ヘム鉄と非ヘム鉄について分かりやすく説明してみた

 

 

貧血にならない為に「レバー」や「ホウレン草」を食べるようにと、誰でも一度や二度は言われたことがあると思います。

 

 

ですが、「レバーの鉄」と「ホウレン草の鉄」は厳密にはちょっと違うので、その違いと、どちらを摂った方が良いかについて説明します。鉄は、特に意識して摂りたい栄養素ですが、ここが分かっていないと、食べているつもりでも不足してしまうのです。

 

 

鉄不足は問題です。

 

 

「鉄不足の弊害」と聞いて思い浮かぶのは、貧血ではないでしょうか。

 

 

でも、それだけじゃないのです。

 

 

例えば、「子供を生む予定の女性」が鉄不足になると、生まれてくる子供に影響します。ADHDや、歯並びが悪い子供になるリスクがあります。(追記)詳しくは以下に書きました。

 

 

子供の歯並びが悪くなる真の原因。骨格的な不正咬合の予防は母親にかかっている

 

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また、鉄が足りないと、熱を産生する力が弱くなるので、寒冷に対して体温を保持する能力が弱くなるそうなのです。

 

 

寒がりは何枚着ても寒い。低体温の原因と、冬でも暖かく過ごせる体質に改善する方法

 

 

寒さに強くなるには、脂質やタンパク質も大事ですが、鉄の存在も重要だったのです。

 

調べてみると、鉄は体にとって重要な役割を果たしているのですが、残念ながら

 

 

鉄不足 = 貧血 = フラつく  →  大したことない

 

 

・・・と、軽く考えてしまう人が多いのです。

 

もちろん、私もこういう発想だったので、人のことは言えません。

 

 

最近、私は「鉄分」を意識して摂っていなかったので、たぶん鉄不足だと思います。「レバーを食べないといけない」と思ってはいるのですが、あんまり好きではないので、たまにしか食べません。

 

 

しかし、これでは鉄不足になります。特に女性は。

 

 

そうならない為にどうしたらいいのか話を続けます。

 

 

 

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食事から摂る鉄の種類

 

 

は、ミネラルの一種です。

 

そして、食事から摂れる「鉄」には種類あります。

 

 

●「ヘム鉄」・・・動物性食品に含まれている

 

●「非ヘム鉄」・・・植物性食品に含まれている

 

 

これら2つのうち、圧倒的に吸収率がいいのは、動物性食品から得られる「ヘム鉄」です。

 

その理由をお話します。

 

 

 

鉄は、小腸で吸収されます。

 

 

「ヘム鉄」は、鉄イオン」が「ポルフィリン環」に包まれています。その為、吸収されやすく胃壁や腸管を荒らしません。また、「他の飲食物」によって影響を受ける事は少ない性質があります。(ちなみに、ヘモグロビンは、「ヘム鉄」と「グロビン」と言うタンパク質が結合したものです。)

 

 

「非ヘム鉄」は、「ポルフィリン環」に包まれていないので、むき出しの鉄です。その為、むき出しのまま吸収された鉄が、胃壁や腸管を荒らすことがあります。また、「一緒に摂取した飲食物」の影響を受けてしまう性質があります。

 

 

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吸収率の違い

 

 

吸収率が良いのは、「ヘム鉄」で、「非ヘム鉄」は吸収率が悪いとお話しました。

 

 

例えば、「非ヘム鉄」を多く含むホウレン草と、緑茶を一緒に飲んでしまうと、せっかく摂った「ホウレン草の鉄分」は吸収されにくくなります。

 

「非ヘム鉄」の吸収率は、他の飲食物に影響されるからです。

 

 

では、どんな成分に影響されるのかというと、緑茶の場合だと、「タンニン」という成分です。(※「タンニン」とは、ポリフェノールの一種です。緑茶の他に、紅茶、コーヒー、赤ワイン、等に含まれています。)

 

 

タンニンは鉄と結合して「タンニン鉄」とう成分になります。「タンニン鉄」は水に溶けにくい性質があるので、腸で吸収されにくくなるので、せっかく鉄分を摂っても体に取り込まれません。

 

このような理由から、食事中は「タンニンを含む飲み物」は避けた方がよいでしょう。

また、食後にコーヒー等の「タンニンを含む飲み物」を飲む場合は、最低でも30分は開けた方がよいと言われています。

 

※ただし、最近では、「体内の鉄が不足している場合、タンニンは鉄の吸収にほとんど影響しない」という報告もあるそうです。どちらが本当なのかわからないので、どちらの説も鵜呑みにしない方がよさそうです。

 

 

 

鉄分の吸収を阻害する成分は、「タンニン」の他にもあります。

 

「フィチン酸」、「シュウ酸」、「食物線維」、「リン酸塩」、等です。

 

 

 

 

反対に、鉄分の吸収をよくする成分もあります。

 

「ビタミンC」と、「タンパク質」です。

 

 

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人間には「ヘム鉄」の方が合う

 

 

こうして、「動物性の鉄分(ヘム鉄)」と「植物性の鉄分(非ヘム鉄)」を比較したわけですが、やはり、人間にとっては「植物性の食品」よりも、「動物性の食品」の方が合うということです。そのことが以下にも書かれています。

 

 

『冷え症・むくみ・貧血を改善! 鉄分サプリde鉄分不足解消 鉄分過剰摂取による症状と対策とは?適正な鉄分量を理解すれば副作用も防げます。』より引用

 

人間も動物だからなのか分かりませんが、動物性ヘム鉄のほうが吸収率が高いにも関わらず鉄分過剰摂取の症状が出にくいとされています。なので動物性ヘム鉄が多く含まれる肉や魚を積極的に取り入れると安心できますよ。

 

また、鉄分サプリを選ぶ時もヘム鉄を含む商品を選べば安全性が高まります。

 

 

「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」について、もう少しわかりやすい解説が以下になります。

 

『わかりやすい貧血の知識 鉄分の吸収に数倍の差!ヘム鉄とは』より引用

 

ヘム鉄は鉄原子と有機化合物が結びついた有機鉄の1つです。構造は二価鉄という形をとっており、溶けやすくイオン化しやすいのが特徴です。

 

そのためそのまま小腸細胞から消化吸収されていきます。

 

非ヘム鉄は三価鉄という形をとっており、これはサビや無機鉄の鉄イオンの仲間で消化吸収されにくい構造になっています。

 

そのため、非ヘム鉄は消化管内で動物性タンパク質に含まれる消化酵素やビタミンC、胃酸などの還元物質によりヘム鉄(二価鉄)になることで初めて吸収されます。

 

一説によると、「非ヘム鉄」よりも、「ヘム鉄」の方が5~6倍吸収率が良いそうです。

 

 

「非ヘム鉄」の吸収率は1~6%、

「ヘム鉄」の吸収率は10~20%だそうです。

 

 

※この数字は人によって言う事がバラバラなので、話し半分で捕らえた方がよさそうです。しかし、「非ヘム鉄」より「ヘム鉄」の方が何倍も吸収率がよい事は確かです。

 

 

 

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肉料理の乏しい和食は鉄不足になりやすい

 

 

鉄を積極的に摂りたいなら、動物性の方が効率が良いです。特に、レバー、それも鶏よりも豚がオススメです。

 

 

しかし、日本人の場合は、吸収の良い「ヘム鉄」よりも、「非ヘム鉄」の摂取が多いそうです。本当かどうかわかりませんが、食事から摂る鉄の80%以上が「非ヘム鉄」だそうです。しかも、食事中にお茶を飲む人は多いので、吸収率も悪いと考えられます。

 

 

ただ、動物性の「ヘム鉄」の摂取が少なくなるのは、わかる気がします。和食は肉料理が発展していないからです。

 

 

内臓料理が盛んでないことから、日本人は肉の食べ方が下手と言えます。

 

 

それは私も同じで、いまでこそ、肉をたくさん食べるようになりましたが、内臓系はどちらかというと今も苦手です。

 

 

味は苦手ではないのですが、調理に困ります。「肉の内臓」を食べる習慣がないので、イメージがわかないのです。

 

 

安いから買おうかなと思うのですが、つい内臓ではない部位を買ってしまいます。

 

 

母親の料理を振り返っても、「レバニラ」とか「レバーの塩焼き」ぐらいしか思い浮かびません。真似できるのは、食べた事があるこのメニューぐらいです…。

 

よく食べていたアン肝は魚ですし、季節限定です。

 

 

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内臓料理が豊富な文化

 

 

同じアジア圏でも、お隣韓国は、内臓料理が豊富です。つまり、ヘム鉄を豊富に摂れる環境と言えます。

 

日本と韓国の内臓料理に関して調べてみると、面白い記事がありました。それをまとめると

 

 

●日本人が動物の内臓を食べ始めたのは、太平洋戦争後

●それまでは、内臓を食べる習慣がなく、肥料にしたり、捨てたりした

●一部の地域では馬の内臓を食べていたが、例外

●中国と関係が深い朝鮮半島は、肉や内臓の食べ方も熟知していた

 

 

ということだそうです。そして、興味深いのがここからです。

 

 

『ホルモンから焼肉へ』より引用

 

 なお、ホルモンとは、放るもの(捨てるもの)がなまって→ホルモンとの説はたぶん誤解です。ビタミンとかホルモンとか、医学用語からが正解かと。

 

このホルモン、つまり獣肉はヒトの免疫力を高めるとか。宮塚利雄氏の『日本焼き肉物語』に次のように紹介されてます。

 

<伝染病にかかれば、日頃、栄養が悪いので死ぬ率は高かったが、朝鮮の女工はあまり死ななかったねぇ。今考えると、食べ物が違っていたからだろう。日本の女工はよくてもタクアンや目刺しくらいだが、朝鮮人の女工はブタや牛のモツ(臓物)を買ってきて、煮て食べていたから栄養がよかった。

 

牛やブタのモツは今でこそ売り物になっているが、当時は捨てるか、畠(はたけ)の肥料にしていた。そんなものだから、貰いにいけばただでくれて、朝鮮人の女工は食べる事ができたのだろうが、それが結果的には、伝染病にかかっても日本の女工に比べて死亡率が低くなって現れたのだろうね。>

 

「金賛汀・方鮮「風の慟哭―在日朝鮮人女工の生活と歴史」田畑書店昭和55年」

 

<休みの日は月に二回でしたが、その日は2銭か3銭のお金で、天ぷらのような揚げ物を売る店で、野菜の揚げ物などを二つ三つ買って(中略)お金もないので、遊びに行くところもないから、同僚と一緒に浜辺に行ったのです。

 

そんな時、鶏肉屋さんで、鳥の足の部分や内臓の捨てる部分を貰ってきて、浜辺で火をたき、鍋にそれらの「モツ」をいれて煮て食べたりもしました。会社の食事では、肉類は絶対に出ませんでしたので、そんな物で栄養を補給したんです。>

 

金賛汀 『朝鮮人女工のうた』岩波書店 昭和57年 宮塚利雄『日本焼き肉物語』より転載。

 

マーヴィン・ハリスというアメリカの文化人類学者が、ヒトの免疫力を高めるには肉食が有効と説いていますが、この説を実証するようなお話です。食の知恵は大事なんですね。

 

「鉄分」とは話がそれましたが、この話からも肉や内臓は免疫力を高める効果があるというのがわかります。

 

 

他の肉食文化の国も、家畜は全部無駄なく使い切っていたりしますよね。このような食べ方であれば、「鉄」も、「タンパク質」もどちらも豊富に摂れます。

 

 

動物は内臓も含めて丸ごと食べる方が栄養的に良いので、日本人も内臓を食べる、調理する習慣を身につけたいものです。

 

 

ですが、

 

 

 

鉄が不足しやすい理由は、食文化だけではありません。

 

 

 

 

 

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鉄が不足する原因

 

 

鉄が不足する原因は色々あります。

 

 

●鉄を高濃度に含む食品が少ない

 

●小腸での吸収がわずか(「非ヘム鉄」の吸収率は1~6%、それに対し、「ヘム鉄」の吸収率は10~20%と言われている)

 

●吸収がわずかで残りの大部分は排泄される。

 

●月経、授乳、で鉄を失う

 

●汗をかくと水分とミネラルが出て行く、鉄もミネラルなので失う。

 

●筋肉が増加すると鉄の必要量が増える

 

●足を強く踏みつけるスポーツは足の毛細血管に衝撃が加わり赤血球が破壊される

 

●一度減ってしまった体内の鉄は、即席で補充しただけでは増えないので、継続して摂り続けないと安定しない。

 

 

 

このように、「鉄」は意識して摂らないと、摂取する量に比べて、失う量が多い栄養素なのです。特に毎月生理で鉄を失う女性の鉄不足は深刻です。

 

 

しかし、「鉄が不足するから」、「不足すると体に悪いから」といって、鉄だけのサプリメントに走るのは待ってください。鉄は不足も怖いですが、過剰摂取も怖いのです。

 

 

血液と赤血球とヘモグロビンについて分かりやすく説明してみた①へ続く

 

 
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