鬱や睡眠障害や発達障害の原因を栄養の視点から考える。鉄不足が脳に与える影響は深刻だった

とにかく気分が沈む、理由はないけどイライラする、寝られない、・・・等の症状はありませんか?

 

意外と知られていませんが、脳が問題なく働く為にはが必要です。

 

なので、鉄が不足することで、や、睡眠障害等に発展する事があるのです(こちらは前半に話します)。

 

それだけではなく、母親が鉄不足だと「生まれてくる子供の脳」に影響します。なんと、発達障害とも無関係ではないそうです(こちらは後半に話します)。

 

「原因は必ず鉄不足」というわけではありませんが、可能性の一つとして知っておくと、疑わしい症状が出た時に対処できますよね。

 

今回は、鉄がにどんな影響を与えているのか、また、不足することでどういう弊害が起きるのかをお話したいと思います。

 

 

 

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脳の仕組み

 

 

栄養についてお話する前に、まず簡単に「脳の仕組み」についてご説明します。

 

人間の脳は、膨大な数の神経細胞からできています。(数は人によって言う事がバラバラです)

 

「神経細胞」は、情報処理と情報伝達の機能がある特殊な細胞です。

 

「神経細胞」は、英語だと「ニューロン」と言います。図で書くと、こんな感じです。

 

 

ニューロン

 

 

 

核の周りにある放射線状に広がった突起が入力部分で、この突起を「樹状突起 じゅじょうとっき」と言います。

 

 

で、反対の長く伸びた軸の先端にある方が出力部分です。

 

この細胞がいくつも続いて、情報を伝達しています。

 

 

「隣の神経細胞」からの信号を、「入力」部分から受け取ります。そして、出力部分から「隣の神経細胞」に信号を送るようになっています。

 

 

情報の流れは、「樹状突起」→「軸索」→「軸索の末端」→「隣の神経細胞」という方向になります。

 

 

ニューロン

 

 

で、「神経細胞」と「神経細胞」の連結部分の構造を「シナプス」と言います。ちょと膨らんでいます。

 

 

シナプス

 

 

見てもらったらわかるように、「神経細胞」と「隣の神経細胞」の連結部分(シナプス)は、繋がっていません。わずかな隙間があります。

 

この隙間を「シナプス間隙(かんげき)」と言います。

 

 

隙間があって繋がっていないということは、電気信号が「樹状突起」→「軸索」→「軸索の末端」→と来ても、その隙間を飛び越えて、次の「神経細胞」に行くことができません。
では、どうやって電気信号を「隣の神経細胞」に伝えるのかと言うと、

 

「電気信号」を、「化学物質の信号」に変換して、「隣の神経細胞」に情報を伝達するのです。

 

 

シナプスの部分を拡大します。

 

 

シナプスと神経伝達物質

 

 

シナプスには神経伝達物質の貯蔵庫があります。その貯蔵庫を「シナプス小胞(しょうほう)」と言います。

 

その中には「神経伝達物質」という化学物質が蓄積されています。

 

 

電気信号が伝わってくると、「神経伝達物質」が「シナプス間隙」に分泌されます。

 

前の神経細胞から分泌された「神経伝達物質」が、隣の神経細胞の受容体に結合することによって、電気信号が生じて情報が伝達される仕組みになっています。

 

 

信号のバケツリレーみたいなもんです。

 

 

「神経細胞」と「神経細胞」が繋がっていなくても、「神経伝達物質」が分泌されるお陰で、脳内の情報がスムーズに伝えられるわけです。

 

 

もし「神経伝達物質」がなかったら、電気信号が「隣の神経細胞」に伝わらないので、非常に困ったことになります。

 

では「神経伝達物質」について、もう少し詳しく説明します。

 

 

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神経伝達物質とは

 

 

「神経細胞」と「神経細胞」が情報をやりとりする為に分泌される化学物質を、「神経伝達物質」と言います。

 

「神経伝達物質」の原料はタンパク質ですが、その合成にはビタミンミネラルが関わっています。これらが足りないと合成がストップしてしまいます。

 

 

「神経伝達物質」および「神経修飾物質」は、現在までに数十種類が発見されているそうですが、大きく分類すると、3つに分けられるそうです。

 

 

『wikipedia 神経伝達物質』より引用

 

神経伝達物質は大きく分類すると以下の3つになる。

 

1.  アミノ酸(グルタミン酸、γ-アミノ酪酸、アスパラギン酸、グリシンなど)
2. ペプチド類(バソプレシン、ソマトスタチン、ニューロテンシンなど)
3. モノアミン類(ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニン)とアセチルコリン

 

その他一酸化窒素、一酸化炭素などの気体分子も神経伝達物質様の作用を示す。

 

 

この中で、注目して欲しいのが「ノルアドレナリン」と、「セロトニン」です。働きは以下の通りです。

 

 

ノルアドレナリン

 

やる気、意欲を高める、記憶を高める、神経を緊張・興奮させる、ストレスに対する作用

 

 

セロトニン

 

精神の安定、生体リズム、睡眠、体温調節に関与する

 

 

 

 

「うつ病」の人は、これらの神経伝達物質が減少しているそうです。

 

 

 

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神経伝達物質と鬱病

 

 

「ノルアドレナリン」と「セロトニン」が不足すると、以下のようになります。

 

 

ノルアドレナリンが不足すると

 

「ノルアドレナリン」は、興奮物質です。なので不足すると、意欲の低下や、気分が落ち込んだりします。

 

ただし、「ノルアドレナリン」が多すぎると、イライラしたり、攻撃的になったりします。少なすぎてもダメですが、多すぎてもダメです。

 

 

セロトニンが不足すると

 

「セロトニン」は、精神の安定に関わる物質です。なので不足すると、気分が落ち込んだりします。また、「セロトニン」には「ノルアドレナリン」などの暴走を抑制する働きがありますので、不足すれば興奮物質を抑制出来なくなります。イライラしたり、落ち着きがなくなったりします。

 

 

 

 

先ほど、「神経伝達物質がないと情報がスムーズに伝わらない」というお話をしましたが、うつ病の人はこの状態ですので、意欲が低下します。

 

さらに、「セロトニン」が不足すると、別の問題もでてきます。

 

 

 

神経伝達物質と睡眠

 

 

「セロトニン」は、精神の安定や、興奮物質を抑えるだけでなく、睡眠にも関わってきます。

 

「セラトニン」は、睡眠を促すホルモンである「メラトニン」の材料だからです。

 

従って、「セロトニン」が減少すれば、当然「メラトニン」も減少します。「メラトニン」が不足すれば、睡眠の質が下がったり、眠れなくなったりと、睡眠障害が起きます。

 

 

 

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鉄と脳

 

 

楽しい気分になったり、やる気を起こしたり、適切に睡眠がとれたりするのは、「神経伝達物質」が分泌され、信号を送れるからです。スムーズに信号を送るには「神経伝達物質」が不可欠です。

 

ここが大事なところなのですが、この「神経伝達物質」が上手く造られるためにはが必要です。

 

 

なので、鉄不足になると「神経伝達物質」の不足を招きます。

 

 

こうなると、「神経細胞」から「神経細胞」への信号が上手く送れません。その結果、意欲や集中力の低下、イライラしやすい等の症状がでます。さらに、そのまま鉄不足を放置すると、うつ病に発展するケースもあるのです。

 

ちなみに、「産後のうつ」も鉄不足が原因です。妊娠出産には、子供に鉄をあげる為、貯蔵鉄(フェリチン)が50失われます。鉄が足りている人ならいいですが、元々少ない人が妊娠出産をすると、鉄が枯渇します。

 

そして、ほとんど多くの日本人女性は深刻な鉄不足です。

 

フェリチンと鉄不足について分かりやすく説明してみた

 

 

それだけではありません。「鉄不足」は子供の脳にも影響を与えます。

 

実は「発達障害」は、母親の「鉄不足」が関係しているそうなのです。

 

 

 

「発達障害」がどんなものか分からない方もいると思うので、次は、私の体験を話します。

 

 

 

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鉄不足と発達障害

 

 

私の祖母は発達障害の一つである「アスペルガー症候群」の疑いがあります。しかも、「アスペルガー症候群」だけじゃなく「ADHD(注意欠如、多動性障害)」の特徴まであります。

 

それを側で見てきて、「子供(胎児)の時の栄養状態が、その後の人生を左右する」と感じています。

 

コミュニケーションが上手くいかないので、普通であれば起きないようなトラブルが起きます。今は「アスペルガー症候群」と「ADHD」のせいでそうなる事が分かったのでマシですが、もし障害を知らなければ、ただの「我が侭」に見えます。

 

それまでは、母親と上手くいかず何度も嫁姑のケンカに巻き込まれました。そのやり取りを傍から見て「一見普通だけど、なんか普通じゃない」とは思っていたのですが、原因がわかりませんでした。

 

障害に私が気付いたのは5年前です。これが原因で「しなくてもいい喧嘩」が積み重なり、あと少しでどちらかが家を出るというところでした。

 

一応、「疑いがある」と書きましたが、私からみるとほぼ確定です。本人が認めようとしないし調べる気がないので、病院で正式に病名をもらったわけではありませんが、症状が「アスペルガー症候群」と「ADHD」、両方当てはまります。嫁姑戦争の原因は正にこれでした。

 

一番の問題は、コミュニケーションが上手くとれないことです。コミュニケーションが出来てない上で、その時々の問題が重なるので、小さい事でも話が複雑難解になります。

 

祖母は、会話の言葉通りにしか意味を受け止められないので、「説明しなくてもわかるでしょ」という一般の感覚が全く通用しません。

 

 

以前はそんな脳の障害が存在するなんて知りませんでしたから、家族も普通の人と同じように会話をしていました。「そんな事もわからないのか」と言う事もたびたびありました。

 

母親は、普通の人には通じる会話が祖母には通じない事に苛立つし、祖母は祖母で馬鹿にされたように受け止めるわけです。

 

そして、思いつきで行動し、家族全体に関わる大きい事でも、家族に相談しないで実行していたので、それによってもトラブルになりました。

 

正直言って、この障害を知るまでは「コミュニケーションが出来ないのは祖母の努力不足」だと思っていました。でも、脳の障害だから、本人の責任じゃないんですね。

 

最初は、障害だし原因もわからないから、誰にも責任はないと思っていました。

 

しかし最近、母親の栄養状態によって、生まれてくる子供の脳に影響がある事を知りました。

 

「アスペルガー症候群」はどうかわかりませんが、少なくとも「ADHD」は関係があるみたいです。

 

ということは、曾祖母の妊娠前、妊娠中の栄養状態が悪かったせいで、祖母が「ADSD」になったという可能性もあるわけです。

 

しかし、当時は食べる物も今の様に豊かではないですし、なにより、「栄養の知識」なんて当時の人にありません。「昔は添加物等はなかったから、健康的な食事をしていた」と想像しがちです。しかし、当時の日本人の寿命を見てもわかるように、実は昔の日本人は、タンパク質・脂質不足で、栄養状態が悪かったのです。それによる感染症も多かったのです。

 

 

健康には昔ながらの和食が良い?実は栄養状態が悪かった昭和の子供達

 

 

知識がなければ防ぐことも出来ませんし、食べ物が豊富でなければ食材の選択もできません。

 

そういう状況なので、昔の人が栄養不足になるのはしょうがないかなと思います。しかし現代の人は違います。情報も得られるし、食べ物だってある程度は選ぶ事ができます。

 

私は「耳障りの良い事」を言うのは好きではありませんので、本音を言わせていただくと、私は体が弱かったので様々な面において不便でしたが、脳に影響がないだけまだマシです。

 

私は子供の頃から祖母を見てきて思うのですが、「アスペルガー症候群」、「ADHD」の人は、普通の人と混じって生活すると苦労すると思います。無人島で生活すれば問題ないかもしれませんが、人と関わるとコミュニケーションの問題が必ずついて回ります。

 

今でも振り回されて疲れることもありますが、その度に自分がアスペルガー症候群じゃなくてよかったと思います。

 

私は祖母の症状を知っていますので、もしこれから先「アスペルガー症候群」の特徴がありそうな人から失礼な事を言われても、「この人に悪気はないな」とか思いますし、別に驚きません。しかし、この症状を知らない人は、間違いなく「常識がない」とか言って非難すると思います。

 

私は祖母が苦労している様子や、家族が揉める経験を何度もしているだけに、これから生まれてくる子供がこの障害にならないように、気をつけられる事は気をつけた方が良いと思っています。もし食べ物でこの障害が回避できるのなら安いものです。

 

でないと、生まれた子が苦労します。

 

祖母は、「いつも私が悪者になる」とか、「いつも自分が言い負かされてきた」と言っています。

 

本人の発言からも、「生きることに不自由を感じている」ということが感じ取れます。一番の問題は何故そうなるのか、本人には理解できていない事です。解決に向かって進まないから、何度も同じ事を繰り返すわけです。

 

本人は「アスペルガー症候群」、「ADHD」であるかどうか検査しようとも認めようともしませんが、どんなに真実から目を背けても、実際に起こる不自由さが消えることはありません。それが80年以上続くことを考えたら、キツいです。

 

私を可愛がってくれる祖母ですので、これから先、つまらない事で揉めないように、両親にもそのことを話したのですが、なかなか頭を切り替えてくれず困っています。

 

 

曖昧な言い方はするなとか、
一度にたくさんのことを言うなとか、

 

 

注意しても、普通の感覚で会話をするから、また噛み合わなくて揉める。

 

要するに、私が言っている事なんて信じていないわけです。祖母が病院で調べない事もあって、祖母が「アスペルガー症候群」と「ADHD」の特長がある事を認めない。本人も周囲も。だから気をつけない。

 

相変わらず、意思の疎通が出来ない、話しが噛み合わないコミュニケーションばかりするわけです。これが専門機関で調べてもらってきちんと診断されたら、気をつけるかもしれませんが。

 

パターンがわかったら行動が読めるので、トラブルを回避できるのですが、祖母も周囲の人もそれを認めないから、同じことを何度も何度も繰り返すわけです。

 

今みたいに、この障害が認知されて、周りに理解があり、本人も周りと上手くやれるようにお互いが調整すれば良いですが、それがないと厳しいでしょう。というかキツいです。間に立つ者は大変です。

 

よく「アスペルガー症候群の人は天才の人が多い」とか言いますが、あんな言葉は気休めです。例え天才でも周囲と揉めてばかりだとしんどいと思います。それに、周囲から求められるような「特別な才能」があれば、少々の落ち度はチャラにしてもらえるかもしれませんが、みんながみんなそこまでの天才じゃないと思います。

 

「昔の人は偉い」というのと変わらないです。

 

昔の人だって「偉い人」は偉いですが、「普通の人」は普通なのです。それと同じで「アスペルガー症候群」の人でも天才もいれば普通の人もいるのです。

 

 

母親の栄養状態で発達障害になるのだとしたら、誰が発達障害になっても不思議ではありません。自分がたまたまそうならなかっただけなので、人事とは思えません。

 

アスペルガー症候群同士だったら、おそらくお互いに腹芸は要求しないので、問題ないと思いますが、「アスペルガー症候群の人」と「普通の人」の組み合わせになると、色々とトラブルになります。普通の人は腹芸を要求してきますので。本人も苦労しますが、その周囲の人も苦労します。

 

 

一歩間違えたら家族が離れて暮らすということにもなりかねません。うちも本当にヤバかったですから。

 

 

人間にとって「脳の健康状態」は、極めて重要だと思います。

 

 

次は「鉄不足」が発達障害に繋がる理由についてお話します。

 

発達障害を遺伝として片づけない。母親の鉄不足が子供の脳に与える影響とはへ続く

 

 

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