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つなぎを使わない肉だけのハンバーグは、ヘルシーで消化にも良いです。
牛乳やパンを使わない事で、牛乳に含まれている乳糖、パンに含まれているブドウ糖といった、「余計な糖質」を摂らなくてすみます。
それだけでなく、牛乳やパン(パン粉)を使う必要がないので、作業工程も少ないです。
メリットが多いので、私も、肉と塩だけで成形したハンバーグをよくつくります。
つなぎには、「牛乳」、「パン(パン粉)」、「卵」があります。このうちの「卵」は、糖質ではないので、買ってきた肉のgが少ない時は、栄養価を足すつもりで加えます。
しかし、基本は塩だけです。
世間一般で食べられているハンバーグより硬いので、この食感が苦手な人は多いと思いますが、慣れると悪くないです。
肉肉しいハンバーグの方が食べ応えがあり、ご飯がなくてもいけます。
本記事では、「つなぎ無しで作るハンバーグの作り方」と、「つなぎがない方がヘルシーな理由」についてお話します。
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肉が結着する仕組み
つなぎがなくてもつくれるの?
・・・と思っている方の為に、まずは作り方から説明します。
参考にした本は、『家で「肉食」を極める!肉バカ秘蔵レシピ 大人の肉ドリル / 著者:松浦達也』で、肉料理を美味しく食べる事にひたすらこだわった本です。
糖質制限の本ではありません。なので、ここに紹介されているハンバーグのレシピには、玉ねぎや、食パン、牛乳が出てきます。
私は一日の糖質量は10g以下を目標にしているので、糖質の多い材料は基本的に使いません。使うとしたら玉ねぎです。パンや牛乳は使うことはありません。
私は、この本に書かれてあるレシピから、糖質の多い材料を省いて、肉、塩、胡椒、ナツメグ、(時々玉ねぎ)で作っています。
つなぎなしのハンバーグの作り方は至ってシンプルです。
肉に1%の塩を加えて、低温の状態で、木ベラを使ってひたすら練る
これだけです。
これをしっかりやれば「つなぎ」は必要なく、綺麗にハンバーグの形にすることが出来ます。
もし、玉ねぎを加える場合は、玉ねぎを炒めた後できっちり冷やして加えるようにします。低温がポイントです。紹介した方法で練ると、「つなぎ」がなくても崩れないハンバーグができます。
では、どうして冷やさないといけないのか・・・その理屈が以下になります。
『家で「肉食」を極める!肉バカ秘蔵レシピ 大人の肉ドリル 著者 / 松浦達也』より引用
肉は低温で塩を加えて、しっかりこねるとタンパク質の組成が変わる。組織が強く結びつき(結着)、弾力ある食感が生まれる。
大切なのは「新鮮な肉」、「塩分」、「低温」という3つの条件。
特に「低温」は肉だけでなく、道具や自分の手など肉が触れるすべてを冷やす必要がある。
しかしこうした条件を知らなければ、手の体温を伝えながら温かい場所でこねてしまい、溶けた脂肪が赤身と混じった状態で「粘りが出た」と勘違いしてしまう(数年前まで僕もそうだった)。
当然結着していないから焼くと崩れる。
そこで肉の結着力不足を卵のたんぱく質で補おうと、卵を入れるという工夫が生まれたと考えられる。さらにパン粉や牛乳も加わり、日本のハンバーグは「ごはんに合う」やわらかさを獲得した。しかし本来なら「卵入り」は結着の仕組みさえわかればしなくてもいい工夫だし、卵を入れると生の状態では柔らかすぎて肉種が扱いにくくなる。
(中略)
そしてこね始め。しっかり冷やしながら、できれば赤身肉+塩のみからスタートしたい。こねる際に脂身などが混じっていると結着力が落ちるのと、塩分が高めのほうがたんぱく質の結着性が高くなるからだ。
他の素材を入れるのは、最初の赤身肉がしっかりと結着してから。冷やしながらこねると、どんどん赤身肉が重くなっていって、科学の実験のような面白さすら味わえる。
(76p~77p)
このように、結着の仕組みを理解していれば、「つなぎがなくても崩れないハンバーグ」ができるわけです。
ここからは、「つなぎ」がなくても作れるはずなのに、何故ハンバーグにわざわざ「つなぎ」を入れるのかについて考えてみます。
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ハンバーグのつなぎの起源
「つなぎ」は、本場のレシピではなく、日本人が改良したものだそうです。
『PRESIDENT Online ハンバーグのつなぎは塩だけでもOKです』より引用
以前、和牛ひき肉に卵を入れたハンバーグを食べたフランス人の子供は言いました。
「これ、腐ってるよ」。
彼らにとって軟らかい肉はなじみがなくて、肉は脂身が少なく硬いのが当たり前なんです。歯でかみ切って、味わう食文化なんです。
食べた瞬間の「じゅわ~」はなじみがないんですね。
フランスのテリーヌなどには、つなぎで卵を使いますが、これらはハンバーグステーキとは違うカテゴリーなんですね。
このように、日本のハンバーグは、不自然に柔らかいようです。
ハンバーグの起源は、13世紀頃にヨーロッパまで攻め込んだ「タタール人」というモンゴロイド系(つまり日本人と同じ)の人達が食べていた「生肉料理」だそうです。
彼らが食べていた肉は硬くて筋張っていたので、生肉を細かく切って玉ねぎや香辛料で味付けしたのだそうです。
つまり、ハンバーグというのは、「硬くて食べにくい肉」を、切って食べやすく加工した料理です。
しかし、日本人はそれよりもさらに柔らかくしたのです。
特に昔の日本人は硬いものが大好きですから、歯が弱いわけではありません。魚の骨を平気で食べる人もいました。
その事からも、「肉が硬くて食べずらいから、ハンバーグを柔らかく改良した」わけではありません。
日本のハンバーグも最初はつなぎが無かった
昔は「本場のレシピ」にも、日本のレシピにも「つなぎ」の記載は無かったそうです。『家で「肉食」を極める!肉バカ秘蔵レシピ 大人の肉ドリル』によると、
1867年にニューヨークの医師、ジェイムズ・H・ソールズベリーが、切った牛肉を成形して焼いて食べるようにすすめたそうですが、その当時のレシピが、
- 厚さ1.5~2.5cmのパティの形に整え、直火で炎や煙が当たらないようにじっくりと焼いて火を通す。
- 皿に盛った後に、バター、塩、胡椒、ウスターソース、マスタード、レモン汁などで調理する。
・・・だそうです。玉ねぎも入っていませんね。
続いて、昔の日本の西洋料理を紹介したレシピ本でも、「つなぎ」は記されていないそうです。『欧米料理法全書』(1904年/明治37年)に乗っている「ハムボーグ・ステーキ」というメニューのレシピを要約すると、
- 生の牛肉を細かく切り、塩、胡椒、玉ねぎの汁に、エシャロットのみじん切りを加えて調理する。
・・・ですし、さらに『西洋料理の典型研究記録』(昭和14年)の「ハンバーグ・ステーキ」のレシピの材料は、
- 牛もも肉のひき肉に加えて、みじん切りの玉ねぎ、塩、胡椒、ナツメグ、オールスパイス等。
・・・です。この時代も、やはり、「つなぎになりそうな材料」は記されていないそうです。
じゃあいつから「牛乳」、「パン(パン粉)」、「卵」といった「つなぎ」が入れられるようになったのか・・・というと、その歴史は浅く、戦後だそうです。
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つなぎを入れた本音
何故、日本のハンバーグには「つなぎ」が入るようになったのか、それを考えながら、以下の文を読んでみて下さい。
『PRESIDENT Online ハンバーグのつなぎは塩だけでもOKです』より引用
先生 実はつなぎに卵を入れるのは日本独特の方法なんです。欧米では入れないのが普通です。
――日本に特殊な事情があるのですか?
先生 卵は完全食品といわれるほど栄養価が高い。卵黄・卵白に含まれるタンパク質は必須アミノ酸がバランスよく含まれています。ハンバーグが食卓に並び始めた昭和の時代、100%牛肉のひき肉はぜいたくなので、牛肉よりも安価で栄養価の高い卵を入れたのです。
一見、もっともらしい理由に聞こえますね。「つなぎ」が卵だけなら、栄養価、価格の面からみても、理に適っていると思います。
しかし、ハンバーグにはこれだけでなく、パン(パン粉)や牛乳が加えられるのです。
ということは、「つなぎ」を入れる理由は、これ以外にもあるということです。
そのヒントが松浦氏の著書の中にあります。
『家で「肉食」を極める!肉バカ秘蔵レシピ 大人の肉ドリル 著者 / 松浦達也』より引用
ごはんに会うように改良された日本のハンバーグ
日本のハンバーグを外国人に食べさせると微妙な顔をする。種がやわらかく、肉肉しい噛みごたえに欠ける日本のハンバーグはよく言えばジャパンオリジナル。悪く言うと“ガラハン”――ガラパゴスハンバーグだ。
というのも、日本のハンバーグは日本人の手でごはんに合うように変わってきたものだからだ。
(中略)
現在主流となっている「卵、パン粉、牛乳入り」はジューシーな食味が大好きで、しかもつい最近ようやく肉と表立って付き合うようになった日本人ならではの工夫なのだ。
(75p~76p)
ハンバーグが柔らかくなったのは、日本人の好みが大きいと言えます。
シンプルなハンバーグがヘルシーな理由
「動物性食品は食べ過ぎると体に悪い」・・・と考えている人は多いです。
そんな人は、何故、肉だけのハンバーグがヘルシーなのか理解できないと思います。
なので、ここからは、つなぎを入れない事が、何故ヘルシーなのかについてお話します。
ハンバーグに「つなぎ」を加えた本当の目的は米でした。
栄養価が・・・、価格が・・・と、格好の良い事を言っていますが、本音はこれなのです。むしろ私は、栄養価や価格の理由こそ「跡付けの理由」ではないかと思っています。
いかに米を美味く食うか。1に米、2に米、3に米なわけです。
この改良の動機は、日本人の食の嗜好を如実に物語っています。
ハッキリ言うと、「つなぎの一切ないハンバーグ」は、硬くてご飯には合わないと思います。
「肉を食べる事」を目的にするのであれば、噛みごたえがあるので私は好きですが、もし米を食べていた2年前の私が、「ご飯のお供」に食べたらそうは思わないでしょう。
ご飯を意識するかしないかで、美味しいか美味しくないかの意見は分かれると思いますが、大多数の日本人は、米が中心と考えているので、硬いハンバーグを「美味しくない」と感じるでしょう。
レストランのハンバーグで「硬さ」をアピールしたものは見た事ありません。全てと言っていいほど、ふっくら、柔らか、ジューシーです。
肉文化の人達と、日本人では、肉に求めるものが明らかに違います。
おそらく肉文化の人達は肉を味わう時、肉そのものを味わうのに対し、
日本人は肉を食べる時でさえ肉はご飯の引き立て役なのです。
「肉食」と言いながら、中身はしっかり「和食」です。全ての人が、とはいいませんが、これに当てはまる人は多いです。
だから、ハンバーグのレシピが伝わった時に、すでに柔らかい肉料理を、ご飯の為にさらに柔らかく改良する必要があったのです。
ハンバーグに限らず、どこのどんな料理を輸入しても、ご飯に合うように改良。そして、それをおかずにご飯を〇杯食べる。そういう流れになります。
「餃子をおかずにご飯を食べる」という珍セットを考案するのも、ご飯を中心に考えるからです。
で、これが病気の原因です。
日本人に病気が増えたというと、いつも「食の欧米化」が槍玉にあげられ、肉や脂が悪者になります。
しかし、慢性疾患のほとんどは糖質の過剰摂取が原因です。悪いのは肉や脂ではありません。
糖質の毒性は遅効性。体に合わない物を食べると、表面的には問題がなくても水面下では体が劣化する
冷静にみてみると、食が欧米化したからではなく、「海外の肉料理を日本人に合うように、ご飯を多く食べれるように改良した」から病気が増えたのです。
日本料理だけでなく、あらゆる国の料理に言えることですが、「糖質」と、「タンパク質」「脂質」の組み合わせは病気のリスクが高くなります。
【脂質+タンパク質】は良くて【糖質+脂質+タンパク質】が良くない理由
「ご飯」のところを「パン」や「パスタ」に変えても不健康な組み合わせとなります。
外国の人でも、特に太っている人の食事内容を観察してみると、肉や脂と、大量の糖質を摂っています。
そして、ご飯に合うように改良されたおかずは、ご飯がなくては物足りないおかずになり、もっとご飯を食べたくなります。
和食は素材の味を生かした料理だという嘘と、日本人が不健康な白米を止められないワケ
日本人が不健康になるのは、「ご飯に合うおかず」を意識して料理をするからです。そしてその事に気が付いていない日本人が多すぎます。
ご飯は「ブドウ糖」に分解されます、そこからさらに代謝されエネルギーを作るのですが、体質によってこの代謝が上手くいかない人がいます。すると、乳酸の蓄積を招き、体が酸性化し、癌が発生しやすくなります。
癌の原因は「ブドウ糖」、そこから分解されて発生する「乳酸」の蓄積です。ご飯の食べすぎには十分注意して下さい。
余命わずかの末期癌患者が退院できたのは病院での栄養療法のおかげだった!
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米至上主義
ご飯が美味しく食べられないと、日本人は不機嫌になります。
若い人はご存じないかもしれませんが、私が子供の頃に米が不足した年がありまして、その時は多くの日本人が、輸入されたタイ米を食べる事になりました。
そのタイ米の扱いが酷い事、酷い事。「パサパサしている」だの、「もっちり感がない」だの、文句のオンパレード。
「日本にはもったいないの精神がある」とか言いますが、醜い部分を見させてもらいました。
食べられるだけでもありがたいのに、「米はこうでなければならない」という固定観念があって、それに少しでも外れると、文句を言う大人達。
信じられないのは、戦時中の食料不足を経験した人でさえも、タイ米に対して不平不満を言っていた事です。「日本の米がいい」、「日本の米がいい」、と言っていたのを思い出します。
あの事件で、日本人とは米に対して異常にこだわる人種であるという事が露呈しました。
付け加えるなら、米に関しては、女性よりも男性の方がうるさい。
私の周りだけがそうなのか、ある程度年をとった日本人男性で、銘柄、米の炊き方にまで細かくイチャモンをつける人が多いです。
とにかく日本人は、米に対してうるさすぎます。それを考慮すると、ご飯に合わない硬いハンバーグは、改良せざるを得なかったのでしょう。
まとめ
健康の為には糖質を控える事が重要ですが、1番の壁が米です。
ご飯を止める為には、「ご飯がないと食べられないような味付けのおかず」を止めるしかありません。
ハンバーグだと、ジューシーで柔らかいを、つなぎを無くして肉だけのシンプルなものにします。
こうすると、ハンバーグ自体の糖質も控えられますし、ご飯がなくても食べられるのでヘルシーです。
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