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私達は憲法によって言論の自由が守られているので、

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元々憲法改正賛成派だった人の解説です。

 

 

 

 

谷本議員と一緒に飛行機を降ろされたもう一人の人物・高橋清隆氏について

 

 

 

谷本議員らがノーマスクで強制降機! 釧路空港のエアドゥ機、「憲法違反を公然と行う航空各社への行政指導を国交省に求める」

 

 

一緒に飛行機を降ろされた反ジャーナリスト高橋清隆氏による、谷本誠一議員のインタビュー動画です。

 

 

 

 

 

身近な人が被害に合った時の為に

とりあえずブックマークをお願いします。

 

 

 

 

 

 

月別:2016年11月
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鬱や睡眠障害や発達障害の原因を栄養の視点から考える。鉄不足が脳に与える影響は深刻だった

とにかく気分が沈む、理由はないけどイライラする、寝られない、・・・等の症状はありませんか?

 

意外と知られていませんが、脳が問題なく働く為にはが必要です。

 

なので、鉄が不足することで、や、睡眠障害等に発展する事があるのです(こちらは前半に話します)。

 

それだけではなく、母親が鉄不足だと「生まれてくる子供の脳」に影響します。なんと、発達障害とも無関係ではないそうです(こちらは後半に話します)。

 

「原因は必ず鉄不足」というわけではありませんが、可能性の一つとして知っておくと、疑わしい症状が出た時に対処できますよね。

 

今回は、鉄がにどんな影響を与えているのか、また、不足することでどういう弊害が起きるのかをお話したいと思います。

 

 

 

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脳の仕組み

 

 

栄養についてお話する前に、まず簡単に「脳の仕組み」についてご説明します。

 

人間の脳は、膨大な数の神経細胞からできています。(数は人によって言う事がバラバラです)

 

「神経細胞」は、情報処理と情報伝達の機能がある特殊な細胞です。

 

「神経細胞」は、英語だと「ニューロン」と言います。図で書くと、こんな感じです。

 

 

ニューロン

 

 

 

核の周りにある放射線状に広がった突起が入力部分で、この突起を「樹状突起 じゅじょうとっき」と言います。

 

 

で、反対の長く伸びた軸の先端にある方が出力部分です。

 

この細胞がいくつも続いて、情報を伝達しています。

 

 

「隣の神経細胞」からの信号を、「入力」部分から受け取ります。そして、出力部分から「隣の神経細胞」に信号を送るようになっています。

 

 

情報の流れは、「樹状突起」→「軸索」→「軸索の末端」→「隣の神経細胞」という方向になります。

 

 

ニューロン

 

 

で、「神経細胞」と「神経細胞」の連結部分の構造を「シナプス」と言います。ちょと膨らんでいます。

 

 

シナプス

 

 

見てもらったらわかるように、「神経細胞」と「隣の神経細胞」の連結部分(シナプス)は、繋がっていません。わずかな隙間があります。

 

この隙間を「シナプス間隙(かんげき)」と言います。

 

 

隙間があって繋がっていないということは、電気信号が「樹状突起」→「軸索」→「軸索の末端」→と来ても、その隙間を飛び越えて、次の「神経細胞」に行くことができません。
では、どうやって電気信号を「隣の神経細胞」に伝えるのかと言うと、

 

「電気信号」を、「化学物質の信号」に変換して、「隣の神経細胞」に情報を伝達するのです。

 

 

シナプスの部分を拡大します。

 

 

シナプスと神経伝達物質

 

 

シナプスには神経伝達物質の貯蔵庫があります。その貯蔵庫を「シナプス小胞(しょうほう)」と言います。

 

その中には「神経伝達物質」という化学物質が蓄積されています。

 

 

電気信号が伝わってくると、「神経伝達物質」が「シナプス間隙」に分泌されます。

 

前の神経細胞から分泌された「神経伝達物質」が、隣の神経細胞の受容体に結合することによって、電気信号が生じて情報が伝達される仕組みになっています。

 

 

信号のバケツリレーみたいなもんです。

 

 

「神経細胞」と「神経細胞」が繋がっていなくても、「神経伝達物質」が分泌されるお陰で、脳内の情報がスムーズに伝えられるわけです。

 

 

もし「神経伝達物質」がなかったら、電気信号が「隣の神経細胞」に伝わらないので、非常に困ったことになります。

 

では「神経伝達物質」について、もう少し詳しく説明します。

 

 

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神経伝達物質とは

 

 

「神経細胞」と「神経細胞」が情報をやりとりする為に分泌される化学物質を、「神経伝達物質」と言います。

 

「神経伝達物質」の原料はタンパク質ですが、その合成にはビタミンミネラルが関わっています。これらが足りないと合成がストップしてしまいます。

 

 

「神経伝達物質」および「神経修飾物質」は、現在までに数十種類が発見されているそうですが、大きく分類すると、3つに分けられるそうです。

 

 

『wikipedia 神経伝達物質』より引用

 

神経伝達物質は大きく分類すると以下の3つになる。

 

1.  アミノ酸(グルタミン酸、γ-アミノ酪酸、アスパラギン酸、グリシンなど)
2. ペプチド類(バソプレシン、ソマトスタチン、ニューロテンシンなど)
3. モノアミン類(ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニン)とアセチルコリン

 

その他一酸化窒素、一酸化炭素などの気体分子も神経伝達物質様の作用を示す。

 

 

この中で、注目して欲しいのが「ノルアドレナリン」と、「セロトニン」です。働きは以下の通りです。

 

 

ノルアドレナリン

 

やる気、意欲を高める、記憶を高める、神経を緊張・興奮させる、ストレスに対する作用

 

 

セロトニン

 

精神の安定、生体リズム、睡眠、体温調節に関与する

 

 

 

 

「うつ病」の人は、これらの神経伝達物質が減少しているそうです。

 

 

 

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神経伝達物質と鬱病

 

 

「ノルアドレナリン」と「セロトニン」が不足すると、以下のようになります。

 

 

ノルアドレナリンが不足すると

 

「ノルアドレナリン」は、興奮物質です。なので不足すると、意欲の低下や、気分が落ち込んだりします。

 

ただし、「ノルアドレナリン」が多すぎると、イライラしたり、攻撃的になったりします。少なすぎてもダメですが、多すぎてもダメです。

 

 

セロトニンが不足すると

 

「セロトニン」は、精神の安定に関わる物質です。なので不足すると、気分が落ち込んだりします。また、「セロトニン」には「ノルアドレナリン」などの暴走を抑制する働きがありますので、不足すれば興奮物質を抑制出来なくなります。イライラしたり、落ち着きがなくなったりします。

 

 

 

 

先ほど、「神経伝達物質がないと情報がスムーズに伝わらない」というお話をしましたが、うつ病の人はこの状態ですので、意欲が低下します。

 

さらに、「セロトニン」が不足すると、別の問題もでてきます。

 

 

 

神経伝達物質と睡眠

 

 

「セロトニン」は、精神の安定や、興奮物質を抑えるだけでなく、睡眠にも関わってきます。

 

「セラトニン」は、睡眠を促すホルモンである「メラトニン」の材料だからです。

 

従って、「セロトニン」が減少すれば、当然「メラトニン」も減少します。「メラトニン」が不足すれば、睡眠の質が下がったり、眠れなくなったりと、睡眠障害が起きます。

 

 

 

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鉄と脳

 

 

楽しい気分になったり、やる気を起こしたり、適切に睡眠がとれたりするのは、「神経伝達物質」が分泌され、信号を送れるからです。スムーズに信号を送るには「神経伝達物質」が不可欠です。

 

ここが大事なところなのですが、この「神経伝達物質」が上手く造られるためにはが必要です。

 

 

なので、鉄不足になると「神経伝達物質」の不足を招きます。

 

 

こうなると、「神経細胞」から「神経細胞」への信号が上手く送れません。その結果、意欲や集中力の低下、イライラしやすい等の症状がでます。さらに、そのまま鉄不足を放置すると、うつ病に発展するケースもあるのです。

 

ちなみに、「産後のうつ」も鉄不足が原因です。妊娠出産には、子供に鉄をあげる為、貯蔵鉄(フェリチン)が50失われます。鉄が足りている人ならいいですが、元々少ない人が妊娠出産をすると、鉄が枯渇します。

 

そして、ほとんど多くの日本人女性は深刻な鉄不足です。

 

フェリチンと鉄不足について分かりやすく説明してみた

 

 

それだけではありません。「鉄不足」は子供の脳にも影響を与えます。

 

実は「発達障害」は、母親の「鉄不足」が関係しているそうなのです。

 

 

 

「発達障害」がどんなものか分からない方もいると思うので、次は、私の体験を話します。

 

 

 

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鉄不足と発達障害

 

 

私の祖母は発達障害の一つである「アスペルガー症候群」の疑いがあります。しかも、「アスペルガー症候群」だけじゃなく「ADHD(注意欠如、多動性障害)」の特徴まであります。

 

それを側で見てきて、「子供(胎児)の時の栄養状態が、その後の人生を左右する」と感じています。

 

コミュニケーションが上手くいかないので、普通であれば起きないようなトラブルが起きます。今は「アスペルガー症候群」と「ADHD」のせいでそうなる事が分かったのでマシですが、もし障害を知らなければ、ただの「我が侭」に見えます。

 

それまでは、母親と上手くいかず何度も嫁姑のケンカに巻き込まれました。そのやり取りを傍から見て「一見普通だけど、なんか普通じゃない」とは思っていたのですが、原因がわかりませんでした。

 

障害に私が気付いたのは5年前です。これが原因で「しなくてもいい喧嘩」が積み重なり、あと少しでどちらかが家を出るというところでした。

 

一応、「疑いがある」と書きましたが、私からみるとほぼ確定です。本人が認めようとしないし調べる気がないので、病院で正式に病名をもらったわけではありませんが、症状が「アスペルガー症候群」と「ADHD」、両方当てはまります。嫁姑戦争の原因は正にこれでした。

 

一番の問題は、コミュニケーションが上手くとれないことです。コミュニケーションが出来てない上で、その時々の問題が重なるので、小さい事でも話が複雑難解になります。

 

祖母は、会話の言葉通りにしか意味を受け止められないので、「説明しなくてもわかるでしょ」という一般の感覚が全く通用しません。

 

 

以前はそんな脳の障害が存在するなんて知りませんでしたから、家族も普通の人と同じように会話をしていました。「そんな事もわからないのか」と言う事もたびたびありました。

 

母親は、普通の人には通じる会話が祖母には通じない事に苛立つし、祖母は祖母で馬鹿にされたように受け止めるわけです。

 

そして、思いつきで行動し、家族全体に関わる大きい事でも、家族に相談しないで実行していたので、それによってもトラブルになりました。

 

正直言って、この障害を知るまでは「コミュニケーションが出来ないのは祖母の努力不足」だと思っていました。でも、脳の障害だから、本人の責任じゃないんですね。

 

最初は、障害だし原因もわからないから、誰にも責任はないと思っていました。

 

しかし最近、母親の栄養状態によって、生まれてくる子供の脳に影響がある事を知りました。

 

「アスペルガー症候群」はどうかわかりませんが、少なくとも「ADHD」は関係があるみたいです。

 

ということは、曾祖母の妊娠前、妊娠中の栄養状態が悪かったせいで、祖母が「ADSD」になったという可能性もあるわけです。

 

しかし、当時は食べる物も今の様に豊かではないですし、なにより、「栄養の知識」なんて当時の人にありません。「昔は添加物等はなかったから、健康的な食事をしていた」と想像しがちです。しかし、当時の日本人の寿命を見てもわかるように、実は昔の日本人は、タンパク質・脂質不足で、栄養状態が悪かったのです。それによる感染症も多かったのです。

 

 

健康には昔ながらの和食が良い?実は栄養状態が悪かった昭和の子供達

 

 

知識がなければ防ぐことも出来ませんし、食べ物が豊富でなければ食材の選択もできません。

 

そういう状況なので、昔の人が栄養不足になるのはしょうがないかなと思います。しかし現代の人は違います。情報も得られるし、食べ物だってある程度は選ぶ事ができます。

 

私は「耳障りの良い事」を言うのは好きではありませんので、本音を言わせていただくと、私は体が弱かったので様々な面において不便でしたが、脳に影響がないだけまだマシです。

 

私は子供の頃から祖母を見てきて思うのですが、「アスペルガー症候群」、「ADHD」の人は、普通の人と混じって生活すると苦労すると思います。無人島で生活すれば問題ないかもしれませんが、人と関わるとコミュニケーションの問題が必ずついて回ります。

 

今でも振り回されて疲れることもありますが、その度に自分がアスペルガー症候群じゃなくてよかったと思います。

 

私は祖母の症状を知っていますので、もしこれから先「アスペルガー症候群」の特徴がありそうな人から失礼な事を言われても、「この人に悪気はないな」とか思いますし、別に驚きません。しかし、この症状を知らない人は、間違いなく「常識がない」とか言って非難すると思います。

 

私は祖母が苦労している様子や、家族が揉める経験を何度もしているだけに、これから生まれてくる子供がこの障害にならないように、気をつけられる事は気をつけた方が良いと思っています。もし食べ物でこの障害が回避できるのなら安いものです。

 

でないと、生まれた子が苦労します。

 

祖母は、「いつも私が悪者になる」とか、「いつも自分が言い負かされてきた」と言っています。

 

本人の発言からも、「生きることに不自由を感じている」ということが感じ取れます。一番の問題は何故そうなるのか、本人には理解できていない事です。解決に向かって進まないから、何度も同じ事を繰り返すわけです。

 

本人は「アスペルガー症候群」、「ADHD」であるかどうか検査しようとも認めようともしませんが、どんなに真実から目を背けても、実際に起こる不自由さが消えることはありません。それが80年以上続くことを考えたら、キツいです。

 

私を可愛がってくれる祖母ですので、これから先、つまらない事で揉めないように、両親にもそのことを話したのですが、なかなか頭を切り替えてくれず困っています。

 

 

曖昧な言い方はするなとか、
一度にたくさんのことを言うなとか、

 

 

注意しても、普通の感覚で会話をするから、また噛み合わなくて揉める。

 

要するに、私が言っている事なんて信じていないわけです。祖母が病院で調べない事もあって、祖母が「アスペルガー症候群」と「ADHD」の特長がある事を認めない。本人も周囲も。だから気をつけない。

 

相変わらず、意思の疎通が出来ない、話しが噛み合わないコミュニケーションばかりするわけです。これが専門機関で調べてもらってきちんと診断されたら、気をつけるかもしれませんが。

 

パターンがわかったら行動が読めるので、トラブルを回避できるのですが、祖母も周囲の人もそれを認めないから、同じことを何度も何度も繰り返すわけです。

 

今みたいに、この障害が認知されて、周りに理解があり、本人も周りと上手くやれるようにお互いが調整すれば良いですが、それがないと厳しいでしょう。というかキツいです。間に立つ者は大変です。

 

よく「アスペルガー症候群の人は天才の人が多い」とか言いますが、あんな言葉は気休めです。例え天才でも周囲と揉めてばかりだとしんどいと思います。それに、周囲から求められるような「特別な才能」があれば、少々の落ち度はチャラにしてもらえるかもしれませんが、みんながみんなそこまでの天才じゃないと思います。

 

「昔の人は偉い」というのと変わらないです。

 

昔の人だって「偉い人」は偉いですが、「普通の人」は普通なのです。それと同じで「アスペルガー症候群」の人でも天才もいれば普通の人もいるのです。

 

 

母親の栄養状態で発達障害になるのだとしたら、誰が発達障害になっても不思議ではありません。自分がたまたまそうならなかっただけなので、人事とは思えません。

 

アスペルガー症候群同士だったら、おそらくお互いに腹芸は要求しないので、問題ないと思いますが、「アスペルガー症候群の人」と「普通の人」の組み合わせになると、色々とトラブルになります。普通の人は腹芸を要求してきますので。本人も苦労しますが、その周囲の人も苦労します。

 

 

一歩間違えたら家族が離れて暮らすということにもなりかねません。うちも本当にヤバかったですから。

 

 

人間にとって「脳の健康状態」は、極めて重要だと思います。

 

 

次は「鉄不足」が発達障害に繋がる理由についてお話します。

 

発達障害を遺伝として片づけない。母親の鉄不足が子供の脳に与える影響とはへ続く

 

 

鉄不足の女性が子供を生むと、子供の体にも問題が生じます。「不正咬合」、「鼻詰まり」等・・・一見、栄養とは無関係に思える疾患も、実は「鉄不足」が原因だったりします。

 

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「鉄不足」は、貧血でフラフラする・・・だけですみません。

 

 

 

実は、体にとって非常に深刻な問題です。

 

 

 

 

しかし、日本では「鉄不足」を軽くみている人が多いです。

 

 

 

通常の血液検査では、「ヘモグロビン」の値は測りますが、体内にどれくらい鉄が貯蔵されているかが分かる「フェリチン」の値は測りません。

 

 

 

 

生理がある女性は、毎月「鉄」を失うので、深刻な鉄不足になっている人が多いのですが、病院では、通常「ヘモグロビン」しか測らないので、「鉄不足」になっているかどうかが見逃されてしまいます。

 

 

 

 

 

本記事では、「鉄不足になる流れ」と、「鉄不足」かどうかを調べる「フェリチン」について話をします。

 

 

 

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体内の鉄の働き

 

 

 

体の中に入った鉄の働きは、大きく分けて3つです。

 

 

 

 

機能鉄

 

 

「機能鉄 きのうてつ」は、体の機能をサポートする鉄です。

 

ヘモグロビンの中や、筋肉にあるミオグロビンの中に存在します。

 

 

このうち、酸素を運ぶ役割のあるヘモグロビンが、生命維持に欠かせないので、優先的に鉄が回されます。

 

 

 

貯蔵鉄(血清鉄)

 

 

「貯蔵鉄 ちょぞうてつ(血清鉄)」は、鉄のストックです。

 

 

肝臓や脾臓、小腸粘膜、等に蓄えられています

 

 

これが「フェリチン」です。これが足りているかどうかで鉄不足かどうかを見分けます。

 

 

「血清鉄」は貯蔵鉄の一部と見なされます。

 

 

「血清鉄」がヘモグロビンの材料になります。

 

 

 

組織鉄

 

 

「組織鉄 そしきてつ」は、髪の毛、爪、皮膚等の組織に含まれています

 

 

 

 

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鉄が減っていく順番

 

 

鉄不足になる時は、いきなり貧血にはなりません。以下のような順番を辿ります。

 

 

 

 

①貯蔵鉄(フェリチン)が減る

 

 

②血清鉄が減る

 

 

③血清鉄がないので赤血球(ヘモグロビン)が造れない(貧血)

 

 

 

 

このように、一番最後に減る「ヘモグロビン」が造れなくなって始めて、世間一般でイメージされるような貧血の症状がでます。

 

 

 

しかし、この時は末期症状です。

 

 

 

こうなる前、フェリチンが減る段階で気付いて対処する必要があります。

 

 

 

では、何故フェリチンから減って、ヘモグロビンは最後なのか、その理由を説明します。

 

 

 

ヘモグロビンの鉄

 

 

体内の鉄は、働きによって振り分けて使われますが、体内の鉄の70%は血液の赤血球に含まれている「ヘモグロビン」が独占しています。

 

 

 

 

 

 

ヘモグロビンは、細胞に酸素を届ける働きがあります。

 

 

 

 

 

 

鉄が不足し始めた場合、いきなり「もう赤血球を造るのを止めた」とはなりません。

 

 

 

赤血球の「ヘモグロビン」の中に含まれている鉄に酸素がくっいて運ばれるので、無くなったら困ります。

 

 

 

 

 

 

体の細胞に酸素を送り届ける重要な役割があるからです。

 

 

 

酸素は生命維持の為に必要です。

 

 

 

従って、いつだって赤血球に含まれる「ヘモグロビン」が最優先です。

 

 

で、残りの鉄が「ヘモグロビン」以外のところに使われます。

 

 

 

そういうわけなので、鉄が足りない時は、貯金にあたる「貯蔵鉄」から減っていきます。

 

 

 

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鉄不足に気が付かない理由

 

 

鉄が減ってくると、赤血球の方に鉄が優先的に使われるので、その他のところは鉄不足で過ごすことになります。

 

 

 

鉄が不足した場合は、ストックである「貯蔵鉄(フェリチン)」から減っていきます。

 

 

 

それでも、赤血球に含まれる「ヘモグロビン」の鉄は足りているので、体全体の鉄不足には気が付きません。

 

 

 

これが「フェリチン」を測らない弊害です。

 

 

気が付かないから、そのまま鉄不足を放置します。

 

 

 

 

すると、「貯蔵鉄」の鉄も有限ですから、補充しなければ、やがて枯渇します。

 

 

 

女性は生理があるので、ここで手を打たないと、どんどん減っていきます。

 

 

 

最終的には赤血球が減るほどの「鉄不足」、つまり貧血へと発展します。

 

 

 

貧血でフラフラになる・・・というのは、厳密に言うと、酸素を運ぶ「ヘモグロビン」に回される鉄まで無くなって、体が酸欠の状態です。

 

 

 

それがどう悪いのか具体的に説明していきます。

 

 

 

 

 

貧血がヤバイ理由

 

 

 

「貧血」には、種類が色々あります。

 

 

 

  • 鉄欠乏性貧血

 

  • 失血性貧血

 

  • 続発性貧血

 

  • 再生不良性貧血

 

  • 溶血性貧血

 

  • ビタミンB12欠乏性貧血・葉酸欠乏性貧血(巨赤芽球性貧血)

 

 

 

本記事で扱っている貧血は、一番上に挙げた「鉄欠乏性貧血 てつけつぼうせい・ひんけつ」です。

 

 

 

貧血のほとんどは、この「鉄欠乏性貧血」です。

 

 

 

「鉄欠乏性貧血」は、血液の量が減少したのではありません。血液中の赤血球(酸素の運び屋ヘモグロビン)が不足することで、身体が酸欠になった状態のことを言います。

 

 

 

ちなみに、似たような症状に、脳貧血(起立性低血圧の一つ)というのがあります。

 

これは急に立ち上がる事によって、血圧が急に下がり、脳に運ばれるはずの血液が一時的に減少して、めまいや立ちくらみとなります。

 

 

この場合は、鉄が欠乏したわけではないので「鉄欠乏性貧血」ではありません。

 

 

 

「鉄欠乏性貧血」になると、細胞の酸欠ですので、フラフラしたり、頭がボーっとしたり、眠くなったりするわけです。

 

 

この時点では、もう最後の「鉄がなくて赤血球が造れない」という段階に来ているので、蓄えてあった「貯蔵鉄」はずっと前に枯渇したと思って下さい。

 

 

フラフラして気付くのは遅いのです。

 

 

ここで「フラフラするとか、頭がボーっとする程度なら大したことないじゃん」等と思ったらダメですよ。

 

 

例え赤血球が減ろうと、どんな事情があろうと、細胞に酸素は必要ですよね。

 

 

そうした時に、体はその足りない酸素をどうやって調達すると思いますか?

 

 

 

心臓を使うのです。

 

 

 

心臓がいつもより血液を送ることで酸素不足を補おうとします。つまり、負担をかけます。

 

 

酸欠が続くことで割を食うのは心臓です。

 

 

その結果、「動悸」「息切れ」等の症状が出ます。場合によっては心肥大につながります。

 

 

酸素を運んでくれる従業員の穴埋めをする為に、残りの従業員の過労で補うようなものです。

 

 

 

貧血がよくないということはお分かりいただけたと思うので、ここからは、「鉄不足」に気付く方法を紹介します。

 

 

 

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貧血を体の色でチェック

 

 

貧血になると、体の色で確認することも出来ます。

 

 

血液が赤いのは赤血球の中に含まれているヘモグロビンのヘムの色が赤いからです。

 

 

従って、「鉄が足りなくてヘモグロビンが造られない」ということは、赤が少なくなるという事です。

 

 

それによって、以下のような症状が表れます。

 

 

 

  • 目蓋の裏側の赤色が薄くなる

 

  • 爪が白っぽくなる

 

  • 顔色が悪くなる

 

 

 

↑このように、体から「健康的な赤さ」が見られなくなります。

 

 

 

 

貧血を体の状態でチェック

 

 

鉄は、細胞を造る為に必要な物質です。

 

 

 

従って、鉄不足では新しい細胞は造られません。

 

 

鉄が足りないと、肌、爪、髪の毛の質が劣化します。

 

 

 

 

  • 爪の場合だと、割れやすくなったり、表面がガタガタになったり、貧血が進むと、爪が反り返る「スプーン爪」という形になります。ちなみに、私はここまでではありませんが、割れやすいと、表面のガタガタは該当します。

 

 

 

 

  • 髪の場合だと、抜け毛が増えたりします。

 

 

 

 

  • 肌の場合だと、カサカサになったり、湿疹が出来やすくなったり、荒れます。

 

 

 

 

爪、肌、髪の劣化は気付きやすいといえます。

 

 

 

しかし、細胞の生まれ変わりが滞るということは、爪や肌や髪といった見える部分だけではなく、見えない部分にも同じことが起こるということです。

 

 

 

神経伝達物質である「セロトニン」や「ドーパミン」等が不足したり、免疫細胞の数が減ったりするわけです。

 

 

爪や肌や髪は例え質が落ちても、とりあえず普通に生きていけます。

 

 

 

しかし、神経伝達物質や免疫細胞等、生きていく上で必要な細胞の質が落ちるのは問題が大きいです。

 

 

 

ここまでは、見た目で「鉄不足」かどうかをチェックする方法を紹介しましたが、やはり「貯蔵鉄(フェリチン)」を測るのが確実です。

 

 

 

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フェリチンとは

 

 

「フェリチン」とは、鉄とくっついたタンパク質のことです。

 

 

 

先程も言いましたが、「鉄が不足しているかどうか」は、以下の2つの値によって知ることができます。

 

 

 

 

  • ヘモグロビンの値

 

 

 

  • フェリチン(貯蔵鉄)の値

 

 

 

前者は、一般的な血液検査で分かります。

 

 

しかし、「ヘモグロビン」の数値だけでは「貯蔵鉄(フェリチン)」がどれくらい残っているかはわからないので、それを知る為には、「フェリチン」を検査しないといけません。

 

 

ただし、通常の血液検査では測らないので、「フェリチンを測って下さい」とお願いする必要があります。

 

 

 

ここで、「ヘモグロビン値」と「フェリチン値」のそれぞれの違いを、お金に例えて説明します。

 

 

 

  • 「ヘモグロビン値」・・・お財布のチェック

 

  • 「フェリチン値」・・・貯金のチェック

 

 

 

 

収入が滞った時、貯金があれば、それを下ろして財布にお金を補充します。

 

 

手元の財布が空だと、日々の生活を送るのに困りますから、0円にはしません。

 

 

 

鉄の摂取が減った場合も同様です。

 

 

酸素の運搬が滞っては生きていくことができませんから、「貯蔵鉄」がある場合は、それを切り崩して「ヘモグロビン」に鉄をまわします。

 

 

 

この時、財布の中だけを見れば、お金が満ちているので、表面上は、まるでお金に困っていないように見えます。

 

 

つまり、財布を見ただけでは、その人が貯金を切り崩しているかどうかまでは分からないわけです。

 

 

 

「ヘモグロビン」だけをチェックするのも同じです。

 

 

鉄不足の初期は、貯蔵鉄で「ヘモグロビン」が作られているので、その間は「ヘモグロビン」には問題がありません。

 

 

この場合、表面上は鉄不足のように見えないわけです。

 

 

「ヘモグロビン」を見ただけでは、貯蔵鉄を切り崩しているかどうかまではわからないのです。

 

 

 

そこで、貯金がいくら残っているのかを調べる・・・に相当するのが「フェリチンの値」です。

 

 

 

言うまでもありませんが、貯金が底をつけば、財布の中も減って生活が回らなくなります。

 

 

 

それがフェリチンも枯渇し、ヘモグロビンの鉄も足りていない「貧血」です。

 

 

 

 

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日本人女性のフェリチン

 

 

 

日本人女性は鉄不足が多いです。その理由は以下です。

 

 

 

  • 生理で鉄を失う

 

  • 外国のように食品に鉄を入れていない

 

  • 鉄製の調理器具が少なくなった

 

  • 鉄の吸収に必要な肉などのタンパク質の摂取が少ない

 

 

 

欧米では小麦に「鉄」を、中国では醤油に「鉄」を入れる・・・といった対策が取られているそうですが、日本では、そのような対策は取られていません。

 

 

 

フェリチンは100以上が理想です。

 

 

しかし、日本人女性15~50歳の99%がフェリチン100以下だそうです。

 

 

 

ちなみに、生理がない男性、閉経後の女性には鉄不足はあまり見られないそうです。

 

 

男性のフェリチンの基準が知りたい方は以下の記事をご覧下さい。

 

 

男性のフェリチンの基準と、鉄不足の症状

 

 

 

貧血に至らなくても、鉄が欠乏すると様々な影響が出てきます。

 

 

 

 

  • 疲れやすい

 

 

 

  • 肌荒れ

 

 

 

  • 気分が落ち込む

 

 

 

・・・等といった「鉄不足の症状」が出ることがあります。

 

 

ですが、通常の検査では「フェリチン」が調べられないため、「鉄不足の症状」が出ているにも関わらず、原因がわからなくて困る人がいるのです。

 

 

 

そして、一番の問題は、妊娠する予定のある女性の鉄不足です。

 

 

 

女性は1回の妊娠・出産でフェリチン50を失います。そして、日本人女性15~50歳の女性の80%では、フェリチン30以下です。

 

 

 

足りませんね。

 

 

この状態で子供を生むとどうなるかを簡単に説明します。

 

 

まず、母親の「フェリチン」は子供に持っていかれますので枯渇します。

 

 

すると産後のうつの原因になります。

 

 

そして、鉄を十分に貰えなかった子供の成長にも影響します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かなり、重要なことなのですが、この事実はほとんど広がっていません。

 

 

 

フェリチンを溜めるのは時間がかかります。

 

 

 

なので、フェリチンが枯渇する前に気付いて鉄を補うようにするのがよいです。

 

 

 

「貯蔵鉄(フェリチン)」を増やすには、先にヘモグロビンと血清鉄が満ち足りて、最後に貯蔵鉄に鉄が溜まっていく・・・という逆の順番をたどることになります。

 

 

 

(追記)フェリチンを増やす方法

 

 

2017年の1月にフェリチンを測ったら49でした。

 

 

その後、鉄サプリを飲むようになって、2017年の9月にフェリチン199になりました。

 

 

 

その話が以下になります。

 

 

鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事

 

 

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「鉄」は必須ミネラルの中でも、特に重要な役割を果たしています。

 

 

鉄不足にならないように、積極的に摂りたいところですが、過剰摂取は危険なので、そのことについて触れておきます。

 

 

 

(追記)こちらの記事の内容は、以下の記事で訂正しています。合わせてお読み下さい。

 

鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事

 

 

 

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鉄は再利用される

 

 

 

鉄は、生命の維持に欠かせない栄養素です。

 

 

体内の鉄は大切なのでリサイクル機能があります。

 

 

赤血球は寿命を迎えると、脾臓で壊されます。

 

 

 

この時、他の成分は分解されて排出されますが、「ヘモグロビン」に含まれていた鉄のほとんどは再利用されるのです。

 

 

このように、鉄は生命の維持に欠かせないからこそ、体の外に逃がさないシステムになっています。

 

 

 

ただし、女性の場合は生理がありますから、毎月大量の鉄(血液)を失う事になります。

 

 

 

 

鉄を摂りすぎてしまったら

 

 

 

「鉄の働き」は、大きく分けて3つです。

 

 

 

  • 機能鉄 ・・・体の機能をサポート

 

  • 貯蔵鉄 ・・・鉄を保存して、無くなった時に使う

 

  • 組織鉄 ・・・爪や髪や皮膚等の組織に含まれている

 

 

 

 

他に「血清鉄」、「運搬鉄」というのもあります。詳しくは以下で説明しています。

 

鉄の働きについて分かりやすく説明してみた

 

 

 

この中でも重要なのが、生命の維持にかかわる機能鉄です。

 

 

 

機能鉄の一つである「ヘモグロビン」は、酸素を運搬しなければなりません。従って、鉄のほとんどは優先的に赤血球(の中のヘモグロビン)を造る為に使われます。

 

 

 

 

 

 

その残りが「貯蔵鉄」や「組織鉄」に回されます。

 

 

なので、鉄が不足した時には、それ以外の優先順位の低いところから減っていきます。順番は、以下のようになります。

 

 

 

 

 

①貯蔵鉄

 

 

②血清鉄

 

 

③材料である血清鉄がない為ヘモグロビンが造れない(貧血)

 

 

 

 

 

みての通り「貯蔵鉄 ちょぞうてつ」はストックですので、真っ先に減っていきます。

 

 

 

財布のお金がなくなった時に、銀行の貯金を切り崩して、手元の財布のお金は0にしないようにするのと似ていますね。

 

 

 

この「貯蔵鉄」は、肝臓、脾臓、筋肉等にあります。これらが正規の貯蔵場所です。

 

 

 

もし鉄を過剰に取ると、貯蔵するところが一杯になります。

 

 

 

すると、「本来貯蔵すべきでない箇所」にも鉄が貯蔵されます。

 

 

 

こうなると、「鉄を外に逃がさないシステム」は逆効果です。過剰分の鉄の排出が難しくなります。

 

 

では、鉄はどれくらい摂ったらヤバイのでしょうか。

 

 

 

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鉄の許容量と、それを越えた場合の症状

 

 

 

鉄の許容量が以下になります。

 

 

 

『wikipedia 鉄』より引用

 

 

鉄分の許容量

 

 

米国科学アカデミーが公表している DRI 指数によれば、ヒトが1日のうちに許容できる鉄分は、大人で45 mg、14歳以下の子供は40 mgまでである。

 

 

摂取量が体重1 kgあたり20 mgを超えると鉄中毒の症状を呈する。鉄の致死量は体重1 kgあたり60 mgである。

 

 

6歳以下の子供が鉄中毒で死亡する主な原因として、硫酸鉄を含んだ大人向けの錠剤を飲み過ぎるケースがあげられる。

 

 

なお、遺伝的な要因により、鉄の吸収ができない人々もいる。

 

 

第六染色体のHLA-H遺伝子に缺陥を持つ人は、過剰に鉄を摂取するとヘモクロマトーシスなどの鉄分過剰症になり、肝臓あるいは心臓に異変を来す事がある。

 

 

ヘモクロマトーシスを患う人は、白人では全体の0.3 - 0.8 %と推定されているが、多くの人は自分が鉄過剰症であることに気づいていないため、一般に鉄分補給のための錠剤を摂取する場合は、特に鉄欠乏症でない限り、医師に相談することが望ましい。

 

 

 

大人で45 mg、14歳以下の子供は40 mgまでである・・・とあります。

 

 

 

この記事の下の「レバー100gに含まれているビタミン・ミネラルの表」によると、レバー100gあたりに、鉄は9mg含まれています。

 

 

 

ということは、45gの鉄をレバーから摂ろうとしたら、レバー500gを食べる必要があるということです。

 

 

 

普通はレバーを500gも食べません。

 

 

 

従って、普通に食事から鉄を摂る場合、過剰摂取の心配はないでしょう。特殊な病気の人を除いては...。

 

 

 

過剰摂取でなる病気

 

 

 

先程説明したように、鉄の過剰摂取で余分な鉄が蓄積していくと、以下のような病気に発展します。

 

 

 

 

  • 心筋症

 

 

  • 心不全

 

 

  • 肝硬変

 

 

  • 糖尿病

 

 

 

 

これらの病気になるまで、これといった症状がないのだそうです。

 

 

しかし、一度にたくさん摂りすぎた場合は、下痢・便秘・吐き気・嘔吐等の胃腸症状が急性の症状として出るそうです。

 

 

 

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鉄が余る

 

 

 

体の中の鉄は、以下に含まれています。

 

 

 

  • ヘモグロビン

 

 

  • ミオグロビン

 

 

  • トランスフェリン

 

 

  • フェリチン

 

 

  • ヘモシデリン

 

 

 

 

これらはすべて「たんぱく質」と「鉄」がくっついた形になっています。

 

 

 

タンパク質 + 鉄

 

 

 

例えば「ヘモグロビン」なら、「グロビンというタンパク質」と「ヘムという鉄を含む赤い色素」がくっついた形になっています。

 

 

 

グロビン(たんぱく質) + ヘム(鉄) = ヘモグロビン

 

 

 

で、それぞれ、どこに存在しているのかというと、

 

 

 

 

  • ヘモグロビン → 赤血球の中にある

 

  • ミオグロビン → 筋肉組織の中にある

 

  • トランスフェリン → 血液(血しょう)の中にある

 

  • フェリチン・へモジデリン → (肝細胞内や肝・脾の網内系細胞内)に貯蔵

 

 

 

しかし、「鉄を貯め込むことができるたんぱく質」には限りがあります。

 

 

従って、鉄の供給が多すぎた場合、鉄が余ってしまします。

 

 

この「タンパク質」のパートナーがいない鉄・・・

 

 

これがよろしくないわけです。

 

 

 

タンパク質と結合していない鉄は危険

 

 

「タンパク質というパートナーがいない鉄」は、身体の中で「過酸化水素」と化学反応を起こします。

 

 

この化学反応が問題で、ヒドロキシラジカルに変化します。

 

 

 

独身の鉄と過酸化水素で誕生した「ヒドロキシラジカル」とは、

 

 

 

『wikipedia ヒドロキシルラジカル』より引用

 

 

ヒドロキシルラジカル (hydroxyl radical) はヒドロキシ基(水酸基)に対応するラジカルである。

 

 

•OH と表される。いわゆる活性酸素と呼ばれる分子種のなかでは最も反応性が高く、最も酸化力が強い。

 

 

糖質やタンパク質や脂質などあらゆる物質と反応する。

 

 

しかし、その反応性の高さゆえ通常の環境下では長時間存在することはできず、生成後速やかに消滅する。

 

 

過酸化水素への紫外線の照射や、酸性条件で過酸化水素と二価の鉄化合物を触媒的に反応させる方法(フェントン反応)によって生成される。

 

 

酸化力が強力で、寿命は短くて、さらに体内の脂質を酸化させてしまう厄介な活性酸素です。

 

こういった性質をもつわけですから、発生すれば、当然細胞を傷つけます。

 

 

しかも、余った鉄は、

 

 

肝臓、心臓、膵臓、胃、脳等に蓄積しやすいそうなので、活性酸素の影響を受けやすいと言えます。

 

 

鉄は、不足もヤバイですが、たくさん摂りすぎて体内で余ると良くないのです。

 

 

 

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過剰症の原因

 

 

 

鉄過剰の原因は様々です。「病院で処方される鉄剤」や「注射」や「輸血」、そして「鉄を吸収できない人」といったケースです。

 

 

ですが、食事で量をオーバーすることは考えられません。

 

 

先程紹介した、「レバー100gに含まれる鉄の量」から考えても、常識的な量の食事をしていれば、鉄を摂りすぎることはないと思います。

 

 

 

なので、鉄が過剰になる原因は、サプリメントでしょう。

 

 

 

 

というわけなので、過剰摂取には注意して下さい。

 

 

 

健康体の人であればサプリメントに頼らなくても食事で十分ではないかと思っています。(※病的な欠乏をしていたら対処は変わってくると思いますが。)

 

 

それに食品の方が、鉄以外の栄養素も摂れるのでお得です。

 

 

例えばレバーですと、

 

 

『カロリーSlism 鶏レバー 』より引用

 

 

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このように、レバー(食品)からだと、ビタミンやミネラルが色々摂れてしまうわけです。

 

 

ちなみに、私は現在、4日連続でレバーを食べています(一日100gくらい)が、少々体が暖かくなったと感じています。最近気温が低いのですが、寒くても、体が暖かいです。

 

 

寒さ対策は、「毛細血管を破壊する糖質」を制限し、「脂質」、「タンパク質」を摂り、さらに「鉄」を加えると効果が高くなるのではないかと思います。

 

 

 

一応、これからも観察してみたいと思います。

 

 

(追記)この記事を訂正します

 

 

この記事は、定説に基づいて、2016年の11月に書いたものです。

 

 

この時は、鉄過剰の心配をしていて「サプリは飲まない方が良い」と判断しました。

 

 

 

しかし、その後調べると、口から摂取した鉄は吸収されない仕組みになっていることが分かりました。

 

 

そして、鉄のサプリを飲み始めて、食事から鉄を摂る場合と比較したところ、サプリメントの効果が圧倒的でした。

 

 

 

試した結果の話が以下になります。

 

 

鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事へ続く

 

 

 

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「必須ミネラル」は、全部で16種類あります。今回はこの中のについてお話したいと思います。

 

 

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ミネラルの種類は、約100種類です。

 

 

その中の「生きていく上で欠かせないミネラル」のことを必須ミネラルと呼びます。

 

 

ミネラルがないと生きていくことはできませんし、ミネラルは体の中で造り出すことが出来ないので、食事から摂る必要があります。

 

 

「ミネラルの役割」を簡単に説明すると、体の調整役です。

 

車で例えるとエンジンオイルのようなものです。

 

 

 

そのミネラルの中でも、「鉄」はかなり重要な役割を果たしています。

 

 

 

ただし、「この中で鉄が一番大事」という意味ではありません。

 

 

ミネラルは、お互い協力し合って働くので、「どれか一つだけ摂れば良い」というわけではないのです。

 

 

鉄が機能する為には他のミネラルの力も必要です。

 

 

従って、ミネラルはバランスよく摂る必要があります。

 

 

 

ここで、「バランス」という表現について誤解のないように言っておきます。

 

 

私は常に「バランスの良い食事」を否定しています。「人間は動物食性だから、偏った食事でも動物性食品が人間には合っている」と言っています。

 

 

では、何故私が「ミネラルのバランス」は重要視するのに、「食事の栄養のバランス」はないがしろにするのかと言うと、

 

 

食事(タンパク質15~18%・脂質20~25%・炭水化物50~60%)のバランスは、人間の体の設計図を無視したバランスだから否定しているのです。理に適っていないからです。

 

 

それに対し「ミネラルがチームワークで働いている」のは事実なので、このバランスは理に適ったものであり、無視するべきではないと考えます。

 

 

「バランス」という言い方よりも、「必要なものを必要なだけ摂り、不要なものは摂らない」という言い方が適しているかもしれません。

 

 

 

というわけで、本題であるの話をします。

 

 

 

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鉄の使い道

 

 

人間の体内にある鉄の量は、約3g~5gほどだそうです。

 

 

鉄は、体の中で色々な事に利用されます。

 

その働きを表す言葉は、調べるとこれだけ見つかります。

 

 

 

  • 機能鉄

 

 

  • 貯蔵鉄

 

 

  • 組織鉄

 

 

  • 運搬鉄(運送鉄)

 

 

  • 血清鉄

 

 

 

5つか...と思ったのですが、実は人によって分類がバラバラです。

 

 

「鉄は、「機能鉄」と「貯蔵鉄」の2つに分けられる」と書いてあったり、

 

 

「鉄は、「機能鉄」と「貯蔵鉄」と「組織鉄」の3つに分けられる」と書いてあったり、

 

 

「運搬鉄」とか「血清鉄」という言葉もでてくる。

 

 

 

・・・これでは混乱します。

 

 

なので、誰のどんな説を読んでも対応できるように、それぞれの「言葉の概念」を整理してみました。

 

 

 

機能鉄について

 

「機能鉄 きのうてつ」とは、酸素を運ぶ、酸素を貯蔵する・・・等、機能的な使われ方をする鉄です。

 

 

体内の鉄の約70%が機能鉄になります。

 

 

そして機能鉄は、ほとんどが赤血球のヘモグロビンに含まれています。

 

 

 

 

 

 

そして、筋肉の中にある、ミオグロビンという色素タンパク質も鉄を含んでいるのですが、これも機能鉄に該当します。

 

 

赤血球の「ヘモグロビン」が酸素を運搬する係なら、筋肉の中にある「ミオグロビン」は、「ヘモグロビン」から酸素を受け取って、筋肉の中で酸素を貯蔵する係です。

 

 

 

 

  • ヘモグロビン・・・酸素を運搬する

 

  • ミオグロビン・・・酸素を貯蔵する

 

 

 

 

 

貯蔵鉄について

 

 

万が一機能鉄が不足した時に、補う役割があるのが「貯蔵鉄 ちょぞうてつ」です。

 

その名の通り、鉄のストックです。

 

 

貯蔵鉄には、フェリチンと、へモジデリンの2つのタイプがあります。

 

 

  • フェリチン

 

  • へモジデリン

 

 

そして、「鉄不足」かどうかの判断は、通常の血液検査で測る「赤血球」や「ヘモグロビン」の数値ではなく、「フェリチン」が足りているかどうかで判断します。

 

 

通常の血液検査では赤血球、「ヘモグロビン」は測っても、「フェリチン」は測りません。

 

 

その理由を説明します。

 

 

赤血球に含まれている「ヘモグロビン」の鉄は、「体に酸素を運ぶ」という重要な任務があるので、鉄が不足した時も、優先的に鉄が回されるようになっています。

 

 

そういうシステムなので、例え、体全体で鉄が不足していても、ヘモグロビンの数値が足りていれば、一見、鉄があるように見えてしまいます。

 

 

いつでもお金が入っている財布(ヘモグロビン)をみても、その背景にある資産(貯蔵鉄)がどれだけあるかわからないのと一緒です。

 

 

財布にお金が入っていても、貯金がないなら「貧乏」ですね。

 

 

それと同じように、赤血球、ヘモグロビンは問題なくても、フェリチンが低いなら、立派な「鉄不足」です。

 

 

フェリチンは最低50なければ「鉄不足」、理想は100です。

 

 

フェリチンと鉄不足について分かりやすく説明してみた

 

 

そして、この後紹介する「血清鉄」も「貯蔵鉄」と見なされているそうです。

 

 

 

組織鉄について

 

 

「組織鉄 そしきてつ」とは、髪の毛、爪、皮膚などの組織に含まれている鉄です。

 

割合は少なく、5~10%ほどだそうです。

 

 

「貯蔵鉄」が底をついたら、次はこの「組織鉄」が減ることになります。

 

 

 

 

運搬鉄(運送鉄)と、血清鉄について

 

最後に「運搬鉄 うんぱんてつ(運送鉄 うんそうてつ)」と、「血清鉄 けっせいてつ」について分かる範囲でお話します。

 

 

整理していて一番微妙だったのが、この「運搬鉄(運送鉄)」です。検索してもほとんどヒットしなかったので、もしかしたら、この表現は一般的じゃないのかもしれません。

 

 

というわけなので、間違っていたと分かった時点で書き直します。

 

 

 

「トランスフェリン」と言う鉄を運搬するタンパク質があります。

 

 

このトランスフェリン(タンパク質)は、血しょうの中に含まれています。

 

 

「血しょう」とは、血液の液体部分です。

 

 

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この液体の中には、「わずかな量のタンパク質」が色々と含まれています。

 

 

その中の一つが「トランスフェリン」です。

 

 

 

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「トランスフェリン」の仕事は、鉄とくっついて、体内の各細胞に鉄を運搬することです。だから、これが「運搬鉄」のことかもしれません。

 

 

しかし、この「トランスフェリン」というタンパク質と、鉄がくっついたものを血清鉄と言います。

 

 

トランスフェリン + 鉄 =血清鉄

 

 

 

血清鉄は、「血清という液体に含まれている鉄」の事です。

 

 

「血清鉄」の方は、「貯蔵鉄」と見なされる・・・という説もあります。

 

 

で、この血清鉄が、赤血球に含まれている「ヘモグロビン」の原料になります(ヘモグロビンは機能鉄なので、ややこしいです)。

 

 

血清とは、血液を放置した時に上澄みとして残る黄色の液体の事です。「血清」と「血しょう」はそんなに違いません。

 

 

フィブリノゲン(凝固因子)が含まれているか、いないかの違いです。

 

 

「血しょう」からフィブリノゲンなどの凝固因子が除かれたものが「血清(凝固因子が入っていない清い血)」です。詳しくは以下をご覧下さい。

 

 

『健康になれる本 「血清」と「血漿」の違いは?』

 

 

  • 「血しょう」・・・凝固因子あり

 

 

  • 「血清」・・・凝固因子なし

 

 

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「トランスフェリン」と「ヘモグロビン」の違い

 

 

鉄は、単体だと人体に有害です。

 

 

なので、常に「なんらかの鉄結合タンパク質」とセットになって存在しています。セットだと安全なのです。

 

 

で、「鉄を運搬するトランスフェリン」も「酸素を運搬するヘモグロビン」も、中にを含んでいます

 

 

そして、「トランスフェリン」と「ヘモグロビン」は、「血液の中に存在して、何かを運搬する」という点で似ています。

 

 

 

  • トランスフェリンは、液体である「血しょう」の中に存在していて、を運びます。

 

  • ヘモグロビンは、血球である「赤血球」の中に存在していて、酸素二酸化炭素を運びます。

 

 

 

 

 

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各細胞に鉄を渡すのが仕事の「トランスフェリン」と違って、

 

「ヘモグロビン」は、「ヘモグロビンを包んでいる赤血球」が壊れるまで鉄を持ったままです。

 

 

 

 

鉄の役割・まとめ

 

 

以下の2つは、

 

 

  • 運搬鉄 → 血清鉄のことかもしれない

 

 

 

  • 血清鉄 → 血清鉄は貯蔵鉄の一つと見なされる

 

 

ということなので、曖昧です。

 

 

情報が確実な以下の3つを覚えておけば十分でしょう。

 

 

 

  • 機能鉄

 

  • 貯蔵鉄

 

  • 組織鉄

 

 

 

体内の鉄で重要なのは、機能鉄です(その中の「ヘモグロビン」)。

 

 

何故なら、「ヘモグロビン」には、体の細胞に酸素を届けるという重要な任務があるからです。従って、体の中の鉄は、「機能鉄」の大半を占める「ヘモグロビン」に最優先で回されます。

 

 

そういう事情があるので、例え鉄が不足しても、とりあえず「ヘモグロビン」の鉄は確保しないといけません。

 

 

従って、優先順位の低いその他のところの鉄から枯渇していきます。

 

 

鉄が不足していく過程は以下です。

 

 

 

①貯蔵鉄が減る

 

 

②血清鉄が減る

 

 

③ヘモグロビンの原料の血清鉄がないのでヘモグロビンが造れない

 

 

 

 

③でフラフラになった頃には、体内の鉄はほとんどないという事です。

 

 

鉄の過剰摂取について分かりやすく説明してみたへ続く

 

 

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血液の成分を大雑把に分けると、液体である「血しょう」と、

 

球体である「赤血球 せっけっきゅう」、「白血球 はっけっきゅう」、「血小板 けっしょうばん」の4つに分けられます。

 

 

 

前回は、血液の中の赤血球と、その「赤血球」の大部分を占めているヘモグロビンについてお話をしました。その続きになります。

 

 

血液と赤血球とヘモグロビンについて分かりやすく説明してみた①

 

 

 

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(「赤血球」という柔らかい袋の中に「ヘモグロビン」が入っています。)

 

 

 

この「赤血球」は、酸素を体の隅々まで配達してくれる細胞です。

 

 

とても柔らかくできており、赤血球よりも細い毛細血管の中を通過することができます

 

 

 

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酸素が運ばれる流れ

 

 

酸素が各細胞へ届けられる流れは、以下の通りです。

 

 

 

①空気を吸って肺に酸素が入る

 

 

②肺に入った酸素は、血管の中を流れる赤血球にくっつく

 

 

③酸素は赤血球に乗って、全身の細胞へ届けられる

 

 

 

 

ふざけた言い方をすれば、

 

 

「赤血球という車」の中に収納されている「ヘモグロビンに含まれる鉄」に、「肺から取り込んだ酸素」を乗せて、体の組織に酸素を配達しているわけです。

 

 

酸素を運べるのは、「ヘモグロビン」に含まれるのお陰なのです。

 

 

もし鉄がなかったら、酸素を体の組織に運べないので、体が酸欠になります。

 

 

は大事です。

 

 

 

この「ヘモグロビン」は、酸素の多い所では積極的に酸素と結びつきますが、酸素の少ない所では、持っていた酸素を離す性質を持っています。

 

 

 

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ヘモグロビンの構造

 

 

血液 赤血球 → ヘモグロビン

 

 

と、話を展開してきたわけですが、赤血球にある「ヘモグロビン」の構造は以下のようになっています。

 

 

ヘム + グロビン = ヘモグロビン

 

 

「ヘム」は鉄を含んだ色素、「グロビン」はタンパク質です。

 

 

ちなみに、「ヘム」はこんな構造です。

 

 

鉄 + ポルフィリン = ヘム

 

 

 

このヘムが赤いので、「ヘモグロビン」が赤いのです。

 

 

そしてこれが「赤血球」の赤、「血液」の赤です。

 

 

 

 

変化する血液の色

 

 

実は、血液の色は変化します。

 

指先を切った時は、鮮やかな赤色です。それに対し、検査などで採血をした時、その色は深い赤だと思いませんか。

 

 

実は、この色の違いは、血液に含まれる酸素の量で変わってきます。

 

 

酸素が多いと、色は鮮やかに、

 

酸素が少ないと、色は暗く重たくなります。

 

 

 

心臓から出発した血液を脈血と言います。行きの血液は、ヘモグロビンに酸素がくっついています。従って、鮮やかな赤色に見えます。

 

 

反対に、心臓に帰ってくる血液を脈血と言います。帰りの血液は、酸素を供給し終え、なおかつ二酸化炭素を多く含んでいるので、暗く沈んだ赤色に見えます。

 

 

 

ちなみに、検査などで採血する時は、後者の静脈血を取ります。だから採血の時はドス黒い血なのです。

 

 

 

どうして静脈血をとるかというと、静脈は帰りの便なので、血の勢いも弱く、血管も皮膚のすぐ下にあるので刺しやすいからだそうです。

 

動脈は体の深いところにあり、勢いもあるので止血が大変なんだそうです。(※でも動脈注射もあるみたいです。)

 

 

 

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生き物の血は赤だけではない

 

 

酸素によって色の濃さが変わるとはいえ、人間の血液は赤です。

 

 

でも、「全ての生き物の血」が赤いわけではありません。

 

 

人間の血液が赤いのは、「ヘム」という色素をもつ「ヘモグロビン」のお陰でした。この「ヘモグロビン」は、主に背骨のある動物(脊椎動物)の血液に含まれている成分です。

 

なので、それ以外の生き物の中には、「ヘモグロビン」ではない成分をもっていたりします。

 

 

 

イカやタコ等、「ヘモグロビン」の代わりにヘモシアニンという成分をもっている生き物がいます。

 

ヘモシアニンも「ヘモグロビン」同様に、酸素を運搬できます(十分の一のパワーだそうですが)。

 

 

「ヘモグロビン」にはが含まれていますが、「ヘモシアニン」にはが含まれています。

 

 

 

  • ヘモグロビン・・・鉄

 

  • ヘモシアニン・・・胴

 

 

 

この胴を含むタンパク質は、酸素と結合した時に青色に見えるそうです。

 

これについては、以下に詳しく解説してありました。

 

 

『富戸の波 第355回  血と骨 - 14 銅のまやかし』より引用

 

ヘモシアニンの名もフレデリックが名付けたもので、ギリシャ語の

 

Hemo = 血

 

Cyan = 青色

 

 

を組み合わせた語で、文字通り「青い血」を表しているのです。

 

 

ヘモシアニンの「ヘモ」はヘモグロビンと同じ「ヘモ」、「シアニン」は青酸カリのシアン化カリウムと同じ「シアン」です。

 

 

このヘモシアニンは酸素との強い親和性が発見時から知られており、脊椎動物のヘモグロビンと同じ働きをするものであると考えられていました。

 

 

ヘモシアニンによって酸素を運搬するのはイカ・タコ・貝類の軟体動物や、エビ・カニの節足動物などが知られています。

 

 

但し、同じ節足動物でも昆虫はヘモシアニンを持っていません。

 

 

興味のある方は、引用元をご覧下さい。上の続きのページが以下になります。

 

『富戸の波 第356回  血と骨 - 15 ヘモシアニンの円柱』

 

 

 

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赤血球はどこで造られるのか

 

 

赤血球の寿命は約120日と言われています。

 

 

そして、古くなった赤血球は、肝臓秘蔵で壊されます。

 

 

 

一方、造られる場所ですが、一般的に赤血球は、骨髄で造られている・・・と言われています。

 

 

ですが、この意見に真っ向から対立する説があります。

 

 

私はこれまで、医療や栄養の一般論はいい加減だと書いてきましたが、この「赤血球」に関しても、同じように感じていました。その事をすっかり忘れていたのですが、この記事を書いていて思い出しました。

 

 

 

それが「腸造血説 ちょうぞうけつせつ」です。

 

 

『嘘八百のこの世界 「血は骨でなく腸で造られる?白血病は癌ではない?」』より引用

 

もっとも原始的な原生動物のアメーバやゾウリムシなどを除いて、すべての動物たちは血液の構成要素である血球を持っています。

 

 

骨がないイカやタコにも血球は存在しますし、イソギンチャクやヒドラなどの腔腸動物、ミミズやゴカイなどの環形動物でさえ、血球(または血球様遊走細胞)を持っています。

 

 

血液(血球)が骨髄で造られるとするならば、これら骨のない動物の血液はいったいどこで造られているのでしょうか?

 

 

こんなことを考えていた私は、ある日、新宿御苑の池で食用ガエルの大きなオタマジャクシを見つけ、研究室に持ち帰り、早速、その血液を調べてみました。後日、カエルについても同様のことを行いました。

 

 

すると、驚いたことに、オタマジャクシもカエルも、ほとんど違いは見られなかったのです。

 

 

ご存知のように、オタマジャクシには手足がなく、造血を行うはずの骨髄といえるものは、体全体でもごくわずかです。にもかかわらず、手足がしっかり形成されているカエルとほとんど血液の状態は変わりません。唯一、オタマジャクシの血液には、卵生時代の名残りである卵黄球という物質が見られるだけでした。

 

 

オタマジャクシとカエルの血液が同じなら、同じ組織で、同じシステムによって血液が生み出されているはずです。

 

 

オタマジャクシのときは別のところで造血され、カエルになったら骨髄で・・・というのは、生命において最も大切な「造血」という作業が、その動物の個体において、ある時期からまったく別の場所(臓器組織)に引っ越すという考え方で、どう考えても不自然ではありませんか。

 

 

こうした実験結果によって、ますます「骨髄造血説」に疑いをもった私は、今度は人間の血液を調べ始めました。

 

 

当時、私がインターンとして住み込み勤務していた病院は、旧陸軍の病院で、第二次世界大戦で負傷され、帰還された傷痍軍人の方々が多くいらっしゃいました。その中には、不幸にして、両手両足を切断された方もおられました。

 

 

両手両足がないということは、人体の全骨髄組織の90%以上を失っているということです。だとすれば、この方たちは造血が難しく、極度の貧血状態にあるはずです。

 

 

そこで私は、両手両足を失われた何人かの方にお願いしてご本人の許可をいただき、血液を調べさせていただきました。

 

 

その結果は、貧血どころかまったくの正常値の範囲であり、赤血球にいたっては、一般の方たちよりも10%も多かったのです。

 

 

私はこうした事実を確認できたことで、いよいよ「骨髄造血説」は間違いであるという確信を抱くに至ったのです。

 

 

現代医学の「赤血球は骨髄で造られる」という説では、以下の点が説明できないのです。

 

 

  • 骨が無い生き物 → 血液はどうやって造られるのか

 

  • 骨を失った人 → 血液が造られにくくなるはずだが、貧血ではない

 

 

 

そして、赤血球は骨髄ではなくで造られているという「腸造血説」は以下のようなものです。

 

 

『腸造血説とは』より引用

 

現代医学は、血液は骨髄で作られるという「骨髄造血説」が基盤となっており、 再生不良性貧血や白血病等、血液のガンと言われる病気に対しては、骨髄移植が唯一の手段と言われています。 でも、はたしてそうなのでしょうか?

 

 

昔、千島博士と森下博士と言われる方が、40年近い歳月を費やした調査・研究の成果として、「腸造血説」を学会に発表されました。

 

 

「腸造血説」とは、食べた食物は胃腸で消化され、最終的に小腸から吸収されますが、 吸収された栄養分はお臍付近のリンパ節の密集した「丹田」と言われる個所で赤血球に変換され、一部が白血球になり、 さらにその一部が細胞に変わる、という説で、細胞は細胞分裂でしか作られないとする骨髄造血説を否定しています。

 

 

「丹」とは赤(血液を指す)で「丹田」とは血液が作られる田んぼのこと。 昔の人はうまいことを言ったものです。

 

 

学会では、現代医学の基盤である「骨髄造血説」を否定するものであるため、直ちに抹殺されてしまったようですが、 いずれの学説でも、未だに血液の発生するメカニズムの確固たる証明は出来ていないと聞いています。

 

 

骨髄造血説は、「10日前後食物を与えなかった動物の骨髄を開くと血が存在する」という実験結果が根拠になっているそうですが、 「健康な動物の骨髄には脂肪細胞しか見つからない」、また、なぜ長期間食物を与えなかったのか、など私も信憑性が疑わしいと思っています。 (腸造血説では、骨髄で見つかる血液について、断食等で体内に血液が不足した場合、 蓄えられた脂肪等が再度血液に変換されたものと見ている。)

 

私たちも以下の理由により「腸造血説」を支持しています。

 

 

人間の祖先である鳥は、肛門付近のファブリキウス嚢というリンパの集中している場所で血液が作られているのが証明されていること。

 

 

骨のない動物や、まだ骨のできてない卵の中にも血液が存在すること。

 

 

再生不良性貧血や白血病と言われた人が、基本臓器を中心とした手当てと血液の元となる「胚芽」や「葉緑素」の摂取で、 快復した多くの事例があること。

 

 

骨髄造血説の根拠が生体から切り取った細胞を試験管等で調べた結果に基づくものであるのに対し、 腸造血説は生きたままの状態で長期間観察した結果に基づくものであること。

 

 

 

片方が「骨髄だ」と言い、片方が「腸だ」と言う。

 

 

またか・・・。

 

 

これほど医学が発達しているのだから、簡単に調べられそうなのに意見が割れています。

 

 

で、私がどちらを信じているかというと、現段階では、どちらも信じていません。

 

 

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骨髄造血説も腸造血説もどちらも信じられない理由

 

 

一見、現代医療を批判し、真実を突き止めているかのように見える「腸造血説」ですが、この説を支持している人たちの主張を見てみると、私が調べた限り、植物性の食品を良しとし、動物性の食品を悪者にしている傾向があります。また断食なども良しとしています。

 

 

この点がひっかかるのです。

 

 

「肉を食べるのは相応しくない」と考えるのは、動物食性動物である人間の食性に反しています。肉を食べないようにすると、タンパク質不足になります。

 

 

「人間が肉食か草食かは、歯を見れば分かる」という説は正しいのか

 

 

そして、人間は植物性の食品を食べると、食性に反するため、不具合が起きます。糖質の害がいい例です。

 

 

また、ガン細胞はブドウ糖を餌としているので、肉をさけて植物性の食品ばかり食べると、そこから摂取したブドウ糖により癌が増殖します。

 

 

余命わずかの末期癌患者が退院できたのは病院での栄養療法のおかげだった!

 

 

癌になるような現代医療を否定しながらも、癌を増やすような食事を推奨しているのです。

 

 

「腸造血説」の創始者が活躍した時代ならともかく、現代は、糖質制限の理論が普及し、糖質の害の情報が広まってきました。

 

 

普通の人ならともかく、健康に携る人がこの事実を知らないはずがありません。それにも関わらず。「糖化」を無視し、植物性の食品で健康になると言い張る時点で胡散臭く感じます。

 

 

私も、糖質制限をする前は、腸造血説や、それに関する食の話を読んで納得していました。いわゆる、肉が良くなくて、植物性の食品が良いとか、断食が良いとか、ですね。

 

 

しかし、糖質制限を始めて、動物性食品の重要性や、糖質の害について分かった今では、そのように思いません。

 

 

動物性の食品が悪くて、植物性の食品が良いというのは真っ赤な嘘です。

 

 

その証拠が消化具合です。

 

 

一般的には、人間にとって消化が良いのは植物性食品で、動物性食品は体に悪い となっていますが、実際は逆です。

 

 

以下の記事にも書きましたが、消化に良いのは植物性の食品ではなく、30分で消え動物性の食品でした。

 

 

消化に良い食品の嘘。慢性的に胃がもたれる人は糖質の過食を疑え!

 

 

 

そして、夏井睦氏の記事より、寿司(魚+ご飯)を食べた男性の胃の中の写真を紹介します。

 

『新しい創傷治療 消毒とガーゼの撲滅を目指して 2014/08/06』より引用

 

 

40代男性、昼に寿司を食べた後4時間後に急に立てなくなるほどの腹痛が出現し救急車にて搬送された患者さんです。当院外来医が胃アニサキス症を疑い、私が緊急内視鏡検査をしました。

 

 

食べてから5時間後の内視鏡画像ですが、寿司ネタは見事に消化され、魚の面影はまるでありませんが、シャリだけは見事に残っています。これを見てもご飯が如何に消化が悪いかが分かります

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ご飯(植物性)→ 消化に悪い

 

魚(動物性) → 消化に良い

 

 

 

こんな事は、すぐに調べられることですが、それでも、まだ、逆の事が信じられています。

 

 

何故、動物性の食品の消化は早いのか・・・その答えは、それが人間の体に合っているからでしょう。得意なものは早く、苦手なものは遅いのです。体に合っているものが悪いものだとは思えません。

 

 

 

にも関わらず、いまだに「肉は消化に悪い」とか、「癌の原因になる」とか言っている人を、私は信じることができません。

 

 

 

「腸造血説」を唱える人は、何故か、人間の体に合う消化に良い肉を悪者にしているのですが、胃の消化構造が見えていない人が、腸については正確に分かるものなのでしょうか。不思議でなりません。

 

 

従って、「骨髄造血説」も、「腸造血説」も信じられないのです。

 

 

鉄の働きについて分かりやすく説明してみたへ続く

 

 

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人体の血液の量は、成人男性だと体重の約8%、成人女性だと約7%と言われています。

 

 

4~5リットルぐらいです。

 

 

 

血管の中を流れている血液は、体中のあらゆる組織に、酸素、水分、栄養分等を供給します。

 

 

そして、組織から老廃物を回収します。

 

 

 

本記事は、血液の構成についてお話します。

 

 

 

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血液の構成

 

 

 

血液は、血しょう、赤血球、白血球、血小板からできています。

 

 

 

  • 血漿(けっしょう)

 

  • 赤血球(せっけっきゅう)

 

  • 白血球(はっけっきゅう)

 

  • 血小板(けっしょうばん)

 

 

 

それぞれを具体的に説明していきます。

 

 

 

 

試験管の中に血液を入れて、「血液が固まらない薬」を入れて放置すると、以下のような状態になります。

 

 

 

 

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血液は、「液体」と「有形の成分」に分けられます。

 

 

 

 

血漿と血球

 

 

試験管の中の、上の薄い黄色の液体「血しょう」と呼びます。

 

 

 

「血しょう」は、血液の55%を占めています。

 

 

 

一方、試験管の下に沈殿した有形の成分「血球 けっきゅう」と呼びます。

 

 

 

血球には、「赤血球」、「白血球」、「血小板」があり、血液の45%を占めています。

 

 

 

そして、血球のほとんどは「赤血球」です。

 

 

「白血球」と「血小板」はわずかです。

 

 

 

血球は、「血しょう」という液体の中に浮遊しています。

 

 

血漿と血球

 

 

 

 

次は「血しょう」と「血球」の働きについて説明します。

 

 

 

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血しょうの働き

 

 

 

血しょう(けっしょう)の働きは以下になります。

 

 

 

 

  • 血液細胞、養分、ホルモン、老廃物を運搬する

 

  • 体内恒常性を維持する

 

  • 血液を凝固させる

 

  • 免疫機能

 

  • 血管外に組織液としてしみだす事ができる。これによって細胞に栄養を供給することができる

 

 

 

 

ちなみに、「血しょう」の約90%が水分です。

 

 

水分の他に、有機物、無機塩類(電解質)が含まれています。

 

 

 

 

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液体である「血しょう」は、薄い黄色です。

 

 

しかし、血液は赤です。

 

 

赤く見えるのは、血球の「赤血球」があるからです。

 

 

 

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血球の働き

 

 

血球(けっきゅう)の働きが以下になります。

 

 

 

 

 

 

  • 赤血球・・・酸素の運搬を行なう

 

  • 白血球・・・体内に入った細菌や異物と戦って体を守る

 

  • 血小板・・・血液の凝固や止血を行なう

 

 

 

図にするとこうです。

 

 

 

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本記事はこのうちの「赤血球の話」をしていきます。

 

 

 

 

赤血球とは

 

 

「赤血球」の3分の2は、水分になります。

 

 

水分以外の成分のうち、大部分を占めるのが「ヘモグロビン」です。

 

 

割合は、ヘモグロビンが97%、蛋白質が約2%、脂質が約1%です。

 

 

 

先程、「血液が赤く見えるのは赤血球のせいだ」と言いました。なので赤血球の絵を描くと左下の絵のように赤い色になります。

 

 

でも、もっと細かいことを言えば、赤血球の色が赤いのは、赤血球の大部分を占めるヘモグロビンが赤だからです。

 

 

右下の絵の粒々が「ヘモグロビン」です。赤血球の中に「ヘモグロビン」がたくさんあるので赤く見えます。(左のように赤く見えるのは、右のような構造になっているからです)

 

 

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赤いヘモグロビンを皮で包んだものが赤血球のイメージです。

 

 

 

この赤い粒々の「ヘモグロビン」のおかげで、体の隅々まで酸素を運ぶことができるのです。

 

 

 

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ヘモグロビンとは

 

 

ここからは、赤血球の水分以外の大部分、「ヘモグロビン」についてお話します。

 

 

血液検査でよく耳にすると思います。

 

 

「ヘモグロビン」とは、鉄分を含んだタンパク質です。

 

 

 

鉄を含んだ赤色の色素「ヘム」と、タンパク質でできている「グロビン」からなる物質なので、名前が「ヘモグロビン」です。

 

 

 

血液は体中のあらゆる組織に「酸素」を供給すると言いましたが、厳密に言うと、

 

 

「ヘム」の中に含まれている鉄の部分に、酸素がくっつくことで、酸素を運ぶことができるのです。

 

 

 

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これが「鉄不足」がよくない理由です。

 

 

もし鉄がなければ、酸素がくっつかないので、体に酸素が運べないという事態になります。

 

 

すると、体の酸欠で、例えばこんな症状になったりします。

 

 

 

 

  • だるい

 

  • めまいがする

 

  • 眠い

 

  • 集中力の低下

 

  • 動機や息切れ

 

  • 頭痛

 

 

 

「眠い」というのは、脳が体を休ませようとする為眠くなるそうです。

 

 

鉄が足りないとフラフラするのは、「鉄が不足する事で、体が酸欠になるから」です。

 

 

 

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赤血球とヘモグロビンについてまとめ

 

 

赤血球の主な働きは、酸素の運搬です。

 

 

赤血球は、「肺で受け取った酸素」を体の隅々の細胞に供給したり、「二酸化炭素」を受け取って肺まで運びます。

 

 

運搬の鍵を握るのは、「赤血球」の「ヘモグロビン」です。

 

 

「ヘモグロビン」の中に含まれているに、酸素がくっつくので酸素が運べます。

 

 

赤血球が車なら、「ヘモグロビン」は座席です。座席がなかったら乗れません。

 

 

酸素を乗せた「ヘモグロビン」という座席ごと、赤血球が運搬しているイメージです。

 

 

 

そして、赤血球の中で「ヘモグロビン」が不足した状態を貧血と言います。

 

 

 

ヘモグロビンと、ヘモグロビンA1cの違い

 

 

血液検査でよく耳にする「ヘモグロビンA1c えーわんしー」についてお話します。

 

 

 

正常な「ヘモグロビン」に、糖がたんこぶのようにくっついて変質した糖化物質が「ヘモグロビンA1c」です。

 

 

この「ヘモグロビンA1c」は、老化物質AGEに変化する一歩手前の物質です。

 

 

 

老化物質なのでこの値は少ない方が良いです。

 

 

 

健康体の人にもありますが、糖尿病の患者さんは「ヘモグロビンA1c」が2~3倍多いのです。

 

 

ヘモグロビンA1cについて書いた記事が以下になります。

 

糖化反応(メイラード反応)について分かりやすく説明してみた

 

 

血液と赤血球とヘモグロビンについて分かりやすく説明してみた②へ続く

 

 

 

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貧血の解消には「レバー」や「ホウレン草」を食べると良い・・・という事は知っていると思います。

 

 

ですが、「レバーの鉄」と「ホウレン草の鉄」は厳密にはちょっと違うので、その違いと、どちらを摂った方が良いかについてお話します。

 

 

 

ここが分かっていないと、食べているつもりでも量が足りないということが起きます。

 

 

もし、鉄不足になると、色々と問題が出てきます。鉄は体にとって重要な役割を果たしているからです。

 

 

しかし、

 

 

鉄不足 = 貧血 = フラつく  →  大したことない

 

 

・・・と、軽く考えてしまう人は多いです。

 

 

もちろん、私もこういう発想だったので、人のことは言えません。

 

 

最近、私は「鉄分」を意識して摂っていなかったので、たぶん鉄不足だと思います。「レバーを食べないといけない」と思ってはいるのですが、あんまり好きではないので、たまにしか食べません。

 

 

しかし、これでは鉄不足になります。

 

 

「鉄不足の弊害」と聞いて思い浮かぶのは、貧血ですが、それだけではありません。

 

 

例えば、「子供を生む予定の女性」が鉄不足になると、生まれてくる子供に影響します。ADHDや、歯並びが悪い子供になるリスクがあります。

 

 

 

 

 

また、鉄が足りないと、熱を産生する力が弱くなるので、寒冷に対して体温を保持する能力が弱くなるそうなのです。

 

 

寒がりは何枚着ても寒い。低体温の原因と、冬でも暖かく過ごせる体質に改善する方法

 

 

寒さに強くなるには、脂質やタンパク質も大事ですが、鉄の存在も重要だったのです。

 

 

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食事から摂る鉄の種類

 

 

は、ミネラルの一種です。

 

そして、食事から摂れる「鉄」には種類あります。

 

 

 

  • 「ヘム鉄」・・・動物性食品に含まれている

 

  • 「非ヘム鉄」・・・植物性食品に含まれている

 

 

 

鉄は、小腸で吸収されます。

 

これら2つのうち、圧倒的に吸収率がいいのは、動物性食品から得られる「ヘム鉄」です。

 

 

その理由をお話します。

 

 

ヘム鉄の特徴

 

 

「ヘム鉄」は、鉄イオン」が「ポルフィリン環」に包まれています。

 

その為、吸収されやすく胃壁や腸管を荒らしません。

 

また、「他の飲食物」によって影響を受ける事は少ない性質があります。

 

ちなみに、ヘモグロビンは、「ヘム鉄」と「グロビン」と言うタンパク質が結合したものです。

 

 

非ヘム鉄の特徴

 

「非ヘム鉄」は、「ポルフィリン環」に包まれていないので、むき出しの鉄です。

 

その為、むき出しのまま吸収された鉄が、胃壁や腸管を荒らすことがあります。

 

また、「一緒に摂取した飲食物」の影響を受けてしまう性質があります。

 

 

 

 

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吸収率の違い

 

 

吸収率が良いのは、「ヘム鉄」で、「非ヘム鉄」は吸収率が悪いとお話しました。

 

 

  • ヘム鉄・・・吸収率が良い

 

  • 非ヘム鉄・・・吸収率が悪い

 

 

例えば、「非ヘム鉄」を多く含むホウレン草と、緑茶を一緒に飲んでしまうと、せっかく摂った「ホウレン草の鉄分」は吸収されにくくなります。

 

 

「非ヘム鉄」の吸収率は、他の飲食物に影響されるからです。

 

 

 

鉄の吸収率が悪くなる成分

 

 

では、どんな成分に影響されるのかというと、緑茶の場合だと、「タンニン」という成分です。

 

 

「タンニン」とは、ポリフェノールの一種です。緑茶の他に、紅茶、コーヒー、赤ワイン、等に含まれています。

 

 

タンニンは鉄と結合して「タンニン鉄」とう成分になります。

 

「タンニン鉄」は水に溶けにくい性質があるので、腸で吸収されにくくなるので、せっかく鉄分を摂っても体に取り込まれません。

 

 

このような理由から、食事中は「タンニンを含む飲み物」は避けた方がよいでしょう。

 

 

また、食後にコーヒー等の「タンニンを含む飲み物」を飲む場合は、最低でも30分は開けた方がよいと言われています。

 

 

ただし、最近では、「体内の鉄が不足している場合、タンニンは鉄の吸収にほとんど影響しない」という報告もあるそうです。どちらが本当なのかわからないので、どちらの説も鵜呑みにしない方がよさそうです。

 

 

 

鉄分の吸収を阻害する成分は、「タンニン」の他にもあります。

 

「フィチン酸」、「シュウ酸」、「食物線維」、「リン酸塩」、等です。

 

 

 

鉄の吸収率が良くなる成分

 

 

反対に、鉄分の吸収をよくする成分もあります。

 

「ビタミンC」と、「タンパク質」です。

 

 

 

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人間には「ヘム鉄」の方が合う

 

 

こうして、「動物性の鉄分(ヘム鉄)」と「植物性の鉄分(非ヘム鉄)」を比較したわけですが、やはり、人間にとっては「植物性の食品」よりも、「動物性の食品」の方が合うということです。

 

 

そのことが以下にも書かれています。

 

 

『冷え症・むくみ・貧血を改善! 鉄分サプリde鉄分不足解消 鉄分過剰摂取による症状と対策とは?適正な鉄分量を理解すれば副作用も防げます。』より引用

 

 

人間も動物だからなのか分かりませんが、動物性ヘム鉄のほうが吸収率が高いにも関わらず鉄分過剰摂取の症状が出にくいとされています。なので動物性ヘム鉄が多く含まれる肉や魚を積極的に取り入れると安心できますよ。

 

また、鉄分サプリを選ぶ時もヘム鉄を含む商品を選べば安全性が高まります。

 

 

>また、鉄分サプリを選ぶ時もヘム鉄を含む商品を選べば安全性が高まります。

 

 

・・・という意見は、鵜呑みにするべきではありません。何故なら、食事としての「ヘム鉄」は効果がありますが、サプリメントの「ヘム鉄」は効果がないという話があるからです。

 

 

詳しくは以下をご覧下さい。

 

鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事

 

 

 

「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」について、もう少しわかりやすい解説が以下になります。

 

『わかりやすい貧血の知識 鉄分の吸収に数倍の差!ヘム鉄とは』より引用

 

 

ヘム鉄は鉄原子と有機化合物が結びついた有機鉄の1つです。構造は二価鉄という形をとっており、溶けやすくイオン化しやすいのが特徴です。

 

そのためそのまま小腸細胞から消化吸収されていきます。

 

非ヘム鉄は三価鉄という形をとっており、これはサビや無機鉄の鉄イオンの仲間で消化吸収されにくい構造になっています。

 

そのため、非ヘム鉄は消化管内で動物性タンパク質に含まれる消化酵素やビタミンC、胃酸などの還元物質によりヘム鉄(二価鉄)になることで初めて吸収されます。

 

 

一説によると、「非ヘム鉄」よりも、「ヘム鉄」の方が5~6倍吸収率が良いそうです。

 

 

「非ヘム鉄」の吸収率は1~6%、

 

「ヘム鉄」の吸収率は10~20%だそうです。

 

 

※この数字は人によって言う事がバラバラなので、話し半分で捕らえた方がよさそうです。しかし、「非ヘム鉄」より「ヘム鉄」の方が何倍も吸収率がよい事は確かです。

 

 

 

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肉料理の乏しい和食は鉄不足になりやすい

 

 

鉄を積極的に摂りたいなら、動物性の方が効率が良いです。

 

 

特に、レバー、それも鶏よりも豚がオススメです。

 

 

しかし、日本人の場合は、吸収の良い「ヘム鉄」よりも、「非ヘム鉄」の摂取が多いです。食事から摂る鉄の80%以上が「非ヘム鉄」だそうです。

 

 

しかも、食事中にお茶を飲む人は多いので、吸収率も悪いと考えられます。

 

 

ただ、動物性の「ヘム鉄」の摂取が少なくなるのは、分かる気がします。和食は肉料理が発展していないからです。

 

 

内臓料理が盛んでないことから、日本人は肉の食べ方が下手と言えます。

 

 

それは私も同じで、いまでこそ、肉をたくさん食べるようになりましたが、内臓系はどちらかというと今も苦手です。

 

 

味は苦手ではないのですが、調理に困ります。「肉の内臓」を食べる習慣がないので、イメージがわかないのです。

 

 

安いから買おうかなと思うのですが、つい内臓ではない部位を買ってしまいます。

 

 

母親の料理を振り返っても、「レバニラ」とか「レバーの塩焼き」ぐらいしか思い浮かびません。真似できるのは、食べた事があるこのメニューぐらいです...。

 

よく食べていたアン肝は魚ですし、季節限定です。

 

 

 

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内臓料理が豊富な文化

 

 

同じアジア圏でも、お隣韓国は、内臓料理が豊富です。つまり、ヘム鉄を豊富に摂れる環境と言えます。

 

日本と韓国の内臓料理に関して調べてみると、面白い記事がありました。それをまとめると

 

 

  • 日本人が動物の内臓を食べ始めたのは、太平洋戦争後

 

  • それまでは、内臓を食べる習慣がなく、肥料にしたり、捨てたりした

 

  • 一部の地域では馬の内臓を食べていたが、例外

 

  • 中国と関係が深い朝鮮半島は、肉や内臓の食べ方も熟知していた

 

 

 

ということだそうです。そして、興味深い話がここからです。

 

 

『ホルモンから焼肉へ』より引用

 

 なお、ホルモンとは、放るもの(捨てるもの)がなまって→ホルモンとの説はたぶん誤解です。ビタミンとかホルモンとか、医学用語からが正解かと。

 

このホルモン、つまり獣肉はヒトの免疫力を高めるとか。宮塚利雄氏の『日本焼き肉物語』に次のように紹介されてます。

 

 

<伝染病にかかれば、日頃、栄養が悪いので死ぬ率は高かったが、朝鮮の女工はあまり死ななかったねぇ。今考えると、食べ物が違っていたからだろう。日本の女工はよくてもタクアンや目刺しくらいだが、朝鮮人の女工はブタや牛のモツ(臓物)を買ってきて、煮て食べていたから栄養がよかった。

 

 

牛やブタのモツは今でこそ売り物になっているが、当時は捨てるか、畠(はたけ)の肥料にしていた。そんなものだから、貰いにいけばただでくれて、朝鮮人の女工は食べる事ができたのだろうが、それが結果的には、伝染病にかかっても日本の女工に比べて死亡率が低くなって現れたのだろうね。>

 

 

「金賛汀・方鮮「風の慟哭―在日朝鮮人女工の生活と歴史」田畑書店昭和55年」

 

 

<休みの日は月に二回でしたが、その日は2銭か3銭のお金で、天ぷらのような揚げ物を売る店で、野菜の揚げ物などを二つ三つ買って(中略)お金もないので、遊びに行くところもないから、同僚と一緒に浜辺に行ったのです。

 

 

そんな時、鶏肉屋さんで、鳥の足の部分や内臓の捨てる部分を貰ってきて、浜辺で火をたき、鍋にそれらの「モツ」をいれて煮て食べたりもしました。会社の食事では、肉類は絶対に出ませんでしたので、そんな物で栄養を補給したんです。>

 

 

金賛汀 『朝鮮人女工のうた』岩波書店 昭和57年 宮塚利雄『日本焼き肉物語』より転載。

 

 

マーヴィン・ハリスというアメリカの文化人類学者が、ヒトの免疫力を高めるには肉食が有効と説いていますが、この説を実証するようなお話です。食の知恵は大事なんですね。

 

 

「鉄分」とは話がそれましたが、この話からも肉や内臓は免疫力を高める効果があることがわかります。

 

 

動物性食品の摂取量が少なかった昔の日本人には感染症が多かったのです。

 

健康には昔ながらの和食が良い?実は栄養状態が悪かった昭和の子供達

 

 

他の肉食文化の国も、家畜は全部無駄なく使い切っていたりしますよね。このような食べ方であれば、「鉄」も、「タンパク質」もどちらも豊富に摂れます。

 

 

動物は内臓も含めて丸ごと食べる方が栄養的に良いので、日本人も内臓を食べる、調理する習慣を身につけたいものです。

 

 

ですが、

 

 

 

鉄が不足しやすい理由は、食文化だけではありません。

 

 

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鉄が不足する原因

 

 

鉄が不足する原因は色々あります。

 

 

 

  • 鉄を高濃度に含む食品が少ない

 

  • 小腸での吸収がわずか(「非ヘム鉄」の吸収率は1~6%、それに対し、「ヘム鉄」の吸収率は10~20%と言われている)

 

  • 吸収がわずかで残りの大部分は排泄される。

 

  • 月経、授乳、で鉄を失う

 

  • 汗をかくと水分とミネラルが出て行く、鉄もミネラルなので失う。

 

  • 筋肉が増加すると鉄の必要量が増える

 

  • 足を強く踏みつけるスポーツは足の毛細血管に衝撃が加わり赤血球が破壊される

 

  • 一度減ってしまった体内の鉄は、即席で補充しただけでは増えないので、継続して摂り続けないと安定しない。

 

 

 

このように、「鉄」は意識して摂らないと、摂取する量に比べて、失う量が多い栄養素なのです。特に毎月生理で鉄を失う女性の鉄不足は深刻です。

 

 

しかし、「鉄が不足するから」、「不足すると体に悪いから」といって、鉄だけのサプリメントに走るのは待ってください。鉄は不足も怖いですが、過剰摂取も怖いのです。

 

 

 

この記事は2016年11月20日に書いたものです。この時は「鉄のサプリメントで鉄過剰になる」という情報を真に受けていたので、「サプリは使用しない方が良い」と書きました。

 

 

しかしその後、口から鉄を摂取した場合、余分な鉄は吸収されないということが分かりました。危険なのは鉄の静脈注射です。

 

 

私はサプリで鉄不足を早く改善することができました。現在は鉄が足りない人はサプリを飲む方が効率が良いと考えています。

 

 

鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事

 

 

血液と赤血球とヘモグロビンについて分かりやすく説明してみた①へ続く

 

 

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糖質制限中の外食と頂き物。食生活が違う人との付き合い方。

 

 

糖質制限に限らず、なんらかの食事にこだわっている人は、必ず直面する問題があります。

 

 

 

人との付き合いはどうするのか

 

 

 

・・・です。これは結構悩むと思います。

 

 

 

 

普段「スーパー糖質制限」をしている私ですが、付き合いに関しては結構柔軟です。

 

 

 

今回は「外食」と「お土産」をいただく場合、私がどう対応しているのかをお話しようと思います。

 

 

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人と外食をする場合

 

 

 

私は普段、糖質を一日10g以下に設定しています。

 

 

 

制限は厳しい方です。

 

 

 

しかし、基本的に外食は、普通に食べます。

 

 

 

ラーメン、カレー、寿司、パスタ、なんでもです。

 

 

 

 

もしや、膠原病神経変性疾患などの病気であれば、絶対にどんな事があっても口にしません。これらは糖質が原因なので、本気で治したいなら糖質を一口も食わないぐらいの覚悟が必要だからです。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、私の場合、幸いそこまでではないので、外食、特に人と食事をする時は、普通に食事をします。

 

 

 

ただしこれは、ちょっとぐらいなら糖質の害はないから大丈夫・・・ということではありません。

 

 

 

糖質の害は確かにあります。体に悪いものを摂ったら悪いことには変わりありません。

 

 

 

 

それを分かった上で、たまの付き合いは人との楽しい時間を優先します。

 

 

 

 

そして、それが終わると、また厳格な糖質制限を続けます。

 

 

 

もし外食の回数が頻繁だったら、ダメージが半端ないので考えますが、外食する機会自体が少ないので今のところはこのようにしています。

 

 

 

 

手土産の場合

 

 

 

私が糖質制限している事を知っている人は、私に食べ物を持ってくることはありません。

 

 

 

ですが、たまに事情を知らない人から、お土産を頂く事があります。

 

 

 

ほとんどお菓子ですが、その場合、基本的に一種類につき1個だけ食べて、残りを周囲の人に分けます。

 

 

 

わざわざ買ってきてくれたというのが嬉しいので、頂いた物は必ず食べます。

 

 

 

ですが、申し訳ないので、後日きちんと食事制限をしている事を伝えます。

 

 

 

 

付き合いを優先させる理由

 

 

 

私は長年虚弱体質だったので、健康のありがたみはよく分かっています。

 

 

以前のような体になりたくないので、厳しい食事制限をしています。

 

 

 

健康を大事に思っている私が付き合いで糖質を食べる理由は、周囲の人に気を使わせるのが申し訳ないからです。

 

 

 

私の周りの人は、私が糖質制限をしているのを知っているので、「私が食べられそうなメニューを扱っているお店」にしようとしてくれます。

 

 

 

向こうの方から気を使ってくれるので、さすがに悪いです。

 

 

 

このような気遣いは本当にありがたいので、多少自分の健康を犠牲にしても構わないと思っています。

 

 

 

 

ただし、このような考えは、健康に余裕があるからできるものです。なんらかの病気を治したいなら、迷わず付き合いを犠牲にするべきでしょう。

 

 

命の方が大事だからです。

 

 

 

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チートデイのリスクを知る

 

 

 

私は健康を著しく損ねない範囲で、たまに人との付き合いを優先させることがあります。

 

 

しかしそれは、「たまにはいいよね」と言って頻繁に食べる人とは全く違います。

 

 

 

私は、例え一時的に食べても、その後から確実に制限できるという自信と覚悟があるから、食べています。

 

 

 

また、どのくらいの量を摂ったらヤバイのか引き際も知っていますし、どうやったら糖質の依存を断ち切れるかの方法も知っています。

 

 

 

このようなコントロールができない人は、付き合いで食べるのは失敗の原因になるかもしれません。

 

 

 

お酒やタバコを止めていた人が、1度何かのキッカケで飲んだり吸ったりしたばっかりに、再び止められなくなる・・・という話は珍しくありません。

 

 

 

糖質はこれらと同じ嗜好品なので、同じようになる可能性があります。

 

 

 

世間では、「チートデイ」と言って、食事制限中たまに気休めで好きな物を食べる日を設けることを賞賛していたりしますが、依存性の強い物質は危険です。

 

 

 

他のダイエットならともかく、糖質は「チートデイ」という発想は止めた方がいいです。

 

 

 

禁酒をしている人や、禁煙をしている人が「チートデイ」を設けるでしょうか?

 

 

 

馬鹿げていますよね。

 

 

 

こう言うと、

 

 

 

酒やタバコと、糖質は違うだろ・・・と思われるかもしれません。

 

 

 

 

しかし、残念ですが糖質の別名は「マイルドドラッグ」です。依存性が高いだけでなく、体をゆっくりと破壊します。

 

 

 

 

糖質には禁糖という言葉はありませんが、位置づけとしてはお酒やタバコと同じです。

 

 

 

 

なので、糖質は体に悪い事、再び依存してしまう可能性を分かった上で、気をつけながら摂るべきです。

 

 

 

「チートデイ」という言葉は、「この日だけはチャラ」という、免罪符的な雰囲気を感じます。

 

 

 

しかし、食べた物が体の中で起こる反応は化学反応ですので、「チートデイ」でも同じように起こるものは起きます。

 

 

 

具体的に言うと、糖質を食べる限り、血糖値も上がるし、糖化のリスクも上がります。場合によっては乳酸も発生します。

 

 

 

 

これは厳然たる事実です。

 

 

 

 

そのことをわかった上で摂る方がいいです。タバコやお酒を有害だと分かった上で嗜むのと同じです。

 

 

 

一回糖質を食べた事で「もっと食べたい」となってしまうなら気を抜けません。

 

 

 

しかし、必ずそうならない自信があり、注意して食べるならリスクを最小限に食い止めることができます。

 

 

 

 

次は糖質を摂ると具体的に体にどんな異変が起きるのか私の体験をお話します。

 

 

 

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糖質で体調不良になる

 

 

私の場合、糖質を摂ると、その量に比例してその翌日から目が異常に痒くなります。

 

 

 

私は糖質を摂っても太らない体質なのですが、これが良くないのです。糖質を脂肪に変換できず、血糖値がなかなか下がらないという状態になります。

 

 

 

その為、体が涙という形で糖を出していると考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

従って、なんとしても血糖値を下げなければなりません。

 

 

 

これまで観察したところ、2週間に1回主食を食べるくらいだと(運動必須)、翌日目が痒くなりません。

 

 

 

ですが、それより回数が増えると影響がでます。

 

 

 

正月や盆など、付き合いが頻繁に続くと、私の場合、目が痒くなるだけではなく、関節も鳴りやすくなります。

 

 

 

 

 

 

このように、今は栄養療法で体が丈夫になりましたが、虚弱体質を引きずっているのか、悪いものを食べるとすぐ反応がでます。

 

 

 

だから、止められるのです。

 

 

 

 

では、このダメージを少しでも軽くする為にどうすればいいか。

 

 

次は糖質を摂った時の対策についてお話します。

 

 

 

糖質を摂った時の対処法

 

 

 

糖質を食べた時の対策はこの2つです。

 

 

 

  • 糖質を食べた日はタンパク質や脂質をたくさん食べない

 

  • 糖質を食べたら運動する

 

 

 

その理由を説明します。

 

 

 

普段糖質制限をしている時は、タンパク質や脂質をしっかり摂取しています。

 

 

タンパク質は体の主成分で、脂質はエネルギー源だからです。

 

 

具体的には、食事の他にプロテインとバターを摂っています。

 

 

しかし、何らかの理由で糖質を普通に摂った時は、用心の為に、その日はプロテインもバターも絶対に摂りません。

 

 

 

その理由は、タンパク質、脂質と、糖質を組み合わせてはいけないからです。

 

 

 

タンパク質や脂質だけなら健康的なのですが、これに糖質を組み合わせると、慢性疾患や死亡率が上がります。

 

 

【脂質+タンパク質】は良くて【糖質+脂質+タンパク質】が良くない理由

 

 

 

このような理由があるので、とにかく糖質を食べた日は、あえてタンパク質と脂質は大量に摂りません。

 

 

 

 

炭水化物は消化に悪く、長い間胃の中に留まります、いつ完全に消化されるかわかりません。

 

 

 

消化されないうちに、バターやプロテインを摂取して、胃の中で混ざったら嫌なのでその日は食べないようにしています。

 

 

そして、もう一つの対策が運動です。

 

 

 

目的は血糖値を下げる事です。

 

 

 

むやみに歩き回ったり、筋トレしたり、とにかく少しでも血糖値を下げる為に何でもいいから運動します。

 

 

 

 

(追記)糖質を食べる人が摂っておいた方が良い栄養素

 

 

 

付き合いで糖質を食べる場合、最も効果的な方法を紹介します。

 

 

簡単に言うと、サプリメントを使って摂取した糖質を代謝し切るようにするのです。チャラにはなりませんが、ダメージを最小限に食い止める事ができる方法です。

 

 

ベジタリアンや糖質を止められない人が、健康の為に摂っておきたい栄養素とは

 

 

 

ちなみに、糖の吸収を抑える薬はリスクがあります。

 

 

糖質の吸収を抑える薬やサプリメントを信用することで生じるリスク

 

 

 

 

 

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卵子が老化する原因と防ぎ方。卵子の質を悪化させない食習慣は、不妊症の改善にも期待できる

 

「卵子には寿命があるので老化する」・・・と言われていますが、世の中には、同じ年齢でも、老化が早い人と、遅い人がいます。

 

 

 

老化のスピードを加速させている原因は色々と考えられますが、かなりのダメージを与えているものがあります。

 

 

それは、「糖質」です。

 

 

卵子の「老化」とは、「卵子の糖化」でもあるのです。

 

 

しかし、その事があまり伝えられていないように思います。

 

 

糖質で卵子が劣化する事を知らない若い女性は、糖質の過食を止めません。致命傷を避けないから、どんどん糖化(細胞の劣化)していきます。

 

 

 

というわけなので、糖質が卵子に与える影響についてお話していきたいと思います。もちろん不妊症とも関係あります。

 

 

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卵子の老化(糖化)とは

 

 

人間の体は常に代謝されているので、細胞も常に入れ替っています。

 

 

 

しかし、入れ替らない細胞もあります。

 

 

 

 

 

それは、「目」と「脳」の細胞、そして、「卵子」です。

 

 

 

 

「卵子」は、女性が胎児の時に創られます。そして、それ以降は新たに創られることはありません。つまり、生まれ持った数が全てというわけです。

 

 

なので、生まれてからは、どんどん減り続けます。また、肌にシミやシワが増えていくように老化していきます。

 

 

 

そして、それに「糖質」が追い討ちをかけます。

 

 

 

なぜ糖質が「卵子」にダメージを与えるのかというと、「卵子」はタンパク質だからです。

 

 

 

そのメカニズムはこうです。

 

 

 

糖質は甘い物だけでなく、穀物や野菜や果物にも含まれています。

 

 

 

どのくらいかと言うと、例えば、ご飯茶碗一杯(150g)で、糖質は55gです。

 

 

 

その為、普通に食事をすると、必要以上の糖を摂ってしまう為、使い切れなかった糖質が体に余ります。

 

 

すると、その余った糖は、体のタンパク質と化学反応を起こして、細胞を劣化させます。これを「糖化」と言います。

 

 

卵子もタンパク質だから「糖化」します。

 

 

そして、これが「老化」です。

 

 

 

『健康+生活卵子の老化から不妊の原因に?卵子の糖化を予防するには』より引用

 

 

卵子の老化をすすめる原因のひとつに「糖化」が関係あることが分かってきました。糖化した卵子は褐色に変色し、体外受精の際に採取した卵子が褐色だった場合には受精しにくいことも知られていました。

 

 

 

一応言っておくと、糖化は「卵子」だけに起こるのではありません。

 

 

人間の体はタンパク質でできているので、卵子以外、骨も、筋肉も、血液も、内臓も、当然「糖化」します。

 

 

どこに影響が表れるかは、その人の遺伝的な弱点によって変わります。ダメージを受けやすい弱いところから症状が表れると思って下さい。

 

 

これは化学反応なので、糖質を摂る限り避けられません。

 

 

卵子は見えないので、「自分は糖化していない」と思う方もいるかもしれませんが、糖質を日常的に食べている人は体のどこかが糖化しているはずです。

 

 

例えば、セルライトがあったり、痔になったり、関節の音が鳴りやすかったり、胃もたれがあったりする人は糖化しています。

 

 

 

さらに、以下の記事を読むと、女性が糖質を過剰摂取すると、「卵子」だけでなく、「胎児」にも影響を与えるようです。

 

 

『D!CULT 自然食品ヘルスケア事業部 AGEは、生まれる前から悪影響。』より引用

 

 

老化を促進する物質が、AGEs(エイジス)という総称で呼ばれます。実は、このAGEは、生まれる前から、たまっている場合が多くなっています。

 

 

妊娠しているお母さんのAGEもへその緒を通して、胎児にAGEが移行することがわかっております。つまり、お母さんの食生活などの乱れで、AGEを溜め込んでいると、その赤ちゃんにも影響が及びます。胎児の時から、健康に障害を与える可能性があります。

 

 

妊娠中は、高血糖になりやすいので、AGEが溜まりやすくなるのが原因です。AGEを母親から多く摂取した場合、生まれて1年ぐらい経過すると検査値に異常を示すことが多いことが知られていますが、赤ちゃんが離乳食を食べるようになると、さらにAGE化が進むようになります。

 

 

現代食の環境は、糖を多く摂取する機会がどうしても多くなっています。赤ちゃんの味覚は、妊娠中の母親が食べていたものに影響されることから、AGEを多く含む食事の場合、赤ちゃんも同じような食事を好むようになります。

 

 

 

「AGEs」というのは、タンパク質の糖化反応によって作られた物質のことで、毒性が強いです。

 

糖化反応(メイラード反応)について分かりやすく説明してみた

 

AGE(終末糖化産物)について分かりやすく説明してみた

 

 

 

「女性の喫煙は子供に影響する」・・・と、昔から言われてきましたが、ハッキリ言って糖質はそれ以上です。

 

 

とくに細胞が入れ替らない卵子の「糖化」は深刻です。重要なところなので、念を押しておきます。

 

 

 

『ひなたぼっこ 漢方の吉村 卵子の糖化について』より引用

 

ただし、体の中で生まれ変わらない細胞があります。

 

心筋とか、脳、そして卵子です。

 

こういった細胞のタンパク質に糖がくっついてしまうとなかなか厄介です。

 

卵子の場合でも一旦糖化してしまうと、それを戻すのは難しいでしょう。

 

卵子の糖化がどの段階で起こるのかはまだ解っていません。

 

ただ、インスリン抵抗性が卵子の質を劣化させ、インスリン抵抗性を改善すると卵子の質も良くなる事から、比較的排卵が近づいて来てから起こる糖化もあると考えられます。日頃から血糖値に注意して、特に夜に澱粉、甘いものなどをとらないようにしていく事が大切と思います。

 

中医学では、糖のようなベタベタしたものを「痰湿」と呼んでいます。痰湿は体の至る所にたまり、色々な病気を引き起こすと言われています。

 

 

一度、「糖化」してしまうと、入れ替る細胞であっても、なかなか治ってくれません。

 

 

先ほど、セルライトも糖化だと言いましたが、あれなど、本当に落ちませんよね。普通の脂肪ではなく「糖化」した脂肪だから落ちにくいのです。

 

 

入れ替る細胞であっても苦労するのですから、入れ替らない細胞が「糖化」するのは、どれほどヤバイことか...

 

 

また、不妊とも関係しています。

 

 

『島田薬局 「甘いものの食べ過ぎで卵子の質が悪くなる」の根拠』より引用

 

 

肌だけでなく、このAGEsは、女性の卵巣からも発見されており、特に、不妊のなかでも最近多い要因となっているPCOSの方の原因がAGEsであるということを、ウィメンズクリニックの神野正雄先生が、2011年の抗加齢学会で、発表されています。

検索してみると、AGEsが進んだばあい、卵子の色が茶色になるとか、、(これほんと!?)

 

 

 

ちなみに、卵子や卵巣の老化の原因は、糖化を含め6つだそうです。

 

 

『老化がやってきた☆必死の抵抗日記 卵子・卵巣の老化を引き起こす原因』より引用

 

 

 卵子・卵巣の老化を引き起こす原因は、

 

1.成長ホルモンの減少

 

2.エストロゲンの減少

 

3.細胞の酸化

 

4.メラトニンの減少

 

5.DHEAの減少

 

6.終末糖化産物(AGE)の増加

 

 

 

この中で気をつけられるのは、「3.細胞の酸化」と、「6.終末糖化産物(AGE)の増加」です。

 

 

つまり「酸化」「糖化」ですね。

 

 

人間を老化させることで悪名高い「酸化」と「糖化」について触れておきます。

 

 

 

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「酸化」と「糖化」

 

 

「酸化」と「糖化」は、人間の体にダメージを与えます。

 

 

もちろん、両方防ぐにこしたことはありませんが、特にダメージが大きいのは、私の経験上「糖化」です。

 

 

 

私は糖質制限をする前は、抗酸化に力を入れていて(「糖化」を深刻に捕らえていなかった為)、抗酸化食品を積極的に摂るのはもちろんですが、水素水も飲んでいました。(2年以上)

 

 

以下の記事にも書きましたが、水素水(抗酸化)で、頭痛が治るキッカケになったりと、いい面もありましたが、糖化による体のダメージだけは消せませんでした。

 

目と脳は密接に関係している。慢性的な頭痛の原因と、それが改善した理由とは

 

 

 

まさか、不調の原因が「糖化」だなんて思っていなかったですから、「こんなに気をつけているのに、なんで体が弱いんだろう?」と、ずっと思っていたのです。

 

 

 

その当時は、「バランスの良い食事」や、ベジタリアンやローフードの食事を取り入れたりしていたので、野菜や穀物がメインです。タンパク質や脂質は0ではありませんが、量が少なく、ほぼ糖質ばかりでした。

 

 

 

糖化の症状があちこちにでていたのですが、リンゴによってダメージが大きくなりました。後で知ったのですが、果糖はブドウ糖の10倍糖化するそうです。

 

 

 

半年間、毎日抗酸化食品のリンゴを食べるようにした事で、ある時、糖化の症状、シワが一気にでたのです。お菓子を食べていてもならなかったのに、健康的な果物でなったのでショックでした。

 

 

 

リンゴは抗酸化物質ですが、そのリンゴの果糖で一気に老化したのです。

 

 

抗酸化が虚しくなるぐらいです。

 

ローフーディストやベジタリアンの真実。肉を避け野菜や果物を多く食べる人に見られる肌の特徴と、健康上の問題

 

 

 

その後、「1日10g以下のスーパー糖質制限」に転向した後は、植物性の食品はほぼ摂っていません。水素水も止めました。なので特に「抗酸化」には力を入れていません。

 

 

それにもかかわらず、「糖化」に気をつけただけで、「抗酸化」だけに気をつけていた時よりも体調が改善しました。

 

 

(※もちろん両方気をつけたら良いと思いますが、)「糖化」には特に気をつけた方がいいです。

 

 

 

それに、考えてみて下さい。

 

 

同じダメージを与える物質でも、「酸素」というのは、少なくとも人間の体に必要な物質です。なければ死ぬわけです。必要だけど、害もある・・・そんな物質です。必要なものである以上、ある程度、「酸素の害に対する抵抗力」も機能として備わっているはずです。

 

 

 

しかし、「糖質」はそうではありません。

 

 

 

「糖質」というのは、人間にとって必要ありません。

 

 

 

厳密に言うと必要なのですが、その量は、一説によると5gというレベルです。しかも、人間はその糖を「糖新生」という仕組みによって作り出す事ができるので、それ以上摂ってしまうと毒になります。

 

 

人間の身体に必要な糖質量を血糖値の視点から分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

糖質は「人間の体に入ってくる予定のないもの」です。そんな物質に対しては無防備で、より害を受けると考えられます。

 

 

 

過去に何度も言っていますが、人間は、動物食性(肉食)動物だからです。

 

 

「人間が肉食か草食かは、歯を見れば分かる」という説は正しいのか

 

消化に良い食品の嘘。慢性的に胃がもたれる人は糖質の過食を疑え!

 

 

 

 

従って、本来必要のない糖質を、大量に摂ってしまったら、今はなんともなくても、将来ツケがきます。それに、一見糖質が原因じゃないと思われるような症状が、実は「糖化」だったりします。「糖化」の殺傷能力は高いのです。

 

 

 

糖質の毒性は遅効性。体に合わない物を食べると、表面的には問題がなくても水面下では体が劣化する

 

 

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不妊と食事

 

 

 

糖質の害は、ここまで話してきた通りです。

 

 

しかし、「子供を生む予定のある女性」が栄養面で気をつけるべき事はこれだけではありません。

 

 

 

食事は、低糖質を心がけるのはもちろんですが、高タンパク質である必要があります。

 

 

 

パートナーより肉を食べるか、それが無理なら、プロテインを摂るなどして、タンパク質が不足しないよう注意が必要です。

 

 

 

そして、女性だけでなく、夫婦そろって、高たんぱく質、低糖質食が基本です。

 

 

 

「お菓子を食べながら不妊治療」は論外です。音楽プレーヤーで音楽を聴きながら、授業を聞くようなものです。

 

 

 

 

妊娠・出産に特に必要な栄養素は「鉄」と「タンパク質」

 

 

 

そして、もう1つ忘れてはいけないのが「鉄」の存在です。生まれてくる子供の体に影響するからです。

 

 

人間の体にある鉄は、「機能鉄」と「貯蔵鉄」とにザックリ分けられます。

 

鉄の働きについて分かりやすく説明してみた

 

 

 

このうち注目して欲しいのが「貯蔵鉄 ちょぞうてつ」です。

 

 

 

「貯蔵鉄」とは読んで字のごとく、「機能鉄が足りなくなった時の為のストック」です。「貯蔵された鉄が足りているかどうか」が重要です。

 

 

 

この「貯蔵鉄」のことを「フェリチン」と言うのですが、通常の血液検査では測りません(※フェリチンを測って下さいと言う必要があります)

 

 

これが足りていないと、普通の血液検査で貧血と診断されなくても立派な「鉄不足」です。

 

フェリチンと鉄不足について分かりやすく説明してみた

 

 

 

で、話を妊娠・出産に戻しますが、

 

 

 

女性は1回の妊娠出産で「フェリチン」を50失うので、「フェリチン」は、最低50は必要です。

 

 

 

理想は100です。

 

 

 

しかし、女性は生理があるので、鉄を失います。簡単には「フェリチン」は上がりません。

 

 

15歳~50歳の女性の80%は、「フェリチン」30以下だそうです。

 

 

 

ほとんどの女性は、深刻な鉄不足です(※閉経したら回復します)

 

 

 

だから妊娠前に「フェリチン」を最低50にしておく必要があります。

 

 

 

30以下だと不妊になりますし、

 

 

 

もし、それで妊娠・出産できた場合でも、子供が「鉄不足」のまま生まれてしまいます。母親の鉄が足りないと、十分もらえないからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、出産によって、フェリチンをゴッソリもっていかれ、鉄が枯渇すると、母親も健康ではいられません。

 

 

 

 

産後うつは、鉄不足が原因です。

 

 

 

 

そうならない為にも、女性は、鉄をしっかり摂っておく必要があります。

 

 

 

そして、鉄の吸収には「タンパク質」がかかせないということも忘れてはいけません。

 

 

 

糖質の過食が招く、卵子や卵巣の老化リスクや、妊娠・出産には鉄タンパクが必要ということについてお話しましたが、これらは、子供を生む女性だけに限った話ではありません。

 

 

 

糖質を控える事、タンパク質や鉄を不足させない事は、全ての人の健康の基本だと言っても過言ではありません。

 

 

 

あらゆる健康法も、糖質を摂っている事で足を引っ張ってしまいますし、また、「鉄タンパク不足」だと、あらゆる健康法も効果が薄れます。

 

 

 

(追記)私が試したところ、鉄の補給は食事よりサプリメントの方が効果的でした。

 

鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事

 

 

(追記)子供の健康について考えている方は、以下の記事も参考にして下さい。

 

草食系男子が増える原因は、価値観の変化でも女性の強さでもなく、生殖能力に影響を与える環境である

 

 

 

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動脈硬化が話題になる時、ほとんどの場合、注目されるのは「悪玉コレステロール」です。

 

 

しかし、よく調べてみると、「コレステロール元凶説」はどれも信憑性に欠けていました。

 

 

絶対に悪い結果になるような不自然な条件で実験を行なったり、都合のいいデータだけを根拠に論文をまとめたり・・・と、真面目に真実を追究する姿勢ではありませんでした。

 

科学や論文のインチキはコレステロールが教えてくれる

 

 

そういう歴史があるので、私は「コレステロールを悪く言う」説に対しては常に疑いを持っています。どんな新説であろうとです。

 

 

そもそも、動脈硬化は血管の疾患なので、血管そのものにもっと目を向けるべきではないでしょうか。

 

 

なので、本記事では、「動脈硬化の原因に、本当にコレステロールが関係しているのかどうか」と、「血管はどうやって劣化していくのか」に焦点を当ててお話します。

 

 

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動脈硬化について

 

本題に入る前に、動脈硬化がどういうものなのか、簡単に説明しておきます。

 

動脈硬化には3タイプあります。

 

 

 

  • アテローム性動脈硬化(粥状動脈硬化)

 

  • 細動脈硬化

 

  • 中膜石灰化硬化(メンケベルグ硬化)

 

 

一般的に言う「動脈硬化」とは、「アテローム性動脈硬化」の事を指している場合が多いです。「脳梗塞」や「心筋梗塞」の原因になります。

 

 

なので、ここからは「アテローム性動脈硬化」に焦点を当てます。

 

 

 

アテローム性動脈硬化とは

 

「アテローム性動脈硬化」は、一言で言うと、血管の中に「お粥状の塊」ができた状態です。

 

その塊の事を、「アテローム性のプラーク(粥状の隆起)」とか、「粥腫(じゅくしゅ)」と呼びます。

 

 

『動脈硬化症 Wikipedia』より引用

 

アテローム性動脈硬化

 

アテローム性動脈硬化とは、動脈の内側に粥状(アテローム性)の隆起(プラーク)が発生する状態。

 

 

「お粥状」・・・といっても、内訳は脂質やカルシウム等です。

 

『アテローム Wikipedia』より引用

 

 

病理学においてアテロームとは、脂質(コレステロールや中性脂肪)、カルシウムや様々な線維性結合組織を含んだ細胞(ほとんどマクロファージ)や細胞の死骸から構成された動脈血管内での蓄積物であり固まりである。

 

心臓や動脈で問題になるアテロームは、通常、粥腫である。

 

アテロームは、不健康な状態であるが、ほとんどの人で見つかっている。

 

 

 

 

アテローム性動脈硬化の成り立ち

 

 

意味を理解したところで、次は「アテローム性動脈硬化」がどのようにしてできるのか説明していきます。

 

以下は、動脈の大まかな構造になります。血管の壁に注目して下さい。

 

 

 

 

動脈硬化に関係があるのは、「内膜」と「中膜の内半分」です。膜はさらに複雑になっていますが、後で詳しく説明しますので、ここではシンプルに考えて下さい。

 

 

そして、以下が一般的に言われている「アテローム性動脈硬化」の成り立ちになります(※つまり、「アテローム性のプラーク」の出来方です)。

 

 

 

①「血管」は血圧が高かったり、喫煙することで内膜の「内皮細胞」が傷つけられる

 

 

②傷ついた「内皮細胞」の隙間から、LDL(悪玉)コレステロールが内膜の内側に入り込んでいく

 

 

③内皮細胞の内側に入り込んだLDLは、活性酸素によって酸化される

 

 

④不要な酸化LDLを排除する為に、単球(白血球の一種)も内膜の内側へ入っていく

 

 

⑤「内皮細胞」の間から内膜へと入り込んだ単球は、「マクロファージ」の姿に変身して掃除を行なう

 

 

 

 

⑥マクロファージは、次々と酸化LDLを食べていくので大きくなる(泡沫細胞という)

 

 

 

 

⑦泡沫細胞が蓄積すると、アテロームになる

 

 

⑧アテロームができると、血管壁が厚くなって、血管内部は狭くなる

 

 

 

泡沫細胞(ほうまつさいぼう)とは、マクロファージが「酸化LDLコレステロール」を溜め込んで「泡状」になった細胞です。これが集まったものが「粥状」のアテロームです。)

 

 

 

あなたは、この過程を読んでどう思われましたか?

 

 

私は①の「内膜の傷が悪い」と思うのですが、

 

②以降の「LDL(悪玉)コレステロールが悪い」と考える人も多いのではないでしょうか。「コレステロール元凶説」は根強いですからね。

 

 

なので、先に「LDLコレステロール」について話をします。

 

 

 

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コレステロールとは

 

テレビ等で「LDLコレステロール」が紹介される時、その絵は悪者のように描かれています。あのせいで、「LDLコレステロール」に対しておかしな先入観を持っている人は少なくないと思います。

 

なので、コレステロールがどういうものなのかを説明します。

 

 

コレステロールは、血液の中に単体で存在しているのではありません。コレステロールは、中性脂肪やタンパク質(アポタンパクと言う)とセットになって存在しています。

 

このセットを「リポタンパク」と呼びます。

 

このような姿で血液の中に存在しているのは理由があります。

 

血液は水分で、コレステロールは脂です。水と脂は馴染みません。

 

 

だから、水と馴染みにくい「エステル型コレステロール」と「中性脂肪」は、比較的水と馴染みやすい「遊離型コレステロール」「リン脂質」「アポたんぱく」にくるまれることによって、血液の中に存在しているというわけです。

 

 

 

 

 

日常的に使われている「善玉コレステロール」とか、「悪玉コレステロール」といった言葉は、この加工された「リポタンパク」のことを指していて、「コレステロール分子」自体を指しているわけではありません。

 

 

リポタンパクの種類

 

 

このリポタンパク(一般的に言うコレステロール)は、善玉と悪玉の他にもいくつかあります。

 

 

  • (カイロミクロン(キロミクロン)/ 英語:chylomicron)

 

  • (超低比重リポタンパク / 英語:Very-Low-Density Lipoprotein cholesterol)

 

  • (中間比重リポタンパク / 英語:Iintermediate Density Lipoprotein cholesterol)

 

  • (低比重・リポタンパク /英語:Low-Density Lipoprotein cholesterol)→ 悪玉コレステロール

 

  • (高比重リポタンパク / 英語:High Density Lipoprotein cholesterol)→ 善玉コレステロール

 

 

 

 

脂質の比率密度合成される場所によって、このように分けられています。

 

様々なサイトを参考に、それぞれのサイズを図にしておきました。一番小さいのが善玉と呼ばれる「HDLコレステロール」です。

 

 

 

 

で、本題は悪玉と呼ばれる「LDLコレステロール」・・・でしたね。

 

なので、次は先ほど書いた、アテローム性動脈硬化の成り立ちのこの部分を詳しくみていきます。

 

 

②傷ついた「内皮細胞」の隙間から、LDL(悪玉)コレステロールが内膜の内側に入り込んでいく

 

 

 

有益なLDLコレステロールが悪いと言われる理由

 

ここからはリポタンパクの中で2番目に小さい「LDLコレステロール(ロウ・デンシティ・リポプロテイン・コレステロール)」が本当に悪いのか検証していきます。

 

 

冒頭でもお話した通り、私はこのコレステロールの話は胡散臭いと思っているので、調べたことを解説しますが、基本信じていないので文章的に「断言」する形をとっておりません(その理由は後で述べます)。なので、「こんなことが世間で言われているんだな」・・・という感覚でお読み下さい。

 

 

LDLコレステロールは「悪玉」などと呼ばれていますが、「新鮮なコレステロールを全身に配達する」という体にとって重要な役割を担っています。

 

良い仕事をしているのです。

 

 

よくよく調べてみると、「LDLコレステロール」そのものが悪いのではなく、「変性したLDLコレステロール」が悪いのだそうです。

 

 

 

〇 正常なLDLコレステロール

 

× 変性したLDLコレステロール

 

 

そして、「変性したコレステロール」にもいくつかパターンがあるみたいですが、多くは活性酸素によって酸化したLDLコレステロールだそうです。

 

 

「正常なLDLコレステロール」は、マクロファージに相手にされませんので、先ほどお話した「泡沫細胞」を作ることはありません。

 

しかし、「酸化したLDLコレステロール」は毒性が強く、マクロファージから見ると有害物質なので、食べられます。すると、「泡沫細胞」を作って動脈硬化を進行させてしまいます。

 

 

「酸化LDLコレステロール」が危険視されているのは、以上の理由からです。

 

では、何故、LDLコレステロールは酸化してしまうのか・・・その理由が気になると思うので解説します。

 

 

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LDLコレステロールが酸化する理由

 

 

実は、「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールは、2種類あるそうです。

 

 

 

  • 通常サイズの LDLコレステロール

 

  • 小型サイズの LDLコレステロール(small dense LDL スモール・デンス・LDL)

 

 

後者を、悪玉コレステロールと呼びます。

 

そして「小型LDLコレステロール」が「超悪玉」と言われる根拠が以下になります。

 

 

『川村内科診療所 脂質代謝系 2015年5月19日 火曜日 小型LDLの重要性 平野勉教授』より引用

 

① 血液中に滞在する時間が、通常のLDLの場合は平均2日なのに比べ、5日と長いこと

 

② 血管壁のプロテオグリカンに付着しやすいこと

 

③ 小型の粒子なので血管内皮下に侵入しやすいこと

 

④ 通常のLDL粒子に比較してコレステロール含有量が少ないが、それ以外にも脂溶性の抗酸化ビタミンなどの抗酸化物質が乏しいため酸化されやすい

 

⑤ 酸化されるとマクロファージに取り込まれ、泡沫化し、動脈硬化層へと進展していく

 

 

「プロテオグリカン」とは、多糖類を含むタンパク質の一つです。細胞と細胞をつなぎ合わせたり、細胞を保護する働きがあります。

 

 

『生研 small, dense LDL はなぜ動脈硬化惹起性が強いのでしょうか?』より引用

 

small, dense LDL(sd LDL)は、LDL を異化する LDL レセプターに対する親和性が低下しており、血中滞在時間の長いことが知られています。

 

一般的に正常サイズの LDL の血中滞在時間は2日、sd LDL のそれは5日と言われています。このため、sd LDLは血管壁と接触する機会が多いと言えますが、それ自身が小型であることと相まって血管壁に侵入しやすく、酸化変性というストレスにさらされやすいという側面を有しています。

 

さらにこの酸化ストレスに対して、正常サイズの LDL はビタミン E やユビキノール10といった抗酸化物質によって保護されていますが、sd LDL は抗酸化物質に乏しく酸化変性を受けやすいという特徴も有しています。

 

以上のことから、sd LDLはアテローム性動脈硬化の主因である酸化LDLの良き原料と考えられています。

 

 

「小型LDLコレステロールの特徴」と、それによる不都合な展開を完結にまとめるとこうなります。

 

 

  • 滞在時間が長い → 血管壁と接触する機会が多い

 

  • サイズが小さい → 血管壁に侵入しやすく、侵入した先で酸化される

 

  • 抗酸化物質が乏しい → 活性酸素に対する防御力が弱いので酸化しやすい

 

 

「小型LDLコレステロール」は、このような条件がそろっているので、毒性の強い「酸化コレステロール」になりやすいというわけです。だから「超悪玉」と言われています。

 

 

「小型LDLコレステロール」は、よく「小型だから悪い」と言われていますが、厳密に言うと「内皮細胞に入ると酸化するから悪い」ということになります。

 

 

以上が「LDLコレステロールは動脈硬化の原因になる」・・・と悪く言われる所以です。

 

 

しかし、忘れてはいけません。

 

酸化コレステロールは泡沫細胞の蓄積を招くので「アテローム性動脈硬化」を進展させますが、あくまで二次的なものです。

 

コレステロールの前に注目しなければいけない過程があります。

 

それが、最初に起こる「内膜の傷」です。

 

 

 

内膜の傷

 

 

確かに、酸化コレステロールは良くない性質をもっています。

 

しかし、元になった「小型LDLコレステロール」を溜めない事が動脈硬化を防ぐ一番の方法か・・・というと、私はそうは思いません。

 

コレステロールに気をつけるよりも、①の血管そのものの健康に気をつける方が、根本的な解決に繋がると思うのです。

 

 

その根拠をお話します。ここでもう一度、「アテローム性動脈硬化」の流れを見て下さい。

 

 

 

①「血管」は血圧が高かったり、喫煙することで内膜の「内皮細胞」が傷つけられる

 

 

②傷ついた「内皮細胞」の隙間から、LDL(悪玉)コレステロールが内膜の内側に入り込んでいく

 

 

③内皮細胞の内側に入り込んだLDLは、活性酸素によって酸化される

 

 

・・・

 

 

そもそも、①が起こらなければ「内皮細胞」は傷つかないということになりますよね。

 

そして、「内皮細胞」が傷つかなければ、「小型LDLコレステロール」が隙間から入ることもありません。

 

 

そして、LDLコレステロールの酸化は「内皮細胞」に入り込んだ先で起きるので、入り込まなければ酸化LDLコレステロールは作られない・・・ということになります。

 

 

マクロファージは「酸化LDLコレステロール」にならなければ攻撃してこないそうなので、その後の「泡沫細胞」になる展開も起こりません。

 

 

結局、元をたどれば「血管にLDLが入ってしまう傷ができる事」、「内皮細胞に入ってしまう事」が悪いのであって、「小型LDLコレステロールが悪い」・・・というのはなんか違うような気がします。コレステロールに関する説はインチキが多いので、無駄に大騒ぎしすぎかなと思います。

 

しかし、既に内皮細胞に傷が多い人は、小型LDLが入り込む確率が増しますし、そうなれば酸化してマクロファージの攻撃対象ですから、どうにもなりません。その場合は小型LDLコレステロールを減らす努力をした方が良いでしょう。

 

 

 

また、「小型だから内皮細胞に入りやすい」・・・ということですが、それを言うなら「HDL(善玉)コレステロール」も小型です。何故こちらは内皮細胞に入っていかないのか・・・

 

 

謎はありますが、とりあえずコレステロールの話は置いておいて、ここからは「血管の状態」に注目します。

 

 

 

 

血管の状態に注目する

 

 

「動脈硬化」という疾患は「血管の症状」なので、そこを流れている「コレステロール」に注目するよりも、「血管の質」そのものに目を付ける方が理に適った分析だと思います。

 

 

動脈硬化を予防したい人は、コレステロールの心配をする前に、血管の質が悪くならないような生活を心がけた方が良いでしょう。

 

しかし、その為には、何故、血管の質が悪くなるのかについて知っておく必要があります。

 

 

まずは、コレステロールから頭を切り替える為に以下をお読み下さい。

 

 

『日本人よコレステロールを恐れるな / 著者:長谷川元治』より引用

 

「コレステロールが高い=動脈硬化」ではない。

 

 

みなさんが健康診断などを受けたとき、コレステロールが高いと、動脈硬化を起こしている(あるいは起こすおそれがある)と言われます。しかし、実はここに大きな落とし穴があるのです。

 

 

たとえば、高血圧かどうかを調べるときには血圧そのものを測定します。その結果、血圧の値が高かった人がすなわち高血圧ということになります。血圧が高いことを高血圧というのですから、これはあたりまえです。

 

 

ところが、動脈硬化の場合は違います。血管の病変であるにもかかわらず、血管そのものをなんらかの形で検査。測定するのではなく、血中コレステロールという“別のもの”を測って、間接的に診断を下しているにすぎません。

 

 

これば、血管そのものの状態を直接調べる簡易な検査法が少なく、行なう場合には特別な機器や技術が必要だったため、会社や地域の健康診断や人間ドックなどで実施しにくかったという事情もあるでしょう。

 

 

しかし、その結果、不幸なことに「コレステロールが高い=動脈硬化」という図式が世の中に浸透してしまいました。

 

 

本来、血中コレステロールが高いということは、血液中にコレステロールが多いという状態を示しているにすぎず、それ以上でも以下でもありません。

 

 

血管の状態そのものは調べていないのですから、動脈硬化かどうかはほんとうにはわからないはずです。にもかかわらず、わかったことにしている、つまり動脈硬化を起こしている(起こすおそれがある)とみなしているのが現在行なわれている検査・診断であるといえるでしょう。

 

 

実際には、コレステロールが高くても動脈硬化を起こさない例があり、逆にコレステロールが低くても動脈硬化を起こしている例も多いことがさまざまな研究・調査によって、また私自身の研究によっても明らかになっています。

 

 

(p37~38p)

 

 

こちらは、1998年に出版された本です。言うまでもありませんが、あの当時「動脈硬化はコレステロールが原因ではない」という説を唱えるのは凄いことです。

 

 

ですが、ここに書かれてある内容は、考えたら当たり前のことです。小学生でも分かる理屈ではないでしょうか。

 

 

しかし、みんなが「動脈硬化=コレステロール」と言うと、なんとなく「そうかな・・・」と思うようになるのです。

 

 

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動脈硬化の定義

 

動脈硬化が何かよく分かっていないと原因もわかりません。

 

 

なので、まず動脈硬化の定義をハッキリさせます。

 

 

血管の“しなやかに伸び、力強く復元する”という機能が失われる。

 

動脈硬化とは何かという問題を考えるとき、二つの側面からのアプローチがあります。

 

一つは“血管機能”の面から論じる場合、もう一つは“病理組織学”の面から検討した場合です。

 

このうち、血管機能の面から動脈硬化を論じるのは、実はそれほどむずかしいことではありません。一言で言えば、動脈が本体持っている「しなやかに伸び、力強く復元する」という機能が低下し、失われた状態を動脈硬化と呼ぶのです。

 

 

(中略)

 

 

正常な動脈、よい動脈とは何でしょうか。

 

 

医学的にいろいろな側面から表現することはできますが、要はこの“しなやかに伸び、力強く復元する”機能を維持しているということに尽きるでしょう。

 

 

動脈硬化を起こすと、血管はこのような機能を失ってしまいます。

 

 

実際、不幸にも亡くなられたかたがたの大動脈をとり出し、手で引っぱってみると、正常な血管は柔らかくて、よく伸びるのですが、動脈硬化を起こした血管はガチガチに硬く、まったく伸びません。

 

 

こうした状態では、動脈は血液を全身のすみずみまでつつがなく送り届けるという大事な役目を果たすことができなくなってしまいます。

 

 

(139p~142p)

 

 

機能的に良い動脈がどういう状態か分かったので、次は顕微鏡を使って病気の細胞と組織を検査する「病理組織学」から見た動脈硬化の定義をみていきます。

 

 

冒頭でも少し解説しましたが、動脈壁は、「内膜」、「中膜」、「外膜」の3つに分けられます。

 

 

 

 

この構造を頭に入れた上で続きをお読み下さい。

 

 

動脈硬化とは血管の組織が“病的老化”を起こした状態。

 

 

一方、病理組織学の面から見た場合はどうでしょうか。こちらは実はなかなかむずかしい問題なのですが、できるだけわかりやすく説明してみたいと思います。

 

 

動脈の血管壁の組織は、内膜、中膜、外膜という三つの層を重ね合わせた形でできています。

 

 

このうち、動脈硬化に関係が深いのは内膜と中膜(の内側半分)です。図23に正常な動脈の断面拡大図を示しました。

 

 

 

 

内膜は表面のタンパク膜、内皮細胞、内弾性板(エラスチン)から成り立っており、そのうちの内皮細胞は一層で構成されています。

 

 

中膜は平滑筋細胞を中心として、弾性繊維という太い線維性のタンパク質(エラスチン)、細い線維性のタンパク質(コラーゲン)、それらの間を埋めるしなやかなゼリー状、にわか状のタンパク成分(グリコサミノグリカンス、糖タンパク)によって構成されています。

 

 

動脈の「しなやかに伸び、力強く復元する」というすばらしい機能を担っているのはこれらの材料です。

 

 

エラスチンは平滑筋細胞の間に繊維状に分布しており、「しなやかに伸びる」という機能を専門に受け持っています。

 

 

一方、コラーゲンはエラスチンの要所、要所に密着して存在しており、「力強く復元する」という機能を受け持っています。細胞やゼリー状、にわか状のタンパク成分はこの二つの機能がスムーズに働くように、いわば手助けをします。

 

 

年をとるにつれて、これら動脈壁を構成する成分の形と質は徐々に劣化し、その機能もしだいに低下してきます。

 

 

したがって、結果として動脈は硬くなってきますが、そのとき“病的な成分”が発生していなければまだ「生理的老化」の段階であり、動脈硬化を起こしているとは言えません。

 

 

それに対して動脈壁に“病的な成分”が発生している場合を「病的老化」と呼び、私はこれをイコール動脈硬化と定義しています。

 

 

上の画像を参考に、「内膜」と「中膜」の構造をシンプルにしておきます。

 

まずは、「内膜」です。水色の部分は後で説明しますので、ここでは以下の名前を覚えて下さい。

 

 

 

 

 

 

次は「内膜」です。

 

 

 

 

 

 

それぞれの役割をまとめます。

 

 

  • エラスチン・・・「しなやかに伸びる」機能

 

  • コラーゲン・・・「力強く復元する」機能

 

  • 細胞・ゼリー状・にわか状のタンパク成分・・・2つの機能のサポート

 

 

 

年をとって、これらの成分、質、機能が低下したら、動脈は硬くなりますが、以下の違いがあります。

 

 

 

動脈壁に病的な成分が発生していない状態(動脈硬化を起こしていない)

 

 

動脈壁に病的な成分が発生している状態(動脈硬化と定義)

 

 

 

後者が「動脈硬化」です。

 

 

 

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動脈硬化のプロセス

 

 

定義がハッキリしたところで、次は動脈硬化になるプロセスです。

 

 

さっきの「アテローム性動脈硬化」のプロセスの説明では見られなかった話なので、楽しんで読んで下さい。

 

 

病的老化のプロセスを簡単に説明しましょう。図24―①、②をごらんになると、よりわかりやすいと思います。

 

 

 

 

まず細胞、生理的なエラスチン、コラーゲンが破壊され、形がくずれ、量的にも減少してきます。その間を埋めているゼリー状、にわか状のタンパク成分もやはり破壊され、量が減ってきます。

 

 

このとき、エラスチンは壊れるだけですが、コラーゲンはしだいに変性したものがつくられてきます。簡単にいうと、質のよいコラーゲンと悪いコラーゲンのうち、悪いコラーゲンがふえてくるのです。

 

 

それとともに病的なゼリー状、にわか状の成分も塊状にふえてきます。こうしたまったく機能をなさないさまざまな病的なタンパク質が増加するうちに、細胞は異常にふくれ上がり、のちに萎縮し、ついには消失して(死んで)しまいます。

 

 

そして、最後にこれらの現象に輪をかけるように、血管壁に大量のコレステロールやカルシウムが集まり、アテロームや石灰化が形成されるのです。

 

 

 

 

このように血管壁の組織を構成する主な成分が破壊され、減少、消失し、病的な成分が発生、増加した結果、動脈は本来持っている機能をついには失ってしまいます。

 

 

つまり、しなやかに伸びなくなり、力強く復元しなくなるのです。病理組織学の視点から論じた場合、動脈硬化はまさにこの病的老化が起きた時点をもって始まると言ってよいでしょう。

 

 

(143p~147p)

 

 

 

 

「病理組織学」の視点で見た動脈硬化のプロセスを簡単にまとめるとこうなります。

 

 

 

①エラスチン、コラーゲン、ゼリー状、にわか状のタンパク成分が破壊され形が崩れ、量が減少する

 

 

②変性したコラーゲンが増え、病的なゼリー状、にわか状の成分は塊状に増える

 

 

③病的なタンパク質の増加によって細胞が膨れ、萎縮、消失する

 

 

④血管壁に大量のコレステロールやカルシウムが集まる

 

 

⑤アテロームや石灰化が形成される

 

 

⑥動脈は本来持っている機能を失う

 

 

 

 

どうでしょう。

 

 

先に紹介した「アテローム性動脈硬化」になるプロセスとは、ちょっと違いますね。

 

 

一般的な「アテローム性動脈硬化」の説明は、動脈壁が傷つく様子を軽く触る程度で、その後の「コレステロールが~」ばかりを強調していました。

 

 

しかし、こちらの説明では、諸悪の根源である動脈壁の変性ぶりが丁寧に描写されています。私はここがミソだと思っています。

 

 

コレステロールと関係なく動脈の変性は起こるのです。

 

 

 

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動脈硬化になることで失われる機能

 

 

動脈硬化になると、どんな不都合な事が起こるのかみていきましょう。

 

 

血管は「栄養呼吸」を行なっています。

 

 

しかし、病的な老化(動脈硬化)をしたものは、その機能を失ってしまうのです。以下はその実験の様子です。

 

 

私達の体を構成する組織はすべからく、栄養分や酸素をとり入れて、かわりに浪費物を排出する「栄養呼吸」を行なっています。

 

 

動脈壁のように常に動きつづけている組織の場合には、なおさらこの栄養呼吸が非常に活発に行なわれていることが予想されます。もしそうでなければ、動脈壁の組織は疲労とエネルギー不足に陥って、伸び縮みを繰り返しつづける“激務”にはとても耐えきれないはずだからです。

 

 

では、動脈壁の組織の栄養呼吸はどのような仕組みになっているのでしょうか。実は、これが動脈硬化の発生する原因を知るうえで重要なポイントになります。私たちは次のような実験を行いました。

 

 

まず人間(や動物)の動脈組織を短く切ってとり出し、それを人工心臓を中心とした特殊な装置にとりつけます。

 

 

この装置は心臓の拍動や血液を生体同様に再現する仕組みになっており、作動させると脈動流が起きて、溶液が管腔の中に送り出され、動脈の口径は体内にあるときと同様に広がったり、元に戻ったりを繰り返します。このとき、動脈の組織に必要な栄養素をとかした液体(よく見えるように着色してある)を送り出して、どうなるかを観察してみたのです。

 

 

すると、正常な動脈(や生理的老化を起こしている動脈)では、口径が広がったときに溶液が血管壁の組織に十分に吸い込まれ、元に戻るときに溶液が吐き出されることが確認できました。血管壁の断面図でいうと、中膜組織の内側半分にまで深く溶液は出入りしています。

 

 

つまり、動脈壁はその伸び縮みに連動して、実に活発に栄養呼吸を繰り返していることがわかったわけです。心臓は1日に10~11万回は拍動しますから、動脈の栄養呼吸も同じ回数だけ行なわれていることになります。

 

 

では、動脈硬化=病的老化を起こしている動脈の場合はどうだったでしょうか。同様の実験を行なってみたところ、栄養液は血管壁の組織表面の浅いところに貯留して(たまって)しまい、そこから奥には入っていきませんでした。

 

 

つまり、栄養呼吸が障害されているか、ほとんど行なえなくなっていたのです。肺呼吸になぞらえて言うと、“浅く息を吸い、浅く息を吐く”といった、まるで呼吸困難に陥った重症の肺炎のような呼吸の仕方でした。

 

 

このような状態では動脈壁の組織は栄養不足に陥ってボロボロになっていくのは当然だと言えるでしょう。

 

 

病的な老化を起こしている動脈

 

 

栄養呼吸が障害される

 

 

血管が栄養不足でボロボロ

 

 

 

・・・悪循環ですね。

 

 

ところで、もう一度言いますが、この本は1998年、今から約20年前に書かれています。

 

 

従って、所々「LDLコレステロール=悪者」という当時の概念で話を展開されていますが、「LDLコレステロールは悪くない」と事実が分かる前なので、考慮して続きを読んで下さい。

 

 

さらに、私たちは着色した「LDLコレステロール」をとかした液を使って同様の実験を行なってみました。LDLコレステロールは俗に“悪玉コレステロール”と呼ばれ、動脈壁の中に侵入してアテロームをつくる原因となり、ひいては動脈硬化を引き起こす元凶であると一般には言われているものです。

 

 

実験の結果、正常な動脈では、LDLコレステロールはまったくといってよいほど血管壁の中には侵入できませんでした。もちろん栄養呼吸は活発に行なわれているのですが、LDLコレステロールは入っていきません。

 

 

それに対して、動脈硬化を起こしている血管では、LDLコレステロールがまるで土足で人の家に踏み込むように、血管壁の組織の中に侵入していったのです。しかも、組織内に入ったLDLコレステロールはそこに居ついてしまって、外に出てくることはありませんでした。

 

 

以上の結果をまとめてみますと、正常な動脈ではスムーズに栄養呼吸が行なわれており、必要な栄養素は組織の中にとり入れられますが、LDLコレステロールは侵入できません。つまり、必要な成分は入れて、害になる成分は撃退するという一種の「取捨選択機能」(バリア)が働いているわけです。

 

 

一方、動脈硬化=病的老化を起こしている動脈では栄養呼吸はほとんど行なわれておらず、必要な栄養素を組織内にとり入れることができませんが、逆にLDLコレステロールはどんどん侵入していきます。

 

 

つまり、動脈がもともと持っているはずの取捨選択機能が壊れているわけです。

 

 

(148p~151p)

 

 

 

 

血管壁の組織の中にLDLコレステロールが入るのは良くないそうです。この点は先ほどの「アテローム性動脈硬化」の説明と同じです。

 

 

内皮細胞の中に入ると酸化されてしまいますから。

 

 

でも、ふと思いました。

 

 

「血管壁の組織の中にLDLコレステロールが入るのは良くない」・・・と言うと「入らない方がいい物質=害」と考え、「やっぱりLDLコレステロールは悪いんだ」と結論づけてしまうかもしれません。

 

 

「悪玉」という概念があると、そういう発想につながりやすいです。

 

 

しかし、「入らない方が良い」からといって、必ずしもそれが「害」だからとは限りません。

 

 

例えば、「水」は体にとって必要です。

 

 

胃の中に入れば有益ですが、肺の中に入ったら有害です。「肺に入ると悪いから、水は体に悪い」・・・ということにはなりませんよね。

 

 

それと同じように、血管壁の組織の中に「LDLコレステロール」が入らないようになっている、または、入ったら都合が悪い現象が起きるのは、

 

 

単純に、「LDLコレステロールは血管壁の組織の中に機能的に相応しくないだけ」・・・ともとれるわけです。

 

 

従って、私は小型だろうが普通サイズだろうが、以下のように捉えています。

 

 

 

×  LDLコレステロール=有害成分

 

 

〇  LDLコレステロール=正常な血管壁の組織には不要成分

 

 

 

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タンパク成分の膜の存在

 

 

血液中を流れる「LDLコレステロール」が、内膜の内皮細胞の中に入ったら良くありません。

 

 

次は、血液に面している「内膜」の構造に焦点を当てます。

 

 

動脈壁の内膜の表面には「内皮細胞」がびっしり綺麗に並んでいます。

 

 

 

 

 

 

この「内皮細胞」が血液と触れている・・・と思われるかもしれませんが、そうでもないようです。

 

 

実は、「内皮細胞」の上にが存在しています。

 

 

血液に触れているのは「タンパク成分の膜」です。

 

 

 

私たちは「走査電子顕微鏡」という何千、何万倍という倍率で、しかも組織を立体的に見ることができる高性能の顕微鏡で、動物や人間の動脈をつぶさに観察しました。

 

 

その結果、動脈壁のいちばん内側、つまり血液と接している面にゼリー状、にわか状のタンパク成分(グリコサミノグリカンス、糖タンパク)でできた「膜」を発見しました。

 

 

(中略)

 

 

私たちがこの膜を発見したのは、動物実験がきっかけでした。

 

 

麻酔をしたウサギの心臓が拍動しているうちに、ごくわずかの固定液を血液中に流します。

 

 

そして、走査電子顕微鏡で動脈の組織を観察したところ、明らかに内皮細胞群の直上に膜が一面一様に存在することを確認できたのです。内皮細胞が無数に並んでいる様子を拡大してみると、まるで“キャベツ畑”のようですが、この膜はあたかも霜などの害からキャベツを守るために張られたビニールシートのようにも見えます。

 

 

その後、固定液の用い方など、実験や観察の方法にさらに工夫を重ね、他の動物や人間のいろいろな動脈の血管壁にも同様の膜が存在することを突き止めました。

 

 

(中略)

 

 

しかも、その後の研究で、タンパク膜は動脈壁の表面だけでなく、組織内のすみずみにまで張りめぐらされていることもわかりました。

 

 

先に述べた平滑筋細胞やエラスチン、コラーゲンなどの間を埋めるしなやかなゼリー状、にわか状のタンパク成分が、こうした膜の働きをつかさどっているのです。

 

 

この膜がかなり重要な役割をするのです。

 

 

しかし、「タンパク成分の膜が存在している」とハッキリと書かれている本がある一方で、「血液に触れているのは内皮細胞である」とタンパク膜がなかったかのように書かれている情報源があります。どちらかというとこちらの方が多いです。例えば、

 

 

『一生切れない、詰まらない「強い血管」をつくる本 著者:島田 和幸』より引用

 

 

内皮細胞の“バリア機能”と“活性化機能”

 

 

血管病のメカニズムを知ると、血圧や血糖値、LDLコレステロール値が高い人は、「このままでは危ないかも・・・」と不安な気分になってしまうかもしれません。

 

 

しかし、血管は、若返りが可能な器官です。

 

 

疲れて老化しかけた血管も、セルフケアで強くよみがえらせることができ、それによって怖い血管病も防げるのです!

 

 

その生まれ変わりのカギを握るのが、“内皮細胞”です。

 

 

血管壁の最も内側に位置する内皮細胞は、一層の細胞だけが並ぶ薄い層ですが、血管内腔(血管の内側の空洞)との境にあるので、血管内を流れる血液につねに接しています。

 

 

そのため、血液と血管壁の仲介者のような役割を持ち、血管を守り、強くするよう働いているのです。

 

 

バリア機能は「防壁機能」とも呼べるもので、血液中に存在する成分が血管壁内に侵入するのを防いでいます。

 

 

血液の循環を川の流れにたとえると、内皮細胞は、川の水があふれないように保ち、よどみない流れを促す堤防のようなものです。

 

 

一方、活性化機能は、内皮細胞自身が作る物質に関係しています。

 

 

内皮細胞は、防壁となって血管壁を守るだけでなく、血管を健康に保つための物質を自らが生み出し、活用しているのです。

 

 

そのおもな物質が“NO(一酸化窒素)”です。NOは排気ガスにも含まれていますが、人の体内で生み出されるNOはとても良い働きをします。

 

 

その驚くべき作用を発見した研究者はノーベル賞をもらったほどです。

 

 

内皮細胞から生まれたNOは血管壁に良い刺激を与え、血管壁を広げるよう働きます。すると、血圧が下がり、血管の負担が減ってきます。

 

 

また、NOが血液中に放出されると、血液がかたまりにくくなり、脳梗塞や心筋梗塞の引き金になる血栓(血のかたまり)ができにくくなります。

 

 

そのため、内皮細胞がイキイキしていると、血管自体も若さと強さを保てます。

 

 

逆に、内皮細胞が疲れていると、本来の役割を果たせなくなり、血管の老化が早まって、40代や50代でも血管病に襲われてしまうのです。

 

 

つまり、内皮細胞をどうケアするかが、血管ケアの最大のカギとなるのです。

 

 

違いをまとめてみます。

 

 

 

  • 内皮細胞は血液に常に接していると書かれている

 

  • 「バリア機能」の事には触れるが「タンパク成分の膜」は触れない

 

  • 「活性化機能」について書かれている

 

 

 

気になるのは、「タンパク成分の膜」について触れられていない事です。他にもネットや本を色々探したのですが、どの情報にも書かれていません。

 

 

その後、「膜の名前が変わった」のか、「やっぱり膜はなかったことになった」のかは分かりませんが、「内皮細胞は血液に接している」というものばかりです。

 

 

 

長谷川氏の本には、私たちは発見したと、

 

 

「その後、固定液の用い方など、実験や観察の方法にさらに工夫を重ね、他の動物や人間のいろいろな動脈の血管壁にも同様の膜が存在することを突き止めました。」

 

 

・・・と、膜が存在していると具体的に書いてあるので、何故その他の情報に、「タンパク成分の膜」のことが記されていないのか不思議です。

 

 

しかも、「図23 正常な動脈壁の断面拡大図」には膜がハッキリと描かれています。

 

 

スッキリしませんが、先に進みます。

 

 

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タンパク膜の役割

 

再び長谷川氏の話に戻ります。

 

 

「タンパク成分の膜」が存在していて、どういう役割を果たしているのかをみていきます。

 

 

動脈というと堅固なゴムチューブのようなものを思い浮かべがちですが、実は拡大して見ると動脈壁の組織はスポンジのような構造になっており、無数の微小な管孔(通路)が動脈内腔(血液と接する部分)に開口しています。

 

 

栄養素などの血液成分はこの微小管孔を通って動脈壁組織の奥深くまで入っていくのですが、管孔(かんこう)の開口部も内側もすべて取捨選択機能を持ったゼリー状、にわか状のタンパク膜でおおわれており、そこでもまた、こまかな栄養呼吸が行なわれているのです。

 

 

これら動脈壁内外のタンパク膜が正常でしっかりしていれば、動脈壁の栄養呼吸はスムーズに行なわれ、必要な栄養分はとり入れられて、かわりに老廃物は排出されます。また、LDLコレステロールなどの有害な成分はシャットアウトされます。

 

 

逆に膜の質が悪くなったり、あるいは壊れたりすると動脈壁の栄養呼吸は十分に行なわれず、必要な栄養分がとり入れられなくなり、老廃物もきちんと排出できなくなります。

 

 

その結果、動脈壁の組織は栄養不足に陥ってボロボロになり、さらにはLDLコレステロールなどの有害成分も侵入してくるのです。

 

 

 

タンパク膜の役割です。

 

 

  • 栄養呼吸(栄養を取り込み、老廃物を排出)

 

  • 不要成分をシャットアウトするバリア機能

 

 

情報源によって、ところどころ食い違いますが、血管壁が「不要な成分をシャットアウトするバリア機能」を持っていることは確かです。

 

 

 

sdLDLコレステロールが酸化される場所

 

 

「バリア機能」は重要です。

 

 

100歩譲って「sd(小型)LDLコレステロール」が悪かったとしても、膜の不具合(バリア機能に問題)がなければ中に入れないので問題はないようです。

 

 

何故なら、「小型LDLコレステロール」は、血液内で酸化されるのではなく、膜に入った後で酸化されるからです。

 

 

以下の動画の0:37でも、酸化は動脈壁の内部の化学反応で起こると説明されています。その部分を文字起こししてみました。

 

 

コレステロール、脂肪、細胞はいきせい生物など、血中内を移動する物質は動脈壁の損傷領域の内部で蓄積します。

 

蓄積した物質内で起こる化学反応によりコレステロール分子は酸化されます。

 

 

 

動画がこちらです。

 

 

 

 

 

 

極端に言えば、膜がきちんと機能していて、動脈壁に入らなければ酸化されないので、血液の中に「小型LDLコレステロール」が多かろうが少なかろうが問題はありません。

 

 

少なくとも、理論上はそういう事になります。

 

 

 

(膜があると守られているので、LDLも単球も中には入れない)

 

 

 

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電気化学的な面から見た動脈硬化

 

 

余計なものが中に入らないように守ってくれている「タンパク成分の膜」ですが、どうやって不要な成分をシャットアウトしているのか、もしこれが壊れたらどうなるのかを、みていきます。

 

 

少し話がむずかしくなりますが、動脈硬化の発生・進行を電気化学的な面から説明してみましょう。

 

 

赤血球や白血球、リンパ球、血小板をはじめ、LDLコレステロールなどの有害成分も含めて、すべての血液の有形成分はマイナスの電気を帯びています。

 

 

一方、動脈壁のタンパク膜は正常な状態では電気的にはほとんどゼロ、つまりプラスもマイナスも帯びていない状態です。

 

 

したがって、血液中の成分と動脈壁のタンパク膜とは電気的にお互いに反発し合うので、くっつくことはありません。

 

 

ところが、このタンパク膜は質が悪くなったり、壊れたりすると、急速にプラスに荷電してくるのです。

 

 

そうなると、マイナス電気を帯びている血液成分とお互いに引き合うようになりますから、それらの成分がタンパク膜の表面に集まってきて、たくさんくっついてしまいます。

 

 

こうした状態がつづくと、いろいろな余計な成分が膜の上に蓄積し、さらに病的なコラーゲンなども膜の上に雑草のように生えてきて、やがて厚くて硬い層ができ上がります。

 

 

タンパク膜や内皮細胞はその下にいわば“生き埋め”になってしまうわけですから窒息状態になり、破壊され、ついには消失してしまいます。

 

 

そして、膜の消失した部分から分子量の小さいLDLコレステロールなどの有害な成分がどんどん動脈壁の中に入り込むようになるのです。

 

 

 

電気の状態を図にしてみました。

 

 

 

 

 

 

つまり、こういうことです。

 

 

 

①左の「正常な膜」だと血液中の成分はくっつかない

 

 

②膜が劣化すると、膜と血液中の成分はくっつく

 

 

③余計な成分が膜の上に蓄積する

 

 

④タンパク膜や内皮細胞は、窒息、破壊、消失する

 

 

⑤壊れたところから分子量の小さいLDLコレステロールが侵入

 

 

 

 

ただし、この電荷の話は分からないことが多いです。

 

 

「血液中の成分の電荷」と「動脈壁の電荷」について色々調べていたらこんな話もありました。

 

 

『CRCグループ リポ蛋白分画の検査法の違いを教えてください。』より引用

 

 

また、リポ蛋白はその表面に存在するアポ蛋白のアミノ酸残基を反映して陰性に荷電しています。

 

この陰性荷電はLDL、VLDL、HDLの順に増加し、CMはほとんど荷電が認められません。

 

 

 

「LDLコレステロール」は他のリポタンパクに比べてあまり陰性に荷電していない・・・ともとれます。

 

 

で、悪玉である「LDLコレステロール」より、善玉である「HDLコレステロール」の方が陰性が強いということは、善玉は正常なタンパク膜にくっつきにくい・・・ということになります。

 

 

でも膜が劣化してプラスに変わったらくっつきます。

 

 

 

そして、以下は間逆です。

 

 

『脂質異常症(高脂血症)』より引用

 

 

LDLはプラスに荷電している。

 

 

一方、平滑筋細胞や内皮細胞において産生される糖タンパクであるプロテオグリカンはかなり強くマイナスに荷電している(プロテオグリカンは細胞外基質である)。

 

 

プラスに荷電したLDLがマイナスに荷電したプロテオグリカン(糖鎖の部位)に引き付けられるように強固に結合すると、LDLの構成タンパクであるApo-Bタンパクは構造変化して血管壁から外へ出ることはない。

 

 

なんと、いきなり「LDLはプラスに荷電している」・・・ときました。

 

 

そうすると「正常なタンパク膜(ほどんどゼロ)」の時より、「劣化したタンパク膜(プラス)」の時の方が反発してよりくっつきにくくなる気がします。

 

 

しかし、ちょっと気になったのが、以下の部分です。

 

 

 

>平滑筋細胞や内皮細胞において産生される糖タンパクであるプロテオグリカンはかなり強くマイナスに荷電している(プロテオグリカンは細胞外基質である)。

 

 

 

「プロテオグリカン」・・・

 

 

内皮細胞の上にある「たんぱく成分の膜」膜は、「グリコサミノグリカンス、糖タンパクで出来た膜」と説明がありました。

 

 

一応「グルコサミノグリカンス」と「プロテオグリカン」について調べてみました。

 

 

『グリコサミノグリカン wikipedia』より引用

 

グリコサミノグリカン(glycosaminoglycan)は、長鎖の通常枝分れがみられない多糖。動物の結合組織を中心にあらゆる組織に普遍的に存在する。狭義のムコ多糖。GAGと略される。

 

 

硫酸基が付加した2糖の繰り返し構造からなる。

 

 

うち1つはアミノ糖(ガラクトサミン、グルコサミン)であり、もう1つはウロン酸(グルクロン酸、イズロン酸)またはガラクトースである。

 

 

多数の硫酸基とカルボキシル基を持つために、強く負に帯電している。

 

 

多くのグリコサミノグリカンは、プロテオグリカンとしてコアタンパク質と呼ばれる核となるタンパク質に付加した形で存在している。唯一の例外は、ヒアルロン酸であり、プロテオグリカンとしては存在していない。

 

 

「グルコサミノグリカンス」は強く負に帯電しているとのことです。

 

 

『プロテオグリカン wikipedia』より引用

 

プロテオグリカンは、動物成分の多糖類(グリコサミノグリカン:glycosaminoglycan)の研究中に見つけ出された成分である。

 

 

グリコサミノグリカンとしては、ヒアルロン酸や軟骨から分離されたコンドロイチン硫酸(1889)などが有名であるが、これらのグリコサミノグリカンの構造解析を行っている中で、1970年にグリコサミノグリカンとコアタンパク質(CoreProtein)が一定の結合様式で結合した糖タンパク質が発見され、プロテオグリカンと命名された。

 

 

イマイチ何が言いたいのかよく分からない説明ですが、

 

 

グルコサミノグリカン + タンパク質 = プロテオグリカン

 

 

・・・ということなので、「プロテオグリカン」とは、「タンパク膜」のことを指しているのでしょう。ハッキリ「膜」と言えばいいのにと思います。

 

それを踏まえた上で、以下の部分をもう一度読みます。

 

 

>平滑筋細胞や内皮細胞において産生される糖タンパクであるプロテオグリカンはかなり強くマイナスに荷電している(プロテオグリカンは細胞外基質である)。

 

 

「グルコサミノグリカン」が強く負に帯電しているので、この「プロテオグリカン」は強くマイナス・・・ということだと思うのですが、

 

 

そうすると、最初に紹介した「グルコサミノグリカンスと糖タンパクでできているタンパク膜は、電気的にほとんどゼロ」という話と食い違います。

 

 

混乱してきたので図にします。

 

 

「正常な膜」を「ほとんどゼロ」から「マイナス」に、血液中の成分の中の「LDLコレステロール」だけを「マイナス」から「プラス」に変えると、

 

 

「血液中の成分」と「タンパク成分の膜」がくっつくか、くっつかないかの話が、先ほどと違ってきます。

 

 

 

 

仮に正常な「タンパク膜」が強いマイナスと過程して、さらに、「LDLコレステロール」もプラスと仮定したら、「LDLコレステロール」と正常な「タンパク膜」はくっつきます。

 

 

でも、「タンパク膜」が劣化してプラスになれば、「LDLがコレステロール」がプラスだった場合は反発することになります。

 

 

膜が傷ついていても「LDLコレステロール」が中に入りにくいことになります。

 

 

どっちが本当なのかよく分からないですね。

 

 

検証のしようがないので、とりあえず「電荷」の件は保留にします。

 

 

 

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カルシウムによる石灰化

 

 

タンパク成分の膜が壊れると問題が起こります。

 

 

その一つが、組織の「石灰化」です。

 

 

もう一つ、ここでたいへん興味深い現象が起きることがあります。台風などで河川の堤防が決壊すると、そのときは本格的な修理をしている余裕などはありませんから、応急処置として破壊された部分に砂袋などを積み重ねます。

 

 

実はこれと似たようなことが動脈の組織で起きるのです。

 

 

タンパク膜の質が悪くなって動脈壁が栄養不足に陥ると、組織を構成している重要な成分であるエラスチンやコラーゲンの新陳代謝も低下し、作り替えが行なわれなくなって、やがては壊れて量が減ってきます。すると、組織はあわてて手近にある他の材料で代用して、このすき間を埋めようとするのです。

 

 

その代用品がカルシウムです。

 

 

血液中のカルシウムイオンが組織内にとり込まれて、リン酸カルシウムとなり、エラスチンやコラーゲンがあった場所を埋めるのに使われてしまいます。動脈硬化が進行すると、組織の石灰化(リン酸カルシウムの沈着)が見られるのは、こうした理由からなのです(146ページ・図24―②参照)。

 

 

このように、動脈硬化が起きるそもそもの原因は、動脈壁内外に存在するタンパク膜の形態や機能が悪くなることにほかなりません。

 

 

動脈硬化を引き起こす“主役”はこのタンパク膜の変性や破壊であり、コレステロールやカルシウムも関係はしていますが、あくまでも途中から加わる“脇役”にすぎないのです。

 

 

タンパク膜の変性がなぜ起きるのかについては現在研究中ですが、遺伝的素因にさまざまな要因が加わって生じるものと思われます。

 

 

したがって、血中のコレステロール濃度がどんなに高くても、膜が正常である限り動脈硬化は発生せず、LDLコレステロールが動脈壁にくっついたり侵入したりすることもありません。逆に血中のコレステロール濃度が低くても、膜の質が悪くなれば動脈硬化は発生し、LDLコレステロールも動脈壁にくっついたり侵入したりするのです。

 

 

これは、高脂血症でも動脈硬化を起こさない例がたくさんあり、逆にコレステロール値が低くても動脈硬化を起こす人が非常に多いという、これまでに多くの臨床研究で得られている結果とも一致しています。

 

 

(151~158p)

 

 

動脈硬化の原因ですが、

 

 

>動脈硬化を引き起こす“主役”はこのタンパク膜の変性や破壊であり、コレステロールやカルシウムも関係はしていますが、あくまでも途中から加わる“脇役”にすぎないのです。

 

 

とあります。

 

 

 

これが答えです。

 

 

つまり、動脈硬化を根本的に防ぐには、タンパク膜の変性や破壊を防がなければならないというわけです。カルシウム対策は二の次ということです。

 

 

しかし、

 

 

>タンパク膜の変性がなぜ起きるのかについては現在研究中ですが

 

 

・・・とあるように、「変性の具体的な原因」までは、この時点で判明していないようです。

 

 

先ほども言ったように、ネットや本で調べても、書かれているのは、文章、イラスト共に動脈壁の「内皮細胞」までで、その上の「タンパク膜」について触れられていません。

 

 

そして、動脈硬化の説明は、「膜が壊れたところ」からスタートしているので、膜が変性する具体的な理由も見つかりませんでした。

 

 

「タバコ」、「ストレス」、「老化」、「何らかの原因で...」・・・とかなり曖昧です。

 

 

なので、私が「タンパク膜」が変性してしまう理由についてお話します。

 

 

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タンパク質の変性

 

 

タンパク質はデリケートな分子です。従って、何かの「影響」によって、立体構造が変化し、性質が変わってしまうのです。

 

 

これを「タンパク質の変性」と言います。

 

 

「影響」とは、例えば、加熱、攪拌、酸、アルカリ、尿素などです。

 

 

そして、「糖質」もタンパク質を変性させます。これを「糖化反応」と言います。

 

 

変性の原因の中でも大きいのが「糖化反応による変性」です。その理由は、あらゆる有害物質の中で「糖質」が最も取り込む量が多いからです。

 

 

「糖質」は血管に炎症を起こす原因にもなりますが、体のタンパク質を変性させる原因にもなります。

 

 

で、「タンパク成分の膜」ですから、当然糖化対象でしょう。さらに言えば「エラスチン」と「コラーゲン」と「細胞」もタンパク質ですから、糖化対象です。

 

 

糖質をバクバク食べていれば、血管を構成するタンパク質は糖化します。

 

 

だから、動脈硬化ではなく「動脈糖化」です。

 

 

私は長年糖質過多だったので、糖化によって体がボロボロになりました。その為、多くの人に糖化の危険性について知ってもらいたいと思っているのですが、現代の医療関係者でも「糖化」にはほとんど触れません。

 

 

この本が出版された1998年は、「糖化」という概念は広がっていませんでした。だから、「タンパク膜」が変性する可能性として「糖化」は考え付かなかったのだと思います。

 

 

しかし、この本に「糖化」という単語はでてきませんが、それを思わせる記述がいくつも書いてありました。

 

 

「糖化によって「タンパク膜」が変性破壊された」・・・と考えれば整合性がとれます。

 

 

糖質を大量に食べている人なら、「糖化」が起きても不思議ではないのです。

 

 

「糖化反応」は血管だけに起こるわけではありません。関節、肌、内臓、卵子・・・等、全身に起こります。症状は一見「老化」に似ています。具体的にどうなるか知りたい方は以下の記事をお読み下さい。

 

 

糖化反応(メイラード反応)について分かりやすく説明してみた

 

 

ちなみに血液検査で測る「ヘモグロビンA1c」ですが、あれは、タンパク質である「ヘモグロビン」に糖がどれぐらいくっついているかを測っているのです。糖質は、血管だけでなく、血液成分にも影響を与えるのです。

 

 

 

動脈硬化の対策

 

 

動脈硬化の一番の予防は、体のタンパク質を変性させたり、炎症の原因になる「糖質」を控えることです。

 

 

その上で、既にバリア機能のあるタンパク膜が壊れている人は、「小型LDLコレステロール」を減らす努力も必要です。

 

 

「酸化」と「糖化」を防ぐ為に...

 

 

『AGEエージーイー牧田クリニック AGEとは?』より引用

 

 

AGEは2つの仕組みで、アテロームによる動脈硬化を進行させます。

 

 

動脈硬化の最初の引き金になるのは、血液中に増えすぎた悪玉コレステロールの血管への蓄積です。

 

 

血管に蓄積した悪玉コレステロールは、AGEによる悪玉修飾を受けます。悪玉修飾を受けた悪玉コレステロールは、処理をするために出動したマクロファージに摂り込まれて「泡沫細胞」となります。この泡沫細胞がアテロームをつくったり、動脈の内側を厚くしたりするのです。これが第1の仕組みです。

 

 

もう1つ、AGEには血管に対する直接的な悪影響もあります。

 

 

血管の内側にある「血管内皮細胞」には、AGEをキャッチするアンテナ(受容体)があります。この受容体にAGEが結合すると、動脈硬化を進め炎症反応がおこります。

 

 

AGEとは「終末糖化産物」の事です。

 

 

AGE(終末糖化産物)について分かりやすく説明してみた

 

 

 

そして、もう一つ大事なことがあります。

 

それは、タンパク質を増やす事です。その根拠が以下になります。

 

 

 

ご存じのように、生体の臓器や器官はすべてタンパク質でできていますが、このタンパク質を合成しているのは臓器や器官に存在する細胞です。

 

 

動脈壁の組織においても、細胞は栄養呼吸によってとり入れられた栄養分に養われながらタンパク質を合成し、日々新陳代謝を営んでいます。

 

 

血管の構造や機能を正常に保つためには、こうした細胞による新しいタンパク質の合成が活発に行なわれ、老化や障害を起こしたタンパク質との交換がきちんと行なわれていることが必要です。

 

 

さらに注目すべきなのは、栄養呼吸をつかさどっている動脈壁内外のタンパク膜自体も動脈壁の細胞によって合成されているという点です。

 

 

動脈硬化を防ぐためには、このタンパク膜の新陳代謝がスムーズに行なわれ、常にリフレッシュされていることがいちばん重要となります。

 

 

(179~180p)

 

 

タンパク質は体の材料なので、体の修復の為には、絶対必要です。

 

 

今回紹介した長谷川氏の本ですが、1998年の時点で、コレステロールと動脈硬化は関係ない事、糖質を減らした方が良い事を述べられています。

 

 

それだけでなく、中高年が肉を減らすのは大間違い、タンパク質+脂質の割合を50%ぐらいにはした方が良いとも言われています。

 

 

当時の私が読んだら「何言ってんの?」と思ったでしょうが、今考えると糖質制限の概念もなかったこの時代に、このような主張をするのは凄いと思います。

 

 

長谷川氏は、血管を研究する人なので、動脈硬化の「血管の状態」を詳しく述べられていてとても参考になりました。

 

 

現在、動脈硬化を研究している学者には、大きく分けて三つのグループがあります。

 

 

一つは、主に血液を研究しているグループで、簡単にいうと、血液中に含まれる成分やその作用などを明らかにすることによって、動脈硬化の原因を突き止めようとしています。

 

 

血液に含まれる成分を研究するのがいわば本職で、得意分野ですから、その成分の一つである血中コレステロールに注目しがちな傾向があります。「コレステロール元凶説」を唱える学者の多くは、このグループの人たちです。

 

 

二つ目は、血管壁の表面の細胞(内皮細胞)や組織内の細胞(平滑筋細胞)をとり出して培養し、その生態や病態を観察・研究するグループです。

ただし、この場合も主としてウサギの細胞を実験の対象としており、病態をつくり出すためにはコレステロールなどを負荷する方法が用いられます。結局は、一つ目のグループの研究と連動していることが多く、「コレステロール元凶説」を裏づけることをその研究の目的としていると言ってよいでしょう。

 

 

三つ目は、主に血管そのものを研究しているグループです。血管を構成している材料、血管の状態や働きなどを検討することによって、動脈硬化の原因をさぐっていきます。私自身はこちらのグループに入るでしょう。

 

 

問題は、現状では前の二つのグループのほうが圧倒的に人数が多いということです。

 

 

血液研究グループ+細胞培養研究グループが9・5に対して、血管研究グループは0・5ぐらいの割合でしょうか。

 

 

そのため、どうしても血液研究グループや細胞培養研究グループのほうが力も強く、声も大きくなりがちで、「コレステロール元凶説」が有力になったという背景もあるのです。

 

 

(43~44p)

 

 

20年近く経っているので、現在の状況は分かりませんが、貴重な、血管そのものを研究しているグループに属する人の意見です。

 

 

長くなるので、最初は要約しようかと思ったのですが、私が分かったような事を言うよりも、直接血管を観察している人の主張をそのまま紹介した方が説得力があるので、引用をメインにしました。

 

 

改めて動脈硬化の原因について考える

 

 

本気で動脈硬化を避けたいのであれば、血管を傷つけない事、その原因になる糖質の量に気をつけることです。

 

 

しかし、動脈硬化の原因を探していると、内皮細胞が傷つくのは、高血圧、糖尿病、喫煙、ストレス・・・とサラッと流し、コレステロールの小難しい話に突入します。判で押したようにこのパターンが多いです。

 

 

 

コレステロールが悪い

 

 

悪玉LDLが悪い

 

 

小型LDLが悪い

 

 

 

・・・と、コレステロールに関しては細かい話をするくせに、肝心なところにダメージを与えるであろう「糖質が与える影響」についてはほぼ無視です。

 

 

糖尿病、高血圧・・・ときたら、もう一歩踏み込んで「糖質」をあげないとおかしいわけです。コレステロールを追求する時の勢いと違います。

 

 

ちなみに、90%の人がなる「本態性高血圧」は糖質が原因です。

 

 

血圧と、本態性高血圧の原因について分かりやすく説明してみた

 

 

コレステロールを下げる薬を飲んでいる人は多いようですが、根本的な原因である血管を傷つける糖質をバクバク食べていたら、血管はボロボロになります。

 

 

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