遺伝子の99%が同じでも、人間とチンパンジーの消化器官の構造は違う

「どんな栄養を摂れば健康になるか」を知る為には、「人体の構造」を正しく理解する事が重要です。構造が分かれば、どんな燃料を使うのが相応しいのかも見えてくるからです。よく分からないマシンに、よく分からない燃料を入れれば、故障の原因になります。

 

 

だから、健康に関心のある人は、「人間の食性」を追求していくわけです。それ自体は良いのですが、以下のような問題があります。

 

 

●昔の人類は〇〇だったが、進化して〇〇という能力を獲得して、〇〇を食べる様になった。だから、〇〇を食べるのが正解だ

 

●人類の親戚であるチンパンジーやゴリラは、〇〇を食べて健康なのだから、人間もそれを見習ったら健康になれる

 

 

 

栄養に関心のある人なら、一度は触れたことのある話の展開ではないでしょうか。どちらの意見も、一見、論理的な気がしますが、そうでもありません。

 

 

その事について、過去に以下のような記事を書きました。今回はその続編になります。

 

 

人の食性を考える時、チンパンジーを参考にしてはいけない理由【前編】

人の食性を考える時、チンパンジーを参考にしてはいけない理由【後編】

 

 

以前書いたこちらの記事では、歴史的な視点で「生物の進化が疑わしいので、親戚かどうかもわからないチンパンジーの真似をしない方が良い」事をお話しました。

 

なので、今回は、体の構造という視点から、「人間と消化器官の構造が違うので、チンパンジーの真似をしない方が良い」理由をお話します。そして、この事は、チンパンジーだけでなく、他の類人猿についても言える事です。

 

 

一般的に、「チンパンジー」や「ゴリラ」は、ある時期までは祖先が「人間」と同じだ・・・ということになっています。分かりやすくする為に書いてみました。

 

 

 

進化を信じていて、この図が頭の中にある人にとっては、「チンパンジー」や「ゴリラ」等の類人猿は、遠い昔に枝分かれした親戚になるのです。だから、彼らの食生活で、彼らが健康を保っている様子から、「彼らの真似をしよう」という発想が生まれるのだろうと思います。

 

 

 

「人間は類人猿と同じような食事をするべきだ」という意見に対して、私がどう考えているかと言うと、「NO」です。その理由は3つです。

 

 

① 見た目が人間と近くても、消化器官の構造が違う

② 人間とチンパンジーやゴリラは本当に親戚なのか疑わしい

③ ②の土台となる「進化論」そのものが疑わしい

 

 

この3つの理由ついて細かくお話する前に、「類人猿」について、簡単に説明しておきます。

 

「霊長類の中の一部」を「類人猿」と呼びます。「人に類似した猿」という意味です。以下を読むとイメージが掴めると思います。

 

 

『一般社団法人 アースメイト・チンパンジーNEXT 2014.9月 —– vol.3~チンパンジーは類人猿(るいじんえん)~』より引用

 

先月のコーナーで、「チンパンジーにはしっぽがないよ」というお話をしました。実は、しっぽがないのはチンパンジーだけではありません。

 

チンパンジーのほかにも、霊長類(れいちょうるい=いわゆるサルの仲間)の中で、テナガザル、オランウータン、ゴリラ、ボノボも同じようにしっぽがありません。

 

これらの、しっぽがない霊長類(テナガザル・オランウータン・ゴリラ・ボノボ・チンパンジー)は“類人猿(るいじんえん)”と呼ばれています。なかでもテナガザル以外の体の大きな類人猿は“大型類人猿”と呼ばれています。

 

類人猿は霊長類の中でもっともヒトに近いグループです。他のサルたちに比べると、ヒトと同じような特徴がよりたくさんあるということです。「しっぽがない」こともそのひとつです。

 

さて、この“類人猿”という言葉、英語では“ape”。類人猿以外のサルは“monkey”なので、明らかに区別されています。

 

 

(中略)

 

 

 「ヒトと同じような特徴がよりたくさんある」ということです。

 

しかし、だからといって「人が彼らを真似ても大丈夫か」は、また別の問題です。何故なら、見た目が人間と近くても、消化器官が違うからです。

 

というわけで、私が人間は類人猿と同じような食事をするべきではないと思う、1つ目の理由についてお話します。

 

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姿は似ていても中身が同じとは限らない

 

 

「類人猿」の食性の特徴ですが、基本的には「果実食」だそうです。それプラス、その他の「葉」や「昆虫」や「動物の肉」等も食べるそうです。

 

「健康を保てるから人間も真似した方が良い」と言われるのは、だいたい「ゴリラ」と「チンパンジー」の事ですが、この2つの食性も少し違います。

 

「チンパンジー」は肉も食べるので「雑食で、人間の食性に近い」とも言われていますが、「ゴリラ」は葉を好んで食べる「植物食性(草食)動物」です。

 

従って人間に近いのが「チンパンジー」で、遠いのが「ゴリラ」と言えます。それに伴って、消化器官の構造も、人間に近いのが「チンパンジー」で、「ゴリラ」の方が遠いといえます。

 

 

というわけなので、まず、人間とは消化器官の構造がかなり違う「ゴリラの食事の真似」は避けた方が良いと言えます。では、具体的にどう違うのか、「人間とゴリラの大腸」の説明をした記事が以下になります。

 

 

『宇野コラム Uno column (追記あり)あなたはゴリラ?発酵食と高繊維食はゴリラでOK』より引用

 

 

ゴリラは、人間に姿が似た草食動物です。

 

ゴリラは食物繊維の発酵によって生じる短鎖脂肪酸を栄養源としています。つまり、ゴリラの腸の中では非常に高いレベルの発酵を生じています。

 

(英文略)

 

では、なぜ、ゴリラはそのような過発酵に耐えられるのでしょうか?

 

ゴリラの大腸は広い管腔幅と発達したハウストラがあります。(大腸のボコボコした隆起をハウストラといいます。)この形態は馬のような草食動物に共通しています。

https://mbwildlifeblog.wordpress.com/digestive-anatomy/

 

 

馬の大腸では発酵に対応するための非常に広い管腔があります。ハウストラも非常に発達もしています。

https://kppusa.com/tips-and-topics/colonic-ulcers-horses/

 

 

 

これに比べ、人間の大腸は貧弱なハウストラと狭い管腔を持ちます。

https://mbwildlifeblog.wordpress.com/digestive-anatomy/

 

 

また、肉食動物のライオンの大腸にはハウストラはなく、腸内発酵に適していません。

 

 

つまり、人間の大腸は草食動物と肉食動物の中間であり、人間の大腸は解剖学的に、草食動物のような過発酵には適さないのです。食物繊維を沢山摂取して、なおかつ、高フォドマップのような発酵食品を沢山食べると、人間の大腸は、それに耐えられず、過敏性腸症候群や大腸憩室を来すことになります。

 

しかし、大丈夫だという人もいます。

 

そういう人は、ゴリラや猿に似た丈夫な大腸の持ち主かもしれません。しかし、生まれつきゴリラではないので、慢性的な高圧力によって、だんだんと腸管が拡張してきて、腸管が薄くなり、腸が横に伸びて、収縮力が低下し、巨大結腸症の方向へ向かってゆきます。

 

また、発酵による短鎖脂肪酸が健康にいいという理論ですが、短鎖脂肪酸をエネルギー源としている馬や日本猿の寿命は25-30年、ゴリラは35-40年です。

 

ゴリラは人間よりも何十倍もの短鎖脂肪酸を体内に取り入れています。しかし、その死因の多くは腸炎によるとされています。またウイルス感染や肺炎で死にます。

 

(英文略)

 

マイコプラズマにも感染しやすい。これらのことは、短鎖脂肪酸が腸環境を改善するとか、免疫力を高めるという仮説と矛盾しています。

 

このように、見た目の共通点ばかりに注目してはいけないのです。中がどうなっているか知る事は重要です。

 

 

「ゴリラ」はその消化器官の構造から「植物食性(草食)動物」です。

 

 

そして、「ゴリラ」のように「植物食性動物の消化器官」を持っていても、植物性の食品を食べ続けていれば、このような病気になるということです。ならば、それを持っていない人間が真似をするのは、もっとリスクが高いと思います。

 

 

「人間」と「ゴリラ」の消化器官の違いはわかったと思いますので、ここからは、人間に近いとされる「チンパンジー」にも触れていきます。

 

 

『食と文化の謎 / 著者:マーヴィン・ハリス / 訳:板橋作美』より引用

 

実際、人間の生理学的特徴の一つは、消化管が少量の線維質しか処理できないことである。

 

多繊維質食物から必要な栄養とエネルギーをとりだすには、長くて大きい腸をもつか、牛や羊がもっているような特別の発酵タンク(これについてはあともっと詳しく説明する)を必要とする。

 

繊維質食物を食べて生きていくには、1日の大半を食べることについやさなければならない。

 

植物の葉や木質という多繊維質で栄養的に低濃度の食事に適応した動物の特徴を、大型類人猿の数種にみることができる。ゴリラは、たえ間なく食べつづけ、ゆっくり消化し、巨大な結腸(「大腸」)で発酵させて、セルロースを分解する。

 

実験によると、ゴリラやチンパンジーがなにかを食べてから、それが排泄物としてはじめて出てくるまでに、約三五時間かかる。

 

人類は、ゴリラやチンパンジーとおなじく長い小腸をもっているが、結腸ははるかに小さい。人間の結腸は、栄養物の吸収もある程度はおこなうが、おもなはたらきは(排泄のほかに)体液の再吸収である。

 

人間の消化管内通過時間はきわめて短い。被験者に小さなプラスティックの標識を食事といっしょにのみこませると、便といっしょに出てくるまでに、約二五時間しかかからない。

 

この実験結果からわかることは、われわれ人間の消化器官は繊維質の食物に適応していないということ、むしろ人間は「量のわりに高栄養で消化の早い、高品質な食物」に適応しているらしい、ということである。動物性食物は、そのような条件にぴったりあてはまる。

 

(39p~40p)

 

 

「人類は、ゴリラやチンパンジーとおなじく長い小腸をもっているが、結腸ははるかに小さい。」という記述がありますね。ということは、チンパンジーの結腸は人間より大きいということです。でも、これだけでは不十分なので、別の記事も紹介します。

 

 

『糖質オフと栄養の科学 / 著者: 斎藤糧三、大柳珠美』より引用

 

 

加えて傍証となるのは、他の霊長類とヒトの消化管の違いです。

 

霊長類のなかでもヒトにもっとも近いとされるのはチンパンジー。

 

ヒトとチンパンジーは生物の設計図であるゲノム(生物が持つ遺伝子の総体)の98%までは一致していますが、その消化管には大きな違いがあります。

 

チンパンジーは消化管全体のおよそ半分が大腸で占められているのに、ヒトの大腸は消化管全体の20%ほどでしかないのです。

 

大腸はこれまで単に便をつくるところだと誤解されてきましたが、実際には多くの腸内細菌が共生しており、胃腸で消化できない食物繊維を腸内細菌が酢酸などに分解してエネルギーを取り出しています。

 

森をすみかとするチンパンジーの主食は果実や葉などの植物で、植物の食物繊維を分解するために長い腸が必要でした。

 

対するヒトは森を出てサバンナに広がり、狩猟で野生動物の肉食を始めた結果、相対的に植物の摂取が減り、短い大腸で生きるようになったと考えられます。このように消化管の構造からも糖質はヒトの食生活に合っていないのです。

 

 

このように人間は、似ていると言われる「チンパンジー」とも、消化器官の構造は違うということです。従って、「チンパンジー」の食事の真似をするのも止めた方が良いと思います。

 

 

人間が「チンパンジー」や「ゴリラ」の真似をして植物性の食品を食べれば、不具合が生じる可能性が高くなるのは、人間の持つ消化器官が植物性向けではないからです。

 

 

しかし、植物性の消化に適した体を持つ、「チンパンジー」や「ゴリラ」は、「肉」や「昆虫」といった動物性の食品も食べるそうです。それは大丈夫なのか・・・そう思われた方の為に、その理由についてお話します。

 

 
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植物食性動物は食性に柔軟性がある?

 

 

以下は、ここまでの流れのポイントです。

 

 

●動物食性の動物が、植物性の食品を消化・吸収するのは困難

●人間は動物食性動物

 

 

これらをふまえた上で話を続けます。「ゴリラ」や「チンパンジー」は、植物食性の消化器官を持つわけですが、かといって動物性食品を全く食べないわけではありません。それは、大丈夫なのかということですが、

 

まず、「ゴリラ」や「チンパンジー」が、動物性食品を食べている様子を紹介します。

 

 

『食と文化の謎 / 著者:マーヴィン・ハリス / 訳:板橋作美』より引用

 

つい最近まで、猿類や類人猿は完全な菜食主義者だと人類学者は信じていた。しかし今日では、野生動物の綿密、細心な観察の結果、霊長類の大部分はわれわれとおなじく雑食であることがわかっている。

 

そのうえ、猿や類人猿の多くは、雑食性であるだけでなく、肉にありついたときに大騒ぎするという点でも、人間によく似ているのだ。

 

猿類は、動物としてやや小型であるため、鳥獣類というより、主として昆虫類を獲物にする。しかも、これまで信じられていたよりはるかに多くの時間を、昆虫の捕食についやしている。

 

これは、猿類が野生状態でどのような食事をしているのか、という長年の謎を解くものであった。

 

 

猿類の多くは、森のなかをすすむあいだ、噛みかけの葉や果物をたえずまき散らしていく。かれらが食べたものと捨てたものをさらによくしらべてみると、かれらはだらしがないのではなく、贅沢にえりごのみしているらしいことがわかる。

 

猿は、ほしい果物をつみとるまえに、何度もにおいをかぎ、触れ、ためしに少しかじってみたり、吐きだしたりする。しかしそれは、完璧な、よく熟した、けがれのない、エデンの園のリンゴをさがしているのではない。そうではなく、なかに虫がいるものをみつけようとしているのだ。

 

事実、アマゾンの猿には、果物自体より昆虫の幼虫のほうに関心をもつのがいる。かれらは、コクゾウムシが食いあらしているイチジクの実をひらいて、なかのコクゾウムシだけを食べ、イチジクのほうは捨ててしまう。

 

 

なかには果物と虫の両方とも食べる猿もいるが、そのばあい、虫に食われていない部分は吐きだしてしまう。形がくずれているなどの、昆虫が巣くっている兆候がなにもない果物には、まったく目もくれないものすらいる。

 

昆虫の入った果物をさがしだすことによって、猿は、「蛋白質節約」効果のためのカロリーの豊かな炭水化物と肉を組あわせて食べる人間の食習慣の先駆者となっている。人間が肉とバナナを交互に食べることを、猿は、ただ、なかにたくさん昆虫の入っているバナナを選びだすという方法で、おなじ効果をえているのだ。

 

 

現在では、数種の猿は、単に昆虫を食べるだけでなく、小動物の獲物を積極的にとることもわかっている。

 

ヒヒはとりわけ熱心な狩人だ。ロバート・ハーディングは、ケニアでの一年間の観察のあいだに、子どものガゼルやアンテロープをふくむ四七頭の小型脊椎動物をヒヒが殺し、食べるのを目撃した。

 

野生のヒヒは、ふつう、一日の大半を植物性植物を食べてくらす。しかし、仕方なく「菜食主義者」となっている多くの人間の場合と同様、ヒヒがほんのわずかしか肉を食べないのは、そうしようとしているからではなく、そうせざるをえないからだ。手ごろな獲物をみつけたり、つかまえたりするのが難しいためだ。

 

 

ウィリアム・ハミルトンが主張するところによれば、かれがナミビアとボツアナで観察したヒヒは、どちらでも選べるばあいには、かならず動物性植物のほうをまず食べる。根、草の実、果物は二番目、木の葉は三番目である。昆虫が豊富な時期には、ハミルトンによると、ヒヒは、七二パーセントもの時間を昆虫を食べるのについやすという。

 

 

人間以外の霊長類の肉食についてのもっとも驚くべき発見は、動物界においてわれわれ人間にいちばん近い親類であるチンパンジーが、熱心な、またかなり上手な狩人であることだ。(人間は唯一の「殺し屋」猿である、という流布した説など、所詮こんなものだ)。

 

 

ゲザ・テレキは、タンザニアのごんべ国立公園での十数年の観察にもとづいて、チンパンジーは時間の約10パーセントを小動物―おもに若いヒヒ、他の猿類、「ヤブイノシシ」―狩につかっている、と推定している。

 

 

おなじゴンベ国立公園で、R・W・ランガムは、チンパンジーがコロブス・モンキー、ヤブイノシシ、ブッシュバック、レッドティル・モンキー、ブルー・モンキー、ヒヒ、(この順に回数は少なくなる)をつかまえ、食べるのを観察した。

 

テレキの計算によると、雄の成獣は、昆虫以外の肉類を、二週間に約一オンス食べる。

 

チンパンジーの狩人は、しばしば共同で猟をする。おもに雄の、9頭ほどのチンパンジーが、位置をさだめて布陣し、たがいの動きを調整し、ときには一時間にもわたって、獲物が逃げないようにたくみに包囲する。獲物をとらえると、チンパンジーは、たいてい数時間かけて、その死体をひきさき、食べる。多数のチンパンジーが分け前にあずかる。

 

あるものは、リーダーの雄の顎の下に手のひらをあげて、少しくれと「ねだる」。また、たがいにひったくりあうものもいれば、落ちた小片をとろうととびまわるものもいる ―― このような行動は、植物性の食物を食べるときにはめったにおきない。

 

 

いずれにせよ、なんらかの方法で、一五頭ほどのチンパンジー ――おもに雄―― が一頭の獲物を分けあって食べる。

 

われわれのイトコにあたる霊長類のあいだだけでなく、これほど多くの人間社会のあいだでも動物性の食物が特別な行動をおびおこすというのは、たまたまそうであるにすぎないのか、それともなにか共通するものがあるのか、わたしにはなんとも言えない。

 

しかし、そうだからといって、ライオンやタカやそのほかの本当の肉食動物が肉食にかりたてられるのとおなじに、人間も遺伝的なプログラムによって動物性食物をさがしだし、食べるよう仕組まれているのだ、とわたしが考えているわけではない。

 

 

食慣習における植物性食物と動物性食持ちの比率は文化によってあまりに大きくちがっており、それゆえ、人間は動物性食物をかならず食べなければいけないものと本能的に認識している、などという考えを支持することはできない。

 

 

より納得しやすい説明をするなら、われわれに固有の生理作用および消化作用が、われわれに動物性食物のほうを好むよう学習させる、ということだ。

 

 

そして、われわれも、われわれのイトコにあたる霊長類も、動物性食物に特別な注意をはらうが、それは、それらの食物にはいくつかの特性があり、そのためにきわめて栄養豊かだからなのだ。

 

 

(26p~30p)

 

類人猿は、思った以上に、動物性食品である「昆虫」を食べているようです。また、人間が肉を「美味しい」と感じるように、植物食性の類人猿にとっても、肉は「特別な食べ物」である様子が伺えます。

 

 

で、問題は「植物食性である類人猿が、動物性食品を食べて大丈夫なのか」ということでしたね。

 

 

「動物食性の動物には植物性の食品が向いていない」のだから、「植物食性の動物が、動物性の食品を食べるのも困難」だろうと考えがちですが、意外にもそれはハードルが低いそうです。

 

 

『NATIONAL GEOGRAPHIC 日本版 ゴリラがサルを食べる、証拠発見か?2010.03.08』より引用

 

研究チームの一員で同じくマックス・プランク進化人類学研究所の遺伝学者ミヒャエル・ホフライター氏は、「たいていの場合、草食動物は肉の消化に困ることはない。逆だとそうはいかないが」とコメントした。

 

つまり、動物食性の動物は植物性の食品の消化には困るが、植物食性の動物が動物性の食品を食べる事は、消化上は問題ないということです。できれば、何故そうなのか根拠が欲しいところですが…。

 

 

ところで、「ゴリラ」や「チンパンジー」は雑食で、「人間」も同じように両方食べるから雑食だ、似ていると言われたりします。

 

類人猿も人間も、表面上は「両方食べている」ことには変わりないので、結果論として、同じ「雑食」になってしまっています。ですが、その意味合いは全く違います。

 

「ゴリラ」や「チンパンジー」が、植物性の食品の消化に適した体を持ち合わせていながらも、動物性の食品も食べても平気なのは、ミヒャエル・ホフライター氏の語ったような事情があるからなのかもしれません。

 

 

従って、そのような事情を無視して、「類人猿が雑食だから」といって、「人間も雑食で大丈夫だろう」と考えるのは軽率です。

 

何故なら、植物食性動物の類人猿と違って、人間は植物性食品の消化は困難な動物食性動物だからです。人間がバランス良く食べても不健康になる理由がわかるような気がします。

 

 

ここまでをまとめます。

 

 

●人間 → 動物食性動物でありながら、植物性の食品に手を出す → 負担がかかる

 

●ゴリラやチンパンジー →植物食性動物でありながら、動物性の食品に手を出す → さほど負担ではない

 

 

 

 

というわけで、ここからは、私が人間は類人猿と同じような食事をするべきではないと思う、つ目と、3つ目の理由についてお話します。

 

お伝えした通り、「人間」と「類人猿」は体の構造が違うわけですが、その事からも、本当に親戚なのかも疑わしいわけです。

 

 
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「人間とチンパンジーの遺伝子は99%が同じ」は本当かのか

 

 

そもそも「人間は類人猿の真似をすると健康になれる」という発想は、親戚だからという発想があって成り立つものです。一般的に、「人間」と「類人猿」は親戚で、「チンパンジー」にいたっては、人間と遺伝子が99%同じだとまで言われています。

 

これだけ聞いたら、違いは僅かだから、本当に親戚のような気もしますし、真似をした方がいいのかなと思いたくなります。

 

ですが、99%も同じなら、見た目もさることながら、消化のシステムだってそんなに違わないはずです。でも、現実には違っているのです。

 

こう考えると、「99%」の真相を確かめたくなります。というわけで調べてみたところ、真相はこうでした。

 

 

『Gigazin 人間とチンパンジーのDNAは99%一致するというのは本当なのか?』より引用

 

 

よく言われるのは人間とバナナの遺伝子(DNA)は50%が一致するということ。同様に、人間と犬では80%が、チンパンジーにいたっては99%のDNAが共通だと言われます。

 

この場合、体内の細胞を取り出してみると、染色体に代表されるDNAの遺伝子情報のごく一部のみが異なるように受け取れます。

 

しかし、実際には人間とチンパンジーでは、DNAの遺伝子情報はかなり違っています。

 

人間とチンパンジーが別の種に別れたのは600万年前から800万年前。別の種になってからも、ともに進化を続けて遺伝子情報がそれぞれ変化してきました。人間の染色体は23対なのに対してチンパンジーは24対と、それぞれ独自の進化を遂げてきました。

 

遺伝子情報を文字に書き起こして比べてみます。

 

人間にあるけれど、チンパンジーにはない遺伝子情報やその逆もあり。それ以外の部分は、塩基配列はごく一部が違うだけでほとんど同じ。これらの違いを科学者がどう捉えるのかが、99%一致説の鍵を握ります。

 

塩基配列のわずかな違いは一つずつ数え上げることは可能。では、まったく違う部分はどう扱えばよいのでしょうか?

 

例えば、人間とチンパンジーとで記述自体は共通しているけれど、人間では2回繰り返す場合はどうでしょう。

 

これらをすべて1文字ずつ違うものとして数え上げるべきか……それともパラグラフ全体を「1つ」の違いとして数えるべきか。同じパラグラフでも異なる場所に現れている場合はどう考えるべきか?文字列の順序が反対の場合は?文を区切れば一致する場合はどうか?……など判断が難しい場合がたくさんあります。

 

この難問に対する科学者の回答は……なんと、「大きく異なる部分は切り捨てる」という大胆な方法。その数、なんと13億文字。

 

一方、残った24億文字だけを考えて……比較した結果が「98.77%の一致」というわけです。

 

つまり、人間の25%のゲノムとチンパンジーの18%のゲノムを無視して、残りの部分だけを比較して出されたのが「人間とチンパンジーはDNAが99%一致している」という99%一致説なのです。

 

さらに、根本的な問題としてDNA情報の異なる「程度」は単純な文字列の違いでは計れないというものがあります。わずかなDNA情報の違いで、姿かたちがまったく異なることがあったり……他方でDNA情報がかなり違うのに、ほとんど同じ形の場合もあったりします。

 

つまりは、DNAの情報がほとんど同じであることをもって、生物学的に「近い」とは言えないということ。

 

しかし、DNA情報を調べることに意味がないかと言えばそうでもありません。DNA情報はその動物が進化してきた「歴史」を記録している情報として非常に大きな意味を持っています。

 

進化する度に異なる枝に分かれてきたそれぞれの進化の過程を示すのがDNA情報。その進化の過程を考えれば比較的近い段階で分かれた人間とチンパンジーが非常に近い種であるのは確実だと分かります。もちろんバナナと大きく異なるのも確実と言えるのです。

 

 

元の動画は以下です。

 

 

 

 

異なる部分を切り捨てて、残った同じ部分を比較して、「99%が一致する」ということになっているのですから、随分といい加減な話です。

 

 

改めて考えてみると、「チンパンジー」でさえこの有様なのですから、「ゴリラ」と「人間」はもっと違うでしょうね。同じだと思って食を真似しない方が良いです。

 

 

蓋を開けてみればこの適当ぶりですが、ほとんどの人はそれを大前提として理論展開しています。

 

 

物事は、一時が万事じゃないですけど、私などは、他にも適当言ってんじゃねーかと思ってしまいます。そしてこれは、「進化論」についても当てはまることかもしれません。

 

 

紹介した動画では、「進化論」を前提に語られていますが、私は「進化論」というものに対して懐疑的です。「サルが人間になる」とか、「魚が陸に上がる」という話も、本当の話に思えないのです。(詳しくは以前の記事で述べました)

 

 

「サルやチンパンジーが進化して人になった」という話を前提にした上で語られる「だから人間もこれらの動物を参考にしよう」という理論展開は、「進化論」を信じている人にとっては、「なるほど」と思えるのかもしれません。

 

 

 

しかし、「進化という現象はなく、人間は最初から人間として存在している」という考えに落ち着いている私は、「進化論が仮説である以上、類人猿と人間は、最初から全く違う生物として存在している可能性があるのだから、わざわざ違う体の構造を持つ生物の真似をする必要はない」という意見になります。

 

 
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