母親の不足が原因で、生まれてくる子供が発達障害である「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」になる可能性があると知ってショックでした。

 

 

「アスペルガー症候群」に関しては、とうなのかわからないですが、どちらにせよ、栄養不足が子供の脳にダメージを与えるというのは間違いないようです。

 

 

前回は、鉄不足が脳に与える影響について説明しました。

 

鬱や睡眠障害や発達障害の原因を栄養の視点から考える。鉄不足が脳に与える影響は深刻だった

 

 

こちらの記事でも発達障害について触れましたが、本記事は続編で、母親の鉄不足がどう発達障害に繋がるのかについてお話します。

 

 

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発達障害の原因は不明

 

 

まずは一般論から。

 

 

現在、発達障害の原因は、わかっていないそうです。

 

 

『Medical Note 大人の発達障害の種類とその症状・特徴―自閉症スペクトラムとADHD、LD』より引用

 

 

発達障害に原因はあるのか?

 

 

はっきりとした原因は分かっていませんが、基本的には生まれつきのものと考えられています。

 

 

遺伝の要素は強いとされています。たとえば、一卵性双生児における発達障害の一致率が高い(双子が二人とも同じく発達障害となる)ことが知られています。

 

 

遺伝的な要因に加え、生まれる前後くらいまでの環境的な要因も影響する可能性が指摘されていますが、水銀との関連などのように否定されているものもあります。

 

 

このように、「一般的な見解」では、食や栄養に問題があるという発想がありません。

 

 

鉄のの字もありません。

 

 

他の原因として、「社会毒の摂りすぎ」、「妊娠中の感染症」、「遺伝」も否定できません。

 

 

しかし、「栄養不足が原因でなる」という可能性はありえると思います。

 

 

 

次にその根拠を紹介します。

 

 

 

 

子供の脳と栄養

 

 

子供の脳と栄養について、興味深い記事を3つ紹介します。

 

 

『公立学校共済組合 関東中央病院 赤ちゃんの脳に鉄分を』より引用

 

小児科部長 石川久美子
(緑のひろば 2011年10月号掲載)

 

生まれたばかりの赤ちゃんの脳は、実はまだ完成していません。

 

生まれた時に400gだった脳は、3歳で大人の脳の重量のなんと80%まで成長します。

 

また、1~2歳で神経細胞のネットワークはダイナミックに完成していき、運動面でも精神面でも赤ちゃんはどんどん発達していきます。

 

赤ちゃんの脳の発達を促すために栄養は大切ですが、脳に不足しがちな栄養素として「鉄」が注目されています。

 

「鉄」は脳の細胞と細胞の間の刺激が伝わる成分を作る上で重要です。

 

また、「鉄」が不足すると、細胞に酸素を供給しているヘモグロビンが十分に作られず貧血になります。

 

 

2歳以下のお子さんで鉄欠乏状態が3ヶ月以上続くと、認知能力、運動発達、社会性や情緒発達に影響を与える可能性があると言われています。

 

 

さらに、離乳期の鉄欠乏による貧血が続くと、発達の遅れをその後何年も引きずってしまう可能性があることがわかってきました。

 

生後6ヶ月以降は、母乳だけでは鉄は足りません。

 

赤ちゃん自身がお母さんのおなかの中でもらった鉄のストックが底をつくと同時に、母乳の鉄分は最初の頃に比べて6割程度に減ってきます。

 

赤ちゃんの脳は更に多くの鉄を必要としてくる時期なので、脳の発達にとっては深刻な事態です。

 

 

 

『Dr.靖子のblog 不妊治療で生まれた子供さんに発達障害が多い!』より引用

 

 

自然妊娠で生まれた子供さんにも発達障害の子供さんもいますが不妊治療で生まれた子供さんの方が発達障害の割合が多いようです

 

母体の栄養状態が悪いと、低出生体重児や神経、精神の発達の遅れが起こりやすくなります(言葉の遅れや運動能力低い、反応が悪いなど)

 

出生後に十分な栄養補充ができれば取り戻すことができますがそのような子供さんは腸が悪いことが多く食物アレルギー、小食、偏食であったりしてなかなか難しいようです。そのため食物制限や糖質中心の食事になり、栄養状態があまりよくないことが多いです。

 

最近は初産年齢があがり、自然妊娠でもギリギリの栄養状態で出産しています。不妊治療なら、最初から母体が妊娠においては栄養不足の状態なので発達障害の子供さんの割合が高くなります。

 

 

 

『facebook  藤川徳美医師 2015年1月2日』より引用

 

母親が鉄タンパク不足ならその子供は多動児になる

 

15-50歳の女性の80%は鉄不足があります。

 

当院の患者の男女比は、25%:75%と圧倒的に女性が多い。

 

幼稚園児を連れて受診される女性も多い。

 

先日気づいたこと、それは母親が鉄タンパク不足ならその子供は多動児であること。泣いたり、愚図ったり、叫んだり、走り回ったり、飛び跳ねたりで、じっとしてません。

 

この子、小学校に入ればじっと座って授業を受けることができないだろうな、と推測されます。

 

そういう子は、ADHD、LD(学習障害)などと診断されるはずです。

 

そういう子の母親の検査データは、フェリチン<30、尿素窒素(BUN)<10、中性脂肪(TG)>150、と見事に鉄タンパク不足+糖質過多。

 

乳児の頃は、鉄タンパクの不足した母乳を飲んで成長。

 

その後も母親と同じものを食べているので、鉄タンパク不足+糖質過多で、栄養失調になっている。B群、Zn、Mgも不足しているはずです。

 

必要なのは、診断治療ではなく、食を正すことです。

 

 

これらを読む限り、妊娠中の母親の栄養状態は、子供の脳にとって極めて重要だということがわかりますね。取り返しがつきませんから。

 

 

 

では、ここででてきた「鉄」、「フェリチン」についてお話します。

 

 

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母親のフェリチン

 

 

子供は生まれてくる時に、母親からフェリチン(貯蔵鉄)をもらいます。

 

 

「フェリチン」というのは鉄の事で、「体に貯蔵されている鉄」の事です。

 

フェリチンと鉄不足について分かりやすく説明してみた

 

 

 

この「フェリチン」は、「体に余った鉄」が溜まる仕組みになっています。

 

 

なので、体の中に余る程の鉄がない人は、「フェリチン」は溜まっていません。

 

 

しかも鉄が不足した時は、この貯蔵分から真っ先に使われますので、常に減る可能性があるわけです。

 

 

そして、女性には毎月生理がありますから、意識して鉄をとらないと、鉄不足になります。

 

 

表向き貧血の症状がでていなかったとしても、体内の「フェリチン」が密かに不足していれば、それはもう立派な鉄不足です。おまけに、フェリチンは普通の血液検査では測らない項目なので、不足しても気付かない事が多いのです。

 

 

 

 

母親は妊娠出産で「フェリチン」を50失うそうです。子供に与えるからです。

 

 

ということは、出産には「フェリチン」が最低50は必要だということになります。もし、この「フェリチン」が少ない状態で子供を産むと、母親の「フェリチン」は枯渇します。

 

 

つまり、女性は鉄を十分に蓄えた状態で妊娠しなければいけないのです。

 

 

そして、子供に鉄を与えるのは理由があります。

 

 

子供は鉄を吸収しにくいので、産まれてから鉄を補給するのは困難です。従って、胎児の時に鉄を貰って生まれてくるのです。

 

 

『つるかめ院長のブログ わかっているようで解らない鉄欠乏』より引用

 

成長期の子供は1年間に数センチも身長が伸びるので、より多くの血液が必要になり、鉄の需要が増えます。

 

 

赤ちゃんにおいては生まれてから3~4か月でほぼ2倍の大きさに成長するので、これまた多くの血液が必要になりますが、この成長における大事な点は、胎児期に母体から適切な量の鉄を得られているかです。

 

 

母体が鉄不足であると、早産や、未熟児、脳障害、アトピー性皮膚炎の原因になる場合もあります。

 

 

通常、成人が1日に食事から摂る鉄の量は15mg前後ですが、体内に吸収される鉄の量は約1mgです。

 

 

また汗、尿、大便で約1mgの鉄が排泄されるので、プラスマイナスゼロの状態ですが、有経の女性では生理で約60mlの出血し、鉄が約30mg失われるので、1日あたりにすると約1mgマイナスになります。

 

 

よって妊娠前であれば1日2mg、妊娠中は自身と赤ちゃんのために4mgの鉄が最低必要になります。

 

 

もしフェリチンが50以下で妊娠、出産すると、母体も胎児も鉄不足になる為、以下のような悪影響があります。

 

 

 

  • 母親の場合は、流産、切迫早産、産後鬱、パニック障害、精神疾患の原因になります。

 

  • 胎児の場合は、ADHD、歯並びが悪くなる原因になります。

 

 

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アスペルガー症候群とADHD

 

 

発達障害の原因が鉄不足なら大変なことです。

 

 

妊娠前、妊娠中のわずかな油断が、後の子供の人生を左右するということを知っていただきたいので、一例をお話します。

 

 

前回の記事でも少しお話しましたが、私には「アスペルガー症候群」と「ADHD」の特徴を合わせもつ祖母がいます。

 

 

一応、両者の違いを簡単に説明します。

 

 

 

  • 出力に障害があるのが「ADHD」で、ミスが多い、じっとしていられない等

 

 

  • 入力と出力に障害があるのが「アスペルガー症候群」で、人の気持ちを察する事ができない、変化に対応できない等

 

 

 

私が「発達障害」を知ったのは5年前です。

 

 

「世界仰天ニュース」という番組で、「アスペルガー症候群」の女性のストーリーをやっていたのですが、その特徴が祖母とまったく同じだったのがキッカケです。

 

 

すぐに、ネットで関連書籍を3冊注文しました。

 

 

当時、祖母と母が大ゲンカをしていて、母は「家を出る」と言って部屋を探していました。祖母は祖母で「老人ホームに入ろうか」と言っていました。

 

 

テレビを見た時、「ケンカになるのは、障害のせいに違いない」と思いました。

 

 

ケンカの内容はしょうもなくて、お互いの話が全く噛み合っていません。その時々で問題は違っても、根底にはコミュニケーション不足がありました。特に祖母のパターンが普通ではありませんでした。

 

 

普通の人同士のケンカでも、ある程度は「言った、言わない」、「過去どうだった、こうだった」の言い争いはあります。ですが、祖母の場合、そのスケールが違います。

 

 

起こっている問題と関係ない事ばかりにこだわるから、話し合いをしていても、話の本筋とは関係ない事を言うのです。

 

 

毎回毎回、同じ事の繰り返しです。

 

 

私がよく間に入っていたので、解決するためにも、祖母の会話の流れを軌道修正していたのですが、注意しても注意しても変わらないのです。

 

 

不思議だったのが、祖母には全く悪気がない事です。

 

 

注意されたに反抗する時、普通だっらわざとやっている意地の悪さが垣間見えるのですが、祖母には全くそれがありません。注意しても一向に直そうとしないのは、明らかにわざとやってるとしか思えないけど、そうではなく純粋にやらない、聞いていないだけ。

 

 

「へっ、テメーの言う事なんか聞くかよ」

 

 

っていう気持ちがないのです。わざととぼけているにしては、こっちをバカにしたような態度ではありません。

 

 

 

とすると、理解できないのか・・・そこまでバカか・・・いや、違う。

 

 

何故なら、祖母は自他共に認める勉強好きで、子供の時はクラスで一番だったそうです。

 

 

賢いのにこんな簡単な事もわからないのか・・・バカなのか、賢いのかよくわからないわけです。

 

 

対応しているこっちが混乱します。賢いのにバカのフリをしているようにも見えます。

 

でも本人は大真面目だったのです。真面目にわかっていなかったのです。

 

事情をわからずに「普通の人と同じ感覚」で接していたら、腹が立ちます。

 

「アスペルガー症候群」の人の特徴としてよく言われる「場をわきまえずに思った事を言う」のは、慣れます。

 

 

ですが、こちらが真面目に話しをしているのに、違う話をされたり、わざととぼけてわからないフリをしたり、人の話を一切聞かなかったりするとイラっとして怒鳴ってしまいます。聞き分けのない子供を叱りつけるみたいな感じで。

 

 

母も祖母と言い合いになった時に自分の話ばかりされて、怒鳴ってしまったんですね。それに祖母が怯えたわけです。臆病なので。

 

 

この状況を「発達障害」を知らない状態で聞くと、自己主張ばかりの性格の悪い人に見えますので、怒鳴る人の気持ちも理解できます。

 

私も何度となく祖母と言い合いをしたことがあるのですが、やはり、何度か大きな声を出した事があります。でも、全く改善されず、同じことを繰り返すので、疲弊してきます。

 

祖母のそういうところを知っていたので、母が「家を出る」と言い出した時、祖母を治して上手くやるのは無理だろうなと思いました。私も解決されないから本当に困っていました。

 

祖母にも良いところがあるのに、そういう性質のせいで、良いところまで周りから全く評価されない。悪いところばっかり目立つわけです。

 

その後、「発達障害」という特性を知って、今では祖母が苦手とする言葉のやり取りはしないように気をつけています。私だけは。

 

今は行動も読めるようになりました。もし、そんな障害があると知らなかったら、今でも無駄に怒ったり、イライラしていたと思います。

 

 

知るって大事です。

 

 

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栄養療法を軽視しない方がいい

 

 

発達障害であることに気付かずに困っている人はたくさんいると思います。

 

そして、何故この障害になるのかが分からない人も大勢いると思います。一応原因はわからないことになっていますから。

 

 

原因が遺伝であるならば避けようがないですが、栄養ならなんとか気をつけることができます。

 

 

妊娠中の母親の栄養状態や、生まれてからの子供の栄養状態によって、発達障害になる可能性がある事が広く認知されればいいと思っています。

 

 

以下を読むと、医者が鉄不足を問題視していないようなので、各々が気をつけるしかありません。

 

 

『facebook 藤川徳美医師 2015年4月20日』より引用

 

15-50歳日本人女性の99%に鉄不足がある、しかし99%の医者はそのことを知らない

 

欧米の栄養療法の本には鉄不足に関する記載がほとんどありません

 

むしろ鉄過剰症への懸念が書かれています

 

https://www.facebook.com/tokumi.fujikawa/posts/683476941768633?pnref=story

 

https://www.facebook.com/tokumi.fujikawa/posts/686716171444710?pnref=story

 

やっとその理由が分かりました

 

欧米では日本人の3倍の肉を食べる

 

そして、欧米の50カ国以上では小麦粉に鉄を入れてある

 

すなわち、欧米では鉄タンパク不足が非常に稀なのです

 

栄養療法の本も鉄タンパク不足が稀であることを前提に書かれている

 

日本の医学教育においても欧米の考え方を取り入れているため、鉄過剰症の懸念を教えられ、鉄イコール危険という考え方を刷り込まれる

 

日本では欧米諸国と異なり小麦粉に鉄を入れていない

 

貴重な鉄補給源だった鯨を食べなくなった

 

15-50歳の日本人女性では、

 

99%でフェリチン100以下

 

80%でフェリチン30以下

 

40%でフェリチン10以下

 

ほとんど全員深刻な鉄不足を呈している

 

この鉄不足は日本特有の問題です

 

そして、99%の医者はこの事を知らないそのため、行政も動かない

 

当院で鉄剤投与している患者が他院を受診すると、”貧血はないのだから鉄剤を飲む必要がない”などと言われてしまう

 

鉄は、赤血球合成に必要ですが、それ以外に、

 

1)神経伝達物質であるセロトニン、ドーパミン作成の際の補酵素になる

 

2)活性酸素スカベンジャーであるカタラーゼには鉄が必須

 

3)ミトコンドリア膜にある電子伝達系には鉄が必須

 

99%の医者はこの事を知らない

 

 

(追記)「3)ミトコンドリア膜にある電子伝達系には鉄が必須」が分からない方は、以下を参照してください。

 

エネルギー代謝について分かりやすく説明してみた

 

 

 

鉄は健康の維持に不可欠です。

 

 

ですが、鉄不足が原因で不調になっても、気がつかないケースが多いのだそうです。

 

 

そうならない為にも、体調が悪くなった時、「鉄不足は様々な不調を引き起こす」という事を思い出していただければと思います。

 

 

 

 

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