脳の細胞は大きくわけると2つのタイプがあります。「ニューロン」と「グリア細胞」です。
この2つは、特徴やエネルギー代謝が異なります。
「ニューロン(別名:神経細胞)」とは、思考する細胞です。
一方「グリア細胞(別名:神経膠細胞)」は、「ニューロン」の補助役で、思考しない細胞です。
- ニューロン・・・思考する
- グリア細胞・・・思考しない、ニューロンの補助
この2つの細胞は数でいったら、「グリア細胞」が圧倒的に多いです。その数、「ニューロン」の十倍~数十倍です。
というわけで、この2つの細胞がどのようにしてエネルギー代謝を行なっているのか、また、脳にはブドウ糖がどのくらい必要なのか詳しく解説していきます。
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エネルギー源が違う「ニューロン」と「グリア細胞」
いきなりですが、結論です。
思考を司る「ニューロン」のエネルギー源は、「ケトン体」と、グリア細胞のエネルギー代謝で生じた「乳酸」です。
一方、思考を司らない「グリア細胞」のエネルギー源は、「ブドウ糖」になります。
- 「ニューロン」・・・ケトン体、乳酸
- 「グリア細胞」・・・ブドウ糖
この事実だけを見たら、「脳細胞の大多数を占めるグリア細胞のエネルギー源がブドウ糖だから、脳のエネルギー源はブドウ糖と言えるな」・・・と考えられなくもないです。
しかし、「思考する細胞」と「思考しない細胞」では、どちらが脳と言えるのか・・・と考えたら、やはり思考する方です。
例えば、アシスタントの助けがないと作業が完了できなかったとしても、アシスタントの数が多かったとしても、漫画の作者(作品の脳)は、アシスタントではなく「漫画家」です。
アシスタントは漫画の作者、漫画の顔ではありません。
同じように、「グリア細胞」の助けが必要であっても、脳の主役は、やはり思考する「ニューロン」だと言えます。
そのように考えると、思考する「ニューロン」のエネルギー源はブドウ糖ではないのですから、やはり「脳のエネルギー源はブドウ糖だ」というのは、誤解を与える意見であると言わざるを得ません。
ここから、「ニューロン」と「グリア細胞」の違いについて説明します。
ニューロンの特徴
まずは「ニューロン(神経細胞)」の簡単な紹介をします。
放射線状に広がった突起を「樹状突起 じゅじょうとっき」といって、情報の入力部分になります。
そして、長く伸びた軸の先端が出力部分になります。
この細胞がいくつも連続して情報のバケツリレーをしているというわけです。
このような感じで。
情報の流れは、
「樹状突起」→「軸索」→「軸索の末端」 → 「隣のニューロン」 ・・・の連続です。
そして、「ニューロン」と「ニューロン」の連結部分を「シナプス」と言います。
「シナプス」は繋がっていません。
電気信号が先端までくると、そこから「神経伝達物質」という化学物質が分泌されて、次の「ニューロン」に伝わる仕組みになっています。
特徴を把握したので、次は「ニューロン」のエネルギー代謝に焦点を当てます。
ニューロンのエネルギー代謝
「ニューロン」は、ミトコンドリアの多い細胞です。
ミトコンドリアとは細胞内にある発電所のようなものです。
ミトコンドリアでは「クエン酸回路」、そして「電子伝達系」という反応によってエネルギー物質「ATP」を作ります。
エネルギーの材料は、脂肪酸から生成された「ケトン体」や、「グリア細胞で発生した乳酸」になります。
「ニューロン」には、「ブドウ糖」を材料とするエネルギー代謝である「解糖系」はほぼないそうです。
ミトコンドリアでの代謝に依存しているので、ニューロンのエネルギー代謝は「高エネルギー」ということになります。
「ニューロン」のように、ミトコンドリア主体の細胞は、生涯にわたって細胞分裂をしないのが特徴です。
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グリア細胞の特徴(中枢神経系)
神経には「中枢神経系(脳と脊髄からなる神経)」と、「末梢神経系(脳と脊髄以外の神経)」があります。
で、中枢神経に存在する「グリア細胞」は4種類あるのですが、それぞれ、どんな細胞なのか簡単に紹介します。
上衣細胞
まずは「上衣細胞 じょういさいぼう」です。
この細胞は、脳室の壁を構成しています。
アストロサイト
次は「アストロサイト」です。
この「アストロサイト」の機能は複数あります。近年、研究が進んで新たな機能が発見されているようですが、メインの機能がこちらです。
- 構造面でニューロンのネットワークを支える
- 物質輸送を介し、アストロサイト周辺の条件を調節する
- 毛細血管の周囲を取り囲んで「血液脳関門 」を形成する
↑このうちの、「血液脳関門 けつえきのうかんもん」について説明します。
通常の毛細血管の「内皮細胞 ないひさいぼう」には隙間があるので、様々な物質が血管の内外を自由に出入りできます。
しかし、脳の毛細血管の「内皮細胞」はちょっと違っていて、有害物質が入らないように関所のような機能があります。それが「血液脳関門」で、英語名は響きがよく「Blood-Brain Barrier ブラッド-ブレインバリア」と言います。
「アストロサイト」の足の突起は、BBBの外側を構成しています。こんな感じで。
この関門を通過できるのは「酸素」、「ブドウ糖」、「ケトン体」、「一部のアミノ酸やビタミン」、「アルコール」等、「分子量が小さい物質」や、「脂溶性で細胞膜を通過できる物質」です。
以前、「水素水を飲んだら頭痛が消えた」という話をしたことがあります。「水素」は物質の中で一番小さい分子なので、「血液脳関門」を通過することができるので、それで効果があったのでしょう。
ミクログリア
次は「ミクログリア」です。
「ミクログリア」は小型の細胞で、ニューロン、アストロサイト、血管内皮細胞などに接しています。
中枢系の免疫が担当です。また、神経細胞が死んだ時に死骸を食べて処理する機能もあります。
オリゴデンドロサイト
次は「オリゴデンドロサイト」です。
「オリゴデンドロサイト」は、「ニューロン」の軸索に巻きついていて、電気信号を効率よく伝える為の「絶縁体(※電気を伝えない物体)」の役割を果たしています。
グリア細胞の特徴(末梢神経系)
ここまで、中枢神経系の4種類の「グリア細胞」を紹介しましたが、補足で、末梢神経系の「グリア細胞」も紹介しておきます。
シュワン細胞
「シュワン細胞」は、軸索に巻きついています。
衛星細胞
「衛星細胞」というのもあります。
では、ここからは「グリア細胞」のエネルギー代謝の説明に入っていきます。
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グリア細胞のエネルギー代謝
思考をしない「グリア細胞」は、エネルギー産生の99%を「解糖系」に依存しています(※つまり、エネルギー源をブドウ糖に依存しているということです)。ミトコンドリアに依存している「ニューロン」と逆ですね。
「グリア細胞」に必要なブドウ糖は、毎時3~4gです。
「ニューロン」と「グリア細胞」の違いをまとめます。
- 「ニューロン」・・・ケトン体、乳酸(ミトコンドリア)
- 「グリア細胞」・・・ブドウ糖(解糖系)
ここで注目していただきたいのが、ブドウ糖(グルコース)をエネルギー源とする解糖系に依存する「グリア細胞」は、乳酸が発生するということです。
グリア細胞の解糖系で生じた乳酸
「ニューロン」のエネルギー源は、「ケトン体」と「解糖系で発生した乳酸」でした。ケトン体が足りなくなった時に、乳酸をエネルギー源として利用するのです。
「グリア細胞」で発生した乳酸は、「乳酸トランスポーター」によって「ニューロン」に運ばれます。そして、乳酸はピルビン酸に変換され、酸素と共にミトコンドリアに取り込まれてエネルギーを産生します。
グリア細胞で発生した乳酸
↓
乳酸トランスポーターがニューロンに運ぶ
↓
乳酸はピルビン酸に変換される
↓
ピルビン酸はミトコンドリアに取り込まれる
↓
エネルギー産生
「ブドウ糖(グルコース)の代謝によって生じた乳酸をエネルギー源にしているのだから、「ニューロン」もブドウ糖が必要じゃないか」・・・と、思われた人もいるかもしれません。
しかし、これだけで「糖質の摂取は必要なんだ」と結論付けるのは早いです。
「グリア細胞」のブドウ糖も、「糖新生(肝臓や腎臓で、糖質以外の材料から糖質を作るシステム)」でまかなうことができるからです。
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グリア細胞に必要な糖質量
体は肝臓や腎臓で、糖質以外の材料からブドウ糖(グルコース)を合成することができます。
どのぐらいの量が合成できるのかというと、毎時6g~10g(小さじ1~2)です。
『Cafe すてきに活ききる 旬(ときめき)亭 糖新生、低血糖 萩原敦』より引用
飢餓時だけに「糖新生」が、特別に起きるわけではない。
わかりやすく言えば、糖質を食って血糖値が上昇している時は、糖新生は抑制されるが、それ以外の空腹時や睡眠時は、肝臓と腎臓でグルコースを毎時6~10g程度、血液中に24時間供給している。
もし、あなたがしっかりとした糖質制限をしているなら、食事中も食後も糖新生は継続しているのである。
脳のグリア細胞の解糖系では、過酷な頭脳労働時は毎時4gぼーっとしている時は、2~3g、睡眠中は2g程度のグルコースの消費がある。
赤血球は、安静時(事務仕事程度)では、毎時2g程度消費されている。
血糖値の標準値を100とすると、体重50キロのヒトで、血中に4gのグルコース量で飽和していることになる。
この初期血糖値の4gと糖新生による追加グルコース6~10g(中間値8をとる)を加算すると、4+8=12 12-(4+2)=6gということで、単純計算でも、血糖値が相当、上昇することになる。
これを抑制するのが、持続的に分泌されている「インスリン基礎分泌」である。
はっきり言って、「糖新生」のグルコース合成の量と「インスリン基礎分泌」の量の均衡が、空腹時血糖値や睡眠時の血糖値を、定めているのである。
したがって、生涯に渡って、糖質ゼロで、食生活を営んでも、糖新生とインスリン基礎分泌の均衡が保たれれば、低血糖にも高血糖にもならないのであり、血糖値の恒常性を完全に維持できるのである。
グリア細胞や赤血球には(ブドウ糖)グルコースが必要ですが、食事から摂らなくても十分足りることがお分かりいただけると思います。
- 基礎血糖(血液4~5リットルに対し、4~5g)
- 絶食時、糖質制限時、糖新生で合成されるグルコース(毎時6~8g)
- 脳のグリア細胞のグルコース消費量(毎時2~4g)
- 赤血球のグルコース消費量(毎時2g程度)
消費の量よりも、糖新生で作られる量の方が多いのです。
以前、糖新生まできちんと説明せず、「グリア細胞はケトン体が利用できないから砂糖を摂った方が良い」・・・という意見を見たので油断なりません。
一応、糖質を過剰に摂る事で、脳にどんな影響があるのか紹介しておきます。
脳腫瘍の原因
糖新生で必要な糖質量がまかなえるということは既に説明しました。では、「脳にはブドウ糖が必要である」を真に受けて糖質を食べるとどうなるか、リスクについてお話します。
注意すべきなのは、「乳酸の蓄積」と「糖化」です。
乳酸を処理するシステムは体に備わっていますが、過剰になれば、やはり、どの細胞も同じ末路を辿ります。
詳しくは以下の癌の記事で説明したのですが、
【注意】癌の本質を理解していないと症状が悪化する治療法を選択します
人間の血液は、pH7.35~7.45に保たれているのが正常です。
数値が小さくなると酸性になるのですが、pH7.3以下になると機能低下になり、pH7.1以下になると死の危険があります。
で、問題の「乳酸」ですが、酸とつくように pH5 程度の酸性物質です。これが蓄積すると、血液のpHが酸性に傾いていきます。それによってミトコンドリアが機能不全になり、場合によっては細胞が癌化します。
癌細胞は正常細胞の何倍もブドウ糖を取り込む細胞です。従って、癌は酸性に傾いた体を救うために過剰な糖(乳酸)を処理していると考えられます。
それは脳の細胞も同じことです。
糖質の過剰供給で乳酸が発生し、「グリア細胞」が癌化したのが脳腫瘍です。
解糖系がほぼなく乳酸が発生しない「ニューロン」は癌化しません。
また、「ニューロン」はほとんど細胞分裂しませんが、「グリア細胞」には分裂、増殖能力があります。
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アルツハイマーと認知症
「乳酸」の蓄積も体に不具合をもたらしますが、「糖化」の症状もあなどれません。
「糖化反応」とは、「余った糖」と「体のタンパク質」が結びついて体温で暖められ、タンパク質が変性する現象のことです。それによって生じた物質が「AGE/AGEs」です。
「健常な老人」と「アルツハイマー病の患者」の前頭葉を比べると、アルツハイマー病の患者には3倍以上のAGEsが蓄積しているそうです。
このAGEsは、周囲の細胞を攻撃する性質があります。従って、蓄積量が3倍というのはキツイです。
ちなみに、アルツハイマー病は、「3型の糖尿病」と言われています。
また、「脳血管性認知症」の原因も糖化が関係しています。
ニューロンの軸索は、「絶縁体」の役目をするカバーで覆われています。「オリゴデンドロサイト」や「シュワン細胞」です。これらを「髄鞘 ずいしょう」、「ミエリン鞘」と言うのですが、認知症の患者さんはこれが薄くなっているそうです。
『Wikipedia 髄鞘』より引用
神経科学において髄鞘 (ずいしょう、myelin sheath) は、脊椎動物の多くのニューロンの軸索の周りに存在する絶縁性のリン脂質の層を指す。 ミエリン鞘とも言う。
コレステロールの豊富な絶縁性の髄鞘で軸索が覆われることにより神経パルスの電導を高速にする機能がある。
髄鞘はグリア細胞の一種であるシュワン細胞とオリゴデンドロサイト (乏突起または稀突起グリア細胞、en:oligodendrocyte) からなっている。 シュワン細胞は末梢神経系の神経に髄鞘を形成し、一方オリゴデンドロサイトは中枢神経系の神経での髄鞘を形成している。
髄鞘が薄くなる原因は、「動脈硬化による血流不足で、酸素と栄養が十分に届かないこと」、「ミエリン鞘の糖化」が考えられています。
脳とブドウ糖
「脳のエネルギー源はブドウ糖」・・・というお決まりのセリフは、情報を小出しにしていて肝心なところが抜け落ちているので、フェアではありません。
正しくは「脳の「思考をしないグリア細胞」は、エネルギー源をブドウ糖に依存しているが、そのブドウ糖は糖新生で供給できる」です。
糖質の過剰摂取はリスクがあるので、忘れないようにして下さい。
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初めまして。すべてではありませんが「スーパー糖質制限」に関する大まかなものやいわゆるプロバガンダ的な内容に関するものを読ませていただきました。僕自身も健康に関することはいろいろ調べていて断食や一日一食や菜食も試しまして結局どれもあまり効果がありませんでした(正確に言うと一日一食では効果がある程度見込めましたがそれ以降に試すものの効果はほとんど実感できませんでした)。そうして現在までいろいろ自己管理していく過程でもしかするとタンパク質がいけないのかもしれないと思った矢先でこのブログを発見しましてとても嬉しくなりました。
当方、男ですし昨今はトレーニングが流行していますので体を鍛えているのですが、トレーニングをしてタンパク質を多めにとった翌日に筋肉痛が起こってしまうために原因がタンパク質にあるのではと思っていました。タンパク質を通常に戻せばさほど筋肉痛はひどくはならなかったからです。ですがこちらのブログで拝見した様々な事柄が糖質が原因であるとという可能性を指摘してくれたことにとても嬉しいような何とも言えない気持ちです。自分の中で出した結論とはいえ体組成のたんぱく質が筋肉痛を引き起こしているという持論があまり腑に落ちていませんでした。それに以前に脂質も取りつつ糖質制限(デイヴアスプリー氏が書かれていた「シリコンバレー式自分を変える最強の食事」を参考にしたもの)をしっかりしていた時は通勤に自転車で片道30分こぎ仕事では重いものをもったり一日中立ち通し歩き通しであるのにもかかわらずぴんぴんとしていたのも思い出しました。
ここまで書いたのはおせっかいですがあなた様のブログ執筆に何かしらのインスピレーションを与えられたらと思った次第です。
本題なのですが、僕自身この食事法にとても興味を持ちましたので実践してみようと思っています。タンパク質、脂質の具体的な摂取量を教えていただきたいです。「体重1k当たり何g」とか「総カロリー何グラム中何パーセント」といった感じです。女性であられると思いますので参考までにということで、かつ少々迂遠ではありますがこのような形でお願いします。なにかしひゅうにしている数値などもあれば教えていただきたいです。
最後にもう一つ質問なのですが油、脂質に関しては植物性を摂取していないという記述があったと思うのですが飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸やオメガ3やオメガ6といった脂質にはどのような見識をお持ちでしょうか。
長文、乱文失礼いたしました。これからもブログ拝見させていただきます。お返事くださるとうれしいです。
fumizuさん、コメントありがとうございます。順番に説明していきます。
【タンパク質、脂質の具体的な摂取量】
私の食事は非常にシンプルで、糖質を10g以下にする事です。
●肉や魚だと1食あたり250~300g
●卵だと1食あたり3~4個
●食事以外に毎日寝る前にプロテイン30gとバター50g
これだけは絶対に摂取します。あと、サプリメントです。動物性タンパク質の何をどのくらい食べるかは、その日によって違います。
間食にバターとコーヒーを飲んだり、チーズを食べたり、一食分をプロテインに置き換えたりすることもあります。
【数値や目標について】
タンパク質をどのくらいとったらいいか・・・の目安ですが、目的によって違います。
私が常に意識しているのは、体重50kgの人の場合、健康目的だと60g。病気の改善目的だと80gです。
私は健康維持が目的なので前者と後者の中間になります。タンパク質の摂取量はこれ以下にならないようにします。
祖母は、体調を改善する為、後者を試してもらっていますが、80代にして白髪が減ってきています。
美容目的だともっと必要ですが、こちらはまだ試したことがありません。
私が数値で気にしているのは、フェリチン(貯蔵鉄)が100以下にならない事、「尿素窒素(BUN)」が15以下にならない事です。
フェリチンは鉄不足かどうか見る数値で、尿素窒素はタンパク質不足かどうか見る数値です。
この2つを気にする理由は、鉄とタンパク質が不足している状態では、あらゆる健康法の効果が薄れるからです。(※男性の場合は生理がないので、鉄不足になることはほぼありません。)
ただ、私は数値よりも、肌の質感や体の動かしやすさ、疲労があるかないか、風邪を引きにくいかどうか・・・そういった体調の変化で、脂質やタンパク質、その他の栄養素が不足しているかどうかを管理しています。
私がバターを50g摂取するのは、最低この量のバターを摂取していれば、生理がほぼ同じ日に来るからです。
【タンパク質の摂取の注意点】
ただし、高タンパク食は注意点があります。「アンモニア」と「糖新生」です。
タンパク質を摂取するとアンモニアが発生するのですが、これを処理するのが肝臓です。タンパク質の摂取で不調になる人は、肝臓が丈夫ではありません。肝臓もタンパク質でできているので、丈夫にするためにはタンパク質が必要ですが、いきなり大量はキツイのです。1日1食や菜食の期間が長いと、タンパク質不足の状態なので、少しずつ慣らしていった方がいいかもしれません。
私の祖母もプロテインを飲んで2年半になります。なので、多めにしてもらいました。
そして、もう1つ、「糖新生」についてです。
タンパク質は直接的には血糖値を上げませんが、「糖新生(糖質以外の材料から糖質を合成する)」の材料になります。従って、「糖新生」が起きると、せっかくとったタンパク質がブドウ糖になってしまいます。つまり、タンパク質は間接的に血糖値を上げてしまいます。
プロテインだと1度に30g以上摂ると「糖新生」を起こす可能性が高いので、私はこれ以上は摂りません。
糖質制限をしているのに血糖値が高いのは、糖新生が原因かもしれません
【脂質に対する考え】
人間は動物なので、「脂肪酸組成」は、動物性脂肪の方が人間に合っています。「アミノ酸」も同じ理由で動物性の方が合っています。だから、ラードや牛脂を調理に使います。
ただ、料理によっては、植物油も普通に使います。オリーブオイル、ゴマ油、サラダ油は今でもキッチンにあります。
これらを使う理由は、体の為というより、料理の香りの為です。
本当は「飽和脂肪酸」と「ω3脂肪酸」を摂るのがいいと考えているのですが、料理の為に後者は妥協しています。洋風、中華風、その他と、これらの料理の為にこの3つは必要です。
これ以上増やしても、使い切れず酸化してしまうのがオチなので、エゴマ、亜麻仁油、ココナッツオイルとかは買いません。
とても丁寧な返信ありがとうございます。これからの食生活の参考にさせていただきます。
ブログの執筆楽しみにしております。及ばずながら何か発見があればまたコメントします。
ありがとうございました。
はじめまして、糖質制限を始めるに当たって情報収集をする中でこちらのブログにたどり着きました40代♂です。
独自でかなり勉強されていて、まったくブレない視点と実際の効果に裏打ちされた説得力にのめりこんで
しまいました。
当方は始めは軽い砂糖断ちのつもりで始めてまだ3週間目くらいですが、何とか一日の糖質摂取量を20g以内
にまでは抑えてます。
ただ炭水化物を夕食時に限り白飯茶碗三分の一程度は摂ってます。これは筋肉量を糖化新生で落したく
なくてです。これがあってるかどうかはわかりませんが、まぁ気分的なものです。
それでも効果はしっかり実感できてます。もう少し早く気付けばと思ってます。
おっしゃられるように避けられがちな脂質のエネルギーとしての重要さと鉄分、ビタミンB群もサプリで
摂るようにしました。これも鉄分は特に効果を実感できてます。たんぱく質は肉とプロテインです。
元々は自分もかなりの甘党で、実家が飲料水等を販売していて、幼少時より甘いジュースや缶コーヒーを
容易に飲める環境の悪さで始まって、10年前に禁煙を始めてその際お菓子に依存してしまい、身体の糖化具合
も結構深刻だったと思います。制限始めた今になって様々な糖質による悪症状を確信できました。
慢性的なダルさ、胃の消化の悪さ、視力の低下、間接のバキバキなる音、それに見た目の老け加減も気になってました。
これらも徐々に改善されていく事に今後期待しています。
糖質の怖さ 大部分の医師やメディアも伝えないし論点をずらそうとする姿勢もスポンサー企業等の圧力もある
とおもいますが、大局的にみるともっと大きな力が人々をミスリードさせているように感じてしまいます。
これは自分がある時期ある種の陰謀説的な本にハマッてたせいもあるのでしょうが 汗、
全部ではないにしても少なからずあたっている部分もあるのではと個人的には思ってます。
アリヤさんのブログを見つけたことを幸運に思います。これからもおおいに参考にさせていただきます。
駄文乱文失礼しました。
R.Kさん、コメントありがとうございます。
糖質1日20g以内は、糖質制限でも厳しい方で、さらにビタミンB群などのサプリも摂られているので健康的です。
>ただ炭水化物を夕食時に限り白飯茶碗三分の一程度は摂ってます。これは筋肉量を糖化新生で落したくなくてです。これがあってるかどうかはわかりませんが、まぁ気分的なものです。
「糖新生で筋肉が落ちる」ことを強調される人は、スポーツやボディビルをしている人、その情報の影響を受けた人が多いような気がします。
モデルを目指す女性が、太っていない(体にとっては理想的な体重)のに、「太っている」といって痩せようとするように、彼らスポーツ関係者は、本来の身体能力を越えた事を理想としていることがほとんどなので、健康的(不健康な理由ではない)に筋肉が落ちた場合も、「筋肉が落ちた=悪」という認識になりやすいです。
「糖新生で筋肉が落ちる」と言う人が多いので、心配になると思いますが、実際に断糖しても、意外に「筋肉量や筋力が減った感じはない」ということもあります。
「維持したいと思う筋肉」と「体にとって必要な筋肉」が近い場合です。
このへんは、どんな体形を維持したいかにもよるので、実際に色々試して、自分の場合はどうなのか真相を確かめるのもいいかもしれません。
「気分的に減る気がする」のか、「実際に減る(健康体ではあるが、理想の体形は維持できない)」のか、白飯茶碗3分の一を食べた時と食べなかった時を比較して、実際に糖新生によってどのくらい筋肉が減るのか観察してみるという方法もあります。
糖新生を心配してわざわざ炭水化物を食べる必要があるのかないのか、それから判断するのが確実です。
「不自然な筋肉」を必要としない一般の人は、断糖でも充分な筋肉を維持することができます。タンパク質をしっかり摂って、運動をしていれば、言われているように筋肉は減らないものです。
タンパク質は破壊も起きますが、再生も起きます。どちらか一方が重要なのではなく、どちらも重要です。古く痛んだタンパク質は破壊し、新しく作り直す・・・長い目で見ると、このバランスが丈夫で美しい体を作り上げます。
「その人の体に合わない不自然な筋肉」の維持は難しいかもしれませんが、「健康を維持する上で必要な筋肉」は保たれると実感しています。
>糖質の怖さ 大部分の医師やメディアも伝えないし論点をずらそうとする姿勢もスポンサー企業等の圧力もある
とおもいますが、大局的にみるともっと大きな力が人々をミスリードさせているように感じてしまいます。
同感です。この問題を俯瞰でみていると、流れが統制されていて、一部個人の私利私欲が暴走した結果でないことは明白です。
「パラダイムシフトが起これば解決する」と考えている人は多いですが、世の中の構造そのものに問題があるので時代が変わっても変化はありません。
私は医療や栄養の問題は、社会問題だと考えています。
はじめまして、検索エンジンから糖質制限でヒットして以来、毎日記事を拝見させていただいております。共感する部分や目からウロコの情報に溢れていますね。共にariyaさんの知識量・フレキシブルな知性・多角度的な物の見方には脱帽しております。
さて、今回は下記の記事を発見したことからariyaさんの見解をお聞きしたいと願い、コメントさせて頂きました。
この方は以前、このブログでも紹介されていた「僕が菜食をやめた理由」の新しく解説したブログでの記事になります。要は「糖は体にいい」というセミナーに感化したという記事です。
① http://yumafujiwara.blog.fc2.com/blog-entry-112.html
② http://yumafujiwara.blog.fc2.com/blog-entry-114.html
お忙しいかと思われますが、目を通して頂けたら幸いです。事実、わたし自身も「糖全般=悪の根源」と認識していたため、驚きを隠せませんし、ここに来て真実を確かめたくもなりました。
物は試しに、食べた後の様子を観察してみようとも思っている段階です。どうぞよろしくお願いします。
ゆうさん、コメントありがとうございます。
紹介していただいたリンク先、拝読しました。
このような記事を読むと混乱されると思いますので、考えを述べさせていただきます。
私は2年半前、糖質制限を始めた当初、ほぼ理論通りに簡単に健康になった事から、これは下手をしたら潰されると思いました。
私は、数年前ジャーナリズムを好きになり、様々なタイプの人の社会分析を見てきました。そのお陰で人の役に絶つ情報がどうやって闇に葬られていくのか、時事問題や歴史を通じて知る事ができました。
医療や栄養も同じです。
私たちは教育や常識によって多くの嘘を教え込まれています。
昔は調べる術も今程ないですし、情報を多くの人に伝える力はごく限られた人にしかありませんでした。その場合その情報発信者をコントロールすればよかったわけですが、現在は誰でも世界に向けて情報発信ができます。当然、嘘に対して疑いの目を向ける人も表れます。
すると、それまで嘘をついてきた人は焦るわけです。それがバレそうになれば慌てます。
研究室の外に出ていないような情報であれば、その研究に携る人に圧力をかければ、その情報を押さえ込むことができます。
しかし、糖質制限のように誰でも実践できるような情報を潰すのは至難の業です。研究室の中だけとか、特殊なテクノロジーが必要というわけではありませんから。
糖質制限を潰すには錯乱工作しかありません。
話を本質からズラし、屁理屈の世界に誘導し、論文など権威を持ち出して、思考停止にさせます。
何度も同じ手を使ってきます。
医療だけ栄養だけ、学問だけのフィルターで考える人ほどまんまと罠にはまります。
私は今回紹介していただいたような情報が出ることは最初から予測していたので驚きません。
これからも色んな方法で主張してくるでしょうが、言いたい事はただ1つです。
「糖質は安全だ」
その結論を言うために、様々な屁理屈をこねてくるでしょう。
糖質が悪いのではなく、糖質が完全燃焼できないことが悪いという発想も、的をズラしているなと思います。このように言えば糖質が悪く聞こえません。
私も糖質を止められない方に向けて、摂るなら完全燃焼する方法を紹介していますが、あくまでどうしても止められない人の対処療法です。
完全燃焼しようが、体に合わない物を摂らない方が良いのです。
最近、付き合いで糖質を食べる事が続いたのですが、糖質を食べない日に比べると、関節が硬く感じたり、肌があれたりと、明白な違いがあります。
現在エネルギー代謝の補酵素となるビタミンを取っているので糖質を食べても完全燃焼できているはずですが、それでも糖質を食べた日と、食べない日では差があります。
糖質は健康にいいと100万回述べても、このように現実に起こる真実は変わりません。
「その情報を真面目に実践して、理論通りの結果になるかどうか」
この判断基準が一番確かです。その通りにならなければ理論が間違っていると判断します。
理論と実践の結果が一致しているのであれば、その理論は限りなく真実に近いと言えるでしょう。
そして、ブログを書くにあたり、理論と実践の結果が一致したものを紹介していますし、そうでなければ「仮説」として意見を述べています。現実に起こる現象に根ざして書いているので、私としては全く心配していません。
ゆうさんのおっしゃるように、食べた後の様子を確認されるのが一番確かです。でも体には気をつけて下さい。
こんにちはR.Kです。返信いただいてありがとうございます!
糖新生と筋肉量についてのアドバイスも感謝します。
試しに夕食時に摂っていた炭水化物も一週間程やめてみました。
結論としては見た目の筋肉量的にほとんど違いは感じなかったです。
腕など若干細くなったように感じますが、これは脂肪が落ちた事によるものだという感じがします。
これが筋肉が落ちたように感じる理由なのかもしれません。
全体的に引き締まった感じが増しているので、筋肉量としては変化がないと実感できました。
>「その人の体に合わない不自然な筋肉」の維持は難しいかもしれませんが、「健康を維持する上で必要な筋肉」は保たれると実感しています。
これはそのとおりだと思いました。自分も含めて筋肉量が落ちることを心配している人は、本来的ではない不自然な筋肉量の維持を前提にしたものが殆どだと思います、よく考えてみると。
女性が必要以上に痩せたがるのと同じように必要以上に筋肉をつけたがる男性は多いですね。
それとまだ自分でも心のどこかで糖質による弊害を軽視している事と何十年も主食としてきた白飯を断つ事の不安があるのだと思います。
あと糖質制限を始めてまだ一ヶ月経つか経たないかくらいですが、意外な効果としては男性機能の改善です。
これも飲んでいるアルギニンサプリや鉄剤の効果なのかはっきりとはわからないですが改善したことは確かです。
調べてみると機能不全の原因にはやはり糖化が大いに関係しているようですね。
自分の場合はEDが治ったとかそういう事ではないのですが、明らかにED治療にも糖質制限は効果があると感じました。
これも情報量が少なくて機能不全と糖化を結びつけて考える人は少ないのではないでしょうか。
>「パラダイムシフトが起これば解決する」と考えている人は多いですが、世の中の構造そのものに問題があるので時代が変わっても変化はありません。
常識的だと思っていた事が実はまったく逆だったというショックに対しての免疫力がないとそこで思考停止しやすいですし、まだまだそんな人が多いです。
遠い過去の大戦や現在世界で起こっている紛争の構図の「常識」から医療・健康の「常識」まで トンデモだと笑い飛ばすか、そういう事も考えられると受け入れられるか
誘導する側も常に新しい手を使ってくるわけで
この先も「常識」が覆ることはないのかもしれませんね
R.Kさん、体験談の報告ありがとうございます。
糖質をしっかり制限しても、筋肉量にほとんど違いがなく、健康的に引き締まったとのことなので、男性の参考になると思います。
>あと糖質制限を始めてまだ一ヶ月経つか経たないかくらいですが、意外な効果としては男性機能の改善です。
女性の生理不順を治す方法と男性機能を改善する方法は同じだと読んだことがあります。生理不順も糖質制限やサプリで改善する話は多いので、男性に同じことが起きても不思議ではありません。
でも実体験を聞くと、日々摂取している栄養があらゆる症状に関わっていると改めて思います。
1点気になったのですが、まれに男性でも鉄不足の方がいるそうですが、基本的には男性の場合生理がないので、鉄不足になる事は少ないそうです。
鉄が減る事が前提の女性と違うので、鉄サプリは、量に気をつけて下さい。
閉経後の女性や男性は基本的にフェリチンは足りているので、可能であれば、今どのくらいフェリチンがあるのか測られた方がいいかもしれません。
男性の場合、何もしていなくても、女性に比べてかなりのフェリチンがあります。
>自分の場合はEDが治ったとかそういう事ではないのですが、明らかにED治療にも糖質制限は効果があると感じました。
多くの症状を改善させる可能性がありますね。
不妊治療も糖質を制限して、タンパク質、女性であれば鉄を減らさない事が基本だそうです。
単純で誰でもできることなのですが、広く情報が伝わっていないので多くの人に知ってもらいたいです。
>常識的だと思っていた事が実はまったく逆だったというショックに対しての免疫力がないとそこで思考停止しやすいですし、まだまだそんな人が多いです。
私も最初はショックで、ボーっとしていました。デタラメだったらいいなと思ったこともあります。
でもどんなに目を背けても、1度知ってしまうと、おかしな事が目につくようになります。それで、半年ぐらいかかって、徐々にこれは間違いないと核心に変わりました。
医療も、社会構造の上に成り立っているので、政治、歴史、宗教などかなりの影響を受けています。
この部分を抜きに語ろうとすると的外れになりますし、かといって、そこばかり語ると引く人もいるので、どう伝えていくかが課題です。
考えたくないという人は多いので。