お知らせ

 

 

私達は憲法によって言論の自由が守られているので、

食や健康等の問題を主張する事ができます。

 

 

 

 

元々憲法改正賛成派だった人の解説です。

 

 

 

 

谷本議員と一緒に飛行機を降ろされたもう一人の人物・高橋清隆氏について

 

 

 

谷本議員らがノーマスクで強制降機! 釧路空港のエアドゥ機、「憲法違反を公然と行う航空各社への行政指導を国交省に求める」

 

 

一緒に飛行機を降ろされた反ジャーナリスト高橋清隆氏による、谷本誠一議員のインタビュー動画です。

 

 

 

 

 

身近な人が被害に合った時の為に

とりあえずブックマークをお願いします。

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:病気
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虚弱体質とか、大病をしたことがない人でもなる身近な疾患があります。

 

 

 

「花粉症」や「アトピー性皮膚炎」等のアレルギーです。

 

 

 

なんと、日本人の3人に1人が何らかのアレルギーだそうです。

 

 

 

たかがアレルギー...と軽く考える方もおられるかもしれませんが、これは免疫システムの異常なので立派な病気です。

 

 

 

何故、近年こんなにアレルギーの人が増えてきたのかその理由を知るためには、アレルギーがどんなものなのか知っておく必要があります。

 

 

 

 

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アレルギーは免疫システムの異常

 

 

 

体には「免疫 めんえき」と言う仕組みが備わっています。「免疫」とはシステムの事で、イメージは防衛軍です。

 

 

 

「免疫」は、体に外敵(異物)が入って来たときに、それを「自分ではない異物だ」と認識してから攻撃をして体を守ります。

 

 

 

  • 外敵と自分の組織を正しく区別する

 

  • 外敵を攻撃して守る

 

 

 

免疫の仕組みについては、以下の記事で述べました。

 

白血球と免疫の仕組みについて分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

そして、外敵を攻撃すると「炎症」と言われる反応が起きます。

 

 

 

「免疫」と「炎症」の違いは、「防衛軍」と「国を守る本土決戦による戦火」です。

 

 

 

 

免疫・・・防衛軍(守るシステム、能力)

 

炎症・・・戦火、戦闘(状態、反応)

 

 

 

 

炎症のパターンはこちらです。

 

 

 

  • 赤くなる

 

  • 腫れる

 

  • 熱くなる

 

  • 痛い

 

  • 動かせない等

 

 

 

 

このシステムが正常に働いていれば、体にとって頼もしい存在です。

 

 

 

しかし、この防衛軍が何らかの理由でおかしくなってしまうことがあります。そうなったら頼もしい防衛軍が自国にダメージを与えてしまうのです。

 

 

 

 

そして、免疫システムがおかしくなるパターンには「自己免疫疾患 じこめんえきしっかん」と、「アレルギー」があります。

 

 

 

この2つは違います。

 

 

 

「自己免疫疾患」は、「自己」と「非自己」の認識がうまくできなくなって、自己を構成する物質を「外敵(抗原)」と勘違いして攻撃をしてしまう疾患です。

 

 

免疫が「これは異物だな(自分じゃないな)」と判断して、敵として攻撃するので、体はダメージを受けます。

 

 

 

「慢性関節リウマチ」や、「膠原病」等です。

 

 

 

 

「膠原病 こうげんびょう」の話をすると、「高い所でなるやつ?」と聞かれることが多いです。それは、「高山病 こうざんびょう」です。

 

「膠原」とはコラーゲンのことです。そして、膠原病とは全身に炎症が起こる病気で、世間では、難病ということになっています。本当は糖質の過剰摂取が主な原因なのですが、それを無視しているので、原因は分かっていない...とされています。

 

 

以下の記事に膠原病について書いています。

 

 

炎症と自己免疫疾患について分かりやすく説明してみた

 

 

 

以上が「自己免疫疾患」です。

 

 

 

「アレルギー」は、「自己」と「非自己」の認識には問題がありません。攻撃対象は「自己」ではなく、外敵です。

 

 

 

ただし、外敵に対して過剰に反応します。それによって、体に不都合が起こるのです。

 

 

 

 

「気管支ぜんそく」、「アトピー性皮膚炎」、「花粉症」等です。

 

 

 

 

以下が「アレルギー」と「自己免疫疾患」の違いです。

 

 

 

  • 自己免疫疾患・・・自己と非自己の認識が狂う、自己を攻撃

 

  • アレルギー・・・・・・・自己と非自己の認識は正常、外敵を過剰に攻撃

 

 

 

 

本記事のテーマは「アレルギー」ですので、後者についての話になります。

 

 

 

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アレルギーに関わる細胞

 

 

アレルギーのメカニズムについてお話する前に、関係する細胞を紹介します。

 

 

 

 

 

 

マクロファージ

 

 

「マクロファージ」は、白血球の「単球」が成長した姿の1つです。

 

 

 

 

 

「マクロファージ」は、外敵を見つけると、食べることで処理します。これを「貪食 どんしょく」とか「食作用」と言います。

 

 

さらに、取り込んだ敵の情報を「ヘルパーT細胞」に伝える役目も果たします。

 

 

 

 

樹状細胞

 

 

白血球の「単球」から成長したのが「樹状細胞 じゅじょうさいぼう」です。

 

 

 

 

外敵を取り込んで、その情報を「ヘルパーT細胞」に伝えます。マクロファージと似ていますが、情報を伝達する能力はこの樹状細胞の方が優れています。

 

 

なので情報屋です。

 

 

 

顆粒球

 

 

「顆粒球」は顕微鏡で見ると、多くの顆粒があります。

 

貪食能力を持っていて、3タイプあります。

 

 

 

 

 

 

 

肥満(マスト)細胞

 

紛らわしいことに、太いからこの名前がついているのですが、「肥満」とは全く関係ない細胞です。

 

 

ではどんな細胞なのかというと、大きな特徴がこちらです。

 

 

 

 

細胞の表面には「IgE」という「抗体」の定常部と結合する「受容体(レセプター)」がたくさんあります(※「IgE」、「抗体」については後で詳しく説明します)

 

 

 

 

「受容体」とは、何らかの刺激を受け取る「受信機」みたいなものです。

 

 

 

 

そして、肥満細胞の中には「化学物質を含んだ顆粒」がたくさん入っています。異物を見つけると、顆粒中の化学物質を放出して排除しようとします。

 

 

 

ちなみに肥満細胞が放出する物質はこちらです。

 

 

 

『慢性膀胱炎・間質性膀胱炎・膀胱頚部硬化症 マスト細胞(肥満細胞)の存在意義』より引用

 

 

1.ヒスタミン

 

アレルギー反応に関与する代表的刺激成分。血管透過性を高め、いろいろな血液中の成分を漏れ出させる作用があります。風邪薬にはヒスタミンの作用を抑える抗ヒスタミン剤が一般的に含まれています。また膀胱などの内臓の平滑筋を収縮させる作用もあります。

 

 

2.ヘパリン

 

血液をサラサラにする成分。赤血球・白血球やリンパ球が血小板の作用で固まらないようにしています。血液透析の際に、血液が固まらないように回路の中に注入される薬剤として有名。

 

 

3.プロスタグランディン

 

炎症物質としては有名な成分。血管拡張作用と赤血球柔軟作用があります。消炎鎮痛剤は、この成分を抑制する働きで、痛みを抑えます。消炎鎮痛剤で急性胃炎や胃潰瘍の副作用が有名ですが、プロスタグランディンの働きを抑えることで毛細血管の流れを悪くして胃粘膜細胞の血液栄養供給が低下するからです。

 

 

4.サイトカイン

 

アレルギー反応や免疫システムに関与する様々な細胞(リンパ球)の働きの強さと期間を調節し、情報交換を媒介するための成分です。物質的には、ホルモン様低分子タンパク質です。

 

IL(インターロイキン)-3:造血前駆細胞の促進

 

IL-4:B細胞の活性化

 

IL-5:B細胞の分化増殖、好酸球の分化増殖

 

IL-6:B細胞の分化増殖、発熱

 

IL-10:マクロファージ活性の抑制

 

IL-13:B細胞の分化増殖

 

I-309:好中球・マクロファージ・血管平滑筋細胞の遊走と活性化

 

GM-CSF(マクロファージコロニー刺激因子)

 

TNF-α(腫瘍壊死因子):好中球遊走、細胞接着因子活性化

 

 

 

5.ケモカイン

 

白血球やリンパ球の遊走を促す作用のある成分がケモカインと呼ばれ、サイトカインに分類される場合もあります。

 

CXCL-8(旧名IL-8):好中球遊走・活性化

 

 

 

 

 

この肥満細胞の他の特徴が以下です。

 

 

  • 造血幹細胞由来の血球系細胞

 

 

  • マクロファージや樹状細胞のように血管の周りや、粘膜など、いろんな組織に存在している。

 

 

  • 「蕁麻疹」はこのマスト細胞の活性化が原因

 

 

 

ナチュラルキラー(NK)細胞

 

 

 

 

体をパトロールして、敵を発見したら、自分の判断で攻撃します。

 

 

 

T細胞

 

免疫システムの特殊部隊で、知的な働きをします。

 

「T細胞」は数種類あって、それぞれ役割が違います。

 

 

 

 

 

  • 免疫の司令官・・・ヘルパーT細胞

 

  • 免疫のスナイパー・・・キラーT細胞

 

  • 免疫のストッパー・・・サプレッサーT細胞

 

 

 

ちなみに、「ヘルパーT細胞」も何種類かあります。

 

 

 

 

B細胞

 

 

 

 

 

「B細胞」は、特定の敵に効く「抗体 こうたい」というミサイルを作る工兵です。

 

 

これを「T細胞」の指令で製造します。

 

 

ここからは、このB細胞が作る「抗体」について説明します。これがアレルギーに関わっているからです。

 

 

 

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抗体を産生するB細胞とは

 

 

抗体は、「B細胞」が分化してできた「形質細胞」が造ります。

 

 

 

 

 

 

「B細胞」について簡単に説明します。

 

 

 

 

血液は、液体である「血しょう」と、「赤血球」、「白血球」、「血小板」にわけられます。

 

 

 

 

 

「白血球」の一種が「リンパ球」です。

 

 

 

 

 

 

で、リンパ球の一種が「B細胞」です。

 

 

 

 

 

 

 

「B細胞」は、「ヘルパーT細胞」の指令を受けて、「抗体」を使って、異物を捕獲して攻撃します。

 

 

 

 

作られた「抗体」は、対になる外敵とくっつきます。そして外敵を沈殿・凝縮させるのです。

 

 

 

 

このように、抗体と敵(抗原)が結合すると、それが目印となって、マクロファージが強力に食べようとします。このように食細胞の食欲を促す働きを「オプソニン化」と言います。

 

 

 

 

というわけなので、武器とはいっても、「抗体」が直接敵を破壊(分解)するわけではありません。

 

 

 

 

 

「抗体」は、水に溶けやすいタンパク質で、血液中や体液中に存在しています。

 

 

 

なので、これを「体液性免疫 たいえきせいめんえき」と言います。

 

 

 

これに対して、「キラーT細胞」は、「抗体」を使わず細胞が直接異物を攻撃します。これを「細胞性免疫 さいぼうせいめんえき」と言います。

 

 

 

  • B細胞・・・抗体を使用=体液性免疫

 

  • キラーT細胞・・・細胞が直接攻撃=細胞性免疫

 

 

 

前者は武器を使った攻撃、後者は武器を使わない攻撃のイメージです。

 

 

 

ちなみに、「B細胞」の「B」とは、骨髄(Bone Marrow)で分化する・・・という意味です。一方、「T細胞」の「T」は、胸腺(Thymus)です。

 

 

次に「抗体」について解説します。

 

 

 

抗体の構造

 

 

 

外敵や自己の成分ではない物質のことを「抗原 こうげん(アレルゲン)」と言います。

 

 

 

「抗原」には、細菌、ウイルス、カビ、そして、本来体に害がない物質である花粉、食品...等があります。

 

 

 

外敵、非自己 = 抗原

 

 

 

そして、体に抗原が入ってきた時に、対抗して体を守ろうとする物質のことを「抗体 こうたい 」と言います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別名は「免疫グロブリン immunoglobulin(イムノ グロブリン)」で、「Ig(アイジー)」と略されます。

 

 

 

 

抗体 = 免疫グロブリン = Ig

 

 

 

「抗体」は、リンパ球の一種「B細胞」が造る「誘導ミサイル」です。

 

 

 

侵入してきた「抗原」のタンパク質の立体構造を原形にして作られます。

 

 

 

 

この抗体(免疫グロブリン)はつの部品でできています。ここでは、「IgG」という抗体を例にします。

 

 

 

 

 

 

 

 

「H鎖」と呼ばれる長いペプチド鎖と、「L鎖」と呼ばれる短いペプチド鎖が2本ずつです。

 

 

全体は「Y」の形をしています。

 

 

抗体は、「糖タンパク分子」です。

 

 

 

  • H鎖 Heavy Chain 重鎖)

 

  • L鎖 Light Chain 軽鎖)

 

 

また、上の部分は「可変部 かへんぶ」、下の部分を「定常部 ていじょうぶ」と呼びます。

 

 

 

 

 

 

抗原と結合するのは「可変部」です。

 

 

 

 

 

「可変部」は、抗体ごとにアミノ酸配列が異なります。

 

 

 

この部分は多様性があります。「抗原」の形とかみ合うような構造で、鍵と鍵穴の関係に例えられます。

 

 

 

従って、1つの抗体が、形の合わない抗原と結合することはありません。

 

 

 

 

 

 

この仕組みのおかげで、誘導ミサイルのように「狙った抗原」をピンポイントで攻撃できるのです。これを「抗原抗体反応」と言います。

 

 

 

 

そして、「抗体」の下の「定常部」は、「食細胞」や「肥満細胞」に結合する部分です。

 

 

 

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抗体の働きと種類

 

 

 

「抗体」の働きはこちらです。

 

 

 

  • オプソニン化・・・抗原にくっついて、食細胞の食欲を促す

 

  • 抗原の中和(無毒化)・・・抗原の周りを取り囲んで、毒素を中和する

 

  • 補体を活性化して細菌の細胞膜を破壊する

 

  • 炎症

 

 

 

 

抗体の「可変部」はオーダーメイドなので、「ペアになる抗原」ごとにバラバラです。

 

 

そして、このような違いとは別に、抗体(Ig)には種類があります。

 

 

人間の抗体は種類です。

 

 

 

  • IgM(アイジー・エム)

 

  • IgA(アイジー・エー)

 

  • IgG(アイジー・ジー)

 

  • IgD(アイジー・ディー)

 

  • IgE(アイジー・イー)

 

 

 

抗原が体内に侵入した場合、最初に「IgM」が作られて対応します。

 

 

粘膜では「IgA」が、粘膜以外の部分では「IgG」が戦います。この2つがメインとなって抗原の中和(無毒化)を担当します。

 

 

「IgD」は、B細胞表面に存在しているのですが、その役割はまだよく分かっていません。

 

 

そして、「アレルギー」の主役とも言える「IgE」が炎症を起こして戦います。この現象には「肥満細胞」が関わっています。

 

 

 

 

ちなみに「IgE」の量は、有名なわりに、抗体の中でも少ないです。

 

 

 

それぞれの性質を簡単にまとめます。

 

 

 

なお、イラストの細かい部分は諸説紛々としており、どれが正しいのか分かりません。その為、一番シンプルなものを採用しました。かなり簡略化しているので、ご了承下さい。なお、「IgD」、「IgE」、「IgG」は同じ形をしているように描かれたものが多いので、ここでも同じようにしました。

 

 

 

 

 

 

Ig M

 

 

 

 

 

「IgM」の特徴が以下になります。

 

 

  • 免疫グロブリンの中で最も分子量が大きい

 

  • 5つ結合しているので捕獲力が強い

 

 

  • 「IgM」は、抗原が侵入した時に最初に作られる抗体

 

  • 「B細胞」の受容体として働く

 

  • 「T細胞」の指示がなくても分泌

 

  • 赤ちゃんが始めて作れるようになる抗体

 

 

 

 

Ig A

 

 

 

 

 

粘膜に抗原が侵入した場合、この「IgA」が抗原と戦います。

 

 

特徴は、抗原(外敵)を鼻水、涙、痰等でなんでもくるんで外に出すことです。ここが、特定の敵に反応する「IgE」抗体と違います。

 

 

 

 

この「IgA」抗体がたくさんあって、粘膜で抗原を防ぎきることができれば、アレルギーの主役である「IgE」が働く機会が減るので、炎症が発生しにくくなります。

 

 

逆に「IgA」が少ないと、抗原のさらなる侵入を許してしまうので、「IgE」の仕事を増やします。つまり、アレルギーの症状が酷くなります。

 

 

 

ちなみに、「IgA」が作られる為には「ビタミンA」が必要です。

 

 

 

「IgA」の特徴が以下になります。

 

 

  • 「血清型IgA」と、「分泌型IgA」の2つある

 

 

  • 分泌型は、血液中より粘膜の分泌液(気管支分泌液、唾液、涙、鼻汁、腸管分泌液、前立腺液、腟分泌液)に多く含まれていて、細菌などの侵入を防いでいる

 

 

  • 母乳の主な免疫物質

 

 

  • 腸に多く存在しているので、腸粘膜に不調があると「IgA」が減少する。その結果、普段何も起こらない食材にアレルギー反応が起こったり、下痢になったり、風邪をひきやすくなったりする

 

 

Ig G

 

 

 

 

 

「IgG」の特徴が以下になります。

 

 

  • 「IgM」よりも遅れて産生される

 

  • 「T細胞」の指示がないと作れない

 

  • 血液中の抗体の中で最も数が多い

 

  • 細菌や毒素と結合する能力が高い

 

  • 血中に留まる時間が長い

 

  • 抗体の中で唯一胎盤を通過できるので胎児に移行し、赤ちゃんの免疫が発達するまで守る

 

  • 「オプソニン化」や「中和」の作用が強い

 

 

 

 

Ig D

 

 

 

 

 

「リンパ球」表面に「受容体」として存在しています。

 

 

詳しくは、まだよく分かっていないそうです。

 

 

 

 

IgE

 

 

 

 

 

「花粉症の検査」で測定するのが「IgE」の血中濃度です。

 

 

「IgE」の特徴が以下になります。

 

 

  • 非常に量が少ない抗体

 

  • 気道、消化管粘膜、リンパ節等で作られる

 

  • 花粉症、アトピー、気管支喘息に関わっている抗体

 

  • 「IgE」が作られると、「好塩基球」や「肥満細胞(マスト細胞)」に結合してアレルギー反応を起こす

 

  • 寄生虫を防御すると考えられている

 

 

 

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アレルギーの種類

 

 

アレルギーに関わる細胞や、抗体についてお話したので、ここからはアレルギーの仕組みについて説明します。

 

 

 

アレルギー反応はタイプあります。

 

 

 

異物が侵入してから数分~8時間以内に起こるものを「即時型 そくじがた」、24時間以上経ってから起きるものを「遅延型 ちえんがた」と言います。

 

 

 

 

  • 即時型・・・数分~8時間以内で起こる

 

  • 遅延型・・・24時間以上経って起こる

 

 

 

花粉症や気管支喘息等、アレルギーの多くは「即時型」です。そして、これには「IgE」が関わっています。

 

 

 

ちなみに、食物アレルギーは「即時型」と「遅延型」があり、前者は「IgE」が関わっていて、後者は「IgG」が関わっています。

 

 

 

それだけでなく、「アレルギー」は、アレルギーが起こるメカニズムごとに、大きくⅠ~Ⅴの型に分けられています。

 

 

 

「即時型アレルギー」はⅠ~Ⅲに分類され、「遅延型アレルギー」はⅣ型になります。

 

 

 

V型は、Ⅱ型アレルギーの特別な形なので、Ⅱ型に含む場合もあります。

 

 

 

 

 

  • Ⅰ型アレルギー・・・(即時型  アナフィラキシー型)

 

 

  • Ⅱ型アレルギー・・・(細胞障害型 細胞融解型)

 

 

  • Ⅲ型アレルギー・・・(免疫複合体型 Arthus型)

 

 

  • Ⅳ型アレルギー・・・(遅延型 細胞性免疫 ツベルクリン型)

 

 

  • Ⅴ型アレルギー・・・(刺激型)

 

 

 

一般的に多くの人が「アレルギー」と呼んでいるのは、Ⅰ型のアレルギーの事です。

 

 

 

というわけなので、この分類でいくと「花粉症」や「蕁麻疹」は、「Ⅰ型アレルギー」になります。

 

 

 

 

ちなみに、「アトピー性皮膚炎」は、Ⅰ型とⅣ型の混合です。

 

 

 

そして、最初に説明した「自己免疫疾患」が、「アレルギー(Ⅱ、Ⅲ型)」に分類されることがあります。

 

 

 

「抗体の種類」といい、「アレルギーの型」といい、複雑になっているので、このへんで混乱して読むのを止めてしまう方もいるかもしれません。

 

 

 

なので、ここでもっとシンプルに考えましょう。

 

 

 

『アレルギーの9割は腸で治る クスリに頼らない免疫力のつくり方 / 著者:藤田紘一郎』より引用

 

 

 

みなさんのなかには「アレルギーという言葉はさまざまな症状に使われて、使い方が混乱している」と思っている人が多いと思います。

 

 

 

確かに各種アレルギーはそれぞれ、原因となる物質や、症状の現われる場所が異なります。そういう意味では、個々のアレルギー病は別の病気のように見えます。

 

 

けれども、アレルギーが起こる仕組みは、実は全部同じなのです。

 

 

 

たとえるなら、お茶のようなものです。

 

 

 

お茶の木そのものは1種類で、その葉っぱが製法によって緑茶になったり、紅茶になったり、烏龍茶になったりします。

 

 

 

もちろん一口にお茶の木といっても、植物分類学的には多くの種類がありますが、「緑茶の木」とか「紅茶の木」といった木はありません。

 

 

 

それと同じで、アレルギーにはいろいろな種類・症状がありますが、「人間の体内で起こっていること」自体は同じなのです。

 

 

(4~5p)

 

 

アレルギーを「木」、原因物質や症状を「葉っぱ」に例えています。

 

 

アレルゲンという「葉っぱの製法」が違うだけで、アレルギー反応が起こるメカニズムは同じです。

 

 

 

従って、「葉っぱ」にあたる何かのアレルギーがある人は、別のアレルギーを持っていることは珍しくありません。

 

 

 

本質である木そのもを解決する必要があるのです。

 

 

 

 

ちなみに、私も「ブタクサ」のアレルギーだけでなく、「ハウスダスト」、「シカカイ(ハーブ)」のアレルギーがあります。

 

 

 

このうち治ったのは「ブタクサ」だけです。

 

 

 

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Ⅰ型のアレルギー

 

 

Ⅰ型アレルギーは、液性免疫なので「抗体」が関わっています。「IgE」抗体です。

 

 

 

抗原と接触してから数分~1時間半以内に症状がでます。

 

 

まず、抗原が始めて体内に侵入します。

 

 

 

抗原は「樹状細胞」などに取り込まれて、その情報が「ヘルパーT細胞」に伝えられます。

 

 

 

 

「ヘルパーT細胞」は、抗体を作る働きのある「B細胞」に指令を出します。

 

 

 

 

情報を元に、「形質細胞」がその抗原に合った「IgE」抗体を作ります。

 

 

 

 

 

次に、その「IgE」抗体は、粘膜などに存在する「肥満細胞」に結合します。

 

 

 

 

 

これを「アレルゲンに感作された状態」と言います

 

 

 

 

ここからは、同じ抗原の2回目以降の侵入となります。

 

 

 

ノコノコと抗原が侵入してきて、「肥満細胞に結合したIgE抗体」に結合します。

 

 

 

 

 

 

それが引き金となって、「肥満細胞」は顆粒を放出します。

 

 

 

 

 

 

顆粒の中にあるヒスタミン等の化学伝達物質がばら撒かれることによって、周囲の組織は以下のような状況になります。

 

 

 

  • 血管透過性の亢進

 

 

 

  • 気管支平滑筋の収縮

 

 

 

  • 粘液分泌の亢進

 

 

 

これが「Ⅰ型アレルギー」の流れになります。

 

 

 

アレルギー体質の人は、「IgE」を作りやすく、肥満細胞の細胞膜上にたくさんの抗体を持っているようです。

 

 

 

 

ちなみに、即時型フードアレルギーは、Ⅰ型です。

 

 

 

 

Ⅱ型のアレルギー

 

 

 

Ⅱ型アレルギーは、「自分の細胞を破壊してしまうアレルギー」です。

 

 

液性免疫なので「抗体」が関わっています。抗体の種類は「IgM」と「IgG」です。

 

 

 

正常であれば、免疫は自分の細胞を攻撃しません。

 

 

薬剤や感染等が原因で、細胞や組織を抗原として認識し、それに対して抗体(IgMとIgG)が生産されてしまいます。その結果、自分の細胞を攻撃します。

 

 

 

 

「自己の細胞表面」が抗原と認識されて、そこに抗体が結びつく

 

 

それを「好中球」や「マクロファージ」が攻撃して傷つける

 

 

 

 

その為、細胞傷害型アレルギーと呼ばれます。

 

 

反応は急性なので即時型です。

 

 

 

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Ⅲ型のアレルギー

 

 

Ⅲ型アレルギーは、液性免疫なので「抗体」が関わっています。

 

 

「体液に溶けた抗原(可溶性抗原 かようせいこうげん)」と、「IgG」と、「補体」の反応で起こるアレルギーです。

 

 

 

 

「抗原抗体複合体」に「補体」が結合します。それが目印となって「食細胞」が処理をします。

 

 

しかし、この「免疫複合体」が、持続的な感染や、自己免疫疾患などによって過剰に作られると問題が起きます。

 

 

「免疫複合体」の量が食細胞の処理能力を上回ると、生体内を移動して、それが組織や臓器に沈着します。

 

 

 

それが原因で、肥満細胞を刺激します。

 

 

 

すると、その場所で、肥満細胞から化学伝達物質が放出されてアレルギー反応が起きます。

 

 

 

その為、免疫複合型アレルギーと呼ばれます。

 

 

反応は即時型です。

 

 

遅延型フードアレルギーはこのⅢ型です。

 

 

 

 

Ⅳ型のアレルギー

 

Ⅳ型アレルギーは、細胞性免疫なので、「抗体」は関わっていません。

 

 

このアレルギーは、司令官である「T細胞」や、「マクロファージ」が関わっています。

 

 

「T細胞」が放出する「サイトカイン」が、マクロファージを活性化し、炎症を起こします。

 

 

これは「T細胞」の活性化に時間がかかるため反応が遅いので「遅延型」です。

 

 

ツベルクリン反応はⅣ型です。

 

 

Ⅴ型のアレルギー

 

 

自分の組織や細胞を「抗原」と認識してしまうⅡ型アレルギーの特殊な形がⅤ型アレルギーです。

 

 

Ⅱ型との違いは、「抗原」がホルモン等の受容体(レセプター)であることです。

 

 

 

受容体が抗原になる + 抗体

 

 

 

そして、Ⅱ型は細胞傷害型アレルギーでしたが、

 

 

 

Ⅴ型は細胞の機能を低下、あるいは亢進させます。前者は「重症筋無力症」、後者は「グレーブス病(バセドウ病)」です。

 

 

 

刺激型アレルギーとも呼ばれます。

 

 

 

 

Ⅰ型アレルギーの花粉症

 

 

アレルギーの種類について色々と説明してきましたが、多くの人がなっているのがⅠ型の花粉症だと思います。

 

 

次はこの花粉症の原因や対策についてお話します。

 

 

重度の花粉症の人も糖質制限や栄養療法で改善できる

 

 

 

 

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ほとんどの人は栄養療法で難病を治療する事に関心を持ちません。

 

 

 

病気は病院で治すもの、薬で治すものという考えだからです。

 

 

 

ですが、癌や膠原病等、治すのが難しい慢性疾患が栄養療法で改善した例がでてきました。

 

余命わずかの末期癌患者が退院できたのは病院での栄養療法のおかげだった!

 

 

 

そして、最近では難病である「多発性硬化症(MS)」がほぼ完治したという話まででてきました。

 

神経難病である多発性硬化症(MS)が半年でほぼ完治した治療法

 

 

 

「難病」と聞くと、凄く難しいと思ってしまいますが、治ったメカニズムを調べると実にシンプルです。

 

 

従って、私は他の難病も栄養療法で改善できると考えています。

 

 

 

そこで、以下の記事で難病である「筋萎縮症 きんいしゅくしょう」について話をしました。

 

 

筋萎縮症という難病の原因と根本的な治療法について考えてみた

 

 

 

本記事はこの続編になります。

 

 

 

「筋萎縮症」とは筋肉が萎縮する病気なのですが、タイプが2種類あります。

 

 

 

一つは「筋肉そのものがダメージを受けて萎縮していく」もの、

 

 

 

そしてもう一つは、「筋肉をコントロールしている神経細胞がダメージを受けて、その結果筋肉が萎縮する」ものです。

 

 

 

結果は同じですが、原因が違います。

 

 

 

「筋萎縮性側索硬化症 きんいしゅくせいそくさくこうかしょう(ALS)」という疾患があるのですが、これは後者で、神経細胞が死んでいく「神経変性疾患」になります。

 

 

 

この疾患の原因や改善方法について調べたのですが、情報が少ないです。

 

 

 

 

そこで、少し大局的にみることにしました。

 

 

 

同じ「神経変性疾患」であるアルツハイマー病や、パーキンソン病は栄養療法で改善したという情報が多いです。

 

 

 

なので、これら「神経変性疾患」の本質をみることで、「筋萎縮性側索硬化症」の原因や改善方法を考えることにしました。

 

 

 

種類が違っても、神経細胞が死ぬという特徴は同じだからです。

 

 

 

『がんの漢方治療と補完・代替医療 銀座東京クリニック 神経変性疾患とケトン食』より引用

 

 

神経変性疾患とは、様々な原因により脳内の様々な部位で神経細胞が病的に死滅してしまうために生じる疾患の総称です。

 

 

疾患ごとに障害を受けやすい神経細胞の種類がある程度決まっており、障害される神経細胞の働きにより疾患の症状が決まります。

 

 

アルツハイマー型認知症は記憶を担当する神経細胞(海馬など)の障害であり、筋萎縮性側索硬化症(ALS)は運動を担当する神経細胞(運動ニューロン)の障害です。

 

 

パーキンソン病は運動を調節する神経細胞のうちドパミン神経の障害で、脊髄小脳変性症は運動を調節する神経細胞のうち小脳などの障害です。

 

 

 

 

 

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神経変性疾患の種類と特徴

 

 

 

「神経変性疾患」は、以下のように分けられます。

 

 

 

  • スムーズな運動が出来なくなる

 

  • 体のバランスが取りにくくなる

 

  • 筋力が低下する

 

  • 認知機能が障害される

 

 

 

 

『順天堂大学医学部付属順天堂医院 脳神経内科 変性疾患部門(変性疾患とは)神経変性疾患とは』より引用

 

 

神経変性疾患とは脳や脊髄にある神経細胞のなかで,ある特定の神経細胞群(例えば認知機能に関係する神経細胞や運動機能に関係する細胞)が徐々に障害を受け脱落してしまう病気です.

 

 

残念ながらまだ原因はわかっていません。脱落してしまう細胞は病気によって異なっています。

 

 

 

大きく分けるとスムーズな運動が出来なくなる病気,体のバランスがとりにくくなる病気,筋力が低下してしまう病気,認知能力が低下してしまう病気などがあげられます.

 

 

1 スムーズな運動が出来なくなる病気:

 

パーキンソン病,パーキンソン症候群(多系統萎縮症,進行性核上性麻痺など)など

 

 

 

2 体のバランスが取りにくくなる病気:

 

脊髄小脳変性症,一部の痙性対麻痺など

 

 

 

3 筋力が低下してしまう病気:

 

筋萎縮性側索硬化症など

 

 

 

4 認知機能が障害されてしまう病気:

 

アルツハイマー病,レビー小体型認知症,皮質基底核変性症など

 

 

神経変性疾患がどのような機序で、なぜ特定の人に起きるのか、始まりはいつなのかも含めてあまりよくわかっていませんが,高齢者に発病しやすい傾向があることから、加齢そのものがリスクであると考えられています.

 

 

患者さんの家族が同じような症状を持っている事は少ないですが(弧発性),一部の患者さんは血のつながった家族の中に同じ症状、もしくは似た症状を持った方がいて遺伝する事が分かっています(家族性)。

 

 

最近の研究の進歩により私たちの施設から世界的にも有名なパーキンソン病の原因遺伝子が発見されましたが、さらに多くの遺伝子、蛋白が世界各国で発見されそれらの機能が調べられています.

 

 

その結果異常な機能を持った蛋白や、必要がなくなった蛋白が分解されずに細胞内にたまってしまい,ミトコンドリアと呼ばれる細胞内でエネルギーを供給する小器官の機能障害、活性酸素を始めとした細胞にとって毒となる成分の暴露が発病に関与するのではないかと考えられています.

 

 

 

>脱落してしまう細胞は病気によって異なっています。

 

 

 

・・・とあるので、どこがダメージを受けるかは、その人の遺伝的な弱点が関係すると思われます。

 

 

 

本質は、どこの神経細胞であれ、そもそも何故神経細胞が壊れるのかです。

 

 

 

 

 

神経細胞(ニューロン)が壊れるわけ

 

 

 

神経細胞は何故壊れるのか・・・

 

 

そのヒントが「認知症の治療は薬より食事改善の方が効果的だ」という話にあります。

 

 

 

『藤川徳美医師 facebook 1月2日』より引用

 

 

高タンパク/低糖質食が継続できればアルツハイマー型認知症は進行しない

 

 

用語の解説;

 

 

HDS-R(長谷川式認知症スケール);日本で最も用いられている認知症テスト、30点満点で20点以下なら認知症。

 

 

数唱;100-7の計算や数字の逆唱などの計算、4点満点でレビー小体病(DLB)では低下しやすく、アルツハイマー型認知症(SDAT)では保持される。

 

 

遅延再生;覚えてもらった三つの言葉を後で思い出してもらう。6点満点でDLBでは保持され、SDATでは低下する。

 

 

MMSE;世界で最も用いられている認知症テスト、30点満点で20点以下なら認知症。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

症例1;70代前半の男性、奥さんとともに来院。

 

H26.9、

 

HDS-R20、数唱4/4、遅延再生2/6。

 

MMSE21。

 

診断、SDAT。

 

 

元々甘い物好き。奥さんに高タンパク/低糖質食を指導し、以後奥さんが食事管理をきっちり行っている。

 

H29.10、

 

HDS-R20、数唱4/4、遅延再生2/6。

 

MMSE21。

 

認知症症状の進行はない。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

症例2;80代前半の女性、娘さんとともに来院。

 

H26.10、

 

HDS-R17、数唱3/4、遅延再生1/6。

 

MMSE22。

 

診断、SDAT。

 

 

元々一人暮らしをしていたが、認知症症状が目立つようになったため娘一家と同居するようになった。娘さんに高タンパク/低糖質食を指導し、以後娘さんが食事管理をきっちり行っている。

 

H29.10、

 

HDS-R26、数唱4/4、遅延再生4/6。

 

MMSE23。

 

認知症症状は改善している。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

SDATは慢性に進行する認知症で、毎年HDS-Rで3点程度ずつ低下すると言われている。

 

 

レミニールなどの抗認知症薬は、認知症を改善させるものではなく、1~2年進行を緩やかにする作用。

 

 

上記の症例でも薬は使用しているが、薬の効果より食事改善の効果が圧倒的に大きいと判断している。

 

 

SDATは最近では3型糖尿病と言われており、糖質の過剰摂取により発症して進行する。

 

 

患者の食歴を聞くと、大盛りご飯に漬け物や、饅頭などの甘い物好きの人がとても多い。何十年もそのような食事をしてきたことが原因である事は明らかであり、年単位で高タンパク/低糖質食を行うと、認知症の進行を抑制でき、改善する場合もある。

 

 

本当言えば、B50、ナイアシン、C、Eなどのメガビタミンを加えればさらに良いはずだが、パラダイムが違いすぎて説明しても理解されそうにないので、まだ実行できていない。

 

 

 

「アルツハイマー型認知症」は、糖質の過剰摂取が原因です。

 

 

 

糖質が認知症を引き起こす理由は、ズバリ糖化です。

 

 

 

骨も皮膚も筋肉も、ホルモンや酵素や神経伝達物質も免疫細胞も・・・体はタンパク質でできています。

 

 

糖質を過剰摂取すると、余った糖が、体のタンパク質と結びついて細胞を変性させます。

 

 

この反応の事を「糖化反応」と言い、

 

 

その反応で最終的に出来る毒性の強い物質のことを「AGE(最終糖化産物)」と言います。

 

 

 

糖質を摂ると、この現象が体のどこで起こっても不思議ではありません。

 

 

 

関節が糖化すれば音が鳴りやすくなったり、胃が糖化すれば胃もたれや胃下垂になったり...痔や歯槽膿漏も糖化です。

 

 

 

糖化すると細胞が劣化するので、その部分が弱ります。

 

 

 

神経細胞も例外ではありません。

 

 

 

『リバーシティクリニック総合医療センター 抗糖化コラム 糖化とアルツハイマー』より引用

 

 

アミロイドβという蛋白が何らかの作用を受けて組織に沈着しやすくなり、それが溜まって脳の神経細胞の死滅を引き起こすという考え方が一般的ですが、糖化がアミロイドβの凝集や沈着を促進、加速させているとも考えられています。

 

 

また、糖化によって体内に発生したAGEs(糖化最終生成物)が細胞死(アポトーシス)を引き起こすことも分かっています。

 

 

 

アルツハイマー病に限らず、癌や膠原病など、糖質の過剰摂取によって起きる病気は、何故か「糖質が悪い」ということを無視して病気を解決しようとします。無視とまではいかなくても触れないようにしています。

 

 

 

その為、標準治療を選択する患者は、医師が注意しない糖質を食べながらの治療になるので、根本的に治ることはありません。

 

 

 

病気を作りながら病気を治すというマッチポンプが横行しています。

 

 

 

 

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異常タンパク質の蓄積とは

 

 

 

アルツハイマー型認知症に限らず、神経変性疾患について調べると、

 

 

神経細胞死と、異常タンパク質の蓄積の特徴が書かれています。

 

 

 

  • 神経細胞死

 

 

  • 異常タンパク質の蓄積

 

 

 

気になるのは後者です。

 

 

 

「異常タンパク質の蓄積」について調べると、小難しいことが書かれていますが、糖化でタンパク質が変性しただけじゃないのかと疑ってしまいます。

 

 

 

タンパク質は、数多くの弱い相互作用によって立体構造が保たれています。

 

 

従って、加熱、攪拌、酸、アルカリ・尿素などの変性剤の処理・・・といった影響で、簡単に立体構造が変化したり、性質が変わってしまうのです。

 

 

以下はタンパク質の変性の一例です。

 

 

ゆで卵 + 熱 → ゆで卵

 

牛乳 + 酸 → 凝固

 

卵白 + 攪拌 → メレンゲ

 

 

 

 

 

糖化反応もタンパク質の変性です。

 

 

 

タンパク質 + 糖 + 熱 → 糖化

 

 

 

「熱」というのは体の場合、体温です。

 

 

 

「タンパク質」の部分が、「骨」だったり、「筋肉」だったり、「皮膚」だったり、「内臓」だったり、「神経細胞」だったりするわけです。

 

 

 

「体のタンパク質が変性する」といってもイメージが掴めないと思うので、以前紹介した記事を載せておきます。

 

 

赤血球のヘモグロビンが糖質によって変性するとどうなるか・・・というお話です。

 

 

ちなみに、ヘモグロビンはこれです。もちろんタンパク質です。

 

 

 

 

 

 

『老けたくなければファーストフードを食べるな 老化物質AGEの正体 著者:山岸昌一』より引用

 

 

「ヘモグロビンA1c」が長い時間、高い血糖値の下に置かれると、糖のたんこぶがどんどん増えていきます。

 

 

そして糖まみれになって、最終的には「AGE(終末糖化産物)」という物質に変質していきます。

 

 

AGEの姿として、次のようなイメージを想像してみてください。

 

 

ヘモグロビンというタンパク質の周囲に四方八方からお菓子のように糖がベタベタとくっついた状態です。

 

 

こうなると、もう元のヘモグロビンには戻ることができません。

 

 

ヘモグロビンとは似ても似つかない 〝異常な物質〟 に変質していきます。

 

 

 

やっかいなのはこのAGEという最終的な糖化物質が、なかなか代謝されずに、長期間体内にとどまるという点です。

 

 

 

赤血球が四ヶ月で入れ替わっても、AGEだけは残ってどんどん蓄積されていく。

 

 

長く人間の体にとどまりつづけるということから、「高血糖の記憶」という現象と一致するのではないか。血糖値を元に戻しても、高い血糖値のときと同じように合併症の病気が進行するのは、AGEがそのまま体内にとどまりつづけるからではないか。

 

 

このことを確かめるために、AGEを人工的につくって、人間の細胞にふりかけてみました。

 

 

するとどうでしょう。このAGEは予想通りに細胞を攻撃したり、組織を劣化させ、老化を加速させた。悪さの限りを尽くしたのです。

 

 

そしてひとたびAGEまで進化すると、元のタンパク質には戻らない。

 

 

「ヘモグロビンA1c」は正常なヘモグロビンに置き換わりますが、AGEのほうは二度とヘモグロビンには戻りません。

 

 

その上、長いこと人間の体内にとどまって悪さをする。「高血糖の記憶」という現象も、AGEによってきれいに説明できるわけです。

 

 

(32p~33p)

 

 

 

 

勘の良い方はお気づきだと思いますが、ここに答えが書かれています。

 

 

重要な部分を要約します。

 

 

 

  • AGEはタンパク質の周囲に糖がベタベタとくっついた状態で「異常な物質」

 

  • AGEは元のタンパク質に戻らない

 

  • AGEは、なかなか代謝されずに長期間体内に留まり蓄積される

 

  • AGEは細胞を攻撃したり、組織を劣化させ、老化を加速させるので毒性が強い

 

 

 

最悪です。

 

 

 

私はよく「セルライト」の話をします。体の外側につくので、目で確認できるからです。運動や食事制限をして体が痩せても、何故か「セルライト」はほとんど落ちません。

 

 

 

糖化した組織というのは簡単には戻りません。

 

 

 

これは血液の「ヘモグロビン」の話ですが、「ヘモグロビン」を「神経細胞」に置き換えて考えると恐ろしいですね。

 

 

ちなみに、アルツハイマー病の人の前頭葉を調べると、健康な人に比べて3倍以上のAGEが蓄積しているそうです。

 

 

 

なので、「アルツハイマー型認知症」は、糖質を控える糖質制限が有効的なのです。

 

 

 

そして、この事は理屈が共通している他の神経変性疾患にも当てはまります。

 

 

 

 

付け加えると、糖化だけでなく、酸化にも注意が必要です。

 

 

 

『Dr.GOTOの老化研究所 05-異常たんぱく質はなぜ増えるのか?』より引用

 

 

 

タンパク質が活性酸素に出会うと、主に、そのアミノ酸単位(アミノ酸残基)から出ている側鎖部分が活性酸素と反応して種々の化学変化を起こします。

 

 

化学変化を起こしやすい部分は、機能にかかわりの深いことが多いので生じた酸化修飾タンパク質は、本来の機能を失ってしまう可能性が高いのです。

 

 

 

 

「酸化」と「糖化」のどちらとも気をつける必要がありますが、現代人が真っ先に注意した方がいいのは「糖化」です。

 

 

 

必要な量に対して、摂取する量が多すぎるからです。

 

 

 

 

 

 

 

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異常タンパク質を分解するシステム

 

 

異常なタンパク質を作らないようにすることも大切ですが、できてしまった異常タンパク質をデトックスする事も重要です。

 

 

 

生体を構成するタンパク質は、1度合成されたものがずっと存在するのではなく、合成と分解を繰り返しています。

 

 

この合成と分解のサイクルのことを「代謝回転 たいしゃかいてん」と言います。

 

 

 

表面的には変化があるように見えなくても、体は古くなったものを壊して入れ替える作業を常に行なっているのです。

 

 

 

その為、「代謝回転」が悪くなると不健康です。再生が滞ってもダメですが、破壊が滞ってもダメです。

 

 

 

で、破壊の働きをする「異常タンパク質分解酵素」というのがあります。

 

 

 

『Dr.GOTOの老化研究所 05-異常たんぱく質はなぜ増えるのか?』より引用

 

 

 

 

異常タンパク質蓄積の原因:タンパク質代謝回転の低下

 

 

タンパク質分解酵素というと胃のペプシンや腸のトリプシンなどがよく知られていますが、いずれも細胞外に分泌される消化酵素です。

 

 

細胞内にも、カテプシン・プロテアソーム・カルパインなど何種類ものタンパク質分解酵素が存在します。

 

 

このうち主要な異常タンパク質分解酵素であるプロテアソームの活性は、老齢動物で低下します(図24-2)。

 

 

他のタンパク質分解酵素は、活性があまり変わらないか、逆に増えるものもあります。

 

私たちの研究室では老齢動物のプロテアソームの活性を阻害すると異常タンパク質の分解も抑えられることを明らかにしています。

 

 

興味深いことにプロテア ソームの活性低下は、酵素の量が減ったためではなく、酵素自身が異常化しているためのようです。

 

 

異常タンパク質を分解除去する酵素自身が異常化すれば、他の異常タンパク質の分解が遅くなってしまうのはうなずけます。

 

 

 

このように、「プロテアソーム」というタンパク質分解酵素が、「異常タンパク質」を分解します。

 

 

 

この働きが低下すれば、破壊されるはずの異常タンパク質が破壊されません。

 

 

 

働きが低下する理由は、タンパク質分解酵素が異常化することなので、その理由を考えてみます。

 

 

 

まず、酵素はタンパク質で出来ています。

 

 

 

その為、タンパク質不足や、糖化に弱いです。

 

 

 

例えば、タンパク質不足の人が肉を食べると気持ち悪くなります。

 

 

 

タンパク質や脂質を消化する消化酵素もタンパク質でできているので、タンパク質不足で酵素が不足し、肉を上手く消化できなくなります。

 

 

 

 

タンパク質不足

 

 

消化酵素が不足

 

 

タンパク質を食べてもうまく消化できない

 

 

タンパク質を食べなくなる

 

 

タンパク質不足

 

 

 

 

 

この場合、「タンパク質不足が悪い」とは思わず、「タンパク質が悪い」と勘違いする人が多いです。

 

 

 

 

理屈は同じで、タンパク質不足だと「タンパク質分解酵素」も不足します。

 

 

 

『藤川徳美医師 facebook 2018年1月31日』より引用

 

 

メグビーメールマガジン 2月号 Vol.95、より

 

 

第9章 ~高タンパク食生活の心得も~ -日常生活を例に正しい処方を表示-

 

 

【その不足は全身に悪影響】

 

 

まず、タンパク質の生体における役割を見よう。

 

血液、骨、筋肉、神経、内臓諸器官から皮膚や爪にいたるまで、タンパク質でできていないものはない。

 

 

したがって、それの欠乏があれば、全身的に悪影響が及ぶ。

 

 

生体の代謝をにぎる酵素がすべてタンパク質であることも見のがせない重要なポイントである。タンパク質の欠乏があれば、代謝のスムーズな進行は期待できないといって、過言ではない。

 

 

そしてまたタンパク質は、抗体やインターフェロンなど、感染に対する自衛手段にも利用される。タンパク質が欠乏すれば、細菌やウイルスに対して無防備になるのだ。
生体の代謝には、タンパク質も、糖質も、脂質も参加する。

 

 

それらのすべてが酵素を要求することを考えると、タンパク質の比率が低くては、代謝のスムーズな進行にさしつかえる、という結論をださざるをえなくなる。

 

 

エネルギー源が、糖質・脂質だからといって、これだけを食っていたら、エネルギーさえもつくれない。

 

 

酵素タンパクなしの代謝などは、ありえないからである。

 

 

タンパク質の比率が重要なことは、このような極限のケースを想像すればわかるはずだ。

 

 

 

もっと最悪なのは、タンパク質不足だと古いアミノ酸を使いまわして「代謝回転」が行なわれることです。

 

 

健康の維持には、体の材料であるタンパク質を必要なだけ常に補う必要があります。

 

 

先ほども言ったように、生体はタンパク質を分解したり合成したりを繰り返しています。

 

 

その過程で「古くなったアミノ酸」は捨てられるのですが、タンパク質が不足している人は、古いアミノ酸を再利用します。

 

 

 

『藤川徳美医師 facebook 2017年5月28日』より引用

 

 

タンパク質は作って(同化)は壊して(異化)を繰り返しており、動的平衡状態にある。

 

 

原料が足りないと、三石先生風に言うと、粗末な腎臓、粗末な肝臓、粗末な心臓、粗末な脳、ができてしまう。

 

 

脂質は、細胞膜、ミトコンドリア膜、核膜などの生体膜成分。

 

このものも、同化と異化による動的平衡状態にある。

 

 

体を作る代謝酵素の主酵素はタンパク質。

 

 

代謝酵素の補酵素はビタミン、ミネラル。

 

 

糖質ばかり食べると、体に悪いのは明白。

 

 

小学生でもわかる栄養の話。

 

 

 

タンパク質不足は、粗末な体を作り上げてしまうので、ガラクタのようになります。

 

 

 

古いアミノ酸は変形していることもあるので、そんな材料を使って体を作った場合、下手をすると体の防衛軍である「免疫細胞」に敵とみなされて攻撃されてしまいます。

 

 

 

これが「自己免疫疾患」の原因です。

 

 

詳しくは以下の記事に書いています。

 

 

炎症と自己免疫疾患について分かりやすく説明してみた

 

 

 

タンパク質不足だと、「必要な物が作れない」こともあれば、「廃材を使いまわすことによって粗末な体になってしまう」リスクがあります。

 

 

 

だから、タンパク質は不足させてはいけないのです。

 

 

 

健康維持の為には最低でも体重1kgあたり1gは必要です。体重50kgの人だと50gは必要ということになります。

 

 

病気の改善や美容目的の場合は、さらに量が必要です。

 

 

 

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ケトン食と神経変性疾患

 

 

 

神経細胞を糖化させない為に糖質を制限すること、

 

 

そして、異常タンパク質分解酵素の働きを低下させない為にタンパク質を十分摂取することが大事・・・という話をしてきました。

 

 

 

高タンパク質、低糖質です。

 

 

 

そして、もう一つ付け加えたいのが脂質です。

 

 

 

『がんの漢方治療と補完・代替医療 銀座東京クリニック 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の代替療法』より引用

 

 

【肥満の方が生存期間が長い】

 

 

ALSでは栄養状態が良いほど生存期間が長いことが明らかになっています。

 

 

ALSの動物実験モデルを使った実験では、高脂肪食で運動ニューロンの死滅が減少し、生存期間が20%延長したという報告があります。

 

 

高脂肪食(脂肪47%、炭水化物38%、たんぱく質15%)と普通食(脂肪17%、炭水化物64%、たんぱく質15%)の比較では、普通食の生存期間が180日以下に対して高脂肪食では220日(一部のマウスは270日以上生存)という結果が報告されています。

 

 

BMI(body mass index)とALS患者の生存期間が比例するという報告があります。

 

 

100万人以上を14〜28年間追跡して前向き試験では、標準体重の人より肥満の人の方がALSを発症するリスクは30〜40%低いという結果が報告されています。

 

 

結論的には、少し肥満になるくらいにカロリーオーバーの食事がALSの生存期間を延ばす効果が期待できるということです。

 

 

 

効果が期待できる代替療法として注目されているのが「ケトン食」です。

 

 

 

「ケトン食」とは、摂取エネルギーの60~90%を脂肪で摂る食事法です。脂肪酸を分解して生じたケトン体をエネルギー源として利用します。糖質は極端に減らすという特徴があります。

 

 

 

ケトン食は「アルツハイマー病」に効果があったという話が多いのですが、「筋萎縮性側索硬化症」にも効果があることが報告されています。

 

 

 

場所が違っても神経細胞が死ぬという本質は同じなのです。

 

 

 

では、何故「ケトン食」が神経細胞に良い影響をもたらすのか、その理由です。

 

 

 

『がんの漢方治療と補完・代替医療 銀座東京クリニック 神経変性疾患とケトン食』より引用

 

 

ケトン体はグルコースが枯渇したときに肝臓で脂肪酸が燃焼して産生されます。

 

 

 

ケトン体は血液脳関門を通過し、拡散あるいはモノカルボン酸トランスポーターによって神経細胞内に入り、神経細胞のエネルギー源となります。

 

 

 

グルコースの代替エネルギー源となる以外に、次のような様々なメカニズムで神経細胞を傷害から守る作用があります。

 

 

 

①ケトン体は神経細胞のミトコンドリアを増やし、ケトン体自体がエネルギー源となって神経細胞におけるエネルギー産生を増やす。

 

 

 

②ケトン体は抗炎症作用があり、さらにミトコンドリアにおける活性酸素の産生を減らし酸化障害を軽減する。

 

 

 

③ケトン体はアポトーシスの過程を阻害することによって神経細胞死を抑制する。

 

 

 

④ケトン体はヒストンアセチル化を亢進して認知機能を高める。

 

 

 

ミトコンドリアというのは、細胞内にある発電所です。

 

 

 

ミトコンドリアを使うと、エネルギー物質「ATP」をたくさん作ることができます。

 

 

 

 

 

 

ミトコンドリアが機能不全になることで、細胞が癌化します。

 

 

一方、神経細胞(ニューロン)は、ミトコンドリアの多い細胞です。

 

 

 

 

 

 

普通の細胞のように分裂しないので癌化することはありませんが、再生しないのでダメージを受けて変性したり死滅すると数が減ります。

 

 

 

脳腫瘍は「神経細胞(ニューロン)」が癌化したのではなく、「グリア細胞」が癌化したものです。

 

「脳のエネルギー源はブドウ糖なので糖質をしっかり摂りましょう」と言う人が語らない話

 

 

 

神経変性疾患もミトコンドリアの機能が低下することが影響しているようです。

 

 

 

『がんの漢方治療と補完・代替医療 銀座東京クリニック 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の代替療法』より引用

 

 

 

ALS患者やALSの動物実験モデルの研究から、ALSの発症とその進展の機序にエネルギー代謝の異常が関与していることを示すエビデンスが増えている。

 

 

特に、糖代謝の低下とミトコンドリア機能の異常が中枢神経系組織や筋肉組織のATPの利用を妨げている。

 

 

ALSにおけるミトコンドリア機能の改善を目標にした代謝治療が幾つか試みられており、ALSの機能改善に様々な効果を示している。

 

 

ALSの実験モデルにおいて代謝をターゲットにした治療の効果は、運動障害の発症を遅らせ、運動神経を保護し、生存期間を延長することが明らかになっており、ALSの発症メカニズムに代謝の異常が重要な関与をしていることを示している。

 

 

ALSに対する代謝治療の有効性を検証する比較対照臨床試験を早急に実施する必要がある。

 

 

さらに、ALS患者やALSの動物実験モデルにおけるエネルギー代謝の異常を解明することは、代謝をターゲットにした有効な治療法の開発に必要であり、このような治療法はALSの進行を遅らせ、ALS患者の延命につながる。

 

 

 

神経細胞のエネルギー源はグルコース(ブドウ糖)ですが、ALSの運動ニューロンではグルコースの取込みも代謝も低下し、ミトコンドリアでのATP産生が低下してエネルギー不足になって細胞死が引き起こされているので、ミトコンドリアの働きを高める方法はALSの進行を抑制できるという考えです。

 

 

がん細胞では、解糖系が亢進しミトコンドリアでの酸化的リン酸化が抑制されています。この場合、ミトコンドリアの機能を亢進するとがん細胞は自滅します。

 

 

一方、神経変性疾患では、ミトコンドリアの働きが低下してATP産生が低下して死滅するので、ミトコンドリアの働きを亢進すると、神経細胞死を避けることができるということです。

 

 

 

これを読むと、ミトコンドリアの機能を回復してATPをたくさん作る栄養療法が応用できそうです。

 

 

 

 

神経変性疾患の対策

 

 

筋萎縮性側索硬化症は、他の神経変性疾患の対策と同じように、

 

 

 

糖質を減らし、タンパク質と脂質を摂る糖質制限と、エネルギー代謝を円滑にする為に必要なビタミンやミネラルをサプリメントで必要なだけ摂るのが効果的でしょう。

 

 

 

実際にやってみないと分かりませんが、そういう方法も知っておいた方がいいです。

 

 

 

 

ATP(アデノシン三リン酸)について分かりやすく説明してみた

 

 

エネルギー代謝について分かりやすく説明してみた

 

 

癌細胞と癌家系について分かりやすく説明してみた

 

 

ベジタリアンや糖質を止められない人が、健康の為に摂っておきたい栄養素とは

 

 

 

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筋肉が萎縮し、運動機能が失われる病気を総称して「筋萎縮症 きんいしゅくしょう」と言います。

 

 

 

筋肉自体が徐々に小さくなる難病で、根本的な治療法は発見されていません。

 

 

何故、そんな疾患について書くかというと、私の身内の友人がこの疾患にかかっているからです。

 

 

その人は30代の男性で、私より歳下です。彼が最初に病院に行った時、私の身内も付き添いで行ったので、その時から気になっていました。

 

 

 

まさか難病とは...。

 

 

 

私の友人ではないので、私が口をはさむ問題ではないのですが、無視はできません。

 

 

 

 

情報を世の中に向けて発信する形で助けられないかな・・・と考えています。

 

 

 

以前から「筋萎縮症」を改善する方法や、完治したという情報はないかとアンテナを張っているのですが、決定的な情報はまだ掴んでいません。

 

 

 

 

ただ、以下の記事にも書きましたが、原因不明だと言われている慢性疾患は「質的な栄養失調」を改善させることによって完治するという事例がでてきました。

 

 

神経難病である多発性硬化症(MS)が半年でほぼ完治した治療法

 

 

 

なので、「筋萎縮症」も治る可能性があると期待しています。物事の道理からして、原因がないはずはないからです。

 

 

 

なので、断片的ではありますが、改善のヒントになりそうな情報をまとめておきます。

 

 

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筋萎縮症の種類

 

 

 

 

実は、「筋肉が萎縮する病気」・・・というのだけは覚えているのですが、正式な病名を聞いた記憶がないので、その人がどの萎縮のタイプなのかは分かりません。

 

 

 

確か「筋萎縮性側索硬化症」だったと思うのですが、筋力が低下していく疾患はいくつもあるので、何だったかな・・・と。

 

 

 

 

「筋萎縮症」は、大きく種類に分けられます。

 

 

 

  • 神経に問題がある・・・神経原性筋萎縮(neuropathy ニューロパチー)

 

 

  • 筋肉自体に問題がある・・・筋原性筋萎縮(myopathy ミオパチー)

 

 

 

 

ちなみに、病気などで筋肉を長い間使わない状態が続いて機能が低下する事は「不働性筋萎縮(廃用性萎縮)」と言います。

 

 

 

違いを説明します。

 

 

 

 

神経系は「中枢神経系 ちゅうすうしんけいけい」と、「末梢神経系 まっしょうしんけいけい」に分けられます。

 

 

 

筋肉は「末梢神経系」の「運動神経」に支配されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

手足を動かす時、脳からの命令が「運動神経」を伝わって手足の筋肉へと伝わります。

 

 

 

 

 

 

運動神経

 

 

筋肉

 

 

 

 

神経と筋肉が接している部分を「神経筋接合部 しんけいきんせつごうぶ」と呼びます。

 

 

 

このようなメカニズムなので、筋肉の病気は、「筋肉自体がダメージを受ける」ことで起こることもあれば、「神経がダメージを受ける事によって、二次的に筋肉に影響がでる」こともあるのです。

 

 

 

筋肉だけが正常でもダメ、神経だけが正常でもダメなのです。

 

 

従って、原因別に以下のように分けられます。

 

 

 

神経に問題がある(神経原性筋萎縮)

 

 

 

筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄性筋萎縮症(SMA)、球脊髄性筋萎縮症...等

 

 

 

 

筋肉自体に問題がある(筋原性筋萎縮)

 

 

 

筋ジストロフィー、多発筋炎、遠位型ミオパチー、皮膚筋炎...等

 

 

 

 

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筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは

 

 

たぶん、この病気だった...と思うので、ここからは、神経難病の「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の話をします。

 

 

 

「筋萎縮性側索硬化症 きんいしゅくせい そくさく こうかしょう」。

 

 

 

  • 側索・・・脊髄の側面のことで、脳から末梢へと続く運動神経の通り道。

 

 

  • 硬化・・・壊れたあとが硬くなる状態。

 

 

 

英語で、Amyotrophic Lateral Sclerosis(アミオトロフィック・ラテラル・スクレローシス)といいます。

 

 

 

この「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の別名は、「運動ニューロン病」です。

 

 

 

 

筋肉に指令を送る運動神経細胞(運動ニューロン)が変性し、結果的に筋肉に障害が起こります。

 

 

 

 

自分の思い通りに体を動かす筋肉を「随意筋 ずいいきん」と言います。そして、「随意筋」を支配する神経が「運動神経細胞(運動ニューロン)」です。

 

 

 

心臓や胃や腸などは、自分の意志で動かしているわけではないので「随意筋」ではありません。「自律神経」が支配している「不随意筋」です。

 

 

 

「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」は、「運動ニューロン」は破壊されるのですが、「自律神経系」は破壊されません。

 

 

 

そして、「体性神経系」の「感覚(知覚)神経」も破壊されません。

 

 

 

つまり、こういうことです。

 

 

 

 

  • 運動神経(発信)・・・障害

 

  • 感覚神経(受信)・・・問題ない

 

 

 

 

殴られた時に「痛い」と感じるのが、受信である「感覚(知覚)神経」の働きです。

 

 

それに対して、殴られた時に防御するのは、発信である「運動神経」の働きです。

 

 

 

「筋萎縮性側索硬化症」になると、殴られた時、痛みを感じることはできますが、体を動かして防御する事ができなくなります。

 

 

 

なので最終的に、思考や感覚はそのままで、全身の筋肉が麻痺し寝たきりなります。

 

 

 

2~5年後に呼吸筋が麻痺して人工呼吸器を使うことになります。

 

 

 

 

心臓や消化器官と違って、呼吸は、無意識に動かす自律的な運動と、意識的に動かす随意的な運動の2つで成り立っています。

 

 

 

 

 

運動ニューロン(運動神経細胞)の疾患

 

 

 

 

「運動神経細胞(ニューロン)」は、2つに分けられます。

 

 

 

  • 上位運動ニューロン

 

  • 下位運動ニューロン

 

 

 

そして、どのニューロンがダメージを受けるかによって病名が違います。

 

 

 

  • 上位だけ・・・原発性側索硬化症

 

  • 下位だけ・・・脊髄性筋萎縮性等

 

  • 上位と下位両方・・・筋萎縮性側索硬化症

 

 

 

 

筋萎縮性側索硬化症のような、神経が死んでいく疾患を「神経変性疾患 しんけいへんせいしっかん」と言います。

 

 

 

では何故神経が死ぬのか・・・その理由を栄養の視点から考えてみたいと思います。

 

 

 

栄養に問題があって病気になる場合、「必要な栄養」が極端に不足してたり、「不要な栄養」が過剰だったりします。

 

 

 

何が不足していて、何が過剰なのか見つけるのは大変ですが、以下の2つが考えられます。

 

 

 

  • 極端にミネラルが少ない

 

  • 糖質が多い

 

 

 

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牟婁病の原因は水に含まれているミネラル

 

 

 

日本の紀伊半島に「筋萎縮性側索硬化症」の多発地域の一つがあります。

 

 

 

昔から「牟婁病(むろびょう)」と呼ばれていました。最古の記録は1689年だそうです。

 

 

他の地域に比べて発生率が50~150倍だそうです。

 

 

 

 

『難病情報センター 神経系疾患分野 牟婁病:筋萎縮性側索硬化症 ( むろびょう:きんいしゅくせいそくさくこうかしょう ) /パーキンソン認知症複合(ALS/PDC)(平成22年度)』より引用

 

 

 

1. 概要

 

紀伊半島南部とグアム島は、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の世界的な多発地域として知られている。

 

 

これらの地域には、パーキンソニズムと認知症を主症状とする特異な神経変性疾患であるパーキンソン認知症複合 (parkinsonism-dementia complex、PDC) が多発している。

 

 

ALSとPDCは、密接な関連があり、同一疾患の異なる表現型と考えられ、両者はまとめて牟婁病 (ALS/PDC) と呼称される。

 

 

 

2. 疫学

 

数十人~100人程度。

 

 

 

3. 原因

 

これまでに、遺伝説、環境因説 (微量ミネラル/重金属説、ソテツに含まれる神経毒)、ウイルス説などが提唱されたが、確立したものはない。

 

 

牟婁病の中枢神経系には、異常にリン酸化され たタウ蛋白が多量に蓄積しており、神経細胞死との関連が推察されている。

 

 

また、近年、前頭側頭型脳葉変性症と筋萎縮性側索硬化症で同定されたTDP-43 とパーキンソン病に出現するα-synuclein の蓄積も認めら、複合蛋白質蓄積病のひとつと考えられる。

 

 

家族内発症が多いことから、環境要因と遺伝要因の複合作用によって発症するものと考えられる。

 

 

 

牟婁病の特徴で気になったのは、以下の2点です。

 

 

 

  • 「筋萎縮性側索硬化症 (ALS)」 と「パーキンソン認知症複合 (parkinsonism-dementia complex)」は密接な関連があり、同一疾患の異なる表現型と考えられる

 

 

  • 牟婁病の中枢神経系には、異常にリン酸化された「タウ蛋白」が多量に蓄積している

 

 

 

「筋萎縮性側索硬化症」の治療法は少ないですが、「認知症」や「パーキンソン病」の治療法は比較的よく見つかります。

 

 

 

同一疾患の異なる表現型なら、「認知症」や「パーキンソン病」の治療法が応用できる可能性があります。

 

 

 

『現代ビジネス 「認知症多発の村」の衝撃!〜江戸時代から解明されていない奇病の秘密と謎』より引用

 

 

「『何でなんや』とは思うけど、私たち素人にはどうしようもない。前兆もないんです。『もしかしたら、自分も(病気になるのではないか)』という気持ちはあります。患者が出るたびに、『次は自分かな』と」(前出の男性)

 

 

(中略)

 

 

この地域にみられる特殊な病気は、正しくは「紀伊ALS/PDC」と呼ばれる。

 

 

「ALS」とは「筋萎縮性側索硬化症」、そして「PDC」とは「パーキンソン・認知症複合」の意味。

 

 

つまり、紀伊半島の一部でしかみられない、ALSとパーキンソン病・認知症が合わさった、不可解な病気ということである。

 

 

 

ALSの発症率は10万人に1人、パーキンソン病の発症率は1000人に1人だそうです。

 

 

小さな村で患者が多発するのは普通ではありません。

 

 

 

そして、多発する原因にが考えられます。

 

 

 

酸性土のため、カルシウムやマグネシウム等のミネラルがほとんど含まれていない水で、アルミニウムやマンガンが多く含まれているそうです。

 

 

 

『Wikipedia 風土病』より引用

 

 

和歌山県の紀南地方では、かつて水が原因で発生するとされる風土病(筋萎縮性側索硬化症(ALSまたはアミトロ)、現地では地名から「牟婁病」(むろびょう)とも称する)が発生していた。

 

 

多雨で強い酸性土壌、この地域を流れる水(古座川など)のミネラル成分(カルシウムやマグネシウム)が極端に少ない上アルミニウムやマンガンなどの成分が多く、これを常飲するばかりでなく、交通網に乏しく陸の孤島であった同地域においてはこれらの水から育てた作物のみを食料にしていたことが原因と考えられる。

 

 

 

ここを調べた和歌山県立医科大学のグループは、古座川の水が水晶のように澄んでいたことに驚いたそうです。

 

 

 

魚の姿も見られなかったそうです。

 

 

 

それは極端にミネラルが少ない蒸留水、純水に近い水ということになります。

 

 

 

純水・・・と聞くと良いような気がしますが、実は体には悪いです。

 

 

 

『水博士 小羽田健雄の水で健康をつくるブログ 浄水器と水』より引用

 

 

H2Oだけの生成装置”があります。

 

 

大学教授、医師、研究機関、理科系の人を含め、多くの人が“問題のない良い水で、私も飲みます”と言い、危険性を否定しています。

 

 

純水は、原発の冷却材、素粒子検出液、注射用の液、遺伝子の細胞培養、精密機械・液晶・半導体の洗浄には欠かせません。

 

 

かといって、人が飲んでも即座に何かが反応するわけではありません。ましてや量が少ないと何の反応も出ません。だから、様々な人が純水をお薦めするのでしょう。

 

 

食事で様々なものを補給しているので全く体に影響はないといわれ、学者もお医者さんもきれいな水としてお勧めです。

 

 

「赤ちゃんの水」

 

 

ここまでくると、黙っていられません。

 

 

長い時代をかけて、純水は人に悪い影響を与えることが分かっています。賛成派の人たちは長い歴史を無視し、今の自分が中心です。

 

 

長期間航海する船や宇宙船では、純水に必ずミネラル成分を添加して飲用します。

 

 

純水を飲み水で利用して良いなら、海の上です。海水が蒸発してミネラル成分を含まない水が空からたっぷり降り注ぎます。ほとんど純水。

 

 

ところが、この水を飲んで多くの船乗りが体に異変を生じ、長い経験の後に雨水を飲む危険性を言い伝え、寄港する港でわざわざ綺麗でない陸の水を積み込んだのです。

 

 

現代社会で純水を勧める人は、自分のわずかな体験で皆さんを指導しています。

 

 

和歌山県の牟婁地区で発生した牟婁病も、小さい頃は飲み続けても何も起きなかったのですが、成人前後になって病気が発生。

 

 

飲んでいた人全員ではないのでその人数を切り捨てればいいのでしょうが、赤ちゃんに飲ませ続けて成人近くなった時病気が発生したら、あまりにも悲しい出来事です。

 

 

誰が何といおうと、純水は飲み水ではない!

 

 

 

 

昔は、地元の水を飲み、地元の水で育った食物を食べていたので、その水がミネラル不足だった場合、摂取した人がミネラル不足になります。

 

 

これは病気の原因です。

 

 

しかし、これを否定する説もあります。

 

 

食生活が変わったことで、80年代に入ってから患者が減ったのですが、90年代以降に再び患者が増えたからです。

 

 

その為、「水」や「水で育った食物」が原因ではないとも言われています。

 

 

 

また、以下のような理由から、遺伝病ではないかという説があります。

 

 

 

  • この地域に生まれた人が別の地域に引っ越して何年も経った後に発病する

 

  • 8割の患者の家族にも患者がいる

 

 

 

しかし、こちらも否定する説があります。

 

 

『現代ビジネス 「認知症多発の村」の衝撃!〜江戸時代から解明されていない奇病の秘密と謎』より引用

 

 

「普通は、ある地域で病気が多発する場合、必ず多くの患者に共通の原因遺伝子が見つかるものですが、『紀伊ALS/PDC』ではいまだに見つかっていません。つまり、患者全員が同じ原因遺伝子を持っている、というわけではないのです。また、『他の地域で生まれた人が、この地域に移住してきて発病する』というケースも、数は少ないですが存在します。こうした例は、遺伝だけでは説明がつきません」

 

 

環境でもなく、遺伝でもない。しかし、そこでは確かに認知症が「多発」する。この医学史上まれに見るミステリーは、今も人々を悩ませている。前出の男性住民が言う。

 

 

「村には、この病気にかからず100歳近くまで長生きする人もいます。でも、その人のお子さんは病気になったりする。やっぱり、われわれ住民には『解決してほしい』という思いがあります。私の家族や親戚にも、病気になって、あっという間に死んでいったのがようけおりますから」

 

 

 

家族に同じ疾患を抱えた人が出ると「遺伝病」という発想になりますが、

 

 

 

単純に体質的に弱点が同じだから、特定の条件の元では同じ病気になりやすいとも考えられます。

 

 

 

「同じダメージに弱い」だけで、そのダメージがなければ影響を受けにくいです。

 

 

 

 

例えば、癌家系の人は、ある酵素の形が先天的に悪いです。

 

 

 

その為、糖質の過剰摂取をすると、代謝しきれず「乳酸」を蓄積させてしまいます。それが血液を酸性にし、ミトコンドリア機能不全を招き、最終的に細胞が癌化する・・・というプロセスをたどります。

 

 

ですが、先天的に酵素の形が良い人は、同じように糖質を過剰摂取しても、代謝しきることができるので乳酸が蓄積しません。

 

 

癌家系の人は、糖質を過剰摂取しない環境を作ったり、酵素をサポートするビタミンを大量に摂る事でダメージを受けにくくすることが可能です。

 

 

 

癌については以下の記事で説明しています。

 

癌細胞と癌家系について分かりやすく説明してみた

 

 

 

弱点は人によって違います。弱点の違いが、症状の違いとなって表れます。

 

 

 

私は、他の地域から引っ越してきた人が「筋萎縮性側索硬化症」を発症するあたり、環境が大きいと考えています。環境とは以下です。

 

 

 

  • カルシウムやマグネシウムが欠乏する

 

  • アルミニウムやマンガンが多い

 

 

 

・・・このダメージに弱い人が、この地域の水で生活すると発病するだけなのかもしれません。

 

 

 

「マンガン」はともかく「アルミニウム」が多いのはいただけません。

 

 

『藤川徳美医師 facebook 2017年5月25日』より引用

 

 

23、脳の老化(その2)

 

Abram Hoffer:Orthomolecular Medicine For Everyone、より

 

 

アルツハイマーと重金属蓄積

 

 

カール・ファイファーは、アルツハイマーには重金属毒が蓄積していると言った。

 

つまり、アルミニウム、銅、鉛、水銀、カドミウム、銀。

 

アルミニウムは神経毒であり、アルツハイマー、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を引き起こす。

 

 

銅に暴露される職業の人は、通常の3~4倍アルツハイマーになりやすい。

 

 

CaとMgはアルミニウム吸収を抑制する。

 

 

 

「アルミニウム」が多くて、その吸収を抑制する「カルシウム」と「マグネシウム」が少ない水・・・

 

 

 

長期間この影響を受けると、皮膚の状態が変化したり、中枢神経にあるはずのないものが沈着したりするそうです。

 

 

 

『LIVE TODAY TOMORROW 低含有のカルシウム、マグネシウム、高含有のアルミニウムの食事を慢性的に摂取したマウスでは筋萎縮性側索硬化症(ALS)と同様の皮膚の病変が認められる』より引用

 

 

ALS患者の臨床特徴として末期に至るまで褥瘡が起こらないこと、皮膚をつまんで離しても元の位置に戻るまで時間のかかる現象(皮膚のつまみ現象)が知られている。

 

 

これまでのALS患者の皮膚の形態学的研究は膠原線維の小径化、無定形物質の沈着などを明らかにしており、これらの変化はALSに特異的と考えられている。

 

 

1945年と1960年におこなわれた調査では紀伊半島とGuam島ではALSの有病率は他地域に比較して50-150倍も高いことが明らかになった。

 

 

紀伊半島古座川地区およびGuam島の疫学的研究はこれらの地域の土壌および飲料水には低濃度のCa, Mg、高濃度のAl, Mnが含まれていることを示している。

 

 

これまでの研究よりALS患者の脳および脊髄ではCa, Mgの沈着が明らかになっている。

 

 

AlはGuam島、紀伊半島のALS患者の脳で認められるneurofibrillary tangle(NFTs)に存在することが知られている。

 

 

これらの所見より、低濃度のCa, Mg、高濃度のAlを含む食事を慢性的に摂取すると、中枢神経にAl, Caの沈着を引き起こし、このことは紀伊半島、Guam島のALSの神経変性に重要な役割を果たしていることが推測される。

 

 

これまでの研究において長期間低含有のCa, Mg、高含有のAlの食事を与えられた実験動物では、脊髄前角細胞と大脳皮質の神経細胞減少および大脳皮質におけるタウ陽性ニューロンの出現が報告されている。

 

 

 

 

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神経変性疾患の特徴と原因

 

 

 

牟婁病、つまり、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、認知症・・・

 

 

 

 

これらはどれも神経細胞が死んでいく「神経変性疾患」ですが、「パーキンソン病」や「認知症」に比べると、「筋萎縮性側索硬化症」の情報はあまり見つかりません。数が少ないからでしょう。

 

 

 

なので、たくさん情報が得られる「パーキンソン病」や「認知症」から、「神経変性疾患」の原因を考えてみます。

 

 

 

 

「別の病気だろ」と突っ込まれるかもしれませんが、癌の時もそうでした。「乳酸」という1つの原因で、癌、糖尿病、脚気・・・と様々な病気になります。

 

 

 

表れる症状は違っても、本質は同じだったりするのです。

 

 

 

 

『ガンの特効薬はミトコンドリア賦活剤 ミトコンドリア異常(低酸素・血液のpH7.3以下)で人は病気になり死ぬ』より引用

 

 

ブドウ糖をエネルギーに変えられなくて、乳酸に変えてしまっている人は、乳酸アシドーシスという体質になっているのです。

 

 

ガンも糖尿病も腎不全も肝不全も脚気も重症感染症もてんかんも薬害も、すべてタイプBの乳酸アシドーシスです。

 

 

乳酸アシドーシスになるからガンや糖尿病になり、ガンや糖尿病になるから乳酸アシドーシスになります。

 

 

医学界の都合で様々な病名が付けられていますが、基本的には「ミトコンドリア病による乳酸アシドーシス」なのです。乳酸アシドーシスを改善すると様々な病気が治るのは、基本的には同じだからです。

 

 

メトホルミンやベンフォチアミンやジクロロ酢酸や水素やテラヘルツ波が万能薬として重宝されるのは、現代病の基本が同じであり、ダブついた乳酸の代謝や還元が重要なのです。

 

 

 

 

だから、「神経変性疾患」も本質をみたいと思います。

 

 

 

ちなみに、認知症は「神経変性疾患」の他に、脳の血管の病気である「脳血管性認知症」、「その他原因」があります。

 

 

そして、「神経変性疾患」が原因の認知症は3タイプです。

 

 

  • アルツハイマー型

 

 

 

  • レビー小体型

 

 

 

  • 前頭側頭型

 

 

 

 

 

 

 

 

筋萎縮性側索硬化症やアルツハイマー病等の神経変性疾患に栄養療法が効果的な理由へ続く

 

 

 

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「多発性硬化症 たはつせいこうかしょう」とは、神経系に起こる病気で、

 

 

 

国の指定難病の一つです。

 

 

 

しかし最近、この疾患が治ったという報告がありました。

 

 

 

 

「オーソモレキュラー」という栄養療法でです。

 

 

 

 

日本ではあまり知られていない疾患なので、普通の人はピンとこないと思いますが、結構凄い事らしいです。

 

 

 

 

私も名前は聞いたことがあるのですが、周囲にこの病気の人がいないので、具体的にどんな病気なのかは知りませんでした。

 

 

 

 

興味を持って調べたら、難病と言われるだけあって、かなり厄介な病気です。この疾患にかかっている人には早く知っていただきたいので、この情報を広げたいと考えています。

 

 

 

 

2016年末に、水も飲めない末期癌患者が歩いて帰った・・・という治療法が公開されて1年以上経ちましたが、いまだに多くの人はこの話を知りません。

 

 

 

 

 

 

積極的に情報を集める人だけが知っている・・・という状態です。

 

 

 

従って、この治療法もおそらく表にはでないでしょう。

 

 

 

 

放っておいたら、この多発性硬化症を根本的に解決する方法も、数年先も「原因は分かっていません」・・・等と、白を切り続ける可能性なので、ここで宣伝しておきます。

 

 

 

この疾患にかかっていない人にとっても、このような難病が治るような方法は、病気の予防をする上で参考になります。

 

 

 

まず、ほぼ完治した・・・という実話を読んで下さい。

 

 

 

『藤川徳美医師 facebook 1月24日』より引用

 

 

症例:30代男性

 

 

H26.7、脱力で歩けなくなった。手も脱力あり。足が攣る。

 

公立病院神経内科でMSと診断される。

 

治療は、インターフェロンβ筋注。

 

H29.5、FB記事を見て当院を受診。

 

元々糖質過多の食生活だったが、H29.3より高タンパク/低糖質食を始めた。(発病前の糖質過剰摂取は凄かったと、奥様より)

 

172cm、元々95kg合ったのが77kgになった。

 

食事を変えて、体調が良くなった。

 

フェリチン78。

 

ナイアシン、B50、C、E、のメガビタミンを開始。

 

D、Fe、Znなども追加。

 

薬は処方していないので、3ヶ月毎に通院し、フェリチン、ケトン体を測定。

 

H30.1、体調はすこぶる良好で、脱力症状は全くなく、足も攣らなくなった。

 

75kg。

 

BUN26.5、フェリチン127。

 

ケトン体0.3

 

食事とサプリメント;

 

タンパク質、プロテインスコアで150g(体重*2)、

 

プロテイン30g*3、卵3個、肉300g、

 

糖質は1食5g程度。

 

B50*3、

 

ナイアシン500mg*4、

 

C1000、3*3、

 

E、2000IU、

 

D、10000IU、

 

Fe、27mg*2、

 

Zn、30mg、

 

Mg、400mg、

 

Se、200mcg、

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

難病で治療法がないとされているMSが約半年でほぼ完治。

 

1950年代にこの治療でMSが完治したことがカナダの新聞に掲載されたとオーソモレキュラー本に書いてあった。

 

日本で完治したのは初めてだと思う。

 

 

MSに限らず他の神経難病、膠原病、他の慢性疾患もこの治療を行えば改善に向かうはず。

 

本患者はとても勉強されており、こちらが驚くほど知識が凄い。

 

”MSに限らず全ての慢性疾患はこの治療で治る”と自信を持って言われる。

 

自分で勉強して自分で治してしまった。

 

まさに、「健康自主管理」、「doctor yourself」、だね。

 

(Aも追加した方が良いと思う。)

 

 

男性なのに初診時のフェリチン78は長期間の最重度のタンパク不足。

 

これだけやってもケトン体がなかなか増えないのは謎。

 

可能性として、

 

1)鉄がまだ足りていなく電子伝達系の機能低下、

 

2)B群の確率的親和力が低くてまだ足りておらず、クエン酸回路の機能低下、

 

3)Cによるカルニチン合成能力への確率的親和力が低く、脂肪酸利用効率が悪い。

 

さらなるフェリチン上昇、B50の増量、アセチル-L-カルニチン追加が良いかもしれない。

 

若くしてMSを発症したのは上記のような、体質的弱点があるのかもしれない。

 

しかし、体質的弱点はメガビタミンで克服可能だと確信している。

 

 

これだけ読むと、簡単に治ってしまったような話なので、よく知らない人が読むと難病という気がしないかもしれません。

 

 

 

ですが、標準治療のように、「栄養状態」を無視して治療しようとすると迷走するようです。

 

 

 

改めて「多発性硬化症」がどんな疾患なのかお話します。

 

 

 

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多発性硬化症(MS)とは

 

 

 

 

神経は、2種類に分けられます。

 

 

 

  • 中枢(ちゅうすう)神経系・・・脳と脊髄からなる神経

 

  • 末梢(まっしょう)神経系・・・脳と脊髄以外の神経

 

 

 

『ACTIVATE 中枢神経と末梢神経の違い』より引用

 

 

 

 

 

 

「中枢神経」は、全神経のコントロールセンターで、指令を出す役割があります。

 

 

「末梢神経」は、脳や脊髄と体をつなぐ神経で、指令や情報を伝える役割があります。

 

 

 

ちなみに、末梢神経のうち、「自分の意思とは無関係に体の機能を調節する神経」を「自律神経 じりつしんけい」と言います。

 

 

 

 

 

本記事のテーマである、「多発性硬化症 Multiple Sclerosis(マルチプル スクレローシス)」は、中枢神経系の病気です。

 

 

 

 

 

『Wikipedia 多発性硬化症』より引用

 

 

多発性硬化症(たはつせいこうかしょう、英: multiple sclerosis; MS)とは中枢性脱髄疾患の一つで、神経のミエリン鞘が破壊され脳、脊髄、視神経などに病変が起こり、多様な神経症状が再発と寛解を繰り返す疾患で、日本では特定疾患に認定されている指定難病である。

 

 

病名は、神経を包む組織(ミエリン鞘)が破壊されて生じる硬化が多数の領域で発生することに由来している。

 

 

 

以下のような聞きなれない言葉がでてきたので、順に説明していきます。

 

 

 

  • ミエリン鞘

 

 

  • 中枢性脱髄疾患

 

 

 

 

ミエリン鞘(髄鞘)とは

 

 

 

「ミエリン鞘 みえりんしょう(髄鞘 ずいしょう)」は、神経細胞(ニューロン)の軸索の周りを囲んでいる絶縁体の事です。

 

 

 

 

絶縁体とは、電気を伝えない物体のことです。

 

 

 

以下が神経細胞(ニューロン)です。

 

 

 

 

 

 

 

 

この「軸索 じくさく」部分に、「ミエリン鞘(髄鞘)」が巻きついているというわけです。

 

 

 

 

中枢神経系では、「オリゴデンドロサイト」が髄鞘を形成し、

 

 

 

 

 

 

 

末梢神経系では、「シュワン細胞」が髄鞘を形成しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

ほとんどの神経に髄鞘が巻きついています。このような神経を「有髄神経 ゆうずいしんけい」と言い、髄鞘に覆われていない神経を「無髄神経 むずいしんけい」と言います。

 

  • 髄鞘あり・・・有髄神経(伝導速度が早い)

 

  • 髄鞘なし・・・無髄神経(伝導速度が遅い)

 

 

 

髄鞘は、電気を通しにくい脂質の層です。

 

 

従って、この構造はよく「電線」と「電線のカバー」に例えられます。

 

 

 

電線と違い、軸索の全体を覆っているのではなく、一定の間隔を明けて軸索がむき出しになっています。

 

 

この部分を「ランビエ絞輪 らんびえこうりん」と言います。

 

 

 

 

神経を流れる電気信号は、髄鞘を飛び越えて「ランビエ絞輪」をジャンプするように伝わっていきます。これを、「跳躍伝道 ちょうやくでんどう」と言います。

 

 

 

 

 

 

これによって早いスピードで電気信号を送れるのです。

 

 

 

神経細胞(ニューロン)に巻きついている「オリゴデンドロサイト」と「シュワン細胞」はグリア細胞の一種です。

 

詳しくは以下の記事に書いています。

 

 

「脳のエネルギー源はブドウ糖なので糖質をしっかり摂りましょう」と言う人が語らない話

 

 

 

 

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脱髄疾患とは

 

 

 

「中枢性脱髄疾患」の「脱髄 だつずい」とは、髄鞘が破壊されることです。

 

 

溶けるように損傷するようです。

 

 

 

『脳神経外科医が教える病気にならない神経クリーニング / 著者:工藤千秋』より引用

 

 

姿勢が悪いために神経が圧迫され、その結果信号が流れずに神経がさびついたり、また神経に必要不可欠な酸素が足りなくなったりすると、このミエリンが溶けてしまいます。

 

 

すると電気信号の流れが遅くなり、場合によっては電気が途切れてしまう、なんてことに・・・・・・。

 

 

これが、すなわち「神経の老化」です。

 

 

ミエリンを失った神経は、脳からの指令を素早く送ることができません。

 

 

そればかりか、ミエリンが傷つくと電気信号の「漏れ」や「つまり」まで招き、だんだん神経の機能は低下して、さまざまな不調が起きてしまうのです。

 

 

ミエリンが溶けきってしまうと、体が硬まってこわばる「多発性硬化症」という難病になるおそれも。

 

 

(51~52p)

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、中枢神経の髄鞘が(オリゴデンドロサイト)が破壊される疾患は「多発性硬化症」ですが、末梢神経の髄鞘(シュワン細胞)が破壊される疾患を「ギラン・バレー症候群」と言います。

 

 

 

ここからは、「多発性硬化症」について説明します。

 

 

 

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多発性硬化症の症状

 

 

 

絶縁体の部分である「ミエリン鞘(髄鞘)」は、再生できるので、病状が安定すればよく治るそうです。

 

 

 

しかし、根本的に治らなけば解決ではありません。

 

 

 

多発性硬化症は「再発」「寛解」をくり返します。

 

 

 

そして、徐々に症状が悪化していきます。

 

 

 

「寛解 かんかい」とは、症状が見かけ上治まった状態の事を言い、薬を使わなくても症状が完全に無くなった状態を「完治」と言います。

 

 

 

多発性硬化症の患者を解剖して脳や脊髄を調べると、硬く感じられる病変があちこちに見つかるそうです。

 

 

 

『難病情報センター 多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)』より引用

 

 

1. 「多発性硬化症」とはどのような病気ですか

 

 

多発性硬化症は中枢神経系の脱髄疾患の一つです。

 

 

 

私達の神経活動は神経細胞から出る細い電線のような神経の線を伝わる電気活動によってすべて行われています。

 

 

家庭の電線がショートしないようにビニールのカバーからなる絶縁体によって被われているように、神経の線も髄鞘というもので被われています。

 

 

この髄鞘が壊れて中の電線がむき出しになる病気が脱髄疾患です。

 

 

 

この脱髄が斑状にあちこちにでき(これを脱髄斑といいます)、病気が再発を繰り返すのが多発性硬化症(MS)です。

 

 

MSというのは英語のmultiple sclerosisの頭文字をとったものです。

 

 

病変が多発し、古くなると少し硬く感じられるのでこの名があります。

 

 

 

一方、抗アクアポリン4(AQP4)抗体という自己抗体の発見により、これまで視神経脊髄型MSと言われた中に視神経脊髄炎(NMO)が含まれることがわかってきました。

 

 

さらに、抗AQP4抗体陽性の方の中には、視神経と脊髄だけでなく脳にも病変を呈する方や、脊髄もしくは視神経だけに病変をもつ方などいろいろなパターンがあることがわかってきました。

 

 

 

表れる症状は、大脳、小脳、脳幹、視神経、脊髄・・・どこに脱髄が起こるかによって様々です。人それぞれで、例えば、以下のようになります。

 

 

 

  • 視覚障害

 

  • 疲労

 

  • 痛み

 

  • 平衡機能障害・ふるえ

 

  • 認知機能・感情障害

 

  • 排尿障害

 

  • 性機能障害

 

 

 

 

悪化するとどうなるか具体例を紹介します。

 

 

6. この病気ではどのような症状がおきますか

 

 

MSの症状はどこに病変ができるかによって千差万別です。

 

 

視神経が障害されると視力が低下したり、視野が欠けたりします。視神経のみが侵されるときは球後視神経炎といって、多くの患者さんは眼科にかかります。

 

 

その一部の人が後にMSとなります。

 

 

球後視神経炎のときは目を動かすと目の奥に痛みを感じることがあります。

 

 

脳幹部が障害されると目を動かす神経が麻痺してものが二重に見えたり(複視)、目が揺れたり(眼振)、顔の感覚や運動が麻痺したり、ものが飲み込みにくくなったり、しゃべりにくくなったりします。

 

 

小脳が障害されるとまっすぐ歩けなくなり、ちょうどお酒に酔った様な歩き方になったり、手がふるえたりします。

 

 

大脳の病変では手足の感覚障害や運動障害の他、認知機能にも影響を与えることがあります.ただし,脊髄や視神経に比べると大きいので、病変があっても何も症状を呈さないこともあります。

 

 

脊髄が障害されると胸や腹の帯状のしびれ、ぴりぴりした痛み、手足のしびれや運動麻痺、尿失禁、排尿・排便障害などが起こります。

 

 

脊髄障害の回復期に手や足が急にジーンとして突っ張ることがあります。これは有痛性強直性痙攣といい、てんかんとは違います。

 

 

熱い風呂に入ったりして体温が上がると一過性にMSの症状が悪くなることがあります。これはウートフ徴候といいます。

 

 

 

けっこう大変な症状ですが、平均発症年齢が30代で、男性より女性に多いそうです。

 

 

 

場合によっては、後遺症を残したり、車椅子になったり、寝たきりになるみたいです。

 

 

 

原因を知りたいと思いませんか?

 

 

 

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脱髄、多発性硬化症の原因

 

 

脱髄(「ミエリン鞘(髄鞘)」が傷つく)の原因がこちらです。

 

 

  • 姿勢が悪くて神経を圧迫する

 

  • 神経に必要な酸素が不足する

 

 

 

 

そして、脱髄疾患の一つである「多発性硬化症」の原因を調べてみると、遺伝、自己免疫、ウイルスが挙げられていました。

 

 

 

中でも、現在、自己免疫説が有力だそうです。

 

 

 

『NIKKEI STYLE 最近よく聞く「多発性硬化症」ってどんな病気? 「見えにくい」「感覚が鈍くなる」など症状は多岐』より引用

 

 

「多発性硬化症(Multiple Sclerosis=MS)は脳や脊髄、視神経などの中枢神経に炎症が起こり、多様な神経症状(視覚障害、感覚低下など)を繰り返しながら進行していく病気です。様々な研究が進んでいますが、現在のところ根治する方法はなく、国の指定難病の一つになっています」

 

 

「発症の原因もまだ解明されていませんが、免疫の働きが関係していると考えられています。何らかのウイルスが体内に侵入してきたとき、通常は外敵から体を守るために免疫の仕組みが働いて、血液中のリンパ球が、ウイルスに攻撃をしかけます。ところが、ウイルスではなく、自分自身の組織を攻撃してしまうことがあります。これを『自己免疫疾患』と呼び、多発性硬化症も自己免疫疾患とされています」

 

 

「多発性硬化症は、脳や脊髄の神経を覆っている髄鞘(ずいしょう、ミエリンとも呼ぶ)が免疫に攻撃されることで、炎症を起こして脱髄(だつずい)という状態になり、様々な神経症状が現れます。これは電線にたとえてみると、分かりやすいかもしれません」

 

 

 

 

原因が不明、炎症、自己免疫疾患・・・

 

 

 

過去の記事で扱ってきた症状とかぶります。

 

 

人によって「遺伝的な弱点」が違うので、表れる結果が違うだけで、原因は似たり寄ったりなのかもしれません。

 

 

 

炎症や自己免疫疾患については、以下の記事でお話しています。

 

炎症と自己免疫疾患について分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

 

 

しかし、この手の慢性疾患の原因の候補には何故かいつも「栄養」は入っていません。

 

 

 

だからダメなのです。

 

 

 

というわけで、ここからは栄養の視点から考えてみます。

 

 

 

 

多発性硬化症と栄養

 

 

多発性硬化症は原因が分かっていないので、ネットで検索すると、小難しい理屈がいくつも見つかります。

 

 

 

ですが、他の難病と同じように、本質はシンプルなものかもしれません。

 

 

 

多発性硬化症も深刻なビタミン不足が原因と考えられるからです。

 

 

しかもそれは、随分前に分かっていたことです。

 

 

 

『藤川徳美医師 facebook 2017年9月13日』より引用

 

 

7.Frederick Robert Klenner(1907-1984)の功績-2、多発性硬化症に対するビタミンB治療

 

Helen Saul Case:Orthomolecular Nutrition for Everyone: Megavitamins and Your Best Health Ever、より

 

クレナーは高用量のビタミンB投与により。多発性硬化症(MS)を改善させた。

 

1930年代、MS患者に髄腔内B1投与を行った。

 

麻痺のためストレッチャーで手術室に入ってきたMS患者にB1を30mg髄腔内投与を行った。

 

効果はすぐ現れ、歩いて手術室から退出できた。

 

しかしその効果は一時的なものだった。

 

クレナーは、MSは深刻なビタミン不足により生じているものと確信した。

 

1940年代、一種類のビタミンで改善するなら、二種類のビタミンを使えばより改善するのではないかと考え、60mgのB1と100mgのナイアシン(B3)静注を行い効果を上げた。

 

「多くの栄養素の不足による神経変性」がMSの原因であるとクレナーは考え、幅広い栄養学的アプローチを行った。

 

その内容は下記の通り、

 

B1、300~500mgを1日4回。必要があればさらに400mgの静注、筋注。

 

B2、25mgを1日4回。40~80mg注射。

 

B3、100~3000mgを1日4回。

 

B5、200mgを1日4回。

 

B6、100~200mgを1日4回。

 

B12、1000mcg、週3回注射。

 

C、10~20g。

 

コリン、600~1400mgを1日4回。

 

レシチン、1200mgを1日3回。

 

Mg、100mgを1日3回。

 

グリシン、スプーン1杯を1日3回。

 

Zn、10mgを1日3回。

 

E、800~1600IU。

 

D、Caのサプリメント。

 

高タンパク食、精製糖質と果物は禁止。

 

この治療により、MSによるミエリン変性の進行は完全に食い止められた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

MSだけではなく、重症筋無力症、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、レビー小体病、アルツハイマー病、など神経変性疾患は全て、糖質過多による神経細胞の質的な栄養失調。

 

B1とナイアシン重視の補給。

 

B1の量がすごいですね。

 

B50を6錠+ベンフォチアミン150mgを毎日の量に相当。

 

E(d-α)は2000IU目標。

 

Dは当然10000IU。

 

 

 

 

年代に注目して下さい、1930代に1940年代です。

 

 

癌の原因も昔にすでに分かっていましたが、いまだに「発がん性物質」ばかりに注目して、真相は無視です。

 

 

それと同じパターンです。

 

 

 

癌細胞の発生の根本的な原因は嫌気的なものであると、1966年に発表されていました。

 

【注意】癌の本質を理解していないと症状が悪化する治療法を選択します

 

 

 

もうちょっと詳しい説明が以下になります。

 

 

『藤川徳美医師 facebook 2017年6月14日』より引用

 

 

 

27、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症

 

 

Abram Hoffer:Orthomolecular Medicine For Everyone、より

 

 

MS、重症筋無力症などの神経疾患は、神経細胞の栄養不足による飢餓により生じる。

 

(栄養=必須アミノ酸+必須脂肪酸+ビタミン+ミネラル)

 

 

まず、砂糖などの精製糖質を止める。

 

脳アレルギーの原因となる、小麦、牛乳を止める。

 

B3は神経細胞の脱髄によるミエリン変性を防ぐ。

 

B1、B3、他のB群、C、E、Mg、Ca、Zn。

 

そして高用量のDが有効。

 

低緯度地域より高緯度地域の方がMSは圧倒的に多い。

 

つまり、D不足との関連が強い。

 

著者(Andrew W Saul)は、2000~3000IUのDサプリを飲み(RDAの5倍)、日光浴も積極的に行っていたが、25-ヒドロキシD濃度は、25ng/mLと異常低値だった。

 

(40以下はD不足。自分は2年間10000IU飲んで88)

 

(高タンパク/低糖質食は大前提)

 

ナイアシン500~1000mg、

 

C3000mg、

 

D5000~10000IU、

 

Bコンプレックス100mg、

 

E1200~2000IU、

 

ω3脂肪酸3000mg、

 

クエン酸亜鉛50mg。

 

 

 

回復に必要な栄養をバランスではなく、必要な量だけ補っていきます。

 

 

 

 

糖質過多・タンパク質不足・脂質不足・ビタミン不足・ミネラル不足

 

 

・・・この状態を、質的な栄養失調と言います。

 

 

 

糖質(ブドウ糖)は自分の体で合成できます。必要な量はごくわずかで、それを越えるとになるので「栄養」とはみなしません。

 

 

人間の身体に必要な糖質量を血糖値の視点から分かりやすく説明してみた

 

 

糖質を摂りながら治療すると、効果が落ちます。

 

 

 

そして、私が気になったのは、30代の女性に発症する・・・という点です。

 

 

この年代の女性に共通する栄養状態は、「鉄不足」です。

 

 

 

 

『脳神経外科医が教える病気にならない神経クリーニング / 著者:工藤千秋』より引用

 

 

神経老化の犯人が年齢以外にもあることを端的に示す例として、女性にみられる「貧血」もあります。

 

 

貧血は「貧しい血」と書きますが、血液の量が少ないわけではありません。

 

 

血中の赤血球や酸素を運ぶヘモグロビンや鉄分が少ないために、体が酸素不足になっているのです。

 

 

困ったことに神経は酸素不足に対してとても弱いので、酸素が十分ないと神経はすぐに老化してしまいます。

 

 

さらに神経を覆うミエリンは、酸素が足りないとはがれたり、巻きなおすのに時間がかかったりする性質があります。

 

 

新しいカバーをどんどん巻きなおさなければいけないのに、酸素が足りないと、ミエリンを巻きなおすスピードがどんどん遅くなってしまう。

 

 

そうなれば、ボロボロのミエリンがどんどん増えてしまう・・・・・・。

 

 

これはまさに、神経の老化が加速していることにほかなりません。

 

 

(59p)

 

 

 

 

日本人の30代女性は、生理や出産で鉄不足になっています。

 

 

 

その根拠は以下に書いています。

 

フェリチンと鉄不足について分かりやすく説明してみた

 

 

 

鉄不足が招く酸素不足。

 

 

これも原因の一つではないでしょうか。

 

 

 

 

 

どちらを信じるかは自由ですが、昔から分かっていたことを、いつまでも分からない分からないと言っている人達に付き合っていたら健康を損ねてしまいます。

 

 

社会は、栄養という視点を欠いた状態で疾患を治そうとすることの愚かさに気付くべきです。

 

 

 

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