いです。

 

 

 

  • 自己免疫疾患・・・自己と非自己の認識が狂う、自己を攻撃

 

  • アレルギー・・・・・・・自己と非自己の認識は正常、外敵を過剰に攻撃

 

 

 

 

本記事のテーマは「アレルギー」ですので、後者についての話になります。

 

 

 

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アレルギーに関わる細胞

 

 

アレルギーのメカニズムについてお話する前に、関係する細胞を紹介します。

 

 

 

 

 

 

マクロファージ

 

 

「マクロファージ」は、白血球の「単球」が成長した姿の1つです。

 

 

 

 

 

「マクロファージ」は、外敵を見つけると、食べることで処理します。これを「貪食 どんしょく」とか「食作用」と言います。

 

 

さらに、取り込んだ敵の情報を「ヘルパーT細胞」に伝える役目も果たします。

 

 

 

 

樹状細胞

 

 

白血球の「単球」から成長したのが「樹状細胞 じゅじょうさいぼう」です。

 

 

 

 

外敵を取り込んで、その情報を「ヘルパーT細胞」に伝えます。マクロファージと似ていますが、情報を伝達する能力はこの樹状細胞の方が優れています。

 

 

なので情報屋です。

 

 

 

顆粒球

 

 

「顆粒球」は顕微鏡で見ると、多くの顆粒があります。

 

貪食能力を持っていて、3タイプあります。

 

 

 

 

 

 

 

肥満(マスト)細胞

 

紛らわしいことに、太いからこの名前がついているのですが、「肥満」とは全く関係ない細胞です。

 

 

ではどんな細胞なのかというと、大きな特徴がこちらです。

 

 

 

 

細胞の表面には「IgE」という「抗体」の定常部と結合する「受容体(レセプター)」がたくさんあります(※「IgE」、「抗体」については後で詳しく説明します)

 

 

 

 

「受容体」とは、何らかの刺激を受け取る「受信機」みたいなものです。

 

 

 

 

そして、肥満細胞の中には「化学物質を含んだ顆粒」がたくさん入っています。異物を見つけると、顆粒中の化学物質を放出して排除しようとします。

 

 

 

ちなみに肥満細胞が放出する物質はこちらです。

 

 

 

『慢性膀胱炎・間質性膀胱炎・膀胱頚部硬化症 マスト細胞(肥満細胞)の存在意義』より引用

 

 

1.ヒスタミン

 

アレルギー反応に関与する代表的刺激成分。血管透過性を高め、いろいろな血液中の成分を漏れ出させる作用があります。風邪薬にはヒスタミンの作用を抑える抗ヒスタミン剤が一般的に含まれています。また膀胱などの内臓の平滑筋を収縮させる作用もあります。

 

 

2.ヘパリン

 

血液をサラサラにする成分。赤血球・白血球やリンパ球が血小板の作用で固まらないようにしています。血液透析の際に、血液が固まらないように回路の中に注入される薬剤として有名。

 

 

3.プロスタグランディン

 

炎症物質としては有名な成分。血管拡張作用と赤血球柔軟作用があります。消炎鎮痛剤は、この成分を抑制する働きで、痛みを抑えます。消炎鎮痛剤で急性胃炎や胃潰瘍の副作用が有名ですが、プロスタグランディンの働きを抑えることで毛細血管の流れを悪くして胃粘膜細胞の血液栄養供給が低下するからです。

 

 

4.サイトカイン

 

アレルギー反応や免疫システムに関与する様々な細胞(リンパ球)の働きの強さと期間を調節し、情報交換を媒介するための成分です。物質的には、ホルモン様低分子タンパク質です。

 

IL(インターロイキン)-3:造血前駆細胞の促進

 

IL-4:B細胞の活性化

 

IL-5:B細胞の分化増殖、好酸球の分化増殖

 

IL-6:B細胞の分化増殖、発熱

 

IL-10:マクロファージ活性の抑制

 

IL-13:B細胞の分化増殖

 

I-309:好中球・マクロファージ・血管平滑筋細胞の遊走と活性化

 

GM-CSF(マクロファージコロニー刺激因子)

 

TNF-α(腫瘍壊死因子):好中球遊走、細胞接着因子活性化

 

 

 

5.ケモカイン

 

白血球やリンパ球の遊走を促す作用のある成分がケモカインと呼ばれ、サイトカインに分類される場合もあります。

 

CXCL-8(旧名IL-8):好中球遊走・活性化

 

 

 

 

 

この肥満細胞の他の特徴が以下です。

 

 

  • 造血幹細胞由来の血球系細胞

 

 

  • マクロファージや樹状細胞のように血管の周りや、粘膜など、いろんな組織に存在している。

 

 

  • 「蕁麻疹」はこのマスト細胞の活性化が原因

 

 

 

ナチュラルキラー(NK)細胞

 

 

 

 

体をパトロールして、敵を発見したら、自分の判断で攻撃します。

 

 

 

T細胞

 

免疫システムの特殊部隊で、知的な働きをします。

 

「T細胞」は数種類あって、それぞれ役割が違います。

 

 

 

 

 

  • 免疫の司令官・・・ヘルパーT細胞

 

  • 免疫のスナイパー・・・キラーT細胞

 

  • 免疫のストッパー・・・サプレッサーT細胞

 

 

 

ちなみに、「ヘルパーT細胞」も何種類かあります。

 

 

 

 

B細胞

 

 

 

 

 

「B細胞」は、特定の敵に効く「抗体 こうたい」というミサイルを作る工兵です。

 

 

これを「T細胞」の指令で製造します。

 

 

ここからは、このB細胞が作る「抗体」について説明します。これがアレルギーに関わっているからです。

 

 

 

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抗体を産生するB細胞とは

 

 

抗体は、「B細胞」が分化してできた「形質細胞」が造ります。

 

 

 

 

 

 

「B細胞」について簡単に説明します。

 

 

 

 

血液は、液体である「血しょう」と、「赤血球」、「白血球」、「血小板」にわけられます。

 

 

 

 

 

「白血球」の一種が「リンパ球」です。

 

 

 

 

 

 

で、リンパ球の一種が「B細胞」です。

 

 

 

 

 

 

 

「B細胞」は、「ヘルパーT細胞」の指令を受けて、「抗体」を使って、異物を捕獲して攻撃します。

 

 

 

 

作られた「抗体」は、対になる外敵とくっつきます。そして外敵を沈殿・凝縮させるのです。

 

 

 

 

このように、抗体と敵(抗原)が結合すると、それが目印となって、マクロファージが強力に食べようとします。このように食細胞の食欲を促す働きを「オプソニン化」と言います。

 

 

 

 

というわけなので、武器とはいっても、「抗体」が直接敵を破壊(分解)するわけではありません。

 

 

 

 

 

「抗体」は、水に溶けやすいタンパク質で、血液中や体液中に存在しています。

 

 

 

なので、これを「体液性免疫 たいえきせいめんえき」と言います。

 

 

 

これに対して、「キラーT細胞」は、「抗体」を使わず細胞が直接異物を攻撃します。これを「細胞性免疫 さいぼうせいめんえき」と言います。

 

 

 

  • B細胞・・・抗体を使用=体液性免疫

 

  • キラーT細胞・・・細胞が直接攻撃=細胞性免疫

 

 

 

前者は武器を使った攻撃、後者は武器を使わない攻撃のイメージです。

 

 

 

ちなみに、「B細胞」の「B」とは、骨髄(Bone Marrow)で分化する・・・という意味です。一方、「T細胞」の「T」は、胸腺(Thymus)です。

 

 

次に「抗体」について解説します。

 

 

 

抗体の構造

 

 

 

外敵や自己の成分ではない物質のことを「抗原 こうげん(アレルゲン)」と言います。

 

 

 

「抗原」には、細菌、ウイルス、カビ、そして、本来体に害がない物質である花粉、食品...等があります。

 

 

 

外敵、非自己 = 抗原

 

 

 

そして、体に抗原が入ってきた時に、対抗して体を守ろうとする物質のことを「抗体 こうたい 」と言います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別名は「免疫グロブリン immunoglobulin(イムノ グロブリン)」で、「Ig(アイジー)」と略されます。

 

 

 

 

抗体 = 免疫グロブリン = Ig

 

 

 

「抗体」は、リンパ球の一種「B細胞」が造る「誘導ミサイル」です。

 

 

 

侵入してきた「抗原」のタンパク質の立体構造を原形にして作られます。

 

 

 

 

この抗体(免疫グロブリン)はつの部品でできています。ここでは、「IgG」という抗体を例にします。

 

 

 

 

 

 

 

 

「H鎖」と呼ばれる長いペプチド鎖と、「L鎖」と呼ばれる短いペプチド鎖が2本ずつです。

 

 

全体は「Y」の形をしています。

 

 

抗体は、「糖タンパク分子」です。

 

 

 

  • H鎖 Heavy Chain 重鎖)

 

  • L鎖 Light Chain 軽鎖)

 

 

また、上の部分は「可変部 かへんぶ」、下の部分を「定常部 ていじょうぶ」と呼びます。

 

 

 

 

 

 

抗原と結合するのは「可変部」です。

 

 

 

 

 

「可変部」は、抗体ごとにアミノ酸配列が異なります。

 

 

 

この部分は多様性があります。「抗原」の形とかみ合うような構造で、鍵と鍵穴の関係に例えられます。

 

 

 

従って、1つの抗体が、形の合わない抗原と結合することはありません。

 

 

 

 

 

 

この仕組みのおかげで、誘導ミサイルのように「狙った抗原」をピンポイントで攻撃できるのです。これを「抗原抗体反応」と言います。

 

 

 

 

そして、「抗体」の下の「定常部」は、「食細胞」や「肥満細胞」に結合する部分です。

 

 

 

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抗体の働きと種類

 

 

 

「抗体」の働きはこちらです。

 

 

 

  • オプソニン化・・・抗原にくっついて、食細胞の食欲を促す

 

  • 抗原の中和(無毒化)・・・抗原の周りを取り囲んで、毒素を中和する

 

  • 補体を活性化して細菌の細胞膜を破壊する

 

  • 炎症

 

 

 

 

抗体の「可変部」はオーダーメイドなので、「ペアになる抗原」ごとにバラバラです。

 

 

そして、このような違いとは別に、抗体(Ig)には種類があります。

 

 

人間の抗体は種類です。

 

 

 

  • IgM(アイジー・エム)

 

  • IgA(アイジー・エー)

 

  • IgG(アイジー・ジー)

 

  • IgD(アイジー・ディー)

 

  • IgE(アイジー・イー)

 

 

 

抗原が体内に侵入した場合、最初に「IgM」が作られて対応します。

 

 

粘膜では「IgA」が、粘膜以外の部分では「IgG」が戦います。この2つがメインとなって抗原の中和(無毒化)を担当します。

 

 

「IgD」は、B細胞表面に存在しているのですが、その役割はまだよく分かっていません。

 

 

そして、「アレルギー」の主役とも言える「IgE」が炎症を起こして戦います。この現象には「肥満細胞」が関わっています。

 

 

 

 

ちなみに「IgE」の量は、有名なわりに、抗体の中でも少ないです。

 

 

 

それぞれの性質を簡単にまとめます。

 

 

 

なお、イラストの細かい部分は諸説紛々としており、どれが正しいのか分かりません。その為、一番シンプルなものを採用しました。かなり簡略化しているので、ご了承下さい。なお、「IgD」、「IgE」、「IgG」は同じ形をしているように描かれたものが多いので、ここでも同じようにしました。

 

 

 

 

 

 

Ig M

 

 

 

 

 

「IgM」の特徴が以下になります。

 

 

  • 免疫グロブリンの中で最も分子量が大きい

 

  • 5つ結合しているので捕獲力が強い

 

 

  • 「IgM」は、抗原が侵入した時に最初に作られる抗体

 

  • 「B細胞」の受容体として働く

 

  • 「T細胞」の指示がなくても分泌

 

  • 赤ちゃんが始めて作れるようになる抗体

 

 

 

 

Ig A

 

 

 

 

 

粘膜に抗原が侵入した場合、この「IgA」が抗原と戦います。

 

 

特徴は、抗原(外敵)を鼻水、涙、痰等でなんでもくるんで外に出すことです。ここが、特定の敵に反応する「IgE」抗体と違います。

 

 

 

 

この「IgA」抗体がたくさんあって、粘膜で抗原を防ぎきることができれば、アレルギーの主役である「IgE」が働く機会が減るので、炎症が発生しにくくなります。

 

 

逆に「IgA」が少ないと、抗原のさらなる侵入を許してしまうので、「IgE」の仕事を増やします。つまり、アレルギーの症状が酷くなります。

 

 

 

ちなみに、「IgA」が作られる為には「ビタミンA」が必要です。

 

 

 

「IgA」の特徴が以下になります。

 

 

  • 「血清型IgA」と、「分泌型IgA」の2つある

 

 

  • 分泌型は、血液中より粘膜の分泌液(気管支分泌液、唾液、涙、鼻汁、腸管分泌液、前立腺液、腟分泌液)に多く含まれていて、細菌などの侵入を防いでいる

 

 

  • 母乳の主な免疫物質

 

 

  • 腸に多く存在しているので、腸粘膜に不調があると「IgA」が減少する。その結果、普段何も起こらない食材にアレルギー反応が起こったり、下痢になったり、風邪をひきやすくなったりする

 

 

Ig G

 

 

 

 

 

「IgG」の特徴が以下になります。

 

 

  • 「IgM」よりも遅れて産生される

 

  • 「T細胞」の指示がないと作れない

 

  • 血液中の抗体の中で最も数が多い

 

  • 細菌や毒素と結合する能力が高い

 

  • 血中に留まる時間が長い

 

  • 抗体の中で唯一胎盤を通過できるので胎児に移行し、赤ちゃんの免疫が発達するまで守る

 

  • 「オプソニン化」や「中和」の作用が強い

 

 

 

 

Ig D

 

 

 

 

 

「リンパ球」表面に「受容体」として存在しています。

 

 

詳しくは、まだよく分かっていないそうです。

 

 

 

 

IgE

 

 

 

 

 

「花粉症の検査」で測定するのが「IgE」の血中濃度です。

 

 

「IgE」の特徴が以下になります。

 

 

  • 非常に量が少ない抗体

 

  • 気道、消化管粘膜、リンパ節等で作られる

 

  • 花粉症、アトピー、気管支喘息に関わっている抗体

 

  • 「IgE」が作られると、「好塩基球」や「肥満細胞(マスト細胞)」に結合してアレルギー反応を起こす

 

  • 寄生虫を防御すると考えられている

 

 

 

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アレルギーの種類

 

 

アレルギーに関わる細胞や、抗体についてお話したので、ここからはアレルギーの仕組みについて説明します。

 

 

 

アレルギー反応はタイプあります。

 

 

 

異物が侵入してから数分~8時間以内に起こるものを「即時型 そくじがた」、24時間以上経ってから起きるものを「遅延型 ちえんがた」と言います。

 

 

 

 

  • 即時型・・・数分~8時間以内で起こる

 

  • 遅延型・・・24時間以上経って起こる

 

 

 

花粉症や気管支喘息等、アレルギーの多くは「即時型」です。そして、これには「IgE」が関わっています。

 

 

 

ちなみに、食物アレルギーは「即時型」と「遅延型」があり、前者は「IgE」が関わっていて、後者は「IgG」が関わっています。

 

 

 

それだけでなく、「アレルギー」は、アレルギーが起こるメカニズムごとに、大きくⅠ~Ⅴの型に分けられています。

 

 

 

「即時型アレルギー」はⅠ~Ⅲに分類され、「遅延型アレルギー」はⅣ型になります。

 

 

 

V型は、Ⅱ型アレルギーの特別な形なので、Ⅱ型に含む場合もあります。

 

 

 

 

 

  • Ⅰ型アレルギー・・・(即時型  アナフィラキシー型)

 

 

  • Ⅱ型アレルギー・・・(細胞障害型 細胞融解型)

 

 

  • Ⅲ型アレルギー・・・(免疫複合体型 Arthus型)

 

 

  • Ⅳ型アレルギー・・・(遅延型 細胞性免疫 ツベルクリン型)

 

 

  • Ⅴ型アレルギー・・・(刺激型)

 

 

 

一般的に多くの人が「アレルギー」と呼んでいるのは、Ⅰ型のアレルギーの事です。

 

 

 

というわけなので、この分類でいくと「花粉症」や「蕁麻疹」は、「Ⅰ型アレルギー」になります。

 

 

 

 

ちなみに、「アトピー性皮膚炎」は、Ⅰ型とⅣ型の混合です。

 

 

 

そして、最初に説明した「自己免疫疾患」が、「アレルギー(Ⅱ、Ⅲ型)」に分類されることがあります。

 

 

 

「抗体の種類」といい、「アレルギーの型」といい、複雑になっているので、このへんで混乱して読むのを止めてしまう方もいるかもしれません。

 

 

 

なので、ここでもっとシンプルに考えましょう。

 

 

 

『アレルギーの9割は腸で治る クスリに頼らない免疫力のつくり方 / 著者:藤田紘一郎』より引用

 

 

 

みなさんのなかには「アレルギーという言葉はさまざまな症状に使われて、使い方が混乱している」と思っている人が多いと思います。

 

 

 

確かに各種アレルギーはそれぞれ、原因となる物質や、症状の現われる場所が異なります。そういう意味では、個々のアレルギー病は別の病気のように見えます。

 

 

けれども、アレルギーが起こる仕組みは、実は全部同じなのです。

 

 

 

たとえるなら、お茶のようなものです。

 

 

 

お茶の木そのものは1種類で、その葉っぱが製法によって緑茶になったり、紅茶になったり、烏龍茶になったりします。

 

 

 

もちろん一口にお茶の木といっても、植物分類学的には多くの種類がありますが、「緑茶の木」とか「紅茶の木」といった木はありません。

 

 

 

それと同じで、アレルギーにはいろいろな種類・症状がありますが、「人間の体内で起こっていること」自体は同じなのです。

 

 

(4~5p)

 

 

アレルギーを「木」、原因物質や症状を「葉っぱ」に例えています。

 

 

アレルゲンという「葉っぱの製法」が違うだけで、アレルギー反応が起こるメカニズムは同じです。

 

 

 

従って、「葉っぱ」にあたる何かのアレルギーがある人は、別のアレルギーを持っていることは珍しくありません。

 

 

 

本質である木そのもを解決する必要があるのです。

 

 

 

 

ちなみに、私も「ブタクサ」のアレルギーだけでなく、「ハウスダスト」、「シカカイ(ハーブ)」のアレルギーがあります。

 

 

 

このうち治ったのは「ブタクサ」だけです。

 

 

 

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Ⅰ型のアレルギー

 

 

Ⅰ型アレルギーは、液性免疫なので「抗体」が関わっています。「IgE」抗体です。

 

 

 

抗原と接触してから数分~1時間半以内に症状がでます。

 

 

まず、抗原が始めて体内に侵入します。

 

 

 

抗原は「樹状細胞」などに取り込まれて、その情報が「ヘルパーT細胞」に伝えられます。

 

 

 

 

「ヘルパーT細胞」は、抗体を作る働きのある「B細胞」に指令を出します。

 

 

 

 

情報を元に、「形質細胞」がその抗原に合った「IgE」抗体を作ります。

 

 

 

 

 

次に、その「IgE」抗体は、粘膜などに存在する「肥満細胞」に結合します。

 

 

 

 

 

これを「アレルゲンに感作された状態」と言います

 

 

 

 

ここからは、同じ抗原の2回目以降の侵入となります。

 

 

 

ノコノコと抗原が侵入してきて、「肥満細胞に結合したIgE抗体」に結合します。

 

 

 

 

 

 

それが引き金となって、「肥満細胞」は顆粒を放出します。

 

 

 

 

 

 

顆粒の中にあるヒスタミン等の化学伝達物質がばら撒かれることによって、周囲の組織は以下のような状況になります。

 

 

 

  • 血管透過性の亢進

 

 

 

  • 気管支平滑筋の収縮

 

 

 

  • 粘液分泌の亢進

 

 

 

これが「Ⅰ型アレルギー」の流れになります。

 

 

 

アレルギー体質の人は、「IgE」を作りやすく、肥満細胞の細胞膜上にたくさんの抗体を持っているようです。

 

 

 

 

ちなみに、即時型フードアレルギーは、Ⅰ型です。

 

 

 

 

Ⅱ型のアレルギー

 

 

 

Ⅱ型アレルギーは、「自分の細胞を破壊してしまうアレルギー」です。

 

 

液性免疫なので「抗体」が関わっています。抗体の種類は「IgM」と「IgG」です。

 

 

 

正常であれば、免疫は自分の細胞を攻撃しません。

 

 

薬剤や感染等が原因で、細胞や組織を抗原として認識し、それに対して抗体(IgMとIgG)が生産されてしまいます。その結果、自分の細胞を攻撃します。

 

 

 

 

「自己の細胞表面」が抗原と認識されて、そこに抗体が結びつく

 

 

それを「好中球」や「マクロファージ」が攻撃して傷つける

 

 

 

 

その為、細胞傷害型アレルギーと呼ばれます。

 

 

反応は急性なので即時型です。

 

 

 

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Ⅲ型のアレルギー

 

 

Ⅲ型アレルギーは、液性免疫なので「抗体」が関わっています。

 

 

「体液に溶けた抗原(可溶性抗原 かようせいこうげん)」と、「IgG」と、「補体」の反応で起こるアレルギーです。

 

 

 

 

「抗原抗体複合体」に「補体」が結合します。それが目印となって「食細胞」が処理をします。

 

 

しかし、この「免疫複合体」が、持続的な感染や、自己免疫疾患などによって過剰に作られると問題が起きます。

 

 

「免疫複合体」の量が食細胞の処理能力を上回ると、生体内を移動して、それが組織や臓器に沈着します。

 

 

 

それが原因で、肥満細胞を刺激します。

 

 

 

すると、その場所で、肥満細胞から化学伝達物質が放出されてアレルギー反応が起きます。

 

 

 

その為、免疫複合型アレルギーと呼ばれます。

 

 

反応は即時型です。

 

 

遅延型フードアレルギーはこのⅢ型です。

 

 

 

 

Ⅳ型のアレルギー

 

Ⅳ型アレルギーは、細胞性免疫なので、「抗体」は関わっていません。

 

 

このアレルギーは、司令官である「T細胞」や、「マクロファージ」が関わっています。

 

 

「T細胞」が放出する「サイトカイン」が、マクロファージを活性化し、炎症を起こします。

 

 

これは「T細胞」の活性化に時間がかかるため反応が遅いので「遅延型」です。

 

 

ツベルクリン反応はⅣ型です。

 

 

Ⅴ型のアレルギー

 

 

自分の組織や細胞を「抗原」と認識してしまうⅡ型アレルギーの特殊な形がⅤ型アレルギーです。

 

 

Ⅱ型との違いは、「抗原」がホルモン等の受容体(レセプター)であることです。

 

 

 

受容体が抗原になる + 抗体

 

 

 

そして、Ⅱ型は細胞傷害型アレルギーでしたが、

 

 

 

Ⅴ型は細胞の機能を低下、あるいは亢進させます。前者は「重症筋無力症」、後者は「グレーブス病(バセドウ病)」です。

 

 

 

刺激型アレルギーとも呼ばれます。

 

 

 

 

Ⅰ型アレルギーの花粉症

 

 

アレルギーの種類について色々と説明してきましたが、多くの人がなっているのがⅠ型の花粉症だと思います。

 

 

次はこの花粉症の原因や対策についてお話します。

 

 

重度の花粉症の人も糖質制限や栄養療法で改善できる

 

 

 

 

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血液に含まれている「白血球 はっけっきゅう」は、アメーバー状の細胞です。

 

 

 

 

この白血球が、防衛軍のように、身体を外敵から守っています。

 

 

 

このように言うと大げさな表現だと思われるかもしれませんが、実際に、身体は常に外敵にさらされているのです。

 

 

 

その証拠に、生体が死ぬと、死後数日で腐敗します。

 

 

 

何故、腐敗するのか...

 

 

 

それは、この世は細菌や病原体などの外敵だらけだからに他なりません。

 

 

 

もし防御システムが無かったら、すぐに細菌が増殖し、腐敗します。

 

 

 

生きている生体が腐らないのは、細菌や病原菌などの外敵から身を守るシステムが絶えず働いているからなのです。

 

 

 

この防衛システムの事を「免疫反応 めんえきはんのう」と言います。

 

 

 

そして、免疫システムの主役が「白血球」です。

 

 

 

本記事では、白血球の特徴や、免疫のシステムについて説明していきます。

 

 

 

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血液に含まれる白血球

 

 

まずは「白血球」がどんなものなのか説明します。

 

 

 

血液は、液体の「血漿 けっしょう」と、

 

 

 

血球の「血小板 けっしょうばん」、「赤血球 せっけっきゅう」、そして、「白血球」に分けられます。

 

 

 

 

 

 

「白血球」は外敵と戦う免疫システムの主役です。

 

 

 

この免疫に関わる細胞のことを、「免疫細胞 めんえきさいぼう」と呼びます。

 

 

 

 

 

「白血球」は、働きや特徴から、以下のようにさらに細かく分けられます。

 

 

 

 

 

 

大まかに3系統があります。

 

 

  • 顆粒球

 

  • 単球

 

  • リンパ球

 

 

 

「単球」と「リンパ球」は無顆粒球です。

 

 

 

ちなみに、白血球の中で一番数が多いのは顆粒球の「好中球」で、全白血球の約半分を占めます。

 

 

 

 

 

免疫細胞の種類と特徴

 

 

免疫細胞は似たような特徴のものが多いです。似ているもの同士がチームプレーをするので、キャラクターを憶えられないと混乱します。

 

 

 

なので、先に免疫反応で活躍する細胞の紹介をします。

 

 

 

 

まずは「顆粒球 かりゅうきゅう」からです。

 

 

 

 

 

 

 

 

顆粒球とは

 

 

「顆粒球」は、外敵を見つけると、処理する為に食べます。そして、取り込んだ異物を分解します。

 

 

 

 

敵をみつける

 

 

捕食

 

 

消化、分解

 

 

 

 

このような行為を「貪食 どんしょく」とか「食作用 しょくさよう」と言い、

 

 

貪食する細胞の事を「食細胞」、「貪食細胞」と言います。

 

 

 

 

好中球

 

 

 

 

白血球の中で一番多い「好中球 こうちゅうきゅう」は、最前線で戦う突撃兵です。

 

 

アクション系の作品に出てくる数が多い雑魚キャラのイメージです。特徴は以下になります。

 

 

 

 

  • 任務:パトロールと外敵駆除

 

  • 武器:活性酸素

 

  • 攻撃の方法:異物を食べて消化する(貪食)

 

  • 攻撃力:マクロファージと大差ない

 

  • 特殊部隊が偏性するまでの戦闘では、好中球が主力部隊

 

  • 炎症部位で生じた膿は、「好中球」の屍

 

 

 

好酸球

 

 

 

 

「好酸球 こうさんきゅう」の特徴は以下です。

 

 

  • アレルギー反応の制御(ヒスタミンを不活性化)

 

  • 貪食能力は弱い

 

  • 寄生虫と闘うことができる

 

 

 

好塩基球

 

 

 

 

 

詳しい事がよく分かっていない「好塩基球 こうえんききゅう」の特徴は以下です。

 

 

  • 感染とアレルギー反応の両方に関与している

 

  • 数が少ない

 

  • 貪食能力が弱い

 

 

 

 

 

 

単球とは

 

次は「無顆粒球」の「単球 たんきゅう」を紹介します。

 

 

 

 

 

 

単球の核の形は、そら豆や腎臓のようです。

 

 

 

この単球には、変身能力があります。

 

 

 

単球は分化して「マクロファージ」や、「樹状細胞」に成長します。

 

 

 

「分化」とは、単純なものが複雑なものに変わることです。

 

 

 

 

マクロファージ

 

 

 

 

「マクロファージ」は、敵を察知する部隊として体中に配備されています。

 

 

 

 

そして、敵をみつけると捕食、消化し、分解します。「マクロファージ」も食細胞です。

 

 

 

別名は「大食細胞」です。

 

 

 

  • 任務:敵の発見、貪食による処理、捕らえた敵の情報を特殊部隊に伝える

 

 

  • 攻撃力:特殊部隊よりは劣る、貪食が限界に達すると破裂して死ぬ

 

 

 

 

樹状細胞

 

 

次に、マクロファージと似た働きをする「樹状細胞 じゅじょうさいぼう」について説明します。

 

 

 

 

 

 

 

「樹状細胞」の仕事は「諜報」です。

 

 

 

貪食能力をもっているので、異物(抗原)を取り込んでその特徴を「リンパ球」に伝えて、攻撃するように指示を出します。

 

 

 

だから「司令塔」でもあります。

 

 

 

 

このように、特殊部隊に敵の情報を伝える細胞のことを「抗原提示細胞 こうげんていじさいぼう」と言います。

 

 

 

 

 

 

 

「好中球」と「樹状細胞」と「マクロファージ」の違いについて説明します。

 

これらは、敵を食べたり、情報を伝えたり...と、働きが似ているので混乱する人も出てくると思います。

 

 

 

  • 好中球(顆粒球)・・・・・・・・食作用

 

  • 樹状細胞(無顆粒球の単球)・・・食作用、抗原提示細胞

 

  • マクロファージ(無顆粒球の単球)・・・食作用、抗原提示細胞

 

 

 

「好中球」は敵を蹴散らすのが専門、「樹状細胞」は敵の情報を伝達するのが専門、「マクロファージ」は両者の中間です。

 

 

 

特に「樹状細胞」と「マクロファージ」が分かりにくいのですが、違うのは抗原を伝える能力です。この能力(T細胞を活性化させる能力)は、樹状細胞の方が優れています。

 

 

そして、以下のような違いもあります。

 

 

  • 樹状細胞・・・獲得免疫に関与

 

  • マクロファージ・・・自然免疫に関与

 

 

 

 

 

リンパ球とは

 

 

免疫システムの特殊部隊である「リンパ球」は、大きくわけて3つです。

 

 

 

 

 

 

まずは「T細胞」から説明します。

 

 

 

 

T細胞の種類と働き

 

 

 

「T細胞」は、以下のように3つに分けられます。

 

 

 

 

 

 

敵が強くて手に負えない場合、「マクロファージ」は「サイトカイン」というアイテムを使って助っ人を召喚します。

 

 

 

 

それに刺激を受けた「樹状細胞」は、取り込んだ敵の情報を連絡します。

 

 

 

その情報を受け取るのが、他のT細胞に命令を下す権限を持った「ヘルパーT細胞」です。

 

 

 

 

「ヘルパーT細胞」もサイトカインを放出して、スナイパーである「キラーT細胞」に戦闘を命じます。

 

 

 

 

 

 

簡単にまとめると...

 

 

 

「マクロファージ」が援軍を呼ぶ

 

 

「樹状細胞」が敵の情報を伝達

 

 

特殊部隊の「ヘルパーT細胞」がキャッチ

 

 

「キラーT細胞」に攻撃命令

 

 

 

 

 

 

「キラーT細胞」は、「マクロファージ」が倒すことが出来なかった敵でも仕留めることができます。

 

 

 

突撃兵である「好中球」や「マクロファージ」の攻撃は貪食でしたが、特殊部隊である「キラーT細胞」は腕利きのスナイパーなので、敵の細胞を傷つけるような武器を使います。

 

 

 

武器はパーフォリン、グランザイムです。

 

 

 

 

「サプレッサー(レギュラトリー)T細胞」は、免疫反応を抑制する働きがあるようですが、存在が疑問視されているという説があったり、図では省略される事も多いです。

 

 

 

 

 

 

「T細胞」の「T」は、「Thymus(胸腺:タイマス)」という意味です。

胸腺は心臓の上にある小さな器官です。

 

 

この「胸腺士官学校」で、「リンパ球」は特殊訓練を受けて「T細胞」になります。

 

 

 

 

 

 

B細胞の働きと役割

 

 

 

 

 

 

「B細胞」は特殊武器の製造を行なう工兵です。

 

 

 

特殊武器は、「抗体(別名:免疫グロブリン)」と言います。

 

 

 

 

 

ちなみに、最初は出撃準備に時間がかかります。

 

 

 

「B細胞」の「B」は「Bone marrow(骨髄:)」由来です。

 

「T細胞」も「B細胞」も基本的には骨髄の幹細胞で作られる...と言われています。しかし、「B細胞」は胸腺での特殊訓練を受けません。骨髄で分化し、成長すると言われています。

 

 

ただし、「血液が骨髄で造られる」という説は、以下の記事でも説明しましたが、信憑性に欠けます。

 

 

血液と赤血球とヘモグロビンについて分かりやすく説明してみた②

 

 

 

 

ナチュラルキラー(NK)細胞の働きと役割

 

 

 

 

 

「ナチュラルキラー細胞」はリンパ球の一種ですが、抗原の情報を受け取ってから攻撃する「T細胞」や「B細胞」とは異なります。

 

 

 

「T細胞」のように胸腺で特殊訓練も受けませんし、「B細胞」のように相手に合わせて武器を使ったりしません。

 

 

 

特殊部隊...というよりフリーランスの兵士です。

 

 

 

そして、マクロファージ等と同じ「自然免疫」です。

 

 

 

パトロールをして、敵を見つけると迅速に攻撃するのですが、命令を受けず、自分で判断し攻撃します。

 

 

 

殺傷能力は高いです。

 

 

 

他のリンパ球との違い

 

 

  • T細胞とB細胞は抗原の情報を受け取ってから戦闘に加わるが、NK細胞は抗原を必要としない

 

  • 「キラーT細胞」のように胸腺で特殊訓練を受けない

 

  • 「B細胞」のように敵の属性に合わせて戦法(抗体を生産)を変えない

 

  • 生まれたままの状態で攻撃する

 

  • 最初から大きな体で、大量の武器を持ってパトロールし、迅速に殲滅する

 

 

 

 

 

一つ一つの細胞の種類について説明したので、次はこれらが防衛システムでどのような部隊に所属して働いているのかについて説明します。

 

 

 

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自然免疫と獲得免疫

 

 

 

免疫システムのことを「防衛軍」に例えましたが、実は戦闘スタイルの違う2つの部隊に分かれています。それがこちらです。

 

 

 

 

  • 自然免疫(しぜんめんえき)・・・常設部隊

 

  • 獲得免疫(かくとくめんえき)・・・精鋭部隊

 

 

 

 

 

侵略者に対して、一番最初に攻撃を仕掛けるのが常設部隊です。そして、それでも相手が強いなら精鋭部隊が加わる...というシステムになります。

 

 

 

第一部隊である「自然免疫」は、敵をなりふり構わず全力で倒しますが、

 

 

第二部隊である「獲得免疫」は、知的な攻撃を仕掛けます。

 

 

 

 

他にも特徴を述べておきます。

 

 

 

 

第一部隊・自然免疫とは

 

 

「自然免疫」は、最初から備わっている部隊で、攻撃対象は「全ての敵」です。

 

 

 

  • どんな敵に対しても反応が早い

 

 

  • 学習機能がないので、同じ敵を効率よく倒すことができない

 

 

  • 手に負えない時は「獲得免疫」の力を借りる

 

 

  • 貪食細胞(マクロファージ、好中球、樹状細胞)や、NK細胞(リンパ球)の働きによる

 

 

 

 

第二部隊・獲得免疫とは

 

 

獲得した免疫...ですから、敵と戦った経験だけレベルアップしていく部隊です。

 

 

攻撃対象は「特定の敵」です。

 

 

 

  • 脊椎動物にしかない能力

 

 

  • 学習機能があるので敵を分析して、敵の属性に合った攻撃をする

 

 

  • 獲得免疫は、T細胞やB細胞(リンパ球)の働きによる

 

 

 

 

自然免疫の戦術

 

 

ここからは、「自然免疫」の流れについて説明します。

 

 

体は外敵が侵入しにくいように、皮膚や粘膜が外壁となって防御しています。

 

 

しかし、この壁をかいくぐって、敵(抗原)が侵入することもあります。

 

 

 

体をパトロールしていた「好中球」や、「マクロファージ」や、「NK細胞」がこれらを見つけると、攻撃します。

 

 

 

 

ここまでが「自然免疫」です。

 

 

 

 

「自然免疫」は相手が何であろうが「同じ手段」で戦おうとします。例えるなら、相手が剣を持っていても、戦闘機に乗っていても、常に竹ヤリで向かっていくようなもんです。

 

 

 

 

 

これで片付けばよいのですが、場合によっては敵が強すぎたり、数が多すぎたりするわけです。

 

 

 

すると、援軍を派遣するわけですが、その戦闘が「獲得免疫」になります。

 

 

 

 

「自然免疫」だけでは勝てないと悟った「マクロファージ」は、援軍を召喚するために、「サイトカイン」というタンパク質を使います。これは「のろし」とか「警報」みたいなものです。

 

 

 

このように、他の細胞に命令を下したりする物質のことを「シグナル物質」と言います。

 

 

 

「マクロファージ」が「サイトカイン」を放出したことで、「樹状細胞」が刺激されます。

 

 

 

すると、優秀な抗原提示細胞である「樹状細胞」は、「こんな奴がいます」と、取り込んだ敵のデータを伝えます。

 

 

 

その情報を特殊部隊の「ヘルパーT細胞」が受け取り、部下を動かすのです。

 

 

 

 

「樹状細胞」が、「自然免疫」と「獲得免疫」のシステムの橋渡しをしているわけです。

 

 

 

 

「自然免疫」は発見してから攻撃に至るまでが素早いですが、「獲得免疫」は最初は闘うまでに時間がかかります。

 

 

 

しかし、1度攻略した相手は、2度目からは一番効率のよい方法で素早く倒すことができるようになります。

 

 

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獲得免疫の戦術

 

 

ここからは「獲得免疫」の戦術を説明します。

 

 

「獲得免疫」とは、闘えば闘う程強くなるシステムで、パターンあります。

 

 

  • 体液性免疫

 

  • 細胞性免疫

 

 

「体液性免疫」は「抗体」という武器を使った戦い方で、「細胞性免疫」は抗体を使わず、細胞が直接攻撃する戦い方です。

 

 

それぞれの流れをみていきます。

 

 

 

体液性免疫

 

 

一言で言うと、「特定の敵に命中するミサイル」を使った攻撃です。

 

 

敵の情報を受け取った「ヘルパーT細胞」は、それが「敵である」と認識します。

 

 

「ヘルパーT細胞」は、「B細胞」に命令を出します。

 

 

 

 

すると工兵である「B細胞」は、「形質細胞 けいしつさいぼう」に分化します。「形質細胞」の別名は、「抗体産生細胞 こうたいさんせいさいぼう」です。

 

 

 

 

 

 

 

そして、敵の属性に合った「抗体 こうたい」という武器を製造します。

 

 

 

ちなみに、これは敵に合わせたオーダーメイドの武器なので、違う敵には効きません。おまけに、出撃準備には1~2週間の時間がかかります。その間は、他の免疫細胞が時間をかせぐことになります。

 

 

 

「抗体」が完成すると体液に放ちます。

 

 

 

 

 

「抗体」は、水に溶けやすいタンパク質でできていて、血液、リンパ液、涙、唾液、母乳に含まれています。

 

 

 

 

「抗体」は体液が循環するところならどけでもいけるので、「体液性免疫 たいえきせいめんえき」と言います。

 

 

抗体は敵(抗原)と結合すると「抗原抗体複合体」となります。

 

 

 

これが目印となることで、マクロファージに積極的に食べられるようになります。

 

 

 

抗体と抗原がくっつくことで、敵がよりおいしそうに見え、貪食細胞の食欲が増します。これを「オプソニン化」と呼びます。

 

 

 

こうして、抗原が処理された後、抗体を作る「形質細胞」は徐々に減っていきます。

 

 

 

しかし、一部は敵の記録を伝える老兵となって残ります。これを「免疫記憶細胞 めんえききおくさいぼう」と言います。

 

 

 

 

 

抗体を使った「体液性免疫」は、効率よく外敵を駆除することができます。

 

 

 

しかし、問題もあります。

 

 

 

実は、細胞の中に入ってしまった敵(抗原)は攻撃することができないのです。

 

 

 

 

 

「抗体」は細胞膜を通れないからです。

 

 

 

その為、細胞の中に入ってしまった敵を駆除する場合は、別の方法をとります。

 

 

 

細胞性免疫

 

 

 

ウイルスは自力で増殖することができないので、他の生物の細胞に侵入して、その中で増殖します。

 

 

 

 

その為、「ウイルスに感染した細胞」は、ウイルス製造工場と化してしまいます。

 

 

それはまずいので、このウイルスを退治する必要があります。

 

 

しかし、「抗体」は細胞膜を通過できないので、細胞の中のウイルスを攻撃することはできません。

 

 

 

 

 

 

なので、「抗体」は使わず直接攻撃して、汚染された細胞ごと破壊します。

 

 

 

細胞の中の敵を仕留めることができるシステムを「細胞性免疫 さいぼうせいめんえき」と言います。

 

 

 

 

流れはこうです。

 

 

 

敵の情報を受け取った「ヘルパーT細胞」は、それが「敵である」と認識します。

 

 

 

ここまでは「体液性免疫」と同じです。

 

 

 

すると、「ヘルパーT細胞」は、「キラーT細胞」に命令を出します。

 

 

 

 

「キラーT細胞」は増殖し、「マクロファージ」も集まってきます。

 

 

 

 

「キラーT細胞」が、汚染細胞を直接攻撃破壊し、その後は自然免疫の時より強力になった「マクロファージ」が、食べて処理します。

 

 

 

 

 

役目を終えると「キラーT細胞」は減っていきますが、一部は老兵となって、戦いの記録を残します。

 

 

 

 

「体液性免疫」と「細胞性免疫」は連携して働きます。

 

 

 

 

 

 

 

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免疫力が低下する原因になる糖質

 

 

「免疫」は優秀な防衛システムですが、弱点もあります。

 

 

以前もお話しましたが、白血球等の免疫系はブドウ糖に弱いです。

 

 

 

高血糖の環境だと活力を失ってしまうからです。

 

 

血糖値が120以上でそうなります。

 

 

主食を食べる習慣のある人は要注意です。

 

 

 

『横ちゃんのきまま日記 血糖値の上昇が免疫力の低下を招く』より引用

 

 

【糖は免疫システムを下げる】

 

 

これは何十年も前から知られて来たことです。

 

 

1970年代にはもう、研究者の間で、白血球が病原菌や細菌を貪食するためにビタミンCを必要としていることが分かりました。

 

 

白血球は、その周りと比べて50倍ものビタミンCを必要とするので、それを溜め込まなくてはならないのです。

 

 

「食細胞指数」と呼ばれるものがありますが、それは、特定のマクロファージ(大食細胞)やリンパ球がどのぐらい早く病原菌や細菌、ウイルス、がん細胞を食べてしまうか、ということを表す指標です。

 

 

1970年代に、白血球が大量のビタミンCを必要とすること、それは一般的な風邪と闘うために必要だということをライナス・ポーリング博士が発見しました。

 

 

グルコースとビタミンCが、似たような生化学的構造を持っていることは知っていますが、では糖レベルが上がるとどうなるでしょうか? それらは、お互いに細胞に入ろうと拮抗するのです。(競合阻害的)

 

 

ということは、血中に糖がたくさんあると、それだけ細胞に入れるビタミンCも少なくなるということです。

 

 

血糖値が120では、食細胞指数が75%も下がってしまいます。

 

 

ですから、砂糖と食べると、免疫システムがどれだけ下がるかを考えてみてください。

 

 

ここで我々は病気というものの根幹に少しだけ迫ることが出来ます。

 

 

どんな病気についてかは関係ないのです、普通の風邪であろうが、心血管疾患、ガン、骨粗鬆症であろうが、病気の始まりというのは、いつも細胞レベル、分子レベルで起こってくるということ、その場合、インスリンが病気の直接の原因になっているか、それに近いものである。

 

 

 

ちなみに、以下が「グルコース(ブドウ糖)」と「ビタミンC」の構造になります。

 

 

 

 

 

 

『横ちゃんのきまま日記 血糖値の上昇が免疫力の低下を招く』より引用

 

 

萩原 敦さんのFBより転載

 

~血糖値の上昇が免疫力の低下を招く~
 

(血糖値の数値から客観的な免疫力評価の数値を探る)

 

 

 

英語圏の文献で、我々の免疫力の客観的な評価をする場合に、lymphocytic index(リンパ球指数)とかphagocytic index(食細胞指数)なる指標を用い、血糖値の上昇値と関連付けて、記述されていることをよく見かける。

 

この「食細胞指数」や「リンパ球指数」という言葉自体、我が国ではあまり一般的ではないようです。

 

 

(中略)

 

 

たとえば、

 

「血糖値が120を超えると食細胞指数的な免疫力の評価をすると、約75%の免疫力がダウンする。」

 

この説は、ライナス・ポーリング博士が、はじめて世に知らしめた説だそうです。

 

ポーリング博士も研究に値する人物です。後日、改めて、彼についての言及もします。

 

つい先ごろ、比嘉さんという方のFBで、高血糖の赤血球を映像にして投稿されていましたが、その内容は、ひじょうに素晴らしいもので、血糖値が上昇すると、赤血球同士がくっついて、「連携を組み」、血管の中で、あろうことか、「血流をせき止め」、「血流を立ち往生」させることを示していました。

 

 

となると、免疫力の要である「白血球(食細胞やリンパ球他)」も「赤血球の通せん坊」にあい、免疫力を発揮できなくなる云々と述べていました。

 

 

この血糖値120と言う数値が、血流を悪化させる「赤血球通せん坊」作戦が、効果を発揮し、顕著になる数値(ボーダーライン)なんだろうと思います。

 

 

 

 

そして、白血球は細胞なので、タンパク質です。従って糖化反応にも弱いです。

 

インフルエンザ等の感染症の予防は食事が重要です。免疫力を弱らせる食品とは

 

 

 

 

 

免疫の誤作動、自己免疫疾患とアレルギーの違い

 

 

次に、免疫システムに起こる問題について考えてみます。

 

 

 

免疫系の疾患は、大きく分けて2タイプあります。

 

 

 

  • 自己免疫疾患

 

  • アレルギー

 

 

 

 

「自己免疫疾患 じこめんえきしっかん」とは、自分の組織を「敵」と認識して攻撃してしまう疾患です。

 

 

例えるなら「オウンゴール」です。

 

 

 

 

一方「アレルギー」は、害がない異物に対して、過剰に攻撃をしてしまう疾患です。

 

 

例えるなら「過剰防衛」です。無駄な攻撃のせいで周囲の組織に被害が波及します。

 

 

 

 

 

「自己免疫疾患」については以下の記事を、

 

炎症と自己免疫疾患について分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

「アレルギー」については以下の記事で説明します。

 

 

アレルギーと抗体について分かりやすく説明してみた

 

重度の花粉症の人も糖質制限や栄養療法で改善できる

 

 

 

 

 

電磁波は免疫力を著しく低下させます。

 

5Gの空間では、生体は健康的な生活を送ることはできません。

 

 

 

 

 

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乳酸は長い間、疲労の原因と考えられてきたが、実はエネルギー源だから良い物質である

 

 

...近年、このような見解が一般的になっています。

 

 

 

しかし、この「乳酸は体に良い物である」というイメージが蔓延するのは良い事ではありません。

 

 

 

何故なら、乳酸の蓄積は慢性疾患の原因になるからです。

 

 

 

以下の記事で、乳酸の蓄積によって血液が酸性化することが、細胞が癌化する原因であると説明しました。 

 

 

余命わずかの末期癌患者が退院できたのは病院での栄養療法のおかげだった!

 

癌細胞と癌家系について分かりやすく説明してみた

 

 

 

乳酸礼賛することで、このような負の側面が見えなくなってしまいます。

 

 

 

だからもう少し、乳酸についてフェアな説明が必要です。

 

 

 

 

 

生体に無駄な機能はありません。

 

 

 

「進化論」を否定していた昆虫学者のファーブルは、生き物は最初から完璧な状態であり、そうでなければ生きることができないと主張していました。

 

 

 

生体に備わっているシステムは、途中から獲得したものではなく、意味があって最初から備わっている・・・ということです。

 

 

 

その理屈から考えると、「乳酸」も全く無駄な存在ではありません。理由があって存在していることになります。

 

 

 

 

いけないのは、過剰になって蓄積することです。

 

 

 

癌の記事では乳酸の悪い面についてお話したので、今回は、「乳酸は何のために存在しているのか」、そして、「乳酸の良い面だけを利用して蓄積させないようにするにはどうしたらいいのか」についても解説していきます。

 

 

 

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乳酸とは

 

 

 

「乳酸」を理解する為に必要なので、エネルギーの話をします。

 

 

 

生体が生きていく為には、「ATP(エーティーピー)」というエネルギー物質が必要です。

 

 

ATP(アデノシン3リン酸)

 

 

 

どんな生物でも、これが不足すると慢性疾患になり、無くなると死にます。

 

 

 

この「ATP」は、基本的に細胞内で作られて、細胞内で消費されます。

 

 

 

そして、作る為には材料が必要です。それが、糖質、脂質、タンパク質です。

 

 

 

 

ATPの材料=糖質、脂質、タンパク質

 

 

 

 

このうちの「糖質(を分解して生じたブドウ糖)」を材料にエネルギーを生み出す時に、副産物として生じるのが「乳酸」になります。

 

 

 

副産物として生じた「乳酸」は、ディーゼル車から出る煤のようなものです。溜めるようなものではありません。

 

 

 

“酸”とつくように、pH程度の酸性物質です。

 

 

 

 

 

ただし、ブドウ糖を完全代謝すれば「乳酸」は生じません。

 

 

 

完全代謝とは、細胞の中の「ミトコンドリア」で何段階もの代謝をして、二酸化炭素と水に分解することです。そうでなければ「乳酸」になると思って下さい。

 

 

 

 

 

では、この乳酸ができる流れをご説明します。

 

 

 

 

乳酸が生じる仕組み

 

 

 

乳酸の元となるのは、グルコース(ブドウ糖)です。

 

 

 

グルコース(ブドウ糖)

 

 

 

 

グルコースは、糖質を含む食事から摂る事もできますし、糖質以外の材料を使って肝臓や腎臓で合成することもできます。

 

 

 

  • 食事から摂取

 

  • 肝臓や腎臓で合成(糖新生 とうしんせい)

 

 

 

ちなみに、このグルコースは、癌細胞の大好物です。

 

 

癌細胞はブドウ糖が好き

 

 

 

 

ここではイメージしやすいように、食事から糖質を摂ったところから説明します。

 

 

 

ご飯やパン、野菜...等、糖質を摂取すると消化器官でブドウ糖にまで分解されます。

 

 

 

 

糖質

 

 

グルコース(ブドウ糖)

 

 

 

 

このグルコースが、生体が生きていく上で必要なエネルギー物質ATPを生み出す材料として使われます。

 

 

 

 

グルコース(ブドウ糖)は、まず細胞の「細胞質基質 さいぼうしつきしつ」というところで、何段階かの反応を経て「ピルビン酸」という物質になります。

 

 

 

 

 

細胞質基質で起こる解糖系

 

 

 

 

 

グルコース

 

 

(何段階か反応)

 

 

ピルビン酸

 

 

 

 

この反応を「解糖系 かいとうけい」と言います。

 

 

 

 

「解糖系」では、グルコース分子から、ピルビン酸が分子できます。

 

 

 

 

解糖系ではグルコース1分子がピルビン酸2分子になる

 

 

 

 

そして、エネルギー物質ATPが分子できます(※正確には4分子できるのですが、解糖系の反応をする為に始めに2分子を使うので、得たATPは合計2分子になります)

 

 

 

 

解糖系でATPは2分子生産される

 

 

 

 

そして、解糖系の反応で、「NAD」という化合物が「NADH」に変化します。この「NADH」が分子できます(これについては後で詳しく説明します)。

 

 

解糖系でNADHは2分子生産される

 

 

 

 

 

ここで、解糖系でグルコース1分子から生じるものをまとめます。

 

 

ピルビン酸・・・2分子

 

エネルギー物質ATP・・・2分子

 

NADH・・・2分子

 

 

 

 

 

 

ATPができたから終わり...ではありません。

 

 

 

乳酸が生じるかどうかは、グルコースが分解されてできた「ピルビン酸」が、この先どうなるかによって決まります。

 

 

 

つまり、ミトコンドリアでも代謝するかどうかです。

 

 

 

細胞質基質では「解糖系」という反応でしたが、

 

 

 

ミトコンドリアで代謝する場合は、「クエン酸回路 くえんさんかいろ」と「電子伝達系 でんしでんたつけい」という反応が起こります。

 

 

 

 

細胞とミトコンドリア

 

 

 

 

細胞質基質だけで代謝するより、ミトコンドリアで代謝した方がより多くのATPを作り出すことができます。

 

 

 

前者は「焚き木」のエネルギー、後者は「発電所」のエネルギーに例えられます。

 

 

 

 

  • 解糖系・・・エネルギー

 

 

  • 解糖系 → クエン酸回路 → 電子伝達系・・・エネルギー

 

 

 

 

で、「ピルビン酸」の進路は2つです。

 

 

 

一つはミトコンドリアで代謝して、より多くのATPを作り出すルート。

 

 

もう一つはミトコンドリアでは代謝しない、乳酸が発生するルートです。

 

 

 

嫌気性解糖と好気性解糖

 

 

 

左が乳酸が生じるルートですが、以下の条件でそうなります。

 

 

  • 酸素が不足している

 

  • ビタミンB1を始めとした栄養素の不足

 

 

 

それぞれの理由を説明します。

 

 

 

酸素が不足することでミトコンドリアで代謝できない

 

 

ミトコンドリアは多くのATPを作る事ができるのですが、酸素を要求します。

 

 

 

従って酸素がない状態ではミトコンドリアで代謝することはできません。

 

 

反対に細胞質気質で行なわれる解糖系は酸素を必要としません。

 

 

 

その為、激しい運動などで酸素が不足するような場合は、ミトコンドリアでの代謝ではなく、解糖系で酸素に頼らずエネルギーを産生します。

 

 

その場合、ミトコンドリアで代謝できないので、ピルビン酸は乳酸になります。

 

 

 

ビタミンB1を始めとした栄養素の不足でミトコンドリアで代謝できない

 

 

ミトコンドリアで代謝する為には、「補酵素 ほこうそ」が必要になります。

 

 

 

補酵素とは、酵素のサポート役のことで、ビタミンの事をさします。

 

 

 

「酵素」は、体内の化学反応を調節する働きがあります。酵素と補酵素が協力して働く場合は、補酵素なしでは反応ができません。

 

 

 

ピルビン酸がミトコンドリアで代謝する為には、ビタミンB1を始めとしたビタミンB群が必要です。

 

 

 

正確には、ビタミンB1、B2、B3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、アルファリポ酸です。

 

 

 

従って、これらが不足していても、ピルビン酸はミトコンドリアで代謝できないので、乳酸に変換されます。

 

 

 

 

 

ここまでが、グルコース → ピルビン酸 → 乳酸 になる条件と流れになります。

 

 

 

では、何故ピルビン酸は乳酸になるのか?

 

 

次はそのことについて説明します。

 

 

 

 

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ピルビン酸が乳酸になる理由とは

 

 

 

ピルビン酸が乳酸になるのは理由があります。

 

 

 

 

それを理解する為には、まず「NAD」について知っておく必要があります。

 

 

 

 

 

NAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)は、全ての生物に存在する補酵素です。

 

 

 

 

「NAD」は、水素を外す「脱水素酵素」の補酵素(サポート役)で、水素(の持つ電子)を預かる働きをします

 

 

 

このような働きをする物質を「電子伝達体 でんしでんたつたい」と言います。

 

 

 

 

  • 水素を外す働き・・・脱水素酵素(酵素)

 

  • 外した水素を預かる・・・NAD(補酵素)

 

 

 

 

 

NAD(酸化型)

 

 

 

水素(の持つ電子)を預かる前が「NAD」です。これを酸化型と言います。

 

 

 

そして、水素(の持つ電子)を預かった後が「NADH」になります。これを還元型と言います。

 

 

 

NADH(還元型)

 

 

 

「酸化」とは、電子や水素を失うこと、「還元」とは電子や水素を得ることです。

 

つまり、NADが水素を預かってNADHになるのが還元で、NADHが水素を失ってNADに戻るのが酸化です。

 

 

 

 

解糖系では、グルコースからピルビン酸になるまでに「NAD」が還元されて、「NADH」になります。

 

 

 

正確に言うと、「グリセルアルデヒド3リン酸」から「1.3-ビスホスホグリセリン酸」になる反応で、酸化型の「NAD」は、水素(の持つ電子)を預かって「NADH」になります。

 

詳しい説明は以下の記事に書いています。

 

 

解糖系について分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

NADは、正確には「NAD+」

 

NADHは、正確には「NADH + H+」と表記します。

 

 

ですが、ここではシンプルに「NAD」と「NADH」と書きます。その理由が知りたい方は以下の記事をご覧下さい。

 

 

クエン酸回路(TCA回路)について分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

 

NAD → NADH

 

 

 

こうして解糖系では、NADがNADHに還元されるわけですが、このNADは体内にそう多くありません。

 

 

 

NADHに変わってばかりだったら、NADが枯渇してしまいます。

 

 

 

そうなっては、解糖系も続きません。

 

 

 

なので、還元された「NADH」を、再び「NAD」に戻す必要があります。

 

 

 

それがピルビン酸が「乳酸」に変換される理由です。

 

 

 

 

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NADHからNADへ戻す方法

 

 

 

ピルビン酸を生成するまでが「解糖系」です。

 

 

 

その後、その「解糖系」でできた「NADH」を「NAD」に戻す方法はいくつかあります。

 

 

 

生物の種類や、酸素があるかないか...によって、以下のように分類できます。

 

 

 

  • 好気呼吸

 

  • 嫌気呼吸

 

 

 

 

詳しく説明します。

 

 

 

 

解糖系で還元された「NADH」は、もしこの後ミトコンドリアで代謝されるのであれば、「電子伝達系 でんしでんたつけい」という反応で利用されます。

 

 

 

そこで「NADH」は、預かった水素を渡して(酸化して)、「NAD」に戻ります。

 

 

 

 

その流れは、以下の記事でお話しています。

 

電子伝達系(呼吸鎖)について分かりやすく説明してみた①複合体Ⅰ~Ⅱ

 

 

 

このミトコンドリアでの反応は酸素が必要なので「好気呼吸 こうきこきゅう」と言います。この反応では、乳酸は発生しません。

 

 

 

 

しかし、ミトコンドリアで代謝されない場合もあります。これは酸素を必要としないので「嫌気呼吸 けんきこきゅう」と言います。

 

 

 

この場合は、別の方法で「NADH」を「NAD」に戻します。

 

 

 

 

どうするかというと、「NADH」が預かった水素を「ピルビン酸」に押し付つけます。

 

 

 

この反応を進める酵素を「乳酸脱水素酵素 にゅうさんだっすいそこうそ」と言います。

 

 

ピルビン酸とNADH

 

 

 

 

「NADH」は、持っていた水素を手放したことで「NAD」に戻るのです。

 

 

 

しかし、水素を押し付けられた(還元)ピルビン酸は、乳酸になります。

 

 

 

乳酸

 

 

 

 

「乳酸脱水素酵素」は、「ピルビン酸 → 乳酸」だけでなく、「乳酸 → ピルビン酸」の変換もします。詳しくは後で説明します。

 

 

 

 

こうやって「NADH」の水素をピルビン酸に押し付けて「NAD」を再生させるわけですが、植物が行なう「アルコール発酵」や、乳酸菌が行なう「乳酸発酵」もこれに属します。

 

 

 

呼吸

 

 

 

 

 

この再生の仕組みがあるおかげで、解糖系がストップすることはありません。

 

 

 

 

『心の病は食事で治す / 著者:生田哲』より引用

 

 

血液中の乳酸レベルの上昇が原因で発生する不安障害

 

 

糖類と疲労物質である乳酸のレベルには密接な関係がある。

 

 

その関係は、砂糖や精製されたデンプンを食べれば食べるほど、乳酸レベルが上がることだ。

 

 

では、乳酸レベルが上がると、疲労を感じる以外にどんな問題が発生するのか。

 

 

 

カルシウムは脳の興奮を抑えるはたらきがある。

 

 

このカルシウムにくっつくのが乳酸。

 

 

このため、カルシウムに乳酸がくっついた分だけ、血液中のカルシウムレベルが下がる。こうして脳の興奮が抑えられなくなり、不安になる。

 

 

たとえば、低カルシウム状態は乳酸ナトリウムを注射することによって人工的につくり出すことができる。このとき、脳の興奮が高まり、不安障害の症状が現れる。

 

 

乳酸から水素が取り除かれる(酸化する)とピルビン酸ができる。この反対に、ピルビン酸に水素がくっつく(還元する)と乳酸ができる。

 

 

このように生体ではピルビン酸と乳酸は互いに行ったり来たりしている。

 

 

これを化学では平衡状態にあるという。

 

 

この平衡は、特定の物質を大量に摂取するとピルビン酸が減少し、乳酸が増える方向に移動する。

 

 

その特定の物質というのは、砂糖、カフェイン、アルコールである。これらの物質を多くとると、乳酸が血液中に蓄積し、疲労と不安が発生する。

 

 

幸運なことに、マグネシウム、カルシウム、ナイアシンは、この平衡をピルビン酸が増える方向に移行させる。

 

 

マグネシウムは不安をやわらげ、ナイアシンは乳酸から水素を奪いピルビン酸にする化学反応を助け、乳酸レベルを下げることで、不安の発生を抑える。

 

 

 

 

 

ここまでの話を要約します。

 

 

 

「乳酸」とは、ブドウ糖がピルビン酸に分解されて、ピルビン酸がミトコンドリアで代謝されない場合に、解糖系を止めないためにNADHをNADに戻す為に生じる物質です。

 

 

 

ブドウ糖ですから、元はご飯やパン、甘い物、野菜等...の糖質です。

 

 

 

乳酸はpH程度の酸性物質なので、これが大量に増えると血液が酸性化して、最悪「乳酸アシドーシス」、それを回避するために体が対応した結果が癌や慢性疾患です。

 

 

 

乳酸が生じる理由が分かったところで、次はこの生じた乳酸がどうなるか説明していきます。

 

 

 

乳酸は肝臓に運ばれて、20%はピルビン酸に戻されてミトコンドリアの「クエン酸回路」に入ります。そして、80%はブドウ糖に戻されて再利用されます。

 

 

 

 

 

  • 20%・・・ピルビン酸になってクエン酸回路へ

 

  • 80%・・・乳酸を材料にしてブドウ糖を合成する

 

 

 

ただし、先ほども言ったように、ピルビン酸が「クエン酸回路」へ入るには条件が必要です。ミトコンドリアで代謝するには栄養素や酸素が必要です。

 

 

 

次は80%の、乳酸を材料にブドウ糖を合成する流れについて説明します。

 

 

 

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コリ回路

 

 

 

近年では「乳酸は悪くない、乳酸はエネルギー源だ」と言う意見が主流になっています。

 

 

このように、乳酸のメリットばかりを強調し、乳酸の害をなかったことにしてしまうような表現は問題があると思っているのですが、乳酸がエネルギーになるという部分は間違いではありません。

 

 

 

乳酸がエネルギー源として活用される流れについて説明します。

 

 

 

グルコース(ブドウ糖)が代謝されてピルビン酸になり、ミトコンドリアで代謝できない場合に乳酸になるわけですが、

 

 

この乳酸は、血液にのって肝臓に運ばれます。

 

 

 

 

腎臓と肝臓

 

 

 

そして、肝臓で乳酸は「糖新生 とうしんせい」という反応によって再び「グルコース」に再生されます。

 

 

 

 

「糖新生」とは、糖質以外の材料からブドウ糖を作り出す仕組みのことです。「糖新生」はどこでもできるのではなく、肝臓や腎臓で行なわれます。

 

 

糖質を食事から摂取しなくても大丈夫なのは、この「糖新生」があるお陰です。

 

 

糖新生について詳しくは以下の記事をご覧下さい。

 

 

糖新生の仕組みについて分かりやすく説明してみた

 

 

糖質制限をしているのに血糖値が高いのは、糖新生が原因かもしれません

 

 

 

 

以下が乳酸からの「糖新生」の流れになります。

 

 

 

 

 

乳酸を糖新生する経路

 

 

 

 

そして、乳酸が発生し、エネルギーとして利用される流れはこうです。

 

 

 

 

①筋肉や赤血球でグルコースが代謝されて乳酸が生じる

 

 

②生じた乳酸は血液にのって肝臓(や腎臓)に運ばれる

 

 

③乳酸は「糖新生」によってグルコースに変換される

 

 

④グルコースは血液に放出され再び赤血球や筋肉のエネルギーになる

 

 

⑤①~繰り返し

 

 

 

 

このように、赤血球や筋肉 ⇔ 肝臓・・・と異なる臓器を行き来します。

 

 

 

この反応を「コリ回路」と言います。

 

 

 

 

コリ回路

 

 

 

このように、通常は生じた乳酸は再利用されるので、「乳酸はエネルギー源だから良い物質だ、めでたし、めでたし...」

 

 

 

 

・・・と言いたくなりますが、気になる点があります。

 

 

 

糖新生を行なうにもエネルギーが必要だからです。

 

 

 

 

解糖系では、グルコースからピルビン酸まででATPは分子作られますが、その結果生じた乳酸をグルコースに再利用するにはATPを分子も使ってしまいます。

 

 

 

 

これでは、マイナスATPです。

 

 

 

 

ちなみに、「糖新生」でグルコース1分子を合成する為に必要なATPは、材料によって異なり、どこからスタートするかによって違います。

 

 

 

  • ピルビン酸から・・・・分子のATP

 

  • クエン酸回路から・・・分子のATP

 

  • グリセロールから・・・分子のATP

 

 

 

 

 

ピルビン酸からスタートする乳酸は、糖新生のなかでも最もATPを使う材料だと言えます。

 

 

乳酸を再利用する時の方がエネルギーを消費するのです。

 

 

 

『Wikipedia コリ回路』より引用

 

 

回路

 

 

筋肉が激しい運動の際短い時間に大量のエネルギーを必要とすると、筋肉細胞は嫌気的なグルコース分解を行って大量のアデノシン三リン酸 (ATP) を作り出す。

 

 

この際に副産物として生成された乳酸が血液の流れに乗って肝臓に運ばれて、乳酸脱水素酵素によってピルビン酸に変換され、その後糖新生によってグルコースが再生される。

 

 

グルコースは血中に放出されて赤血球や筋肉で再びエネルギーとして使われる。

 

 

 

ATPの数を見てみると、1回あたり嫌気呼吸で2分子のATPが生成し、糖新生で6分子のATPが消費されるため、正味4分子のATPが減少している。

 

 

このためコリ回路はエネルギー消費系(同化過程)である。

 

 

重要性

 

 

コリ回路の重要性は、嫌気的な条件下で筋肉の乳酸アシドーシスを防ぐところにある。

 

 

乳酸は化学反応の末端であり、酵素によってピルビン酸に変換される他ない。

 

 

 

 

「乳酸アシドーシス」とは、乳酸が溜まって、血液の酸性度が高くなりすぎた状態のことです。

 

 

 

コリ回路の重要性は、嫌気的な条件下で筋肉の乳酸アシドーシスを防ぐことにある・・・と書いてあるので、

 

 

 

乳酸の変換は、エネルギーとしてあてにすることがメインではなく、あくまで、NADHをNADに戻す為の変換、乳酸アシドーシスの回避の為の変換・・・という意味合いが強いのではと考えられます。

 

 

 

 

乳酸が発生して、コリ回路でグルコースに変換すればするほどエネルギー物質「ATP」が減っていくわけですから、優れたエネルギー源とは言えません。

 

 

 

 

ちなみに、マイナスATP...と聞くと、私はこの話を思い出します。

 

 

『精神科医こてつ名誉院長のブログ グルコースと脂肪酸、ATPで考える』より引用

 

 

2)嫌気性解糖だけではATP不足で生きてゆけない

 

 

 

B1不足の脚気ではピルビン酸をアセチルCoAに変換できない

 

 

好気性解糖に入れないため、米を食べれば食べるほどマイナスATPとなる

 

 

ATP作成のため体内の脂肪酸と筋肉を燃焼させるが、それが尽きれば痩せ細って死亡する

 

 

 

ガンも同じ、ガンは嫌気性解糖のみを行うためマイナスATPとなる

 

 

体内の脂肪酸と筋肉を燃焼させるが、それが尽きれば痩せ細って死亡する

 

 

やはり、脂肪酸を十分量摂取することが必要

 

 

 

 

「乳酸はエネルギー物質だから悪くない」という話になってはいますが、

 

 

 

生じた乳酸をエネルギーに変換すればするほどATPが減る・・・というのは疲労の原因じゃないのかと突っ込みたくなります。

 

 

 

 

このような側面がある以上、乳酸はエネルギーとして頼りすぎてはいけないということです。

 

 

 

 

次は、乳酸をエネルギー源に変える為に必要な要素があるので、そのことについてお話しておきます。

 

 

 

それは、「乳酸脱水素酵素」と、そのサポートをする補酵素「NAD / NADH」です。

 

 

 

乳酸脱水素酵素とナイアシン

 

 

 

乳酸をエネルギー源にする為には、まず、乳酸をピルビン酸に変換する必要があります。

 

 

ここで、ピルビン酸を乳酸にする時に働いた「乳酸脱水素酵素(乳酸デヒドロゲナーゼ)」が働きます。

 

 

これは、ピルビン酸と乳酸を相互変換する酵素で、全ての細胞にあります。

 

 

補酵素は電子伝達体の「NAD / NADH」です。

 

 

 

乳酸脱水素酵素は、「糖新生」では、乳酸をピルビン酸に変換します。

 

 

 

 

乳酸

 

 

ピルビン酸

 

 

 

 

「乳酸脱水素酵素 にゅうさんだっすいそこうそ」は、血液検査では「LDH(lactate dehydrogenase)」と表示されています。

 

 

 

基準値は120~240なのですが、これが低すぎると、乳酸をエネルギーにする力が弱いので「糖新生」が上手く機能しません。その場合、乳酸がたまりやすいです。

 

 

 

 

  • 200台前半・・・疲れやすい

 

  • 140未満・・・ナイアシン欠乏が深刻

 

 

 

 

LDH値が基準値よりも高い場合は、以下が考えられます。高すぎるのも問題です。

 

急性肝炎、肝硬変、急性心筋梗塞、悪性貧血、悪性腫瘍、白血病、悪性リンパ腫、その他激しい運動、溶血...等

 

 

 

LDHが不足する原因は「タンパク質不足」と「ナイアシン不足」が考えられます。

 

 

というのも、「乳酸脱水素酵素」は酵素です。

 

 

酵素はタンパク質でできているので、タンパク質が不足すると、当然酵素も不足します。

 

 

 

そして、「乳酸脱水素酵素」の補酵素は、「NAD / NADH」です。

 

 

 

この合成には「ナイアシン(ビタミンB3)」が必要です。その為、ナイアシン不足でも働きが低下します。

 

 

 

乳酸を変換させるには、酵素であるタンパク質と、補酵素であるナイアシンを不足させないようにする必要があります。

 

 

 

  • 乳酸脱水素酵素の材料・・・タンパク質

 

  • 補酵素NADの元・・・・・ナイアシン

 

 

 

 

ここまで、乳酸をグルコースに変換することでエネルギーにする話をしてきました。

 

 

 

一方で、乳酸には別のエネルギーの使い方があるので、それについてもお話しておきます。

 

 

 

 

この乳酸をエネルギーにする細胞がいるのです。

 

 

 

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乳酸をエネルギー源にするニューロン(神経細胞)

 

 

 

乳酸の効果的な使われ方を知るために、脳の細胞のエネルギー代謝の仕組みについてお話します。

 

 

 

 

 

脳の細胞は大きくわけて種類あります。

 

 

 

「ニューロン(神経細胞)」と「グリア細胞」です。

 

 

 

以下が「ニューロン(神経細胞)」です。思考する細胞で、ミトコンドリアが多いです。

 

 

ニューロン(神経細胞)

 

 

 

 

一方、「グリア細胞」は「ニューロン(神経細胞)」のサポート役で、思考はしません。ただし、数はニューロンの10倍以上だそうです。

 

 

 

「グリア細胞」はいくつか種類があり、「中枢神経系」と「末梢神経系」で少し異なります。

 

 

 

 

  • ニューロン(神経細胞)・・・思考する

 

  • グリア細胞・・・・・・・・・思考しない

 

 

 

 

 

 

「脳にはブドウ糖が必要」と言われていますが、実は、ブドウ糖をエネルギーにしているのは、考える細胞「ニューロンで」はなく、「グリア細胞」の方なのです。

 

 

 

「ニューロン」のエネルギー源は、ブドウ糖ではなく、「ケトン体」と、「グリア細胞のエネルギー代謝で生じた乳酸」になります。

 

 

 

 

  • ニューロンのエネルギー源・・・ケトン体、乳酸

 

  • グリア細胞のエネルギー源・・・ブドウ糖

 

 

 

 

 

『体内年齢がよみがえる科学 ケトン体革命―究極のアンチエイジング理論― / 著者:佐藤拓巳』より引用

 

 

 

脳内でブドウ糖を取り込むのは、実は神経細胞ではない。

 

 

その周囲に数多くあるグリア細胞である。

 

 

グリア細胞はブドウ糖を取り込んで、乳酸という最も代謝しやすい分子に変換し、神経細胞に渡す。

 

 

 

この過程は鳥の親がヒナに、半分消化した食物を吐き出して与えるのとよく似ている。

 

 

 

神経細胞は、鳥のヒナと同じように大変に世話のかかる細胞なのである。

 

 

 

実は成人の脳では神経細胞の10倍の数ほどのグリア細胞があり、脳は神経細胞の臓器ではなく、グリア細胞の臓器なのだ。

 

 

 

しかも、乳酸が神経細胞のエネルギー基質となる。

 

 

 

グリア細胞で行なわれる「ブドウ糖から乳酸への転換」はゆっくりとしか進まない。
従って血中のブドウ糖を増やしても、神経細胞に渡される乳酸の量は殆ど変わらない。

 

 

だから頭脳労働するからといって糖質を体内に投入しても、神経活動はまず増加しない。それどころか、低血糖症が起こり、神経活動が抑制されるのである。意図とは逆の結果が表れることになる。

 

 

これに対してケトン体は、グリア細胞における化学変換が必要ない。

 

 

ケトン体は直接神経細胞のミトコンドリアに取り込まれて、神経細胞の働きを上げることができる。

 

 

絶食の経験のある人ならわかるが、絶食をして3日後くらいから、頭がさえて、アイディアがどんどん生まれるようになることがある。

 

 

これは肝臓で大量のケトン体が生産されて、脳にある神経細胞のミトコンドリアに直接作用するからである。

 

 

(28p~30p)

 

 

 

図にするとこんな感じです。

 

 

 

 

グリア細胞のエネルギー源はグルコースで神経細胞のエネルギー源は乳酸

 

 

 

脳では、「グリア細胞」がグルコースを代謝して生じた乳酸を、「ニューロン」がエネルギー源にする・・・という仕組みになっています。

 

 

 

このような関係が筋肉でもあります。

 

 

 

グリア細胞にあたるのが「速筋」、神経細胞にあたるのが「遅筋」です。

 

 

 

 

というわけなので、次に乳酸と筋肉の話をします。

 

 

 

 

速筋と遅筋

 

 

 

筋肉は、「速筋」と「遅筋」の2タイプがあり、両者は性質が違います。

 

 

 

 

速筋の働きとエネルギー源

 

 

「速筋 そっきん」とは、瞬間的に大きな力を出す筋肉です。イメージとしては、ヒラメが獲物をパクッと捕らえる時のような動きです。

 

 

 

人間がする運動で言うと、全速力で走ったり、ジャンプしたり、重いものを持ち上げたりする動きです。

 

 

 

「速筋」のエネルギー源は糖質です。

 

 

 

しかし、筋肉に少ししかなく、すぐに枯渇してしまうので、長く力を出し続けることはできません。

 

 

 

どちらかというと、いざという時に使う筋肉なので、長時間の乱用には向いていないです。

 

 

 

従って普段使いの筋肉ではありません。ヒラメに限らず、獲物を瞬間的に仕留める動物は、動く時までじーっとしていますし、普段ぐうたら寝ていたりします。

 

 

 

フルパワーはずっと続かないということです。

 

 

 

速筋の特徴

 

  • 瞬間的に大きな力を出す(収縮の速度が速い)

 

  • 長時間の使用は向かない

 

  • エネルギー源は糖質

 

 

 

速筋は白い色をしているので、別名は「白筋」です。

 

 

 

「ミオグロビン」という酸素を貯蔵する赤色のタンパク質が少ないので、白い色をしています。ちなみに、ヒラメは白いです。

 

 

 

 

 

遅筋の働きとエネルギー源

 

 

 

「遅筋 ちきん」とは、力は小さくて長時間運動を続ける事ができる筋肉です。運動のイメージは、ゆったりと泳ぎ続けるマグロのような動きです。

 

 

 

人間がする運動でいうと、ジョギングやエアロビクスや水泳等です。

 

 

 

「遅筋」のエネルギー源は、「脂肪」と「速筋で発生した乳酸」です。

 

 

 

 

 

遅筋の特徴

 

  • 力が小さい(収縮の速度が遅い)

 

  • 長時間の使用に向いている為普段使いできる

 

  • エネルギー源は脂肪と乳酸

 

 

 

遅筋は赤い色をしているので、別名は「赤筋」と言います。

 

 

赤色のタンパク質(酸素を貯蔵するミオグロビン)を多く含んでいるからです。遅筋の動きが多いマグロは、ミオグロビンが多いので赤身が多いです。

 

 

 

遅筋は、ミトコンドリアが多いです。

 

 

 

 

 

・・・はい。これらの特徴は、「ニューロン(神経細胞)」と「グリア細胞」の関係と似ていますね。

 

 

 

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乳酸をエネルギー源にする遅筋

 

 

 

ここで、話を乳酸に戻します。

 

 

 

「グリア細胞」のエネルギー代謝で発生した「乳酸」を、「ニューロン」がエネルギー源にするように、

 

 

 

 

「速筋」で生じた乳酸は、「遅筋」に運ばれてエネルギー源として活用する仕組みになっています。

 

 

 

 

  • 速筋のエネルギー源・・・糖質

 

  • 遅筋のエネルギー源・・・脂肪、乳酸

 

 

 

 

以下を読むと、速筋と遅筋のエネルギー代謝の違いがよく分かります。長いので3分割にします。

 

 

 

 

『健保のつぶやき さすが萩原さん 素晴らしい』より引用

 

 

佐藤さん、2時間は無理ですよ。

 

 

 

人間の体内に留め置ける、糖の量は、たかだか、50キロの人で、「500グラム未満」ですから、学者によったら、もっと少ないという学者もいますからね、それらが、普通に、500グラムだけで、血糖や、筋肉や、脳等で代謝される分と、肝臓の備蓄分等で、2時間は無理でしょう。

 

 

 

いくらブドウ糖添加の水分を要所要所で、補給しても、「有酸素運動」の基本は、「脂質」ですから・・そもそも、「糖は嫌気的解糖作用の時だけ代謝される」のですよ。

 

 

 

有酸素の時は、脂質なんですよ。

 

 

 

40キロを嫌気的解糖作用でやっていたら、乳酸地獄になって、コリ回路も間に合わないから、筋肉痛で走れなくなりますよ。それ以前に、呼吸しないと死んでしまう。

 

 

 

呼吸してるっていうことは、酸素と脂質でミトコンドリアでエネルギーを使ってるということなんですよ。

 

 

 

アスリートの人は、「嫌気的解糖」の本当の意味を理解していない人が、多いですね。

 

 

 

「※酸素を使わないで、速筋を利用するときに、糖が代謝され乳酸が分泌されるのです。」「息をとめた時だけ、糖を代謝するのです。」

 

 

 

逆に言えば、「呼吸していたら、筋肉内では、糖は代謝されないのです。」

 

 

 

この大原則をほとんどの人がしらないから、運動の前や、運動中に、スタミナスタミナとか言って、糖を摂取して、調子悪くなるのですよ。

 

 

 

 

 

全然違います、糖代謝は、まず①赤血球の解糖系の代謝 ②グリア細胞の解糖系の代謝 ③息を止めて踏ん張るような時、筋肉内の速筋、いわば嫌気的解糖系の代謝 がメインです。

 

 

 

ですから、普通に運動していない時の代謝は、①と②がメインなんです。

 

 

 

重量挙げ等の運動をする時に筋肉の速筋で糖代謝が起きる時以外は、糖は代謝されていないのです。

 

 

 

もっぱら、①と②です。

 

 

 

代謝ではありませんが、備蓄分の糖が肝臓と筋肉と骨等に備蓄されていますが、これらを合わせると、体重50キロの人で、おおよそ500グラム未満なのです。

 

 

 

この数字は一定にしないと、ダメなのです。

 

 

 

だから、糖代謝をターゲットにした、無酸素運動は、ダイエットにはなりません。

 

 

 

何度も言いますが、瞬発力で、無酸素で、嫌気的解糖作用の亢進を引き起こしても、乳酸が分泌されて、コリ回路により、また、筋肉内に糖が戻ってくるのですよ。いたちごっこですし、糖の備蓄分を代謝させても無意味ですし、無駄なことになります。

 

 

 

体内組成の糖の量を一定に保つために、過剰に糖質を摂取した時に、インシュリンが分泌されて、中性脂肪に変換されるのですよ。

 

 

 

糖が変化した中性脂肪をターゲットにするダイエットが正しいダイエットのあり方になるのです。

 

 

 

ダイエットはあくまでも、酸素と脂質で、ミトコンドリアでエネルギーを産生する方式を目指すべきなのです。

 

 

 

無酸素はダイエットになりません。糖代謝を目指したダイエットはダイエットにならないのです。ご理解いただけたでしょうか?

 

 

 

 

佐藤さんが言うパフォーマンスというのは、いわゆるアスリートのパフォーマンスで、解糖系が入っている、瞬発力+持久力の話ですよ。

 

 

 

私が言ってるのは、駆け引きや、勝負や、自分の記録の更新を狙うような人の話ではないですよ。

 

 

 

健康の為、ダイエットの為、有酸素運動だけで、長距離をマイペースで走ろうという人の話です。

 

 

 

競技志向や、それなりの目標を持った人は、必ず、走っていても酸素を吸っていても、微妙に踏ん張って、無酸素に近い状態が何度も起きるのですよ、その時に糖代謝が起きるのです。

 

 

 

だいたいそういう場合、呼吸が乱れますが、極端な話散歩していても、少しコースを変えて階段を上るようなコースに変えただけで、瞬発力が必要になり、嫌気的解糖が起きるんですよ。

 

 

 

だから、何か目標を持って走る人や、ダイエットだけ、健康の為だけ、と言う人では、同じ有酸素運動でも、その内容は、変わってくるのですよ。

 

 

 

 

 

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乳酸の毒性を忘れてはいけない

 

 

 

乳酸はエネルギー源になるので、全く悪いわけではありません。

 

 

 

ですが、たくさんあればいい・・・というわけでもありません。

 

 

 

むしろ、蓄積すると有害なので、こちらの方を警戒するべきです。

 

 

 

例えば、「脳腫瘍」という病気があります。

 

 

 

これは、「ニューロン(神経細胞)」が癌化したものではなく、乳酸を発生させる「グリア細胞」が癌化したものです。

 

 

 

原因は乳酸の蓄積です。

 

 

 

 

このように、乳酸を処理する仕組みがあるからといっても過剰になると不具合が出てきます。

 

 

 

 

『ガンの特効薬はミトコンドリア賦活剤 酸化・糖化・炎症・毒・栄養障害は乳酸がカギ』より引用

 

 

人体の酸化の1番の原因は、乳酸の蓄積です。

 

 

乳酸は具体的な数値を伴って、細胞や血液を酸化させます。

 

 

乳酸が細胞をpH5~6に酸化させ、血液をpH7.3以下に酸化させます。

 

 

ミトコンドリアはpH7.35以上の弱アルカリ性でないと活動できないので、乳酸の蓄積によってATP不足と細胞の障害という致命的な不具合を招きます。

 

 

ブドウ糖=乳酸×2です。

 

 

乳酸はブドウ糖を2つに割っただけの、単純な糖です。

 

 

余った糖(乳酸)は、毒性を持ちます。

 

 

毒性を発揮した糖は、タンパク質を劣化させ、AGEs(アクリルアミドなど)を作ります。

 

 

乳酸の蓄積による劣化が、老化や病気の原因です。

 

 

ガン細胞が分泌する乳酸が、慢性炎症の根本原因です。

 

 

ミトコンドリア機能不全のガン細胞は、必ず乳酸が蓄積し、大量の乳酸を分泌します。

 

 

蓄積した乳酸は、炎症性サイトカインであるIL-6・IL-23・IL-17などを増強し、慢性的な炎症を起こし続けます。

 

 

慢性炎症はガン・慢性病の原因であり、細胞を焼き続けて破壊します。

 

 

毒と言えば、水銀などの重金属やトランス脂肪酸などの化学物質を想像します。

 

 

しかしミトコンドリア毒は、それだけではありません。

 

 

体内で作られる「毒性を持った乳酸」が、最も恐ろしい毒です。

 

 

毒性で水銀より劣る乳酸ですが、蓄積される量が圧倒的に多いのです。

 

 

ワクチンなどに水銀が仕込まれていますが、普通はそんなに水銀を入れ続ける事はありません。

 

 

しかし食事の6~8割が精製糖質の現代人は、無尽蔵に乳酸を作り続けています。精製糖質が毒性を持った乳酸に変わることを知らない現代人は、間違った食生活を変えようとしません。

 

 

病気になっても病気の原因を入れ続けるので、病気が治るはずもありません。

 

 

精製糖質を摂るようになってから、日本は脚気というミトコンドリア病=乳酸アシドーシスに苦しめられてきました。

 

 

ビタミン・ミネラルなどを削ぎ落とし、破壊している現代食は、乳酸を溜めるには理想的な食事です。

 

 

クエン酸回路や電子伝達系の図を見るとよくわかるのですが、ビタミンB群やミネラルが不足すると、ブドウ糖はクエン酸回路に入れません。

 

 

結果的にブドウ糖は乳酸に変わり、細胞や血液に蓄積していきます。

 

 

精製糖質を過剰摂取し、ビタミン・ミネラルなどが不足している現代人は、間違いなく栄養障害です。

 

 

栄養障害が乳酸の蓄積を生み、病気を蔓延させています。

 

 

栄養障害が乳酸を蓄積させ、余った(蓄積した)乳酸が毒性を持ちます。

 

 

乳酸が酸化・糖化・炎症を引き起こし、老化・病気の原因です。

 

 

乳酸がミトコンドリア機能不全を拡散し、人体を劣化させています。

 

 

乳酸という明確なターゲットを意識して、病気の予防・治療をしましょう。

 

 

日本にも本気で病気を治す「名医」が増えていますが、まだ「乳酸の毒性」に気付いていない人がほとんどです。

 

 

「活性酸素」の陰に隠れて、真の黒幕である「乳酸」に気付けないのです。

 

 

 

「エネルギー源」という局所に注目して評価するのではなく、「蓄積の有害性」を含めた大局を見るべきです。

 

 

 

乳酸の蓄積による慢性疾患が多いのですから、そう断言します。

 

 

 

 

また、「疲れの原因は乳酸ではなく活性酸素である」・・・という説もありますが、乳酸は活性酸素の原因です。

 

 

 

 

乳酸が酸化、糖化、炎症を引き起こします。酸化とは活性酸素によって劣化した状態です。

 

 

 

 

乳酸をなくす方法

 

 

 

乳酸をエネルギー源にする為に、「乳酸脱水素酵素」であるタンパク質と、その補酵素「NAD / NADH」の元であるナイアシンを不足させないようにすることが重要だとお話しましたが、ここでは乳酸をなくす方法を紹介します。

 

 

 

 

『藤川徳美医師 facebook 2017年3月7日』より引用

 

 

 

筋肉がかたいということは、伸縮がスムーズにゆかず、フィラメントのすべり運動がうまくゆかないことでしょう。

 

 

ふつうの人の場合、これは乳酸の蓄積またはフィラメントの酸化によっておこります。

 

 

いわゆる筋肉のコリがそうです。

 

 

この乳酸をなくす方法は二つあります。

 

 

 

一つは、ビタミンB1によって、これを二酸化炭素と水にまで分解してしまう方法です。

 

 

もう一つは、細胞膜の透過性をビタミンEによって正常化して、乳酸を筋肉細胞から外に追い出す方法です。

 

 

むろん、両者の併用が理想的なわけで、これは肩凝りをほぐす方法にもなります。

 

 

T嬢の場合、筋肉は頻繁に収縮を繰り返しますが、ビタミンB1が不足していれば、そのつど乳酸が発生します。

 

 

だから、筋肉がかたくなるのは当然といえるでしょう。

 

 

一方、筋肉の収縮にはエネルギーを必要としますが、そのエネルギーは、脂肪酸、グリコーゲン、クレアチンリン酸などから作られます。

 

 

筋肉がかたくなっているのは、こういうもののストックが底をついている証拠でもあるのです。

 

 

このうちクレアチンリン酸は、ビタミンEがないと、筋肉中に保持されません。

 

 

このビタミンがなかったら、クレアチンリン酸は、利用されることなしに、尿に出て行ってしまいます。

 

 

 

 

それぞれのビタミンの役割をまとめます。

 

 

 

 

  • ビタミンB1・・・乳酸を二酸化炭素と水まで分解する反応に必要

 

  • ビタミンE・・・・乳酸を筋肉細胞から追い出す、クレアチンリン酸を筋肉中に保持する

 

 

 

「乳酸は疲労物質ではない」と言われているのですが、このように疲労物質だと仮定してビタミンを使うと効果がでるところをみると、やはり疲労物質ではないか・・・とも思うわけです。

 

 

 

 

以下の話を読むと特にです。

 

 

 

『精神科医こてつ名誉院長のブログ 三石理論 ビタミンB1 注射の効果』より引用

 

 

冬になると、私はスキーを楽しむことにしている。

 

 

数年前まで、一行の中に高校生がいた。われわれの仲間は、習慣のようにビタミンB1、100mgの注射を、毎晩やったものだ。

 

 

高校生氏は、これをバカにしたように横目で見ていた。

 

 

毎日5時間も雪の上を滑っていると、初日はともかく、三日目ぐらいになると、筋肉痛で苦しみだすのが通例といってよい。

 

 

ところが、ビタミンB1の大量投与をやっていれば、そういうことにならないのだ。

 

 

さすがの若者も、注射の効果を目のあたりに見て、自分にもしてくれと頼むようになった。

 

 

このような例は、一つや二つではない。

 

 

 

筋肉疲労の原因物質が乳酸であってみれば、ビタミンB1の効果が期待されてよいわけだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

40年前の話なので、医療関係者でなくても注射ができた様子。

 

 

B1、100mgの注射はやはりかなり強力です。

 

 

以前話したように、注射後1時間以内に体内の乳酸を処理してしまうようです。

 

 

つまり、乳酸がなくなるということは、ガンの餌がなくなるということになる。

 

 

 

”糖質はガンの餌”という言葉があるが、正確に記すと”糖質により生じた乳酸がガンの餌”という表現の方が正しいと考えている。

 

 

 

 

私は現実に起こっている事を重視するので、「乳酸は疲労物質である」という考えを無視することはできません。

 

 

 

 

以下の記事でも説明しましたが、乳酸の本当の害に気付かせない為に、「疲労」や「筋肉」という局所に目を向けさせることで、乳酸の怖ろしさを煙に巻いている可能性があります。

 

余命わずかの末期癌患者が退院できたのは病院での栄養療法のおかげだった!

 

 

 

また、そういう説を唱える専門家が脚光を浴びるような社会になっています。

 

 

教育と洗脳は紙一重、確認をしなければどんな学問もただの信仰である

 

 

 

 

乳酸の害を大したことがないように捕らえている情報に注意した方がいいでしょう。

 

 

 

 

 

まとめ

 

 

 

ポイントを整理します。

 

 

 

  • ミトコンドリアで代謝できない場合、ピルビン酸は乳酸になる

 

 

  • ピルビン酸が乳酸に変換される理由は、解糖系で生じた「NADH」を「NAD」に戻す為

 

 

  • 乳酸をエネルギー源にする為の「コリ回路」は、ATPを4分子失う

 

 

  • 解糖系に依存した細胞から生じた乳酸は、別の細胞のエネルギー源になる

 

 

  • 乳酸は酸化、糖化、炎症を引き起こす

 

 

  • 乳酸をピルビン酸に変える「乳酸脱水素酵素」はタンパク質、補酵素の「NAD / NADH」はナイアシンが材料

 

 

  • 乳酸をなくすには、ビタミンB1とビタミンEを摂取する

 

 

 

 

グルコース(ブドウ糖)をエネルギー源にする場合は、以下のようになります。

 

 

 

ピルビン酸から乳酸になる流れ

 

 

 

 

このブログでは糖質の危険性をうったえているので、「糖質を控えて脂質をエネルギーにする方が良い」・・・と言っています。

 

 

 

 

しかし、糖質を控えられない人がいます。例えば以下のような方達です。

 

 

 

  • 体質的に糖質制限ができない人

 

  • 糖質制限をしているが、付き合いでたまに糖質を食べる人

 

  • 思想の為のベジタリアン

 

  • 家族の食事とは別に糖質制限食を作るのが難しい人

 

  • 仏壇のお供え物を食べる習慣がある人

 

  • 強度の運動をする為にエネルギー源として糖質が必要な人

 

 

 

 

糖質を摂られる方は、右の代謝し切る方法を選ぶと健康的です。

 

 

 

具体的な対策は、以下の記事でお話しています。

 

ベジタリアンや糖質を止められない人が、健康の為に摂っておきたい栄養素とは

 

 

 

最悪「乳酸」が発生しても、消費しきれるレベルに抑えるというのもポイントです。ただし、「糖新生」にはATPを6分子消費するので、その点は注意が必要です。

 

 

 

 

 

そして、図を見てもらったら分かると思いますが、ミトコンドリアで代謝する場合、「解糖系」と「クエン酸回路」と「電子伝達系」で得られるATPは、合計で38分子です。

 

 

 

 

しかし、乳酸が発生するルートは、「解糖系」で得られるATPだけになります。グルコース1分子からはATPは2分子なので、少ないです。

 

 

 

 

低エネルギーなので体温も低くなります(癌患者は35度台です)。

 

 

 

 

そして、ATPの生産数が少ないので、足りない分を速さで稼ぐ仕組みになっています。その為、「解糖系」は、ミトコンドリアでのATP生産よりも100倍近く速いです。

 

 

 

 

糖質はすぐにエネルギーになる・・・というのはこの為です。

 

 

 

一見、良い事のように聞こえますが、悪い面もあります。

 

 

 

「解糖系」だけに依存するとエネルギーが足りないので、体はとりあえずATPの数を稼ごうとします。

 

 

 

その為、糖質が止められなくなります。

 

 

 

 

これは、とりあえずエネルギーをよこせ・・・という体の反応です。

 

 

 

 

体には乳酸を処理する仕組みがありますが、なるべく溜めないように心がけた方が良いです。

 

 

 

余命わずかの末期癌患者が退院できたのは病院での栄養療法のおかげだった!

 

 

 

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