フェリチンと鉄不足について分かりやすく説明してみた

 

貧血でフラフラする

 

 

・・・「鉄不足」と聞くと、こんなイメージが湧くのではないでしょうか。

 

 

一見、大した事なさそうですが、実は「鉄不足」は、体にとって非常に深刻な問題です。

 

 

しかし、日本では「鉄不足」を甘くみている人が多いです。

 

 

欧米では小麦に「鉄」を、中国では醤油に「鉄」を入れる・・・といった対策が取られているそうですが、日本では、そのような対策は取られていません。

 

 

そして、通常の血液検査では、「ヘモグロビン」の値は測りますが、体内にどれくらい鉄が貯蔵されているかが分かる「フェリチン」の値は測りません。

 

 

 

生理がある女性は、毎月「鉄」を失うので、深刻な鉄不足になっている人が多いのですが、病院では、通常「ヘモグロビン」しか測らないので、「鉄不足」になっているかどうかが見逃されてしまいます。

 

 

鉄不足の悪影響は「貧血」に留まりません。特に女性が鉄不足のまま妊娠・出産すると、後々子供の成長にも影響します。

 

 

 

鉄が不足すると、どんな食事法も効果がなくなると言われているくらい重要な栄養素なのです。

 

 

本記事では、「鉄不足」と、「鉄不足」かどうかを調べる「フェリチン」について話をします。

 

 

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鉄が減っていく流れ

 

体の中に入った鉄の働きは、大きく分けて3つです。

 

 

●機能鉄・・・体の機能をサポートする鉄です。ヘモグロビンの中や、筋肉にあるミオグロビンの中に存在します。このうち、酸素を運ぶ役割のあるヘモグロビンが、生命維持に欠かせないので、優先的に鉄が回されます。

 

 

●貯蔵鉄(血清鉄)・・・鉄のストックです。肝臓や脾臓、小腸粘膜、等に蓄えられています

「血清鉄」は貯蔵鉄の一部と見なされます
「血清鉄」がヘモグロビンの材料になります

 

 

 

●組織鉄・・・髪の毛、爪、皮膚等の組織に含まれています

 

 

 

 

 

体内の鉄は、このように振り分けて使われますが、体内の鉄の70%は赤血球に含まれている「ヘモグロビン」が独占しています。

 

 

で、残りの鉄がヘモグロビン以外のところに使われるのです。

 

 

 

もし体の中で鉄が不足しても、いきなり「貧血」にはなりません。そうなる前に段階があります。

体の中で鉄が減っていく順番は、以下の通りです。

 

 

 

①貯蔵鉄(フェリチン)が減る

②血清鉄が減る

③血清鉄がないので赤血球(ヘモグロビン)が造れない(貧血)

 

 

 

鉄が不足した場合は、ストックである「貯蔵鉄(フェリチン)」から減っていきます。

 

(※「貯蔵鉄(フェリチン)」を増やすには、先にヘモグロビンと血清鉄が満ち足りて、最後に貯蔵鉄に鉄が溜まっていく・・・という逆の順番をたどることになります。)

 

 

だから「貯蔵鉄(フェリチン)」の値を知ることが重要なのです。「フェリチン」については後で詳しく説明します。

 

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鉄不足がヤバイ理由

 

鉄不足になった時、「もう赤血球を造るのを止めた」とはなりません。

 

赤血球に含まれる「ヘモグロビン」には、体の細胞に酸素を送り届ける重要な役割があるからです。酸素は生命維持の為に必要ですね。従って、いつだって赤血球に含まれる「ヘモグロビン」が最優先です。

 

 

 

そういうわけなので、鉄が足りない時は、「貯蔵鉄」から減っていきます。

 

鉄が減ってくると、赤血球の方に鉄が優先的に使われるので、その他のところは鉄不足で過ごすことになります。

 

それでも、赤血球に含まれる「ヘモグロビン」の鉄は足りているので、体全体の鉄不足には気が付きません。

 

気が付かないから、そのまま鉄不足を放置します。

 

 

すると、「貯蔵鉄」の鉄も有限ですから、補充しなければ、やがて枯渇します。女性は生理があるので、ここで手を打たないと、どんどん減っていきます。

 

 

最終的には赤血球が減るほどの「鉄不足」、つまり貧血へと発展します。貧血でフラフラになる・・・というのは、厳密に言うと、酸素を運ぶ「ヘモグロビン」に回される鉄まで無くなって、体が酸欠の状態です。

 

 

「貧血」には、種類が色々あります。

 

鉄欠乏性貧血

失血性貧血

続発性貧血

再生不良性貧血

溶血性貧血

ビタミンB12欠乏性貧血・葉酸欠乏性貧血(巨赤芽球性貧血)

 

 

「この記事で扱っている貧血」は、一番上に挙げた「鉄欠乏性貧血 てつけつぼうせい・ひんけつ」です。

 

貧血のほとんどは、この「鉄欠乏性貧血」です。

 

 

「鉄欠乏性貧血」は、血液の量が減少したのではありません。血液中の赤血球(酸素の運び屋ヘモグロビン)が不足することで、身体が酸欠になった状態のことを言います。

 

※ちなみに、似たような症状に、脳貧血(起立性低血圧の一つ)というのがあります。これは急に立ち上がる事によって、血圧が急に下がり、脳に運ばれるはずの血液が一時的に減少して、めまいや立ちくらみとなります。この場合は、鉄が欠乏したわけではないので「鉄欠乏性貧血」ではありません。

 

「鉄欠乏性貧血」になると、細胞の酸欠ですので、フラフラしたり、頭がボーっとしたり、眠くなったりするわけです。この時点では、もう最後の「鉄がなくて赤血球が造れない」という段階に来ているので、蓄えてあった「貯蔵鉄」はずっと前に枯渇したと思って下さい。

 

フラフラして気付くのは遅いのです。

 

 

ここで「フラフラするとか、頭がボーっとする程度なら大したことないじゃん」等と思ったらダメですよ。

 

例え赤血球が減ろうと、どんな事情があろうと、細胞に酸素は必要ですよね。

 

そうした時に、体はその足りない酸素をどうやって調達すると思いますか?

 

心臓を使うのです。

 

心臓がいつもより血液を送ることで酸素不足を補おうとします。つまり、負担をかけます。

 

酸欠が続くことで割を食うのは心臓です。その結果、「動悸」「息切れ」等の症状が出ます。場合によっては心肥大につながります。

 

酸素を運んでくれる従業員の穴埋めをする為に、残りの従業員の過労で補うようなものです。

 

ここからは、「鉄不足」にどうやって気付くかについてお話します。

 

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貧血を体の色でチェック

 

 

貧血になると、体の色で確認することも出来ます。

 

血液が赤いのは赤血球の中に含まれているヘモグロビンのヘムの色が赤いからです。従って、「鉄が足りなくてヘモグロビンが造られない」ということは、赤が少なくなるという事です。

 

それによって、

 

 

●目蓋の裏側の赤色が薄くなる

●爪が白っぽくなる

●顔色が悪くなる

 

 

↑このように、体から「健康的な赤さ」が見られなくなります。

 

 

貧血を体の状態でチェック

 

鉄は、細胞を造る為に必要な物質です。従って、鉄不足では新しい細胞は造られません。

 

鉄が足りないと、肌、爪、髪の毛の質が劣化します。

 

 

●爪の場合だと、割れやすくなったり、表面がガタガタになったり、貧血が進むと、爪が反り返る「スプーン爪」という形になります。ちなみに、私はここまでではありませんが、割れやすいと、表面のガタガタは該当します。

 

●髪の場合だと、抜け毛が増えたりします。

 

●肌の場合だと、カサカサになったり、湿疹が出来やすくなったり、荒れます。

 

 

爪、肌、髪の劣化は気付きやすいといえます。

 

しかし、細胞の生まれ変わりが滞るということは、爪や肌や髪といった見える部分だけではなく、見えない部分にも同じことが起こるということです。

 

 

神経伝達物質である「セロトニン」や「ドーパミン」等が不足したり、免疫細胞の数が減ったりするわけです。爪や肌や髪は例え質が落ちても、とりあえず普通に生きていけます。しかし、神経伝達物質や免疫細胞等、生きていく上で必要な細胞の質が落ちるのは問題が大きいです。

 

 

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フェリチンとは

 

「フェリチン」とは、鉄とくっついたタンパク質のことです。

 

ここまでは、見た目で「鉄不足」かどうかをチェックする方法を紹介しましたが、やはり「貯蔵鉄(フェリチン)」を測るのが確実です。

 

 

先程も言いましたが、以下の2つの値によって「鉄が不足しているかどうか」を知ることができます。

 

 

●ヘモグロビンの値

●フェリチン(貯蔵鉄)の値

 

 

前者は、一般的な血液検査で分かります。しかし、「ヘモグロビン」の数値だけでは「貯蔵鉄(フェリチン)」がどれくらい残っているかはわからないので、それを知る為には、「フェリチン」を検査しないといけません。(※ただし、通常の血液検査では測らないので、「フェリチンを測って下さい」とお願いする必要があります。)

 

 

 

ここで、「ヘモグロビン値」と「フェリチン値」のそれぞれの違いを分かりやすく説明します。

 

 

●「ヘモグロビン値」・・・お財布のチェック

 

●「フェリチン値」・・・貯金のチェック

 

 

 

収入が滞った時、貯金があれば、それを下ろして財布にお金を補充します。手元の財布が空だと、日々の生活を送るのに困りますから、0円にはしません。

 

(鉄の摂取が減った場合も同様です。酸素の運搬が滞っては生きていくことができませんから、「貯蔵鉄」がある場合は、それを切り崩して「ヘモグロビン」に鉄をまわします。)

 

この時、財布の中だけを見れば、お金が満ちているので、表面上は、まるでお金に困っていないように見えます。つまり、財布を見ただけでは、その人が貯金を切り崩しているかどうかまでは分からないわけです。

 

(「ヘモグロビン」だけをチェックするのも同じです。鉄不足の初期は、貯蔵鉄で「ヘモグロビン」が作られているので、その間は「ヘモグロビン」には問題がありません。この場合、表面上は鉄不足のように見えないわけです。「ヘモグロビン」を見ただけでは、貯蔵鉄を切り崩しているかどうかまではわからないのです。)

 

 

そこで、貯金がいくら残っているのかを調べる・・・に相当するのが「フェリチンの値」です。

 

 

 

言うまでもありませんが、貯金が底をつけば、財布の中も減って生活が回らなくなります。

 

それがフェリチンも枯渇し、ヘモグロビンの鉄も足りていない「貧血」です。

 

 

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日本人女性のフェリチン

 

日本人女性は鉄不足が多いです。その理由は以下です。

 

 

●生理で鉄を失う

●外国のように食品に鉄を入れていない

●鉄製の調理器具が少なくなった

●鉄の吸収に必要な肉などのタンパク質の摂取が少ない

 

 

フェリチンは100以上が理想です。

 

しかし、日本人女性15~50歳の99%がフェリチン100以下だそうです。ちなみに、生理がない男性、閉経後の女性には鉄不足はあまり見られないそうです。

 

 

貧血に至らなくても、鉄が欠乏すると様々な影響が出てきます。

 

鉄が不足しても、とりあえず赤血球(ヘモグロビン)には優先的に鉄が回されます。

 

しかし、「その他の必要な場所」に鉄が供給されていなければ、新しい細胞が造られません。

 

すると、

 

 

疲れやすい

肌荒れ

気分が落ち込む

 

 

・・・等といった「鉄不足の症状」が出ることがあります。

 

ですが、通常の検査では「フェリチン」が調べられないため、「鉄不足の症状」が出ているにも関わらず、原因がわからなくて困る人がいるのです。

 

 

そして、一番の問題は、妊娠する予定のある女性の鉄不足です。

 

女性は1回の妊娠・出産でフェリチン50を失います。そして、日本人女性15~50歳の女性の80%では、フェリチン30以下です。

 

 

 

足りませんね。

 

 

この状態で子供を生むとどうなるか、簡単に説明しますと、

 

まず、母親の「フェリチン」は子供に持っていかれますので枯渇します。すると産後のうつの原因になります。

 

そして、鉄を十分に貰えなかった子供の成長にも影響します。(追記)骨格的な不正咬合の原因になったり、鼻詰まりに影響します。詳しくは以下に書いています。

 

 

子供の歯並びが悪くなる真の原因。骨格的な不正咬合の予防は母親にかかっている

骨格が原因の鼻詰まりは子供の時の成長で決まる。口呼吸が招く脳への悪影響

何故、現代人の顔は細いのか?子供の骨格が正常に成長する為に必要な条件とは

 

 

かなり、重要なことなのですが、この事実はほとんど広がっていません。

 

フェリチンを溜めるのは時間がかかります。なので、フェリチンが枯渇する前に気付いて鉄を補うようにしたいですね。

 

 
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