お知らせ

 

 

私達は憲法によって言論の自由が守られているので、

食や健康等の問題を主張する事ができます。

 

 

 

 

元々憲法改正賛成派だった人の解説です。

 

 

 

 

谷本議員と一緒に飛行機を降ろされたもう一人の人物・高橋清隆氏について

 

 

 

谷本議員らがノーマスクで強制降機! 釧路空港のエアドゥ機、「憲法違反を公然と行う航空各社への行政指導を国交省に求める」

 

 

一緒に飛行機を降ろされた反ジャーナリスト高橋清隆氏による、谷本誠一議員のインタビュー動画です。

 

 

 

 

 

身近な人が被害に合った時の為に

とりあえずブックマークをお願いします。

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:調査
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高血圧には種類あります。

 

 

 

1つは、「他の疾患」や「薬剤」や「ホルモン分泌異常」が原因で起こる「二次性高血圧 にじせい・こうけつあつ」。

 

 

 

そしてもう1つは、原因がハッキリしない「本態性高血圧 ほんたいせい・こうけつあつ」です。

 

 

 

  • 二次性高血圧・・・原因がハッキリしている

 

 

  • 本態性高血圧・・・原因不明

 

 

 

本記事で取り上げるのは、後者の「本態性高血圧」です。なんと、高血圧になる人の90%がこちらだそうです。

 

 

 

つまり、一般論では高血圧の90%は原因がよく分かっていない・・・と、いうことになります。

 

 

一般論にそう言われると、それだけで「高血圧」は凄く難しい事のような気がしてきます。

 

 

 

私も情報が偏るのは嫌なので、「一般的な説」も、「一般的じゃない説」も満遍なく紹介したいと思ったのですが、さすがに「90%が分かっていない」となると話は別です。「分かっていない状態で述べられた一般論」は、あてにはなりませんから。

 

 

 

従って、前回の記事では、以下のような「一般的ではない血圧の説」を主にご紹介しました。

 

 

血圧が高いほど健康で長生きできる!原因を根本的に間違えている高血圧の食事や治療

 

 

内容を要約すると以下の通りです。

 

 

  • 塩分と血圧は関係ない

 

  • 高血圧には糖質制限が効果的

 

  • 歳をとって高血圧になるのは健康

 

 

世間一般で言われている事と間逆なので、これを読まれた方は驚かれたと思います。

 

 

しかし、私が調べたところ、これらの説は、「どれが正しい」という以前に、どの説も非常にシンプルに感じられました。そして、「原因がわからないようなもの」ではありませんでした。例えば、

 

 

 

  • 健康であれば、「摂りすぎた塩分」を排出することができるので塩分で高血圧にはならない

 

  • 血圧が歳とともに高くなるのは、血液を送り出す必要があるからで、自然である

 

 

 

・・・等、どれも非常に理にかなった仕組みです。

 

 

これを難しく複雑に語る方が逆に難しいと言えます。それなのに、頭の良い人たちが「分かっていない」ということらしいです。

 

 

ここでもう一度、前回引用した「高血圧の原因が分かっていない」という記事を読んでみて下さい。

 

 

『ナースが教える仕事術 動脈硬化になると大変!知らないと怖い高血圧の症状と血圧を下げる方法』より引用

 

 

 

では、高血圧は何が原因で発生するのでしょうか?

 

高血圧の原因は「塩分」!?
実は高血圧の90%は原因がよくわかっていません。

 

「本態性高血圧」は、身体に特に異常がないのに血圧が高くなる症状です。実は本態性高血圧で高血圧になる方は、全体の90%だといわれています。

 

そして、残りの10%は「二次性高血圧」と呼ばれ、腎臓病やホルモン異常などの病気が原因で高血圧になる方です。ただ、「二次性高血圧」の場合は、原因となる病気が治ると、血圧も正常になります。

 

というわけで、厄介なのは原因が不明な「本態性高血圧」です。何しろ、原因が不明なんです。

 

 

このようにハッキリと、「本態性高血圧」は原因がわからないと書いてあります。

 

 

 

なので、本当に血圧の仕組みが複雑難解なのかどうか調べてみました。

 

 

通常は、「重要だと思った部分」をそのまま引用させていただくのですが、今回はよりシンプルな説明にしたいので、参考にさせていただいた記事の中から、私が学んで「分かりやすい」と思った箇所を、私なりに整理してお伝えします。参考先は以下になります。

 

 

低糖質ダイエットは危険なのか?中年おやじドクターの実践検証結果報告 糖質制限ダイエットで高血圧が治せる理由

 

 

【荒木式】高血圧克服プログラム~薬もキツイ運動もやめられた画期的な治療法~

 

 

 

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血圧とは

 

「血液が血管の壁を押す力」を、血圧と言います。

 

「血液が血管を押す力が強くなること」を、血圧が上がると言います。

 

 

 

圧力が上下する理由

 

血管が以下の様な状態によって、血圧は上下します。

 

 

 

  • 硬さ・・・血管の壁が硬い

 

  • 太さ・・・血管が狭い

 

  • 長さ・・・血管が長い

 

 

 

これら3つのうち、血圧に大きく関係しているのは、「血管の硬さ」と「血管の太さ」だそうです。

 

 

「血管の長さ」は関係ないみたいです。血管は伸び縮みしないので、長さが変化しない以上、それによる血圧変化もないという事です。

 

 

シンプルですね。

 

 

  • 血管が柔らかく、広く、短い  → 血圧は低くなる

 

  • 血管が硬く、狭く、長い    → 血圧は高くなる

 

 

これもまたシンプルです。複雑な事は一つもありません。

 

 

 

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血圧が上がる原因

 

 

血圧が上がる原因は色々あります。

 

 

 

血管の状態が原因

 

 

  • 血管の壁が硬くなる(動脈硬化)
  • 血管が狭くなる(血管狭窄)

 

 

 

その他の原因

 

 

  • 体質が酸性になる
  • インスリン抵抗性になる ※インスリンが正常に働かなくなった状態

 

 

 

 

血管の状態が原因の高血圧

 

 

血管の状態が硬くなったり、狭くなったりする事で血圧は上がります。しかし、血管が硬くなったり、狭くなったりするのは理由があります。それが「動脈硬化」や、「血管狭窄 きょうさく」です。

 

 

動脈硬化の原因

 

まず、血管が硬くなる(動脈硬化)原因ですが、一般的に言われているように「コレステロールが原因」ではありません。

 

「余った糖」と「体のタンパク質」が結びつく事によって起こる糖化反応が動脈硬化の真の原因です。

 

糖化反応(メイラード反応)について分かりやすく説明してみた

 

 

糖化によって体のタンパク質は劣化します。血管もタンパク質で出来ていますから、糖化によって劣化します。

 

血管の糖化のイメージとしては、血管が砂糖漬けになって脆くなった姿を想像していただければと思います。

 

 

動脈硬化については、詳しくは以下の記事をご覧下さい。コレステロールではなく、血管そのものに焦点を当てて説明しています。

 

動脈硬化は悪玉コレステロールではなく、動脈壁の劣化が原因だった

 

 

 

血管狭窄の原因

 

 

続いて、血管が細くなる(血管狭窄)原因ですが、一般論では「コレステロールが付くから血管が細くなる」ということになっています。

 

 

確かに、「血管が細くなった箇所」を摘出して確認すると、コレステロールもあるそうです。

 

 

しかし、それ以上に圧倒的に多いのが「血小板」と「白血球」だそうです。

 

 

どういうことか説明します。

 

 

血液は、液体部分である「血しょう」と、血球である「赤血球」「白血球」「血小板」に分けられます。

 

 

 

 

血管が細くなった所に集まる「白血球」と「血小板」は、傷口を塞いだり、バイ菌の侵入を防ぐ役割を果たしている成分です。

 

 

これらの成分が「血管が狭くなっている所」に集中している・・・ということは、その部分が傷の修復が必要だったという事になります。

 

 

つまり、傷があったから、「血小板」や「白血球」が集まっていたのです。従って、傷などなければ、これらはそこにはいません。

 

 

 

 

何らかの原因で傷ができる

 

 

傷口に「白血球」や「血小板」が集まる

 

 

血管が狭くなる

 

 

よく見たらコレステロールも付いていた

 

 

コレステロールが悪い

 

 

 

 

しかも、「コレステロール」も、血管の傷が原因で集まっていたそうです。

 

 

 

 

動画の重要なポイントを書き出しました。

 

 

(1:46~)

 

 

ティータ博士によるとコレステロールが悪者になった理由は かつての心疾患患者の血管内にコレステロールが発見されたという理由であり

 

 

ティータ博士によるとコレステロールは無意味に血管内にたまるのではなく 体が血管内に起きる炎症を修復するためだと提言しています。

 

 

つまりコレステロールが元々の原因ではなく血管内の炎症によるものです

 

 

体が炎症を察知するとそこにコレステロールを送って血管を修復する仕組みになっています

 

 

・・・このように述べられています。「血小板」と「白血球」だけでなく、「コレステロール」も傷の修復の為に集まっていたのです。

 

 

で、血管の傷とは炎症です。

 

 

「炎症の原因」は色々ありますが、量、回数共に「糖質」がダントツで多いです。詳しくは以下で述べています。

 

炎症にと自己免疫疾患ついて分かりやすく説明してみた

 

 

 

さらに、糖質は「高血糖による血管のダメージ」を引き起こすので注意が必要です。

 

 

また、他の血管が傷つく原因に、「ビタミン12」の不足があるそうです。それによって、「ホモシステイン」というアミノ酸の一種がたまって血管がボロボロになるそうです。

 

 

「傷」「炎症」が、血管の狭窄の原因です。

 

 

 

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体質が酸性になることが原因の高血圧

 

 

「血管の状態」とは別の理由で、血圧が上がる事もあります。

 

 

「体質が酸性になることで血圧が上がる理由」についてお話します。

 

 

体質が酸性になると、体に酸素が上手く行き届かなくなるので、高血圧になります。

 

 

酸素濃度と同じくらい重要なのが、血液の「ph値」です。

 

 

数値が低いと酸性が強いということになります。

 

 

人間の場合は、7.35~7.45が正常だと言われています。そして、生命の危険があるのは7.1以下です。

 

 

『ナースプレス アシドーシス・アルカローシス』より引用

 

 

 

人間の体は「弱アルカリ性」になっています。

 

 

「弱アルカリ性」の状態だと、「血液によって運ばれてきた酸素」は、細胞に受け取られます。

 

 

で、「ミトコンドリア」は、酸素を使って、生体に必要なエネルギー物質「ATP エーティーピー」を作り出しています。

 

 

(細胞)

 

 

「ミトコンドリア」が「ATP 」を順調に作れなくなるのが、ph7.3以下だそうです。

 

 

「ミトコンドリア」の働きが低下すれば、生命活動に必要な「ATP」が不足するので、様々な体の不調がでてきます。

 

 

で、体が酸性になる原因を探ると、糖質が関係しています。

 

 

食事で糖質を摂取すると、まず「ブドウ糖」まで分解されます。

 

 

そして、さらに「ブドウ糖(グルコース)」を「ピルビン酸」という物質に分解して、エネルギー物質「ATP」を作るのですが、その後、副産物として乳酸が発生することがあります。

 

 

 

 

(左のルートは「乳酸」が発生します)

 

 

 

乳酸は酸性です。

 

 

この「乳酸」が蓄積していくと、体は酸性になります。

 

 

糖質を摂れば必ずこのルートになるわけではありませんが、そうなりやすい条件を持っている人はいます。

 

 

 

 

 

 

 

乳酸の蓄積により、体が「酸性」になると、「血液によって運ばれてきた酸素」は、うまく受け取ってもらえなくなります。

 

 

すると、体中に酸素が行き渡らなくなります。

 

 

酸欠です。

 

その結果、酸素を送るために心臓が頑張ります。

 

血圧が上がります。つまり、

 

 

 

糖の摂取

 

 

乳酸発生、蓄積

 

 

体が酸性になる

 

 

体の酸欠

 

 

酸素を送るため心臓が頑張る

 

 

血圧が上がる

 

 

 

というわけです。これも元を辿れば「糖質」が原因ということになります。

 

 

 

 

 

乳酸が蓄積し、体が酸性化すると、ミトコンドリアが機能不全になり、細胞が癌化します。これも、元を辿れば「糖質」が原因です。詳しくは以下をご覧下さい。

 

 

余命わずかの末期癌患者が退院できたのは病院での栄養療法のおかげだった!

 

 

 

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糖質制限で効果のある高血圧と、効果のない高血圧

 

 

「90%の高血圧の原因はよく分かっていない」というのが定説ですが、こうしてみてみると、「糖質」が本態性高血圧に関係している事は明白ですね。

 

 

高血圧の予防は「塩分」を控えるのではなく、「糖質」を控えるのが正解でしょう。

 

 

カルピンチョ氏の記事を参考に、高血圧を改善する為に、糖質制限で効果がある場合とない場合(糖質制限することで血圧が下がる人と下がらない人)を整理してみました。

 

 

分かりやすく、効果があるに属するタイプをに、効果があったりなかったりするタイプをにしました。

 

 

 

おそらくほぼ全員効果的

 

  • 2型糖尿病の人

 

  • 高血糖で境界型と言われている人

 

 

おそらく効果的

 

 

  • 耐糖能異常」はなくても、「肥満(BMIが25以上)があって高血圧」の人

 

 

効果的

 

 

  • リンゴ型体型で(内臓脂肪が多くて)高血圧の人

 

 

効果がある場合と、効果なない場合がある

 

  • 肥満ではない、血糖値異常もない、だけど高血圧であるという人

 

 

 

注意して欲しいのは、一番下の「効果がある場合と、効果がない場合」です。

 

 

「肥満ではない、血糖値異常もない、だけど高血圧であるという人」というのは、以下のような人達のことを意味しています。

 

 

  • 血圧を上げるホルモンを産生する腫瘍ができている人

 

 

  • 腎臓の血管が生まれつき細い人

 

 

  • 家族性の原因不明の高血圧症がある人

 

 

この場合、「インスリン」や「血糖値」が原因の高血圧ではありません。「元の病気」が高血圧の原因という事です。氏によると、この場合の高血圧は、「元の病気」を突き止めて治していくしかないそうです。

 

 

おそらく、これが一般論の言う、元の病気を治療すれば、血圧も正常になる、10%の「二次性高血圧」の事でしょう。

 

 

そして、糖質制限で効果がある残りの高血圧とは、一般論の言う90%の「本態性高血圧」の事でしょう。

 

 

 

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改めて高血圧の仕組みについて考える

 

 

つまり、一般論の言う「原因不明の90%の本態性高血圧」は、糖質制限で効果があるという事です。全員糖質制限をしたら、原因不明の高血圧の人は、ほとんどいなくなるのではないでしょうか。実に単純明白な理屈です。どこが難解なのでしょうか。

 

それを「わからない、わからない」と言っているわけです。

 

 

ただし、注意して欲しい事があります。私はここで、「90%も糖質制限で血圧が下がるからいい」と言っているのではありません。それだと、「血圧は、低いのが良くて、高いのが悪い」という従来の常識からは抜けきれていません。

 

 

前回の記事にも書きましたように、「血圧が高くてはいけない」という概念自体を改める必要があります。その人の血管の状態や、年齢や病状などを総合的に判断して、その人にとって最適な血圧である事が望ましいのではないかと思っています。

 

 

実際に血圧が高い事で健康を保っているお年寄りがいるのです。

 

 

血管が脆くなって、血管が破れる心配がある人や、病気が原因で必要以上に血圧が上がっている人は、血圧を下げる必要があると思いますが、特に体に異常がない人の場合の高血圧は下げなくてもいいと思っています。

 

 

しかし、これは素人判断は難しいと言えます。自己判断で薬を勝手に止める人もいるようですが、「自分がどちらのタイプ」なのか判断できない以上、それはかえって危険です。もし「血管がボロボロで薬によって下げなければならないタイプ」なのにも関わらず、止めてしまったら危ないです。

 

今の医療は、血管が丈夫だろうが、丈夫じゃなかろうが、血圧が上がっただけで薬を出そうとします。「薬が必要な人」と、「そうじゃない人」まで一緒くたにしています。血管が丈夫なのにも関わらず、血圧を下げる必要がないにも関わらず、一定の数値を超えたら「高血圧」と診断されます。

 

 

私としては、少なくともこのぐらいの選択肢はほしいです。

 

 

 

  • 10%の人は、元の病気を治して血圧を下げる

 

  • 90%の人は、原因が糖質なら糖質を控えて血圧を下げる

 

  • 健康な人は無理に血圧を下げない

 

 

血圧に対する認識を改めないといけないと思います。「糖質制限に理解のある医師」が必要なのは言うまでもありません。

 

前回の記事では、高血圧のお年寄りの方が長生きな様子が書かれている記事を紹介しました。他にも、私が色々な情報を調べたところ、中には「高血圧は(疾患ではなく)、生理作用」と書いている人もいました。

 

 

「高血圧は悪」だと決め付けている人は、受け入れられない話かもしれません。しかし、歳をとると血管に柔軟性がなくなって、その力が弱まってくるので、脳や体に血液を送るために圧力を上げる必要が出てきます。

 

 

何もしなくても血圧は上がる、それは自然な事なのです。

 

 

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血圧が高いと良くない

 

 

血圧が高い人は塩分を控えなければならない

 

 

・・・いろんなところで言われているので、「理由はよく分からないけど、なんとなくそうなんだ」と思っている人は多いです。

 

 

しかし、真実は全く違います。

 

 

塩分が血圧を上げる原因ではないですし、血圧が上がること自体も悪いことではありません。

 

塩分だけに気を取られたり、むやみに血圧を下げようとする方が体に悪いのです。

 

 

その根拠をお話します。

 

 

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塩分は高血圧の原因なのか

 

 

一般的に、「塩分の摂りすぎが高血圧の原因だ」みたいに言われていますが、一方で、「塩分と血圧は関係ない」という説もあります。

 

 

 

前者はすでに知られている事なので、ここでは、後者の意見を見てみましょう。

 

 

 

『田中佳先生のブログ ◆ 減塩と高血圧は基本的には無関係』より引用

 

 

また、塩類と高血圧の関係を説明する時に、下記の様な理屈が示されます。

 

1 塩化ナトリウムを多く摂る

 

2 体内の細胞内ナトリウム濃度が上昇

 

3 水分を取り込んでナトリウム濃度を調整

 

4 血液中に水分が多くなる = 血液量が増加

 

5 血管にかかる圧力が上昇

 

6 血圧の上昇を招く

 

ということです。

 

そもそも過剰な塩分は腎臓から尿へ排出される機能を健常人(と、心臓・腎臓障害なしの病人)は備えているので、ここでは「排出」という理屈が抜けています。

 

たとえ圧が上がっても、血管の弾力があればその程度の上昇圧は吸収されます。

 

本物の動脈硬化で、この弾力を失って、パリパリのお煎餅のようになった人であれば多少の影響は受けるかも知れません。

 

 

そもそも身体の機能は、そんな “へなちょこ”ではないはずなのです。

 

考えてみて下さい。

 

食事の度に出入りの激しい塩分濃度でですね、血管の伸縮がいちいち影響を受ける訳にはいきません。自律神経も合わせて血圧の調節を行い、生命維持に深く関わる機能の恒常性は厳しく管理されているからです。

 

ついでに言いますと、血管を広げたり縮めたりする血管平滑筋はカルシウム(Ca)イオンの影響を受け、ナトリウム(Na)ではありません。

 

 

つまり、一般的に言われている「塩分を摂りすぎると高血圧になる」という説は、「過剰に摂取した塩分を排出しない」という前提の元に語られているのです。

 

 

当然、前提が違えば、それを元に成り立っている説は崩れます。

 

 

基本的に健常者の場合は、「過剰な塩分」は排泄されるので問題はないそうです。

 

 

 

「ただし、心不全と透析していない腎不全は、塩分の調節能力が機能しないため、減塩はやむを得ないので除きます。」と引用元の冒頭に書かれています。

 

 

 

それに、例え血圧が上がっても、血管に問題さえなければ大丈夫なのだそうです。

 

 

ということは、「高血圧」というのは、「血圧が上がる事」自体が問題なのではなく、「血管が脆い事」が問題だという事です。

 

 

「ボロボロのホース」に圧力をかけたらホースは破れますが、「綺麗で弾力のあるホース」に圧力をかけても破れないのと同じ理屈です。

 

 

血管の場合、何故か「破れるのはホースがボロいからではなく、ホースに圧力をかけたから悪い」に原因がすり替わっています。

 

 

 

「例え塩分を過剰摂取しても、体が上手いこと調節してくれるので、血圧上昇に直結しない」のだとしたら、血圧が上がる本当の原因はなんでしょうか。

 

 

次はその事について考えてみたいと思います。

 

 

 

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健康だからこそ血圧が上がる

 

 

一般的に「血圧が上がる事は悪い事である」という前提になっています。

 

 

しかし、その概念自体が本当なのか考える必要があります。

 

 

そもそも「血圧」は、普通に生きているだけで、何もしなくても歳と共に上がっていくものだそうです。

 

 

それは自然な事であり、不健康ではなく健康的なのです。

 

 

『100歳まで長生きできるコレステロール革命 著書・大櫛陽一』より引用

 

 

人間は、年をとれば、誰でも血圧が上がるのが普通なのです。

 

 

血圧の大きな役目のひとつは脳や末梢の細胞に新鮮な血液を送り届けることですが、年をとると、血管に柔軟性がなくなってだんだんその力が弱まってきます。

 

 

だから、加齢に伴い血圧を少しずつ上げて、脳や体に必要な新鮮な血液を送り続けているのです。

 

 

すなわち、高齢になるにしたがって少しずつ血圧が上昇してくるのは元気な証拠でもあるわけです。

 

 

(178P)

 

 

このように、「歳を取って血圧が上がる事は正常」という見方をすれば、同じ血圧の数値でも印象が全く違ってきます。

 

 

そして、この説を裏づける話が以下になります。

 

 

『薬屋おやじのボヤキ(旧版)高血圧は健康で長生きできます。血圧の薬は飲んじゃダメ。中高年は180でも大丈夫。』より引用

 

 

次に、ヨーロッパ高齢者高血圧研究会の調査、これは既に記事にしたところですが、高齢者にとっては、むしろ血圧が高いほど死亡率が低い、血圧が180ぐらいまでは脳卒中になる可能性が高くなるという明確な根拠はない、という結果が出ています。

 

 

(2013.5.6補記:フィンランドで、75歳から85歳までの降圧剤を飲まない521人の経過を見た調査では、80歳以上のグループでは血圧が180以上の人たちの生存率が最も高く 、140を切った人たちの生存率はガクンと下がっています。)

 

 

こうしたことから、冒頭で書きましたイタリア人のお医者さんは「血圧150、健康」と診断されたのです。なお、テレビに登場したご婦人は80歳ぐらいでしたから、もっと血圧が高くてもいいくらいです。

 

 

もう一つ既報ですが、岡本裕さんというお医者さんは、長く脳外科専門医をなさっておられた経験から、「血圧が常時200を超えるほどでなければ、血圧と脳出血の相関はない」という印象をお持ちです。

 

 

 

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改めて一般的な血圧の話を読む

 

 

ここまで話した内容は一般的ではない説です。

 

 

ここで、これまでの話と、「一般的な高血圧の話」を比較してみます。

 

 

以下と似た様な話はたくさんあったので、これが一般的な説なのでしょう。

 

 

『ナースが教える仕事術 動脈硬化になると大変!知らないと怖い高血圧の症状と血圧を下げる方法』より引用

 

では、高血圧は何が原因で発生するのでしょうか?

 

 

高血圧の原因は「塩分」!?
実は高血圧の90%は原因がよくわかっていません。

 

 

高血圧は大きく分けて「本態性高血圧(一次性高血圧)」と「二次性高血圧」に分類されます。

 

 

「本態性高血圧」は、身体に特に異常がないのに血圧が高くなる症状です。実は本態性高血圧で高血圧になる方は、全体の90%だといわれています。

 

 

そして、残りの10%は「二次性高血圧」と呼ばれ、腎臓病やホルモン異常などの病気が原因で高血圧になる方です。ただ、「二次性高血圧」の場合は、原因となる病気が治ると、血圧も正常になります。

 

 

というわけで、厄介なのは原因が不明な「本態性高血圧」です。何しろ、原因が不明なんです。

 

 

 

高血圧の90%の原因がわかっていないというのは酷いですね。

 

 

それはつまり、「原因が塩分かどうかすらもわからない」という事です。

 

 

それなのに「減塩しろ」と指導する根拠はなんなのでしょうか。

 

 

その90%は、身体に特に異常がないのに、血圧が高くなる症状として認識されています。

 

先程の引用記事を読んでいただければわかると思いますが、「身体に特に異常がないからこそ、自然の成り行きで血圧が高くなっている」だけの話です。

 

 

「現実に起こっている事」は、医学書に書かれてある事よりも何倍もシンプルです。

 

 

それを無視して「血圧が上がるのは悪い」と決め付けているから、「正常だから、血圧が高くなる」、「血圧が高い事も、場合によっては正常かもしれない」という考えがわかないのです。

 

 

前提を変えない事に固執すると、「おかしい、おかしい」「治らない、治らない」と頭を抱えることになります。

 

 

こうして、「一般的ではない説」と「従来の説」を読み比べてみると、理に適っている説は前者だと言えます。

 

 

分かっていないくせに、血圧を下げる為の薬を出したり、塩分を控えろと言ったりします。

 

 

私はその指導法はどうかと思います。

 

 

 

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血圧が上がると危険な状態とは

 

 

「血圧が上がる事」自体は悪いことではありません。

 

 

ただし、例外もあります。

 

 

ここからは、「血圧が上がった時に悪い影響がでるケース」を紹介します。

 

 

 

『薬屋おやじのボヤキ 高血圧は健康で長生きできます。血圧の薬は飲んじゃダメ。中高年は180でも大丈夫。(改訂版)』より引用

 

 

「血圧が低い」ということは、心筋の収縮力が弱くて血流を生み出す力が弱いということになりますし、逆に「血圧が高い」ということは、心筋の収縮力が強くて血流を生み出す力が強い、と言えましょう。

 

 

どちらがいいでしょうか。

 

 

「血圧が高い」ほうがいいに決まっていますよね。

 

 

なんせ、これによって血流がスムーズになり、全身くまなく血液が巡り、体中の細胞に十分な酸素供給をすることができるからです。

 

 

(中略)

 

 

血管に弾力があり、詰まりもないのであれば、血液はスムーズに流れますから、心筋の収縮力は小さなもので済みます。若い人や毎日スポーツを欠かさない中高年の方は、概ねこの傾向にあります。

 

 

逆に、血管の弾力がなくなり、所々で折れ曲がっりたり、詰まりかけたり、といった状態になると、血流にブレーキがかかりますから、全身に十分な血液を流すには、心筋の収縮力を高めるしかありません。

 

 

これは典型的な老化現象で、中高年は避けて通れないところです。

 

 

(中略)

 

 

従って、特別な場合、例えば超肥満で冠状動脈の血管壁がベトベトになっていて心筋梗塞の危険が高いとか、中高年になって冠状動脈が切れそうな状態にあるとか、そういった血流ストップや血管破裂の恐れが非常に高い場合に、あくまで補助的に血圧を下げる必要が出てくるだけのことでしょう。

 

 

 

まず、以下のような老化現象があるから、血圧が上がるのだそうです。

 

 

 

  • 血管の弾力がなくなる

 

 

 

  • 所々で折れ曲がっりたり、詰まりかける

 

 

 

 

ただし、以下のような状態は危険だそうです。これが血圧を下げた方がいい状態です。

 

 

 

 

  • 超肥満

 

 

 

  • 血管壁がベトベト

 

 

 

  • 心筋梗塞の危険が高い

 

 

 

  • 血管破裂の恐れが非常に高い

 

 

 

 

ほぼ血管の疾患ですね。

 

 

 

血圧が歳と共に上がることが正常で、

 

 

血圧が上がった時に危険なのは、血管が痛んでいるからなら、

 

 

 

専門家が指導しなければいけないは、「血管が傷つかないようにする事」ではないでしょうか。それこそが根本的な治療になります。

 

 

 

しかし、「血管をボロボロにするのはコレステロールだ」とか、「血液をサラサラにする為に野菜を食べましょう」・・・みたいな事を言うわけです。

 

 

 

「血圧の原因」も分からなければ、「血管が痛む原因」も、「血液がドロドロになる原因」も分からないようです。

 

 

 

 

これらの症状を見てもらったら、人によっては察しがつくと思います。

 

 

 

これらの原因は糖質です。

 

 

 

 

血管そのものがボロボロになるのは「糖化」による症状です。

 

 

血液がドロドロ、ベタベタになるのは「血糖値」が高いのです。

 

 

 

 

動脈硬化はコレステロールではなく糖質が大きな原因です。

 

 

科学や論文のインチキはコレステロールが教えてくれる

 

 

動脈硬化は悪玉コレステロールではなく、動脈壁の劣化が原因だった

 

 

動脈硬化を改善・予防する方法を分かりやすく説明してみた

 

 

 

血液をサラサラにすると思っている野菜は糖質が多く、血液をベタベタにします。

 

 

糖化反応(メイラード反応)について分かりやすく説明してみた

 

 

人間の血液は4~5ℓです。その中に必要な糖質はたったの5gです。血糖値が120以上になると、免疫力が75%低下します。

 

 

人間の身体に必要な糖質量を血糖値の視点から分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

これらの下地があって、とどめの一撃に高血圧がくるからヤバイのです。

 

 

 

糖質を食べなければ、血管が著しくボロボロになる事もないし、血液がドロドロになる心配もありません。

 

 

血管が丈夫なら、高い血圧を下げる必要もありません。

 

 

 

 

糖質が高血圧の原因になる

 

 

 

糖質が血管を傷つけたり、血液をドロドロにすることはお話しました。

 

 

しかし、

 

 

 

  • 血管の弾力がなくなる

 

 

 

  • 所々で折れ曲がっりたり、詰まりかける

 

 

 

 

・・・といった老化現象自体もまた、糖質が影響しています。

 

 

人間の体の構成成分で最も多いのが「水」で、その次に多いのが「タンパク質」です。

 

 

 

つまり、体の大部分は「タンパク質」でできています。

 

 

 

糖質は摂りすぎると、余って、体のタンパク質とくっついて「糖化」させます。

 

 

 

糖化すると細胞が劣化します。

 

 

 

糖化と「老化」はイコールです。

 

 

 

「酸化」もダメージが大きいですが、「糖化」の方が体を傷つけます。摂る量が半端ないからです。

 

 

 

「自然に血圧が上がる」理由が老化現象なら、元を辿れば、それも 糖化→糖質 が関係していると言えます。

 

 

 

 

『ダイエット☆マメグラフ 糖質制限と高血圧』より引用

 

 

世の中には本当にたくさんの高血圧の治療方法法があります。

 

でも薬も使わないで、血圧を下げたければ「糖質」を摂取しない食事をすることです。血圧が上がる要因はいくつかありますが、その大きな要因とは

 

 

 

・血管が硬くなる「動脈硬化」によるもの

 

・血管が細くなる「血管狭窄」によるもの

 

・自律神経のバランスを崩す「インスリン抵抗性」によるもの

 

 

 

これらは「糖質」の過剰摂取が原因です。「糖質」を摂取しないことが、高血圧を治す法になるわけなのです。そして、その食事法こそが、“糖質制限食”です。

 

 

 

従来の「塩分が高血圧を引き起こす説」を信じている人は信じられないかもしれませんがこれが現実です。

 

 

気を付けるものを間違えています。

 

 

 

塩分だけ気をつけて、糖質を控えないなら、それは高血圧の対策になっていないのです。

 

 

 

次回は、どうして糖質が血圧を上げるのか、詳しいメカニズムについてお話します。

 

 

血圧と、本態性高血圧の原因について分かりやすく説明してみたへ続く

 

 

 

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糖質の毒性は遅効性。体に合わない物を食べると、表面的には問題がなくても水面下では体が劣化する

 

糖質を食べると、体のタンパク質に余った糖が結びつく「糖化反応」が起きます。

 

 

この反応によって細胞が劣化するので、体が弱っていきますが、いきなりではありません。

 

 

体が人よりも弱い人は、わりと早く影響が表れますが、丈夫な普通の人は、後で影響がでるので、遡って「あの時の糖質が原因だった」とは思いません。

 

 

まぁ、気付かないのが普通です。

 

 

その為、糖質の過剰摂取をしてもなんとも思いませんし危機感もありません。

 

 

 

昔、私は体が弱かったので、なんとかして体を元気にしたいと思ってアレコレと試しましたが、何を試してもほぼ効果がなく、体が丈夫にはなりませんでした。

 

 

 

その原因は、糖質が悪いと思っていなかったので、「糖質」以外を気をつけていたことにありました。

 

 

 

糖質には警戒心がなかったので、無防備に食べ続けていたのです。

 

 

 

しかし、その後、糖質制限を始めて、糖質を徹底的に排除しました。

 

 

糖質制限の効果を確かめたかったので、摂取していた健康食品は止め、食品添加物や遺伝子組み換え食品等、それまで気を付けていたものは余り気にしなくなりました。

 

 

 

それまでと間逆ですが、体が驚くほど元気になりました。

 

 

その結果分かったのは、それだけ糖質の毒性が強いということです。

 

 

私も昔はその知識がなかったので、ずいぶん体を壊しました。その経験から言える事は、

 

 

糖質を食べ続ける生活をおくっているにも関わらず、現段階で不調を何も感じられなかったとしても、本人が気付いていないだけで影響を受けている可能性は十分にあるということです。

 

 

そして、そういう場合は、後でジワジワと症状が表れます。

 

 

「糖質をたくさん食べているけど別に何も起きない」という考えの方は、私の様に体を痛めるまでに気付いて、食べるならせめて、糖質に対して「体に合わないものを食べているんだ」という自覚を持って欲しいと思います。

 

 

 

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体に合わないものを食べる

 

 

 

「食べられる事」と「食べたものが本来の食性に合っているかどうか」は別の問題です。

 

 

 

当たり前ですが、一応、「食べたら体に悪いもの」でも、口の中に入れれば「食べる事」は可能です。

 

 

 

また、多くの人が主張される様に、「合わない物」を食べても、場合によっては症状が出ず、元気で過ごせる場合もあります。

 

 

 

しかし、何も起きなかったからといって、イコール「その食品がその動物の体に合う事」にはならないと私は思います。

 

 

 

例えば、牛は本来は「草」を食べる動物ですが、「トウモロコシ」も食べることができます。

 

 

 

アーロン・ウールフ監督の「キング・コーン 世界を作る魔法の一粒」というドキュメンタリー映画があるのですが、

 

 

 

「体に合わないコーン」を食べさせられている牛は、やはり、体を壊してしまうそうです。

 

 

 

ですが、そうならないように大量の抗生物質が使われます。

 

 

 

 

牛に穀物を与える場合、120日以内の牛であれば問題ないそうですが、それ以上の牛に与えると胃潰瘍ができたりするそうです。

 

 

 

このように、例え食べる事はできても、「本来食べるべきでないもの」を食べると弊害が起きるのです。

 

 

 

そして、「コーン」よりもヤバイのが一時期問題になった「肉骨粉」です。

 

 

 

あれなど「植物食性の牛」に動物性食材を与える行為です。

 

 

 

 

そして、「合わない食べ物」があるのは牛だけではありません。

 

 

 

私は昔、大型犬を飼っていたのですが、私の食べるお菓子を時々与えていました。

 

 

 

しかし、ずいぶん後に、ネットで犬について調べていたところ、「犬にチョコレートを与えてはいけない」と書いてありました。

 

 

 

 

 

ネギ科の植物と、骨付きの鶏肉(骨が縦に裂けて危険だから)はダメだというのは知っていましたが、食べさせてはいけない物は、まだまだたくさんあり、他にも知らずに食べさせていたものがいくつかありました。知らなかったとはいえ、恐ろしい事をしていました。

 

 

 

また、犬を通じて仲良くなった人も、同じように人間の食べ物を日常的に与えておられました。「人間用のケーキ」を犬に食べさせたと聞いたときにはさすがにビックリしました。

 

 

 

さらに言うと、ペットフードが一般的ではなかった時代、ほとんどの飼い主が人間の食べ残しを与えていました。ですから、結果的に多くの人が、犬に「食べさせてはいけない物」を食べさせていたと思います。ご飯に味噌汁をかける等は定番です。

 

 

 

そんなものでも、犬は「食べる事」は出来ますし、いきなり病気になったりしません。

 

 

 

犬も牛も人間も、動物には「食べない方がいい食材、栄養素」があります。「それぞれの動物に合った食性」というものがあるからでしょう。

 

 

 

では何故、なんでもバランス良く食べないのでしょうか。

 

 

それどころか、食べるものが絞られていて、わざとバランスが悪いように設計されているといえます。

 

 

 

次はこの「バランス」について考えてみます。

 

 

 

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バランスという不自然

 

 

同じ物ばかり食べる様子は、「人間の価値観」で見ると偏っているように見えます。

 

 

それを「極端だ!」と表現する人もいます。そして、バランスの大切さを主張されます。

 

 

ですが、基本的に生物は自らの食性に合った極端な食性をもっています。

 

 

そもそも「食べる物が限られている」というのは、バランスが悪い事なのでしょうか。理にかなっていない事なのでしょうか。

 

 

 

私はそうは思いません。

 

 

 

自然が創り上げるものは、上手くできているものです。

 

 

 

もし、「バランスが悪い、偏った食事」をするように元から体が設計されているとしたら、それは自然が創りだしたものです。

 

 

その状態がその生体にとって正常なのです。

 

 

 

それにこうも考えられます。

 

 

 

もし全ての動物が同じ物を食べていたら、そればかりがなくなります。奪い合えば、当然弱い者は食にありつくことができません。

 

 

 

「競争相手が存在しない事」、「食性がみんな少しずつ違う事」は、地球規模で考えると、メリットです。そうでないと逆に不都合が生じると思います。

 

 

 

全体的な事を考えると、動物によって食べるものがバラバラで、偏っているのはとても自然な事です。

 

 

 

 

  • 植物食性動物は植物性ばかり

 

  • 動物食性動物は動物性ばかり

 

 

※「両方に対応できる内臓」を持ち合わせている生き物は、両方いける

 

 

 

 

 

 

昆虫のように、成長過程で食性が変化する生き物もいますが、それはその生物の設計図の範囲内での変化です。

 

 

幼虫からさなぎになると、外見だけでなく内臓も変化するそうです。幼虫と成虫の食べるものが違うのはその為らしいです。

 

 

 

これは私達が考えるような「雑食」ではありません。

 

 

表面的にみれば「違う性質のもの」を食べているので、「雑食」と言えなくもないかもしれませんが、前提として内臓の構造が変化しているので、他の動物とは明らかに違います。

 

 

普通は内臓の構造は変わりませんから。

 

 

このように、性質の違うものを食べるには、虫のように途中で変化するなど、特殊な内臓の構造が必要です。

 

 

 

内臓が追いつかない状態で不自然に雑食をすると、問題が起きても不思議ではありません。

 

 

 

内臓と食べ物の関係については以下をご覧下さい。

 

遺伝子の99%が同じでも、人間とチンパンジーの消化器官の構造は違う

 

 

 

人間もそうですが、人間に飼われている犬などのペットにも当てはまります。犬も、偏っていると言われている糖質制限食で元気になったという話が増えています。

 

 

 

虫のように変わった内臓をもちあわせていない動物は、本来の食性に合った、「偏った食事」をする方が自然です。人間も動物ですから、そういう極端な性質があって当たり前です。

 

 

他の動物がそうであるように、人間もバランスは関係なく、自らの設計図に合った食事をする方が理にかなっていると思います。

 

 

 

内臓や食性を無視して、「バランスが良ければいい」と考える事は、むしろ不自然で偏った考えなのです。

 

 

 

設計を無視し、人間の考えたバランスに従って、本来必要ない栄養素を摂ると、いきなりは壊れないかもしれませんが、不具合が起きる可能性が高くなります。

 

 

 

まず、構造や仕組みを理解し、「それには何が必要で、何が必要じゃないのか」を見極めた上で、相応しい栄養素を摂るのが正解でしょう。

 

 

 

対象を何も見ず、ただ「バランス」と言うのは、稚拙としか言えません。

 

 

 

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合わないものを大量に摂るとどうなるか

 

 

 

人間にとって不必要な栄養素といえば、ダントツで糖質です。

 

 

私も過去に「食品添加物」を避けたり、「遺伝子組み換え食品」を避けたり、害となるあらゆるものを避けていました。それらも摂りたくないものです。

 

 

ですが、それらと比較しても糖質の害だけは突出しています。

 

 

とにかく、摂取する量が尋常ではありません。

 

 

料理に含まれる食品添加物を取り出して測ったとしても、おそらく一日に食べる量は100gも満たないと思います。ですが、糖質は100g程度なら余裕で越えます。

 

 

 

その量の糖質を毎日毎日摂っていたら、体に以下のような影響を与えます。遅効性で、どこに害がでるか分からない特徴があります。

 

 

『老けたくなければファーストフードを食べるな 老化物質AGEの正体 著者:山岸昌一』より引用

 

 

 

AGEの正体は何かといいますと、糖化物質です。体内にあるタンパク質が糖化した結果、本来のタンパク質とは似ても似つかないものになった。

 

 

AGEはちょうどお菓子のように、表面にベタベタと糖がくついたような姿を想像されたらいいと思います。元はきれいなタンパク質だったのに、砂糖でまぶしたようにベトベトになって、本来の働きがまったくできなくなった。

 

 

糖尿病が進行するとそれらが体中のいたるところに広がり増えていきます。唾液にも、爪にも、皮膚にも、髪の毛にも、いろいろな臓器にも.....。でも唾液を構成するタンパク質と、皮膚を構成するタンパク質では種類が違います。ですから、できあがったものはそれぞれ違う。一つの名称では呼べません。

 

 

そこでタンパク質が糖化したことを「AGE化」したと呼び、AGE化した糖化物質をひとまとめにして「AGE」と名付けたのです。

 

 

AGEには、元のタンパク質によってさまざまな種類があります。糖のたんこぶがタンパク質のどの部分に、どんなふうにつくかによっても性質が変わってきます。もちろん、くっつく 糖の種類によっても違います。

 

 

一説によると、AGEは何十種類もあるのではないかと言われています。

 

 

皮膚のように一ヶ月で入れ替わるもの、ヘモグロビンを含む赤血球のように四ヶ月で入れ替わるもの、骨のコラーゲンのように二~一〇年で入れ替わるもの、それぞれAGEから受ける影響も変わってきます。

 

 

目の水晶体を構成するクリスタリンというタンパク質は一生変わりません。つまり、生まれたときからのAGEの蓄積をそのまま受けつづけます。

 

 

神経細胞も心筋細胞も一生変わりません。そういう場所のAGEはずっとたまったまま、組織に影響を与えつづけています。

 

 

また、AGE化は体中で進行していますが、患者さんによっては腎臓だけが悪くなって、目はまだ大丈夫な人もいます。個人差もあります。

 

 

もし白内障の原因が100%AGEだとすると、どんな人でもAGEがたまりつづければ、必ず白内障が起きるはずです。

 

 

しかし現実にはそうはなりません。

 

 

なぜなら同じ量のAGEがあっても、パンクしてしまう臓器とまだ耐えられる臓器がある。低い量のAGEしかなくても、別の因子が加わったために、障害が出てしまう臓器もあるからです。

 

 

つまりAGEがそれぞれの臓器に与える障害の度合いは、他の因子によって薄められたり、濃くなったりするのです。AGE化は体中で起きていますが、症状のあらわれ方は臓器それぞれ、人それぞれだということです。

 

 

(38p~39p)

 

 

 

原因は同じ糖質によって引き起こされますが、「症状のあらわれ方は臓器それぞれ、人それぞれ」という部分がポイントです。

 

 

これは、私にも言えることです。

 

 

私は胃が弱かったですが、腸は普通です。お腹を壊すこともほとんどありませんし、便秘になることもありません。山岸氏が指摘されるように、それぞれの臓器の強弱によって、影響を受けやすいところと、受けにくいところがあるのだと思います。

 

 

弱いところから痛むと思った方がいいです。

 

 

私の場合、他の臓器に比べて胃が格段に弱かったから、内臓では胃にばかり目立った症状がでました。

 

 

 

 

 

 

ですが、糖質中心の食事を続けていたら、近い将来、他の臓器もイカれていたと思います。

 

 

このことから分かるように、「この症状にならないから、俺は糖質食ってもセーフなんだ」というのは錯覚です。

 

 

 

勘違いしない為にも、部位別、症状だけを見るのではなく、体のどこかに「糖化特有の症状」が出ていないかに注目することが重要です。

 

 

 

 

「糖化特有の症状」については、詳しくは以下で述べています。どれか1つは当てはまるものがあると思います。

 

糖化反応(メイラード反応)について分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

ここで一つ注意してほしいのですが、「私の胃が弱かったのは糖化が原因だった」といいましたが、だからと言って、胃が悪かったら全て糖化が原因とは限りません。

 

 

当たり前ですね。例えば胃に穴が開いていたらそれは違う病気なわけです。

 

 

仮に原因がストレスなら、食事ではなく、置かれているストレスの元を解決しないと胃は元気にならないと思います。 

 

 

症状に注目して、原因を正確に突き止めて、それに見合った対処をする事が大切です。

 

 

 

引用した内容を読んでお分かりいただけたかと思いますが、糖化は人によって、どこにどんな症状ででてくるかわかりません。だから原因が糖質だと気付きにくいのです。

 

 

 

ですが、「糖化した場合はどんな症状になるのか」をあらかじめ知っておく事で、糖化に気付きやすくなります。今は前例が多くあるので、それと照らし合わせれば、糖化なのか糖化じゃないのか、ある程度予測することが可能です。

 

 

 

一番はお医者さんが、病院で普通に「これは、糖化が原因ですね。」と診断してくれれば良いのですが、そこまで世の中が変わるには時間がかかるので、当分は個人が自分で分析するしかありません。

 

 

 

その為、分析ができる人とそうじゃない人で、健康状態に差が出てくると思います。

 

 

 

心配なのは体の弱い人より、体の丈夫な人です。

 

 

「糖質を食べても自分は何も起きないから大丈夫」と主張する人は、体が丈夫な人です。

 

 

丈夫なのはいいのですが、目立った症状がないのをいいことにバクバクと糖質を食べ続けます。本当は大丈夫じゃないのですけどね。

 

 

 

なんとか危険を伝えたいのですが分かってもらえないので苦労します。

 

 

「症状がでないから大丈夫」と調子に乗るのは最も危険なのです。

 

 

 

私も昔そうだったので、特に思います。

 

 

 

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甘いものは私の体に合っているという勘違い

 

 

私は糖質大好きなので、糖質制限を始める前は、かなりの糖質を食べていました。

 

 

 

しかし、私は糖質を食べても全然太らない体質です。

 

 

 

ご飯をおかわりしようが、甘いものをいくら食べようが肥満とは無縁でした。学生の時、周囲のほとんどの女の子は、私のこの体質を羨ましがっていました。

 

 

私もこの体質をいいことに

 

 

「私は普通の人が太る炭水化物や甘いものを食べても太らない」と調子に乗り、中学生の頃から毎日カップのアイスクリームを2つ食べていました。安売りの時は3つとか、箱入りのを一日で食べるとかしていました。

 

 

全く太りませんでしたから、「甘いものは私の体に合っている」などと思っていました。

 

 

当時は「糖化」とか「酸化」という言葉もありませんし、世間一般で目の敵にされていたのは、「脂質」や「塩分」です。

 

 

糖質で言われていたのは、「甘いものを摂りすぎると虫歯になる」、「骨が溶ける」くらいでしょうか。

 

 

しかし、どんなに甘いものの恐さを訴えられても、私は甘いものによって悪い影響を受けているとは思えませんでした。太らなかったわけですから。

 

 

現実の伴わない常識には聞く耳を持たないものです(今から考えると、しっかり悪い影響がでていたのですが、当時は情報がなく認識できていませんでした)。

 

 

太ると言われても太らない様に、「骨も溶けないだろう」、「特に何も問題はないだろう」と考えていたのです。

 

 

しかし、それは影響がなかったのではなく、

 

 

たまたま「太る」という方向に症状が出なかっただけです。

 

 

 

そして、私がそれに気が付いていなかっただけです。

 

 

 

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症状は1つではない

 

 

先程紹介した本にあったように、「糖質」という1つの原因で、様々な慢性疾患になります。

 

 

従って、起きる症状は人それぞれです。

 

 

なので、「糖質は太る」という図式も、実は半分正解で、半分間違っています。太る人もいれば、私の様に痩せてしまう人もいるのです。

 

 

理解に苦しむかもしれませんが、正反対の症状のどちらも糖質の影響です。

 

 

 

ちなみに、私が食べ続けた糖質は、常識とは別のところに問題を起こしました。何故私が太らなかったか、その理由は恐ろしいものでした。

 

 

 

 

 

 

アイスクリームをバクバクと毎日欠かさず食べた私ですが、もし、太っていたら、糖質を食べ過ぎないように気をつけていたでしょう。

 

 

 

「甘いもの=太る」という図式しか頭になかった事は問題でした。

 

 

こうして症状を決め付けると、他の可能性は疑いません。

 

 

だから「この症状がでないから問題ない」という発想に繋がったのです。

 

 

その為、胃が弱かろうが、爪がペラペラだろうが、関節から音がでようが、自身の糖分の摂りすぎを問題視することはありませんでした。

 

 

で、他のことを気をつけて、糖質を食べ続けながら、「なんでこんなに不健康なんだろう」と思うわけです。

 

 

知らないとはこういうことです。

 

 

 

まとめ

 

 

私は糖化によって、体にかなりダメージを受けたので、しつこく糖化についてお話ししています。同じように体を弱らせてしまっている人に気付いてほしいからです。

 

 

糖質制限はダイエットのイメージが強いですが、私は糖質制限の一番のメリットは「糖化」を抑えられることだと思っています。

 

 

 

糖質の摂りすぎは、「糖化」だけでなく、ある条件によって癌の原因にもなります。これを防ぐ意味でも糖質制限は有効なのです。

 

余命わずかの末期癌患者が退院できたのは病院での栄養療法のおかげだった!

 

 

 

 

糖化は体を弱らせます。そうならない為にも、糖質の量には気をつけて下さい。

 

 

 

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いきなりですが、糖化反応が起きた結果、体に起こる症状をいくつか挙げておきます。

 

 

どんな人でも、どれか一つぐらい当てはまるのではないでしょうか。

 

 

 

  • 糖質は食べられるが肉や脂質が受け付けず、消化が悪い

 

  • 骨や歯、爪が弱い

 

  • 髪が痛んでいる

 

  • 菌やウイルスへの抵抗力が弱い

 

  • 怪我が治りにくい

 

  • 関節が鳴りやすい

 

  • 肌の劣化

 

  • 痩せていても締りがない

 

  • セルライトがある

 

 

  • アレルギー

 

  • 歯槽膿漏

 

  • 胃下垂

 

 

 

ここに書いたのは、糖化によって起こる症状のほんの一部です。

 

 

 

わかりにくいでしょうが、害を受けてなさそうに見えて、害を受けているのです。

 

 

今回ピックアップしたのは、どれも重篤な症状でないものばかりです。でも、あえてこれらを紹介したのは理由があります。

 

 

爪が弱くても、肌が劣化しても明日死ぬわけではありません。怪我が治りにくくても、アレルギーがあっても、ちょっとしんどいだけで、なんとか頑張れます。

 

 

むしろ、これらは病気のうちに入らないのではないでしょうか。

 

 

ですが、ハッキリ言ってこれらは「糖化」であり、「老化」です。

 

 

糖化すると、細胞が変性するので劣化します。

 

 

 

上に記したものは、症状も、起こる場所も全て違うものです。しかし、これら一つ一つを俯瞰で見ると、細胞レベルで体が弱っていることが感じ取れませんか。

 

 

細胞の劣化ですから、正常な時に比べて、水分が抜けてカスカスしたり、売れた果物のようにブヨブヨしたり、締りが無く垂れ下がったり・・・といった特徴があります。

 

 

私も、上に書いた症状のいくつかがありました。

 

 

自身の体験から、「体が弱いと、大病をしなくても、満遍なくあっちもこっちも弱い」という事を何度も書いてきました。

 

 

細胞レベルで弱るのですから当然です。どこにガタがきてもおかしくありません。

 

 

糖質制限をダイエットだと勘違いしている人達が知らない糖質の健康被害

 

 

今回はこの「糖化反応」のメカニズムについてお話します。

 

 

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糖化反応とは細胞の変化

 

 

人間の体を構成している成分で一番多いのはですね。その次に多いのがタンパク質です。

 

 

タンパク質は、細胞の主成分です。

 

 

筋肉、皮膚、髪の毛、内臓、骨の一部も、タンパク質でできています。

 

 

糖化とは、これら体のタンパク質と、「余った糖」が結びついて変性することです。

 

 

つまり、細胞の劣化です。

 

 

当然、余った糖が多ければ多い程、糖化は酷くなります。そして、一見自然な「老化」に見えるので、糖質が原因であることに気付く人は少ないです。

 

 

 

『老けたくなければファーストフードを食べるな 老化物質AGEの正体 著者:山岸昌一』より引用

 

 

人の体が老化するのには必ず原因があります。

 

年をとったら、皮膚がたるんだり、血管がボロボロになったり、視力が衰えたりするのですが、それは自然にそうなるのではなく、体の中で組織が何らかの変化を起こしたからです。

 

(16p)

 

 

 

一見老化にもみえる「糖化反応」ですが、食品化学の分野では、「メイラード反応」と呼ばれています。

 

 

発見はこちらの方が先です。

 

 

 

糖化反応 = メイラード反応

 

 

 

 

「メイラード反応」を知ることで、糖化した状態のイメージを具体的に掴むことができます。

 

 

 

メイラード反応とは

 

 

糖質とタンパク質の反応は、最初は「食品に起こる反応」として発見されました。

 

 

 

一九一二年、フランスの化学者ルイ・カミーユ・メイラードという人が、糖とタンパク質を加熱すると、褐色あるいは黄色い物質ができることを発見しました。

 

 

こうした「褐色反応」は発見者の名前をとって「メイラード反応」と呼ばれるようになりました。

 

 

(中略)

 

 

「メイラード反応」はこうして発見されてから七〇年間は、ずっと食べ物との関わりで研究され議論されてきたのです。

 

 

(17p~19p)

 

 

揚げ物とか、こんがり焼いたお肉とか、食欲をそそるあの色です。

 

 

 

食品を販売したり、調理をする人も、料理の演出の為にそのような色を加えようとします。

 

 

 

 

例えば、以下のようなものです。

 

 

 

『Wikipedia メイラード反応』より引用

 

 

メイラード反応が関与するものには次のような現象が挙げられる。

 

 

・肉を焼くと褐変

 

・玉ねぎを炒めると褐変

 

・デミグラスソース(ブラウンソース)の褐変

 

・コーヒー豆の焙煎

 

・黒ビールやチョコレートの色素形成

 

・味噌、醤油の色素形成

 

・熟成に伴う酒粕の色素形成

 

・パン(トースト)やご飯の「お焦げ」の形成

 

 

「美味しさの条件」と言っても過言ではないです。

 

 

このように「舌の為」には絶賛される「メイラード反応」ですが、体の中で起こるとなると話は別です。

 

 

 

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体内で起こるメイラード反応(糖化反応)

 

 

ここからは「糖化反応」をより具体的に分かってもらうため、血液の「ヘモグロビン」を例に、糖化の流れを説明していきます。

 

 

 

食品で起こる「メイラード反応」が発見されたのは、1912年です。

 

 

その後、血液を専門にしている医師によって、「人間の体の中でも同じ事が起こっているのでは」という推測がされました。それが、1969年のことです。

 

 

その医師の名は「サムエル・ラーバー」といって、「ヘモグロビン」の研究をしていました。

 

 

 

ここで、分からない方の為に、「ヘモグロビン」について説明します。

 

 

血液は、液体部分の「血しょう」と、血球である「白血球」「血小板」「赤血球」に分けられます。

 

 

 

 

 

 

「ヘモグロビン」は、酸素を運ぶ役割がある「赤血球」の中にあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サムエル・ラーバー」は、ヘモグロビンの研究をしていて以下のような発見をしました。

 

 

ところが一九六九年になって、「メイラード反応」は食品だけでなく、人間の体の中でも起きているのではないか、という画期的な推測がされるようになりました。

 

 

そのきっかけになったのは、サムエル・ラーバーというイランからニューヨークにあるアルバート・アインシュタイン医科大学に留学してきたお医者さんの発見でした。

 

 

ラーバー先生は血液を専門としていて、ヘモグロビンの研究をされていました。

 

 

ヘモグロビンとは赤血球の中にあるタンパク質の一種です。

 

 

ご存じの方も多いと思いますが、ヘモグロビンは酸素とくっつきやすく、肺から体の各組織に酸素を運搬する働きをしています。ヘモグロビンが足りないと、脳に酸素が十分届かなくなって、貧血状態を起こします。

 

 

ラーバー先生はヘモグロビンの形や構造の違いによって、酸素の運搬機能に差が生まれるのではないかと考えました。

 

 

そして来る日も来る日もヘモグロビンの性質と機能を追いかけていたのですが、あるとき、糖尿病の患者さんのヘモグロビンを調べていたら、とても変な性質をもつヘモグロビンを発見したのです。

 

 

実はこの奇妙なヘモグロビンは、老化物質AGEに変化する一歩手前の「ヘモグロビンA1c」(HbA1c/ヘモグロビン・エーワンシーという表記もある)という中間物質でした。でも、当時のラーバー先生はそんなことは知るよしもありませんでした。

 

 

ただ、糖尿病の患者さんの血液には奇妙な性質のヘモグロビンがたくさんあって、ふつうの人の血液にもあることはあるが、糖尿病の患者さんではこれが二~三倍と多く存在することがわかった。

 

 

きっと、このへんてこりんな性質のヘモグロビンが糖尿病の患者さんに悪さをして、何か病気を起こしているに違いない、あるいは、このタイプのヘモグロビンが想起に糖尿病を診断する手がかりとなるかもしれない、という論文を一九六九年に発表したわけです。

 

 

(20p~21p)

 

 

ここで、「ヘモグロビンA1c」と、「AGE」という言葉がでてきたので整理します。

 

 

 

ヘモグロビンA1c

 

 

「ヘモグロビンA1c」は、通常の「ヘモグロビン」とは性質が違います。

 

 

どう違うかというと、「ヘモグロビン」にブドウ糖が結びついています。

ヘモグロビン + ブドウ糖 = ヘモグロビンA1c

 

 

 

 

AGE / AGEs

 

 

 

「AGE」は、老化物質です。

 

 

 

 

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ヘモグロビンA1cとは

 

 

糖尿病の人が検査の時に気にするのが「血糖値」と、「ヘモグロビンA1c」です。

 

 

まず、「血糖」と、「ヘモグロビンA1c」の意味を整理します。

 

 

 

  • 「血糖 けっとう」とは、血液の中のブドウ糖の濃度のことです。

 

 

 

 

 

  • 「ヘモグロビンA1c エーワンシー」とは、「血液中のヘモグロビンに、ブドウ糖が結びついた物質」です。糖化蛋白質で「糖化ヘモグロビン」と呼ばれたりもします。

 

 

 

 

ヘモグロビンはタンパク質ですから、血液の中に余分のブドウ糖があると、どんどん結合していきます。

 

 

当然、高血糖の状態が長く続くと、「ヘモグロビンA1c」は増えていきます。

 

 

 

 

 

血糖値とヘモグロビンA1cの値の違い

 

 

続いて、血液検査で分かる、「血糖値」と「ヘモグロビンA1c値」の違いについてお話します。

 

 

 

 

 

  • 「血糖値」を計ると「血液検査をした時」の血液中のブドウ糖の値がわかります。

 

 

 

 

  • 「ヘモグロビンA1c値」は、「ヘモグロビンのどれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値」です。この値で、過去1ヶ月~2ヶ月の血糖の状態がわかります。

 

 

 

要するに、「血糖値」よりも、正確な血糖状態を知ることができるのが「ヘモグロビンA1c値」なのです。

 

 

 

ふだん不摂生をしあげて、検査の前だけ血糖値が上がらないように食事制限をするという小賢しい真似をする人がいますが、無駄なあがきです。

 

 

 

一時的に血糖値を良くしても、「ヘモグロビンA1c」を見れば食の習慣は筒抜けです。

 

 

 

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ブドウ糖は必要だけど多すぎるとダメ

 

 

血糖値は上がりすぎてもダメですが、低すぎてもダメです。

 

 

生命を維持するには、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が一定以上必要です。

 

 

 

糖尿病の人はふつうの人より血液中にたくさんのブドウ糖(血糖)をもっています。そのためブドウ糖とヘモグロビンが結びついて変質した「ヘモグロビンA1c」が多く見られます。

 

 

しかし、ふつうの人の血液中にも「ヘモグロビンA1c」がゼロではありません。

 

 

なぜなら人間はだれでも血液中にブドウ糖(グルコース)をもち、一〇〇ミリグラム/デシリットル前後の血糖値が存在するからです。

 

 

血液中のブドウ糖は、グルコースとして、とりわけ脳と、各種臓器や筋肉に運ばれ、エネルギー源として使われます。

 

 

脳は臓器としては、全体重の約二%(一・二~一・五キロ)しかありませんが、安静時でのグルコース消費量は一八%、とおそろしく「食いしん坊」なのです。

 

 

頭の活動には、このエネルギー源が必須で、グルコースが不足すると脳は活動を停止してしまいます。だから人は何をさしおいても脳にグルコースを送ろうとします。

 

 

またグルコースは、心臓で11%、肝臓で20%、筋肉では安静時でも20%を消費します。

 

 

言ってみればグルコースはエネルギーのコインのようなものですから、「糖化は人間が生きていく上で避けることのできない現象」だと言えます。

 

 

ただし、「ヘモグロビンA1c」の割合は、ふつうの人では糖尿病の人に比べると少なく、四・五~五・五%程度です。

 

 

(26p~27p)

 

 

これを読んで、

 

 

「グルコース(ブドウ糖)が不足すると脳は活動を停止する? やっぱり糖質は食べた方がいいんじゃないか」

 

 

と思われた方もいると思うので、少し説明をします。

 

 

確かに一定のブドウ糖は必要ですが、わざわざ食事から摂る必要はありません。その理由はいくつかあります。

 

 

まず、世間一般で信じられているように、脳はグルコース(ブドウ糖)だけをエネルギーとしているわけではありません。

 

 

 

脳は、ブドウ糖が不足してくると、脂肪酸を分解してできたケトン体という物質をエネルギー源として使います。しかも、脳は「ケトン体」の方が好きなのです。

 

 

 

ちなみに、胎児や新生児は「ケトン体」を利用してエネルギーを生み出しています。

 

 

 

エネルギー源を「ブドウ糖」に依存しているのは「赤血球」と「グリア細胞」です。

 

 

 

だから人間の体には、グルコース(ブドウ糖)は必要なのですが、食事から摂る必要はありません。

 

 

 

人間は、自分の体の中でグルコース(ブドウ糖)を作り出すことができるからです。

 

 

これを「糖新生 とうしんせい」と呼びます。

 

 

必要な糖質量は「糖新生」の働きで十分まかなえます。

 

 

 

「必要だけど、食べる必要がない」とはそういう意味です。自分で作れば事足りるのに、それ以上の量を余分に食べようとしているのが現代人です。

 

 

 

それに気付かず「糖質は必要だから」と食べ続けたら、糖が有り余って、体内のタンパク質がどんどん糖と反応して、劣化していきます。

 

 

 

 

人間に必要な糖質量については以下の記事をお読み下さい。

 

人間の身体に必要な糖質量を血糖値の視点から分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

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ヘモグロビンA1cは何故増えるのか

 

 

「ヘモグロビンにブドウ糖が結びついたものがヘモグロビンA1c」なので、糖質の摂取が増えると、糖化したヘモグロビンが増えることになります。

 

 

そして、それには、も関係しています。

 

 

ラーバー先生自身も研究しているうちに、「ヘモグロビンA1c」は正常なヘモグロビンに糖がたんこぶのようにくっついて変質した「糖化物質」だということがわかってきました。

 

 

ここで疑問が生まれました。

 

 

なぜ「ヘモグロビンA1c」ができたのか?なぜヘモグロビンに糖がくっつき、へんてこりんなものに変化したのか?

 

 

ここからが医学と化学のブレークスルーでした。

 

 

長く食品化学の領域で糖とタンパク質の化学反応として研究されてきたあの「メイラード反応」と、人間の体の中で起こっている生化学反応とが初めて結びついたのです。

 

 

「メイラード反応」とは、食品を構成する糖とタンパク質が加熱によって変質する化学反応のことでした。

 

 

人間の体の中にも、ブドウ糖という糖と体内組織を主につくっているタンパク質が多数存在しています。

 

 

すなわち、それらが三七度の体温で常時、長い時間をかけて温められているわけです。糖とタンパク質が温められるとどうなるか?

 

 

あたかもフライパンの上でじっくり調理されているかのように、人間の体内の組織に焼き目や焦げ目のような反応があらわれてもおかしくないではありませんか。

 

 

(22p~23p)

 

 

 

体内の組織が糖漬けになれば「タンパク質+糖+熱」で糖化クッキングの完成です。

 

 

 

 

 

 

ここでは「ヘモグロビン」を例にしていますが、もちろん、「それ以外の組織」でも同じことが起きます。

 

 

最初にお話した通り、筋肉、皮膚、髪の毛、内臓、骨の一部も、タンパク質でできていることを忘れてはいけません。

 

 

タンパク質は、細胞の主成分ですから、「加熱で糖がタンパク質とくっついて性質が変わるメイラード反応」は、体のどこで起こってもおかしくはないと肝に銘じるべきです。

 

 

糖質を多く食べる人は、この反応で、皮膚が弱り、髪が弱り、内臓が弱り、劣化していきます。

 

 

ちなみに、「三七度の体温で常時、長い時間をかけて温められる」とありますが、この理屈だと「低体温の人」はメイラード反応が鈍いことになります。

 

 

低体温の人が肌が白いのはこの為かもしれません。

 

 

逆にヨーロッパ系の人が肌の劣化が早いのは、日焼けをするからとか色々言われていますが、彼らの体温が日本人に比べると1度くらい高いので、その分メイラード反応が活発になるのかもしれませんね。

 

 

 

まあ、これは私の勝手な憶測ですが。

 

 

 

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糖尿病が怖いわけ

 

 

実は「ヘモグロビンA1c」はさらに反応が進むと、「AGE」と言う老化物質に変身します。

 

 

 

ヘモグロビンA1c

 

 

悪化

 

 

AGE

 

 

 

 

つまり「ヘモグロビンA1c」は、老化物質の一歩手前です。

 

 

これがたくさんあったら体にいいわけない、というのはお分かりいただけるかと思います。

 

 

 

しかし、糖尿病の患者さんの血液の中には、この「ヘモグロビンA1c」が普通の人より多くあるわけですから、「AGE」になるリスク、つまり、病気のリスクが高くなります。

 

 

糖尿病の患者さんに共通する特徴的な症状とは何かというと、まさしく「老化」なのです。

 

 

糖尿病の患者さんはふつうの人より皮膚がもろく、しみやしわになりやすい。

 

 

骨がボロボロになったり、歯周病や白内障や認知症になるのも格段に早いし、血管ももろいので、心筋梗塞や脳梗塞になるリスクが三倍も高くなります。

 

 

(24p)

 

 

糖尿病について詳しく知らない人も、「糖尿病は合併症が恐い」という事は知っているのではないでしょうか。

 

 

誰でも一度ぐらい、糖尿病の人が足を切ったとか、目が見えなくなったとか、恐ろしい話を聞いた事があると思います。

 

 

何故、糖尿病が合併症を引き起こしやすいのか、昔、私はイメージが掴めなかったのですが、この糖化の概念を知ることで、よく理解することができました。

 

 

 

 

AGEとは

 

 

「ヘモグロビンA1c」は、「老化物質に変身する一歩手前の物質」でした。

 

 

 

それが酷くなると、「AGE」という老化物質に変化するわけですが、これは非常に毒性が強いのです。

 

 

 

次はこの「AGE」がどんなものかについてお話します。

 

 

AGE(終末糖化産物)について分かりやすく説明してみたへ続く

 

 

 

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