私は糖質が多く含まれている「穀物」や「野菜」が好きでしたが、それ以上に「甘い物」が大好きでした。
喫煙もしないですし、お酒も飲まないので、唯一の嗜好品である糖質にかなり依存していました。
ところが、1日10g以下のスーパー糖質制限を行なったことにより、甘いものはもちろん、お米等の穀物、野菜を欲しいと思わなくなりました。
「食べたいな」と思っていたのは、始めた2~3週間で、それを過ぎると糖質が無くても平気になります。
私は徹底的にやるタイプなので、糖質制限を始めてから、外食以外は厳格に糖質を減らしていました(※たまにする外食は普通に食べます)。
糖質制限が成功してからは、甘い物が食べたくなることはなかったのですが、例外的に自宅で甘い物を食べた事がありました。
その期間は3ヶ月です。
理由ですが、食欲がなかったので、あえて糖質を食べました。
体には悪かったですが、それによって学んだ事をお話します。
まず、スーパー糖質制限中に食欲が無くなった原因についてお話します。
スポンサーリンク
甘いものを食べた理由
昨年暮れに、祖母が急に無く亡くなって、それによって2~3ヶ月調子を崩しました。
自分では、特にふさぎこんだつもりはありません(そういう性格ではありませんし)。
ですが、訃報を聞いた時、鶏肉を食べていたのですが、その瞬間、一気に食べる気が失せてしまいました。胃が閉じてしまったような感覚です。
一応、その時食べていたものは、休憩しながら完食しましたが、その後長い間、食欲が消えました。
なんというか、「食べるのがめんどくさい、どうでもいい」と思うようになったのです。
一週間前に元気だったので、亡くなったとは信じられず、ボーっとしていました。夜も考えてしまい、寝つきも悪いし、早く目が覚めます。
「食べるのがめんどくさい」と思っても、何も食べないわけにはいきません。
でも、とにかく欲しくないのです。
過去に、断食や、一日一食もやっていましたが、その時の「食べなくても平気」という感覚と明らかに違います。「胃」がどうこう・・・とかではなく、「口」に物を入れたくないのです。
糖質制限を始めてから、半年以上続けて摂っていたプロテインやバターも、この時からしばらく止めました。これらを摂った方が明らかに調子がいいのですが、この時は食事だけで十分でした。
その為、脂質もタンパク質も摂取量が減りましたし、それに伴って筋肉も落ちました。
でも、「そのうち治るだろうから、しばらくは放っておこう」と思いました。
で、一ヶ月くらい、身内と集まっては、遺品の整理を行いました。片付けをしていた時は、部屋に生前の面影がありましたが、住まいを引き払うと、「本当に終わったんだな」という感じがしました。
眠たくなるのに、目をつぶると何故か眠れません。3日に一度ようやく本当に寝るみたいな感じでした。元々不眠症ぎみではありましたが、一日以上寝られないことはありませんでした。
さすがに寝てない、食わないはマズイと思ったので、とりあえずプロテインを飲もうとしましたが、一杯飲み干すこともできません。ただでさえマズイのに、この状態ではキツかったです。
せめて食欲だけでも戻ってくれればと思ったので、糖質制限実践者としては邪道ですが、あえて糖質を食べることにしました。
スポンサーリンク
食欲を戻す事を最優先にした
私は、糖質の毒性を知っていますし、このブログでも度々お話してきました。
だから、「糖質は体に良くない」と分かった上で食べました。
「好きなものだったら食べられるだろう」という理由もありますが(※嫌いで止めたわけではないので、好物であることには変わりありません)、
糖質の「また食べたい」と思う依存性の強さを逆手に取ってやろうと思いました。
糖質なら食欲が戻るのではないかと考えたわけです。
それによって、一時的に体を傷つけることにはなりますが、とりあえず「超小食」を解決するのが先決です。
食事は基本的にスーパー糖質制限のままにして、一日一回、わずかなお菓子を食べることにしました。
糖質制限を始めてからも、たまに頂き物の茶菓子を断れず、食べることはありましたが、「自分の好きなものを選んで食べる」のは久しぶりでした。
夕食を済ませて、8時くらいにチョコレート味のドーナツを一個食べてみました。
甘くて美味しいので、幸せな気分になりました。
ホッとするというか、本当に、この瞬間は色んな事を忘れます。久しぶりに「美味しかった」と思いました。
嬉しい事に、この日は寝つきもよかったです。
「ゴチャゴチャ余計な事を考えないようにする為」とか、「安心感を得る為」だったら、糖質は抜群の威力を発揮します。
スポンサーリンク
(追記)糖質の依存性
肉や脂は美味しいですし栄養面からしても優れていますが、食べた時に幸せな気分になる事に関しては糖質には勝てません。
その理由がこちらになります。
『Daiwa ドクターからの健康アドバイス 糖質と甘味は中毒になる』より引用
脳内報酬系が活性化されると快感を感じる
人間を含めて動物は「気持ちがよい」とか「快感」を求めることが行動の重要な動機になります。
このような快感が生じる仕組みは脳内にあり「脳内報酬系」と呼ばれています。
脳内報酬系は、人や動物の脳において欲求が満たされたとき、あるいは満たされることが分かったときに活性化し、その個体に快感の感覚を与える神経系です。
(中略)
糖質と甘味は脳内報酬系を刺激する
糖質も甘味も薬物依存と同じ作用をすることが動物実験などで明らかになっています。
快感を求めて甘味や糖質の摂取を求め、次第に摂取量が増え、摂取しないとイライラなどの禁断症状が出てきます。
ラットの実験で、コカインよりも甘味の方がより脳内報酬系を刺激するという結果が報告されています。つまり、甘味はコカインよりも中毒(依存性)になりやすいという実験結果です。
砂糖の多い食品や飲料の過剰摂取は甘味による快感によって引き起こされ、これは薬物依存との共通性が指摘されています。そこで、甘味による依存性(甘味中毒)と薬物に対する依存性(薬物中毒)のどちらが強いかを比較する目的で実験が行われています。
この実験では、ラットを2つのレバー(ドアの取手)があるケージに入れ、一つのレバーを押すとコカインが静脈注射され、もう一つのレバーを押すとサッカリンの入った水を20秒間だけ飲めるような仕組みを作って実験しています。
するとほとんどのラットはサッカリンの入った水を飲むレバーを多く押したという結果が得られたのです。
サッカリンは砂糖の200倍以上の甘味があるカロリーゼロの人口甘味料です。
コカインは中枢神経を興奮させて強い快感を得るので薬物依存症(薬物中毒)になりやすい覚醒剤です。
サッカリンの代わりに砂糖でも同じ効果でした。
サッカリンに対する嗜好はコカインの投与量を増やしても変わらず、コカイン中毒になったラットを使ってもサッカリンの方を選ぶという結果が得られました。
つまり、この実験結果は、甘味に対する中毒はコカイン中毒よりも勝るということを示しています。
(中略)
糖質は脳内麻薬の産生を増やす
グルコースは脳神経の主なエネルギー源です。
したがって、糖質の多い食事で血糖が上がることは脳にとっては快感となり、報酬系を活性化するように糖質を求めるようになります。また、甘味自体が味覚神経系を介して報酬系を活性化します。
さらに、甘味物質や糖質は脳内麻薬と言われるβーエンドルフィンの産生を増加させることがラットを用いた実験で報告されています。
気休めや、逃げの為に、一時的に糖質を使用したわけですが、予想通り気分が良くなりました。
さんざん糖質を危険視していた私ですが、この時ばかりは、糖質の依存性に頼ってよかったと思います。
ただし、
寝つきは良かったのですが、問題が起きました。
スポンサーリンク
問題発生
寝られたのですが、3時間後に気分が悪くなって目が覚め、吐いてしまいました。
食べなれないドーナツを一個を食べたので体がビックリしたんだと思います。この時だけかと思いましたが、その後、2回同じような事が起きました。
以前、
「消化に良いのは動物性食品で、植物性の食品は消化に良くない」
「動物性の食品を食べた30後に吐こうとすると、既に消化が終わっていて吐けない。植物性の食品を食べた30分後に吐くと、ほぼ原形のまま出てくる」
・・・という話を読んで、私は「この説は真実だと悟った」と、お話した事があります。
消化に良い食品の嘘。慢性的に胃がもたれる人は糖質の過食を疑え!
ですが、話を読んだ時点では、なんとなくでした。
そして、実際に糖質制限を始めてからも、「この説の通りだ」と体感する事はありましたが、実際に目で見たわけではありません。
ですから、「この説は事実だった」と自信を持って言い切れるようになったのは、実際に吐いたこの時です。
この「途中で目が覚めて、吐いた」という現象はいまだに謎ですが、気分的なものだったのだと思います。
最初は、お菓子を食べた日に起こったので、お菓子を疑ったのですが、そうではありませんでした。
2回目は豚肉と韮とモヤシを煮た料理を食べた数時間後、3回目は鶏肉に塩コショウをつけて焼いただけの料理を食べた数時間後です。
だから原因は、お菓子を食べたからでも、食べ物の質でもなさそうです。症状があった日となかった日の違いはよく分かりません。
ちなみに、1回目から、3回目までは、一ヶ月程の日にちが空いています。
原因は分からなかったのですが、ドーナツは吐いてしんどかったので止めて、チョコレートなどを食べることにしました。
その理由ですが、私は糖質を一定以上の量食べると、目が痒くなったり、吹き出物がでるからです。
それは嫌なので、これらの症状が続かないように、お菓子の糖質量は50g以内を目安にして(チョコレートだけなら意外と少ない)、さらに、「合間でお菓子を食べない日」も設けました。
糖質は止めると欲しくなくなるが、摂り始めると中毒になる
糖質制限を続けていると、たまに甘いものを口にしたら、
「甘っ!!」・・・と、ビックリするぐらい甘く感じます。
私のような元糖質狂いでもこのレベルになります。
甘い味付けがなくても平気になります。
今、炭酸にレモンを絞って無糖で飲んでいますが、レモンも酸っぱさの中に甘みを感じます。他の人に飲ませたら「何これっ!?」と不評なので、マズイのだと思いますが、こんなのでも私には美味しく感じます。
糖質制限に慣れてくると、こんな感じで、お菓子などは甘すぎて食べる気が失せてしまうようになります。そこまで思わなくても、「別に無くてもいいかな...」ぐらいのレベルにはなります。
糖質制限が習慣化すると、一時的に付き合いで食べても、感覚が変わっている状態なので「甘すぎる」と思って終わりです。「次も食べたい」と思う事もなく、翌日には普通に糖質のない生活でも苦痛を感じません。
そこまでくれば糖質制限は結構楽なのです。糖質を我慢することが、それ程苦じゃなくなります。
というか「我慢」という概念がなくなります。
ですが、再び継続してお菓子を食べるようになったことで、糖質制限をしていた時に感じていた、「甘すぎる」という感覚は次第に薄れ、「次もお菓子を食べたい」と思うようになっていきました。
目的は、その食欲だったので、一応成功です。
食べない日を設けてはいましたが、それでも定期的にお菓子を食べるという行為によって、気が付いたら、食べない日も、「お菓子を食べたい」と思うようになりました。
徹底した糖質制限をしていた時は、付き合いで外食をしてもそこで終わりで、「次も糖質を食べたい」とは思わなかったのにです。
しかも、お菓子がないとイライラしてくるようにもなったのです。
昔はそれが普通だったのでなんとも思わなかったのですが、糖質制限の理論を理解した上でこの現象を観察すると、糖質の依存性を強く感じました。
その違いに気付いたので、ヤバイな・・・と思い始めました。
スポンサーリンク
消化に良い食べ物と、消化に悪い食べ物
糖質中毒になりかけましたが、おかげで、この頃には、食べることが少しずつ好きになり、安心して寝られるようになりました。なので、「もうそろそろ潮時かな」と思っていました。
そんな時に、また吐きたくなりました。
1回目と2回目の時は普通に吐いたので気が回らなかったのですが、3回目であることに気がつきました。
3回目は吐けないのです。
吐きそうになるけど、出るものがありません。胃液です。
明らかに1回目と2回目と違います、前の2回は全部吐き出せたのに、3回目はどう頑張っても無理でした。
ここで、前の2回は吐けたのに、何故、今回だけ吐けないのかを考えました。
この時に、「動物性の食品だけを食べて、30分後に吐いたら、吐けない」という話を思い出したのです。
振り返ってみると、1回目は糖質だけ。2回目は糖質とタンパク質と脂質の組み合わせ。3回目はタンパク質と脂質だけでした。
1回目・・・ドーナツ(吐ける)
2回目・・・豚肉・韮・モヤシ・キムチ鍋の元(吐ける)
3回目・・・鶏肉(吐けない)
「動物性の食品(タンパク質、脂質)だけだと消化が早い」という話を思い出して、「そうだった!」と思いました。
私の場合、自然に吐いたので、実験のように「タンパク質も炭水化物もどちらも食後30分後に吐いて確認」・・・という程の正確さはありません。しかし、食べたタイミングや、吐くタイミングはそんなに違わないので、似たような条件で比較することができました。
納骨が終わった頃、食欲や睡眠も通常通りになり、夜に突然気分が悪くなって吐くという謎の症状も無くなりました。
よくわかりませんが、墓まで見届けた事で、気持ちが納得しました。
このような形で、途中で糖質制限を緩めてしまいましたが、良い経験になったと思います。
それまでは、「断糖肉食だと消化がいい」という話を学び、その説が真実かどうかは「食後数分で動き回れる」とか、「胃がもたれない」とか、どちらかというと「感覚的なもの」で実感していました。
ですが、実際に吐いて、消化具合をそれぞれ比較できた事によって、確信することができました。
スポンサーリンク
糖質の性質
私は糖質制限を続けて調子が相当良かったのですが、それでもショックによって中断を余儀なくされました。
おまけに、否定していた糖質の「依存性」を利用して回復させるという手段を使いました。
栄養価の高い肉や魚には、このような性質はありません。
脂質であるバターを食べると、エネルギーが満ち足りる「満足感」はあります。
しかし、同じく「脂と砂糖の塊」であるチョコレート(糖質)を食べた時の「満足感」はこれとは異なります。バターが「満足感」だけなら、チョコレートの場合は「満足感」と「幸福感」も感じます。
あの時の私は、「バター」では満足どころか食べることもできず、糖質の入った「チョコレート」には何故か満足・安心できました。それによって症状が楽になったのは否定しません。
糖質を食べたことで、「回数が増すほど糖質に対する欲が甦ってきた事」、「糖質は理由がなくても気持ちを落ち着けてくれる効果がある事」、「糖質が薬物に例えられる理由」がよくわかりました。
食欲の為、気分を良くする為に糖質を摂ったわけですが、やる気がなくなったり、集中力が落ちることもあります。なので基本的には、この方法は危険です。また、場合によっては、依存に負けて、再び糖質を止められなくなる可能性もあります。
私は、例え一時的にお菓子を摂り続けて依存しても、糖質制限に成功しているので、その後、確実に止められる自信がありました。だから、依存をキッカケにして、食欲を呼び戻す為に使ったわけですが、あくまで「キッカケ」です。
食欲は戻せても、リスクがあることをわかった上で利用しました。
「食欲不振と睡眠不足による急性的な害」と「糖質摂取による慢性的な害」を、天秤にかけて、やむを得ず後者を選択した事を強調しておきます。オススメはしません。
スポンサーリンク