お知らせ

 

 

私達は憲法によって言論の自由が守られているので、

食や健康等の問題を主張する事ができます。

 

 

 

 

元々憲法改正賛成派だった人の解説です。

 

 

 

 

谷本議員と一緒に飛行機を降ろされたもう一人の人物・高橋清隆氏について

 

 

 

谷本議員らがノーマスクで強制降機! 釧路空港のエアドゥ機、「憲法違反を公然と行う航空各社への行政指導を国交省に求める」

 

 

一緒に飛行機を降ろされた反ジャーナリスト高橋清隆氏による、谷本誠一議員のインタビュー動画です。

 

 

 

 

 

身近な人が被害に合った時の為に

とりあえずブックマークをお願いします。

 

 

 

 

 

 

投稿者:アリヤ
糖質制限中の外食と頂き物。食生活が違う人との付き合い方。

 

 

糖質制限に限らず、なんらかの食事にこだわっている人は、必ず直面する問題があります。

 

 

 

人との付き合いはどうするのか

 

 

 

・・・です。これは結構悩むと思います。

 

 

 

 

普段「スーパー糖質制限」をしている私ですが、付き合いに関しては結構柔軟です。

 

 

 

今回は「外食」と「お土産」をいただく場合、私がどう対応しているのかをお話しようと思います。

 

 

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人と外食をする場合

 

 

 

私は普段、糖質を一日10g以下に設定しています。

 

 

 

制限は厳しい方です。

 

 

 

しかし、基本的に外食は、普通に食べます。

 

 

 

ラーメン、カレー、寿司、パスタ、なんでもです。

 

 

 

 

もしや、膠原病神経変性疾患などの病気であれば、絶対にどんな事があっても口にしません。これらは糖質が原因なので、本気で治したいなら糖質を一口も食わないぐらいの覚悟が必要だからです。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、私の場合、幸いそこまでではないので、外食、特に人と食事をする時は、普通に食事をします。

 

 

 

ただしこれは、ちょっとぐらいなら糖質の害はないから大丈夫・・・ということではありません。

 

 

 

糖質の害は確かにあります。体に悪いものを摂ったら悪いことには変わりありません。

 

 

 

 

それを分かった上で、たまの付き合いは人との楽しい時間を優先します。

 

 

 

 

そして、それが終わると、また厳格な糖質制限を続けます。

 

 

 

もし外食の回数が頻繁だったら、ダメージが半端ないので考えますが、外食する機会自体が少ないので今のところはこのようにしています。

 

 

 

 

手土産の場合

 

 

 

私が糖質制限している事を知っている人は、私に食べ物を持ってくることはありません。

 

 

 

ですが、たまに事情を知らない人から、お土産を頂く事があります。

 

 

 

ほとんどお菓子ですが、その場合、基本的に一種類につき1個だけ食べて、残りを周囲の人に分けます。

 

 

 

わざわざ買ってきてくれたというのが嬉しいので、頂いた物は必ず食べます。

 

 

 

ですが、申し訳ないので、後日きちんと食事制限をしている事を伝えます。

 

 

 

 

付き合いを優先させる理由

 

 

 

私は長年虚弱体質だったので、健康のありがたみはよく分かっています。

 

 

以前のような体になりたくないので、厳しい食事制限をしています。

 

 

 

健康を大事に思っている私が付き合いで糖質を食べる理由は、周囲の人に気を使わせるのが申し訳ないからです。

 

 

 

私の周りの人は、私が糖質制限をしているのを知っているので、「私が食べられそうなメニューを扱っているお店」にしようとしてくれます。

 

 

 

向こうの方から気を使ってくれるので、さすがに悪いです。

 

 

 

このような気遣いは本当にありがたいので、多少自分の健康を犠牲にしても構わないと思っています。

 

 

 

 

ただし、このような考えは、健康に余裕があるからできるものです。なんらかの病気を治したいなら、迷わず付き合いを犠牲にするべきでしょう。

 

 

命の方が大事だからです。

 

 

 

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チートデイのリスクを知る

 

 

 

私は健康を著しく損ねない範囲で、たまに人との付き合いを優先させることがあります。

 

 

しかしそれは、「たまにはいいよね」と言って頻繁に食べる人とは全く違います。

 

 

 

私は、例え一時的に食べても、その後から確実に制限できるという自信と覚悟があるから、食べています。

 

 

 

また、どのくらいの量を摂ったらヤバイのか引き際も知っていますし、どうやったら糖質の依存を断ち切れるかの方法も知っています。

 

 

 

このようなコントロールができない人は、付き合いで食べるのは失敗の原因になるかもしれません。

 

 

 

お酒やタバコを止めていた人が、1度何かのキッカケで飲んだり吸ったりしたばっかりに、再び止められなくなる・・・という話は珍しくありません。

 

 

 

糖質はこれらと同じ嗜好品なので、同じようになる可能性があります。

 

 

 

世間では、「チートデイ」と言って、食事制限中たまに気休めで好きな物を食べる日を設けることを賞賛していたりしますが、依存性の強い物質は危険です。

 

 

 

他のダイエットならともかく、糖質は「チートデイ」という発想は止めた方がいいです。

 

 

 

禁酒をしている人や、禁煙をしている人が「チートデイ」を設けるでしょうか?

 

 

 

馬鹿げていますよね。

 

 

 

こう言うと、

 

 

 

酒やタバコと、糖質は違うだろ・・・と思われるかもしれません。

 

 

 

 

しかし、残念ですが糖質の別名は「マイルドドラッグ」です。依存性が高いだけでなく、体をゆっくりと破壊します。

 

 

 

 

糖質には禁糖という言葉はありませんが、位置づけとしてはお酒やタバコと同じです。

 

 

 

 

なので、糖質は体に悪い事、再び依存してしまう可能性を分かった上で、気をつけながら摂るべきです。

 

 

 

「チートデイ」という言葉は、「この日だけはチャラ」という、免罪符的な雰囲気を感じます。

 

 

 

しかし、食べた物が体の中で起こる反応は化学反応ですので、「チートデイ」でも同じように起こるものは起きます。

 

 

 

具体的に言うと、糖質を食べる限り、血糖値も上がるし、糖化のリスクも上がります。場合によっては乳酸も発生します。

 

 

 

 

これは厳然たる事実です。

 

 

 

 

そのことをわかった上で摂る方がいいです。タバコやお酒を有害だと分かった上で嗜むのと同じです。

 

 

 

一回糖質を食べた事で「もっと食べたい」となってしまうなら気を抜けません。

 

 

 

しかし、必ずそうならない自信があり、注意して食べるならリスクを最小限に食い止めることができます。

 

 

 

 

次は糖質を摂ると具体的に体にどんな異変が起きるのか私の体験をお話します。

 

 

 

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糖質で体調不良になる

 

 

私の場合、糖質を摂ると、その量に比例してその翌日から目が異常に痒くなります。

 

 

 

私は糖質を摂っても太らない体質なのですが、これが良くないのです。糖質を脂肪に変換できず、血糖値がなかなか下がらないという状態になります。

 

 

 

その為、体が涙という形で糖を出していると考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

従って、なんとしても血糖値を下げなければなりません。

 

 

 

これまで観察したところ、2週間に1回主食を食べるくらいだと(運動必須)、翌日目が痒くなりません。

 

 

 

ですが、それより回数が増えると影響がでます。

 

 

 

正月や盆など、付き合いが頻繁に続くと、私の場合、目が痒くなるだけではなく、関節も鳴りやすくなります。

 

 

 

 

 

 

このように、今は栄養療法で体が丈夫になりましたが、虚弱体質を引きずっているのか、悪いものを食べるとすぐ反応がでます。

 

 

 

だから、止められるのです。

 

 

 

 

では、このダメージを少しでも軽くする為にどうすればいいか。

 

 

次は糖質を摂った時の対策についてお話します。

 

 

 

糖質を摂った時の対処法

 

 

 

糖質を食べた時の対策はこの2つです。

 

 

 

  • 糖質を食べた日はタンパク質や脂質をたくさん食べない

 

  • 糖質を食べたら運動する

 

 

 

その理由を説明します。

 

 

 

普段糖質制限をしている時は、タンパク質や脂質をしっかり摂取しています。

 

 

タンパク質は体の主成分で、脂質はエネルギー源だからです。

 

 

具体的には、食事の他にプロテインとバターを摂っています。

 

 

しかし、何らかの理由で糖質を普通に摂った時は、用心の為に、その日はプロテインもバターも絶対に摂りません。

 

 

 

その理由は、タンパク質、脂質と、糖質を組み合わせてはいけないからです。

 

 

 

タンパク質や脂質だけなら健康的なのですが、これに糖質を組み合わせると、慢性疾患や死亡率が上がります。

 

 

【脂質+タンパク質】は良くて【糖質+脂質+タンパク質】が良くない理由

 

 

 

このような理由があるので、とにかく糖質を食べた日は、あえてタンパク質と脂質は大量に摂りません。

 

 

 

 

炭水化物は消化に悪く、長い間胃の中に留まります、いつ完全に消化されるかわかりません。

 

 

 

消化されないうちに、バターやプロテインを摂取して、胃の中で混ざったら嫌なのでその日は食べないようにしています。

 

 

そして、もう一つの対策が運動です。

 

 

 

目的は血糖値を下げる事です。

 

 

 

むやみに歩き回ったり、筋トレしたり、とにかく少しでも血糖値を下げる為に何でもいいから運動します。

 

 

 

 

(追記)糖質を食べる人が摂っておいた方が良い栄養素

 

 

 

付き合いで糖質を食べる場合、最も効果的な方法を紹介します。

 

 

簡単に言うと、サプリメントを使って摂取した糖質を代謝し切るようにするのです。チャラにはなりませんが、ダメージを最小限に食い止める事ができる方法です。

 

 

ベジタリアンや糖質を止められない人が、健康の為に摂っておきたい栄養素とは

 

 

 

ちなみに、糖の吸収を抑える薬はリスクがあります。

 

 

糖質の吸収を抑える薬やサプリメントを信用することで生じるリスク

 

 

 

 

 

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卵子が老化する原因と防ぎ方。卵子の質を悪化させない食習慣は、不妊症の改善にも期待できる

 

「卵子には寿命があるので老化する」・・・と言われていますが、世の中には、同じ年齢でも、老化が早い人と、遅い人がいます。

 

 

 

老化のスピードを加速させている原因は色々と考えられますが、かなりのダメージを与えているものがあります。

 

 

それは、「糖質」です。

 

 

卵子の「老化」とは、「卵子の糖化」でもあるのです。

 

 

しかし、その事があまり伝えられていないように思います。

 

 

糖質で卵子が劣化する事を知らない若い女性は、糖質の過食を止めません。致命傷を避けないから、どんどん糖化(細胞の劣化)していきます。

 

 

 

というわけなので、糖質が卵子に与える影響についてお話していきたいと思います。もちろん不妊症とも関係あります。

 

 

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卵子の老化(糖化)とは

 

 

人間の体は常に代謝されているので、細胞も常に入れ替っています。

 

 

 

しかし、入れ替らない細胞もあります。

 

 

 

 

 

それは、「目」と「脳」の細胞、そして、「卵子」です。

 

 

 

 

「卵子」は、女性が胎児の時に創られます。そして、それ以降は新たに創られることはありません。つまり、生まれ持った数が全てというわけです。

 

 

なので、生まれてからは、どんどん減り続けます。また、肌にシミやシワが増えていくように老化していきます。

 

 

 

そして、それに「糖質」が追い討ちをかけます。

 

 

 

なぜ糖質が「卵子」にダメージを与えるのかというと、「卵子」はタンパク質だからです。

 

 

 

そのメカニズムはこうです。

 

 

 

糖質は甘い物だけでなく、穀物や野菜や果物にも含まれています。

 

 

 

どのくらいかと言うと、例えば、ご飯茶碗一杯(150g)で、糖質は55gです。

 

 

 

その為、普通に食事をすると、必要以上の糖を摂ってしまう為、使い切れなかった糖質が体に余ります。

 

 

すると、その余った糖は、体のタンパク質と化学反応を起こして、細胞を劣化させます。これを「糖化」と言います。

 

 

卵子もタンパク質だから「糖化」します。

 

 

そして、これが「老化」です。

 

 

 

『健康+生活卵子の老化から不妊の原因に?卵子の糖化を予防するには』より引用

 

 

卵子の老化をすすめる原因のひとつに「糖化」が関係あることが分かってきました。糖化した卵子は褐色に変色し、体外受精の際に採取した卵子が褐色だった場合には受精しにくいことも知られていました。

 

 

 

一応言っておくと、糖化は「卵子」だけに起こるのではありません。

 

 

人間の体はタンパク質でできているので、卵子以外、骨も、筋肉も、血液も、内臓も、当然「糖化」します。

 

 

どこに影響が表れるかは、その人の遺伝的な弱点によって変わります。ダメージを受けやすい弱いところから症状が表れると思って下さい。

 

 

これは化学反応なので、糖質を摂る限り避けられません。

 

 

卵子は見えないので、「自分は糖化していない」と思う方もいるかもしれませんが、糖質を日常的に食べている人は体のどこかが糖化しているはずです。

 

 

例えば、セルライトがあったり、痔になったり、関節の音が鳴りやすかったり、胃もたれがあったりする人は糖化しています。

 

 

 

さらに、以下の記事を読むと、女性が糖質を過剰摂取すると、「卵子」だけでなく、「胎児」にも影響を与えるようです。

 

 

『D!CULT 自然食品ヘルスケア事業部 AGEは、生まれる前から悪影響。』より引用

 

 

老化を促進する物質が、AGEs(エイジス)という総称で呼ばれます。実は、このAGEは、生まれる前から、たまっている場合が多くなっています。

 

 

妊娠しているお母さんのAGEもへその緒を通して、胎児にAGEが移行することがわかっております。つまり、お母さんの食生活などの乱れで、AGEを溜め込んでいると、その赤ちゃんにも影響が及びます。胎児の時から、健康に障害を与える可能性があります。

 

 

妊娠中は、高血糖になりやすいので、AGEが溜まりやすくなるのが原因です。AGEを母親から多く摂取した場合、生まれて1年ぐらい経過すると検査値に異常を示すことが多いことが知られていますが、赤ちゃんが離乳食を食べるようになると、さらにAGE化が進むようになります。

 

 

現代食の環境は、糖を多く摂取する機会がどうしても多くなっています。赤ちゃんの味覚は、妊娠中の母親が食べていたものに影響されることから、AGEを多く含む食事の場合、赤ちゃんも同じような食事を好むようになります。

 

 

 

「AGEs」というのは、タンパク質の糖化反応によって作られた物質のことで、毒性が強いです。

 

糖化反応(メイラード反応)について分かりやすく説明してみた

 

AGE(終末糖化産物)について分かりやすく説明してみた

 

 

 

「女性の喫煙は子供に影響する」・・・と、昔から言われてきましたが、ハッキリ言って糖質はそれ以上です。

 

 

とくに細胞が入れ替らない卵子の「糖化」は深刻です。重要なところなので、念を押しておきます。

 

 

 

『ひなたぼっこ 漢方の吉村 卵子の糖化について』より引用

 

ただし、体の中で生まれ変わらない細胞があります。

 

心筋とか、脳、そして卵子です。

 

こういった細胞のタンパク質に糖がくっついてしまうとなかなか厄介です。

 

卵子の場合でも一旦糖化してしまうと、それを戻すのは難しいでしょう。

 

卵子の糖化がどの段階で起こるのかはまだ解っていません。

 

ただ、インスリン抵抗性が卵子の質を劣化させ、インスリン抵抗性を改善すると卵子の質も良くなる事から、比較的排卵が近づいて来てから起こる糖化もあると考えられます。日頃から血糖値に注意して、特に夜に澱粉、甘いものなどをとらないようにしていく事が大切と思います。

 

中医学では、糖のようなベタベタしたものを「痰湿」と呼んでいます。痰湿は体の至る所にたまり、色々な病気を引き起こすと言われています。

 

 

一度、「糖化」してしまうと、入れ替る細胞であっても、なかなか治ってくれません。

 

 

先ほど、セルライトも糖化だと言いましたが、あれなど、本当に落ちませんよね。普通の脂肪ではなく「糖化」した脂肪だから落ちにくいのです。

 

 

入れ替る細胞であっても苦労するのですから、入れ替らない細胞が「糖化」するのは、どれほどヤバイことか...

 

 

また、不妊とも関係しています。

 

 

『島田薬局 「甘いものの食べ過ぎで卵子の質が悪くなる」の根拠』より引用

 

 

肌だけでなく、このAGEsは、女性の卵巣からも発見されており、特に、不妊のなかでも最近多い要因となっているPCOSの方の原因がAGEsであるということを、ウィメンズクリニックの神野正雄先生が、2011年の抗加齢学会で、発表されています。

検索してみると、AGEsが進んだばあい、卵子の色が茶色になるとか、、(これほんと!?)

 

 

 

ちなみに、卵子や卵巣の老化の原因は、糖化を含め6つだそうです。

 

 

『老化がやってきた☆必死の抵抗日記 卵子・卵巣の老化を引き起こす原因』より引用

 

 

 卵子・卵巣の老化を引き起こす原因は、

 

1.成長ホルモンの減少

 

2.エストロゲンの減少

 

3.細胞の酸化

 

4.メラトニンの減少

 

5.DHEAの減少

 

6.終末糖化産物(AGE)の増加

 

 

 

この中で気をつけられるのは、「3.細胞の酸化」と、「6.終末糖化産物(AGE)の増加」です。

 

 

つまり「酸化」「糖化」ですね。

 

 

人間を老化させることで悪名高い「酸化」と「糖化」について触れておきます。

 

 

 

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「酸化」と「糖化」

 

 

「酸化」と「糖化」は、人間の体にダメージを与えます。

 

 

もちろん、両方防ぐにこしたことはありませんが、特にダメージが大きいのは、私の経験上「糖化」です。

 

 

 

私は糖質制限をする前は、抗酸化に力を入れていて(「糖化」を深刻に捕らえていなかった為)、抗酸化食品を積極的に摂るのはもちろんですが、水素水も飲んでいました。(2年以上)

 

 

以下の記事にも書きましたが、水素水(抗酸化)で、頭痛が治るキッカケになったりと、いい面もありましたが、糖化による体のダメージだけは消せませんでした。

 

目と脳は密接に関係している。慢性的な頭痛の原因と、それが改善した理由とは

 

 

 

まさか、不調の原因が「糖化」だなんて思っていなかったですから、「こんなに気をつけているのに、なんで体が弱いんだろう?」と、ずっと思っていたのです。

 

 

 

その当時は、「バランスの良い食事」や、ベジタリアンやローフードの食事を取り入れたりしていたので、野菜や穀物がメインです。タンパク質や脂質は0ではありませんが、量が少なく、ほぼ糖質ばかりでした。

 

 

 

糖化の症状があちこちにでていたのですが、リンゴによってダメージが大きくなりました。後で知ったのですが、果糖はブドウ糖の10倍糖化するそうです。

 

 

 

半年間、毎日抗酸化食品のリンゴを食べるようにした事で、ある時、糖化の症状、シワが一気にでたのです。お菓子を食べていてもならなかったのに、健康的な果物でなったのでショックでした。

 

 

 

リンゴは抗酸化物質ですが、そのリンゴの果糖で一気に老化したのです。

 

 

抗酸化が虚しくなるぐらいです。

 

ローフーディストやベジタリアンの真実。肉を避け野菜や果物を多く食べる人に見られる肌の特徴と、健康上の問題

 

 

 

その後、「1日10g以下のスーパー糖質制限」に転向した後は、植物性の食品はほぼ摂っていません。水素水も止めました。なので特に「抗酸化」には力を入れていません。

 

 

それにもかかわらず、「糖化」に気をつけただけで、「抗酸化」だけに気をつけていた時よりも体調が改善しました。

 

 

(※もちろん両方気をつけたら良いと思いますが、)「糖化」には特に気をつけた方がいいです。

 

 

 

それに、考えてみて下さい。

 

 

同じダメージを与える物質でも、「酸素」というのは、少なくとも人間の体に必要な物質です。なければ死ぬわけです。必要だけど、害もある・・・そんな物質です。必要なものである以上、ある程度、「酸素の害に対する抵抗力」も機能として備わっているはずです。

 

 

 

しかし、「糖質」はそうではありません。

 

 

 

「糖質」というのは、人間にとって必要ありません。

 

 

 

厳密に言うと必要なのですが、その量は、一説によると5gというレベルです。しかも、人間はその糖を「糖新生」という仕組みによって作り出す事ができるので、それ以上摂ってしまうと毒になります。

 

 

人間の身体に必要な糖質量を血糖値の視点から分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

糖質は「人間の体に入ってくる予定のないもの」です。そんな物質に対しては無防備で、より害を受けると考えられます。

 

 

 

過去に何度も言っていますが、人間は、動物食性(肉食)動物だからです。

 

 

「人間が肉食か草食かは、歯を見れば分かる」という説は正しいのか

 

消化に良い食品の嘘。慢性的に胃がもたれる人は糖質の過食を疑え!

 

 

 

 

従って、本来必要のない糖質を、大量に摂ってしまったら、今はなんともなくても、将来ツケがきます。それに、一見糖質が原因じゃないと思われるような症状が、実は「糖化」だったりします。「糖化」の殺傷能力は高いのです。

 

 

 

糖質の毒性は遅効性。体に合わない物を食べると、表面的には問題がなくても水面下では体が劣化する

 

 

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不妊と食事

 

 

 

糖質の害は、ここまで話してきた通りです。

 

 

しかし、「子供を生む予定のある女性」が栄養面で気をつけるべき事はこれだけではありません。

 

 

 

食事は、低糖質を心がけるのはもちろんですが、高タンパク質である必要があります。

 

 

 

パートナーより肉を食べるか、それが無理なら、プロテインを摂るなどして、タンパク質が不足しないよう注意が必要です。

 

 

 

そして、女性だけでなく、夫婦そろって、高たんぱく質、低糖質食が基本です。

 

 

 

「お菓子を食べながら不妊治療」は論外です。音楽プレーヤーで音楽を聴きながら、授業を聞くようなものです。

 

 

 

 

妊娠・出産に特に必要な栄養素は「鉄」と「タンパク質」

 

 

 

そして、もう1つ忘れてはいけないのが「鉄」の存在です。生まれてくる子供の体に影響するからです。

 

 

人間の体にある鉄は、「機能鉄」と「貯蔵鉄」とにザックリ分けられます。

 

鉄の働きについて分かりやすく説明してみた

 

 

 

このうち注目して欲しいのが「貯蔵鉄 ちょぞうてつ」です。

 

 

 

「貯蔵鉄」とは読んで字のごとく、「機能鉄が足りなくなった時の為のストック」です。「貯蔵された鉄が足りているかどうか」が重要です。

 

 

 

この「貯蔵鉄」のことを「フェリチン」と言うのですが、通常の血液検査では測りません(※フェリチンを測って下さいと言う必要があります)

 

 

これが足りていないと、普通の血液検査で貧血と診断されなくても立派な「鉄不足」です。

 

フェリチンと鉄不足について分かりやすく説明してみた

 

 

 

で、話を妊娠・出産に戻しますが、

 

 

 

女性は1回の妊娠出産で「フェリチン」を50失うので、「フェリチン」は、最低50は必要です。

 

 

 

理想は100です。

 

 

 

しかし、女性は生理があるので、鉄を失います。簡単には「フェリチン」は上がりません。

 

 

15歳~50歳の女性の80%は、「フェリチン」30以下だそうです。

 

 

 

ほとんどの女性は、深刻な鉄不足です(※閉経したら回復します)

 

 

 

だから妊娠前に「フェリチン」を最低50にしておく必要があります。

 

 

 

30以下だと不妊になりますし、

 

 

 

もし、それで妊娠・出産できた場合でも、子供が「鉄不足」のまま生まれてしまいます。母親の鉄が足りないと、十分もらえないからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、出産によって、フェリチンをゴッソリもっていかれ、鉄が枯渇すると、母親も健康ではいられません。

 

 

 

 

産後うつは、鉄不足が原因です。

 

 

 

 

そうならない為にも、女性は、鉄をしっかり摂っておく必要があります。

 

 

 

そして、鉄の吸収には「タンパク質」がかかせないということも忘れてはいけません。

 

 

 

糖質の過食が招く、卵子や卵巣の老化リスクや、妊娠・出産には鉄タンパクが必要ということについてお話しましたが、これらは、子供を生む女性だけに限った話ではありません。

 

 

 

糖質を控える事、タンパク質や鉄を不足させない事は、全ての人の健康の基本だと言っても過言ではありません。

 

 

 

あらゆる健康法も、糖質を摂っている事で足を引っ張ってしまいますし、また、「鉄タンパク不足」だと、あらゆる健康法も効果が薄れます。

 

 

 

(追記)私が試したところ、鉄の補給は食事よりサプリメントの方が効果的でした。

 

鉄の過剰摂取は危険という考えを改めます。鉄サプリを半年間飲んでみて思う事

 

 

(追記)子供の健康について考えている方は、以下の記事も参考にして下さい。

 

草食系男子が増える原因は、価値観の変化でも女性の強さでもなく、生殖能力に影響を与える環境である

 

 

 

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動脈硬化が話題になる時、ほとんどの場合、注目されるのは「悪玉コレステロール」です。

 

 

しかし、よく調べてみると、「コレステロール元凶説」はどれも信憑性に欠けていました。

 

 

絶対に悪い結果になるような不自然な条件で実験を行なったり、都合のいいデータだけを根拠に論文をまとめたり・・・と、真面目に真実を追究する姿勢ではありませんでした。

 

科学や論文のインチキはコレステロールが教えてくれる

 

 

そういう歴史があるので、私は「コレステロールを悪く言う」説に対しては常に疑いを持っています。どんな新説であろうとです。

 

 

そもそも、動脈硬化は血管の疾患なので、血管そのものにもっと目を向けるべきではないでしょうか。

 

 

なので、本記事では、「動脈硬化の原因に、本当にコレステロールが関係しているのかどうか」と、「血管はどうやって劣化していくのか」に焦点を当ててお話します。

 

 

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動脈硬化について

 

本題に入る前に、動脈硬化がどういうものなのか、簡単に説明しておきます。

 

動脈硬化には3タイプあります。

 

 

 

  • アテローム性動脈硬化(粥状動脈硬化)

 

  • 細動脈硬化

 

  • 中膜石灰化硬化(メンケベルグ硬化)

 

 

一般的に言う「動脈硬化」とは、「アテローム性動脈硬化」の事を指している場合が多いです。「脳梗塞」や「心筋梗塞」の原因になります。

 

 

なので、ここからは「アテローム性動脈硬化」に焦点を当てます。

 

 

 

アテローム性動脈硬化とは

 

「アテローム性動脈硬化」は、一言で言うと、血管の中に「お粥状の塊」ができた状態です。

 

その塊の事を、「アテローム性のプラーク(粥状の隆起)」とか、「粥腫(じゅくしゅ)」と呼びます。

 

 

『動脈硬化症 Wikipedia』より引用

 

アテローム性動脈硬化

 

アテローム性動脈硬化とは、動脈の内側に粥状(アテローム性)の隆起(プラーク)が発生する状態。

 

 

「お粥状」・・・といっても、内訳は脂質やカルシウム等です。

 

『アテローム Wikipedia』より引用

 

 

病理学においてアテロームとは、脂質(コレステロールや中性脂肪)、カルシウムや様々な線維性結合組織を含んだ細胞(ほとんどマクロファージ)や細胞の死骸から構成された動脈血管内での蓄積物であり固まりである。

 

心臓や動脈で問題になるアテロームは、通常、粥腫である。

 

アテロームは、不健康な状態であるが、ほとんどの人で見つかっている。

 

 

 

 

アテローム性動脈硬化の成り立ち

 

 

意味を理解したところで、次は「アテローム性動脈硬化」がどのようにしてできるのか説明していきます。

 

以下は、動脈の大まかな構造になります。血管の壁に注目して下さい。

 

 

 

 

動脈硬化に関係があるのは、「内膜」と「中膜の内半分」です。膜はさらに複雑になっていますが、後で詳しく説明しますので、ここではシンプルに考えて下さい。

 

 

そして、以下が一般的に言われている「アテローム性動脈硬化」の成り立ちになります(※つまり、「アテローム性のプラーク」の出来方です)。

 

 

 

①「血管」は血圧が高かったり、喫煙することで内膜の「内皮細胞」が傷つけられる

 

 

②傷ついた「内皮細胞」の隙間から、LDL(悪玉)コレステロールが内膜の内側に入り込んでいく

 

 

③内皮細胞の内側に入り込んだLDLは、活性酸素によって酸化される

 

 

④不要な酸化LDLを排除する為に、単球(白血球の一種)も内膜の内側へ入っていく

 

 

⑤「内皮細胞」の間から内膜へと入り込んだ単球は、「マクロファージ」の姿に変身して掃除を行なう

 

 

 

 

⑥マクロファージは、次々と酸化LDLを食べていくので大きくなる(泡沫細胞という)

 

 

 

 

⑦泡沫細胞が蓄積すると、アテロームになる

 

 

⑧アテロームができると、血管壁が厚くなって、血管内部は狭くなる

 

 

 

泡沫細胞(ほうまつさいぼう)とは、マクロファージが「酸化LDLコレステロール」を溜め込んで「泡状」になった細胞です。これが集まったものが「粥状」のアテロームです。)

 

 

 

あなたは、この過程を読んでどう思われましたか?

 

 

私は①の「内膜の傷が悪い」と思うのですが、

 

②以降の「LDL(悪玉)コレステロールが悪い」と考える人も多いのではないでしょうか。「コレステロール元凶説」は根強いですからね。

 

 

なので、先に「LDLコレステロール」について話をします。

 

 

 

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コレステロールとは

 

テレビ等で「LDLコレステロール」が紹介される時、その絵は悪者のように描かれています。あのせいで、「LDLコレステロール」に対しておかしな先入観を持っている人は少なくないと思います。

 

なので、コレステロールがどういうものなのかを説明します。

 

 

コレステロールは、血液の中に単体で存在しているのではありません。コレステロールは、中性脂肪やタンパク質(アポタンパクと言う)とセットになって存在しています。

 

このセットを「リポタンパク」と呼びます。

 

このような姿で血液の中に存在しているのは理由があります。

 

血液は水分で、コレステロールは脂です。水と脂は馴染みません。

 

 

だから、水と馴染みにくい「エステル型コレステロール」と「中性脂肪」は、比較的水と馴染みやすい「遊離型コレステロール」「リン脂質」「アポたんぱく」にくるまれることによって、血液の中に存在しているというわけです。

 

 

 

 

 

日常的に使われている「善玉コレステロール」とか、「悪玉コレステロール」といった言葉は、この加工された「リポタンパク」のことを指していて、「コレステロール分子」自体を指しているわけではありません。

 

 

リポタンパクの種類

 

 

このリポタンパク(一般的に言うコレステロール)は、善玉と悪玉の他にもいくつかあります。

 

 

  • (カイロミクロン(キロミクロン)/ 英語:chylomicron)

 

  • (超低比重リポタンパク / 英語:Very-Low-Density Lipoprotein cholesterol)

 

  • (中間比重リポタンパク / 英語:Iintermediate Density Lipoprotein cholesterol)

 

  • (低比重・リポタンパク /英語:Low-Density Lipoprotein cholesterol)→ 悪玉コレステロール

 

  • (高比重リポタンパク / 英語:High Density Lipoprotein cholesterol)→ 善玉コレステロール

 

 

 

 

脂質の比率密度合成される場所によって、このように分けられています。

 

様々なサイトを参考に、それぞれのサイズを図にしておきました。一番小さいのが善玉と呼ばれる「HDLコレステロール」です。

 

 

 

 

で、本題は悪玉と呼ばれる「LDLコレステロール」・・・でしたね。

 

なので、次は先ほど書いた、アテローム性動脈硬化の成り立ちのこの部分を詳しくみていきます。

 

 

②傷ついた「内皮細胞」の隙間から、LDL(悪玉)コレステロールが内膜の内側に入り込んでいく

 

 

 

有益なLDLコレステロールが悪いと言われる理由

 

ここからはリポタンパクの中で2番目に小さい「LDLコレステロール(ロウ・デンシティ・リポプロテイン・コレステロール)」が本当に悪いのか検証していきます。

 

 

冒頭でもお話した通り、私はこのコレステロールの話は胡散臭いと思っているので、調べたことを解説しますが、基本信じていないので文章的に「断言」する形をとっておりません(その理由は後で述べます)。なので、「こんなことが世間で言われているんだな」・・・という感覚でお読み下さい。

 

 

LDLコレステロールは「悪玉」などと呼ばれていますが、「新鮮なコレステロールを全身に配達する」という体にとって重要な役割を担っています。

 

良い仕事をしているのです。

 

 

よくよく調べてみると、「LDLコレステロール」そのものが悪いのではなく、「変性したLDLコレステロール」が悪いのだそうです。

 

 

 

〇 正常なLDLコレステロール

 

× 変性したLDLコレステロール

 

 

そして、「変性したコレステロール」にもいくつかパターンがあるみたいですが、多くは活性酸素によって酸化したLDLコレステロールだそうです。

 

 

「正常なLDLコレステロール」は、マクロファージに相手にされませんので、先ほどお話した「泡沫細胞」を作ることはありません。

 

しかし、「酸化したLDLコレステロール」は毒性が強く、マクロファージから見ると有害物質なので、食べられます。すると、「泡沫細胞」を作って動脈硬化を進行させてしまいます。

 

 

「酸化LDLコレステロール」が危険視されているのは、以上の理由からです。

 

では、何故、LDLコレステロールは酸化してしまうのか・・・その理由が気になると思うので解説します。

 

 

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LDLコレステロールが酸化する理由

 

 

実は、「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールは、2種類あるそうです。

 

 

 

  • 通常サイズの LDLコレステロール

 

  • 小型サイズの LDLコレステロール(small dense LDL スモール・デンス・LDL)

 

 

後者を、悪玉コレステロールと呼びます。

 

そして「小型LDLコレステロール」が「超悪玉」と言われる根拠が以下になります。

 

 

『川村内科診療所 脂質代謝系 2015年5月19日 火曜日 小型LDLの重要性 平野勉教授』より引用

 

① 血液中に滞在する時間が、通常のLDLの場合は平均2日なのに比べ、5日と長いこと

 

② 血管壁のプロテオグリカンに付着しやすいこと

 

③ 小型の粒子なので血管内皮下に侵入しやすいこと

 

④ 通常のLDL粒子に比較してコレステロール含有量が少ないが、それ以外にも脂溶性の抗酸化ビタミンなどの抗酸化物質が乏しいため酸化されやすい

 

⑤ 酸化されるとマクロファージに取り込まれ、泡沫化し、動脈硬化層へと進展していく

 

 

「プロテオグリカン」とは、多糖類を含むタンパク質の一つです。細胞と細胞をつなぎ合わせたり、細胞を保護する働きがあります。

 

 

『生研 small, dense LDL はなぜ動脈硬化惹起性が強いのでしょうか?』より引用

 

small, dense LDL(sd LDL)は、LDL を異化する LDL レセプターに対する親和性が低下しており、血中滞在時間の長いことが知られています。

 

一般的に正常サイズの LDL の血中滞在時間は2日、sd LDL のそれは5日と言われています。このため、sd LDLは血管壁と接触する機会が多いと言えますが、それ自身が小型であることと相まって血管壁に侵入しやすく、酸化変性というストレスにさらされやすいという側面を有しています。

 

さらにこの酸化ストレスに対して、正常サイズの LDL はビタミン E やユビキノール10といった抗酸化物質によって保護されていますが、sd LDL は抗酸化物質に乏しく酸化変性を受けやすいという特徴も有しています。

 

以上のことから、sd LDLはアテローム性動脈硬化の主因である酸化LDLの良き原料と考えられています。

 

 

「小型LDLコレステロールの特徴」と、それによる不都合な展開を完結にまとめるとこうなります。

 

 

  • 滞在時間が長い → 血管壁と接触する機会が多い

 

  • サイズが小さい → 血管壁に侵入しやすく、侵入した先で酸化される

 

  • 抗酸化物質が乏しい → 活性酸素に対する防御力が弱いので酸化しやすい

 

 

「小型LDLコレステロール」は、このような条件がそろっているので、毒性の強い「酸化コレステロール」になりやすいというわけです。だから「超悪玉」と言われています。

 

 

「小型LDLコレステロール」は、よく「小型だから悪い」と言われていますが、厳密に言うと「内皮細胞に入ると酸化するから悪い」ということになります。

 

 

以上が「LDLコレステロールは動脈硬化の原因になる」・・・と悪く言われる所以です。

 

 

しかし、忘れてはいけません。

 

酸化コレステロールは泡沫細胞の蓄積を招くので「アテローム性動脈硬化」を進展させますが、あくまで二次的なものです。

 

コレステロールの前に注目しなければいけない過程があります。

 

それが、最初に起こる「内膜の傷」です。

 

 

 

内膜の傷

 

 

確かに、酸化コレステロールは良くない性質をもっています。

 

しかし、元になった「小型LDLコレステロール」を溜めない事が動脈硬化を防ぐ一番の方法か・・・というと、私はそうは思いません。

 

コレステロールに気をつけるよりも、①の血管そのものの健康に気をつける方が、根本的な解決に繋がると思うのです。

 

 

その根拠をお話します。ここでもう一度、「アテローム性動脈硬化」の流れを見て下さい。

 

 

 

①「血管」は血圧が高かったり、喫煙することで内膜の「内皮細胞」が傷つけられる

 

 

②傷ついた「内皮細胞」の隙間から、LDL(悪玉)コレステロールが内膜の内側に入り込んでいく

 

 

③内皮細胞の内側に入り込んだLDLは、活性酸素によって酸化される

 

 

・・・

 

 

そもそも、①が起こらなければ「内皮細胞」は傷つかないということになりますよね。

 

そして、「内皮細胞」が傷つかなければ、「小型LDLコレステロール」が隙間から入ることもありません。

 

 

そして、LDLコレステロールの酸化は「内皮細胞」に入り込んだ先で起きるので、入り込まなければ酸化LDLコレステロールは作られない・・・ということになります。

 

 

マクロファージは「酸化LDLコレステロール」にならなければ攻撃してこないそうなので、その後の「泡沫細胞」になる展開も起こりません。

 

 

結局、元をたどれば「血管にLDLが入ってしまう傷ができる事」、「内皮細胞に入ってしまう事」が悪いのであって、「小型LDLコレステロールが悪い」・・・というのはなんか違うような気がします。コレステロールに関する説はインチキが多いので、無駄に大騒ぎしすぎかなと思います。

 

しかし、既に内皮細胞に傷が多い人は、小型LDLが入り込む確率が増しますし、そうなれば酸化してマクロファージの攻撃対象ですから、どうにもなりません。その場合は小型LDLコレステロールを減らす努力をした方が良いでしょう。

 

 

 

また、「小型だから内皮細胞に入りやすい」・・・ということですが、それを言うなら「HDL(善玉)コレステロール」も小型です。何故こちらは内皮細胞に入っていかないのか・・・

 

 

謎はありますが、とりあえずコレステロールの話は置いておいて、ここからは「血管の状態」に注目します。

 

 

 

 

血管の状態に注目する

 

 

「動脈硬化」という疾患は「血管の症状」なので、そこを流れている「コレステロール」に注目するよりも、「血管の質」そのものに目を付ける方が理に適った分析だと思います。

 

 

動脈硬化を予防したい人は、コレステロールの心配をする前に、血管の質が悪くならないような生活を心がけた方が良いでしょう。

 

しかし、その為には、何故、血管の質が悪くなるのかについて知っておく必要があります。

 

 

まずは、コレステロールから頭を切り替える為に以下をお読み下さい。

 

 

『日本人よコレステロールを恐れるな / 著者:長谷川元治』より引用

 

「コレステロールが高い=動脈硬化」ではない。

 

 

みなさんが健康診断などを受けたとき、コレステロールが高いと、動脈硬化を起こしている(あるいは起こすおそれがある)と言われます。しかし、実はここに大きな落とし穴があるのです。

 

 

たとえば、高血圧かどうかを調べるときには血圧そのものを測定します。その結果、血圧の値が高かった人がすなわち高血圧ということになります。血圧が高いことを高血圧というのですから、これはあたりまえです。

 

 

ところが、動脈硬化の場合は違います。血管の病変であるにもかかわらず、血管そのものをなんらかの形で検査。測定するのではなく、血中コレステロールという“別のもの”を測って、間接的に診断を下しているにすぎません。

 

 

これば、血管そのものの状態を直接調べる簡易な検査法が少なく、行なう場合には特別な機器や技術が必要だったため、会社や地域の健康診断や人間ドックなどで実施しにくかったという事情もあるでしょう。

 

 

しかし、その結果、不幸なことに「コレステロールが高い=動脈硬化」という図式が世の中に浸透してしまいました。

 

 

本来、血中コレステロールが高いということは、血液中にコレステロールが多いという状態を示しているにすぎず、それ以上でも以下でもありません。

 

 

血管の状態そのものは調べていないのですから、動脈硬化かどうかはほんとうにはわからないはずです。にもかかわらず、わかったことにしている、つまり動脈硬化を起こしている(起こすおそれがある)とみなしているのが現在行なわれている検査・診断であるといえるでしょう。

 

 

実際には、コレステロールが高くても動脈硬化を起こさない例があり、逆にコレステロールが低くても動脈硬化を起こしている例も多いことがさまざまな研究・調査によって、また私自身の研究によっても明らかになっています。

 

 

(p37~38p)

 

 

こちらは、1998年に出版された本です。言うまでもありませんが、あの当時「動脈硬化はコレステロールが原因ではない」という説を唱えるのは凄いことです。

 

 

ですが、ここに書かれてある内容は、考えたら当たり前のことです。小学生でも分かる理屈ではないでしょうか。

 

 

しかし、みんなが「動脈硬化=コレステロール」と言うと、なんとなく「そうかな・・・」と思うようになるのです。

 

 

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動脈硬化の定義

 

動脈硬化が何かよく分かっていないと原因もわかりません。

 

 

なので、まず動脈硬化の定義をハッキリさせます。

 

 

血管の“しなやかに伸び、力強く復元する”という機能が失われる。

 

動脈硬化とは何かという問題を考えるとき、二つの側面からのアプローチがあります。

 

一つは“血管機能”の面から論じる場合、もう一つは“病理組織学”の面から検討した場合です。

 

このうち、血管機能の面から動脈硬化を論じるのは、実はそれほどむずかしいことではありません。一言で言えば、動脈が本体持っている「しなやかに伸び、力強く復元する」という機能が低下し、失われた状態を動脈硬化と呼ぶのです。

 

 

(中略)

 

 

正常な動脈、よい動脈とは何でしょうか。

 

 

医学的にいろいろな側面から表現することはできますが、要はこの“しなやかに伸び、力強く復元する”機能を維持しているということに尽きるでしょう。

 

 

動脈硬化を起こすと、血管はこのような機能を失ってしまいます。

 

 

実際、不幸にも亡くなられたかたがたの大動脈をとり出し、手で引っぱってみると、正常な血管は柔らかくて、よく伸びるのですが、動脈硬化を起こした血管はガチガチに硬く、まったく伸びません。

 

 

こうした状態では、動脈は血液を全身のすみずみまでつつがなく送り届けるという大事な役目を果たすことができなくなってしまいます。

 

 

(139p~142p)

 

 

機能的に良い動脈がどういう状態か分かったので、次は顕微鏡を使って病気の細胞と組織を検査する「病理組織学」から見た動脈硬化の定義をみていきます。

 

 

冒頭でも少し解説しましたが、動脈壁は、「内膜」、「中膜」、「外膜」の3つに分けられます。

 

 

 

 

この構造を頭に入れた上で続きをお読み下さい。

 

 

動脈硬化とは血管の組織が“病的老化”を起こした状態。

 

 

一方、病理組織学の面から見た場合はどうでしょうか。こちらは実はなかなかむずかしい問題なのですが、できるだけわかりやすく説明してみたいと思います。

 

 

動脈の血管壁の組織は、内膜、中膜、外膜という三つの層を重ね合わせた形でできています。

 

 

このうち、動脈硬化に関係が深いのは内膜と中膜(の内側半分)です。図23に正常な動脈の断面拡大図を示しました。

 

 

 

 

内膜は表面のタンパク膜、内皮細胞、内弾性板(エラスチン)から成り立っており、そのうちの内皮細胞は一層で構成されています。

 

 

中膜は平滑筋細胞を中心として、弾性繊維という太い線維性のタンパク質(エラスチン)、細い線維性のタンパク質(コラーゲン)、それらの間を埋めるしなやかなゼリー状、にわか状のタンパク成分(グリコサミノグリカンス、糖タンパク)によって構成されています。

 

 

動脈の「しなやかに伸び、力強く復元する」というすばらしい機能を担っているのはこれらの材料です。

 

 

エラスチンは平滑筋細胞の間に繊維状に分布しており、「しなやかに伸びる」という機能を専門に受け持っています。

 

 

一方、コラーゲンはエラスチンの要所、要所に密着して存在しており、「力強く復元する」という機能を受け持っています。細胞やゼリー状、にわか状のタンパク成分はこの二つの機能がスムーズに働くように、いわば手助けをします。

 

 

年をとるにつれて、これら動脈壁を構成する成分の形と質は徐々に劣化し、その機能もしだいに低下してきます。

 

 

したがって、結果として動脈は硬くなってきますが、そのとき“病的な成分”が発生していなければまだ「生理的老化」の段階であり、動脈硬化を起こしているとは言えません。

 

 

それに対して動脈壁に“病的な成分”が発生している場合を「病的老化」と呼び、私はこれをイコール動脈硬化と定義しています。

 

 

上の画像を参考に、「内膜」と「中膜」の構造をシンプルにしておきます。

 

まずは、「内膜」です。水色の部分は後で説明しますので、ここでは以下の名前を覚えて下さい。

 

 

 

 

 

 

次は「内膜」です。

 

 

 

 

 

 

それぞれの役割をまとめます。

 

 

  • エラスチン・・・「しなやかに伸びる」機能

 

  • コラーゲン・・・「力強く復元する」機能

 

  • 細胞・ゼリー状・にわか状のタンパク成分・・・2つの機能のサポート

 

 

 

年をとって、これらの成分、質、機能が低下したら、動脈は硬くなりますが、以下の違いがあります。

 

 

 

動脈壁に病的な成分が発生していない状態(動脈硬化を起こしていない)

 

 

動脈壁に病的な成分が発生している状態(動脈硬化と定義)

 

 

 

後者が「動脈硬化」です。

 

 

 

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動脈硬化のプロセス

 

 

定義がハッキリしたところで、次は動脈硬化になるプロセスです。

 

 

さっきの「アテローム性動脈硬化」のプロセスの説明では見られなかった話なので、楽しんで読んで下さい。

 

 

病的老化のプロセスを簡単に説明しましょう。図24―①、②をごらんになると、よりわかりやすいと思います。

 

 

 

 

まず細胞、生理的なエラスチン、コラーゲンが破壊され、形がくずれ、量的にも減少してきます。その間を埋めているゼリー状、にわか状のタンパク成分もやはり破壊され、量が減ってきます。

 

 

このとき、エラスチンは壊れるだけですが、コラーゲンはしだいに変性したものがつくられてきます。簡単にいうと、質のよいコラーゲンと悪いコラーゲンのうち、悪いコラーゲンがふえてくるのです。

 

 

それとともに病的なゼリー状、にわか状の成分も塊状にふえてきます。こうしたまったく機能をなさないさまざまな病的なタンパク質が増加するうちに、細胞は異常にふくれ上がり、のちに萎縮し、ついには消失して(死んで)しまいます。

 

 

そして、最後にこれらの現象に輪をかけるように、血管壁に大量のコレステロールやカルシウムが集まり、アテロームや石灰化が形成されるのです。

 

 

 

 

このように血管壁の組織を構成する主な成分が破壊され、減少、消失し、病的な成分が発生、増加した結果、動脈は本来持っている機能をついには失ってしまいます。

 

 

つまり、しなやかに伸びなくなり、力強く復元しなくなるのです。病理組織学の視点から論じた場合、動脈硬化はまさにこの病的老化が起きた時点をもって始まると言ってよいでしょう。

 

 

(143p~147p)

 

 

 

 

「病理組織学」の視点で見た動脈硬化のプロセスを簡単にまとめるとこうなります。

 

 

 

①エラスチン、コラーゲン、ゼリー状、にわか状のタンパク成分が破壊され形が崩れ、量が減少する

 

 

②変性したコラーゲンが増え、病的なゼリー状、にわか状の成分は塊状に増える

 

 

③病的なタンパク質の増加によって細胞が膨れ、萎縮、消失する

 

 

④血管壁に大量のコレステロールやカルシウムが集まる

 

 

⑤アテロームや石灰化が形成される

 

 

⑥動脈は本来持っている機能を失う

 

 

 

 

どうでしょう。

 

 

先に紹介した「アテローム性動脈硬化」になるプロセスとは、ちょっと違いますね。

 

 

一般的な「アテローム性動脈硬化」の説明は、動脈壁が傷つく様子を軽く触る程度で、その後の「コレステロールが~」ばかりを強調していました。

 

 

しかし、こちらの説明では、諸悪の根源である動脈壁の変性ぶりが丁寧に描写されています。私はここがミソだと思っています。

 

 

コレステロールと関係なく動脈の変性は起こるのです。

 

 

 

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動脈硬化になることで失われる機能

 

 

動脈硬化になると、どんな不都合な事が起こるのかみていきましょう。

 

 

血管は「栄養呼吸」を行なっています。

 

 

しかし、病的な老化(動脈硬化)をしたものは、その機能を失ってしまうのです。以下はその実験の様子です。

 

 

私達の体を構成する組織はすべからく、栄養分や酸素をとり入れて、かわりに浪費物を排出する「栄養呼吸」を行なっています。

 

 

動脈壁のように常に動きつづけている組織の場合には、なおさらこの栄養呼吸が非常に活発に行なわれていることが予想されます。もしそうでなければ、動脈壁の組織は疲労とエネルギー不足に陥って、伸び縮みを繰り返しつづける“激務”にはとても耐えきれないはずだからです。

 

 

では、動脈壁の組織の栄養呼吸はどのような仕組みになっているのでしょうか。実は、これが動脈硬化の発生する原因を知るうえで重要なポイントになります。私たちは次のような実験を行いました。

 

 

まず人間(や動物)の動脈組織を短く切ってとり出し、それを人工心臓を中心とした特殊な装置にとりつけます。

 

 

この装置は心臓の拍動や血液を生体同様に再現する仕組みになっており、作動させると脈動流が起きて、溶液が管腔の中に送り出され、動脈の口径は体内にあるときと同様に広がったり、元に戻ったりを繰り返します。このとき、動脈の組織に必要な栄養素をとかした液体(よく見えるように着色してある)を送り出して、どうなるかを観察してみたのです。

 

 

すると、正常な動脈(や生理的老化を起こしている動脈)では、口径が広がったときに溶液が血管壁の組織に十分に吸い込まれ、元に戻るときに溶液が吐き出されることが確認できました。血管壁の断面図でいうと、中膜組織の内側半分にまで深く溶液は出入りしています。

 

 

つまり、動脈壁はその伸び縮みに連動して、実に活発に栄養呼吸を繰り返していることがわかったわけです。心臓は1日に10~11万回は拍動しますから、動脈の栄養呼吸も同じ回数だけ行なわれていることになります。

 

 

では、動脈硬化=病的老化を起こしている動脈の場合はどうだったでしょうか。同様の実験を行なってみたところ、栄養液は血管壁の組織表面の浅いところに貯留して(たまって)しまい、そこから奥には入っていきませんでした。

 

 

つまり、栄養呼吸が障害されているか、ほとんど行なえなくなっていたのです。肺呼吸になぞらえて言うと、“浅く息を吸い、浅く息を吐く”といった、まるで呼吸困難に陥った重症の肺炎のような呼吸の仕方でした。

 

 

このような状態では動脈壁の組織は栄養不足に陥ってボロボロになっていくのは当然だと言えるでしょう。

 

 

病的な老化を起こしている動脈

 

 

栄養呼吸が障害される

 

 

血管が栄養不足でボロボロ

 

 

 

・・・悪循環ですね。

 

 

ところで、もう一度言いますが、この本は1998年、今から約20年前に書かれています。

 

 

従って、所々「LDLコレステロール=悪者」という当時の概念で話を展開されていますが、「LDLコレステロールは悪くない」と事実が分かる前なので、考慮して続きを読んで下さい。

 

 

さらに、私たちは着色した「LDLコレステロール」をとかした液を使って同様の実験を行なってみました。LDLコレステロールは俗に“悪玉コレステロール”と呼ばれ、動脈壁の中に侵入してアテロームをつくる原因となり、ひいては動脈硬化を引き起こす元凶であると一般には言われているものです。

 

 

実験の結果、正常な動脈では、LDLコレステロールはまったくといってよいほど血管壁の中には侵入できませんでした。もちろん栄養呼吸は活発に行なわれているのですが、LDLコレステロールは入っていきません。

 

 

それに対して、動脈硬化を起こしている血管では、LDLコレステロールがまるで土足で人の家に踏み込むように、血管壁の組織の中に侵入していったのです。しかも、組織内に入ったLDLコレステロールはそこに居ついてしまって、外に出てくることはありませんでした。

 

 

以上の結果をまとめてみますと、正常な動脈ではスムーズに栄養呼吸が行なわれており、必要な栄養素は組織の中にとり入れられますが、LDLコレステロールは侵入できません。つまり、必要な成分は入れて、害になる成分は撃退するという一種の「取捨選択機能」(バリア)が働いているわけです。

 

 

一方、動脈硬化=病的老化を起こしている動脈では栄養呼吸はほとんど行なわれておらず、必要な栄養素を組織内にとり入れることができませんが、逆にLDLコレステロールはどんどん侵入していきます。

 

 

つまり、動脈がもともと持っているはずの取捨選択機能が壊れているわけです。

 

 

(148p~151p)

 

 

 

 

血管壁の組織の中にLDLコレステロールが入るのは良くないそうです。この点は先ほどの「アテローム性動脈硬化」の説明と同じです。

 

 

内皮細胞の中に入ると酸化されてしまいますから。

 

 

でも、ふと思いました。

 

 

「血管壁の組織の中にLDLコレステロールが入るのは良くない」・・・と言うと「入らない方がいい物質=害」と考え、「やっぱりLDLコレステロールは悪いんだ」と結論づけてしまうかもしれません。

 

 

「悪玉」という概念があると、そういう発想につながりやすいです。

 

 

しかし、「入らない方が良い」からといって、必ずしもそれが「害」だからとは限りません。

 

 

例えば、「水」は体にとって必要です。

 

 

胃の中に入れば有益ですが、肺の中に入ったら有害です。「肺に入ると悪いから、水は体に悪い」・・・ということにはなりませんよね。

 

 

それと同じように、血管壁の組織の中に「LDLコレステロール」が入らないようになっている、または、入ったら都合が悪い現象が起きるのは、

 

 

単純に、「LDLコレステロールは血管壁の組織の中に機能的に相応しくないだけ」・・・ともとれるわけです。

 

 

従って、私は小型だろうが普通サイズだろうが、以下のように捉えています。

 

 

 

×  LDLコレステロール=有害成分

 

 

〇  LDLコレステロール=正常な血管壁の組織には不要成分

 

 

 

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タンパク成分の膜の存在

 

 

血液中を流れる「LDLコレステロール」が、内膜の内皮細胞の中に入ったら良くありません。

 

 

次は、血液に面している「内膜」の構造に焦点を当てます。

 

 

動脈壁の内膜の表面には「内皮細胞」がびっしり綺麗に並んでいます。

 

 

 

 

 

 

この「内皮細胞」が血液と触れている・・・と思われるかもしれませんが、そうでもないようです。

 

 

実は、「内皮細胞」の上にが存在しています。

 

 

血液に触れているのは「タンパク成分の膜」です。

 

 

 

私たちは「走査電子顕微鏡」という何千、何万倍という倍率で、しかも組織を立体的に見ることができる高性能の顕微鏡で、動物や人間の動脈をつぶさに観察しました。

 

 

その結果、動脈壁のいちばん内側、つまり血液と接している面にゼリー状、にわか状のタンパク成分(グリコサミノグリカンス、糖タンパク)でできた「膜」を発見しました。

 

 

(中略)

 

 

私たちがこの膜を発見したのは、動物実験がきっかけでした。

 

 

麻酔をしたウサギの心臓が拍動しているうちに、ごくわずかの固定液を血液中に流します。

 

 

そして、走査電子顕微鏡で動脈の組織を観察したところ、明らかに内皮細胞群の直上に膜が一面一様に存在することを確認できたのです。内皮細胞が無数に並んでいる様子を拡大してみると、まるで“キャベツ畑”のようですが、この膜はあたかも霜などの害からキャベツを守るために張られたビニールシートのようにも見えます。

 

 

その後、固定液の用い方など、実験や観察の方法にさらに工夫を重ね、他の動物や人間のいろいろな動脈の血管壁にも同様の膜が存在することを突き止めました。

 

 

(中略)

 

 

しかも、その後の研究で、タンパク膜は動脈壁の表面だけでなく、組織内のすみずみにまで張りめぐらされていることもわかりました。

 

 

先に述べた平滑筋細胞やエラスチン、コラーゲンなどの間を埋めるしなやかなゼリー状、にわか状のタンパク成分が、こうした膜の働きをつかさどっているのです。

 

 

この膜がかなり重要な役割をするのです。

 

 

しかし、「タンパク成分の膜が存在している」とハッキリと書かれている本がある一方で、「血液に触れているのは内皮細胞である」とタンパク膜がなかったかのように書かれている情報源があります。どちらかというとこちらの方が多いです。例えば、

 

 

『一生切れない、詰まらない「強い血管」をつくる本 著者:島田 和幸』より引用

 

 

内皮細胞の“バリア機能”と“活性化機能”

 

 

血管病のメカニズムを知ると、血圧や血糖値、LDLコレステロール値が高い人は、「このままでは危ないかも・・・」と不安な気分になってしまうかもしれません。

 

 

しかし、血管は、若返りが可能な器官です。

 

 

疲れて老化しかけた血管も、セルフケアで強くよみがえらせることができ、それによって怖い血管病も防げるのです!

 

 

その生まれ変わりのカギを握るのが、“内皮細胞”です。

 

 

血管壁の最も内側に位置する内皮細胞は、一層の細胞だけが並ぶ薄い層ですが、血管内腔(血管の内側の空洞)との境にあるので、血管内を流れる血液につねに接しています。

 

 

そのため、血液と血管壁の仲介者のような役割を持ち、血管を守り、強くするよう働いているのです。

 

 

バリア機能は「防壁機能」とも呼べるもので、血液中に存在する成分が血管壁内に侵入するのを防いでいます。

 

 

血液の循環を川の流れにたとえると、内皮細胞は、川の水があふれないように保ち、よどみない流れを促す堤防のようなものです。

 

 

一方、活性化機能は、内皮細胞自身が作る物質に関係しています。

 

 

内皮細胞は、防壁となって血管壁を守るだけでなく、血管を健康に保つための物質を自らが生み出し、活用しているのです。

 

 

そのおもな物質が“NO(一酸化窒素)”です。NOは排気ガスにも含まれていますが、人の体内で生み出されるNOはとても良い働きをします。

 

 

その驚くべき作用を発見した研究者はノーベル賞をもらったほどです。

 

 

内皮細胞から生まれたNOは血管壁に良い刺激を与え、血管壁を広げるよう働きます。すると、血圧が下がり、血管の負担が減ってきます。

 

 

また、NOが血液中に放出されると、血液がかたまりにくくなり、脳梗塞や心筋梗塞の引き金になる血栓(血のかたまり)ができにくくなります。

 

 

そのため、内皮細胞がイキイキしていると、血管自体も若さと強さを保てます。

 

 

逆に、内皮細胞が疲れていると、本来の役割を果たせなくなり、血管の老化が早まって、40代や50代でも血管病に襲われてしまうのです。

 

 

つまり、内皮細胞をどうケアするかが、血管ケアの最大のカギとなるのです。

 

 

違いをまとめてみます。

 

 

 

  • 内皮細胞は血液に常に接していると書かれている

 

  • 「バリア機能」の事には触れるが「タンパク成分の膜」は触れない

 

  • 「活性化機能」について書かれている

 

 

 

気になるのは、「タンパク成分の膜」について触れられていない事です。他にもネットや本を色々探したのですが、どの情報にも書かれていません。

 

 

その後、「膜の名前が変わった」のか、「やっぱり膜はなかったことになった」のかは分かりませんが、「内皮細胞は血液に接している」というものばかりです。

 

 

 

長谷川氏の本には、私たちは発見したと、

 

 

「その後、固定液の用い方など、実験や観察の方法にさらに工夫を重ね、他の動物や人間のいろいろな動脈の血管壁にも同様の膜が存在することを突き止めました。」

 

 

・・・と、膜が存在していると具体的に書いてあるので、何故その他の情報に、「タンパク成分の膜」のことが記されていないのか不思議です。

 

 

しかも、「図23 正常な動脈壁の断面拡大図」には膜がハッキリと描かれています。

 

 

スッキリしませんが、先に進みます。

 

 

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タンパク膜の役割

 

再び長谷川氏の話に戻ります。

 

 

「タンパク成分の膜」が存在していて、どういう役割を果たしているのかをみていきます。

 

 

動脈というと堅固なゴムチューブのようなものを思い浮かべがちですが、実は拡大して見ると動脈壁の組織はスポンジのような構造になっており、無数の微小な管孔(通路)が動脈内腔(血液と接する部分)に開口しています。

 

 

栄養素などの血液成分はこの微小管孔を通って動脈壁組織の奥深くまで入っていくのですが、管孔(かんこう)の開口部も内側もすべて取捨選択機能を持ったゼリー状、にわか状のタンパク膜でおおわれており、そこでもまた、こまかな栄養呼吸が行なわれているのです。

 

 

これら動脈壁内外のタンパク膜が正常でしっかりしていれば、動脈壁の栄養呼吸はスムーズに行なわれ、必要な栄養分はとり入れられて、かわりに老廃物は排出されます。また、LDLコレステロールなどの有害な成分はシャットアウトされます。

 

 

逆に膜の質が悪くなったり、あるいは壊れたりすると動脈壁の栄養呼吸は十分に行なわれず、必要な栄養分がとり入れられなくなり、老廃物もきちんと排出できなくなります。

 

 

その結果、動脈壁の組織は栄養不足に陥ってボロボロになり、さらにはLDLコレステロールなどの有害成分も侵入してくるのです。

 

 

 

タンパク膜の役割です。

 

 

  • 栄養呼吸(栄養を取り込み、老廃物を排出)

 

  • 不要成分をシャットアウトするバリア機能

 

 

情報源によって、ところどころ食い違いますが、血管壁が「不要な成分をシャットアウトするバリア機能」を持っていることは確かです。

 

 

 

sdLDLコレステロールが酸化される場所

 

 

「バリア機能」は重要です。

 

 

100歩譲って「sd(小型)LDLコレステロール」が悪かったとしても、膜の不具合(バリア機能に問題)がなければ中に入れないので問題はないようです。

 

 

何故なら、「小型LDLコレステロール」は、血液内で酸化されるのではなく、膜に入った後で酸化されるからです。

 

 

以下の動画の0:37でも、酸化は動脈壁の内部の化学反応で起こると説明されています。その部分を文字起こししてみました。

 

 

コレステロール、脂肪、細胞はいきせい生物など、血中内を移動する物質は動脈壁の損傷領域の内部で蓄積します。

 

蓄積した物質内で起こる化学反応によりコレステロール分子は酸化されます。

 

 

 

動画がこちらです。

 

 

 

 

 

 

極端に言えば、膜がきちんと機能していて、動脈壁に入らなければ酸化されないので、血液の中に「小型LDLコレステロール」が多かろうが少なかろうが問題はありません。

 

 

少なくとも、理論上はそういう事になります。

 

 

 

(膜があると守られているので、LDLも単球も中には入れない)

 

 

 

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電気化学的な面から見た動脈硬化

 

 

余計なものが中に入らないように守ってくれている「タンパク成分の膜」ですが、どうやって不要な成分をシャットアウトしているのか、もしこれが壊れたらどうなるのかを、みていきます。

 

 

少し話がむずかしくなりますが、動脈硬化の発生・進行を電気化学的な面から説明してみましょう。

 

 

赤血球や白血球、リンパ球、血小板をはじめ、LDLコレステロールなどの有害成分も含めて、すべての血液の有形成分はマイナスの電気を帯びています。

 

 

一方、動脈壁のタンパク膜は正常な状態では電気的にはほとんどゼロ、つまりプラスもマイナスも帯びていない状態です。

 

 

したがって、血液中の成分と動脈壁のタンパク膜とは電気的にお互いに反発し合うので、くっつくことはありません。

 

 

ところが、このタンパク膜は質が悪くなったり、壊れたりすると、急速にプラスに荷電してくるのです。

 

 

そうなると、マイナス電気を帯びている血液成分とお互いに引き合うようになりますから、それらの成分がタンパク膜の表面に集まってきて、たくさんくっついてしまいます。

 

 

こうした状態がつづくと、いろいろな余計な成分が膜の上に蓄積し、さらに病的なコラーゲンなども膜の上に雑草のように生えてきて、やがて厚くて硬い層ができ上がります。

 

 

タンパク膜や内皮細胞はその下にいわば“生き埋め”になってしまうわけですから窒息状態になり、破壊され、ついには消失してしまいます。

 

 

そして、膜の消失した部分から分子量の小さいLDLコレステロールなどの有害な成分がどんどん動脈壁の中に入り込むようになるのです。

 

 

 

電気の状態を図にしてみました。

 

 

 

 

 

 

つまり、こういうことです。

 

 

 

①左の「正常な膜」だと血液中の成分はくっつかない

 

 

②膜が劣化すると、膜と血液中の成分はくっつく

 

 

③余計な成分が膜の上に蓄積する

 

 

④タンパク膜や内皮細胞は、窒息、破壊、消失する

 

 

⑤壊れたところから分子量の小さいLDLコレステロールが侵入

 

 

 

 

ただし、この電荷の話は分からないことが多いです。

 

 

「血液中の成分の電荷」と「動脈壁の電荷」について色々調べていたらこんな話もありました。

 

 

『CRCグループ リポ蛋白分画の検査法の違いを教えてください。』より引用

 

 

また、リポ蛋白はその表面に存在するアポ蛋白のアミノ酸残基を反映して陰性に荷電しています。

 

この陰性荷電はLDL、VLDL、HDLの順に増加し、CMはほとんど荷電が認められません。

 

 

 

「LDLコレステロール」は他のリポタンパクに比べてあまり陰性に荷電していない・・・ともとれます。

 

 

で、悪玉である「LDLコレステロール」より、善玉である「HDLコレステロール」の方が陰性が強いということは、善玉は正常なタンパク膜にくっつきにくい・・・ということになります。

 

 

でも膜が劣化してプラスに変わったらくっつきます。

 

 

 

そして、以下は間逆です。

 

 

『脂質異常症(高脂血症)』より引用

 

 

LDLはプラスに荷電している。

 

 

一方、平滑筋細胞や内皮細胞において産生される糖タンパクであるプロテオグリカンはかなり強くマイナスに荷電している(プロテオグリカンは細胞外基質である)。

 

 

プラスに荷電したLDLがマイナスに荷電したプロテオグリカン(糖鎖の部位)に引き付けられるように強固に結合すると、LDLの構成タンパクであるApo-Bタンパクは構造変化して血管壁から外へ出ることはない。

 

 

なんと、いきなり「LDLはプラスに荷電している」・・・ときました。

 

 

そうすると「正常なタンパク膜(ほどんどゼロ)」の時より、「劣化したタンパク膜(プラス)」の時の方が反発してよりくっつきにくくなる気がします。

 

 

しかし、ちょっと気になったのが、以下の部分です。

 

 

 

>平滑筋細胞や内皮細胞において産生される糖タンパクであるプロテオグリカンはかなり強くマイナスに荷電している(プロテオグリカンは細胞外基質である)。

 

 

 

「プロテオグリカン」・・・

 

 

内皮細胞の上にある「たんぱく成分の膜」膜は、「グリコサミノグリカンス、糖タンパクで出来た膜」と説明がありました。

 

 

一応「グルコサミノグリカンス」と「プロテオグリカン」について調べてみました。

 

 

『グリコサミノグリカン wikipedia』より引用

 

グリコサミノグリカン(glycosaminoglycan)は、長鎖の通常枝分れがみられない多糖。動物の結合組織を中心にあらゆる組織に普遍的に存在する。狭義のムコ多糖。GAGと略される。

 

 

硫酸基が付加した2糖の繰り返し構造からなる。

 

 

うち1つはアミノ糖(ガラクトサミン、グルコサミン)であり、もう1つはウロン酸(グルクロン酸、イズロン酸)またはガラクトースである。

 

 

多数の硫酸基とカルボキシル基を持つために、強く負に帯電している。

 

 

多くのグリコサミノグリカンは、プロテオグリカンとしてコアタンパク質と呼ばれる核となるタンパク質に付加した形で存在している。唯一の例外は、ヒアルロン酸であり、プロテオグリカンとしては存在していない。

 

 

「グルコサミノグリカンス」は強く負に帯電しているとのことです。

 

 

『プロテオグリカン wikipedia』より引用

 

プロテオグリカンは、動物成分の多糖類(グリコサミノグリカン:glycosaminoglycan)の研究中に見つけ出された成分である。

 

 

グリコサミノグリカンとしては、ヒアルロン酸や軟骨から分離されたコンドロイチン硫酸(1889)などが有名であるが、これらのグリコサミノグリカンの構造解析を行っている中で、1970年にグリコサミノグリカンとコアタンパク質(CoreProtein)が一定の結合様式で結合した糖タンパク質が発見され、プロテオグリカンと命名された。

 

 

イマイチ何が言いたいのかよく分からない説明ですが、

 

 

グルコサミノグリカン + タンパク質 = プロテオグリカン

 

 

・・・ということなので、「プロテオグリカン」とは、「タンパク膜」のことを指しているのでしょう。ハッキリ「膜」と言えばいいのにと思います。

 

それを踏まえた上で、以下の部分をもう一度読みます。

 

 

>平滑筋細胞や内皮細胞において産生される糖タンパクであるプロテオグリカンはかなり強くマイナスに荷電している(プロテオグリカンは細胞外基質である)。

 

 

「グルコサミノグリカン」が強く負に帯電しているので、この「プロテオグリカン」は強くマイナス・・・ということだと思うのですが、

 

 

そうすると、最初に紹介した「グルコサミノグリカンスと糖タンパクでできているタンパク膜は、電気的にほとんどゼロ」という話と食い違います。

 

 

混乱してきたので図にします。

 

 

「正常な膜」を「ほとんどゼロ」から「マイナス」に、血液中の成分の中の「LDLコレステロール」だけを「マイナス」から「プラス」に変えると、

 

 

「血液中の成分」と「タンパク成分の膜」がくっつくか、くっつかないかの話が、先ほどと違ってきます。

 

 

 

 

仮に正常な「タンパク膜」が強いマイナスと過程して、さらに、「LDLコレステロール」もプラスと仮定したら、「LDLコレステロール」と正常な「タンパク膜」はくっつきます。

 

 

でも、「タンパク膜」が劣化してプラスになれば、「LDLがコレステロール」がプラスだった場合は反発することになります。

 

 

膜が傷ついていても「LDLコレステロール」が中に入りにくいことになります。

 

 

どっちが本当なのかよく分からないですね。

 

 

検証のしようがないので、とりあえず「電荷」の件は保留にします。

 

 

 

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カルシウムによる石灰化

 

 

タンパク成分の膜が壊れると問題が起こります。

 

 

その一つが、組織の「石灰化」です。

 

 

もう一つ、ここでたいへん興味深い現象が起きることがあります。台風などで河川の堤防が決壊すると、そのときは本格的な修理をしている余裕などはありませんから、応急処置として破壊された部分に砂袋などを積み重ねます。

 

 

実はこれと似たようなことが動脈の組織で起きるのです。

 

 

タンパク膜の質が悪くなって動脈壁が栄養不足に陥ると、組織を構成している重要な成分であるエラスチンやコラーゲンの新陳代謝も低下し、作り替えが行なわれなくなって、やがては壊れて量が減ってきます。すると、組織はあわてて手近にある他の材料で代用して、このすき間を埋めようとするのです。

 

 

その代用品がカルシウムです。

 

 

血液中のカルシウムイオンが組織内にとり込まれて、リン酸カルシウムとなり、エラスチンやコラーゲンがあった場所を埋めるのに使われてしまいます。動脈硬化が進行すると、組織の石灰化(リン酸カルシウムの沈着)が見られるのは、こうした理由からなのです(146ページ・図24―②参照)。

 

 

このように、動脈硬化が起きるそもそもの原因は、動脈壁内外に存在するタンパク膜の形態や機能が悪くなることにほかなりません。

 

 

動脈硬化を引き起こす“主役”はこのタンパク膜の変性や破壊であり、コレステロールやカルシウムも関係はしていますが、あくまでも途中から加わる“脇役”にすぎないのです。

 

 

タンパク膜の変性がなぜ起きるのかについては現在研究中ですが、遺伝的素因にさまざまな要因が加わって生じるものと思われます。

 

 

したがって、血中のコレステロール濃度がどんなに高くても、膜が正常である限り動脈硬化は発生せず、LDLコレステロールが動脈壁にくっついたり侵入したりすることもありません。逆に血中のコレステロール濃度が低くても、膜の質が悪くなれば動脈硬化は発生し、LDLコレステロールも動脈壁にくっついたり侵入したりするのです。

 

 

これは、高脂血症でも動脈硬化を起こさない例がたくさんあり、逆にコレステロール値が低くても動脈硬化を起こす人が非常に多いという、これまでに多くの臨床研究で得られている結果とも一致しています。

 

 

(151~158p)

 

 

動脈硬化の原因ですが、

 

 

>動脈硬化を引き起こす“主役”はこのタンパク膜の変性や破壊であり、コレステロールやカルシウムも関係はしていますが、あくまでも途中から加わる“脇役”にすぎないのです。

 

 

とあります。

 

 

 

これが答えです。

 

 

つまり、動脈硬化を根本的に防ぐには、タンパク膜の変性や破壊を防がなければならないというわけです。カルシウム対策は二の次ということです。

 

 

しかし、

 

 

>タンパク膜の変性がなぜ起きるのかについては現在研究中ですが

 

 

・・・とあるように、「変性の具体的な原因」までは、この時点で判明していないようです。

 

 

先ほども言ったように、ネットや本で調べても、書かれているのは、文章、イラスト共に動脈壁の「内皮細胞」までで、その上の「タンパク膜」について触れられていません。

 

 

そして、動脈硬化の説明は、「膜が壊れたところ」からスタートしているので、膜が変性する具体的な理由も見つかりませんでした。

 

 

「タバコ」、「ストレス」、「老化」、「何らかの原因で...」・・・とかなり曖昧です。

 

 

なので、私が「タンパク膜」が変性してしまう理由についてお話します。

 

 

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タンパク質の変性

 

 

タンパク質はデリケートな分子です。従って、何かの「影響」によって、立体構造が変化し、性質が変わってしまうのです。

 

 

これを「タンパク質の変性」と言います。

 

 

「影響」とは、例えば、加熱、攪拌、酸、アルカリ、尿素などです。

 

 

そして、「糖質」もタンパク質を変性させます。これを「糖化反応」と言います。

 

 

変性の原因の中でも大きいのが「糖化反応による変性」です。その理由は、あらゆる有害物質の中で「糖質」が最も取り込む量が多いからです。

 

 

「糖質」は血管に炎症を起こす原因にもなりますが、体のタンパク質を変性させる原因にもなります。

 

 

で、「タンパク成分の膜」ですから、当然糖化対象でしょう。さらに言えば「エラスチン」と「コラーゲン」と「細胞」もタンパク質ですから、糖化対象です。

 

 

糖質をバクバク食べていれば、血管を構成するタンパク質は糖化します。

 

 

だから、動脈硬化ではなく「動脈糖化」です。

 

 

私は長年糖質過多だったので、糖化によって体がボロボロになりました。その為、多くの人に糖化の危険性について知ってもらいたいと思っているのですが、現代の医療関係者でも「糖化」にはほとんど触れません。

 

 

この本が出版された1998年は、「糖化」という概念は広がっていませんでした。だから、「タンパク膜」が変性する可能性として「糖化」は考え付かなかったのだと思います。

 

 

しかし、この本に「糖化」という単語はでてきませんが、それを思わせる記述がいくつも書いてありました。

 

 

「糖化によって「タンパク膜」が変性破壊された」・・・と考えれば整合性がとれます。

 

 

糖質を大量に食べている人なら、「糖化」が起きても不思議ではないのです。

 

 

「糖化反応」は血管だけに起こるわけではありません。関節、肌、内臓、卵子・・・等、全身に起こります。症状は一見「老化」に似ています。具体的にどうなるか知りたい方は以下の記事をお読み下さい。

 

 

糖化反応(メイラード反応)について分かりやすく説明してみた

 

 

ちなみに血液検査で測る「ヘモグロビンA1c」ですが、あれは、タンパク質である「ヘモグロビン」に糖がどれぐらいくっついているかを測っているのです。糖質は、血管だけでなく、血液成分にも影響を与えるのです。

 

 

 

動脈硬化の対策

 

 

動脈硬化の一番の予防は、体のタンパク質を変性させたり、炎症の原因になる「糖質」を控えることです。

 

 

その上で、既にバリア機能のあるタンパク膜が壊れている人は、「小型LDLコレステロール」を減らす努力も必要です。

 

 

「酸化」と「糖化」を防ぐ為に...

 

 

『AGEエージーイー牧田クリニック AGEとは?』より引用

 

 

AGEは2つの仕組みで、アテロームによる動脈硬化を進行させます。

 

 

動脈硬化の最初の引き金になるのは、血液中に増えすぎた悪玉コレステロールの血管への蓄積です。

 

 

血管に蓄積した悪玉コレステロールは、AGEによる悪玉修飾を受けます。悪玉修飾を受けた悪玉コレステロールは、処理をするために出動したマクロファージに摂り込まれて「泡沫細胞」となります。この泡沫細胞がアテロームをつくったり、動脈の内側を厚くしたりするのです。これが第1の仕組みです。

 

 

もう1つ、AGEには血管に対する直接的な悪影響もあります。

 

 

血管の内側にある「血管内皮細胞」には、AGEをキャッチするアンテナ(受容体)があります。この受容体にAGEが結合すると、動脈硬化を進め炎症反応がおこります。

 

 

AGEとは「終末糖化産物」の事です。

 

 

AGE(終末糖化産物)について分かりやすく説明してみた

 

 

 

そして、もう一つ大事なことがあります。

 

それは、タンパク質を増やす事です。その根拠が以下になります。

 

 

 

ご存じのように、生体の臓器や器官はすべてタンパク質でできていますが、このタンパク質を合成しているのは臓器や器官に存在する細胞です。

 

 

動脈壁の組織においても、細胞は栄養呼吸によってとり入れられた栄養分に養われながらタンパク質を合成し、日々新陳代謝を営んでいます。

 

 

血管の構造や機能を正常に保つためには、こうした細胞による新しいタンパク質の合成が活発に行なわれ、老化や障害を起こしたタンパク質との交換がきちんと行なわれていることが必要です。

 

 

さらに注目すべきなのは、栄養呼吸をつかさどっている動脈壁内外のタンパク膜自体も動脈壁の細胞によって合成されているという点です。

 

 

動脈硬化を防ぐためには、このタンパク膜の新陳代謝がスムーズに行なわれ、常にリフレッシュされていることがいちばん重要となります。

 

 

(179~180p)

 

 

タンパク質は体の材料なので、体の修復の為には、絶対必要です。

 

 

今回紹介した長谷川氏の本ですが、1998年の時点で、コレステロールと動脈硬化は関係ない事、糖質を減らした方が良い事を述べられています。

 

 

それだけでなく、中高年が肉を減らすのは大間違い、タンパク質+脂質の割合を50%ぐらいにはした方が良いとも言われています。

 

 

当時の私が読んだら「何言ってんの?」と思ったでしょうが、今考えると糖質制限の概念もなかったこの時代に、このような主張をするのは凄いと思います。

 

 

長谷川氏は、血管を研究する人なので、動脈硬化の「血管の状態」を詳しく述べられていてとても参考になりました。

 

 

現在、動脈硬化を研究している学者には、大きく分けて三つのグループがあります。

 

 

一つは、主に血液を研究しているグループで、簡単にいうと、血液中に含まれる成分やその作用などを明らかにすることによって、動脈硬化の原因を突き止めようとしています。

 

 

血液に含まれる成分を研究するのがいわば本職で、得意分野ですから、その成分の一つである血中コレステロールに注目しがちな傾向があります。「コレステロール元凶説」を唱える学者の多くは、このグループの人たちです。

 

 

二つ目は、血管壁の表面の細胞(内皮細胞)や組織内の細胞(平滑筋細胞)をとり出して培養し、その生態や病態を観察・研究するグループです。

ただし、この場合も主としてウサギの細胞を実験の対象としており、病態をつくり出すためにはコレステロールなどを負荷する方法が用いられます。結局は、一つ目のグループの研究と連動していることが多く、「コレステロール元凶説」を裏づけることをその研究の目的としていると言ってよいでしょう。

 

 

三つ目は、主に血管そのものを研究しているグループです。血管を構成している材料、血管の状態や働きなどを検討することによって、動脈硬化の原因をさぐっていきます。私自身はこちらのグループに入るでしょう。

 

 

問題は、現状では前の二つのグループのほうが圧倒的に人数が多いということです。

 

 

血液研究グループ+細胞培養研究グループが9・5に対して、血管研究グループは0・5ぐらいの割合でしょうか。

 

 

そのため、どうしても血液研究グループや細胞培養研究グループのほうが力も強く、声も大きくなりがちで、「コレステロール元凶説」が有力になったという背景もあるのです。

 

 

(43~44p)

 

 

20年近く経っているので、現在の状況は分かりませんが、貴重な、血管そのものを研究しているグループに属する人の意見です。

 

 

長くなるので、最初は要約しようかと思ったのですが、私が分かったような事を言うよりも、直接血管を観察している人の主張をそのまま紹介した方が説得力があるので、引用をメインにしました。

 

 

改めて動脈硬化の原因について考える

 

 

本気で動脈硬化を避けたいのであれば、血管を傷つけない事、その原因になる糖質の量に気をつけることです。

 

 

しかし、動脈硬化の原因を探していると、内皮細胞が傷つくのは、高血圧、糖尿病、喫煙、ストレス・・・とサラッと流し、コレステロールの小難しい話に突入します。判で押したようにこのパターンが多いです。

 

 

 

コレステロールが悪い

 

 

悪玉LDLが悪い

 

 

小型LDLが悪い

 

 

 

・・・と、コレステロールに関しては細かい話をするくせに、肝心なところにダメージを与えるであろう「糖質が与える影響」についてはほぼ無視です。

 

 

糖尿病、高血圧・・・ときたら、もう一歩踏み込んで「糖質」をあげないとおかしいわけです。コレステロールを追求する時の勢いと違います。

 

 

ちなみに、90%の人がなる「本態性高血圧」は糖質が原因です。

 

 

血圧と、本態性高血圧の原因について分かりやすく説明してみた

 

 

コレステロールを下げる薬を飲んでいる人は多いようですが、根本的な原因である血管を傷つける糖質をバクバク食べていたら、血管はボロボロになります。

 

 

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私は昔、野菜が中心の食生活をしていたので、ベジタリアンのレシピ本や、動画をよく見ていました(今でも、なんとか肉料理にアレンジできないかなと思って、時々見ています)。

 

 

 

 

そのテクニックは見事で、「植物性の食品だけで、よくここまで多彩な料理ができるな」と関心します。

 

 

 

しかし、

 

 

 

「味覚」や、「食の楽しみ」は多彩なテクニックで誤魔化せても、「植物性食品に足りない栄養素」だけは誤魔化せません。

 

 

 

「動物性食品からしか得られない栄養素」があるのですが、厳格なベジタリアンは、それを「一切摂らない」という事になります。

 

 

 

それで、生きているので、「不思議だなぁ」と思っていたのです。

 

 

 

しかし、調べてみると、そんな厳格なベジタリアンでも、実はわずかの動物性食品を食べていました。

 

 

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食品に含まれている虫がタンパク源

 

 

 

ベジタリアンは、植物は必ず食べます。

 

 

 

この植物にはが付着しているのです。

 

 

 

 

閲覧注意 :ここから先は潔癖症の人や、虫が嫌いな人は読まない方が良いです。神経の太い方のみご覧下さい。

 

 

 

『カラパイア 不思議と謎の大冒険 知らずに食べていることもある。身近な食品の中に潜む10の虫(昆虫注意)』より引用

 

 

 

アメリカでは、食虫の習慣のない一般の人たちでも、知らず知らずのうちに毎年およそ450グラムほどの虫を口にしているという。

 

 

こちらのサイトの情報によると、

 

 

 

1. アザミウマ(缶詰、冷凍野菜など)

 

2. アブラムシ(冷凍野菜)

 

3. ダニ(穀物、冷凍野菜)

 

4. ウジ(マッシュルーム、缶詰 冷凍食品、トマトペーストなど)

 

5. ミバエ(柑橘系のジュース)

 

6. アメリカタバコガ(スイートコーンの缶詰)

 

7. ササゲシギゾウムシ(ササゲやエンドウの缶詰)

 

8. イモムシ、毛虫(冷凍ホウレンソウ、加工食品)

 

9. コクゾウムシ(お米)

 

10. ガイマイデオキスイ(ドライフルーツ)

 

 

 

加工食品でさえ、これらの虫が入っているそうです。

 

 

 

異物混入だと騒いでも、どんなに加工技術が上がっても、これを避けるのは不可能だと思います。

 

 

クリーンな工場で作られたものでこれなら、普通に野菜を買ってきて家で調理している人は、これ以上の「虫付きの野菜」を口にしている可能性があります。

 

 

引用元では、生鮮食品の方が洗えるから良いと書いてありますが、私的には生鮮食品の方が虫ついている気がします。

 

 

 

根菜類なら、皮を剥いて洗えば除去できますが、葉物は微妙です。洗いにくいところがあるからです。

 

 

 

 

私も以前、卵付きの水菜を買った事があります。

 

 

水菜の葉っぱに無数の白い粒粒がついていたのです。

 

 

 

気持ち悪くなって何の卵かネットで調べたのですが、見つかりませんでした。

 

 

 

それは水に浸けたり流したりしたくらいでは落ちなかったので、葉っぱをちぎって捨てました。

 

 

 

たまたま目に留まったところに卵がついていたから気が付いたのであって、もし場所がズレていれば、気付かずに食べていたと思います。

 

 

 

そういう事が2回あって水菜を生で食べられなくなりました。水菜のサラダは好きだったのですが・・・。

 

 

 

1回くらいなら、偶然として見なかったことに出来るのですが、2回目見て常習性を確認すると「また卵があるんじゃないか」と思うようになります。

 

 

 

私はしっかり時間をかけて洗う方です。

 

 

 

しかし、それでも取りきれていないのです。私より大雑把にチャッ、チャッと洗う人は、絶対取りきれていないと思います。

 

 

 

なので、全ての人間が、野菜を通して虫からタンパク質や脂質を摂っていることになります。野菜だけ食べているつもりでもです。

 

 

 

 

『食と文化の謎 /著者:マーヴィン・ハリス/訳:板橋作美』より引用

 

 

しかし、蛋白質としての高品質性と濃縮性は、人類が動物性食物にかくも強くひきつけられることの、単なる栄養上の一理由にすぎず、一番重要な理由というわけではない。

 

 

獣肉、魚肉、鶏肉、乳製品は、また、ヴィタミンA、すべてのB、Eなどのヴィタミン供給源であり、それらを濃密に含有している。

 

 

そして、唯一のヴィタミンB12源であり、これが不足すると悪性貧血や神経失調症、精神障害行動をまねく。

 

 

完全な菜食主義者がヴィタミンB12欠乏症にまったくかからないとしたら、それは、かれらが食べる植物性植物に昆虫の残骸がまじっているか、ある種のコバルト消化バクテリアが入っているからであり、ほかの理由は考えられない。

 

 

インドからイギリスに移住したヒンドゥー教徒菜食主義者が悪性貧血罹患率の増加に悩むのはそのためであると説明できる。

 

 

イギリスでは、殺虫剤を使用し、また果物や野菜をよく洗うので、ヴィタミンB12供給源が一掃されてしまうのだ。

 

 

菜食主義者は、また、くる病、つまりヴィタミンD欠乏によっておきる骨格変形の病気にかかりやすい。

 

 

ふつうは、皮膚にふりそそぐ日光の活動によって、ヴィタミンDを十分に得られる。

 

 

しかし、高緯度で冬が長く、霧がかかったり曇の日が多いところでは、食事中のヴィタミンDが決定的な役割をはたしており、動物性食品、とくに卵、魚、レバーは最善の供給源である。

 

 

動物性食物は、また、一日にふつう必要とされる量を十分にまかなえるだけのヴィタミンCも含有している。

 

 

エスキモーは、動物の肉と骨髄を豊富にとることによって、完全に肉だけの食事でありながら、壊血病その他のヴィタミンC欠乏症にほとんどかかることなく、きわめて良好な健康状態を維持していた。(最近では、外部のひとたちとの接触によって、甘いものや澱粉をとるようになった結果、エスキモーの健康と食事は悪くなっている)。

 

 

(36p~37p)

 

 

1988年の古い本です。

 

 

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昆虫食は珍しくない

 

 

 

野菜を虫ごと食べるのは、「厳格なベジタリアン」に限った話ではありません。

 

 

 

「昔の日本人」は、肉の摂取量が今よりも少なかったですが、「どこから動物性食品の栄養素を摂っていたか」というと、やはり「虫」でしょう(獣や魚も含め)。

 

 

 

「昔の人」は、「今の人」みたいに神経質じゃありませんから、今以上に野菜に付着した虫を食べていたと思います。

 

 

 

以前、知人の経営する喫茶店のカウンターで、「ブロッコリーやカリフラワーは、中に虫が入っているかもしれないから嫌いだ」と話していたら、後ろのテーブルに座っていた知らないおじいさんに「虫がついているような野菜じゃないとダメだ、少々食べても大丈夫だ」と怒られた事があります。

 

 

まるで、普通に虫を食べているかのような発言です。

 

 

 

テレビをつけたら、除菌殺菌という言葉が、必ずと言っていいほど聞こえてきます。

 

 

 

現代の日本人は、昔の人に比べて潔癖症です。虫に対する免疫もありません。

 

 

 

動物性食品を避けるのは難しい

 

 

 

ベジタリアンは動物性食品を摂っていない、昔の日本人は動物性の食品をほとんど摂らなかった

 

 

・・・ように見えても

 

 

 

本人に「動物性食品(虫)を食べた」という自覚があろうとなかろうと、「野菜に付着した虫」からタンパク質・脂質を摂取している可能性は十分あります。

 

 

 

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「コレステロールが高い」と言われたら、多くの人は以下のように連想するのではないでしょうか。

 

 

コレステロールが高い → 動脈硬化 → 心筋梗塞や脳梗塞 → 死

 

 

そして、「脂質=悪」というイメージもあるので、その反動で、野菜や果物などの植物性の食品を「ヘルシー」と言って有難がる・・・

 

まだまだそんな人は多いですね。

 

脂質はとても大切な栄養素なのですが、この間違った思い込みのせいで、脂質を控える人が後を経ちません。

 

一度定着した常識は、なかなか覆らないものです。

 

 

本記事では、その元となった「コレステロール元凶説」の信憑性についてお話します。

 

 

本題に入る前に、簡単にコレステロールの説明をします。

 

 

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体内の脂質

 

 

人体を構成している物質を多い順に言うと、水分が59%、タンパク質が18%、脂質が17%、無機塩類が5%、その他(炭水化物や核酸)が1%です(※情報源によって微妙にパーセンテージが違ったりするので、だいたいこんなもんだと思って下さい)。

 

 

脂質は3番目に多いですね。

 

そして、脂質は4種類あります。

 

 

 

 

  • 脂肪酸

 

  • 中性脂肪

 

  • リン脂質

 

  • コレステロール

 

 

 

この4種類を「役割」で分けると以下のようになります。

 

 

 

  • 脂肪酸、中性脂肪・・・エネルギー源

 

  • リン脂質、コレステロール・・・体の構成要素、材料

 

 

 

脂質の特徴

 

 

脂質の役割を具体的に説明します。

 

 

エネルギー源としての脂質

 

 

「脂肪酸 しぼうさん」・・・すぐ使えるエネルギー源

「中性脂肪 ちゅうせいしぼう」・・・貯蔵して待機しているエネルギー源

 

 

 

脂肪酸とグリセロールが結びつくと、「中性脂肪」になります。

こうして脂肪細胞の中に蓄えておいて、必要に応じて、また「脂肪酸」に戻ってエネルギーとして使われる・・・というわけです。

 

 

 

 

体の材料としての脂

 

 

「リン脂質」・・・細胞膜の主成分

 

「コレステロール」・・・細胞膜を構成する成分の一つ、ホルモンや胆汁やビタミンDの原料

 

 

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コレステロールとは

 

 

コレステロールは血液中に単体では存在していません。

 

 

コレステロールは、中性脂肪とセットになって、その周囲を「アポタンパク」という名前のタンパク質が囲っています。

 

 

この加工された全体を「リポタンパク」と呼びます。

 

 

そして、「リポタンパク」のことを一般的に「コレステロール」と言ったりするわけです。

 

 

↓英語でも「リポプロテイン・コレステロール」と言います。

 

 

(高比重リポタンパク / 英語:High Density Lipoprotein cholesterol)→ 善玉コレステロール

 

 

(低比重・リポタンパク /英語:Low-Density Lipoprotein cholesterol)→ 悪玉コレステロール

 

 

 

リポタンパクの構造

 

 

リポタンパク = 一般的に言うコレステロール

 

 

・・・ですが、ここでは何故コレステロールは「リポタンパク」に加工されているのか、どんな構造をしているのかについて説明します。

 

 

「主成分が水」である血液の中に、「脂」であるコレステロールは溶けません。

 

 

その為、脂質は、水と相性が良いタンパク質(アポタンパク)と結合することによって水溶性になります。

 

「リポタンパク」という複合体粒子に加工された状態で血液に溶けているというわけです。

 

 

「リポタンパク(一般的に言うコレステロール)」の基本構造は、

 

「アポタンパク」、「トリアシルグリセロール(中性脂肪)」、「リン脂質」、「エステル型コレステロール」、「遊離コレステロール」からなっています。

 

 

 

 

(疎水性)である「エステル型のコレステロール」は、「リポタンパク」の内部に。

(親水性)である「遊離型のコレステロール」は、「リポタンパク」の表面にあります。

 

 

 

ちなみに、

  • 脂肪酸と結合している(疎水性)→ エステル型コレステロール(約70%)

 

  • 脂肪酸と結合していない(比較的親水性)→ 遊離型コレステロール(約30%)

 

 

 

 

リポタンパクの種類

 

 

「リポタンパク」がどんなものか頭に入ったところで、次は「リポタンパク」の種類について説明をします。

 

 

「水に溶けない物質」を「水に溶けやすい物質」で覆っている構造の「リポタンパク」ですが、

 

脂質の比率密度合成される場所によって、以下のように分けられています。

 

 

 

  • (カイロミクロン(キロミクロン)/ 英語:chylomicron)

 

  • (超低比重リポタンパク / 英語:Very-Low-Density Lipoprotein cholesterol)

 

  • (中間比重リポタンパク / 英語:Iintermediate Density Lipoprotein cholesterol)

 

  • (高比重リポタンパク / 英語:High Density Lipoprotein cholesterol)→ 善玉コレステロール

 

  • (低比重・リポタンパク /英語:Low-Density Lipoprotein cholesterol)→ 悪玉コレステロール

 

 

 

 

比重が大きいほど、「アポタンパク質」の割合が高く、「脂質」の割合が低いそうです。

 

 

ここでようやく、有名な「善玉コレステロール」と、「悪玉コレステロール」がでてきました。

 

 

次は、動脈硬化と結び付けられる「悪玉コレステロール」について説明します。

 

 

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善玉コレステロールと悪玉コレステロールの違い

 

 

先程言ったように、「善玉」も「悪玉」も、どちらも脂質の比率や密度の違いはありますが、同じ「リポタンパク」です。

 

ですが、役割はちょっと違います。「悪玉コレステロール」が宅配屋なら、「善玉コレステロール」は回収屋です。

 

 

コレステロールは血流に乗って全身の組織へ届けられます。

 

しかし、生体は常に「新しい組織」と「古い組織」が入れ替っているので、古いコレステロールの回収もしなければなりません。

 

前者の役割を「悪玉」が、後者の役割を「善玉」が担当しているというわけです。

 

 

 

  • 悪玉・・・宅配屋(新鮮なコレステロールを配達)

 

  • 善玉・・・回収屋(古いコレステロールを回収)

 

 

コレステロールは生命を維持するうえで欠かせません。

 

それを必要な場所へ運ぶ「LDLコレステロール」が悪玉ということになっているのです。

 

 

 

LDLが悪玉になった経緯

 

 

体に必要なコレステロールを届ける「LDL」が、何故か悪玉と呼ばれています。

 

 

いい仕事をしてるのにです。

 

 

ここでは、「LDLコレステロール」が悪者にされてしまった根拠を紹介します。

 

 

『100歳まで長生きできるコレステロール革命 / 著者:大櫛陽一』より引用

 

 

LDLは「火事の現場に駆けつけた消防車」だった!

 

では、なぜLDLコレステロールが「悪玉」にされてしまったのか、その理由をお話しましょう。

 

ひと言で言えば、「動脈硬化の犯人」にされてしまったからです。

 

アメリカの死亡原因のトップは心筋梗塞なのですが、この病気は心臓の血管の動脈硬化によって引き起こされると考えられていました。

 

そこで動脈硬化を起こした血管を調べたところ、血管内にLDLコレステロールが見つかりました(※ただし、最近の研究で、わずか1%にすぎないことがわかっています)。それにより、誰もが「LDLコレステロールこそ、動脈硬化の犯人だ」と思い込んでしまったのです。

 

そして、「あいつこそが悪さを働くコレステロールだったんだ」という話になって、「心筋梗塞を防ぐには、悪玉であるLDLコレステロールを減らすほうがいい」という方向へ流れていってしまったわけです。

 

ところが、近年の研究で「別の真犯人」の存在が判明したのです。

 

その真犯人が「血管の炎症」。

 

動脈硬化を起こす本当の原因は血管の炎症であり、LDLコレステロールは、その炎症を修復する目的で細胞膜の材料を届けに集まっていたにすぎないということがわかったのです(Libby P:Scientific American,May,29-37,2002)。

 

かいつまんで説明しましょう。

 

血管に炎症が発生すると、すかさずLDLコレステロールが駆けつけて、血管壁の傷ついた部分を修復します。これで済めば問題はないのですが、炎症が持続的に起こっていると、修復が繰り返されて、その部分がカサブタのように盛り上がってきます。

 

これが「プラーク」と呼ばれる塊。

 

この塊が大きくなると、心筋梗塞や脳梗塞の危険がグッと高まるのです。すなわち、プラークそのものが血液の流れを塞いだり、プラークが破裂して血液が凝固してしまったり、破裂した内容物が流れていって細い血管で詰ったりというもろもろの緊急事態が起こることになるわけです(※もっとも、最近はプラークと動脈硬化の因果関係はもちろん、動脈硬化と心筋梗塞の因果関係をも疑問視する研究が出てきて、心筋梗塞の新の原因は血液凝固と考えられるようになりました)。

 

とにかく、この動脈硬化のプロセスにおいて、LDLコレステロールは、別に悪さを働いているわけでも何でもなく、「細胞膜の修復」という自分の役割を忠実に果たしているだけです。

 

たとえば、火事の現場に消防車が集まってきた場面を思い浮かべてみてください。火事が血管の炎症だとすれば、それを消しにやってきた消防車がLDLコレステロールです。言ってみれば、せっかく火を消しに駆けつけてきたというのに、「たくさん集まっているから火事の原因だ」と勘違いされ、濡れぎぬを着せられてしまったことになります。

 

ちなみに、「本当の火事の原因=血管の炎症」がどうして起こるのかというと、いまのところ、喫煙、トランス脂肪酸、高血糖、極度の肥満(BMI35kg/㎡以上)、ストレス、老化などが要因として挙げられています。こうした要因から起こる血管の炎症がなければ、プラークはできないし、心筋梗塞や脳梗塞にもならないことになります。

 

すなわち、心筋梗塞や脳梗塞の真の原因は血管の炎症であって、コレステロールは、基本的に無関係なのです。

 

むしろ、血管の炎症があるときに、無理にLDLコレステロールを下げてしまうと、細胞膜修復などの体の修復機能が働かなくなってしまうことになります。

 

LDLコレステロールが、これまでいかに「無実の罪」を着せられてきたか、みなさんおわかりいただけましたでしょうか。

 

(21~25p)

 

 

動脈硬化の原因は「炎症」だとハッキリと述べられています。

 

 

流れを簡略化するとこういうことですね。

 

 

 

①「何か」が原因で炎症が起こる

②血管が傷つく

③修復する為にLDLコレステロールが集まる

 

 

 

①~②の過程を無視して③だけを見て「コレステロールが悪い」と判断していたのです。

 

 

 

 

 

 

炎症の原因

 

 

「血管の炎症」の原因は、喫煙、トランス脂肪酸、高血糖、極度の肥満、ストレス、老化・・・と挙げられていましたが、この中でも一番影響が大きいのは高血糖です。

 

 

「喫煙」は嗜好品なので、満遍なく多くの人の原因になるとは考えにくいです。

 

「極度の肥満」も、多くの人に当てはまりません。

 

「ストレス」「老化」はかなり曖昧で、なんとでも言えます。

 

 

これらに比べると、「高血糖」はほとんどの人に当てはまります。ご飯を中心とした糖質過多の食事を好む日本人は、1日3回「高血糖」になります。従って、糖質が原因で血管に炎症が起こっていることになります。

 

 

「トランス脂肪酸」も確かに悪いですが、摂取量は「糖質」ほどではありません。

 

 

「炎症の仕組み」と、「糖質が炎症を起こす理由」については、以下の記事で述べています。

炎症と自己免疫疾患について分かりやすく説明してみた

 

 

 

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悪者にされた理由は偶然か

 

傷ついた血管を修復していたら、コレステロールは動脈硬化の犯人にされたわけですが、

 

これだけではありません。

 

この話は、いかにも勘違いで間違った・・・みたいな話の展開になっていますが、調べてみると、世の中にはわざとコレステロールを悪者にしようとしているとしか思えないような話がいくつもあります。

 

有名なのは「アンセル・キーズ博士の説」と、「アニスコフのウサギの実験」です。

 

 

アンセル・キーズ博士の説

 

 

まずは「アンセル・キーズ博士の説」からです。

 

以下の動画の2:00以降で述べられています。

 

 

 

 

要約するとこういうことです。

 

アンセル・キーズ博士は、6カ国のデータを使って、「脂肪を摂った量と、心疾患の関係」を調べました。

 

そのデータから得られた結論は、脂質を摂ると心臓病が増えるというものでした。

 

「コレステロール元凶説」の裏づけになったデータですが、これがとんでもないインチキでした。

 

実は博士は、6カ国ではなく22カ国のデータを持っていたのです。

 

22カ国のデータを見ると、心臓病の発生は脂質の摂取量に関係なくランダムに起きているので、真相は「脂質の摂取量と心臓病の関係は全くなかった」のです。

 

 

しかし、脂質の摂取量が低くて、心臓病が少なかった「日本」、脂質の摂取量が多くて、心臓病が多かった「イタリア」や、「カナダ」等、都合のいい6カ国だけを抽出して論文をまとめていたのです。

 

 

 

その論文が大手の雑誌やメディアに取り上げられて定説が作られたのですが、

 

 

「脂質をたくさん食べるけど、心臓病が少なかった国」や、「脂質の摂取量は低いけど心臓病は多い国」を排除して説を作り上げただけですから、手口としては極めて幼稚ですよね。

 

 

これを読む限り、アンセル・キーズ博士が単独でやっている事ではないことがわかります。

 

 

『日本人よコレステロールを恐れるな / 著者:長谷川元治』より引用

 

②コレステロールの研究は公的な研究費の助成を受けやすい。

 

大学の研究室や医学研究所は国から研究費の助成を受けています。どこにいくら研究費を援助するかを決定するのは担当官庁の役人たちですが、彼らもやはり「コレステロール元凶説」は疑うべくもない定説であると考えています。

 

つまり「虚血性心疾患を減らすためにコレステロールの研究をする」というのは役人に理解されやすく、受け入れやすいテーマなため、研究費をとりやすいのです。極端に言えば「コレステロールが悪い」と言いつづけていれば、研究者はお金に困らないですむわけです。

 

ちなみに現在のアメリカでは「コレステロール」「タバコ」「公害」のいずれかをテーマに選ぶと研究費をとりやすく、また世に出やすい、つまり、学会やマスコミに認められやすいといわれています。

 

(40p~41P)

 

しかし、騙す方も騙す方なら、信じる方も信じる方です。

 

私はこのような話を読むたびに、ナチスドイツの宣伝大臣だったゲッべルスの「確かめない奴は必ず騙せる」という言葉を思い出します。

 

 

 

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アニスコフのウサギの実験

 

胡散臭い話はまだまだあります。アンセル・キーズ博士よりも前、

 

ロシアのアニスコフ(Anitschkow)という医学者が、1931年に、「動脈硬化とコレステロールが関係している」という報告をしました。

 

こちらは有名ですね。

 

ウサギにコレステロールを多く含む餌を食べさせたら、コレステロールが沈着して動脈硬化が起こった・・・というあの話です。

 

この実験は、「ウサギの体で起こったことは、人間には当てはまらない」として、現在では間違いだった事が知られています。

 

何故、人間に当てはまらないかというと、人間は「動物食性動物」であり、ウサギは「植物食性動物」だからです。

 

これも、ちょっとした間違いだった・・・かのように言われていますが、以下を読むと、偶然間違えたというのは無理があります。

 

人間の場合、小腸で吸収されるコレステロールは一定量以下。

 

食生活とコレステロールについて考えるとき、重要かつ興味深い問題があります。

 

それは、食べ物を通じて口からとったコレステロールと血液中のコレステロールはイコールなのかという問題です。

 

言いかえると、コレステロールを多く摂取すると血中コレステロール値も高くなるのか、ということです。

 

世間では「コレステロールの多い食品を食べると、コレステロール値が上がる」ということは疑いのない事実のように考えられており、高脂血症の人はもちろん、そうでなくても中高年になったら肉や卵などコレステロールの多い食品は控えるようにと言われていますが、これは医学的にほんとうに正しいことなのでしょうか。

 

結論から言うと、こうした“常識”に反して、実はほどんどの人の場合、食事でコレステロールをたくさん摂取したからといって、すぐに血中コレステロール値が上昇するということはありません。

 

あるいは、上昇したとしても生体として必要な値までにとどまり、それ以上、無制限に上昇することはないのです。

 

これは、動物学的に見て、人間が基本的に「肉食動物」であるということと大きく関係しています。

 

ご存じのように、哺乳動物は「草食動物」と「肉食動物」に大別されます。その違いを簡単にいえば、一方は草を常食とし、他方は肉を常食としているということになるでしょう。

 

セルロースなどの食物繊維を消化する酵素を持っているのが草食動物、持っていないのが肉食動物という分け方もあります。

 

草食動物はウサギ、ヒツジ、ウシ、ゾウなどで、肉食動物はライオン、トラ、ヒョウ、イヌなどであるということはみなさんも知っているでしょう。

 

ウサギに1日1gのコレステロールを与えると、血中コレステロール値が正常の50mg/㎗から急上昇して、500~1500mg/㎗もの超高脂血症になります。

 

ところが、ふつうのイヌ、ネズミなどにいくらコレステロールを与えても高脂血症は発生しません。同様にライオン、トラ、ヒョウにも発生しないでしょう。

 

私は他の記事で、人間は「動物食性動物」であることを述べていますが、その根拠は「消化器官の構造」です。

 

「人間が肉食か草食かは、歯を見れば分かる」という説は正しいのか

 

遺伝子の99%が同じでも、人間とチンパンジーの消化器官の構造は違う

 

 

なので、ここでも、内臓の構造の違いに注目して下さい。

 

まず、動物食性動物の内臓についてです。

 

 

コレステロールを与えて高脂血症を発生する動物と発生しない動物とはどこがどう違うのでしょうか。

 

そのキーポイントは小腸にあります。

 

ウサギにコレステロールを含んだエサを与えると、そのまま小腸に到達し、小腸の粘膜から無差別に吸収されてしまうのです。与えられたコレステロール分だけほぼ100%吸収され、そのまま血液中に放出されて、血液濃度が正常の10倍、20倍、30倍になって超高脂血症が起きてくるわけです。

 

一方、ライオンなど肉食動物はいくらコレステロールを大量に与えても、1回の食餌、1日の食餌量から小腸が吸収するコレステロール量は決まっています。必要な分だけ吸収して、それ以外は便から体外に排出されるので、血中のコレステロールも上昇しません。

 

つまり、肉食動物の場合、小腸におけるコレステロール(脂肪)に対する“バリア”の機能が高いのに対し、草食動物の場合はその機能が低い、もしくはほとんどないのです。

 

私は究極的には、この小腸の取捨選択機能こそが草食動物と肉食動物とを区別する最も重要なポイントだと考えています。

 

人間は肉も魚も野菜も穀類もなんでも食べるため、俗に「雑食動物」などと言われます。しかし、動物学的にいうと、小腸の機能から見て、基本的に肉食動物なのです。

 

個人差はありますが、人間の場合、小腸で吸収されるコレステロールは一定量以下で、100%吸収されるなどということはありません

 

実際、人体実験でバターを毎日1/4ポンド(約113g)、コレステロール量にして毎日20gを与えても高脂血症は発生しなかったという報告もあります。つまり人間の場合もライオンと同様に小腸におけるコレステロールに対する“バリア”の機能が高く、コレステロールを必要な分だけ吸収して、それ以外は便から体外に排出してしまうわけです。

 

また、人間を含む肉食動物では、小腸でコレステロールを多少多めに吸収しても、不要な分は肝臓で分解されてしまうことがわかっています。

 

このことからも、食事でコレステロールをたくさん摂取したからといって、即、血中コレステロール値が上昇するとは考えられません。

 

余談になりますが、以前、私が10ヶ月間つまり約300日の間に脂肪の多いリブロース・ステーキを200回食べたという経験があります。そんなことをしたのは、ステーキが大好物だということもありますが、自分の体を使って、実験してみたかったというのが理由です。その結果、やはり血中コレステロール値が上昇することはありませんでした。

 

(84p~88p)

 

 

 

続いて、植物食性動物「ウサギ」の内臓です。

 

 

一方、草食動物であるウサギもやはり体内でコレステロールを合成しているのですが、人間とは合成している場所が違います。

 

どこで合成していると思いますか?

 

実は驚いたことに盲腸で、なのです。

 

人間の場合は、盲腸は専門的には「遺残器官 いざんきかん」といい、今ではあってもなくてもよい存在ですが、ウサギの盲腸は消化・分解・合成・吸収・便形成まですべて一貫して行なってしまうスーパー器官です。

 

そのため、大きさもウサギの体に比しては大きく、体積もあり、形もまるでカタツムリのような複雑な構造をしています(図11―下)。

 

 

もっとも興味深いのは、口から食べた草や木の芽、皮など、草食動物独自の食物をコレステロールなどの脂肪につくりかえる機能を持っていることです。

 

図11―下はウサギの盲腸の断面図です。

 

小腸の末端は盲腸につながっていますが、断面の内側をよく見ると、らせん状に溝が刻まれており、中心部に向かっています。

 

この内側溝を回転しながら、消化された食べ物が通過するうちに分解・合成・吸収が行なわれます。

 

草や木の芽や皮が盲腸のまん中に行き着くまでに脂肪やタンパク質や糖に変わってしまうのですから不思議というしかありません。

 

さらに驚いたことに、らせんのまん中を今度は便の材料になる残り物が消化・分解された食べ物と逆行して盲腸の入口まで戻り始めるのです。

 

その戻り道で、あのウサギ特有の球形の便が形づくられ、盲腸の出口から分かれて大腸に行き、排便が行なわれます。

 

もちろん、人間の盲腸にはこうした機能はありません。

 

逆に人間やライオン、トラ、ヒョウ、イヌなどの肝臓は、小腸から吸収された栄養分をさらに分解・解毒・合成するなど、いわば化学工場の役目を持っていますが、ウサギの肝臓はそうした作用を持ち合わせていません。

 

ちなみに草食動物であり、反芻動物であるウシの場合は四つある胃袋のうち「第4胃袋」でコレステロールの合成を行なっています。ウシの場合も肝臓でコレステロールを合成しない点はウサギとまったく同様です。

 

このような脂肪をはじめとする栄養代謝のメカニズムから見ても、人間のルーツはまぎれもなく肉食動物だといえるでしょう。

 

第一章の冒頭で、1913年のアニスコフによる実験を皮切りに、ウサギにコレステロールを経口投与して動脈硬化をつくる実験は今でも行なわれており、「コレステロール元凶説」の根拠の一つとなっているということを述べました。

 

しかし、ここまで見てきたように、草食動物と肉食動物では小腸の機能や脂肪代謝の仕組みがあまりに違いすぎます。

 

まぎれもない草食動物であるウサギにコレステロールを食べさせた実験の結果を肉食動物である人間にそのまま適用するのは、まったくナンセンスであるということをあらためて強調しておきたいと思います。

 

(88p~91p)

 

 

 

植物食性動物であるウサギに起こった実験結果を、動物食性動物である人間に当てはめようとするのは無理があります。

 

動物の選択を間違っただけでなく、実験の方法もかなり酷いです。

 

 

 

まず指摘したいのは、これらの一連の実験でウサギに投与されるコレステロールは途方もなく大量だということです。

 

アニスコフの実験でウサギに投与されるコレステロールの量を人間に換算すると、どのくらいになると思いますか?

 

なんと1日に鶏卵ならば40個、牛ロースなら18kgも食べなければならない計算になるのです。こんな食生活が現実的に不可能なことは言うまでもありません。

 

こうした極端な実験の結果を根拠に、コレステロールが動脈硬化を引き起こす元凶であるとするのはあまりに乱暴です。

 

 

なんとしても、コレステロールを悪者にしたいという執念が感じられます。

 

 

医学者が、なんの理由もなく「ウサギにコレステロールを食べさせたらどうなるか」・・・と思い立って、バカみたいに大量の餌をたべさせら動脈硬化になった。コレステロールは悪いんだ・・・

 

と、なったとでもいうのでしょうか。

 

メチャクチャなストーリーです。

 

結果が分かっていたから、あえてウサギを選んだのではないでしょうか。

 

しかも、人間とウサギでは、動脈硬化のタイプまで違うようです。

 

 

さらに重要なのは、コレステロールを大量に与えたときにウサギの動脈に発生するアテロームと、人間の動脈硬化のアテロームでは見た目も構造もまったく違うということです。

 

ウサギのアテロームは、コレステロールをそのまま動脈壁の上に投げ捨てたような感じです。動脈壁の表面にコレステロールがそのままベタベタとくっついており、医学用語で言うところの“沈着”という表現がまさにあてはまります。

 

一方、人間の動脈硬化のアテロームは、表面がタンパク線維でできた模様のものでおおわれていて、その中にコレステロールがたまっているという形です。作ってから何日もたったまんじゅうのように、カチカチの皮の中にあんこ(コレステロール)が入入っている状態と言えばわかりやすいでしょうか。

 

ウサギの動脈硬化の発生は血中コレステロールの濃度に正比例します。つまりウサギを高脂血症にすると必ずといってよいくらい動脈に病変が発生し、コレステロールの沈着が認められ、しかも血中コレステロール値が高くなるほど、その程度はひどくなります。これは大動脈に限らず、頚動脈、脳動脈、冠動脈も同様です。

 

一方、人間はコレステロール値が高いからといって動脈硬化を起こすとは限らず、コレステロールが低くても動脈硬化を起こす例がたくさんあることは、これまで繰り返し述べたとおりです。

 

血中コレステロール濃度が高いほど、動脈にアテロームがより多く多く発生するというような相関関係は認められません。

 

第2章で、草食動物であるウサギと肉食動物である人間では、小腸におけるコレステロールに対する“バリア機能”が違うということを述べました。

 

ウサギの場合は摂取したコレステロールを小腸の粘膜からほぼ100%吸収してしまうが、人間の場合は必要な分だけ吸収して、それ以外は排出してしまうということでした。

 

実は、ウサギと人間とでは小腸だけでなく、動脈におけるコレステロールに対するバリア機能も大きく違うのです。もうお気づきのかたもいるかもしれませんが、このバリア機能に関係してるのが、私たちが発見した動脈壁のタンパク膜です。

 

ウサギの動脈壁にもタンパク膜は存在します。そもそも私たちがこのタンパク膜を発見したのもウサギを使った実験からでした。

 

しかし、もともと草食動物であるウサギのタンパク膜にはコレステロールの侵入を防ぐバリア機能がないか、あってもきわめて弱いのです。いわば素通しの状態なので、血中にコレステロールがふえたらふえただけ、どんどんコレステロールが動脈壁に沈着してアテロームが形成されます。

 

一方、人間の場合、前途したように血中コレステロール濃度が高くても、タンパク膜が正常である限りはコレステロールが動脈壁にくっついたり侵入したりすることは基本的にはありません。

 

これは小腸のバリア機能と同様に、人間がもともと肉食動物であることに由来していると考えられます。

 

以上をまとめますと、まずコレステロールの投与でウサギに発生する動脈硬化と、人間の動脈硬化ではアテロームの構造が違い、まったくタイプが異なります。

 

しかも、動脈のコレステロールに対するバリア機能もウサギと人間とでは大きな差があります。

 

ひと言でいって、人間の動脈硬化を研究するモデル動物としてウサギは適さない部分が多いのです。ウサギと人間との種の違いをきちんと認識したうえで実験を行い、その結果を分析するのならよいのですが、「ウサギを高脂血症にしたら、これこれこういう現象が起こった」ということをそのまま人間にあてはめるのは間違っています。

 

コレステロール添加食をウサギに与えて動脈硬化をつくる実験は今でも盛んに行なわれており、「コレステロール元凶説」を支える根拠の一つとされているわけですが、基本的なところで大きな誤りをおかしていると言わざるをえません。

 

(163p~167p)

 

 

アニスコフの後にアンセル・キーズ博士が説を発表するわけですが、医学者がすげ変わっても、切り口が変わっても、結果的にやっている事は同じです。

 

 

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高血圧と似ている話

 

 

以前、高血圧について調べると「歳をとって血圧が上がるのは正常」だということが分かりました。

 

血圧が高いほど健康で長生きできる!原因を根本的に間違えている高血圧の食事や治療

 

実は、コレステロールも同じなのです。

 

 

『100歳まで長生きできるコレステロール革命 著者/大櫛陽一』より引用

 

 

みなさんのなかには、「年をとるとともに、健康診断のコレステロール値が上がってきて、とうとう薬を勧められるようになった」という方もいらしゃるのではないでしょうか。

 

ただ、こういう場合も安易に医師の言葉に従ってはいけないと、私は思っています。なぜなら、加齢とともにコレステロール値が上がってきたのは「異常」ではなく、「正常反応」だと考えているからです。

 

何度も申し上げるように、コレステロールは60兆個の細胞の細胞膜となるのをはじめ、私たちの体の材料として欠かせない物質です。

 

ただ、年齢を重ねていれば、そうした細胞の新陳代謝にも衰えが出てくるでしょうし、免疫力も下がってくるでしょう。だから、こうした老化を補うため、コレステロールが増産されているのです。

 

体の細胞膜を強くし、免疫力を高めることによって、体を防衛してくれているのです。

 

すなわち、年齢とともにコレステロールが増えてくるのは、体にとって自然であり、必要な変化。数値が上がってきているのは、体を老化から守るためだったというわけです。

 

いかがでしょう。そのように考えれば、加齢とともに高くなってきたコレステロール値を薬で下げるという行為が、いかに愚かであるか、おわかりいただけるのではないでしょうか。

 

(55p~58p)

 

 

「老化によって血圧が上がる理由」は、年齢とともに血液を送り続ける力が弱まってくるので、全身に新鮮な血液を送り続ける為に、血圧を少しずつ上げなければならないからでした。つまり、歳を取って血圧が上がるのは元気な証拠でした。

 

そして、この記事に書いてあるように「コレステロール」もまた、歳とともに高くなるのが自然という事です。

 

 

>加齢とともにコレステロール値が上がってきたのは「異常」ではなく、「正常反応」だと考えているからです。

 

 

しかし、「血圧」にしろ、「コレステロール」にしろ、体を守る為に備わった正常な機能を「悪」と決めつけて、薬で無理矢理下げようとしたり、食生活を改めさせたりするわけです。

 

食生活を改善させるのは悪いことではありません。

 

問題はその方向性です。

 

 

 

インチキな知識を元に努力をしても結果は出ない

 

 

「本態性高血圧(高血圧の90%)」の原因は、「塩」になすりつけられていますが、調べてみると「糖質」が原因でした。

 

そして、「コレステロール」は動脈硬化と結び付けられ、その原因を「欧米化した食事」、「ストレス」、「タバコ」等になすりつけられていますが、最も大きな原因と思われるのは「糖質」です。

 

 

高血圧も動脈硬化も、原因が別のものになっているので、本当に気をつけなければならない「糖質」への対応が甘く、関係ない努力をするはめになります。

 

 

本当の原因を知るためには、「嘘の原因」を排除する必要があります。

 

高血圧と糖質の関係については以下の記事でお話しましたので、

 

血圧と、本態性高血圧の原因について分かりやすく説明してみた

 

 

動脈硬化にコレステロールがどこまで関係しているのか、そして、「糖質」がどう影響を与えているのかについては以下の記事でお話します。

 

動脈硬化は悪玉コレステロールではなく、動脈壁の劣化が原因だった

 

動脈硬化を改善・予防する方法を分かりやすく説明してみた

 

 

 

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健康の為に、「昔の日本人のようになりたい」と考える人がいます。

 

 

昔の日本人(特に江戸時代)を理想の姿として設定し、彼らの食事を真似、「日本人は昔の日本人が食べていた様に、米を食うべきだ」と主張する人すらいます。

 

 

でも、本当に「昔の日本人」は、理想的な食事をしていて、健康的で、パワフルだったのでしょうか?

 

 

前回は昔の人のパワフルさに焦点を当てて話たので、今回は、当時の人々の健康状態も見ていきたいと思います。

 

 

昔の日本人は、質素な食事なのに現代人より体力があった事は事実です

 

 

 

 

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「昔」という定義

 

 

「昔」といっても、時代によってかなり違いますから、どの時代の栄養状態に焦点を当てるかによって話の展開も変わってきます。

 

 

江戸時代か、明治か、大正か。

 

 

特に昭和は、戦前、戦中、戦後でかなり違います。戦中は食糧自体が不足していて、「習慣」が安定していないので問題外です。

 

 

食が「欧米化」する前と後で、日本人の食生活は大きく変わっていますが、

 

食が欧米化してからの、「初期の食事」と、「現代の食事」も変わっています。

 

以下に特徴をまとめました。

 

 

欧米化前

 

  • 戦中以前の食 → 動物性食品雀の涙、糖質過多、有害物質たぶんほぼなし

 

 

 

 

欧米化後

 

 

  • 戦後すぐの食 → 動物性食品少なめ、糖質過多、有害物質少なめ

 

  • 現代の食   → 動物性食品普通、糖質超過多、有害物質過多

 

 

 

 

どのぐらいを「昔」とするか悩みましたが、ここでは特に体力が凄かった「江戸~明治の人」と、「現代人」の栄養状態を比較してみたいと思います。

 

 

 

趣旨は違いますが、「戦後初期の人」と「現代人」の栄養状態を比較した記事は以下になります。

 

何故、現代人の顔は細いのか?子供の骨格が正常に成長する為に必要な条件とは

 

 

 

 

江戸時代の人達の健康

 

 

まずは、多くの人が理想とする江戸時代の人達の健康状態からです。

 

「骨は嘘つかないだろう」と思ったので、以下を紹介します。

 

 

『【人類】日本史上最も小柄だった江戸を語る人骨1万体 鉄分不足・長屋の密集生活ストレス・伝染病―科博新宿分館、つくば市に移転準備中』より引用

 

 

江戸を語る人骨1万体 小柄な体・栄養失調・伝染病

 

 

写真:国立科学博物館が収集している人骨。刀傷が残る骨もある=東京都新宿区百人町、 渡辺延志撮影拡大国立科学博物館が収集している人骨。刀傷が残る骨もある=東京都 新宿区百人町、渡辺延志撮影

 

 

東京都内の開発で掘り出された人骨を、国立科学博物館(科博)が大量に保管している。 ざっと1万人分。江戸時代の骨がほとんどで、今よりも小柄で栄養状態も悪かった。時代劇のイメージとは違う江戸の人々の厳しい暮らしぶりが、浮かび上がってくる。

 

 

「この頭の骨は左の側面に鋭い刃物の傷が2本。日本刀で斬り殺されたのでしょうね」「青黒い シミがついたこちらの骨は、梅毒の痕跡ですよ」

 

 

新宿区百人町の科博新宿分館。人骨がびっしり並ぶ人類研究部の収蔵庫で、人類史研究グループ長の篠田謙一さんが説明する。

 

 

研究用に科博は20年ほど前から、開発業者などが持ち込む江戸時代の人骨を受け入れてきた。分館は来春までに茨城県つくば市に移転する予定で、荷造りを前に人骨の分類やクリーニングが続く。

 

 

骨は江戸の人々の暮らしぶりを伝えている。栄養状態が悪く、特に鉄分が不足していた。 現代なら死亡率の低い若い世代の骨が多いのも特徴で、伝染病がたびたび流行し、人が簡単に死んだことを物語るという。

 

 

江戸時代の成人の平均身長は男性が150センチ台半ばで、女性はそれよりも10センチほど低い。日本のすべての時代の中で最も小柄だった。栄養状態が悪いうえに狭い長屋などに密集して生活したストレスの影響と考えられるという。

 

 

「生活は厳しかった。スラムといった方がいい江戸の影の部分が骨には記録されています」と篠田さん。

 

朝日新聞 2011年12月17日23時5分
http://www.asahi.com/national/update/1217/TKY201112170155.html

 

 

一応、これは「江戸」に限った話なので、これを日本全国にあてはめて考えるわけにはいきませんが、参考にはなります。

 

 

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明治時代の人達の健康状態

 

 

明治時代、外国人の日本人のイメージは、「つり目」「出っ歯」「小柄」だったらしいです。そういう絵が多く残されているのですが、別に、悪気があってそう描いたわけではありません。本当にそういう日本人が多かったみたいです。

 

 

何故か?

 

 

子供の頃に飢餓を体験すると、つり目になり、出っ歯になり、小柄になるそうです。

 

明治、大正の日本人は、つり目で、出っ歯の人が多かったらしいので、日本人=つり目で出っ歯になったのだそうです。

 

 

つまり、その頃の日本人は、慢性的な栄養不足で、健康体ではなかったと考えられます。

 

 

『wikipedia ジョルジュ・フェルディナン・ビゴー』より引用

 

 

欧米における日本人描写のステレオタイプとなった「つり目で出っ歯」という姿はビゴーの風刺画にも登場するが、その点について清水勲は「当時の日本人は現在に比べて国民全体の栄養状態が悪く、小柄で出っ歯の人が多かった。

 

 

そうした日本人の姿が1867年のパリ万博で直に欧米人の目に触れたことと、ワーグマン、ビゴーなどの来日外国人の絵や当時の写真などの影響とによって広まり、欧米人の日本人観の一要因となったのではないか」といった意見を述べている

 

 

しかし、「栄養失調が、つり目で出っ歯になる」という根拠を探したのですが、見つからないので、決定的ではありません。

 

 

(追記)「出っ歯」というのは「不正咬合」の一種です。

 

骨格的な不正咬合の原因は、妊娠中の母親の「鉄不足」にあります。

 

 

母親に鉄が足りないと、子供は「鉄不足」で生まれてきてしまいます。すると、頭蓋骨の真ん中に「上顎骨 じょうがくこつ」という骨があるのですが、ここが上手く成長しません。

 

(矢印が上顎骨。口と鼻腔にかけての骨)

 

それにより、歯が並ぶスペースが足りなくて歯並びが悪くなる、鼻の通りが悪い等の問題が起きてきます。

 

母親に、「鉄」、そして、鉄の吸収に必要な「タンパク質」が足りていないと、このようなリスクが高くなります。ちなみに、江戸時代も鉄が不足していたと書かれていましたね。

 

子供の歯並びが悪くなる真の原因。骨格的な不正咬合の予防は母親にかかっている

 

骨格が原因の鼻詰まりは子供の時の成長で決まる。口呼吸が招く脳への悪影響

 

 

 

「出っ歯」が多かったということは、昔の母親の栄養状態は良くなかったと言えます。

 

 

明治時代の人が、貧困で栄養失調だった事は事実だそうです。

 

 

 

『食と健康の総合サイト e840.net 栄養状態の推移(栄養の歴史)』より引用

 

 

明治時代における栄養摂取状況

 

 

武家中心の社会から、明治時代にかわり、食生活も大きく変化をした。今まで鳥獣肉類は積極的に食べていなかったが、肉食は文明開化のシンボルとしてもてはやされてきました。

 

しかし、これは一部の富裕層であり、大半を占める農民には、非常に困窮した生活であった。しかし、徐々にすすんだ社会構造の近代化は、国民の健康管理の実施や食生活の改善を要求された。

 

明治時代以前では、コメよりムギや雑穀を主食としてきたが一般庶民がコメを常食とするようになり、動物性食品の摂取量が徐々に増えてきた。当時の食生活は、動物性タンパク質が少なく体格も非常に小さいものであった事がわかっています。

 

さらに、ビタミン類が欠乏しており、ビタミンの欠乏症や伝染性疾患に弱く結核による死亡がおおかった。また、慢性的なビタミン不足にコメ食の普及により脚気が流行していたのも特徴であります。

 

 

文明開化によって、動物性食品が食べられるようになったとはいえ、一般家庭では満足な量ではありませんね。これを読む限りでは、抵抗力も弱そうです。

 

 

以上の記述から、昔の日本人(江戸~明治)は、小柄で栄養失調、病弱です。とても健康体とは言えないです。

 

 

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「欧米化した和食」を食べる現代人の栄養状態

 

 

戦後、昔ながらの和食オンリーから、動物性食品も習慣的に食べるように変わっていきました。そのおかげで感染症は減り、寿命も伸びていきました。

 

 

それ以前の「伝統的な和食」では、動物性食品が足りないので、栄養失調になります。人間は「動物食性(肉食)動物」なので、植物性の食品では健康になれません。本来の体の構造とは合わないからです。

 

 

人間が「動物食性(肉食)動物である事に納得のいかない方は、以下の記事をお読み下さい。

 

 

「人間が肉食か草食かは、歯を見れば分かる」という説は正しいのか

 

 

遺伝子の99%が同じでも、人間とチンパンジーの消化器官の構造は違う

 

 

 

しかし、「食の欧米化」に全く問題がないわけではありません。

 

 

先ほどもいった通り、人間は動物食性(肉食)動物なので、動物性の食品が「人間の消化器官の構造」には適しているのですが、困ったことに、そこに糖質を加えてしまうと、病気になったり、死亡率が上がったりします。

 

 

つまり、欧米化した和食(中タンパク質+中脂質+高糖質)ですね。

 

 

そのせいで、「動物性食品」は悪者にされていますが、犯人は「糖質」です。「動物性食品」単独だと問題になりません。

 

 

 

詳しいメカニズムについては以下の記事をお読み下さい。

 

【脂質+タンパク質】は良くて【糖質+脂質+タンパク質】が良くない理由

 

 

ただし、食が欧米化したことで、日本人が長寿になったのは事実です。感染症も減りました。そう考えると多少問題はあっても、「食が欧米化するまでの日本の食事」よりはマシといえます。

 

 

そして、冒頭でも言いましたが、同じ「欧米化」した食事でも、「戦後初期」と、「現代」の食事は違います。

 

 

 

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戦後初期と現代の食の違い

 

 

同じ欧米化した食事でも、戦後すぐの人たちと、現代の私達の食事は違うと言いましたが、もちろん栄養状態も、健康状態も違います。

 

 

欧米化した初期の頃は、まだ肉が高価だったので、庶民は頻繁に肉が買えませんでした(鯨の肉は食べていたそうですが...)。

 

 

それに、やはり、お菓子も今のように豊富ではないので、バクバク食べません。「甘いもの」といえば、芋や果物だったそうですが、現代のように甘く品種改良されていないので、糖度も少ないでしょう。また、土地の汚染は今よりマシだったので、野菜や果物にもミネラルやビタミンが豊富に含まれていたはずです。

 

 

「農薬」はあったでしょうか、「食品添加物」、「遺伝子組み換え食品」といった、体にダメージを与えるような物質も今ほど溢れていません。

 

 

 

 

 

 

現代は、裕福なので、動物性食品が安く手に入ります。タンパク質、脂質は昔より充実しています。

 

 

しかし、好きな時に好きなだけ間食ができる便利な環境、ブランド志向から糖度を高く品種改良された野菜や果物、それによる糖質過多、土壌が悪くビタミン、ミネラルの欠乏・・・と、品質に問題があります。

 

 

そして、1970年代以降、テレビの料理番組によって、食材の栄養素を捨て去る調理法が家庭に普及したそうです。それによって、さらにビタミン・ミネラルが欠乏した料理を食べるようになりました。

 

 

調理法については、以下の記事の、後半に詳しく書いています。

 

和食は素材の味を生かした料理だという嘘と、日本人が不健康な白米を止められないワケ

 

 

 

現代は、体にダメージを与える物質のオンパレードで、手料理を食べていても、50種類の食品添加物を摂ってしまう環境です。

 

 

コンビニ弁当を食べる人程ではないですが、家庭料理でも有害物質を摂ってしまう仕組みになっています。

 

草食系男子が増える原因は、価値観の変化でも女性の強さでもなく、生殖能力に影響を与える環境である

 

 

 

比べてみると、「戦後初期」も、「現代」もどちらも一長一短あります。

 

 

ですが、動物性食品の量は少なくても、有害物質が少ない分、欧米化して間もないころ(戦後初期)の食事の方がマシだったかもしれません。

 

 

 

 

栄養について、結論を言うと、

 

 

欧米化する前の食事を食べていた「江戸~明治の人達」と、欧米化した後の食事を食べている「現代人(戦後~現代)」を比べた場合、

 

 

栄養、健康面では現代人(欧米化後)の圧勝ではないでしょうか。

 

 

ただ、体力となると話は別です。

 

 

次にそれぞれの体力をみていきましょう。

 

 

 

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昔の人の体力

 

 

体力については、前回記事を書きましたので、ここにもう一度書きます。

 

 

  • トップクラスの飛脚は一日で160~200kmほども走る。

 

  • 飛脚の食べ物は、おむすび2つ、漬物数枚だった。ところが肉を食べさせたところ胃もたれして早く走れなかった。それを見た小泉八雲は「日本人の食事は完成されている」と悟った。

 

  • お年寄りの女性でも、300キロの荷物を背負って山道を歩き、自分一人で荷物を背負って降ろすことができた。

 

  • 江戸後期、弥助という有名な飛脚が、高崎・江戸間(往復二百余キロメートル)を一昼夜で往復できた。またある時、東京の江戸城~大阪を6日間で往復。

 

  • 忍者や軍使は、3日間飲まず食わずで走り続けることができた。

 

  • 日露戦争の日本陸軍のある師団か連隊は、まる3日間、飲まず食わずで闘った。

 

  • 明治時代の日本、馬車が二十数日間、夜明けから暗くなるまで各地を走った。休憩は食事とトイレだけ。日本人の馬丁は、馬と同じ速度で並走し、トイレと粗末な食事を食べている以外の時間は馬の世話をしていた。

 

  • 昔は咀嚼回数により顎が非常に発達していて歯並びがよく、その噛み合わせのおかげで力が出せた。

 

  • 江戸時代までの日本人は、西洋式スポーツとは違う身のこなし方をしていた。「なんば歩き」という体に負担をかけない動き方をしていた。

 

 

 

これを読んで怯んだ方もおられるかもしれませんが、現代人もアスリートなら負けておりません。

 

 

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現代アスリートの体力

 

 

飛脚ぐらいなら、現代人でも体力自慢なら、太刀打ちできるのではないでしょうか。

 

 

現代には、以下のような超過酷なレースがあります。

 

 

『TJAR TJARとは?』より引用

 

トランスジャパンアルプスレースとは?

 

息を飲むような雄大な眺め、漆黒の闇に浮かぶ仲間の灯、

 

烈風に晒され追いつめられる自分、悲鳴をあげる身体、

 

絶望的な距離感、何度も折れそうになる自分の心、

 

目指すのはあの雲の彼方。

 

日本海/富山湾から太平洋/駿河湾までその距離およそ415Km。

 

北アルプスから中央アルプス、そして南アルプスを、

 

自身の足のみで8日間以内に踏破する

 

Trans Japan Alps Race

 

日本の大きさを感じ、アルプスの高さを感じ、自分の可能性を感じよう。

 

 

 

さらに、世界にはもっとキツいレースがあります。

 

以下の記事より、凄そうなものをピックアップしてみました。

 

 

『GoPro 最もタフなウルトラマラソン ベスト8』より引用

 

 

野生のウルトラマラソン

 

Jungle Marathon

 

距離:254km

 

登坂:なし

 

場所:ブラジル

 

注意:沼・蛇・蚊・ヒル・ワニ・泥など

 

タフネス指数:9

 

フルマラソンを1回こなすだけでも大変だが、このマラソンはジャングルの中でフルマラソン6回分を走る。ランナーたちはアナコンダやワニ、ピラニアなどが潜む川や沼など、厳しいジャングルの中を6ステージ、254kmを走ることになる。出場ランナーのひとりは、「それが魅力なんだ」とコメントしている。

 

ランナーたちはジャガーに追われ、猿の叫び声に起こされ、アリやハチに噛まれることになる。また、言い忘れたが、クモや蚊、サソリも潜んでいる。それでも挑戦したいという人は、今年10月に開催されるので、是非登録してもらいたい。

 

www.junglemarathon.com

 

 

飛脚も、おそらく山道を走っていたでしょうから、野生動物と隣り合わせだったはずです。

 

しかし、現代人だって、鍛えればこのぐらいいけるということです。

 

 

「最高にハイ」なウルトラマラソン

 

La Ultra – The High

 

距離:333km

 

登坂:5000m x 3セクション

 

場所:ヒマラヤ(インド)

 

注意:高山病・酸欠・高山・暑さ・寒さ

 

タフネス指数:8

 

「標高」でヒマラヤに敵う場所はない。このワンステージ制のレースは「The High」の愛称で親しまれている。ランナーたちは333kmを72時間以内で走らなければならず、高山病にかかる可能性も高い(最悪の場合死に至る場合もある)。また、途中には5000mの登坂が3セクション待ち構えている(レースには222kmと111kmのショートコースも用意されている)。エクストリームなレースであるため、オーガナイザーは他のランナーとの競争は推奨していない。レース中に見られる絶景は汗を流し苦しむだけの価値がある(はず)。

 

www.thehigh.in

 

 

 

移動能力に関して言えば、現代人も飛脚も負けていないですね。

 

 

ですが、これはあくまで毎日鍛えているアスリートの話です。昔の人が凄いのは、普通の人でも体力が半端なかった事です。

 

 

女性が300kgの米を背負って歩くのだけは、どう頑張っても真似出来そうにありません。

 

 

なんせ、これですからね。

 

 

『気ままに☆旅の雑記帳 山形・山居倉庫』より引用

 

 

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女丁持と呼ばれる米俵を背中に担ぐ女性。
すごい方だと5俵(300kg)を背負う女性もいたそうです。

 

 

同じ人間とは思えません。

 

 

 

仮に、人に手伝ってもらって背負えたとしても、私ならこの状態から一歩も歩けない自信があります。

 

 

私は、車の運転はしないので、自転車か徒歩で生活しています。大きめのリュックサックもよく使います。昔の人程ではないにせよ、何かを背負って歩き回るのは慣れています。運動不足の人間ではありません。

 

 

そんな私ですが、300kgの米を背負うなど、想像がつきません。

 

 

糖質制限を始める前は、「米食い」でしたので、農家から30kgの米を買うこともありました。今よりも筋力が弱かったのもありますが、それを運ぶのは大変でした。階段などは特にです。

 

でも、100年、200年前まで、その10倍の重さの米を、普通の女性が背負って歩いていたわけです。

 

 

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両者の比較と矛盾

 

 

両者の特徴を簡潔にまとめます。

 

 

  • 昔の人・・・現代人より不健康で病弱だけど 抜群の身体能力

 

  • 現代人・・・昔の人より健康で長生きだけど しょぼい身体能力

 

 

 

です。以上のことから、

 

 

 

身体能力で勝っているのは昔の人

 

 

健康状態で勝っているのは現代人

 

 

 

と言えそうです。

 

 

 

これを聞いてえ?、と思いませんでした?

 

 

 

そう思った方、正常です。そうです、おかしいですよね。だって、これは

 

 

 

「粗悪な素材」で建てた建物が強度が強くて、

 

「質の良い素材」で立てた建物が強度が弱い。

 

 

 

・・・と言われているようなものです。普通に考えたら、

 

 

 

身体能力が抜群であれば、健康で長生きになるはずで、しょぼい身体能力だと、不健康で病弱なはずです。

 

 

身体能力で勝っているのは昔の人健康状態で勝っているのは現代人

 

 

というのはおかしな話です。

 

 

 

小柄で栄養失調だったら、体力があるはずがありません。どうしてこういう事になるのでしょうか。

 

 

それは、昔の人のパワーの秘密が「食事」ではないからでしょう。

 

 

「食事」が凄かったからパワーがあったのではなく、不健康でも超人になれるような、「現代にはない別の環境」があったと思います。

 

 

確かに健康でないと、運動はできませんから、健康=運動能力と考えるのも分かります。

 

ですが、昔の人の体力のレベルは、あまりにも常識とかけ離れています。

 

従って、この件に関しては、私は、パワー(能力)と、健康は別々に考えています。

 

 

しかし、多くの人は、運動能力=健康と考えているからなのか、「超人なら健康に間違いない」と考えてしまうようです。ですが実際には、昔の人は、体力はあっても不健康でした。不健康になる食事をしていたからです。

 

 

「健康になりたい」と思った現代人が、「昔の人の食事が良い」と思って真似をすれば、例え体力がついたとしても、必ず不健康になります。

 

 

骨が示す通り、昔の人は体力があっても、体は不健康だっだのですから。

 

 

それに、例え現代の人が、「昔の人の食事」を真似しても、不健康になるだけで、あの体力は再現出来ないと思います。

 

 

 

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身体能力の秘密

 

 

これについては前回も書きました。

 

昔の日本人は、質素な食事なのに現代人より体力があった事は事実です

 

 

 

昔の人の異常な体力は、一般的に言われているように「食事」が原因ではないと言いました。

 

 

昔の人の体力が、もう少し現実的な凄さなら、食事が原因という可能性はありますが、

 

力の差がこの次元になってくると、

 

 

食べているものが米だろうが、肉だろうが、「それは関係ない」と判断せざるを得ません。食事どころか、現代人がドーピングをしても真似できないでしょう。

 

 

そもそも、「あの力の源」を、食にあると考える方がどうかしています。

 

 

「米を口にした事がない昔の外国人」が、「米スゲーッ!!」と、勘違いするならわかりますが、我々日本人は、常に米と共に生きてきたわけです。

 

 

米が魔法の食べ物ではない事は、我々が一番よく知っているはずです。

 

 

もし米が力の源なら、現代人も米を食べているのに、昔の人と力の差がこれほど開いているのは何故か・・・その理由を説明しなければなりません。理由を「米」にすると、辻褄が合わないのです。

 

 

食が欧米化しようが、どうなろうが、現代の日本人のほとんどは、米を食べているわけです。

 

 

「米」というと、「今は白米だけど、昔は雑穀だったから、栄養価が違うんだ。」等と思われるかもしれませんが、

 

 

ハッキリ言って、穀物は穀物です。

 

 

現代は土壌が劣化しています。しかし、多少質が違ったにせよ、それだけで、これほど違いが出ると考えるのは非科学的です。

 

 

今の時代でも、肉や脂があまり好きではない人で、「ご飯と、ご飯の共だけ食べている人」や、「体に気を使って雑穀米を食べている人」は、五万といます。

 

 

「ジャンクフードばかり好んで食べている人」もいるかもしれませんが、「食に拘っている人」も多いのです。

 

 

私は糖質制限歴は1年半ですが、米歴は30年以上です。米や野菜を食べ続けてきたからこそ、その食事では体力がつかない事を知っているわけです。

 

 

さらに言わしてもらうと、米を好む文化は日本だけではありません。

 

 

インド人も米が大好きです。しかもベジタリアンが多いです。

 

 

聞いた話では、韓国も日本に負けず劣らず米信仰の国だそうです。

 

 

米が異常な体力の源なら、アジア圏の人達はみんなスーパーマンです。

 

 

従って、私は「昔の人が現代人より体力があったのは、食事ではなく、当時の人の体の使い方、あるいは、当時の地球の環境、日本列島の環境が関係しているのではないか」と思いました。

 

 

世の中には、健康の為に昔の人の食事を真似する人がいますが、それによって、昔の人の体力まで再現したという話は聞いた事がありません。

 

 

せいぜい「健康になりました」止まりです。

 

 

食事で昔の人の身体能力を再現できないのは、昔の人の力の原因が、食事ではないからです。

 

で、もし地球の環境に原因があるなら、再現する事は、ほぼ不可能です。

 

前回、昔と今では「酸素濃度」が違う。それが原因ではないかと言いました。単にそれしか思いつかなかっただけなので、(地球規模の)環境の違いは、まだまだあると思います。

 

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飛脚の胃もたれ

 

 

以上のような理由から、今のところ私は「昔の人の異常な体力」は、「食事」とは関係ないと思っています。

 

 

良い食事をしていたからパワフルだったんじゃなくて、今よりも昔の地球の環境が良かったからだと思っています。だから粗末な食事で体がボロボロになっても、力だけは発揮できたんだと思います。

 

 

何故、「昔の人が粗末な食事で体がボロボロになっていた」と言えるのかと言うと、

 

 

「米を食べていた飛脚に、肉を与えたところ、胃もたれして早く走れなかった」

 

 

...という話がでてきたからです。

 

 

これは粗末な食事(つまり糖質)が原因で起こる胃の糖化です。具体的に言うと、人間が糖質を食べれば、体のタンパク質と余った糖が反応し、細胞が劣化します。

 

 

体が丈夫だから起きない・・・と思うかもしれませんが、これは化学反応なので起きます。当然、飛脚でもです。

 

 

胃もたれは肉のせいではありません。

 

 

糖質のせい。それに加えてタンパク質不足のせいです。

 

 

 

 

 

飛脚は身体能力があるので一見健康的に見えます。なので、

 

 

 

飛脚が走れるのは糖質のお陰

 

 

糖質は素晴らしい

 

 

糖質は日本人には毒ではない

 

 

 

と、結論づけてしまいたくなります。「身体能力」と「健康状態」を同じ物として捕らえていると、そういう発想になります。

 

 

しかし、「身体能力」と「健康状態」は関係ないのです。飛脚が身体能力に優れていたからといって、健康状態も優れているとは限らないのです。

 

 

いくら昔の人が身体能力に優れていたとしても、食べてはいけないものを食べれば体は劣化します。

 

 

また、糖化は胃だけに起こるのではありません。セルライト、痔、関節の音が鳴る、胃下垂・・・等、一見ただの老化に見えますが、実は「糖化」です。セルライトがいい例ですね。あれはただの脂肪ではありません。細胞が変性した脂肪です。

 

 

 

 

 

胃が糖化すると、飛脚のように「糖化の原因である糖質をいくら食べても胃もたれしないが、肉や脂を食べると気持ち悪くなる」という症状になります。酷くなると胃下垂です。

 

 

私は30年以上、胃の糖化で、ほとんど肉や脂が食べれなかったのですが、徹底した断糖肉食で、わずか数ヶ月で完治しました。

 

 

パワフルな昔の人も、「人間の体に合わない糖質」を食べる事で、現代人と同じように、糖の害を受けるのです。昔の人でもです。「日本人だから糖質が合う」という事はありません。日本人でも動物食性(肉食)動物ですから、植物性の食品を食べると問題が起こるのです。

 

 

糖質は「糖化」だけでなく、癌の原因にもなります。ブドウ糖が分解された時に発生する「乳酸」の蓄積が癌を発生させます。

 

余命わずかの末期癌患者が退院できたのは病院での栄養療法のおかげだった!
 

癌細胞と癌家系について分かりやすく説明してみた

 

 

 

昔の人vs現代人

 

 

まとめます。

 

 

  • 彼らの「現代人にはない体の能力」は、「食事」ではなく、当時の地球の環境に起因している可能性がある。

 

  • 極端に言ってしまえば、当時の地球に行けば、誰でも異常な力になれるのではないか。

 

  • 能力と健康は別なので、彼らとて、糖質を食べる事で、現代人と同じように弱っていく。体格が悪い、病気や感染症が多いのもこれで説明がつく。

 

  • 能力が凄いから健康だとは限らないし、健康だからといって能力が凄いとは限らない。

 

 

いくら昔の人の能力が凄いからといって、当時の人を真似る必要はありません。彼らは身体能力に優れていても、健康で長生きではないのですから。

 

 

 

江戸や明治の人より、身体能力では劣っていても、健康面では現代人が優れています。

 

 

 

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昔の人の「体力」と「健康状態」についてお話します。

 

 

前回は、食が欧米化するまでの子供達は、感染症にかかりやすく、実は「現代でイメージされているような健康体ではない」というお話をしました。

 

 

健康には昔ながらの和食が良い?実は栄養状態が悪かった昭和の子供達

 

 

食が「欧米化」する前までの日本は、子供達だけでなく、大人も短命でした。

 

そうなるのは、和食の栄養に問題があります。和食は動物性食品が少ないです。

 

 

人間の体は「動物食性(肉食)」なので、「タンパク質」や「脂質」が不足すれば、当然体は弱ります。和食に多い「糖質」も体にダメージを与えます。

 

 

 

 

 

 

 

昔の日本人は、「脂質」や「タンパク質」が不足していたので不健康だったのです。

 

しかし、ここで一つ大きな疑問が生じます。

 

不健康だったのにも関わらず、昔の人の体力は、異常過ぎるのです。

 

 

 

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昔の人の体力

 

 

ではまず、不健康な食生活をおくっていた昔の日本人の「体力」が、どのくらいのものだったのか見ていきます。

 

 

『Yahoo!知恵袋 江戸時代以前の剣豪や忍者の身体能力 現代のトップアスリートと比べて優れているのか? 劣っているのか?』より引用

 

 

優れている部分もあれば、という感じでしょう。とりあえず、スタミナと筋力に関しては昔の人々は異常です。

 

 

当時の飛脚たちの中で、さらに走るのが達者な人たちを「早道」と言っていましたが、宮本武蔵が書いた五輪書の中で「早道は1日で40~50里(160~200km)ほども走る」と書かれています。

 

 

同じく、日本に来た小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が、その飛脚たちの体力に驚愕。「どんな食い物を食ってるんだ」と見せてもらったら、握り飯が2つと漬物が数枚程度だと知りさらに驚愕。

 

 

そこで「よし、力を出すには肉だろ」と思い、その飛脚に試しに肉を食わせて走らせたら、胃もたれして全く走れなかった。小泉八雲は「日本人の食事は完成されている」と悟った…。

 

 

といった記録がありますので、おそらく事実です。

 

 

大体、現代人とは比較することが馬鹿らしいほど昔の人々は身体をよく使いました。
メールや電話もないし、車もチャリンコもないし、普通に生活すること自体がトレーニングでした。

 

 

 

『Yahoo!知恵袋 現代人は昔の人に比べて体力がない?』より引用

 

昔の人は非常に力もスタミナもありました。

 

 

お年寄りの女性でも、米を5俵(300キロ!)背負って山道を歩くことなんて当たり前でした。しかも自分一人で背負って降ろすことをしていました。300キロですよ!

 

http://w1.avis.ne.jp/~take8n/k-toh-8-1.htm

 

 

私の曾祖母も、60歳ぐらいのときでも、200キロぐらいは平気で背負って急な山道を歩いたそうです。

 

 

 

ちなみに、現代人では、若い男性でも1俵が背負えない人が多く、まして1俵とはいえ山道を歩ける人はそうはいないそうです。

 

 

さらにちなみに、山では、今でもボッカ(歩苛)といわれる荷物を背負って山小屋に物品を運搬する職業の人がいますが、尾瀬ヶ原のような比較的、緩やか、かつ平坦、かつ歩きやすい木道の登山道でさえ、120キロぐらいを限界として背負うそうです。

 

 

本格的な山の場合(急な坂道がある登山道の山)、80キロぐらいを限界として設定しているそうです。数十年前は、200キロぐらいを背負うボッカさんはいたようですが、今では健康面を考慮しているのかもしれませんが、その程度だそうです。

 

 

以前、NHKテレビで昔の山形県の農家の女性の米担ぎをやっていましたが、重い荷物を背負うのはコツのようなものがあるそうです。

 

 

でもかといって、300キロは現代人では鍛え抜かれた男でも無理じゃあないですかね?

 

 

 

江戸後期、上州(現在の群馬県)高崎の飛脚で弥助という脚力で有名な男がいましたが、彼はなんと高崎・江戸間(往復二百余キロメートル)を一昼夜で往復でき、そのため藩の御用を勤めるなど繁盛していたそうです。

 

 

 

また、あるとき、高崎藩で大坂に急用ができ、弥助はたったの3日で東海道を走破して大坂に行き、帰路も3日で帰って来たそうです。

 

 

現代では、舗装された緩やかな道路もトンネルも夜間の照明もありますが、それでも高崎~東京の江戸城近辺を24時間で往復でき、東京の江戸城~大阪を6日間で往復できる人なんて絶対にいないでしょう。マラソンの世界記録保持者でも無理ですね。

 

 

 

昔は、忍者はもとより軍使などでも急を要す場合は、まる3日間飲まず食わずで走り続けた例も多々あるようです。これは虚偽ではなく、距離や所要時間を計算した結果でも証明できるようです。

 

 

日露戦争の日本陸軍のある師団か連隊かは、戦争中、補給がうまくいかず、まる3日間食べ物どころか一適の水も飲まずに全員がかなりの激戦を戦いました。2日間程度でしたら、こういった例はけっこうあったようです。

 

 

明治時代、外国人が日本に来て馬車を雇い、二十数日間夜明けから暗くなるまで各地を走り回りました。その間、休憩時間といったら食事とトイレだけだったそうです。

 

 

その外国人が驚愕したのは、常に日本人の馬丁が馬と同じ速度で並走し、トイレと粗末な食事を食べている以外の時間は馬の世話をしていたことでした。世界中を旅行してきたその外国人は、日本人の異常なまでの体力に驚愕したそうです。

 

 

これらは私が知っている知識の中のいくつかの例であって、昔の人のレベルでは取り立てて特別なことでもなかったようです。現代人よりもよほど質素な食事で、スポーツ学もなかった時代、毎日のようにそんなハードな体力を使っていたのですから、まったく昔の人は驚異的です。

 

 

うーん、ただ、戦国時代は「人生50年」でしたよね。だから、三十歳時点では戦国時代の三十歳のほうが持久力も筋力もあるかもしれないけど、50歳だと現代人のほうが上だったりしないのかなあ。

 

 

要するに、筋力も持久力も強いけどその分老化も早い、みたいな。

 

 

今も、スポーツ選手や肉体労働を中心とした仕事をしている人は、そうでない人に比べて寿命がやや短い気がします。「どちらがいいのか」と言われたら微妙ですわね。

 

 

昔は咀嚼回数により顎が非常に発達していて歯並びがよかったらしい
今の人は噛まないので噛み合わせが悪くて力が弱いだの聞いた事がある

 

 

現代のプロスポーツ選手の中には改善のためマウスピース使う選手も居るらしいし
そういう面から考えると肉体的な平均ポテンシャルは高いのかも知れませんね

 

 

『Yahoo!知恵袋 江戸時代の日本人は、現代の日本人よりも身体能力や体力が高かったのですか?』より引用

 

>江戸時代の人は、足で山を平気で越えていたのですよね。

あ、それと江戸時代までの日本人は西洋式スポーツとは違う身のこなし方をしていた。これを「なんば歩き」と言って、非常に体に負担をかけない動き方でした。

 

 

これを現代に再現して、体の故障を予防したり、リハビリに応用したりしています。これも「なんば歩き」でググってみて。

 

 

今はみんな西洋式になってしまって、スポーツにはケガのリスクが付き物になってるね。

 

 

 

以上、気になる話をいくつかピックアップしてみました。

 

 

冗談みたいな話ですが、おそらくこれは嘘ではないでしょう。本当に昔の人は、とんでもない体力を持っていたようです。ここで、紹介した内容を簡単に書き出してみます。

 

 

 

  • トップクラスの飛脚は、一日で160~200kmほども走る。

 

 

  • 飛脚の食べ物は、おむすび2つ、漬物数枚だった。ところが肉を食べさせたところ胃もたれして早く走れなかった。それを見た小泉八雲は「日本人の食事は完成されている」と悟った。

 

  • お年寄りの女性でも、300キロの荷物を背負って山道を歩き、自分一人で荷物を背負って降ろすことができた。

 

  • 江戸後期、弥助という有名な飛脚が、高崎・江戸間(往復二百余キロメートル)を一昼夜で往復できた。またある時、東京の江戸城~大阪を6日間で往復した。

 

  • 忍者や軍使は、3日間飲まず食わずで走り続けることができた。

 

  • 日露戦争の日本陸軍のある師団か連隊は、まる3日間、飲まず食わずで闘った。

 

  • 明治時代の日本、馬車が二十数日間、夜明けから暗くなるまで各地を走った。休憩は食事とトイレだけ。日本人の馬丁は、馬と同じ速度で並走し、トイレと粗末な食事を食べている以外の時間は、馬の世話をしていた。

 

  • 昔は咀嚼回数により顎が非常に発達していて歯並びがよく、その噛み合わせのおかげで力が出せた。

 

  • 江戸時代までの日本人は、西洋式スポーツとは違う身のこなし方をしていた。「なんば歩き」という体に負担をかけない動き方をしていた。

 

 

 

改めて見てみると、凄い体力です。どうして彼らはこのような体力があったのでしょうか。

 

 

「外国人が驚いた」ということですから、特に昔の日本人の体力が凄かったという事ですね。(外国人の体力はわかりませんが)。

 

 

 

この力の源は何なのでしょう?

 

 

 

よく言われるのが「食べ物」です。

 

 

 

「おむすびと漬物の話」にもあるように、外国人がこれを見たら、「日本人のこの体力は、食べ物のおかげだ」と思いたくなるんだと思います。

 

 

いや、外国人だけでなく、現代人でも「昔の人の体力は、食べ物のおかげじゃないか」と思ってしまいます。

 

 

 

しかし、私は食べ物は関係ないと思いました。

 

 

 

老婆が300kgの荷物を背負う時点で、食べ物とか、もはや関係ありません。おそらく全く別のところに理由があるとしか考えられません。

 

 

 

なんでもかんでも食事や栄養に結び付けて考えようとすると、説明がつきませんし、ハッキリ言って、例えどんな食事をしていても、私は300kgの荷物を担いで山道を歩く自信がありません。ご飯だろうが、肉だろうがです。

 

 

 

ご飯と漬物でこの体力が出せるなら、現代の偏食の人でも、この体力が出せるはずです。

 

 

 

というわけで、食事以外で、昔の人の体力の秘密を考えてみました。思いついたのは2つです。「アドレナリン」と、「酸素濃度」です。

 

 

 

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仮説1:常にフルパワー

 

 

これらの異常な体力を読んで「火事場の馬鹿力」が重なりました。常にフルパワーを出せていたのでは?と思ったのです。

 

 

『医教コミュニティ つぼみクラブ 人体のフシギ | 第41回 火事場の馬鹿力は本当に出るのか?』より引用

 

 

★「火事場の馬鹿力」は本当に出るの?

 

 

私たちの身体には、たくさんの筋肉や骨が存在しますが、これらのパワーを100%発揮した状態で身体を動かし続けると、筋肉や骨にかなりの負担がかかったり、莫大なエネルギー量を消費したりするため、身体はボロボロになってしまいます(身体がいくらあっても足りない!)。

 

 

そのため、筋肉や骨の損傷を防ぐために、人間の脳にはあらかじめ安全装置(リミッターともいいます)がかけられており、意識的に発揮できるパワーに制限が設けられているんだとか。

 

 

つまり普段は、自分の意識の中で「これ以上はムリでしょ」と感じるところまでしかパワーが発揮できないようになっているのです(最大でも70~80%程度)。

 

 

ところが、緊急事態の場面に遭遇すると、脳の安全装置が解除され、アドレナリンがドドドーンと大放出!「これ以上はムリでしょ」と感じる限界を超えて、本来備えられている潜在的なパワーが発揮されるようになるんです。

 

 

ちなみに、アドレナリンとは、副腎髄質から分泌されるホルモン(神経伝達物質)。興奮した時に血液中に大放出され、身体のエネルギー代謝や運動能力を高めるんだよね。

 

 

★火事場の馬鹿力を出すと人体はどうなる?

 

 

100%全開でパワーを発揮すると、筋肉や骨にはかなりの負担がかかります。また、緊急事態の場面ではケガを負うことも十分ありえますよね。

 

 

火傷をしたり、骨折をしたり......、あぁ~想像するだけで痛そう(泣)。

 

 

ところが不思議なことに、火事場の馬鹿力が発揮されている間は、痛みを感じないことが多いらしいのです。

 

 

 

これなら、小柄な人でも力が発揮できるのではないでしょうか。

 

 

 

ただ、この「火事場の馬鹿力」ですが、一応定説では、緊急時に出せる事になっています。

 

 

しかし、これに近い事がもし、自分の意思でいつでも出せたらどうでしょうか。

 

 

出来ないという大前提にはなっていますが。

 

 

ドラゴンボールで例えるなら、キレてスーパーサイヤ人になるのではなく、「コントロールして常にスーパーサイヤ人でいる状態」です。

 

 

先程紹介した記事の中にも「昔の人は筋力も持久力も強いけど老化も早い。現代でも肉体労働をした人は寿命が短い」といった記述がありましたが、これも「火事場の馬鹿力」と共通しています。

 

 

 

さらに、「噛み合わせ、身のこなし等、体の使い方が違う」ともありました。その辺にも何か秘密があるのかもしれません。

 

 

 

それと、脳の安全装置の解除には、「アドレナリン」が大量に必要だそうです。

 

 

 

緊急事態に放出されるそうですが、昔の人って、緊張感の連続だったと思います。山道なんて獣が出るわけですから、常に緊急事態です。

 

 

 

平和ボケしている現代人と違って、「アドレナリン」の分泌量は半端なかったと考えられます。

 

 

 

仮説2:環境が違う

 

 

突拍子もない話ですみませんが、あくまで「仮説」として読んで下さい。

 

 

 

特別な訓練を受けていない普通の一般庶民が普通に凄かったわけです。

 

 

 

ということは、「全員、均等に力が湧く環境」が、当時の地球や、日本列島そのものにあったのかもしれません。

 

 

 

300kgの荷物を自分が背負う事を想像した時に、「どうやったらその荷物が楽に背負えるだろう」と考えました。最初は「重力が軽かったら楽だな」とか思っていたのですが、現実味が0です。

 

 

 

で、「酸素濃度が今と違っていたらどうだろう」と考えたのです。すると「酸素濃度」は本当に変わってきているようです。

 

 

 

『Slownet 第2期 第51回 人間を活かす源・酸素の濃度が下がってきた ~呼吸と酸素の健康法(1)~』より引用

 

 

江戸時代は酸素濃度が29%くらいあったと考えられています。

 

 

また、昭和30年代でも26%はあったと考えられています。

 

 

また私が理科で習った酸素濃度も22%でした。

 

 

いまは都内では20.6%位です(最近代謝の装置を使うので実測していますが、こんなものです)。江戸時代と比べると、いまの都会は低酸素状態と言えるほどです。

 

 

 

これは凄い違いです。「江戸時代にどうやって酸素濃度を測ったんだ」と突っ込みたくなりますが、仮にこれが本当だったら、人間はどう変わるのでしょうか。

 

 

 

『yahoo!知恵袋 酸素と運動について』より引用

 

酸素濃度が高い空間では、酸素を使ってのATPという細胞のエネルギー源が活発に作られますので、身体能力、とくに心肺機能を必要とする運動が向上することが考えられます。

 

 

通常大気に含まれる酸素は20%なので、1、2%上がると効果が見られるでしょうね。

 

 

しかし、25%程度の酸素濃度の空間に長い時間いると「酸素酔い」という現象が起こることがあります。これは血液に溶けた酸素濃度があまりに上がってしまうと身体がその変化についていけず、脳が混乱して恒常性を保てなることが原因です。

 

 

25%を越えるような酸素濃度ではその症状はより強くなり、100%濃度だと一呼吸で意識を失うくらいだそうです。

 

 

酸素は人間にとって欠かせない必要なものですが、同時に毒にもなりうるというわけですね。

 

 

エネルギー物質「ATP」については以下をお読み下さい。

ATP(アデノシン三リン酸)について分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

高すぎても低すぎても良くないけど、酸素濃度によって人間の身体機能が変わるというのは、信憑性がありそうです。

 

 

 

 

また、酸素濃度が高い昔は、疲労が蓄積しにくい環境だったと言えます。

 

 

 

現代でも酸素カプセルを使えば、同じ環境を再現できます。

 

 

 

 

『抗酸化環境回復サロンAir 酸素カプセルの効果《詳細版》疲労回復・怪我の早期回復』より引用

 

疲労は筋肉に乳酸という疲労物質が蓄積されて感じるようになっています。

 

 

 

酸素カプセルに入ると血中乳酸値が76%軽減されるそうです!

 

 

 

カプセル内で取り込んだ溶解型酸素が、乳酸などの疲労物質を分解し体外へ除去してくれる働きを持っているのです。

 

 

 

「外国人が日本人の体力に驚いた」という話も、森林が多い日本列島が他の地域に比べて酸素濃度が高かったと考えれば説明がつきます。

 

 

 

ただし、これについては、調べが足りないので、まだなんとも言えません。あくまで仮説です。

 

 

 

ちなみに、最近では、乳酸は疲労物質ではないから悪い物質ではない...という意見をよく見かけるようになりました。しかし、そういう人は乳酸のデメリットを語らないので注意が必要です。詳しくは以下の記事をお読み下さい。

 

 

乳酸のエネルギー源としての働きと、疲労との関係について分かりやすく説明してみた

 

 

余命わずかの末期癌患者が退院できたのは病院での栄養療法のおかげだった!

 

 

 

 

 

そして最後に、おむすび(糖質)のエネルギーについてお話します。

 

 

 

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糖質のエネルギー

 

 

「おむすび(糖質)を食べたら超人になれるかどうか」は、ひとまず置いておいて、ここでは、糖質の性質について話しておきます。

 

 

 

糖質は、すぐにエネルギーとして利用できるという特徴があります。

 

 

 

  • 飛脚の食べ物は、おむすび2つ、漬物数枚だった。ところが肉を食べさせたところ胃もたれして早く走れなかった。それを見た小泉八雲は「日本人の食事は完成されている」と悟った

 

 

 

何故、このような事が起きるのかは、以下が参考になります。

 

 

 

『低糖質ダイエットは危険なのか?中年おやじドクターの実践検証結果報告 どうして糖質の味を人は好むのか?』より引用

 

 

人間に限らず、我々動物にとって、三大栄養素というのは糖質、タンパク質と脂質です。

 

 

でも、この中で最も効率の良い、すぐにエネルギーとして利用できる栄養素は糖質なのです。後の二つの栄養素は糖質ほど効率よくすぐに栄養として活用できないのです。

 

 

ずっと以前に、第二次大戦前に日本人がマラソンで好成績を残した時に、日本人はレース前におにぎりを食べて、欧米人はステーキを食べて、スタミナは日本人の方が長く続いたという話がありました。

 

 

それ以来、欧米人も長距離走の前の栄養補給は炭水化物にするようになったという話、本当かどうかわかりませんが子供のころに母から聞かされたことがあります。

 

 

その時は、それほどお米というのは優れた食べ物なんだよ、残さないでしっかり食べなさいと言われたわけでしたが。

 

 

 

食べてすぐにエネルギーになる。

 

 

 

この即効性が糖質の特徴です。

 

 

 

飛脚のように、「さあ、食べて動くぞ!!」という人達には、すぐにエネルギーになる糖質が使えるのです。

 

 

 

だから、スポーツを生業とする人達が、「すぐにエネルギーになる糖質を排除する糖質制限」を批判するのです。

 

 

 

彼らはあくまで「スポーツに勝つこと」が第一目的であり、健康は二の次です。(もちろん健康も考えていると思いますが、スポーツに負けてまで、健康に執着していません。だから「糖化」を無視するのです。)

 

 

 

『AERA dot.「生理がなくて一人前」!? 女性アスリートへの誤解、産婦人科スポーツ医が警鐘』より引用

 

 

女子選手を支える産婦人科医の重要性が高まっている。

 

 

というのも、生理がこないのを無視したまま、トレーニングや競技生活を続けることによって、深刻な故障や体調不良を引き起こすケースが相次いでいるからだ。

 

 

特に注目されているのが、「利用可能エネルギー不足」「無月経」「骨粗鬆症」。

 

 

いわゆる「女性アスリートの三主徴」と称される健康上の問題だ。

 

 

 

これは女性アスリートの話ですが、健康を犠牲にして記録を取っていることがよく分かります。

 

 

 

 

生理がこないのを無視したまま・・・とありますが、「生理がなくて一人前」という考えをする指導者も少なくないそうなので、アスリートもそうなってしまうのです。

 

 

 

スポーツの指導者は、勝たせる事が仕事です。

 

 

 

勝つために必要なら、将来体を糖化(細胞を劣化)させる糖質も推奨します。

 

 

 

そこを分かっていない人が真に受けて、「やっぱり、健康の為に糖質も必要なんだ」と、流されるのですが、注意して下さい。

 

 

「体を損ねてまで勝ち負けに拘らない人」、「健康目的の人」が、参考にする必要はありません。

 

 

 

赤血球やグリア細胞など、ブドウ糖に依存している細胞があるので、糖質も少しは必要です。しかし、食事から摂らなくても「糖新生」という機能によって合成することができます。

 

 

人間の身体に必要な糖質量を血糖値の視点から分かりやすく説明してみた

 

 

「脳のエネルギー源はブドウ糖なので糖質をしっかり摂りましょう」と言う人が語らない話

 

 

また、彼らスポーツを生業にしている人は、常に激しい運動を前提としているので、糖質を食べても「いち早く、上がった血糖値を下げる環境」があります。

 

 

 

普通の人はそこまで運動しませんから、運動量が少ないぶん、彼らより高血糖が長く続くということです。普通の人が、スポーツ選手より、高血糖の害を受けやすいのは間違いありません。

 

 

 

運動量が半端ない飛脚もスポーツ選手と同じです。血糖値もすぐ下がるでしょうから、現代人のように大きな害を受ける事はないでしょう。

 

 

 

しかし、高血糖を押さえられても、「糖化」は避けられません。スポーツ選手も、飛脚もです。

 

 

 

いずれは「糖化」します。昔の人が、体力はあっても老化が早いのは、そういう理由もあります。

 

 

「すぐにエネルギーになる」というのは、燃料としての効能であって、健康的な効能ではありません。

 

 

しかし、目の前でバリバリ働かれたら、健康的に見えますから、とても優れた栄養素に見えます。

 

 

 

でも、実際は違います。

 

 

 

「肉を食べると胃もたれして調子を崩す」...というのは、糖質の食べすぎによる胃の糖化です。過去に私にも起こった症状です。でも、ほとんどの人は、これが糖質のせいでなる事を知りません。

 

 

 

だから、エネルギーのメリットばかりに注目するのですが、そのツケは大きいです。

 

 

 

「飛脚は、血糖値が上がっても、運動量が半端ないから、現代人よりは高血糖の害が少ない」と言いました。しかし、糖質を食べる事によって確実に体が糖化していたのです。

 

 

 

本記事では「昔の人の体力」についてお話しましたが、以下の続編では、「昔の人の健康状態」「飛脚の胃の糖化」について詳しくお話しています。必ずしも「体力=健康」ではないことがお分かりいただけると思います。

 

 

 

昔の人vs現代人、健康で体力的に強いのはどっちか比較してみたへ続く

 

 

 

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「和食はヘルシー」と言われているので、欧米化する前の純粋な和食を有難がる人は多いです。

 

 

 

昔ながらの和食

 

 

 

・・・というイントロは、とても耳障りが良く、牧歌的で健康的なイメージです。

 

 

 

しかし、イメージだけで物事を判断するのは軽率です。実態をみなければいけません。

 

 

 

確かに「昔の日本人」は、粗食であるにも関わらず、現代人がとても真似出来ないような重労働をしていました。

 

 

その部分だけにフォーカスを当てると、確かに凄いですし、「彼らの食事である粗食に、パワーの秘密がある」と考えたくなるのは分からないでもないです。

 

 

 

しかし、もう1つの事実である「昔の日本人は寿命が短かった」という事を無視してはいけないと思うのです。

 

 

 

もし、昔の人が本当に短命だったなら、果たしてそれは、我々現代人の目指すべき姿でしょうか。

 

 

それとも、「昔ながらの和食を真似して食べる人達」は、「重労働ができるけど短命な、昔の人のような人生」に憧れているのでしょうか。

 

 

 

・・・決してそんな事はないはずです。

 

 

 

「和食をヘルシーだと思って、真似して食べる人達」は、前者の「昔の日本人は、重労働に耐えられる強靭な体力があった」という部分だけを見て、後者の「寿命が短い」という部分が見えていないのです。

 

 

また、見えないように誘導されているのです。

 

 

そうでもなければ、好き好んで、短命になるような食事はしません。

 

 

ハッキリ言って、一般的な現代人にとって、「生きていくのに困らないだけの体力があれば、健康で長生きできる人生」の方が価値があると思います。

 

 

和食ファンには悪いですが、昔ながらの和食、そして、それを食べていた日本人は、「健康で長生きを目的とする人」の目指す方向ではありません。

 

 

「和食はヘルシー」という説は、信憑性に欠けるものばかりだからです。

 

 

本記事では、何故、昔ながらの和食が良くないのか、そして、それを食べていた人の健康状態がどうだったのか・・・についてお話します。

 

 

 

和食は健康によくないと語っているのであって、味がよくないという意味ではありません。

 

 

 

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和食のイメージと現実

 

 

あなたがもし、病気になりたくない、いつまでも若くいたい、長生きしたいと思うのであれば、「昔ながらの日本食」を目指してはいけません。

 

 

和食は「ヘルシー」ではないからです。

 

 

栄養的にみると、実は糖質過多、タンパク質不足、脂質不足なので、健康を損ねたり、短命になる食事です。

 

 

「昔ながらの日本食を食べる習慣」がある人は、「健康にならない道を歩んでいる」と、自覚した方がいいです。

 

 

自覚さえあれば、その気になった時に何時でも方向転換できるからです。

 

 

知らなければ「おかしいな、おかしいな」と思いながら、そのまま突き進んでしまいます。

 

 

何故私が、和食をここまで悪く言うのかというと、私自信、ほんの少し前まで、「和食を始めとした植物性中心の食事こそ、人間の体を健康にする」と考えていて、その通り実践して、長年体がとても弱かったからです。

 

 

「植物性食品を増やし、動物性食品を増やす」という、人間の食性と間逆の事をしていたのですから、弱るのは当たり前です。

 

 

 

 

 

 

しかし、「和食はヘルシーだ」と思っていた当時の私は、「不健康になる道」を歩んでいる自覚はなく、「健康的な食事をしている」と思っていました。

 

 

だから、「健康にならないな、おかしいな」と思いながら、方向転換する事はありませんでした。

 

 

 

 

健康に気をつける人が不健康になる

 

 

「健康に気をつけよう」と思った人が行き着くのは、ほとんどの場合、「和食」です。

 

 

 

  • 和食は無形文化財

 

  • 世界が認めた和食

 

  • 健康的な和食

 

 

 

・・・等の、和食の良いイメージだけを植えつけられている為、糖質過多、タンパク質不足、脂質不足・・・という「和食の栄養的な欠点」を見ようとしません。

 

 

しかも、和食とは素材の味を生かすどころか、砂糖などの調味料無しでは、味が成り立たない料理なのです。

 

 

和食は素材の味を生かした料理だという嘘と、日本人が不健康な白米を止められないワケ

 

 

 

私は糖質制限を始めてから、「調味料を極端に減らした和食」を何度も作ってみました。

 

 

 

しかし、どう頑張っても、「肉じゃが」、「筑前煮」、「ほうれん草の胡麻和え」・・・等、お馴染みの味にはなりませんでした。

 

 

調味料がなければ、素材の味はします。しかし、それぞれの「料理名の味」はしませんでした。

 

 

改めて「美味い美味いと思って食べていたあれは、実は調味料の味だったんだな」と思い知らされました。

 

 

「和食は素材の味を生かした調理法」と言われているのに、ぜんぜん素材の味じゃありません。「言われている事」と「実態」が違うわけです。

 

 

酷い嘘です。

 

 

なので、栄養面で嘘が多かったとしても不思議ではありません。

 

 

 

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食の欧米化にはメリットがあった

 

 

「昔ながらの和食」は良いイメージで語られることが多いです。

 

 

 

その一方で、「食の欧米化」はよく悪者にされます。

 

 

しかし、「食の欧米化」にはメリットもありました。

 

 

 

周知の事実ですが、タンパク質不足や、脂質不足が解消されて、寿命が延びたのです。

 

 

 

寿命だけではありません。

 

 

昔の日本の子供は栄養不足だったのですが、それも解消したのです。

 

 

 

 

ここで、メリットとデメリットを整理します。

 

 

 

    • メリット:タンパク質、脂質不足が解消され、体格が良くなったり、寿命が延びた

 

  • デメリット:【糖質まみれの日本食 + タンパク質、脂質が豊富な欧米の食品】で病気のリスクが上がった

 

 

 

デメリットの【糖質 + タンパク質、脂質】の組み合わせが、どうして好ましくないのかについては、以前記事を書きましたので、こちらをご覧下さい。

 

【脂質+タンパク質】は良くて【糖質+脂質+タンパク質】が良くない理由

 

 

 

次は、昔の子供、それも昭和の子供達がどう栄養不足だったのかについてお話します。

 

 

 

 

昔の子供は健康的だったという話

 

 

あなたは「今の子供は、アレルギーや喘息などで弱っているが、昔の子はそんなことなく元気で、外を走り回っていた」・・・といった話を聞いた事がありませんか。

 

 

実際に聞くこともありますし、粗食を推す、料理本や健康の本を読むと、たいていこのような話が書いてあります。

 

 

このような話を見聞きすると、「現代の若い人は粗悪なものを食べているから体が弱っていて、反対に、昔の人は食事が良かったから元気だったんだ」と思わされてしまいます。

 

 

しかし、調べてみると、昔の子供達もしっかりと栄養不足の症状が出ていました。

 

 

決して健康体ではありません。

 

 

 

過去の事は検証しずらいですから、なんとでも言えるわけです。

 

 

 

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昔の子供は感染症にかかりやすかった

 

 

「昭和初期の子供達が不健康だ」などと言うと、俄かには信じられないでしょう。

 

 

実は、元気そうに見えるだけで、昔の子供は感染症にかかりやすい体質だったのです。

 

 

喘息やアレルギーになる現代人と、「病気の種類」が違うだけで、昔の子供も不健康には変わりありません。

 

 

現代の子供達にはほとんど見られませんが、昔の子供達の多くは、青い鼻水をたらしていました。

 

 

これはタンパク質が不足している事が原因だそうです。

 

 

つまり、青い鼻水をたらした子が多い=タンパク質不足の子が多い ということになります。

 

 

「昔ながらの日本食」が健康的で理想的なら、このような子供は存在しなかったはずです。

 

 

しかし、そんなに遠くない昔、日本中にそういう子供が多くいました。

 

 

では、何故栄養不足でそのような症状になるのか、根拠が以下になります。

 

 

『三好耳鼻咽喉科クリニック』より引用

 

 

A:あれはつまり蓄膿症という慢性副鼻腔炎

 

 

私自身が子どもの頃には、世の中には鼻垂れ小僧さんがいっぱいいました。

 

 

青っぱなを見事に垂らして、いつもそれを啜り上げているだけでなく袖で擦り取ろうとするものですから、仕舞には袖がテカテカに光ってしまったりして。昔は子どもでも黒い学生服を着ていたものですから、ことに袖がてかり易かったような気がします。

 

 

そう言えば最近は見なくなりましたが、子どもが昼寝をしていると必ず鼻提灯を膨らませたりする光景が、誇張ではなく日本中至る所で見られました。

 

 

あれはつまり蓄膿症と呼ばれた慢性副鼻腔炎で、鼻の脇にある骨の空洞に膿が貯留して鼻の外まではみ出す、それがあの懐かしい青っぱなだったのです。

 

 

蓄膿症に限りません。当時は明らかに感染症が多くて、乳児死亡率も決して低くなかったのです。

 

 

このような感染症は現在では激減し、代わりに花粉症などアレルギー疾患が、ものすごく増えました。

 

これは衛生環境が劇的に改善し、感染する機会が極端に減ったことと、1970年前後から日本人の動物性蛋白質と動物性脂肪の摂取量が多くなり、免疫能力が高まったためと考えられています。

 

 

その背景ですが、免疫細胞に感染症を担当するTh1と呼ばれるタイプと、アレルギーに関与するTh2とが存在し、Th1の勢いが強い感染状態ではTh2が抑えられ、逆にTh2の強いアレルギー状態ではTh1の勢いが弱い、そんな状況のあることが動物実験で証明されています。人間ではその原理が、蓄膿症が減少と花粉症の増加として表われているものと思われます。

 

 

「当時は感染症が多かった事」、そして、「動物性蛋白質と、脂質の摂取量が増えた事で免疫能力が高まった事」が書かれてあります。

 

 

 

また、以下のサイトも参考になります。

 

 

『鼻水を止める!青っ洟は白血球の死骸です』より引用

 

 

寒い冬に子供たちが垂らしていた青っ洟の正体は、実は白血球の死骸、膿なのです。なぜ白血球の死骸が鼻水の中にたくさん出ていたのでしょうか。

 

 

ふつう風邪の原因となる何種類かのウィルスが鼻粘膜に侵入すると鼻粘膜では血管拡張と炎症反応が起こります。炎症を起こした場所では血管が拡張し、血管壁の透過性が亢進するため血液の水成分が漏れ出てきます。これがいわゆる水っ洟で、風邪の初期やアレルギー性鼻炎、花粉症でみられるタイプの鼻水です。

 

 

ウィルスに感染すると、鼻粘膜の抵抗力が落ちるため細菌感染にもかかりやすくなります。

 

 

さらに鼻水自体タンパク質に富んでいることもあり細菌の増殖が起こります。そうすると細菌や炎症反応ための白血球の死骸、鼻粘膜の一部などが混り、鼻水の色が黄色から膿のような緑色の青っ洟に変化していきます。

 

 

昔は免疫抗体の原料であるタンパク質の摂取が不足していたために白血球にはウィルスを殺す力があまりありませんでした。白血球を作って送り込んでも送り込んでも、ウィルスを退治する事が出来ません。他に方法がなく無駄に大量生産されて青い鼻水になったのです。

 

 

そのころの子供は、成長期でもありタンパク質が不足する事が多く、白血球が無駄にたくさん作られて青っ洟と呼ばれる、緑色の鼻水が大量に分泌されていました。ですから栄養状態の良かった裕福な家庭の子供には青っ洟は少なかったようです。

 

 

最近の子供も栄養状態が良いので青っ洟を見かけなくなりました。もう今では青っ洟に会える時と言えば、感染系の鼻水の色の変化で一番最後になる鼻水としてでしょう。

 

 

水溶性の鼻水から粘性の鼻水へ、粘性の鼻水から白濁の鼻水へ

 

白濁の鼻水から黄濁の鼻水へ、黄濁の鼻水から緑濁の鼻水(青っ洟)という順に悪化していきます。

 

 

治る時は逆の順序で治っていきます。

 

 

 

ここで言う「栄養状態が良い」は、「タンパク質が摂れている」事を意味します。

 

 

つまり、タンパク質が不足している、昔の裕福ではない子供達はこういう事になります。

 

 

 

タンパク質の不足 = 免疫抗体の原料の不足 → 弱い白血球

 

 

 

白血球は血液中にあります。

 

 

 

 

 

役割は体の中のお巡りさんですから、それが弱いと話になりません。

 

 

このような理由から、昔の子供は感染症に弱かったのです。

 

 

ちなみに、身体が感染症に弱くなる原因は、「タンパク質、脂質不足」の他に、「糖質の過剰摂取」があります。

 

 

糖質による、「高血糖」と、「糖化」は、免疫機能を弱らせるので、感染症に弱くなります。

 

 

血糖値が120を越えると、免疫機能が75%低下します。

 

 

人間の身体に必要な糖質量を血糖値の視点から分かりやすく説明してみた

 

 

 

糖質をたくさん食べて、それが余ると、体のタンパク質と反応して細胞が変性します。これを「糖化」というのですが、免疫細胞もタンパク質でできているので劣化します。

 

インフルエンザ等の感染症の予防は食事が重要です。免疫力を弱らせる食品とは

 

 

 

もし、「今の子供に比べて、昔の子供は元気だった」と、したり顔で言う人がいたら、その時代、鼻たらした子はいなかったかを聞いてみましょう。絶対普通にいたはずですから。

 

 

そういう子がいたということは、昔の子供は実は元気ではなかったのです。

 

 

「感染症にかかりやすい子供が多い時代でもあり、健康な子供が多い時代でもあった」・・・なんてチグハグな事はありえません。

 

 

 

感染症が蔓延する時点で、健康ではないのです。

 

 

 

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昭和の子供が現代の子供より強そうに見える理由とは

 

 

現代の子も不健康ですが、昔の人も、違う種類の不健康でした。

 

 

しかし、昔の子供は元気そうなイメージです。昔の人の話を聞いていると、野生的なたくましさがあります。

 

 

ただ、

 

 

どちらかと言うと、昔の人の元気は、「健康」ではなく「気合」というやつです。

 

 

 

「免疫力が弱い、気合の入った子供」が多かっただけです。

 

 

 

それを、さも「健康な人々で溢れていた」ように見せかけるのはどうなのでしょうか。

 

 

昔の子供達は常に外で遊んでいたが、今の子供達は部屋にこもりっきりで元気がない。それは食事が悪いから・・・等と言ったりするわけです。

 

 

 

これも酷い話です。

 

 

 

栄養と関係ありません。

 

 

 

今の子供は「不健康だから部屋にこもりっきり」、「ゲームがやりたいから部屋にこもりっきり」になっているわけではないと思います。

 

 

おそらくでしょう。

 

 

外で遊びたくても、遊べる場がどんどん縮小されていった結果、部屋しか遊ぶ所がなくなっただけだと思います。以下を読んでもらったら分かりますが、現代は公園で遊ぶのも難しいようです。

 

NAVER【何すりゃいいの?】最近、公園の『禁止事項』が厳しすぎる・・・

 

 

 

これらを禁止した大人達は、子供時代に、野球をして窓ガラスを割ったり、鳩を飼ったり、ウナギとったり、よその庭に生えてる柿をとったり・・・やりたい放題やっていたわけです。

 

 

 

で、大人になってルールを作りまくり「最近の子供は家にこもって、けしからん」等とのたまうわけです。

 

 

なので、「子供が外に行かないから元気がない」と言う話もまた、真に受けない方がいいでしょう。

 

 

以上、総合的に判断すると、現代の子供が特別不健康かというとそうでもなく、

 

 

過去の子供も不健康なので、わざわざ彼らがしていた食事を真似する必要はないと思います。

 

 

両方不健康、どっちもどっちです。

 

 

 

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インフルエンザの流行は毎年の事ですから、多くの人がこの時期、予防接種を受けようかどうしようか悩むと思います。

 

前回は「予防接種に頼りたくない人」の為に、「体を弱らせない為のアドバイス」をしました。

 

 

インフルエンザ等の感染症の予防は食事が重要です。免疫力を弱らせる食品とは

 

ですが、「予防接種を受けようかどうか迷っている人」もたくさんいると思います。

 

この人達の存在も無視できませんので、今回は、今「予防接種を受けようかどうか迷っている人」の為に、必要な情報をピックアップしてみました。

 

 

何故なら、ネットで調べると、「予防接種をしない方が良い」という意見と、「したほうが良い」という、全く別の意見が見つかるからです。

 

 

これでは、どちらが良いか迷います。

 

 

とくに、抵抗力のない子供やお年寄りは不安になります。

 

 

否定派と肯定派の理屈と体験談を比較して、どちらが信憑性があるか見ていきましょう。

 

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両者の理屈を比較する

 

 

 

まずは「ワクチンを打たない方が良い」派の意見です。

 

検索したらトップページにあがってきたので、あなたも一度や二度読んだ事がある記事かもしれません。

 

『NAVER インフルエンザワクチンは打たないで!【常識は嘘だらけ】』

 

 

情報量が多いので、引用はしませんが、以下のような事が書かれていました。

 

 

  • インフルエンザワクチンが効かない事は、ウイルス学者達の常識である

 

  • ワクチンには、水銀やアルミニウムなど体に害を与える物質が含まれている

 

 

・・・知らない人にとってみれば、ビックリするような内容となっています。

 

次にこの意見に反論する「ワクチンを打った方がいい」派の意見も読んでみましょう。

 

 

『お薬Q&A ~Fizz Drug Infomation ~【反論】「インフルエンザワクチンは打たないで」というデマが広まっていることについて』より引用

 

 

こちらも長いので引用はしません。

 

 

「ワクチン否定派の意見」は、全て30年以上前の統計・副作用などに基づいている為、科学的な根拠に乏しい。従って、専門家の意見を参考にするのが良い等と、真っ向から反論されています。

 

 

取り上げたサイトの「データ」という部分だけに注目すると、理屈では「打った方が良い」派に軍配が上がります。

 

理屈で納得する男性は、ここで終了・・・となりそうですが、重要なのは、そのエビデンスが本当に正しいのかどうか、です。

 

 

以前にも書いた事がありますが、私は理論を大事にしますが、医療の場合は、「エビデンス」よりも「体験談」の方を重要視しています。このように「意見が真っ二つに割れる事象」はとくにです。ワクチンに関しても例外ではありません。

 

定説が正しいとは限らない。真実から遠ざからない為に気をつけたい事

 

 

 

しかも、最近、「ありとあらゆる予防接種を受けさせた長男は病弱になっていったので、下の子には途中から受けさせないようにしたら元気に育った」という話を聞きました。

 

「ワクチン肯定派の理論」が崩れる話です。従って、「ワクチンを受けさせない方が良い」という意見も無視することは出来ません。

 

 

次は、「実際にインフルエンザの予防接種を受けた人達」の体験談に注目してみます。

 

こちらも意見が正反対です。

 

 

 

両者の体験談を比較する

 

 

以下のサイトは、「否定派」と「肯定派」の体験談をまとめられています。数が多いので、ここでは、注目に値する体験談を一部引用しますが、是非、引用元もご覧下さい。

 

『広域情報騎士 インフル予防接種の子供(幼児)への効果について体験談を抜粋してまとめてみた』より引用

 

インフル予防接種の効果あり派の体験談

 

うちの家族に関して言えば、効果を実感しています。子供たちはもう中学生、高校生ですが1歳の頃からインフルエンザのワクチンを毎年接種しています。まったくインフルエンザにかからない年もありますしかかっても熱が38度まで上がらない、高熱が出ても次の日には下がるというときもあります。やはり熱が出ている時間が短いので体力が消耗しないのか、回復が早いです。

 

子供だけ予防接種をうち、母親はしていなかった昨年、子供が保育園でインフルエンザをもらってきました。本人は37度台の発熱ですみましたが、2日後に母親(私)がかかり、40度の熱が出て動けなくなりました。子供が高熱で苦しむのを見ずに済んだという点でも予防接種は我が家では必須と認識しています。

 

我が家は1歳児が保育園に通っています。今年は家族全員接種です。共働き家庭では、家族の誰が感染しても、困ってしまうという親の都合です。日頃から健康的な生活を送っていて、感染してしまっても、ゆっくり養生できる環境であれば(親も子も)、あえて接種する必要はないかなあ、とは思います。お子さんがもう3歳なら、重症化するリスクも少ないでしょうし。でも、保育園に行ってらっしゃるということは、もしお子さんが感染してしまった場合に、お仕事を休めますか?また、ご両親がお子さんからもらってしまう可能性もありますが、休めますか?本来、風邪のような一過性の病気は、体が休息を要求するシグナルだと思います。でも、忙しい生活を送る現代人はなかなかその要求にこたえることができないため、ある程度医療の力を借りて、予防するのもいたし方ないかなあ、と。

 

インフル予防接種の効果なし派の体験談
高校生の子供がいますが今までインフルエンザワクチンは1回も接種していません。インフルエンザにかかったのは過去に1度だけ。同時にAB両方でしたが軽かったです。気になるのは今まで私の周りで、ワクチンなんて必要ないと言っている人は親子共々普段から風邪をひかず、インフルエンザにもかかりません。逆に毎回接種している所は親子ともインフルエンザにかかったり、普段から風邪をひきやすい人が多い。ワクチン打たない派の人でその話題になると「打った人ばかりがインフルエンザになるのは何でかしら?」と言います。

 

現在10才と5才の息子がいます。長男は幼稚園入園してからインフル予防接種を2回受けて毎年かかり、結局1週間~10日間休んでいました。3年生の時に毎年2回受けてかかるので1回にしたらその年はかからず、学級閉鎖になっても息子はかからず元気でした。去年は、受けなかったのですがかかりませんでした。次男も1回しか受けませんでしたが、かからなかったです。

 

子供が小さい時から毎年この時期になると予防接種の話になります。周りと話していての実感ですが・・・予防接種を受けている人の方がインフルエンザになっているなぁと思います。重症化しないというのもどうなのかなぁ・・・という感じです。「予防接種打ったのにインフルエンザに罹ったし、症状もひどかったから今年は打たない」ってなる人も多いです。なにより、予約をとるのが大変なんですよね。朝早くから病院に並んだり、電話かけまくったり・・・そこまでして受けなければいけないものなの?というのが実感なので、うちは誰も受けてません。予防接種より、うがい、手洗い、バランスの良い食事、十分な睡眠が一番予防に効果的なのかな・・・と思ってます。

 

 

 

体験談から見るインフルエンザワクチンの効果は、

 

 

  • 「ワクチンを受けた人」は、発症しない事もあるけど、発症する事もある。発症した場合は症状が軽い

 

  • 「ワクチンを受けない人」は、発症しない事もあるけど、発症する事もある。発症した場合は症状が重い

 

 

 

私は「予防接種はしてないけど、インフルエンザにかからないタイプ」です。(普通の風邪は2年前までは引いていましたが。)

 

 

私は体が弱い方ですが、薬は基本的に嫌いなので、大人になってからは予防接種はしておりません。子供の時は学校の行事で時々注射がありましたが、子供だったので、その注射が何の種類だったのかまでは覚えていません。

 

インフルエンザには、10年前に一度かかっただけです。5日間寝込みましたが、その時以来、一回もかかっていません。

 

 

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熱が低い方が良いという考え方

 

 

ここで、私が一つ気になるのは「予防接種を受けていたから、熱がこの程度で良かった」という話です。

 

薬は人間の体温を下げると言われています。

 

ということは、「熱が上がらなかったのは、ワクチンを打って体温が下がったからだ」とも考えられるわけです。

 

「熱が出なければ良い」「熱が高くなければ良い」というのは、「熱は上げない方が良い」という前提があるから出てくる意見です。

 

これは症状が無ければ良いという、「根本治療」ではなく「対処療法」に重きを置く現代医療の視点です。「寝込んだり、休むことは不便な事である」、「すぐ楽になる事が重要」と考える人は、「熱が大して上がらなくて、めでたし、めでたし」という発想になります。

 

しかし、熱が出た時に、自らの免疫でウイルスと闘うのが「本来の健康な体」なのです。私はそう思うので、「必要な時に熱が上がらない」のは良いことだとは思えません。

 

 

炎症は人間の体にとって必要な機能なのです。

 

炎症と自己免疫疾患について分かりやすく説明してみた

 

 

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ワクチンと健康の関係

 

 

そして気になるのは、「インフルエンザワクチンを打った人だけが感染する」という部分です。以前読んだ「エボラはエボラのワクチンを打った人だけが感染する」という話を思い出します。

 

「ワクチンを打った人が感染する」という話は、果たして本当なのか調べてみます。

 

 

『世界の裏側ニュース ワクチンを受けない方が健康的 衝撃的な研究結果』より引用

 

「研究を行ったワクチン未接種の子供は、ワクチンを接種した子供に比べ、より、健康で耐久力があり、丈夫であることがわかりました。アレルギーやぜんそく、顔色の悪さ、問題行動や注意力の散漫などは、ワクチン接種済みの若い子供の間でより高い確率で見られることは明白です。

 

一方、ワクチン未接種の子供は、ワクチン接種済みの子供と比較して、感染症への羅漢率が高いわけでもなく、重症になることもありませんでした。

 

全体的に、未接種児の免疫システムは感染症というチャレンジに対してとてもよく、対応できていたのです」

 

また、ワクチン未接種の子供はワクチン接種済みの子供と比較すると、ぜんそくになった率は5分の1、皮膚の慢性的疾患にかかった率は5分の2、過活動(多動児)であった確率は8分の1であったことが他の研究結果から判明している。

 

ワクチン接種済みの子供がぜんそくに罹る確率は、ワクチン未接種児と比較すると14倍に上るという結果を出した他の研究もある。

 

自分の子供に受けさせる、毒が支配するワクチンの副作用に関する知識を得た親が増えた結果、子供のワクチン接種を意図的に避けるケースが増加している。ということは、次世代の子供に最も健康的な人間が増えることを意味している。

 

 

引用元も研究結果ですから、信憑性がないわけではありません。

 

 

しかし、これが本当だとしたら「ワクチン肯定派」のエビデンスとはかみ合いません。

 

 

このような状況の時、何を基準に判断すべきかをお話します。

 

 

 

エビデンスと体験談が食い違う原因

 

「データ」と「体験談」、どちらも賛否両論で、何を信用したら良いかわかりません。そこで、迷わない為に押さえておきたいポイントをお話します。

 

 

「医療」や「栄養」の世界では、度々「1つの事象に対して、意見が割れる」という現象が起きます。例えば

 

 

  • ある栄養に対して、「危険だから摂らない方が良い」という説と、「摂ったほうが良い」という説

 

 

  • ある疾患に対して、「Aという物質が原因だから、Aを避けよう」という説と、「この疾患の原因はAじゃない」という説

 

 

  • ある治療に対して、「効果がないから受けないほうが良い」という説と、「受けないといけない」という説

 

 

 

ワクチンを「打ったほうが良い」説と、「打たない方が良い」説に割れている現象も、所詮この中の一つに過ぎません。

 

 

 

「それぞれが意見を主張することで、どんなメリットがあるか」ということを見てください。

 

 

誰が得をするのかという視点です。

 

 

  • ワクチンを否定する人は、否定する事でどんな得があるのか?

 

  • ワクチンを肯定する人は、肯定する事でどんな得があるのか?

 

 

 

以下の記事をお読み下さい。

 

『マイナビニュース 製薬会社の闇 医師にカネ渡す営業で販売促進を図る慣習あり』より引用

 

製薬会社から金銭的支援を受ける代わりに、大学の医学部教授らが臨床試験のデータを操作し、製薬会社に有利な論文を執筆するなど、不正論文が同大医学部内で横行している実態を生々しい証言で暴いたのである。

 

(中略)

 

「製薬会社とあまり接点のない私のような病理専門医から見ると、大学医学部と製薬会社の関係は異常に映ります。まだ医学生の時から、製薬会社の営業マンは目星を付けた医者の卵にボールペンやメモ帳を提供したり、お弁当を差し入れしたりといったアプローチで関係を深めていく。

 

研修医になる頃には、論文を探してきてあげたり、タクシーチケットを配ったりと、さらに密接な関係を作る。その長年の馴れ合いの延長線上に、一部とはいえ、患者の健康や存在を無視したまま医薬品が販売・宣伝される現状があります。これは何としても是正されねばなりません」

 

こちらは週刊ポスト2014年3月14日号(NEWSポストセブン)の内容なので、現在どうかはわかりません。

 

 

大人は、社会で人間の汚い部分をたくさん見てきているはずですが、何故かお医者さんだけは良い人と考えています。

 

しかし、世の中にはこういう事があるという視点をもたないと、何も見えてきません。

 

 

「専門家の意見」「エビデンス」だからといって信じるのは早合点です。

 

 

「白いものを黒だ」と言いたい派と、「白いものは白だろ」と言う派の争いは考えている以上に多いです。

 

予防接種に限らず、根拠を捏造されたら、もう素人にはわかりません。

 

だから体験談が重要なのです。

 

「医療」だけ、「栄養」だけを見て考えていたのでは、永久に答えは見つかりません。袋小路に迷い込むだけです。

 

 

 

エビデンスと体験談を比較する理由

 

 

「エビデンスは絶対である、体験談など取るに足らない」と考える人は多いですが、前者はでっち上げが可能です。

 

だからこそ体験談と比較して矛盾がないか分析するのです。

 

 

科学や論文のインチキはコレステロールが教えてくれる

 

遺伝子組み換え食品から学んだ、学問に不毛な議論が発生する本当の理由

 

教育と洗脳は紙一重、確認をしなければどんな学問もただの信仰である

 

 

 

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なるべく予防接種を受けたくないという人の為に、「予防接種に頼らない予防方法」をお伝えします。

 

 

すでに、うがいや手洗い、マスクなど徹底的に予防しているかもしれません。

 

 

しかし、ウイルスや細菌が体の中で活躍できる環境を改善しない人は意外と多いです。

 

 

その理由があまり知られていないので、あなたが普段している行動が、ウイルスや細菌の助けになっている可能性もあります。

 

 

うがいや手洗いは、しないよりした方がマシですが、無菌室ではありませんので限界があります。近くの人が咳をしたら終わりです。

 

 

外敵に立ち向かう力が必要なのです。

 

 

従って、細胞レベルで体を強くする必要があります。

 

 

細胞を弱らせて、体を感染症に弱くしているのは、多くの人が食べている糖質です。細胞を丈夫にするには、その反対をすれは良いのです。

 

 

本記事では、糖質によって免疫機能が低下し、体が感染症にかかりやすくなる仕組みを簡単にご説明します。

 

 

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免疫力は劣化する

 

 

余った糖とタンパク質が結びつく糖化反応によって、体のタンパク質が弱くなります(以下に詳しく書いています)。

 

糖化反応(メイラード反応)について分かりやすく説明してみた

 

 

 

糖化によって、血管、肌、骨、筋肉、内臓、爪・・・と細胞が劣化していきますが、免疫機能も同じようになります。

 

 

体を酸化から守る抗酸化酵素の糖化

 

 

 

「抗酸化酵素」もタンパク質なので、これも糖化します。その結果、免疫力が低下します。

 

 

 

 

免疫細胞の糖化

 

 

 

タンパク質は、免疫細胞を構成する成分の一つです。

 

 

「T細胞」、「マクロファージ」、「NK細胞」等の細胞免疫も糖化します。その結果、体を守ってくれる免疫が衰え、菌・ウイルスに負けます。

 

 

 

白血球と免疫の仕組みについて分かりやすく説明してみた

 

 

 

 

高血糖による問題

 

 

糖質を食べると、血糖値が上がりますが、これも体にダメージを与えます。

 

 

 

高血糖が原因で白血球が減少する

 

 

高血糖になると、体の中のおまわりさんである「白血球」が減少するので、感染症に弱くなります。

 

 

 

 

その結果、色々な感染症にかかります。

 

糖質を殆ど摂取しない野生の肉食動物は、白血球の減少が見られません。高血糖の動物もいないので感染症に強いです。

 

 

 

ちなみに、ビタミンCで有名な「ライナス・ポーリング」によると、血糖値が120以上になると、免疫力の75%が低下するそうです。

 

人間の身体に必要な糖質量を血糖値の視点から分かりやすく説明してみた

 

 

 

高血糖で細い血管の血流が悪くなる

 

 

高血糖では、糖分によって血液はドロドロになります。

 

流れが悪いので、酸素や栄養が十分に行き渡らず、細胞の働きが低下したり、「白血球」が感染部位に到達しにくくなって、感染しやすくなります。

 

 

 

高血糖で血管が傷つく

 

 

ブドウ糖が細胞を傷つけ、炎症を引き起こします。

 

血糖値が200mg/dlを越えると血管内皮に障害が起こり、220mg/dl以上になると血管内皮の障害が増加するといわれています。

 

血管が傷つき、修復も遅くなります。その結果、細菌やウイルスに感染しやすくなります。

 

 

炎症のメカニズムについては、以下に詳しく書きました。

 

炎症と自己免疫疾患について分かりやすく説明してみた

 

 

血管が傷つくと動脈硬化の原因になります。

 

動脈硬化は悪玉コレステロールではなく、動脈壁の劣化が原因だった

 

動脈硬化を改善・予防する方法を分かりやすく説明してみた

 

 

 

高血糖で細菌元気

 

高血糖だと、余分な糖分を栄養として細菌がさらに活動を強めてしまいます。

 

 

 

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糖質と細菌の関係

 

 

以前、おせち料理に含まれている糖質量を調べました。

 

正月に太る原因は糖質です。おせち料理に使用される砂糖は約1kg

 

「おせち料理に大量の砂糖を加えるのは、腐らないようにする為だ」という説が目につきました。

 

 

このように、砂糖は「防腐作用」や、「細菌の発育を抑える働き」もあるはずですが、どうして人間の血液に糖が余ると、細菌に感染しやすくなるのでしょうか。

 

砂糖に細菌を抑える働きがあるのなら、体内に入った糖分も細菌を抑えるように働いてくれてもいいはずです。

 

 

その違いを知りたかったので、調べてみたのですが、いまいち納得できるものが見つかりませんでした。

 

 

一応、「砂糖を食品に使う場合の、砂糖の防腐効果」について説明されているものならありました。

 

 

『独立行政法人 農畜産業振興機構 おせち料理と砂糖』より引用

 

(4) 防腐性

 

濃度40%以下の砂糖溶液は、微生物の栄養源となり繁殖を促しますが、濃度40%以上の砂糖溶液では浸透圧が高く、防腐性を有します。

 

砂糖溶液の濃度40~60%では細菌類、濃度60~70%では糸状菌や酵母の発育を阻止します。

 

ブドウ糖は砂糖より低濃度で防腐性の効果を示します。果糖はさらに低濃度で微生物の繁殖を阻止することができます。

 

この防腐性を利用したのが、ジャム、マーマレード、砂糖漬けです。おせち料理に砂糖を多く用いるのも冷蔵庫がなかった時代に、7日間~10日間日持ちさせなければならなかっのですから防腐のための工夫と考えられます。

 

表3 糖類の微生物に対する最少発育阻止濃度

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要するに、「メチャクチャ高濃度」だと細菌は繁殖しないけど、「濃度が中途半端」だと細菌が繁殖する・・・ということでしょうか。

 

これが人間の体にもいえることなのか私には判断ができませんが、糖の濃度が上がれば上がるほど糖化の影響がありますし、反対に、濃度が中途半端だったら繁殖する・・・どちらも体にとってはよくありませんね。

 

 

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糖質を減らした事で感染症に強くなった

 

 

私が最後に風邪を引いたのは、ちょうど2年前です。

 

結婚式に参加していた日だったので、よく覚えています。料理の味が感じられないくらい喉が痛くて、帰った後で熱が出ました。

 

振り返ってみると、それから一度も風邪を引いていません。

 

わたしが糖質制限をはじめたのは一年半前です。おそらく、これのおかげだと思います。

 

 

何故なら、糖質制限食ではなく、バランスの良い食事をしていた時は、一年に一回は風邪を引いていたからです。喉が痛くなる程度でしたら、もう少し回数はありました。

 

しかし、この2年間は喉が痛いという事もありません。感染症に強くなったと感じます。

 

 

 

糖質の摂取量を見直してみる

 

 

糖質を摂ることで、細菌やウイルスと闘うのに不利になる事がお分かりいただけたかと思います。

 

 

いきなり厳しい糖質制限に挑戦するのは難しいかもしれませんが、「飲み物に加える糖分を控える」とか、「調味料に頼らないレシピにする」など、出来るところから始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

また、体が糖化するとどうなるか知るのも、糖質の抑止力になります。

 

糖化反応(メイラード反応)について分かりやすく説明してみた

 

 

 

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食事以外で気を付けたい事

 

 

コロナウイルスの感染者が多い地域は、5Gが開始されているところが多いようです。

 

 

5Gは強い電磁波なので、免疫力を下げます。その危険性について以下の記事でお話しています。

 

 

5Gの空間では、生体は健康的な生活を送ることはできません。

 

 

ほとんどの人が知らない、栄養療法でも薬品でもないウイルス対策

 

 

新型コロナウイルスのような「RNAウイルス」は、特効薬のアビガンがあります。

 

 

これで治る人が急増中です。80代後半の色々疾患をもっている方が肺炎になったところ、回復したそうです。

 

 

【素人でもわかる】アビガンの知識と実績